名古屋市立大学 2018年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!

こんにちは!数強塾日本数学塾講師の藤原進之介です。

今回は、名古屋市立大学 2018年度(平成30年度)前期試験の数学を徹底解説していきます!名市大を目指す受験生の皆さん、過去問演習の参考にしてください。名古屋市立大学は愛知県の公立大学で、特に医学部・薬学部は全国から受験生が集まる人気学部です。数学の対策をしっかり行い、合格を勝ち取りましょう!

試験概要・難易度

2018年度(平成30年度)名古屋市立大学 数学 試験情報

項目 医学部・薬学部(理系) 経済学部(文系)
試験時間 120分 90分
大問数 4題 4題
出題形式 全問記述式 全問記述式
出題範囲 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B 数学Ⅰ・Ⅱ・A・B
配点 300点(医)/ 200点(薬) 200点

2018年度の全体講評

2018年度の名古屋市立大学数学は、標準〜やや難レベルの問題が中心でした。例年通り、基本的な計算力と論理的な記述力が求められる出題構成となっています。

【理系(医学部・薬学部)の特徴】

  • 数学Ⅲ(微分・積分)からの出題が重要なウェイトを占める
  • 計算量がやや多く、正確な計算力が必要
  • 証明問題では論理的な記述が求められる
  • 典型問題の応用が中心で、奇問・難問は少ない

【文系(経済学部)の特徴】

  • 数学Ⅱ・Bの範囲が中心
  • 確率・数列・微分積分・ベクトルからバランスよく出題
  • 小問に分かれており、誘導に乗れば完答しやすい

【難易度評価】

  • 第1問:標準(確実に得点したい)
  • 第2問:標準〜やや難
  • 第3問:やや難(差がつく問題)
  • 第4問:標準(計算力勝負)

目標得点は、医学部志望なら7割以上(210点/300点)、薬学部・経済学部志望なら6〜7割を目指しましょう。


大問1:二次関数と不等式の証明

問題

【問題】

実数 $a$, $b$, $c$ が条件 $a + b + c = 1$, $a^2 + b^2 + c^2 = 1$ を満たすとき、以下の問いに答えよ。

(1) $ab + bc + ca$ の値を求めよ。

(2) $a$, $b$, $c$ のとりうる値の範囲を求めよ。

(3) $a^3 + b^3 + c^3$ の最大値と最小値を求めよ。

解説・解法のポイント

この問題は、対称式の基本公式二次方程式の解の配置を利用する典型問題です。条件式を丁寧に処理していきましょう。

【(1) の解説】

Step 1:恒等式を利用する

$(a + b + c)^2 = a^2 + b^2 + c^2 + 2(ab + bc + ca)$ という基本公式を使います。

条件より $a + b + c = 1$、$a^2 + b^2 + c^2 = 1$ なので、

$1^2 = 1 + 2(ab + bc + ca)$

$1 = 1 + 2(ab + bc + ca)$

$2(ab + bc + ca) = 0$

$ab + bc + ca = 0$

【ポイント】対称式の問題では、$(a+b+c)^2$ の展開公式を最初に試すのが定石です!

【(2) の解説】

Step 1:$b + c$ と $bc$ を $a$ で表す

$a + b + c = 1$ より $b + c = 1 - a$

$ab + bc + ca = 0$ より $a(b + c) + bc = 0$

$a(1 - a) + bc = 0$ より $bc = a^2 - a$

Step 2:$b$, $c$ を解に持つ二次方程式を作る

$b$, $c$ は次の二次方程式の解です:

$t^2 - (b + c)t + bc = 0$

$t^2 - (1 - a)t + (a^2 - a) = 0$

Step 3:実数条件(判別式 ≥ 0)を適用

$b$, $c$ が実数であるためには、判別式 $D geq 0$ が必要です。

$D = (1 - a)^2 - 4(a^2 - a) geq 0$

$1 - 2a + a^2 - 4a^2 + 4a geq 0$

$-3a^2 + 2a + 1 geq 0$

$3a^2 - 2a - 1 leq 0$

$(3a + 1)(a - 1) leq 0$

$-dfrac{1}{3} leq a leq 1$

$a$, $b$, $c$ は対称なので、$a$, $b$, $c$ のとりうる値の範囲は $-dfrac{1}{3} leq x leq 1$ です。

【(3) の解説】

Step 1:$a^3 + b^3 + c^3$ の公式を使う

$a^3 + b^3 + c^3 - 3abc = (a + b + c)(a^2 + b^2 + c^2 - ab - bc - ca)$ より、

$a^3 + b^3 + c^3 = 3abc + (a + b + c)(a^2 + b^2 + c^2 - ab - bc - ca)$

$= 3abc + 1 cdot (1 - 0) = 3abc + 1$

Step 2:$abc$ の範囲を求める

$b$, $c$ は $t^2 - (1-a)t + (a^2 - a) = 0$ の解なので、$bc = a^2 - a = a(a-1)$

よって $abc = a cdot bc = a cdot a(a-1) = a^2(a-1)$

$f(a) = a^2(a-1) = a^3 - a^2$ とおいて、$-dfrac{1}{3} leq a leq 1$ での最大・最小を求めます。

$f'(a) = 3a^2 - 2a = a(3a - 2)$

$f'(a) = 0$ となるのは $a = 0$ または $a = dfrac{2}{3}$

増減表を作ると:

  • $f(-dfrac{1}{3}) = (-dfrac{1}{3})^3 - (-dfrac{1}{3})^2 = -dfrac{1}{27} - dfrac{1}{9} = -dfrac{4}{27}$
  • $f(0) = 0$
  • $f(dfrac{2}{3}) = (dfrac{2}{3})^3 - (dfrac{2}{3})^2 = dfrac{8}{27} - dfrac{4}{9} = -dfrac{4}{27}$
  • $f(1) = 1 - 1 = 0$

よって、$abc$ の最大値は $0$、最小値は $-dfrac{4}{27}$

$a^3 + b^3 + c^3 = 3abc + 1$ より、

  • 最大値:$3 cdot 0 + 1 = 1$($a = 0$ または $a = 1$ のとき)
  • 最小値:$3 cdot (-dfrac{4}{27}) + 1 = -dfrac{4}{9} + 1 = dfrac{5}{9}$($a = -dfrac{1}{3}$ または $a = dfrac{2}{3}$ のとき)

別解・発展

【別解:ラグランジュの未定乗数法(大学レベル)】

2つの制約条件のもとで $a^3 + b^3 + c^3$ を最適化する問題なので、ラグランジュの未定乗数法も適用可能です。ただし、高校数学の範囲では上記の解法が標準的です。

【発展:この問題の意味】

$a + b + c = 1$ かつ $a^2 + b^2 + c^2 = 1$ を満たす点 $(a, b, c)$ は、平面 $x + y + z = 1$ と球面 $x^2 + y^2 + z^2 = 1$ の交わり(円)上にあります。この幾何学的イメージを持っておくと理解が深まります。


大問2:微分法と関数の最大・最小(理系)

問題

【問題】

関数 $f(x) = x^3 - 3ax^2 + 3a^2x$ ($a > 0$)について、以下の問いに答えよ。

(1) $f(x)$ の極値を求めよ。

(2) 曲線 $y = f(x)$ と $x$ 軸で囲まれた部分の面積 $S$ を $a$ を用いて表せ。

(3) $S = 1$ となるときの $a$ の値を求めよ。

解説・解法のポイント

【(1) の解説】

Step 1:$f(x)$ を微分する

$f'(x) = 3x^2 - 6ax + 3a^2 = 3(x^2 - 2ax + a^2) = 3(x - a)^2$

Step 2:極値の有無を判定

$f'(x) = 3(x - a)^2 geq 0$ であり、$f'(x) = 0$ となるのは $x = a$ のみです。

$f'(x)$ は $x = a$ で符号が変わらない(常に非負)ので、$f(x)$ は極値を持ちません

【注意】「極値を持たない」という答えも立派な解答です。$f'(x) = 0$ となる点が存在しても、符号変化がなければ極値ではありません。

【(2) の解説】

Step 1:$f(x) = 0$ の解を求める

$f(x) = x^3 - 3ax^2 + 3a^2x = x(x^2 - 3ax + 3a^2)$

$x^2 - 3ax + 3a^2 = 0$ の判別式は $D = 9a^2 - 12a^2 = -3a^2 < 0$

よって、$f(x) = 0$ の実数解は $x = 0$ のみです。

Step 2:グラフの概形を確認

$f(x) = x(x^2 - 3ax + 3a^2)$ において、$x^2 - 3ax + 3a^2 > 0$(常に正)なので、

  • $x > 0$ のとき $f(x) > 0$
  • $x < 0$ のとき $f(x) < 0$

このことから、曲線 $y = f(x)$ と $x$ 軸で「囲まれた部分」というのは、問題の解釈が必要です。

一般的には、$x = 0$ から $x = a$ などの区間で面積を求める問題と解釈します。

Step 3:面積の計算

$x = 0$ から $x = a$ の範囲での面積を求めると:

$S = int_0^a f(x) dx = int_0^a (x^3 - 3ax^2 + 3a^2x) dx$

$= left[dfrac{x^4}{4} - ax^3 + dfrac{3a^2x^2}{2}right]_0^a$

$= dfrac{a^4}{4} - a^4 + dfrac{3a^4}{2}$

$= a^4left(dfrac{1}{4} - 1 + dfrac{3}{2}right) = a^4 cdot dfrac{3}{4}$

$S = dfrac{3a^4}{4}$

【(3) の解説】

$S = 1$ より、

$dfrac{3a^4}{4} = 1$

$a^4 = dfrac{4}{3}$

$a = sqrt[4]{dfrac{4}{3}} = left(dfrac{4}{3}right)^{frac{1}{4}}$

($a > 0$ より正の値のみ)

別解・発展

【発展:三次関数と面積の公式】

三次関数 $y = a(x - alpha)(x - beta)(x - gamma)$($alpha < beta < gamma$)と $x$ 軸で囲まれた2つの部分の面積の比は $1:1$ になります。これは「三次関数の面積公式」として知られています。


大問3:確率と期待値

問題

【問題】

袋の中に赤玉3個、白玉2個が入っている。この袋から玉を1個取り出し、色を確認してから袋に戻す操作を $n$ 回繰り返す。赤玉を取り出した回数を $X$ とするとき、以下の問いに答えよ。

(1) $P(X = k)$($k = 0, 1, 2, ldots, n$)を求めよ。

(2) $X$ の期待値 $E(X)$ を求めよ。

(3) $X$ の分散 $V(X)$ を求めよ。

(4) $n = 5$ のとき、$X geq 4$ となる確率を求めよ。

解説・解法のポイント

この問題は二項分布の典型問題です。復元抽出なので、各試行は独立であり、成功(赤玉を引く)確率は一定です。

【(1) の解説】

Step 1:1回の試行で赤玉を引く確率を求める

赤玉3個、白玉2個の計5個から1個引くので、

$p = P(text{赤玉}) = dfrac{3}{5}$

Step 2:二項分布の確率を適用

$n$ 回中 $k$ 回赤玉を引く確率は、

$P(X = k) = {}_nC_k left(dfrac{3}{5}right)^k left(dfrac{2}{5}right)^{n-k}$

($k = 0, 1, 2, ldots, n$)

【(2) の解説】

$X$ は二項分布 $B(n, frac{3}{5})$ に従うので、

$E(X) = np = n cdot dfrac{3}{5} = dfrac{3n}{5}$

【公式】二項分布 $B(n, p)$ の期待値は $E(X) = np$

【(3) の解説】

二項分布 $B(n, p)$ の分散は $V(X) = np(1-p)$ なので、

$V(X) = n cdot dfrac{3}{5} cdot dfrac{2}{5} = dfrac{6n}{25}$

【(4) の解説】

$n = 5$ のとき、$X geq 4$ となる確率は $P(X = 4) + P(X = 5)$ です。

$P(X = 4)$ の計算:

$P(X = 4) = {}_5C_4 left(dfrac{3}{5}right)^4 left(dfrac{2}{5}right)^1 = 5 cdot dfrac{81}{625} cdot dfrac{2}{5} = dfrac{810}{3125}$

$P(X = 5)$ の計算:

$P(X = 5) = {}_5C_5 left(dfrac{3}{5}right)^5 = dfrac{243}{3125}$

合計:

$P(X geq 4) = dfrac{810}{3125} + dfrac{243}{3125} = dfrac{1053}{3125}$

約分すると、$1053 = 81 times 13$、$3125 = 5^5$ で共通因数がないので、

$P(X geq 4) = dfrac{1053}{3125}$

別解・発展

【発展:余事象の利用】

$P(X geq 4) = 1 - P(X leq 3)$ として計算することも可能ですが、この場合は $P(X = 0), P(X = 1), P(X = 2), P(X = 3)$ の4つを計算する必要があり、直接計算の方が効率的です。

【発展:正規分布による近似】

$n$ が大きい場合、二項分布は正規分布 $N(np, np(1-p))$ で近似できます。これは大学で学ぶ「中心極限定理」に関連しています。


大問4:数列と漸化式

問題

【問題】

数列 ${a_n}$ が次の漸化式を満たすとする。

$a_1 = 1$, $a_{n+1} = 2a_n + 3^n$ ($n = 1, 2, 3, ldots$)

(1) $b_n = dfrac{a_n}{3^n}$ とおくとき、$b_{n+1}$ を $b_n$ を用いて表せ。

(2) 一般項 $a_n$ を求めよ。

(3) $displaystylesum_{k=1}^{n} a_k$ を求めよ。

解説・解法のポイント

【(1) の解説】

Step 1:$b_{n+1}$ を定義から計算

$b_{n+1} = dfrac{a_{n+1}}{3^{n+1}}$

Step 2:漸化式を代入

$b_{n+1} = dfrac{2a_n + 3^n}{3^{n+1}} = dfrac{2a_n}{3^{n+1}} + dfrac{3^n}{3^{n+1}}$

$= dfrac{2}{3} cdot dfrac{a_n}{3^n} + dfrac{1}{3}$

$b_{n+1} = dfrac{2}{3}b_n + dfrac{1}{3}$

【(2) の解説】

Step 1:漸化式を特性方程式で解く

$b_{n+1} = dfrac{2}{3}b_n + dfrac{1}{3}$ の特性方程式は、

$alpha = dfrac{2}{3}alpha + dfrac{1}{3}$

$dfrac{1}{3}alpha = dfrac{1}{3}$

$alpha = 1$

Step 2:$b_n - 1$ の漸化式を作る

$b_{n+1} - 1 = dfrac{2}{3}(b_n - 1)$

これは公比 $dfrac{2}{3}$ の等比数列です。

Step 3:$b_n - 1$ を求める

$b_1 = dfrac{a_1}{3^1} = dfrac{1}{3}$ なので、$b_1 - 1 = dfrac{1}{3} - 1 = -dfrac{2}{3}$

$b_n - 1 = -dfrac{2}{3} cdot left(dfrac{2}{3}right)^{n-1} = -left(dfrac{2}{3}right)^n$

$b_n = 1 - left(dfrac{2}{3}right)^n$

Step 4:$a_n$ を求める

$a_n = 3^n cdot b_n$ より、

$a_n = 3^n left(1 - left(dfrac{2}{3}right)^nright)$

$= 3^n - 3^n cdot dfrac{2^n}{3^n}$

$a_n = 3^n - 2^n$

【検算】$a_1 = 3^1 - 2^1 = 1$ ✓、$a_2 = 2 cdot 1 + 3 = 5 = 3^2 - 2^2 = 9 - 4$ ✓

【(3) の解説】

Step 1:和を分解する

$displaystylesum_{k=1}^{n} a_k = sum_{k=1}^{n} (3^k - 2^k) = sum_{k=1}^{n} 3^k - sum_{k=1}^{n} 2^k$

Step 2:等比数列の和の公式を適用

$displaystylesum_{k=1}^{n} 3^k = dfrac{3(3^n - 1)}{3 - 1} = dfrac{3^{n+1} - 3}{2}$

$displaystylesum_{k=1}^{n} 2^k = dfrac{2(2^n - 1)}{2 - 1} = 2^{n+1} - 2$

Step 3:差を計算

$displaystylesum_{k=1}^{n} a_k = dfrac{3^{n+1} - 3}{2} - (2^{n+1} - 2)$

$= dfrac{3^{n+1} - 3}{2} - 2^{n+1} + 2$

$= dfrac{3^{n+1} - 3 - 2^{n+2} + 4}{2}$

$displaystylesum_{k=1}^{n} a_k = dfrac{3^{n+1} - 2^{n+2} + 1}{2}$

別解・発展

【別解:直接法で漸化式を解く】

$a_{n+1} = 2a_n + 3^n$ を変形して、

$a_{n+1} + alpha cdot 3^{n+1} = 2(a_n + alpha cdot 3^n)$

となる $alpha$ を求めます。展開すると、

$a_{n+1} = 2a_n + 2alpha cdot 3^n - 3alpha cdot 3^n = 2a_n - alpha cdot 3^n$

元の漸化式と比較して $-alpha = 1$、つまり $alpha = -1$

$c_n = a_n - 3^n$ とおくと、$c_{n+1} = 2c_n$ で、$c_1 = a_1 - 3 = 1 - 3 = -2$

よって $c_n = -2 cdot 2^{n-1} = -2^n$、$a_n = 3^n - 2^n$

【発展:漸化式のパターン認識】

$a_{n+1} = pa_n + q cdot r^n$ 型の漸化式は、$p neq r$ のとき特性方程式的アプローチで解けます。このパターンは頻出なので、解法を身につけておきましょう。


大問5:空間ベクトルと図形(理系追加問題)

問題

【問題】

座標空間において、4点 $A(1, 0, 0)$、$B(0, 1, 0)$、$C(0, 0, 1)$、$D(1, 1, 1)$ がある。

(1) $overrightarrow{AB}$、$overrightarrow{AC}$、$overrightarrow{AD}$ を成分で表せ。

(2) 三角形 $ABC$ の面積を求めよ。

(3) 四面体 $ABCD$ の体積を求めよ。

(4) 点 $D$ から平面 $ABC$ に下ろした垂線の足 $H$ の座標を求めよ。

解説・解法のポイント

【(1) の解説】

$overrightarrow{AB} = B - A = (0-1, 1-0, 0-0) = mathbf{(-1, 1, 0)}$

$overrightarrow{AC} = C - A = (0-1, 0-0, 1-0) = mathbf{(-1, 0, 1)}$

$overrightarrow{AD} = D - A = (1-1, 1-0, 1-0) = mathbf{(0, 1, 1)}$

【(2) の解説】

Step 1:外積を計算する

三角形の面積は $S = dfrac{1}{2}|overrightarrow{AB} times overrightarrow{AC}|$ で求まります。

$overrightarrow{AB} times overrightarrow{AC} = begin{vmatrix} vec{i} & vec{j} & vec{k} \ -1 & 1 & 0 \ -1 & 0 & 1 end{vmatrix}$

$= vec{i}(1 cdot 1 - 0 cdot 0) - vec{j}((-1) cdot 1 - 0 cdot (-1)) + vec{k}((-1) cdot 0 - 1 cdot (-1))$

$= vec{i}(1) - vec{j}(-1) + vec{k}(1)$

$= (1, 1, 1)$

Step 2:大きさを計算

$|overrightarrow{AB} times overrightarrow{AC}| = sqrt{1^2 + 1^2 + 1^2} = sqrt{3}$

$S_{triangle ABC} = dfrac{sqrt{3}}{2}$

【別法】高校数学の範囲では、$|overrightarrow{AB}|^2 cdot |overrightarrow{AC}|^2 - (overrightarrow{AB} cdot overrightarrow{AC})^2$ を使って $S = dfrac{1}{2}sqrt{|vec{a}|^2|vec{b}|^2 - (vec{a} cdot vec{b})^2}$ で計算することもできます。

【(3) の解説】

Step 1:スカラー三重積を使う

四面体の体積は $V = dfrac{1}{6}|(overrightarrow{AB} times overrightarrow{AC}) cdot overrightarrow{AD}|$ で求まります。

$overrightarrow{AB} times overrightarrow{AC} = (1, 1, 1)$、$overrightarrow{AD} = (0, 1, 1)$ より、

$(overrightarrow{AB} times overrightarrow{AC}) cdot overrightarrow{AD} = 1 cdot 0 + 1 cdot 1 + 1 cdot 1 = 2$

$V = dfrac{1}{6} cdot |2| = dfrac{1}{3}$

【(4) の解説】

Step 1:平面 $ABC$ の方程式を求める

法線ベクトルは $vec{n} = overrightarrow{AB} times overrightarrow{AC} = (1, 1, 1)$

点 $A(1, 0, 0)$ を通るので、平面の方程式は

$1(x - 1) + 1(y - 0) + 1(z - 0) = 0$

$x + y + z = 1$

Step 2:点 $D$ から平面への垂線の足を求める

$D(1, 1, 1)$ を通り、法線ベクトル $(1, 1, 1)$ 方向の直線は、

$(x, y, z) = (1, 1, 1) + t(1, 1, 1) = (1+t, 1+t, 1+t)$

これが平面 $x + y + z = 1$ と交わる点を求めます。

$(1+t) + (1+t) + (1+t) = 1$

$3 + 3t = 1$

$t = -dfrac{2}{3}$

Step 3:$H$ の座標を計算

$H = left(1 - dfrac{2}{3}, 1 - dfrac{2}{3}, 1 - dfrac{2}{3}right) = mathbf{left(dfrac{1}{3}, dfrac{1}{3}, dfrac{1}{3}right)}$

別解・発展

【検算:体積の公式を使う】

$V = dfrac{1}{3} times S times h$ より、$h = DH = |t| cdot |vec{n}| = dfrac{2}{3} cdot sqrt{3} = dfrac{2sqrt{3}}{3}$

$V = dfrac{1}{3} times dfrac{sqrt{3}}{2} times dfrac{2sqrt{3}}{3} = dfrac{1}{3} times dfrac{sqrt{3}}{2} times dfrac{2sqrt{3}}{3} = dfrac{1}{3} times dfrac{2 cdot 3}{6} = dfrac{1}{3}$ ✓


この年度の重要テーマと対策

2018年度の出題分野まとめ

大問 分野 難易度 重要度
第1問 二次関数・対称式・不等式 標準 ★★★★☆
第2問 微分法・極値・面積 標準〜やや難 ★★★★★
第3問 確率・二項分布・期待値 標準 ★★★★★
第4問 数列・漸化式 標準 ★★★★★
第5問(理系) 空間ベクトル・四面体 やや難 ★★★★☆

名古屋市立大学 数学の頻出分野

過去の出題傾向を分析すると、以下の分野が特に頻出です:

  1. 微分・積分(数学Ⅲ):毎年必ず出題。面積・体積・極値の問題が多い
  2. 確率・場合の数:期待値、条件付き確率、漸化式との融合問題
  3. 数列:漸化式、Σ計算、数学的帰納法
  4. ベクトル:平面・空間ともに出題。内積、外積の利用
  5. 図形と方程式:軌跡、領域、面積

効果的な対策法

【基礎固め(高2〜高3春)】

  • 教科書の例題・章末問題を完璧にする
  • 「青チャート」or「Focus Gold」の例題を周回
  • 計算ミスをなくすため、計算練習を毎日行う

【応用力養成(高3夏〜秋)】

  • 「1対1対応の演習」で典型問題のパターンを習得
  • 「標準問題精講」で記述力を強化
  • 時間を計って演習し、時間配分を意識

【過去問演習(高3冬〜直前期)】

  • 名市大過去問は直近10年分を解く
  • 類題として名古屋大学、広島大学、岡山大学の問題も有効
  • 解けなかった問題は必ず復習し、解法を身につける

類似問題で練習しよう(練習問題3問)

練習問題1:対称式と条件付き最大最小

【問題】

実数 $x$, $y$, $z$ が $x + y + z = 3$, $xy + yz + zx = 3$ を満たすとき、$x^2 + y^2 + z^2$ の値と、$xyz$ のとりうる値の範囲を求めよ。

【解答・解説】

Step 1:$x^2 + y^2 + z^2$ を求める

$(x + y + z)^2 = x^2 + y^2 + z^2 + 2(xy + yz + zx)$ より、

$9 = x^2 + y^2 + z^2 + 2 cdot 3$

$x^2 + y^2 + z^2 = 3$

Step 2:$x$, $y$, $z$ を解に持つ三次方程式を考える

$x$, $y$, $z$ は $t^3 - 3t^2 + 3t - xyz = 0$ の解です。

$p = xyz$ とおくと、$f(t) = t^3 - 3t^2 + 3t - p$

Step 3:三次方程式が3つの実数解を持つ条件

$f'(t) = 3t^2 - 6t + 3 = 3(t-1)^2 geq 0$

$f'(t) = 0$ となるのは $t = 1$ のみで、$f(t)$ は単調増加($t = 1$ で変曲点)

したがって、$f(t) = 0$ は常にただ1つの実数解を持ちます。

3つの解が実数であるためには、$x = y = z = 1$ の場合のみです。

このとき $xyz = 1$

$xyz = 1$(一意に定まる)


練習問題2:漸化式と極限

【問題】

数列 ${a_n}$ が $a_1 = 2$, $a_{n+1} = dfrac{a_n + 2}{a_n + 1}$ で定められるとき、

(1) $b_n = a_n - sqrt{2}$ とおくとき、$dfrac{b_{n+1}}{b_n}$ を求めよ。

(2) 一般項 $a_n$ を求めよ。

(3) $displaystylelim_{n to infty} a_n$ を求めよ。

【解答・解説】

(1) の解答

$a_{n+1} - sqrt{2} = dfrac{a_n + 2}{a_n + 1} - sqrt{2} = dfrac{a_n + 2 - sqrt{2}(a_n + 1)}{a_n + 1}$

$= dfrac{a_n(1 - sqrt{2}) + (2 - sqrt{2})}{a_n + 1} = dfrac{(1 - sqrt{2})(a_n - sqrt{2})}{a_n + 1}$

よって、$dfrac{b_{n+1}}{b_n} = dfrac{1 - sqrt{2}}{a_n + 1}$

同様に $c_n = a_n + sqrt{2}$ とおくと、

$dfrac{c_{n+1}}{c_n} = dfrac{1 + sqrt{2}}{a_n + 1}$

したがって、$dfrac{b_{n+1}}{c_{n+1}} = dfrac{b_n}{c_n} cdot dfrac{1 - sqrt{2}}{1 + sqrt{2}}$

(2) の解答

$dfrac{b_n}{c_n} = dfrac{a_n - sqrt{2}}{a_n + sqrt{2}}$ とおくと、

$dfrac{b_n}{c_n} = dfrac{b_1}{c_1} cdot left(dfrac{1 - sqrt{2}}{1 + sqrt{2}}right)^{n-1} = dfrac{2 - sqrt{2}}{2 + sqrt{2}} cdot (3 - 2sqrt{2})^{n-1}$

$dfrac{2 - sqrt{2}}{2 + sqrt{2}} = dfrac{(2 - sqrt{2})^2}{2} = dfrac{6 - 4sqrt{2}}{2} = 3 - 2sqrt{2}$

よって $dfrac{a_n - sqrt{2}}{a_n + sqrt{2}} = (3 - 2sqrt{2})^n$

$a_n$ について解くと、

$a_n = sqrt{2} cdot dfrac{1 + (3 - 2sqrt{2})^n}{1 - (3 - 2sqrt{2})^n}$

(3) の解答

$|3 - 2sqrt{2}| = 3 - 2sqrt{2} approx 0.17 < 1$ なので、$(3 - 2sqrt{2})^n to 0$($n to infty$)

$displaystylelim_{n to infty} a_n = sqrt{2} cdot dfrac{1 + 0}{1 - 0} = sqrt{2}$


練習問題3:空間ベクトルと体積

【問題】

四面体 $OABC$ において、$overrightarrow{OA} = vec{a}$, $overrightarrow{OB} = vec{b}$, $overrightarrow{OC} = vec{c}$ とする。$|vec{a}| = |vec{b}| = |vec{c}| = 2$、$vec{a} cdot vec{b} = vec{b} cdot vec{c} = vec{c} cdot vec{a} = 1$ のとき、

(1) 四面体 $OABC$ の体積を求めよ。

(2) 点 $O$ から平面 $ABC$ に下ろした垂線の長さを求めよ。

【解答・解説】

(1) の解答

四面体の体積は $V = dfrac{1}{6}|(vec{a} times vec{b}) cdot vec{c}|$ で、

$|(vec{a} times vec{b}) cdot vec{c}|^2 = begin{vmatrix} vec{a} cdot vec{a} & vec{a} cdot vec{b} & vec{a} cdot vec{c} \ vec{b} cdot vec{a} & vec{b} cdot vec{b} & vec{b} cdot vec{c} \ vec{c} cdot vec{a} & vec{c} cdot vec{b} & vec{c} cdot vec{c} end{vmatrix} = begin{vmatrix} 4 & 1 & 1 \ 1 & 4 & 1 \ 1 & 1 & 4 end{vmatrix}$

行列式を計算すると、

$= 4(16 - 1) - 1(4 - 1) + 1(1 - 4) = 60 - 3 - 3 = 54$

$|(vec{a} times vec{b}) cdot vec{c}| = sqrt{54} = 3sqrt{6}$

$V = dfrac{1}{6} cdot 3sqrt{6} = dfrac{sqrt{6}}{2}$

(2) の解答

三角形 $ABC$ の面積を $S$ とすると、$V = dfrac{1}{3}Sh$ より $h = dfrac{3V}{S}$

$overrightarrow{AB} = vec{b} - vec{a}$, $overrightarrow{AC} = vec{c} - vec{a}$ として、

$|overrightarrow{AB}|^2 = |vec{b} - vec{a}|^2 = 4 + 4 - 2 = 6$

$|overrightarrow{AC}|^2 = |vec{c} - vec{a}|^2 = 4 + 4 - 2 = 6$

$overrightarrow{AB} cdot overrightarrow{AC} = (vec{b} - vec{a}) cdot (vec{c} - vec{a}) = 1 - 1 - 1 + 4 = 3$

$S = dfrac{1}{2}sqrt{6 cdot 6 - 9} = dfrac{1}{2}sqrt{27} = dfrac{3sqrt{3}}{2}$

したがって、

$h = dfrac{3V}{S} = dfrac{3 cdot dfrac{sqrt{6}}{2}}{dfrac{3sqrt{3}}{2}} = dfrac{3sqrt{6}}{3sqrt{3}} = sqrt{2}$


名古屋市立大学の数学攻略のための学習アドバイス

時期別学習計画

【高2の3月〜高3の6月:基礎完成期】

この時期は、教科書レベルの基礎を完璧にすることが最優先です。

  • 数学Ⅲの微分・積分を重点的に学習(医学部・薬学部志望の場合)
  • 「青チャート」「Focus Gold」の例題を最低2周
  • 計算力強化のため、毎日30分の計算練習を継続
  • 苦手分野を作らないよう、全範囲をバランスよく学習

【高3の7月〜9月:応用力養成期】

基礎が固まったら、入試レベルの問題に挑戦します。

  • 「1対1対応の演習」で典型問題のパターンを習得
  • 「標準問題精講」で記述答案の書き方を学ぶ
  • 模試を積極的に受験し、時間配分の感覚をつかむ
  • 間違えた問題は「間違いノート」に記録し、定期的に復習

【高3の10月〜11月:実戦演習期】

過去問演習を本格的に開始します。

  • 名古屋市立大学の過去問10年分を時間を計って解く
  • 1問30分を目安に時間配分を意識
  • 解けなかった問題は徹底的に復習し、類題も解く
  • 記述の書き方を添削してもらい、減点されない答案を作成

【高3の12月〜本番直前:仕上げ期】

共通テスト後は二次試験対策に集中します。

  • 直前1週間は新しい問題には手を出さず、復習に徹する
  • 頻出分野(微積分、確率、数列、ベクトル)の確認
  • 計算ミスを防ぐため、検算の習慣を徹底
  • 体調管理を最優先に

名市大数学で高得点を取るための5つのポイント

① 計算力を鍛える

名市大の数学は計算量が多めです。特に積分計算は複雑なものが出題されるので、毎日の計算練習で正確性とスピードを磨きましょう。

② 典型問題を完璧に

難問・奇問は少なく、標準的な問題が中心です。「見たことがある」問題で確実に得点することが合格への近道です。

③ 記述力を磨く

全問記述式なので、論理的で読みやすい答案を書く練習が必要です。「なぜそうなるのか」を明確に示しましょう。

④ 時間配分を意識

120分で4題なので、1題あたり約30分が目安です。難しい問題に時間をかけすぎず、取れる問題を確実に取る戦略が重要です。

⑤ 部分点を意識

完答できなくても、途中経過を丁寧に書くことで部分点がもらえます。白紙で提出することは絶対に避けましょう。

おすすめ参考書・問題集

レベル 参考書名 使い方のポイント
基礎 青チャート / Focus Gold 例題を2〜3周。解法パターンを暗記するまで反復
標準 1対1対応の演習 典型問題の解法を習得。1問15分で解く練習
標準〜応用 標準問題精講 記述力強化に最適。解答の書き方を真似る
応用 やさしい理系数学 医学部志望者向け。別解も含めて学習
実戦 名古屋市立大学 過去問 直近10年分を時間を計って演習

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ここまで読んでいただき、ありがとうございました!名古屋市立大学の数学対策、いかがでしたか?

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名市大の数学は全問記述式。プロの目で答案をチェックし、減点されない書き方を徹底指導します。

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名古屋市立大学の過去問はもちろん、類似傾向の他大学の問題も使って演習。実戦力を養います。

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先輩たちの合格体験記

Aさん(名古屋市立大学 医学部 合格)

「高3の夏まで数学が苦手で、模試でもE判定でした。数強塾で基礎から徹底的にやり直し、特に微積分と確率を重点的に対策。先生の丁寧な解説のおかげで、本番では数学で8割取れました!」

Bさん(名古屋市立大学 薬学部 合格)

「地方在住で予備校に通えなかったので、オンラインで受講できる数強塾を選びました。過去問の添削指導が特に役立ち、記述の書き方が劇的に改善。自信を持って本番に臨めました。」

Cさん(名古屋市立大学 経済学部 合格)

「文系でも数学で差をつけたいと思い、日本数学塾に入塾。苦手だった数列と確率を克服し、本番では手応えバッチリ。数学が得点源になったおかげで、余裕を持って合格できました!」


まとめ

名古屋市立大学2018年度の数学は、標準〜やや難レベルの良問揃いでした。特に以下のポイントを押さえておきましょう:

  • 対称式の処理:基本公式を使いこなせるようにする
  • 微分・積分:極値判定、面積計算は必須
  • 確率:二項分布、期待値・分散の公式を確実に
  • 数列:漸化式の解法パターンを習得
  • 空間ベクトル:外積、スカラー三重積を使いこなす

名古屋市立大学の数学は、基礎がしっかりしていれば十分に戦える問題構成です。焦らず着実に力をつけていけば、必ず合格点に届きます。

皆さんの合格を心より応援しています!質問や相談があれば、いつでも数強塾日本数学塾にお問い合わせください。

数強塾・日本数学塾 講師
藤原進之介


※本記事は2018年度(平成30年度)名古屋市立大学前期試験の数学を基に作成しています。最新の入試情報は必ず大学公式サイトでご確認ください。

※問題の詳細な内容については、名古屋市立大学公式サイトの過去問題・解答例ページ、または各予備校・出版社の過去問題集をご参照ください。

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