早稲田大学 1999年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!
早稲田大学 1999年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!
こんにちは!数強塾の藤原進之介です。
今回は、早稲田大学 1999年度の数学入試問題を徹底解説します。この記事を読み終わるころには、「あ、この問題はこの公式と解法パターンで行けば良いんだ!」という確かな手応えを感じられるはずです。
早稲田の数学は「広い範囲から、標準~やや難レベルの問題が大量に出る」という特徴があります。つまり、時間配分と解法の選択が合否を分けるんです。この記事では、1999年度の全4問を通じて、早稲田攻略の秘訣をお伝えします。
一緒に頑張りましょう!
早稲田大学の数学ってどんな試験?
試験形式と難易度の特徴
早稲田大学の数学入試には、いくつかの学部がありますが、共通する特徴があります:
- 問題数が多い:4~5問の大問が出題
- 時間配分が勝負:標準問題と難問が混在しているので、「どこまで解くか」の判断が重要
- 難易度の幅が広い:1問目は基本的な計算問題、最後は理論的思考が必要な難問、という具合に段階的に難しくなるパターンが多い
- 複数単元の融合:1つの問題の中に、例えば「微分」「不等式」「確率」が混在していることもある
藤原先生の例え話
早稲田の数学は、まるで「時間制限のあるバイキング」みたいなものです。全部を完璧に食べようとすると時間切れになってしまいます。一方、「この料理は得意な味だから、まずはコレを食べよう」という戦略を持っている人が、最後には満足度の高い結果を出す。つまり、自分の得意な分野から確実に点を取る、難しそうな問題は見極めてスキップするという冷徹な判断が必要なんです。
🧑 生徒:「早稲田の数学って、どのくらい難しいですか?」
👨🏫 藤原先生:「いい質問だね。早稲田は『標準的な問題ばかりだけど量が多い』という出題戦略なんだ。つまり、基本的な解法パターン、例えば部分積分や漸化式の立式やベクトルの内積といった標準的な技法をいくつも組み合わせる問題が多いんだよ。難関大の中でも『理論的な美しさより、計算力と判断力』が問われるんです。」
1999年度 全問題と解説
大問1(教育学部)
【問題文】
次の□に当てはまる数または式を解答用紙の指定欄に記入せよ。
(1) n を正整数とする。1以上15n 以下の整数のうち、3の倍数でも5の倍数でもない数の総和は □ である。
(2) 数列 $\{a_n\}$ を
で定める。ただし、$\lfloor x \rfloor$ は、$x$ を超えない最大の整数を表す。自然数 $k$ に対して $n = 2^k$ であるとき、$a_n$ を $n$ の式で表すと □ である。
(3) 次の3条件(i),(ii),(iii)を満たすような行列 $A = \begin{bmatrix} 5 & b \\ c & d \end{bmatrix}$ は全部で □ 個存在する。
(i) $A^2 = A$,(ii) $b \neq 0$,(iii) 成分はすべて整数。
(4) 複素数 $z$ が $|z - 1| = 2$ を満たすとき、複素数 $w = iz + 3$ で表される点 $P(w)$ は、中心が □ の円周上にある。
【解法ポイント】
(1) 包含排斥原理を使う基本的な問題です。
- ステップ①:$1 \sim 15n$ の総和を求める
- ステップ②:$3$ の倍数の個数と総和を求める
- ステップ③:$5$ の倍数の個数と総和を求める
- ステップ④:$15$ の倍数(両方の倍数)を引く
【解説】
この問題は包含排斥原理が鍵です。
$1$ から $15n$ までの整数の総和は:
$$S_{\text{全}} = \frac{15n(15n+1)}{2}$$
$3$ の倍数は $3, 6, 9, \ldots, 15n$ で、個数は $5n$ 個。その総和は:
$$S_3 = 3(1 + 2 + \cdots + 5n) = 3 \cdot \frac{5n(5n+1)}{2}$$
$5$ の倍数は $5, 10, 15, \ldots, 15n$ で、個数は $3n$ 個。その総和は:
$$S_5 = 5(1 + 2 + \cdots + 3n) = 5 \cdot \frac{3n(3n+1)}{2}$$
$15$ の倍数は $15, 30, \ldots, 15n$ で、個数は $n$ 個。その総和は:
$$S_{15} = 15(1 + 2 + \cdots + n) = 15 \cdot \frac{n(n+1)}{2}$$
包含排斥原理より、答えは:
$$S_{\text{全}} - S_3 - S_5 + S_{15}$$
各項を計算すると:
$$\frac{15n(15n+1)}{2} - \frac{15n(5n+1)}{2} - \frac{15n(3n+1)}{2} + \frac{15n(n+1)}{2}$$
(2) 漸化式の問題です。$n = 2^k$ の場合だけを考えるので、パターン認識が大切です。
$k=1$ のとき、$n=2$:$a_2 = 2a_1 + 2 = 2(1) + 2 = 4 = 2 \cdot 2 = 2n$
$k=2$ のとき、$n=4$:$a_4 = 2a_2 + 4 = 2(4) + 4 = 12 = 3 \cdot 4 = 3n$
$k=3$ のとき、$n=8$:$a_8 = 2a_4 + 8 = 2(12) + 8 = 32 = 4 \cdot 8 = 4n$
パターンから、$a_{2^k} = (k+1) \cdot 2^k$ だと予想できます。
これを証明するために、$b_k = a_{2^k}$ とおくと:
$$b_k = 2b_{k-1} + 2^k$$
特性方程式を解くと、$b_k = (k+1) \cdot 2^k$ となります。
したがって、$\boxed{a_n = (\log_2 n + 1) \cdot n}$ または $\boxed{(k+1)n}$ ($n=2^k$)
(3) 行列の固有値と固有ベクトルの問題です。$A^2 = A$ は冪等行列を意味します。
$A = \begin{bmatrix} 5 & b \\ c & d \end{bmatrix}$ が $A^2 = A$ を満たすとき:
計算すると:
- $(1,1)$ 成分:$25 + bc = 5$ → $bc = -20$
- $(1,2)$ 成分:$5b + bd = b$ → $5 + d = 1$ → $d = -4$
- $(2,1)$ 成分:$5c + cd = c$ → $5 + d = 1$ (同じ)
- $(2,2)$ 成分:$bc + d^2 = d$ → $-20 + 16 = -4$ (確認)
したがって、$d = -4$ であり、$bc = -20$ を満たす整数の組 $(b, c)$ を数えます。
$bc = -20$ の因数分解:
- $(b,c) = (1,-20), (-1,20), (2,-10), (-2,10), (4,-5), (-4,5), (5,-4), (-5,4), (10,-2), (-10,2), (20,-1), (-20,1)$
ただし、$b \neq 0$ という条件があるので、すべてが有効です。
答え:$\boxed{12}$ 個
(4) 複素数の変換問題です。$|z - 1| = 2$ は中心が $1$ で半径が $2$ の円です。
$w = iz + 3$ から $z = \frac{w - 3}{i} = -i(w-3) = -iw + 3i$ です。
$|z - 1| = 2$ に代入すると:
$$|-iw + 3i - 1| = 2$$
$$|-i(w - 3i - i)| = 2$$
$$|w - (3i + i)| = 2$$
$i$ で割ると($|i| = 1$ なので):
$$|w - (3i - 1)| = 2$$
したがって、$P(w)$ の軌跡は中心が $\boxed{3i - 1}$ (または $-1 + 3i$)、半径が $2$ の円です。
🧑 生徒:「(4)の複素数変換で、どうして $w = iz + 3$ を使ったのに、$z$ について解くんですか?」
👨🏫 藤原先生:「いい質問だね。問題は『$z$ が満たす条件から、$w$ の軌跡を求めよ』という流れだからだよ。つまり『$|z-1|=2$ という$z$の条件を、$w$の式で表し直す』という戦略が必要なんだ。$w = iz + 3$ という変換式から逆に $z$ を $w$ で表すと、$|z-1|=2$ を $w$ に関する式に変換できるんです。これは複素数平面上の図形変換という重要な技法だよ。」
大問2(教育学部)
【問題文】
$a$ を実数とし、$f(x) = x^2 + \frac{2}{x^2+a} - 2$ とする。また、$x$ の方程式 $f(x) = 0$ は相異なる3個の実数解をもつとする。
(1) $a$ の値を求めよ。
(2) 曲線 $y = f(x)$ と $x$ 軸とで囲まれる部分の面積を求めよ。
【解法ポイント】
- ステップ①:$f(x) = 0$ が3個の実数解を持つ条件を導く
- ステップ②:$u = x^2$ と置換して、2次方程式に帰着させる
- ステップ③:2つの判別式条件を組み合わせる
- ステップ④:積分計算で面積を求める
【解説】
$u = x^2$ とおくと($u \geq 0$)、$f(x) = 0$ は:
$$u + \frac{2}{u+a} - 2 = 0$$
$$(u-2)(u+a) + 2 = 0$$
$$u^2 + (a-2)u - 2a + 2 = 0$$
この方程式が $u > 0$ に2つの解を持つことで、元の方程式が3個の実数解を持ちます。
判別式 $D = (a-2)^2 - 4(2-2a) = (a-2)^2 + 8a - 8 = a^2 + 4a - 4 \geq 0$
2つの解を $u_1, u_2$ とすると($u_1 < u_2$)、対称軸は $u = \frac{2-a}{2}$ です。
$u=0$ での関数値を確認:$f(0) = 0 + \frac{2}{a} - 2$。
方程式が正の解を持つために、$u_1 > 0, u_2 > 0$ が必要です。
このとき、ちょうど1つの解が $u=0$ になるのは:
$$a = -1$$
このとき、$u
👨🏫 この記事を書いた人:藤原進之介
**藤原進之介**(数強塾グループ代表)
Gakken・KADOKAWA・ナツメ社・文英堂・旺文社など**大手出版社5社から計9冊**の参考書を刊行している数学・情報Iの専門家。全国の中高生・受験生に向けて、わかりやすく・楽しく・本質的な数学指導を行っています。
**主要著書:**
- 『オールカラー 高校の数学を身近な例からもういちど学びなおす』(ナツメ社)
- 『きめる! 共通テスト情報I』(Gakken)
- 『ライバルに差をつける 情報 I 鉄板の100 題』(KADOKAWA)
- 『共通テスト パターンドリル 情報Ⅰ』(文英堂)
- 『資格試験ムビスタ 藤原のたった9時間でITパスポート 令和8年度版(2026年)』(Gakken)
- 『大学JUKEN新書 共通テスト 7日で完成 情報Ⅰ』(旺文社)
- 『藤原のたった9時間で情報I』(Gakken)
- 『藤原進之介の 情報I プログラミング・データの活用が面白いほどわかる本』(KADOKAWA)
- 『藤原進之介の ゼロから始める情報I』(KADOKAWA)
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