和歌山大学 2011年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!

和歌山大学 2011年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!

こんにちは!藤原進之介です。

和歌山大学の入試を目指しているあなた、「数学は得意だけど、大学入試の実戦的な問題が解けるか不安…」「計算力には自信があるけど、解法の流れがわからない…」そんな悩みを抱えていませんか?

このページでは、和歌山大学 2011年度の数学入試問題を、実際の解法を見ながら解き方の本質を理解することを目指します。単なる「答え合わせ」ではなく、「なぜその公式を使うのか」「どうやって問題の構造を見抜くのか」という思考プロセスを丁寧に解説していきます。

この記事を読み終わったあなたは、同じ出題パターンに出会ったときに「あ、このパターンだ!」と即座に解法が浮かぶようになっているはずです。一緒に頑張っていきましょう!


和歌山大学の数学ってどんな試験?

試験形式

  • 出題数:1問(ただし複数の大問に分かれている)
  • 時間:120分(90分の可能性もあり)
  • 難易度:標準レベル
  • 学部別対応:教育学部・経済学部・観光学部は大問1~4、システム工学部は大問1~3, 5~6に対応

和歌山大学数学の特徴

和歌山大学の数学は、基礎計算力があれば十分対応できる、標準的で真っ当な入試問題が特徴です。「ものすごく難しい技巧」を要求されることはめったにありません。

例えるなら、料理のレシピをきちんと読んで、正確に従えば完成するというイメージです。材料(基本公式)と調理手順(解法手順)が明確に示されていて、それを正確に実行できれば合格点が取れます。

ただし、注意点があります。それは「何のレシピが使われているのか、を見分ける力」が必要だということ。たとえば、「3倍角の公式」「ベクトルの内積」「漸化式」など、各大問で扱う単元が異なります。問題文を読んで「あ、これは○○の単元だ」と即座に判断する力が重要です。

🧑 生徒:「和歌山大学の数学は難しいんでしょうか?」
👨‍🏫 藤原先生:「いや、むしろ逆!基礎をしっかり理解している人なら、スムーズに解ける問題ばかりだよ。ただね、どの単元の問題なのかを見分ける力と、計算ミスをしない正確性が合否を分けるんだ。難しい技巧より、基本を正確に実行することが大事だよ。」


2011年度 全問題と解説

大問1:三角関数(全学部共通)

【問題文】

次の問いに答えよ。

(1) $\sin \theta = \frac{1}{5}$ であるとき、$\sin 3\theta$ の値を求めよ。

(2) $0 \leq x \leq \pi$ とする。このとき、

$$-2\sin 3x - \cos 2x + 3\sin x + 1 \leq 0$$
を満たすような $x$ の範囲を求めよ。


【解法ポイント】

(1) 3倍角の公式を用いる問題です。

  • ステップ①:3倍角の公式 $\sin 3\theta = 3\sin\theta - 4\sin^3\theta$ を確認
  • ステップ②:$\sin\theta = \frac{1}{5}$ を代入
  • ステップ③:計算して答えを得る

(2) 三角関数の合成・不等式を解く問題です。

  • ステップ①:$\sin 3x$ と $\cos 2x$ を $\sin x$ の式に統一
  • ステップ②:$\sin x = t$ と置換して因数分解
  • ステップ③:不等式を解いて $x$ の範囲を求める
  • ステップ④:$0 \leq x \leq \pi$ の条件下で答えを整理

【解説】

(1) 3倍角の公式を使った計算

まず、3倍角の公式を思い出しましょう。

$$\sin 3\theta = 3\sin\theta - 4\sin^3\theta$$

これは高頻出の公式です。導出は、$\sin 3\theta = \sin(2\theta + \theta)$ と加法定理を使って得られますが、ここでは公式を使います。

$\sin\theta = \frac{1}{5}$ を代入します:

$$\sin 3\theta = 3 \cdot \frac{1}{5} - 4 \cdot \left(\frac{1}{5}\right)^3$$
$$= \frac{3}{5} - 4 \cdot \frac{1}{125}$$
$$= \frac{3}{5} - \frac{4}{125}$$

分母を統一します:

$$= \frac{75}{125} - \frac{4}{125} = \frac{71}{125}$$

答え:$\sin 3\theta = \frac{71}{125}$


(2) 三角不等式を $\sin x$ の式に統一

与えられた不等式:
$$-2\sin 3x - \cos 2x + 3\sin x + 1 \leq 0$$

ステップ①:$\sin 3x$ と $\cos 2x$ を $\sin x$ で表す

$\sin 3x$ と $\cos 2x$ を $\sin x$ の式に直します:

$$\sin 3x = 3\sin x - 4\sin^3 x$$
$$\cos 2x = 1 - 2\sin^2 x$$

代入すると:

$$-2(3\sin x - 4\sin^3 x) - (1 - 2\sin^2 x) + 3\sin x + 1 \leq 0$$
$$-6\sin x + 8\sin^3 x - 1 + 2\sin^2 x + 3\sin x + 1 \leq 0$$
$$8\sin^3 x + 2\sin^2 x - 3\sin x \leq 0$$

ステップ②:$\sin x$ でくくる

$$\sin x(8\sin^2 x + 2\sin x - 3) \leq 0$$

ここで $8\sin^2 x + 2\sin x - 3$ を因数分解します。$\sin x = t$ と置くと:

$$8t^2 + 2t - 3 = 0$$

解の公式を使うか、試しに $t = \frac{1}{2}$ を代入すると、$8 \cdot \frac{1}{4} + 2 \cdot \frac{1}{2} - 3 = 2 + 1 - 3 = 0$ ✓

もう一つの根は、$(t - \frac{1}{2})$ で割ると $t = -\frac{3}{4}$ です。

したがって:
$$8\sin^2 x + 2\sin x - 3 = (2\sin x - 1)(4\sin x + 3)$$

ステップ③:不等式を解く

$$\sin x(2\sin x - 1)(4\sin x + 3) \leq 0$$

ここで、$0 \leq x \leq \pi$ のとき、$\sin x \geq 0$ です。

また、$4\sin x + 3 \geq 3 > 0$(この範囲では常に正)です。

したがって、不等式は:

$$\sin x(2\sin x - 1) \leq 0$$

$\sin x \geq 0$ なので:

$$2\sin x - 1 \leq 0$$
$$\sin x \leq \frac{1}{2}$$

ステップ④:$x$ の範囲を求める

$0 \leq x \leq \pi$ で $\sin x \leq \frac{1}{2}$ を満たす $x$ は:

$$0 \leq x \leq \frac{\pi}{6} \quad \text{または} \quad \frac{5\pi}{6} \leq x \leq \pi$$

答え:$0 \leq x \leq \frac{\pi}{6}$ または $\frac{5\pi}{6} \leq x \leq \pi$

🧑 生徒:「(2)で、なぜ $\sin x(2\sin x - 1)(4\sin x + 3) \leq 0$ から $\sin x(2\sin x - 1) \leq 0$ に簡略化できるんですか?」
👨‍🏫 藤原先生:「良い質問だね!それはね、$0 \leq x \leq \pi$ という条件があるからなんだ。この範囲では $\sin x \geq 0$ で、$4\sin x + 3 \geq 3 > 0$ と常に正なんだよ。不等式の両辺に正の数をかけても不等号の向きは変わらないから、$(4\sin x + 3)$ で割ることができるんだ。つまり、『邪魔な因子を除外する』というテクニックだね。」


大問2:ベクトル(全学部共通)

【問題文】

平行四辺形 $OABC$ において、
$$\vec{OA} \cdot \vec{OC} = \vec{AO} \cdot \vec{AC} = \vec{CO} \cdot \vec{CA}$$
とする。このとき、次の問いに答えよ。

(1) $\vec{a} = \vec{OA}$、$\vec{c} = \vec{OC}$ とする。$|\vec{c}|$ を $|\vec{a}|$ を用いて表せ。また、$\angle AOC$ の大きさを求めよ。

(2) 辺 $AB$ を $m:(1-m)$ に内分する点を $D$、辺 $CB$ を $m:(1-m)$ に内分する点を $E$ とする。ただし、$0 < m < 1$ である。線分 $CD$ と線分 $OE$ が直交であるとき、$m$ の値を求めよ。


【解法ポイント】

(1) ベクトルの内積と大きさに関する問題です。

  • ステップ①:与えられた等式をベクトルで展開
  • ステップ②:大きさと内積の関係式を導く
  • ステップ③:角度の大きさを三角関数で求める

(2) 垂直条件(内積 = 0)を使う問題です。

  • ステップ①:内分点の公式でベクトルを表す
  • ステップ②:(1)の結果を代入
  • ステップ③:垂直条件 $\vec{CD} \cdot \vec{OE} = 0$ から方程式を立てる
  • ステップ④:$m$ を求める

【解説】

(1) ベクトルの等式から角度を求める

与えられた条件:
$$\vec{OA} \cdot \vec{OC} = \vec{AO} \cdot \vec{AC} = \vec{CO} \cdot \vec{CA}$$

$\vec{a} = \vec{OA}$、$\vec{c} = \vec{OC}$ と置きます。

まず、ベクトルの関係を整理します:
- $\vec{AO} = -\vec{a}$
- $\vec{AC} = \vec{c} - \vec{a}$(平行四辺形の性質)
- $\vec{CO} = -\vec{c}$
- $\vec{CA} = \vec{a} - \vec{c}$

左の等号 $\vec{a} \cdot \vec{c} = \vec{AO} \cdot \vec{AC}$ から:

$$\vec{a} \cdot \vec{c} = (-\vec{a}) \cdot (\vec{c} - \vec{a})$$
$$\vec{a} \cdot \vec{c} = -\vec{a} \cdot \vec{c} + |\vec{a}|^2$$
$$2\vec{a} \cdot \vec{c} = |\vec{a}|^2 \quad \cdots ①$$

右の等号 $\vec{AO} \cdot \vec{AC} = \vec{CO} \cdot \vec{CA}$ から:

$$(-\vec{a}) \cdot (\vec{c} - \vec{a}) = (-\vec{c}) \cdot (\vec{a} - \vec{c})$$
$$-\vec{a} \cdot \vec{c} + |\vec{a}|^2 = -\vec{c} \cdot \vec{a} + |\vec{c}|^2$$
$$|\vec{a}|^2 = |\vec{c}|^2$$

$|\vec{a}|, |\vec{c}| > 0$ なので:

$$|\vec{a}| = |\vec{c}| \quad \cdots ②$$

角度を求めるため、内積を使います。式①から:



👨‍🏫 この記事を書いた人:藤原進之介

**藤原進之介**(数強塾グループ代表)

Gakken・KADOKAWA・ナツメ社・文英堂・旺文社など**大手出版社5社から計9冊**の参考書を刊行している数学・情報Iの専門家。全国の中高生・受験生に向けて、わかりやすく・楽しく・本質的な数学指導を行っています。

**主要著書:**
- 『オールカラー 高校の数学を身近な例からもういちど学びなおす』(ナツメ社)
- 『きめる! 共通テスト情報I』(Gakken)
- 『ライバルに差をつける 情報 I 鉄板の100 題』(KADOKAWA)
- 『共通テスト パターンドリル 情報Ⅰ』(文英堂)
- 『資格試験ムビスタ 藤原のたった9時間でITパスポート 令和8年度版(2026年)』(Gakken)
- 『大学JUKEN新書 共通テスト 7日で完成 情報Ⅰ』(旺文社)
- 『藤原のたった9時間で情報I』(Gakken)
- 『藤原進之介の 情報I プログラミング・データの活用が面白いほどわかる本』(KADOKAWA)
- 『藤原進之介の ゼロから始める情報I』(KADOKAWA)

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