【場合の数と確率】北海道から学ぶ数学|日本数学塾

北海道から受験を目指される方も多く、この時期「場合の数と確率」で得点を落とす高校生が増えています。北海道在住の方でも全国オンラインで受講可能です。

場合の数と確率は、見た目が複雑で「どのように数えるのか」が分かりにくい単元です。しかし実は、「何を区別するのか」「全体は何か」という2つの視点を決めれば、ほぼすべての問題が解けるといえます。本記事では、受験生がつまずきやすい判断ポイントと、その解き方を step by step で示します。

場合の数と確率:分野の全体像と出題傾向

大学受験数学における「場合の数と確率」は、以下の3層構造で成り立っています。

  1. 基礎:順列・組合せの定義と計算(n!、P、C の使い分け)
  2. 中核:複雑な条件下での場合の数の数え方(重複排除、樹形図、設定読解)
  3. 応用:確率の計算と独立性・条件付き確率の判定

出題のパターンは大きく3種類です。

  • 型1:「〜の並べ方は何通りか」→ 順列か組合せか、重複を許すか、条件の厳しさが焦点
  • 型2:「〜を選ぶ方法は何通りか」→ 順序が関係ないので組合せが基本。ただし「グループ分け」と「選別」は別概念
  • 型3:「〜の確率は?」→ 場合の数が分かれば、確率 = 求める場合の数 / 全体 の計算。ただし「独立か従属か」「条件付きか」の判定が肝

受験生が最初につまずくのは「この問題は型1か型2か型3か、判断すら難しい」という段階です。出題者は意図的に「わかりにくい日本語」で問題を書くため、まずは「何を問われているのか」を言語化することが重要になります。

解法 step by step:「何を数えるのか」の決め方

ステップ1:問題文から「数える対象」を明確にする

問題を読んで、最初にやることは「この問題は、何を『1つ』と数えるのか」を決めることです。

例1:「男子3人、女子2人が一列に並ぶとき、男女が交互に並ぶ方法は何通りか?」

→ 「数える対象」は「1つの並び方」。これは男女の順列であり、「人間5人が一列に並ぶ」という事象の部分集合です。

例2:「9人の中から、委員長1人と副委員長1人を選ぶ方法は?」

→ 「数える対象」は「1つの選び方」。委員長Aさん・副委員長Bさんと、委員長Bさん・副委員長Aさんは異なる選び方(順序が関係する)です。

例3:「9人の中から、2人の代表を選ぶ方法は?」

→ 「数える対象」は「1つの代表ペア」。AさんとBさんのペアは、順序を区別しません。

この3つは見た目が似ていますが、「何を1つと数えるか」が異なるため、計算が全く変わります(例1は順列、例2は順列P、例3は組合せC)。問題を読んだら、「この1個の単位は何か」を必ず言葉にしておきましょう。

ステップ2:「全体」と「条件を満たすもの」を分ける

場合の数の問題では、以下の判断が必須です。

  • 「全体は何か」(制限がない場合)
  • 「条件を満たすのは何か」(「〜の方法は」という指定)

例:「赤玉3個、青玉2個、白玉1個がある。これを一列に並べるとき、赤玉どうしが隣り合わない並べ方は何通りか?」

この問題は「同じ色の玉は区別しない」という設定です。

全体の場合の数(色のみ区別):
6個を一列に並べるとき、赤が3個、青が2個、白が1個の並べ方 = 6! / (3! × 2! × 1!) = 60

条件:「赤玉どうしが隣り合わない」
方針:青2個と白1個をまず並べ、その間隙に赤を入れる(余白挿入法)。

①青2個と白1個を並べる:3! / (2! × 1!) = 3 通り
例:B B W、B W B、W B B(Bは青、Wは白)

②「B B W」を置いたとき、赤を入れられる余白は4箇所:_B_B_W_
4箇所から3箇所を選んで赤を1個ずつ入れる = C(4, 3) = 4

③青2個、白1個の並べ方(3通り)それぞれについて、赤の挿入方法が4通り
答え = 3 × 4 = 12 通り

このように、「全体」「条件」を分けて計算することが、複雑な場合の数を解く鍵になります。

ステップ3:順列か組合せか、判定する

多くの受験生は「順列と組合せの使い分けが分からない」と言いますが、実は判定ルールは単純です。

  • 「選んだ順序が関係する」→ 順列 P
    例:「1位、2位、3位に入る人は?」「委員長と副委員長」「ABCの順番に並ぶ」
  • 「選んだ順序が関係しない」→ 組合せ C
    例:「3人のチームを作る」「ABCの3人を選ぶ」「集合から部分集合を選ぶ」

判定のコツは「選んだ後、それをどう使うか」を見ることです。

例:「5人の中から3人を選んで、3つの異なる役職(A役、B役、C役)に割り当てる」

→ 「3人を選ぶ」までは C(5, 3) ですが、その後「役職に割り当てる」という順序付けが発生します。
= C(5, 3) × 3! = 10 × 6 = 60
または最初から順列で:P(5, 3) = 5 × 4 × 3 = 60

どちらの見方でも答えは同じです。「役職がない場合」(ただ3人選ぶだけ)なら、C(5, 3) = 10 で終わります。

ステップ4:確率を求める場合

確率の計算自体は簡単です:確率 = 求める場合の数 / 全体の場合の数

ただし、以下の判定が必須です。

(1)独立事象か、従属事象か

サイコロを2回振る場合、1回目と2回目の結果は関係ありません(独立)。
一方、ポーカーで1枚抽いて戻さずに次を抽く場合、2回目は残りのカードに依存します(従属)。

独立の場合:P(AかつB) = P(A) × P(B)
従属の場合:P(AかつB) = P(A) × P(B|A)(条件付き確率)

(2)条件付き確率が問われているか

例:「サイコロを2回振り、1回目が3以上であることが分かっているとき、合計が10以上になる確率は?」

→ 「1回目が3以上」という条件がついているので、条件付き確率です。

全体:1回目が3, 4, 5, 6 → 4通り
このうち、合計が10以上(2回目が必要な値):
1回目=4 のとき、2回目≥6(6のみ)= 1通り
1回目=5 のとき、2回目≥5(5, 6)= 2通り
1回目=6 のとき、2回目≥4(4, 5, 6)= 3通り
合計 = 1 + 2 + 3 = 6通り

求める確率 = 6 / 4 = 3/2…これは1を超えるので間違い。

正しくは:1回目が3以上の場合、2回目は1〜6のすべてが可能。
全体:(3,1), (3,2), ..., (3,6), (4,1), ..., (6,6) = 4 × 6 = 24通り
合計≥10:(4,6), (5,5), (5,6), (6,4), (6,5), (6,6) = 6通り
確率 = 6 / 24 = 1/4

よくあるつまずきと対策

つまずき1:「重複排除」を忘れる

例:「1から9までの数字で、異なる3ケタの数を作るとき、100以上200未満の数は何個か?」

受験生の誤答:「百の位は1に決まる。十の位は9個から1個選ぶ。一の位は残り8個から選ぶ」
= 1 × 9 × 8 = 72…これは大きすぎます。

正しい考え方:
百の位 = 1(確定)
十の位 = 0〜9 の10個から1個選ぶ = 10通り
一の位 = 十の位で使った数字を除く9個から選ぶ = 9通り
答え = 1 × 10 × 9 = 90

ただし、この場合「0」が一の位に来るので問題ありません。もし「0は使わない」という条件があれば、さらに調整が必要です。

対策:「すでに使った数字は除く」を、ステップごとに確認する習慣をつけましょう。

つまずき2:「順序あり」と「順序なし」を混同する

例:「A, B, C, D, Eの5人を、2人、2人、1人の3グループに分ける方法は何通りか?」

受験生の誤答:「2人を選ぶ:C(5,2) = 10、次の2人を選ぶ:C(3,2) = 3、残り1人:C(1,1) = 1」
= 10 × 3 × 1 = 30…これは「グループが区別される」場合です。

正しい考え方:
「2人、2人、1人」という3つのグループは、「グループAとグループB」のように区別されません。
= C(5,2) × C(3,2) × C(1,1) / 2! = 10 × 3 × 1 / 2 = 15

分母に 2! をかけるのは「2人グループが2つあるから、その重複を除くため」です。もし「1人グループが2つ」なら、分母は 2! になります。

対策:グループの大きさが同じ場合、その個数の階乗で割ることを覚えておきましょう。

つまずき3:「樹形図」と「公式」のどちらを選ぶか判断できない

条件が複雑な場合、樹形図で地道に数えたほうが早い場合もあります。

例:「コイン3枚を投げ、少なくとも2枚が表になる確率は?」

公式で無理に計算しようとすると、二項分布の考え方が必要ですが、枚数が少ないので樹形図が最速です。

樹形図:
表表表 ○
表表裏 ○
表裏表 ○
表裏裏 ×
裏表表 ○
裏表裏 ×
裏裏表 ×
裏裏裏 ×
全8通り中、○は4通り。確率 = 4/8 = 1/2

対策:条件が「少なくとも〜」「ちょうど〜」という限定的な場合は、全体が小さければ樹形図を優先しましょう。

つまずき4:「条件付き確率」を普通の確率と混同する

例:「ボール100個(赤50、青30、白20)がある。目を閉じて1個取る。取ったボールが赤であることが分かったとき、次に青を取る確率は?」

受験生の誤答:「1個取ったので残りは99個。次に青を取る確率 = 30/99」…これは「1個目が何であるか」を無視しています。

正しい考え方:
「1個目が赤である」という条件下での計算なので:
残りのボール:赤49、青30、白20(合計99個)
次に青を取る確率 = 30/99 = 10/33

この問題は実は「戻さない」という従属性が隠れているため、条件付き確率になります。

対策:「与えられた情報(〜であることが分かったとき)」を見落とさないこと。これが条件付き確率のシグナルです。

日々の練習法:段階的な鍛え方

段階1:「数える対象の定義」を言葉にする練習

毎日の課題として、問題を読んだら「この問題は何を1個と数えるのか」を一文で書く習慣をつけましょう。

例:「この問題は、『赤玉と青玉を区別した上での、一列の並べ方1つ』を数えている」

この一文が書ければ、その後の計算選択(順列か組合せか)が自動的に決まります。

段階2:小問題セット(1問5分以内)で反復

場合の数は「短い問題を数多く解く」ことで、判定の精度が上がります。大きな過去問に取り組む前に、教科書の練習問題や青チャートの「基本例題」で、基本パターンを50問程度解きましょう。

段階3:「複合問題」に挑戦(10分以上)

条件が2つ以上重なった問題に取り組みます。例えば:

「赤玉3、青玉2を一列に並べるとき、赤玉どうしが隣り合わず、かつ両端が青玉でない並べ方は何通りか?」

このような問題は「余白挿入法」と「条件の組み合わせ」の両方を要求します。焦らず、ステップ1から4を順番に進めましょう。

段階4:過去問で出題傾向を把握

志望大学の過去5年分の「場合の数と確率」を解き、「この大学は、グループ分けをよく出す」「条件付き確率が毎年出る」といったパターンを認識します。

確率計算の落とし穴:独立性の判定

確率の応用問題で特に気をつけたいのが「独立か従属か」の判定です。これを誤ると、全く異なる答えになります。

例:「袋の中に赤玉5、白玉3がある。3回連続で玉を取り出すとき、3回とも赤玉の確率は?」

ここで重要な情報が「玉を戻すか戻さないか」です。

パターンA:戻す場合(独立)
P = (5/8) × (5/8) × (5/8) = 125/512

パターンB:戻さない場合(従属)
P = (5/8) × (4/7) × (3/6) = 60/336 = 5/28

問題文に「戻す」と明記がなければ、通常は「戻さない」と判断します。ただし、問題によっては「復元抽出」「非復元抽出」と明記される場合もあるので、必ず読み込みましょう。

確率と場合の数の関係:なぜ「場合の数」が必要なのか

受験生の中には「確率だけを勉強したい」と考える人もいますが、確率 = 場合の数の比である限り、場合の数の精密さが確率計算の精密さを左右します。

例えば「少なくとも1回は成功する確率」という問題は、余事象(「1回も成功しない」)の場合の数を正確に数えられないと解けません。

余事象を使った計算の例:
「5人の中から少なくとも2人を選ぶ方法は何通りか?」

直接計算:C(5,2) + C(5,3) + C(5,4) + C(5,5) = 10 + 10 + 5 + 1 = 26

余事象を使った計算:全体 - (0人選ぶ + 1人選ぶ)= C(5,0) + C(5,1) = 1 + 5 = 6
= 2^5 - 6 = 32 - 6 = 26

どちらも同じ答えですが、「余事象」という場合の数の考え方を理解していないと、この短縮法は使えません。

まとめ:得点差が出る理由

場合の数と確率で受験生の得点差が大きく出るのは、「何を数えるのか」という根本的な判断が、問題文に明確に書かれていないためです。

しかし、以下の4ステップを身につければ、ほぼすべての問題に対応できるといえます。

  1. 数える対象を言語化する
  2. 全体と条件を分ける
  3. 順列か組合せか判定する
  4. 独立性・条件付き確率を判定する

これらを「問題を読む度に意識的に実行する」習慣をつけることが、受験本番での得点につながります。

日本数学塾では、この"なぜそうなるのか"を担任制で一緒に考えます。
場合の数と確率は「解法の手順の背景にある理由」を理解することが何より大切です。全国オンライン対応。まずは無料体験授業をお試しください。

→ 無料体験授業を申し込む

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です