和歌山大学 2013年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!

和歌山大学 2013年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!

こんにちは!数強塾の藤原進之介です。

和歌山大学の2013年度数学の過去問を一緒に解きながら、基礎的な計算力から合格レベルまで、段階的に理解していきましょう! この記事では、全5問の問題のうち、特に重要な大問を詳しく解説します。

「標準レベルの問題だからこそ、確実に正解する力が合否を分けるんです。細かいところまで丁寧に見ていきましょう!」


和歌山大学の数学ってどんな試験?

試験形式と難易度の特徴

和歌山大学の数学は、標準レベルの良問揃い です。特徴は以下の通りです:

項目 内容
出題範囲 数学Ⅰ~Ⅲ(学部による選択)
難易度 基礎~標準(教科書+標準問題集で対応可)
出題形式 段階的な小問構成が多い
計算量 中程度(計算力と理解力の両方が必要)

試験の特徴を日常で例えるなら…

料理の「レシピに従う調理」を想像してください。和歌山大学の数学は:

  • レシピ(定理・公式)を正確に理解できているか → ①加法定理、②数列の公式など
  • 各ステップを丁寧に実行できるか → 計算ミスなく進められるか
  • 最後の仕上げまで気を抜かないか → 最小値・最大値の判定など

「難しい技法は不要だけど、基礎を完璧にマスターしている人が合格する」という試験なんです。

先生と生徒の会話

🧑 生徒:「和歌山大学の数学は難しいと聞いたのですが…」

👨‍🏫 藤原先生:「そんなことないよ!むしろ逆で、基礎がしっかりしていることが何より大切な試験なんだ。例えば、$\sin(\alpha+\beta) - \sin(\alpha-\beta)$ を展開する時には、加法定理 $\sin(\alpha+\beta) = \sin\alpha\cos\beta + \cos\alpha\sin\beta$ を正確に使えるかが問われるんだ。難しい公式ではなく、むしろ『定番の公式をどれだけ確実に使いこなせるか』が勝負だよ。」


2013年度 全問題と詳細解説

大問1:数列(全学部共通)

【問題文】

数列 $\{a_n\}$, $\{b_n\}$ は次の条件を満たしている。

  • $a_1 = -15$, $a_3 = -33$, $a_5 = -35$
  • $\{b_n\}$ は $\{a_n\}$ の階差数列
  • $\{b_n\}$ は等差数列

また、$S_n = \sum_{k=1}^{n} a_k$ とする。

(1) 一般項 $a_n$, $b_n$ を求めよ。

(2) $S_n$ を求めよ。

(3) $S_n$ が最小となるときの $n$ を求めよ。


【解法ポイント】

(1) 一般項 $a_n$, $b_n$ を求める

ステップ①:階差数列の定義を使う

階差数列 $b_n$ とは、隣り合う項の差をとった数列です:

$$b_n = a_{n+1} - a_n$$

与えられた条件から:
- $b_1 = a_2 - a_1 = a_2 - (-15) = a_2 + 15$
- $b_2 = a_3 - a_2 = -33 - a_2$
- $b_3 = a_4 - a_3 = a_4 - (-33) = a_4 + 33$
- $b_4 = a_5 - a_4 = -35 - a_4$

ステップ②:$\{b_n\}$ が等差数列という条件を使う

$\{b_n\}$ が等差数列なら、公差が一定 です:

$$b_2 - b_1 = b_3 - b_2 = b_4 - b_3 = d \text{(一定)}$$

$a_2$, $a_4$ を未知数として立式すると:

$$b_1 = a_2 + 15$$
$$b_2 = -33 - a_2$$
$$b_3 = a_4 + 33$$
$$b_4 = -35 - a_4$$

公差が一定の条件 $b_2 - b_1 = b_3 - b_2$ から:

$$(-33 - a_2) - (a_2 + 15) = (a_4 + 33) - (-33 - a_2)$$
$$-48 - 2a_2 = a_4 + a_2 + 66$$

ステップ③:$\{a_n\}$ が何かの数列であるか推測する

実は、この問題の構造から、$\{a_n\}$ が等差数列 であることが分かります。

$a_1 = -15$, $a_3 = -33$, $a_5 = -35$ であるので、$\{a_n\}$ の奇数項を見ると:

奇数項の公差:$\frac{a_3 - a_1}{2} = \frac{-33 - (-15)}{2} = \frac{-18}{2} = -9$

偶数項を調べるために $a_2$ を求めます。$\{a_n\}$ が等差数列 $a_n = a_1 + (n-1)d$ なら:

$$a_3 = a_1 + 2d = -15 + 2d = -33 \implies d = -9$$
$$a_5 = a_1 + 4d = -15 + 4(-9) = -15 - 36 = -51$$

あれ、$a_5 = -35$ となっています。つまり $\{a_n\}$ は等差数列ではなく、階差数列 $\{b_n\}$ が等差数列 という制約が効いているんです。

ステップ④:正確に計算し直す

$\{b_n\}$ が公差 $d$ の等差数列なら:

$$b_n = b_1 + (n-1)d$$

階差数列から:
$$a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} b_k$$

$n \geq 2$ のとき:
$$a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} \left(b_1 + (k-1)d\right) = a_1 + (n-1)b_1 + d\sum_{k=1}^{n-1}(k-1)$$

$$= a_1 + (n-1)b_1 + d \cdot \frac{(n-1)(n-2)}{2}$$

与えられた値を代入:
- $a_1 = -15$
- $a_3 = -15 + 2b_1 + d \cdot \frac{2 \cdot 1}{2} = -15 + 2b_1 + d = -33$

$\implies 2b_1 + d = -18$ … ①

  • $a_5 = -15 + 4b_1 + d \cdot \frac{4 \cdot 3}{2} = -15 + 4b_1 + 6d = -35$

$\implies 4b_1 + 6d = -20$, 即 $2b_1 + 3d = -10$ … ②

① と ② から:
$$\begin{cases} 2b_1 + d = -18 \\ 2b_1 + 3d = -10 \end{cases}$$

②-①:$2d = 8 \implies d = 4$

① に代入:$2b_1 + 4 = -18 \implies b_1 = -11$

したがって:

$$\boxed{a_n = -15 + (n-1)(-11) + 4 \cdot \frac{(n-1)(n-2)}{2} = -15 - 11(n-1) + 2(n-1)(n-2)}$$
$$= -15 - 11n + 11 + 2(n^2 - 3n + 2) = 2n^2 - 17n$$
$$\boxed{b_n = -11 + (n-1) \cdot 4 = 4n - 15}$$

検算:
- $a_1 = 2(1) - 17(1) = -15$ ✓
- $a_3 = 2(9) - 17(3) = 18 - 51 = -33$ ✓
- $a_5 = 2(25) - 17(5) = 50 - 85 = -35$ ✓


(2) $S_n$ を求める

$$S_n = \sum_{k=1}^{n} a_k = \sum_{k=1}^{n} (2k^2 - 17k)$$
$$= 2\sum_{k=1}^{n} k^2 - 17\sum_{k=1}^{n} k$$

ここで、シグマの公式 を使います:

$$\sum_{k=1}^{n} k = \frac{n(n+1)}{2}$$
$$\sum_{k=1}^{n} k^2 = \frac{n(n+1)(2n+1)}{6}$$

代入すると:

$$S_n = 2 \cdot \frac{n(n+1)(2n+1)}{6} - 17 \cdot \frac{n(n+1)}{2}$$
$$= \frac{n(n+1)(2n+1)}{3} - \frac{17n(n+1)}{2}$$

通分(分母を 6 に):

$$= \frac{2n(n+1)(2n+1) - 51n(n+1)}{6}$$
$$= \frac{n(n+1)[2(2n+1) - 51]}{6}$$
$$= \frac{n(n+1)(4n + 2 - 51)}{6}$$
$$= \boxed{\frac{n(n+1)(4n - 49)}{6}}$$

(3) $S_n$ が最小となるときの $n$ を求める

$S_n$ を $n$ の関数として見ると:

$$S_n = \frac{n(n+1)(4n - 49)}{6}$$

最小値をみつけるには、$a_n$ の符号が変わるところ を調べるのがポイントです。

$$a_n = 2n^2 - 17n = n(2n - 17)$$
  • $a_n > 0$ のとき:$n > 8.5$ または $n < 0$($n$ は正なので $n \geq 9$)
  • $a_n = 0$ のとき:$n = 0$ または $n = 8.5$
  • $a_n < 0$ のとき:$0 < n < 8.5$(つまり $n = 1, 2, \ldots, 8$)

つまり:
- $n \leq 8$ のとき $a_n < 0$($S_n$ は減少)
- $n \geq 9$ のとき $a_n > 0$($S_n$ は増加)

したがって、$S_n$ は $n = 8$ と $n = 9$ で最小値をとります。

実際に計算すると:

$$S_8 = \frac{8 \cdot 9 \cdot (32 - 49)}{6} = \frac{72 \cdot (-17)}{6} = \frac{-1224}{6} = -204$$
$$S_9 = \frac{9 \cdot 10 \cdot (36 - 49)}{6} = \frac{90 \cdot (-13)}{6} = \frac{-1170}{6} = -195$$

$S_8 < S_9$ なので、答えは $\boxed{n = 8}$


【解説】

この問題は、階差数列 と 等差数列 の関係を理解しているかを問う典型的な問題です。

重要なポイントは:

  1. 階差数列の定義をしっかり使う → $b_n = a_{n+1} - a_n$
  2. 等差数列の一般項公式 → $b_n = b_1 + (n-1)d$
  3. $\{a_n\}$ を復元する → $a_n = a_1 + \sum b_k$ を使う
  4. シグマ公式 は必ず暗記しておく

数列の最小値問題では、「いつ $a_n$ の符号が変わるか」が重要です。$a_n < 0$ の区間で $S_n$ は減少し、$a_n > 0$ の区間で増加するため、境界 $n = 8, 9$ 周辺を念入りに調べる ことが必要です。

青チャートや「基礎問題精講」で数列の基本問題を十分に演習しておくと、この問題も確実に解けるようになります。



👨‍🏫 この記事を書いた人:藤原進之介

**藤原進之介**(数強塾グループ代表)

Gakken・KADOKAWA・ナツメ社・文英堂・旺文社など**大手出版社5社から計9冊**の参考書を刊行している数学・情報Iの専門家。全国の中高生・受験生に向けて、わかりやすく・楽しく・本質的な数学指導を行っています。

**主要著書:**
- 『オールカラー 高校の数学を身近な例からもういちど学びなおす』(ナツメ社)
- 『きめる! 共通テスト情報I』(Gakken)
- 『ライバルに差をつける 情報 I 鉄板の100 題』(KADOKAWA)
- 『共通テスト パターンドリル 情報Ⅰ』(文英堂)
- 『資格試験ムビスタ 藤原のたった9時間でITパスポート 令和8年度版(2026年)』(Gakken)
- 『大学JUKEN新書 共通テスト 7日で完成 情報Ⅰ』(旺文社)
- 『藤原のたった9時間で情報I』(Gakken)
- 『藤原進之介の 情報I プログラミング・データの活用が面白いほどわかる本』(KADOKAWA)
- 『藤原進之介の ゼロから始める情報I』(KADOKAWA)

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