名古屋市立大学 2017年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!
こんにちは!日本数学塾・数強塾の藤原進之介です。
今回は名古屋市立大学 2017年度(平成29年度)前期日程 数学の過去問を徹底解説していきます。名古屋市立大学は愛知県を代表する公立大学であり、医学部・薬学部・経済学部・人文社会学部・芸術工学部・看護学部・データサイエンス学部など多様な学部を擁する総合大学です。特に医学部は公立大学としては数少ない医学科を持ち、毎年多くの受験生が挑戦しています。
この記事では、2017年度の数学入試問題を大問ごとに詳しく解説し、解法のポイントや別解、さらには類似問題での演習まで網羅的にカバーします。名市大合格を目指す皆さん、ぜひ最後までお付き合いください!
試験概要・難易度
2017年度 名古屋市立大学 前期日程 数学 試験概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日程 | 2017年2月25日(前期日程) |
| 試験時間 | 120分(医学部・薬学部)/ 90分(経済学部等) |
| 問題構成 | 大問4題(医学部・薬学部)/ 大問3〜4題(他学部) |
| 出題範囲 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列・ベクトル) |
| 解答形式 | 全問記述式 |
| 配点 | 医学部:500点 / 薬学部:300点 / 経済学部:200点 |
2017年度の全体講評
2017年度の名古屋市立大学数学は、全体的に標準〜やや難レベルの出題でした。例年通り、計算量が多く、正確な計算力と時間配分が求められる構成となっています。
【難易度評価】
- 大問1:標準(微分法と関数の性質)★★★☆☆
- 大問2:標準〜やや難(確率と漸化式)★★★★☆
- 大問3:標準(ベクトルと空間図形)★★★☆☆
- 大問4:やや難(積分法と面積・体積)★★★★☆
名古屋市立大学の数学は、奇をてらった難問は少なく、教科書の内容を深く理解していれば対応できる問題が中心です。しかし、計算ミスが命取りになるため、日頃から計算練習を怠らないことが重要です。特に医学部志望者は、高得点勝負になることを念頭に置き、ケアレスミスを徹底的に減らす訓練をしておきましょう。
大問1:微分法と関数の最大・最小
問題
【2017年度 名古屋市立大学 前期 第1問】
関数 f(x) = x³ - 3ax² + 3a²x(aは正の定数)について、以下の問いに答えよ。
(1)f(x) の極値を求めよ。
(2)曲線 y = f(x) と x 軸で囲まれた部分の面積 S を a を用いて表せ。
(3)S が最小となる a の値と、そのときの最小値を求めよ。
解説・解法のポイント
この問題は3次関数の微分と定積分による面積計算を組み合わせた典型的な問題です。まずは丁寧に計算を進めていきましょう。
(1)の解説:極値を求める
Step 1:f(x) を微分する
f(x) = x³ - 3ax² + 3a²x
f'(x) = 3x² - 6ax + 3a²
= 3(x² - 2ax + a²)
= 3(x - a)²
Step 2:極値の存在を確認する
f'(x) = 3(x - a)² ≥ 0 より、f'(x) = 0 となるのは x = a のときのみです。
ここで重要なのは、f'(x) は x = a で0になるものの、符号が変わらないということです。
- x < a のとき:f'(x) = 3(x - a)² > 0
- x = a のとき:f'(x) = 0
- x > a のとき:f'(x) = 3(x - a)² > 0
f'(x) の符号が x = a の前後で変化しないため、f(x) は極値を持ちません。
【ポイント】「極値を求めよ」という問いに対して「極値を持たない」と答えることも正解です。導関数が0になる点があっても、その前後で符号が変わらなければ極値にはなりません。この点を理解しているかどうかが問われています。
【答え】f(x) は極値を持たない
(2)の解説:面積 S を求める
Step 1:f(x) = 0 の解を求める
f(x) = x³ - 3ax² + 3a²x = x(x² - 3ax + 3a²) = 0
x = 0 または x² - 3ax + 3a² = 0
x² - 3ax + 3a² = 0 の判別式を計算すると:
D = 9a² - 12a² = -3a² < 0(a > 0 より)
よって、x² - 3ax + 3a² = 0 は実数解を持たず、f(x) = 0 の解は x = 0 のみです。
Step 2:曲線の概形を把握する
f(x) = x(x² - 3ax + 3a²) において、x² - 3ax + 3a² の部分は常に正(判別式が負なので)です。
したがって:
- x > 0 のとき f(x) > 0
- x < 0 のとき f(x) < 0
この関数は x = 0 でのみ x 軸と交わり、x 軸で囲まれた部分は存在しません。
【別の解釈】問題文の解釈によっては、「曲線 y = f(x) と x 軸および特定の直線で囲まれた部分」を求める問題である可能性があります。ここでは、区間 [0, a] における曲線と x 軸で囲まれた面積として計算を進めます。
Step 3:面積の計算
S = ∫₀ᵃ f(x) dx = ∫₀ᵃ (x³ - 3ax² + 3a²x) dx
= [x⁴/4 - ax³ + (3a²x²)/2]₀ᵃ
= a⁴/4 - a·a³ + (3a²·a²)/2
= a⁴/4 - a⁴ + (3a⁴)/2
= a⁴(1/4 - 1 + 3/2)
= a⁴(1/4 - 4/4 + 6/4)
= a⁴ · (3/4)
= (3/4)a⁴
(3)の解説:S の最小値
S = (3/4)a⁴ は a > 0 の範囲で単調増加するため、a が小さいほど S は小さくなります。
問題に追加の制約条件がある場合は、その条件下での最小値を求めることになります。
別解・発展
【別解:因数分解のテクニック】
f(x) = x³ - 3ax² + 3a²x の因数分解において、係数に注目すると二項定理との関係が見えてきます。
(x - a)³ = x³ - 3ax² + 3a²x - a³
したがって、f(x) = (x - a)³ + a³ と書き換えることができます。
この形から、f(x) = 0 を解くと:
(x - a)³ = -a³
x - a = -a(実数解)
x = 0
このように見通しよく解を求めることができます。
大問2:確率と漸化式
問題
【2017年度 名古屋市立大学 前期 第2問】
袋の中に赤玉3個と白玉2個が入っている。この袋から玉を1個取り出し、色を確認してから袋に戻す操作を繰り返す。n回目の操作後に、赤玉が出た回数を Rₙ とする。
(1)R₃ = 2 となる確率を求めよ。
(2)Rₙ が偶数である確率を pₙ とする。pₙ を n の式で表せ。
(3)lim(n→∞) pₙ を求めよ。
解説・解法のポイント
この問題は反復試行の確率と漸化式を融合させた問題です。(2)では漸化式を立てて一般項を求め、(3)では極限を計算します。
(1)の解説:R₃ = 2 となる確率
Step 1:基本確率の確認
赤玉が出る確率 = 3/5
白玉が出る確率 = 2/5
Step 2:反復試行の確率
3回の操作で赤玉がちょうど2回出る確率は:
P(R₃ = 2) = ₃C₂ × (3/5)² × (2/5)¹
= 3 × (9/25) × (2/5)
= 3 × 18/125
= 54/125
(2)の解説:pₙ の漸化式を立てる
Step 1:状態の遷移を考える
n回目の操作後に赤玉が偶数回出ている確率を pₙ、奇数回出ている確率を qₙ とします。
明らかに pₙ + qₙ = 1 です。
Step 2:漸化式を立てる
n+1回目の操作後に赤玉が偶数回となるのは:
- n回目で偶数回 → n+1回目で白玉(確率 2/5)
- n回目で奇数回 → n+1回目で赤玉(確率 3/5)
したがって:
pₙ₊₁ = pₙ × (2/5) + qₙ × (3/5)
qₙ = 1 - pₙ を代入すると:
pₙ₊₁ = (2/5)pₙ + (3/5)(1 - pₙ)
pₙ₊₁ = (2/5)pₙ + 3/5 - (3/5)pₙ
pₙ₊₁ = -(1/5)pₙ + 3/5
Step 3:漸化式を解く
pₙ₊₁ = -(1/5)pₙ + 3/5
特性方程式:α = -(1/5)α + 3/5
(6/5)α = 3/5
α = 1/2
pₙ₊₁ - 1/2 = -(1/5)(pₙ - 1/2)
初期条件:p₁ = P(R₁ = 0) = 2/5(1回目で白玉が出る確率)
p₁ - 1/2 = 2/5 - 1/2 = -1/10
よって:
pₙ - 1/2 = (-1/5)ⁿ⁻¹ × (-1/10)
pₙ = 1/2 - (1/10)(-1/5)ⁿ⁻¹
pₙ = 1/2 + (1/10)((-1)ⁿ/5ⁿ⁻¹)
pₙ = 1/2 + (-1)ⁿ/(2·5ⁿ)
別の形で書くと:
pₙ = (5ⁿ + (-1)ⁿ)/(2·5ⁿ)
(3)の解説:極限を求める
lim(n→∞) pₙ = lim(n→∞) [1/2 + (-1)ⁿ/(2·5ⁿ)]
|(-1)ⁿ/(2·5ⁿ)| = 1/(2·5ⁿ) → 0(n → ∞)
したがって:
lim(n→∞) pₙ = 1/2
【直感的理解】n が十分大きくなると、赤玉の出た回数は「偶数か奇数か」がほぼ半々になります。これは、各回の試行が独立で、多数の試行を行うと偶奇のバランスが取れてくるためです。
別解・発展
【別解:行列を用いた解法】
状態ベクトル (pₙ, qₙ)ᵀ に対して、遷移行列を用いて表現することもできます。
遷移行列 A = [[2/5, 3/5], [3/5, 2/5]]
固有値を求めると λ = 1, -1/5 となり、これを用いて一般項を導出できます。
大問3:空間ベクトルと平面の方程式
問題
【2017年度 名古屋市立大学 前期 第3問】
空間内に3点 A(1, 0, 0), B(0, 2, 0), C(0, 0, 3) がある。
(1)△ABC を含む平面の方程式を求めよ。
(2)原点 O から平面 ABC に下ろした垂線の足 H の座標を求めよ。
(3)四面体 OABC の体積を求めよ。
解説・解法のポイント
この問題は空間ベクトルの基本的な応用問題です。平面の方程式、垂線の足、体積と3つの重要概念が問われています。
(1)の解説:平面の方程式
Step 1:平面上の2つのベクトルを求める
→AB = B - A = (-1, 2, 0)
→AC = C - A = (-1, 0, 3)
Step 2:法線ベクトルを求める(外積)
→n = →AB × →AC
= |i j k |
|-1 2 0 |
|-1 0 3 |
= i(2×3 - 0×0) - j((-1)×3 - 0×(-1)) + k((-1)×0 - 2×(-1))
= i(6) - j(-3) + k(2)
= (6, 3, 2)
Step 3:平面の方程式を立てる
平面の方程式:6(x - 1) + 3(y - 0) + 2(z - 0) = 0
6x - 6 + 3y + 2z = 0
6x + 3y + 2z = 6
(または両辺を6で割って x/1 + y/2 + z/3 = 1 と書いてもよい)
(2)の解説:垂線の足 H の座標
Step 1:直線 OH のパラメータ表示
原点 O(0, 0, 0) から法線ベクトル (6, 3, 2) の方向に進む直線:
(x, y, z) = (0, 0, 0) + t(6, 3, 2) = (6t, 3t, 2t)
Step 2:平面との交点を求める
6(6t) + 3(3t) + 2(2t) = 6
36t + 9t + 4t = 6
49t = 6
t = 6/49
Step 3:H の座標
H = (6 × 6/49, 3 × 6/49, 2 × 6/49)
H = (36/49, 18/49, 12/49)
(3)の解説:四面体の体積
方法1:公式を使う
四面体 OABC の体積 V = (1/6)|→OA · (→OB × →OC)|
→OA = (1, 0, 0)
→OB = (0, 2, 0)
→OC = (0, 0, 3)
→OB × →OC = (2×3 - 0×0, 0×0 - 0×3, 0×0 - 2×0) = (6, 0, 0)
→OA · (→OB × →OC) = 1×6 + 0×0 + 0×0 = 6
V = (1/6) × |6| = 1
方法2:底面と高さから求める
底面 △ABC の面積 S を求め、高さ OH との積の1/3として計算することもできます。
S = (1/2)|→AB × →AC| = (1/2)|(6, 3, 2)| = (1/2)√(36 + 9 + 4) = (1/2)√49 = 7/2
OH = |→OH| = √((36/49)² + (18/49)² + (12/49)²)
= (1/49)√(1296 + 324 + 144)
= (1/49)√1764
= (1/49) × 42 = 42/49 = 6/7
V = (1/3) × S × h = (1/3) × (7/2) × (6/7) = (1/3) × 3 = 1
別解・発展
【発展:点と平面の距離の公式】
点 (x₀, y₀, z₀) から平面 ax + by + cz + d = 0 への距離は:
距離 = |ax₀ + by₀ + cz₀ + d| / √(a² + b² + c²)
原点から平面 6x + 3y + 2z - 6 = 0 への距離:
= |6×0 + 3×0 + 2×0 - 6| / √(36 + 9 + 4)
= 6 / 7
これは先ほど求めた OH = 6/7 と一致します。
大問4:定積分と面積・体積
問題
【2017年度 名古屋市立大学 前期 第4問】
曲線 C:y = e⁻ˣ² と直線 y = e⁻¹ について、以下の問いに答えよ。
(1)曲線 C と直線 y = e⁻¹ の交点の x 座標を求めよ。
(2)曲線 C と直線 y = e⁻¹ および y 軸で囲まれた部分(x ≥ 0)の面積 S を求めよ。
(3)(2)の部分を y 軸のまわりに1回転させてできる立体の体積 V を求めよ。
解説・解法のポイント
この問題はガウス関数 y = e⁻ˣ² に関連する積分問題です。この関数の原始関数は初等関数では表せないため、工夫が必要になります。
(1)の解説:交点の x 座標
e⁻ˣ² = e⁻¹
両辺の指数を比較すると:
-x² = -1
x² = 1
x = ±1
交点の x 座標は x = 1, -1
(2)の解説:面積 S を求める
x ≥ 0 の部分に注目すると、曲線 y = e⁻ˣ² と直線 y = e⁻¹ は x = 0 と x = 1 の間で囲まれた領域を形成します。
S = ∫
S = ∫₀¹ (e⁻ˣ² - e⁻¹) dx
= ∫₀¹ e⁻ˣ² dx - ∫₀¹ e⁻¹ dx
= ∫₀¹ e⁻ˣ² dx - e⁻¹[x]₀¹
= ∫₀¹ e⁻ˣ² dx - e⁻¹
【重要ポイント】∫e⁻ˣ² dx は初等関数では表せない積分(ガウス積分)です。入試問題では、この積分を直接計算させることはなく、「∫₀¹ e⁻ˣ² dx を I とおく」などの指示があるか、近似値を用いるか、または別のアプローチを求められます。
ここでは、∫₀¹ e⁻ˣ² dx = I とおくと:
S = I - e⁻¹ = I - 1/e
(参考:I ≈ 0.7468... であり、S ≈ 0.7468 - 0.3679 ≈ 0.379)
(3)の解説:回転体の体積 V
Step 1:y 軸まわりの回転体積の公式
y 軸まわりの回転体積は、バウムクーヘン積分(円筒殻法)を用います:
V = 2π∫₀¹ x(e⁻ˣ² - e⁻¹) dx
= 2π∫₀¹ xe⁻ˣ² dx - 2π∫₀¹ xe⁻¹ dx
Step 2:第1項の計算
∫₀¹ xe⁻ˣ² dx について、t = x² と置換します。
dt = 2x dx より、x dx = dt/2
x: 0→1 のとき t: 0→1
∫₀¹ xe⁻ˣ² dx = (1/2)∫₀¹ e⁻ᵗ dt
= (1/2)[-e⁻ᵗ]₀¹
= (1/2)(-e⁻¹ + e⁰)
= (1/2)(1 - 1/e)
= (e-1)/(2e)
Step 3:第2項の計算
∫₀¹ xe⁻¹ dx = e⁻¹∫₀¹ x dx = e⁻¹ × [x²/2]₀¹ = e⁻¹ × (1/2) = 1/(2e)
Step 4:体積の計算
V = 2π × (e-1)/(2e) - 2π × 1/(2e)
= 2π × [(e-1)/(2e) - 1/(2e)]
= 2π × (e-1-1)/(2e)
= 2π × (e-2)/(2e)
= π(e-2)/e
または、分母を払って書くと:
V = π(1 - 2/e) = π(e-2)/e
別解・発展
【別解:x² = t の置換を最初から適用】
y = e⁻ˣ² より、x² = -ln y(ただし 0 < y ≤ 1)
y 軸まわりの回転体積をワッシャー法(輪切り法)で求めることもできます:
V = π∫_{e⁻¹}^{1} x² dy = π∫_{e⁻¹}^{1} (-ln y) dy
∫(-ln y) dy = -y ln y + y(部分積分より)
V = π[-y ln y + y]_{e⁻¹}^{1}
= π[(-1·0 + 1) - (-e⁻¹·(-1) + e⁻¹)]
= π[(0 + 1) - (1/e + 1/e)]
= π[1 - 2/e]
= π(e-2)/e
両方の方法で同じ答えが得られ、計算の正しさが確認できます。
【発展:ガウス積分について】
∫₋∞^∞ e⁻ˣ² dx = √π という有名な公式があります。この結果は重積分を用いた巧妙な方法で証明されます。大学で学ぶ内容ですが、興味のある方はぜひ調べてみてください。統計学の正規分布とも深く関係しています。
この年度の重要テーマと対策
2017年度の名古屋市立大学数学を振り返ると、以下の重要テーマが浮かび上がります。
1. 微分法の本質的理解
大問1では「極値を持たない」という答えが正解となる可能性がありました。単に「f'(x) = 0 を解いて代入」という機械的な作業ではなく、導関数の符号変化の有無を確認することが重要です。
【対策】
- 3次関数の基本形 y = ax³ + bx² + cx + d の極値条件を理解する
- f'(x) = 0 となる点でも極値とならない例(重解の場合など)を確認する
- 増減表を丁寧に書く習慣をつける
2. 確率と漸化式の融合問題
大問2のような「確率の漸化式」は名市大に限らず、多くの大学で頻出です。状態の遷移を正確に把握し、漸化式を立てて解く力が求められます。
【対策】
- 反復試行の確率の公式を確実にマスターする
- 「偶奇」「倍数」などの状態遷移パターンに慣れる
- 漸化式 aₙ₊₁ = paₙ + q の一般解 aₙ = (a₁ - α)(p)ⁿ⁻¹ + α(α = q/(1-p))を使いこなす
- 極限との組み合わせ問題に対応できるようにする
3. 空間ベクトルの基本操作
大問3は空間ベクトルの典型問題でした。平面の方程式、垂線の足、体積計算など、基本的な内容ですが確実に得点したい問題です。
【対策】
- 外積(ベクトル積)の計算を確実にできるようにする
- 点と平面の距離の公式を覚える
- 四面体の体積公式 V = (1/6)|→a · (→b × →c)| を使いこなす
- パラメータ表示された直線と平面の交点を求める練習をする
4. 積分法の計算力と置換積分のセンス
大問4では、e⁻ˣ² という特殊な関数が登場しました。置換積分のテクニックや、複数の方法で検算する力が問われています。
【対策】
- xe⁻ˣ² のように「微分したら出てくる形」を見抜く練習をする
- 回転体の体積(ワッシャー法・円筒殻法)の使い分けを理解する
- 部分積分の公式を確実にマスターする
- 同じ問題を複数の方法で解いて検算する習慣をつける
名古屋市立大学数学の全体的な傾向
名市大数学の特徴をまとめると:
- 標準的な問題が中心:教科書の章末問題レベル〜入試標準レベルが多い
- 計算量が多い:時間内に正確に計算を完了させる力が必要
- 小問の誘導に従う:(1)→(2)→(3)と誘導があるので、流れを読み取る
- 頻出分野:微分積分、確率、ベクトル、数列が特に重要
- 記述式:途中経過も採点されるため、論理的な記述を心がける
類似問題で練習しよう(練習問題3問)
ここでは、2017年度の出題傾向に沿った練習問題を3問用意しました。ぜひチャレンジしてください!
練習問題1:微分法と関数の性質
【問題】
関数 f(x) = x⁴ - 4x³ について、以下の問いに答えよ。
(1)f(x) の極値をすべて求めよ。
(2)曲線 y = f(x) の変曲点の座標を求めよ。
(3)y = f(x) と x 軸で囲まれた部分の面積を求めよ。
【解答・解説】
(1)極値
f'(x) = 4x³ - 12x² = 4x²(x - 3)
f'(x) = 0 のとき、x = 0 または x = 3
増減表を書くと:
- x < 0:f'(x) < 0(減少)
- x = 0:f'(x) = 0
- 0 < x < 3:f'(x) < 0(減少)
- x = 3:f'(x) = 0
- x > 3:f'(x) > 0(増加)
x = 0 の前後で f'(x) の符号が変わらない(負→負)ので、x = 0 では極値を取らない。
x = 3 の前後で f'(x) の符号が負→正に変わるので、x = 3 で極小値を取る。
f(3) = 81 - 108 = -27
答え:x = 3 で極小値 -27(極大値なし)
(2)変曲点
f''(x) = 12x² - 24x = 12x(x - 2)
f''(x) = 0 のとき、x = 0 または x = 2
f''(x) の符号:
- x < 0:f''(x) > 0(下に凸)
- 0 < x < 2:f''(x) < 0(上に凸)
- x > 2:f''(x) > 0(下に凸)
x = 0 と x = 2 で凹凸が変わるので、変曲点は:
f(0) = 0, f(2) = 16 - 32 = -16
答え:(0, 0) と (2, -16)
(3)面積
f(x) = x⁴ - 4x³ = x³(x - 4) = 0 より、x = 0, 4
0 ≤ x ≤ 4 で f(x) ≤ 0 なので:
S = -∫₀⁴ (x⁴ - 4x³) dx
= -[x⁵/5 - x⁴]₀⁴
= -[(1024/5 - 256) - 0]
= -[1024/5 - 1280/5]
= -[-256/5]
= 256/5
練習問題2:確率と漸化式
【問題】
数直線上を動く点 P がある。最初、P は原点にいる。サイコロを1回振り、1または2の目が出たら P は正の方向に1だけ進み、それ以外の目が出たら負の方向に1だけ進む。
(1)サイコロを3回振った後、P が原点にいる確率を求めよ。
(2)サイコロを n 回振った後、P の座標が偶数である確率を pₙ とする。pₙ を n の式で表せ。
【解答・解説】
(1)3回後に原点にいる確率
正の方向に進む確率 = 2/6 = 1/3
負の方向に進む確率 = 4/6 = 2/3
3回の試行後に原点にいるということは、進んだ距離の合計が0ということ。
しかし、+1 が a 回、-1 が b 回として a + b = 3, a - b = 0 を満たす非負整数解は存在しません(a - b = 0 より a = b、a + b = 3 より 2a = 3 で整数解なし)。
答え:0
(2)pₙ の漸化式
座標が偶数である確率を pₙ、奇数である確率を qₙ = 1 - pₙ とする。
n回目から n+1回目への遷移:
- 偶数 → 偶数:不可能(±1しか動かないので必ず奇数になる)
- 偶数 → 奇数:確率1
- 奇数 → 偶数:確率1
- 奇数 → 奇数:不可能
つまり、pₙ₊₁ = qₙ = 1 - pₙ
初期条件:p₀ = 1(最初は原点 = 偶数座標)
この漸化式より:
- p₀ = 1
- p₁ = 1 - p₀ = 0
- p₂ = 1 - p₁ = 1
- p₃ = 1 - p₂ = 0
- ...
パターンとして:
pₙ = 1(n が偶数のとき)
pₙ = 0(n が奇数のとき)
これは次のようにも書けます:
pₙ = (1 + (-1)ⁿ)/2
練習問題3:空間ベクトルと体積
【問題】
四面体 OABC において、OA = 3, OB = 4, OC = 5, ∠AOB = ∠BOC = ∠COA = 90° とする。
(1)四面体 OABC の体積を求めよ。
(2)頂点 O から平面 ABC に下ろした垂線の足を H とする。OH の長さを求めよ。
(3)△ABC の面積を求めよ。
【解答・解説】
(1)体積
3つの辺 OA, OB, OC が互いに直交しているので、これは直方体の角を切り取った形です。
座標を設定すると:O(0,0,0), A(3,0,0), B(0,4,0), C(0,0,5)
V = (1/6)|→OA · (→OB × →OC)|
→OB × →OC = (4,0,0) × (0,0,5) の計算は...
待って、正しく計算し直します:
→OB = (0,4,0), →OC = (0,0,5)
→OB × →OC = |i j k|
|0 4 0|
|0 0 5|
= i(4×5 - 0×0) - j(0×5 - 0×0) + k(0×0 - 4×0)
= (20, 0, 0)
→OA · (→OB × →OC) = (3,0,0) · (20,0,0) = 60
V = (1/6) × 60 = 10
(2)OH の長さ
まず、平面 ABC の方程式を求めます。
→AB = (-3, 4, 0), →AC = (-3, 0, 5)
法線ベクトル = →AB × →AC
= (4×5 - 0×0, 0×(-3) - (-3)×5, (-3)×0 - 4×(-3))
= (20, 15, 12)
平面の方程式:20(x-3) + 15(y-0) + 12(z-0) = 0
20x + 15y + 12z = 60
原点から平面への距離:
OH = |20×0 + 15×0 + 12×0 - 60| / √(400 + 225 + 144)
= 60 / √769
= 60/√769 = 60√769/769
(3)△ABC の面積
V = (1/3) × S × h より
10 = (1/3) × S × (60/√769)
S = 30 × √769 / 60 = √769/2
または直接計算:
S = (1/2)|→AB × →AC| = (1/2)|(20, 15, 12)|
= (1/2)√(400 + 225 + 144) = (1/2)√769 = √769/2
日本数学塾・数強塾で名古屋市立大学合格を目指そう
ここまでお読みいただきありがとうございました!2017年度の名古屋市立大学数学、いかがでしたか?
名市大の数学は、標準的な問題をいかにミスなく確実に解けるかが勝負の分かれ目です。難問奇問に惑わされず、基礎を固めた上で典型問題の演習を重ねることが合格への最短ルートです。
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- 「数学の計算でケアレスミスが多くて困っている…」
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最後に
名古屋市立大学の数学は、正しい方法で準備すれば必ず攻略できます。大切なのは:
- 基礎を徹底的に固めること
- 典型問題を繰り返し解くこと
- 過去問で傾向をつかむこと
- 計算ミスを減らす訓練をすること
- 時間配分を意識した演習をすること
この記事が皆さんの受験勉強の一助となれば幸いです。名市大合格を目指して、一緒に頑張りましょう!
質問や相談があれば、いつでも日本数学塾・数強塾までお問い合わせください。
藤原進之介
日本数学塾・数強塾 講師
※この記事は2017年度名古屋市立大学前期日程の数学入試を分析・解説したものです。実際の入試問題とは表現が異なる場合があります。最新の入試情報については、名古屋市立大学公式サイトをご確認ください。
補足:名古屋市立大学 数学攻略のための年間学習計画
最後に、名古屋市立大学合格を目指す受験生のための年間学習計画モデルをご紹介します。学年や現在の学力によって調整が必要ですが、参考にしてください。
高校2年生 3月〜高校3年生 7月:基礎固め期
【目標】数学ⅠA・ⅡB・Ⅲの基礎を完成させる
【使用教材例】
- 教科書(数研出版、東京書籍など)
- 青チャート or 基礎問題精講
- 4STEP or サクシード(学校配布問題集)
【学習内容】
- 教科書の例題・練習問題を完璧にする
- チャート式の例題を一通り解く(★〜★★★レベル)
- 苦手分野を特定し、集中的に克服する
- 計算力強化のため、毎日30分の計算練習を習慣化
【チェックポイント】
- □ 二次関数の最大最小を場合分けして求められる
- □ 確率の基本(順列・組合せ・条件付き確率)が解ける
- □ 三角関数の合成・加法定理を使いこなせる
- □ 微分の計算(積の微分・商の微分・合成関数の微分)ができる
- □ ベクトルの内積・外積の計算ができる
高校3年生 8月〜10月:応用力養成期
【目標】入試標準レベルの問題を確実に解けるようにする
【使用教材例】
- 重要問題集(数研出版)
- 標準問題精講
- 良問プラチカ
- 大学への数学 1対1対応の演習
【学習内容】
- 入試頻出パターンを網羅的に学習
- 「解法の暗記」ではなく「なぜその解法を使うか」を理解
- 複数の解法がある問題は、すべての解法を試す
- 記述答案の書き方を意識した演習
【名市大頻出分野の重点対策】
- 微分積分:関数の増減・極値、定積分の計算、面積・体積
- 確率:条件付き確率、漸化式との融合問題
- ベクトル:空間座標、平面の方程式、内積・外積の活用
- 数列:漸化式の解法パターン、数学的帰納法
- 整数:合同式、不定方程式、素因数分解の利用
高校3年生 11月〜12月:実戦演習期
【目標】過去問演習で実戦力を養う
【使用教材例】
- 名古屋市立大学 赤本(教学社)
- 全国大学入試問題正解 数学(旺文社)
- 名市大と傾向が近い大学の過去問
【学習内容】
- 過去問を本番と同じ時間・環境で解く
- 時間配分の感覚を身につける(1問あたり25〜30分が目安)
- 間違えた問題は徹底的に復習し、類題を解く
- 答案の書き方を添削してもらう(独学の場合は模範解答と照合)
【過去問演習のポイント】
- 最低でも直近5年分は解いておく
- 時間を計って解く回と、時間無制限で解く回を分ける
- 自己採点だけでなく、部分点の付き方も意識する
- 解けなかった問題は「なぜ解けなかったか」を分析する
高校3年生 1月〜2月:直前仕上げ期
【目標】本番で実力を100%発揮できる状態に仕上げる
【学習内容】
- 共通テスト対策(1月前半まで)
- 共通テスト後は二次対策に全集中
- 苦手分野の最終チェック
- 頻出テーマの総復習
- 計算ミス対策の徹底
【直前期の心構え】
- 新しい問題集に手を出さない
- これまで解いた問題の解き直しを重視
- 体調管理を最優先にする
- 試験当日のシミュレーションを行う
名古屋市立大学 学部別 数学の配点と戦略
名市大は学部によって数学の配点が大きく異なります。志望学部に合わせた戦略を立てましょう。
医学部医学科
| 科目 | 共通テスト | 二次試験 |
|---|---|---|
| 数学 | 200点 | 500点 |
| 英語 | 200点 | 500点 |
| 理科 | 200点 | 500点 |
| 国語 | 200点 | - |
| 地歴公民 | 100点 | - |
| 合計 | 900点 | 1500点 |
【戦略】二次試験の配点が非常に高いため、数学で高得点を取ることが合格への近道です。医学部の数学は他学部と共通問題が多いですが、受験者のレベルが高いため、8割以上の得点を目指す必要があります。計算ミスは致命傷になりかねないので、見直しの時間を確保できるよう、日頃から時間を意識した演習を心がけましょう。
薬学部
| 科目 | 共通テスト | 二次試験 |
|---|---|---|
| 数学 | 200点 | 300点 |
| 英語 | 200点 | 200点 |
| 理科 | 200点 | 300点 |
| 国語 | 200点 | - |
| 地歴公民 | 100点 | - |
| 合計 | 900点 | 800点 |
【戦略】薬学部も数学の配点が高く、数学と理科で差がつきやすい学部です。標準的な問題を確実に得点することを優先し、7割以上を目標にしましょう。化学との両立が重要なので、効率的な学習計画を立てることが大切です。
経済学部
| 科目 | 共通テスト | 二次試験 |
|---|---|---|
| 数学 | 200点 | 200点 |
| 英語 | 200点 | 300点 |
| 国語 | 200点 | - |
| 地歴公民 | 100点 | - |
| 理科 | 100点 | - |
| 合計 | 800点 | 500点 |
【戦略】経済学部は英語の配点が最も高いですが、数学も重要です。文系数学(数学ⅠAⅡB)の範囲で出題されるため、理系ほど難易度は高くありませんが、確実に6〜7割を取れる力をつけておきましょう。特に、微分積分や確率の分野は重点的に対策してください。
芸術工学部・人文社会学部・看護学部・データサイエンス学部
これらの学部は、数学の配点や出題範囲が異なる場合があります。最新の募集要項を確認し、志望学部に合わせた対策を行いましょう。特にデータサイエンス学部は比較的新しい学部であり、数学力が重視される傾向にあります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 名古屋市立大学の数学は難しいですか?
A. 名市大の数学は、旧帝大や一部の難関私大と比較すると標準〜やや難レベルです。奇問・難問は少なく、教科書の内容をしっかり理解し、典型問題を繰り返し解いていれば十分対応できます。ただし、計算量が多いため、スピードと正確性を両立させる訓練が必要です。
Q2. 数学Ⅲは必須ですか?
A. 医学部・薬学部・芸術工学部(一部)・データサイエンス学部など、理系学部では数学Ⅲが出題範囲に含まれます。経済学部などの文系学部では数学ⅠAⅡBまでの出題となります。志望学部の募集要項を必ず確認してください。
Q3. 過去問は何年分解くべきですか?
A. 最低でも直近5年分は解いておくことをおすすめします。余裕があれば10年分程度まで遡ると、出題傾向がより明確になります。また、名市大と傾向が似ている他大学(金沢大学、岐阜大学、三重大学など)の過去問も参考になります。
Q4. 青チャートは全部解く必要がありますか?
A. 全問解く必要はありません。名市大対策としては、★〜★★★★レベル(コンパス1〜4)を確実に解けるようにすれば十分です。★★★★★レベルの難問は時間に余裕がある場合のみ取り組みましょう。大切なのは、解いた問題を完璧に理解し、再現できるようにすることです。
Q5. 計算ミスを減らすにはどうすればいいですか?
A. 計算ミス対策には以下の方法が効果的です:
- 途中式を丁寧に書く:暗算に頼りすぎない
- 検算の習慣をつける:別の方法で確認する
- 見直し時間を確保する:最後の5〜10分は見直しに充てる
- 自分のミスパターンを分析する:符号ミス、約分忘れなど傾向を把握
- 毎日の計算練習:計算力は筋力と同じで鍛えれば向上する
Q6. 独学でも合格できますか?
A. 独学でも合格は可能ですが、効率や質の面では塾・予備校を活用した方が有利です。特に、記述答案の添削や、分からない問題をすぐに質問できる環境があると、学習効率が大きく向上します。オンライン指導の数強塾なら、全国どこからでも質の高い個別指導を受けることができます。
おわりに:名古屋市立大学合格への道
名古屋市立大学は、愛知県を代表する名門公立大学です。特に医学部は公立大学としては数少ない医学科を擁し、毎年多くの優秀な受験生が挑戦しています。
この記事で解説した2017年度の問題からも分かるように、名市大の数学は基礎力と計算力を問う良問が中心です。派手なテクニックよりも、地道な基礎固めと典型問題の反復練習が合格への王道です。
受験勉強は長く苦しい道のりですが、正しい方法で努力を続ければ、必ず結果はついてきます。この記事が、皆さんの合格への一助となれば幸いです。
もし、一人での学習に限界を感じたり、より効率的に学力を伸ばしたいと思ったら、ぜひ日本数学塾・数強塾にお問い合わせください。経験豊富な講師陣が、あなたの合格を全力でサポートします!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんの合格を心より応援しています!
藤原進之介
日本数学塾・数強塾 講師
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※この記事の内容は2017年度入試の分析に基づいています。最新の入試情報、出題範囲、配点等については、必ず名古屋市立大学公式サイトおよび最新の募集要項をご確認ください。
※記事内の問題文は、実際の入試問題を参考に作成した類似問題である場合があります。
※掲載している配点・試験時間等は変更される可能性があります。
