【データの分析】北海道から学ぶ数学|日本数学塾

北海道の受験生が苦手としやすい「データの分析」を得意に

「データの分析」は、共通テストや二次試験で出題される重要分野です。
北海道在住の方でも全国オンラインで受講可能ですので、この記事を通じて苦手意識を払拭してください。
本分野は「計算量が多く、計算ミスが響く」「何を求めているのか見落としやすい」という悩みが多く寄せられます。
この記事では、データの分析の全体像から具体的な解法まで、段階を追って解説します。

データの分析とは何か――出題パターンの全体像

「データの分析」は大きく3つの柱で構成されています。

  • 平均値・中央値・最頻値:データの代表値を理解する
  • 分散・標準偏差:データの散らばりの度合いを数値化する
  • 相関係数・回帰直線:2つの変数の関係性を分析する

多くの受験生が「計算が複雑」と感じるのは、これら3つの概念が同時に登場する問題が出題されるためです。
たとえば、「Aさんとベさんのテスト成績(2つの変数)を比較するとき、それぞれの平均値と標準偏差を求めたうえで、2人の相関係数を調べよ」という問題では、計算ステップが10段階以上になることもあります。

共通テストでは時間制限が厳しいため、「何を先に計算するか」の判断と「計算の効率化」が得点を左右します。
特に北海道の受験生から寄せられる悩みとしては、「計算まちがいで点を落とす」「途中式を整理できず、時間ロスする」という2点が目立ちます。
本記事では、この両方に対応できる解法の流れを示します。

データの分析の解法 step by step

第1ステップ:問題文を読み、「何を求めるのか」を明確にする

データの分析の問題を見たら、まず問題の最後を読んでください。
「求めよ」という指示が、平均値なのか、標準偏差なのか、相関係数なのかを先に把握することが重要です。

例えば、「次の表は高校1年生30人の身長(cm)と体重(kg)のデータである。身長の平均値、標準偏差、および身長と体重の相関係数を求めよ」という問題なら、求めるべき値は3つです。
問題文を読むだけで「あ、これは3段階の計算が必要だな」と見通しを立てることができます。

逆に、ここで「とにかく計算を始めよう」と焦ると、計算途中で「あれ、これは何のために計算してた?」と迷うことになります。
特に時間が限られた試験では、この5秒の「見通し立て」が大きな違いを生みます。

第2ステップ:平均値を求める

データの分析のあらゆる計算は、平均値から始まります。
分散・標準偏差・相関係数のいずれを求めるにしても、平均値の計算は避けられません。

平均値の計算式は単純です:

平均値 = (全データの合計) ÷ (データの個数)

しかし、実際の問題ではデータが50個、100個という大きさになることもあります。
このとき「度数分布表」が与えられることが多いです。

例:あるテストを200人が受けたとき、得点別の度数分布は以下の通り

[0~20点]度数10人

[21~40点]度数30人

[41~60点]度数80人

[61~80点]度数60人

[81~100点]度数20人

ここで「0~20点の代表値は10点」「21~40点の代表値は30.5点」というように、各階級の中点を代表値として扱うのがポイントです。
そのうえで、

平均値 = (10×10 + 30.5×30 + 50.5×80 + 70.5×60 + 90.5×20) ÷ 200

と計算します。

「階級の中点を使う」という約束事を忘れると、全く異なる答えが出てしまいます。
これは受験生がよく間違える第一のポイントです。

第3ステップ:分散を求める

分散とは「データが平均値からどれだけ散らばっているか」を数値化したものです。
定義から理解することが大切です。

分散 = { (x₁ - 平均値)² + (x₂ - 平均値)² + ... + (xₙ - 平均値)² } ÷ n

言葉で説明すると:

①各データから平均値を引く

②その差を2乗する(負の数を正にするため)

③全て足し合わせる

④データの個数で割る

実際の計算では、この定義式を「展開式」に変形して使うことが多いです。

分散 = { (x₁² + x₂² + ... + xₙ²) ÷ n } - (平均値)²

これは「(各データの2乗の平均)-(平均値の2乗)」という意味です。
この形を覚えておくと、度数分布表から分散を計算するときに計算量が減ります。

具体例:テスト得点がx = 50, 60, 70のとき

平均値 = (50 + 60 + 70) ÷ 3 = 60

分散 = { (50² + 60² + 70²) ÷ 3 } - 60²

= { (2500 + 3600 + 4900) ÷ 3 } - 3600

= { 11000 ÷ 3 } - 3600

= 3666.67 - 3600

= 66.67

第4ステップ:標準偏差を求める

標準偏差は分散の平方根です。式はシンプルです。

標準偏差 = √(分散)

分散が66.67なら、標準偏差 = √66.67 ≈ 8.17 となります。

「なぜ平方根を取るのか」という質問がよく出ます。
それは、分散を計算する際に「差を2乗した」ため、元のデータと次元を揃えるためです。
テスト得点の場合、分散の単位は「点²」ですが、標準偏差の単位は「点」となり、平均値と同じ単位で比較できるようになります。

第5ステップ:相関係数を求める

2つの変数(例えば、身長xと体重y)の関係性を調べるときに相関係数を使います。
式は複雑に見えますが、構造を理解すれば計算できます。

相関係数r = { (各組のデータの共分散) } ÷ { (xの標準偏差) × (yの標準偏差) }

ここで「共分散」とは何かを理解することが鍵です。

共分散 = { Σ(xᵢ - xの平均) × (yᵢ - yの平均) } ÷ n

分散が「ばらつき」を表すのに対して、共分散は「2つの変数が一緒に動く度合い」を表します。

実際の計算では、以下の展開式を使うと効率的です。

共分散 = { (x₁y₁ + x₂y₂ + ... + xₙyₙ) ÷ n } - (xの平均) × (yの平均)

具体例を示します。身長と体重のデータが3人分ある場合:

Aさん:身長170cm、体重65kg

Bさん:身長175cm、体重70kg

Cさん:身長165cm、体重60kg

①身長の平均値 = (170 + 175 + 165) ÷ 3 = 170

②体重の平均値 = (65 + 70 + 60) ÷ 3 = 65

③身長の分散 = { (170² + 175² + 165²) ÷ 3 } - 170² = (29250 ÷ 3) - 28900 = 9750/3 - 28900 = 3250 - 28900…

ここで計算を簡潔にするために、平均値を中心に考えることをお勧めします。各データから平均値を引いた「偏差」を用いると、

身長の偏差:0, 5, -5

体重の偏差:0, 5, -5

共分散 = { (0×0 + 5×5 + (-5)×(-5) ) ÷ 3 } = (0 + 25 + 25) ÷ 3 = 50/3 ≈ 16.67

身長の標準偏差と体重の標準偏差をそれぞれ求めたうえで、

相関係数 = (共分散) ÷ (身長の標準偏差 × 体重の標準偏差)

相関係数は必ず -1 ≤ r ≤ 1 の範囲に収まります。
r が 1 に近い → 正の強い相関(一方が増えるともう一方も増える)

r が -1 に近い → 負の強い相関(一方が増えるともう一方は減る)

r が 0 に近い → 相関がない

第6ステップ:回帰直線を求める(発展)

2つの変数の関係を直線(回帰直線)で表すことも、データの分析の重要なテーマです。

回帰直線の方程式:y = ax + b

ここで a は傾き、b は切片です。計算式は以下の通り:

a = (共分散) ÷ (xの分散)

b = (yの平均) - a × (xの平均)

回帰直線を求めるのは、与えられたデータに基づいて「もし身長が180cmなら、体重はおよそいくらか」という予測をするためです。

よくあるつまずきと対策

つまずき①:「階級の中点」の扱いを忘れる

度数分布表が与えられたとき、「20~30」という階級の中点は「25」です。
「20」や「30」ではなく、必ず中点を使います。
これを忘れると、平均値から標準偏差まで全ての計算に影響します。

対策:度数分布表を見たら、まず各階級の中点を表の欄外に書き出してください。
その中点を使って計算を進めましょう。

つまずき②:分散と標準偏差を混同する

分散は「散らばりの大きさを2乗した値」で、標準偏差は「その平方根」です。
問題で「分散を求めよ」と指示されているのに、標準偏差を答えてしまう受験生は少なくありません。
また、計算途中で分散と標準偏差を入れ替えて使うと、最終的な相関係数が全く異なります。

対策:分散と標準偏差の違いを、一度は手を動かして感じてください。
同じデータセットで両方を計算してみることをお勧めします。

つまずき③:相関係数の計算で共分散を求め忘れる

相関係数を求めるには、必ず共分散を先に計算する必要があります。
「共分散」という概念がやや抽象的なため、「なぜこれが必要なのか」を理解しないまま進むと、計算の途中で「これって何のための計算だっけ」と迷ってしまいます。

対策:共分散は「2つの変数がどの程度一緒に動くか」という直感的な意味を把握してください。
身長が高い人ほど体重も重い傾向があれば、共分散は正の大きな値になります。

つまずき④:計算ミスを放置する

データの分析の問題は、計算量が多いため、1段階目で計算ミスをすると、その誤りが後ろの全ての計算に影響します。
たとえば、平均値を間違えると、分散・標準偏差・相関係数全てが間違った値になります。

対策:各ステップごとに計算を一度確認してください。
特に平均値を求めたら、「合計がいくつで、データ個数が何か」を声に出して確認することをお勧めします。

つまずき⑤:複数の変数を混同する

複数のグループ(例えば、A組とB組)や複数の科目(例えば、数学と英語)のデータが同時に出題されるとき、「A組の平均値なのかB組の平均値なのか」「数学の分散なのか英語の分散なのか」を見落とす受験生が多くいます。

対策:計算を始める前に、「いま何の平均値を求めているのか」を紙に書いて確認してください。
記号の定義も問題文から丁寧に読み取り、例えば「x̄ = Aさんの得点の平均」のように書き留めておくと、混同を防げます。

日々の練習法

練習法①:計算過程を整理して書く

データの分析は「途中式が長い」という特徴があります。
だからこそ、各ステップを丁寧に書くことが重要です。
暗算や頭の中での計算は避け、必ず紙に書きましょう。

特に、以下の形式で整理すると効果的です:

━━━━━━

【求めるもの】AさんとBさんの成績の標準偏差と相関係数

【与えられたデータ】表1

【計算ステップ】

(1)Aさんの平均値 = …

(2)Bさんの平均値 = …

(3)Aさんの分散 = …

(4)Bさんの分散 = …

(5)Aさんの標準偏差 = √ =

(6)Bさんの標準偏差 = √ =

(7)共分散 = …

(8)相関係数 = … ÷ (…) =

━━━━━━

このように構造化して書くと、計算ミスを早期に発見でき、試験本番でも焦らずに計算を進められます。

練習法②:共通テスト過去問を時間をはかって解く

データの分析は「共通テストの出題傾向が強い」分野です。
過去5年分の共通テスト(※要確認:実際の過去問年度)をかき集めて、時間をはかりながら解くことをお勧めします。

特に意識するべき点は:

①30分以内に全問を解けるか

②計算ミスはなかったか

③問題文の「求めよ」という部分を見落とさなかったか

共通テストは時間との戦いです。自分の「計算スピード」と「正確さ」の実力をつかむために、過去問演習は不可欠です。

練習法③:度数分布表の問題を重点的に練習

二次試験では「生データ(個別のデータ)」が与えられることが多いのに対して、共通テストや私立大学の問題では「度数分布表」が与えられることが多いです。
度数分布表を見たら、まずは「階級の中点を全て書き出す」という習慣をつけてください。

度数分布表の問題を10問解くと、この形式に慣れることができます。

練習法④:「なぜそうなるのか」を言語化する

計算だけをしていると、「何を計算しているのか」という意識が薄れます。
各ステップが終わるたびに、「いま共分散を計算した理由は、相関係数の分子に必要だから」というように、意味を確認してください。

この習慣がつくと、試験本番で「あれ、この計算結果が妙に大きいぞ」というときに、「もしかして階級の中点を使い忘れた?」と自分で気づけるようになります。

データの分析を得意教科に変えるために

データの分析は、決して「難しい分野」ではなく、「ステップが多い分野」です。
各ステップの意味を理解し、丁寧に計算していけば、確実に点数につながります。

特に北海道の受験生が陥りやすいのは、「計算ミスで気づかないうちに点を落とす」パターンです。
これを避けるには、練習のときから「整理された計算過程」を心がけることが大切です。

共通テストまでの限られた時間の中で、この分野を効率的に得意にするには、解法の流れを完全に自分のものにする必要があります。
一度つまずくと、複雑な計算のために時間が足りなくなるため、早めの対策が吉です。

藤原進之介は、受験生が陥りやすい「段階ごとの計算の意味の理解の欠落」に着目し、データの分析を「意味のある計算」として体系的に解説する講義を得意としています。

日本数学塾では、この"なぜそうなるのか"を担任制で一緒に考えます。
全国オンライン対応。まずは無料体験授業をお試しください。

→ 無料体験授業を申し込む

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です