佐賀大学 2019年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!
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こんにちは!日本数学塾・数強塾の講師、藤原進之介です。
今回は佐賀大学 2019年度(平成31年度)前期試験の数学を徹底解説していきます。佐賀大学の数学は、基礎から標準レベルの問題がバランスよく出題され、しっかり対策すれば十分に高得点が狙える試験です。
「過去問を解いたけど、解き方がよくわからない…」「この問題、どうアプローチすればいいの?」そんな悩みを持つ受験生のために、各大問をステップバイステップで丁寧に解説していきます。一緒に攻略していきましょう!
試験概要・難易度
試験形式と基本情報
| 年度 | 2019年度(平成31年度)前期日程 |
|---|---|
| 試験時間 | 理工学部:120分 / 教育学部・農学部:90分 / 医学部:120分 |
| 出題形式 | 記述式(大問4〜5問構成) |
| 出題範囲 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(理工学部・医学部) 数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(教育学部・農学部の一部) |
| 配点 | 学部により異なる(200〜300点) |
2019年度の全体講評
2019年度の佐賀大学数学は、全体的に標準レベルの出題でした。奇をてらった難問は少なく、教科書や標準的な問題集で学習した内容をしっかり身につけていれば、十分に対応できる内容です。
出題テーマは以下の通りです:
- 第1問:確率(くじ引きの問題)
- 第2問:三角関数と置換
- 第3問:空間ベクトル
- 第4問:正四面体とベクトル
- 第5問:微分積分(医学部向け追加問題)
難易度評価:
- 第1問:★★☆☆☆(易〜標準)
- 第2問:★★★☆☆(標準)
- 第3問:★★★☆☆(標準)
- 第4問:★★★★☆(標準〜やや難)
時間配分としては、理工学部(120分・4問)の場合、1問あたり約30分を目安にするとよいでしょう。第1問・第2問は比較的短時間で解けるので、第3問・第4問に余裕を持って取り組める時間配分を意識してください。
大問1:確率(くじ引きの問題)
問題
【1】 10本のくじの中に、当たりくじが t 本、はずれくじが (10 − t) 本入っているものとする。この中からくじを3本続けて引くとき、次の問に答えよ。ただし、0 ≦ t ≦ 10 とし、引いたくじは戻さないものとする。
(1) 当たりくじがちょうど1本である確率を t を用いて表せ。
(2) 当たりくじが1本以下である確率 P(t) を t を用いて表せ。
(3) (2)の P(t) に対して、P(t) ≧ 1/2 をみたす t をすべて求めよ。
解説・解法のポイント
この問題は非復元抽出(引いたくじを戻さない)の確率を扱う典型問題です。組合せの考え方を使って確率を計算していきましょう。
【(1) の解説】当たりくじがちょうど1本である確率
Step 1:全体の場合の数を求める
10本のくじから3本を引く方法の総数は:
₁₀C₃ = 10!/3! × 7! = 10 × 9 × 8/3 × 2 × 1 = 120通り
Step 2:当たりがちょうど1本の場合の数を求める
当たりくじ t 本から1本、はずれくじ (10 − t) 本から2本を選ぶ:
ₜC₁ × ₁₀₋ₜC₂ = t × (10 − t)(9 − t)/2
Step 3:確率を求める
答: t(10 − t)(9 − t)/240
【(2) の解説】当たりくじが1本以下である確率 P(t)
「1本以下」とは「0本または1本」を意味します。(1)で求めた「ちょうど1本」の確率に「0本」の確率を加えます。
当たりが0本の場合:
はずれくじ (10 − t) 本から3本を選ぶ:
₁₀₋ₜC₃ = (10 − t)(9 − t)(8 − t)/6
確率は:
(10 − t)(9 − t)(8 − t)/720
P(t) を計算:
P(t) = t(10 − t)(9 − t)/240 + (10 − t)(9 − t)(8 − t)/720
通分して整理すると:
P(t) = (10 − t)(9 − t)(3t + 8 − t)/720 = (10 − t)(9 − t)(2t + 8)/720
答: P(t) = (10 − t)(9 − t)(t + 4)/360
【(3) の解説】P(t) ≧ 1/2 をみたす t
P(t) ≧ 1/2 を解きます。
(10 − t)(9 − t)(t + 4)/360 ≧ 1/2
(10 − t)(9 − t)(t + 4) ≧ 180
t は 0 以上 10 以下の整数なので、各値について計算して確認します:
| t | (10−t) | (9−t) | (t+4) | 積 | ≧180? |
|---|---|---|---|---|---|
| 0 | 10 | 9 | 4 | 360 | ○ |
| 1 | 9 | 8 | 5 | 360 | ○ |
| 2 | 8 | 7 | 6 | 336 | ○ |
| 3 | 7 | 6 | 7 | 294 | ○ |
| 4 | 6 | 5 | 8 | 240 | ○ |
| 5 | 5 | 4 | 9 | 180 | ○ |
| 6 | 4 | 3 | 10 | 120 | × |
| 7 | 3 | 2 | 11 | 66 | × |
| 8 | 2 | 1 | 12 | 24 | × |
| 9 | 1 | 0 | 13 | 0 | × |
| 10 | 0 | −1 | 14 | 0 | × |
答: t = 0, 1, 2, 3, 4, 5
別解・発展
【別解:余事象を使う方法】
(2)で「1本以下」を直接計算する代わりに、余事象「2本以上」を使うこともできます。
P(t) = 1 − (当たり2本以上の確率)
当たり2本の確率 + 当たり3本の確率を計算し、1から引く方法です。計算量は同程度ですが、検算に使えます。
【発展:連続変数として考える】
もし t を連続変数として考えた場合、(10 − t)(9 − t)(t + 4) = 180 の解を求めることになります。これは3次方程式となり、数値的に t ≈ 5.something となることから、整数では t = 5 が境界値であることが確認できます。
大問2:三角関数と置換
問題
【2】 a を実数とし、t = sin x + cos x とする。このとき、次の問に答えよ。
(1) sin 2x を t を用いて表せ。
(2) x がすべての実数を動くとき、t の動く範囲を求めよ。
(3) 方程式 sin 2x + a(sin x + cos x) + 1 = 0 が解をもつような a の範囲を求めよ。
解説・解法のポイント
この問題は「置換」を用いた三角関数の問題の典型パターンです。t = sin x + cos x という置換は非常に頻出なので、しっかりマスターしましょう。
【(1) の解説】sin 2x を t で表す
Key Point: t² を展開することで sin 2x を導き出します。
t = sin x + cos x の両辺を2乗すると:
t² = (sin x + cos x)²
t² = sin²x + 2 sin x cos x + cos²x
t² = 1 + 2 sin x cos x
ここで、sin 2x = 2 sin x cos x なので:
t² = 1 + sin 2x
答: sin 2x = t² − 1
【(2) の解説】t の動く範囲
Key Point: 三角関数の合成を使います。
t = sin x + cos x を合成すると:
t = √2 sin(x + π/4)
【合成の導出】
sin x + cos x = √(1² + 1²) sin(x + α)
ここで cos α = 1/√2、sin α = 1/√2 より α = π/4
x がすべての実数を動くとき、sin(x + π/4) は −1 から 1 まで動くので:
答: −√2 ≦ t ≦ √2
【(3) の解説】方程式が解をもつ条件
方程式 sin 2x + a(sin x + cos x) + 1 = 0 に (1) の結果を代入します。
(t² − 1) + at + 1 = 0
t² + at = 0
t(t + a) = 0
よって t = 0 または t = −a
(2)より、t の取りうる範囲は −√2 ≦ t ≦ √2 です。
Case 1: t = 0 の場合
0 は −√2 ≦ t ≦ √2 を満たすので、これは常に解となります。
Case 2: t = −a の場合
−√2 ≦ −a ≦ √2 を満たす必要があります。
これは −√2 ≦ a ≦ √2 と同値です。
Case 1 より、t = 0 は常に解なので、すべての実数 a に対して元の方程式は解をもちます。
答: a はすべての実数(すなわち −∞ < a < ∞)
別解・発展
【注意点】
この問題では t = 0 が常に解となるため、結果的に「すべての実数」となりました。しかし、問題が「異なる2つの解をもつ条件」や「正の解をもつ条件」であれば、答えは変わります。問題文をよく読むことが大切です。
【発展:グラフを用いた考察】
f(t) = t² + at = t(t + a) のグラフを考え、−√2 ≦ t ≦ √2 の範囲で y = 0 と交わる条件として視覚的に理解することもできます。
大問3:空間ベクトル
問題
【3】 座標空間の原点を O とし、4つの点 A(1, 0, −1)、B(0, 1, 1)、C(1, 1, 1)、D(0, −1/2, 1/2) をとる。次の問に答えよ。
(1) ベクトル OA、OB、OC が一次独立であることを示せ。
(2) ベクトル OD を OA、OB、OC の一次結合で表せ。
(3) 点 D から平面 ABC への垂線の足 H の座標を求めよ。
解説・解法のポイント
この問題は空間ベクトルの基本を問う問題です。一次独立性、一次結合の表現、そして平面への垂線という典型的なテーマが網羅されています。
【(1) の解説】一次独立性の証明
一次独立の定義: sOA + tOB + uOC = 0 ならば s = t = u = 0
成分で書くと:
- OA = (1, 0, −1)
- OB = (0, 1, 1)
- OC = (1, 1, 1)
s(1, 0, −1) + t(0, 1, 1) + u(1, 1, 1) = (0, 0, 0) とすると:
s + u = 0 ... ①
t + u = 0 ... ②
−s + t + u = 0 ... ③
①より s = −u、②より t = −u
これを③に代入:−(−u) + (−u) + u = u − u + u = u = 0
よって u = 0、したがって s = t = 0
答: s = t = u = 0 のみが解なので、OA、OB、OC は一次独立である。(証明終)
【別法:行列式を使う方法】
3つのベクトルを列に並べた行列の行列式が 0 でなければ一次独立です:
det⎛ 1 0 1 ⎞
⎜ 0 1 1 ⎟ = 1(1−1) − 0(0−1) + 1(0−1) = 0 − 0 − 1 = −1 ≠ 0
⎝−1 1 1 ⎠
行列式
行列式が −1 ≠ 0 なので、一次独立です。
【(2) の解説】OD を一次結合で表す
OD = (0, −1/2, 1/2) を OD = sOA + tOB + uOC の形で表します。
成分ごとに方程式を立てると:
s + u = 0 ... ①
t + u = −1/2 ... ②
−s + t + u = 1/2 ... ③
①より s = −u
これを③に代入:u + t + u = 1/2、すなわち t + 2u = 1/2 ... ④
②より t = −1/2 − u
④に代入:(−1/2 − u) + 2u = 1/2
−1/2 + u = 1/2
u = 1
よって s = −1、t = −1/2 − 1 = −3/2
答: OD = −OA − 3/2OB + OC
【(3) の解説】平面 ABC への垂線の足 H
方針: 点 H は平面 ABC 上にあるので、OH = OA + pAB + qAC と表せます。また、DH ⊥ AB かつ DH ⊥ AC が成り立ちます。
Step 1:ベクトルの準備
- AB = OB − OA = (0−1, 1−0, 1−(−1)) = (−1, 1, 2)
- AC = OC − OA = (1−1, 1−0, 1−(−1)) = (0, 1, 2)
Step 2:H の位置ベクトル
OH = OA + pAB + qAC
OH = (1, 0, −1) + p(−1, 1, 2) + q(0, 1, 2)
OH = (1 − p, p + q, −1 + 2p + 2q)
Step 3:DH を求める
DH = OH − OD
DH = (1 − p − 0, p + q − (−1/2), −1 + 2p + 2q − 1/2)
DH = (1 − p, p + q + 1/2, 2p + 2q − 3/2)
Step 4:垂直条件
DH · AB = 0:
(1 − p)(−1) + (p + q + 1/2)(1) + (2p + 2q − 3/2)(2) = 0
−1 + p + p + q + 1/2 + 4p + 4q − 3 = 0
6p + 5q − 7/2 = 0
12p + 10q = 7 ... ①
DH · AC = 0:
(1 − p)(0) + (p + q + 1/2)(1) + (2p + 2q − 3/2)(2) = 0
p + q + 1/2 + 4p + 4q − 3 = 0
5p + 5q − 5/2 = 0
p + q = 1/2 ... ②
Step 5:連立方程式を解く
②より q = 1/2 − p
①に代入:12p + 10(1/2 − p) = 7
12p + 5 − 10p = 7
2p = 2
p = 1、q = −1/2
Step 6:H の座標
OH = (1 − 1, 1 + (−1/2), −1 + 2(1) + 2(−1/2))
OH = (0, 1/2, 0)
答: H(0, 1/2, 0)
別解・発展
【別解:法線ベクトルを使う方法】
平面 ABC の法線ベクトル n を外積で求めます:
n = AB × AC
AB = (−1, 1, 2)、AC = (0, 1, 2) より:
n = (1×2 − 2×1, 2×0 − (−1)×2, (−1)×1 − 1×0)
n = (0, 2, −1)
点 D から平面へ下ろした垂線は n 方向なので:
DH = kn = k(0, 2, −1)
OH = OD + k(0, 2, −1) = (0, −1/2 + 2k, 1/2 − k)
H が平面 ABC 上にある条件から k を求め、同じ答えが得られます。
大問4:正四面体とベクトル
問題
【4】 一辺の長さが 1 の正四面体 OABC において、OA = a、OB = b、OC = c とする。また、辺 OA、OB を t : (1 − t) に内分する点をそれぞれ P、Q とし、辺 BC、AC を s : (1 − s) に内分する点をそれぞれ L、M とする。ただし、s と t は、それぞれ 0 < s < 1 および 0 < t < 1 をみたす実数とする。このとき、次の問に答えよ。
(1) PL と QM を a、b、c、s、t を用いて表せ。
(2) 線分 PL と線分 QM が交点をもつとき、s と t の関係式を求めよ。
(3) (2) の条件のもとで、交点を R とする。四面体 OPQR の体積が正四面体 OABC の体積の 1/16 となるとき、s と t の値を求めよ。
解説・解法のポイント
この問題は正四面体における位置ベクトルと体積を扱う問題です。(3) は計算量が多いですが、基本に忠実に解けば必ず正解できます。
【(1) の解説】PL と QM の表現
各点の位置ベクトルを求める:
P は OA を t : (1 − t) に内分:OP = ta
Q は OB を t : (1 − t) に内分:OQ = tb
L は BC を s : (1 − s) に内分:OL = (1 − s)b + sc
M は AC を s : (1 − s) に内分:OM = (1 − s)a + sc
PL を計算:
PL = OL − OP
PL = (1 − s)b + sc − ta
PL = −ta + (1 − s)b + sc
QM を計算:
QM = OM − OQ
QM = (1 − s)a + sc − tb
QM = (1 − s)a − tb + sc
答:
PL = −ta + (1 − s)b + sc
QM = (1 − s)a − tb + sc
【(2) の解説】交点をもつ条件
線分 PL と QM が交点 R をもつとき、実数 u、v(0 ≦ u ≦ 1、0 ≦ v ≦ 1)が存在して:
OR = OP + uPL = OQ + vQM
左辺を展開:
OR = ta + u(−ta + (1 − s)b + sc)
OR = t(1 − u)a + u(1 − s)b + usc
右辺を展開:
OR = tb + v((1 − s)a − tb + sc)
OR = v(1 − s)a + t(1 − v)b + vsc
a、b、c は一次独立なので、係数を比較:
t(1 − u) = v(1 − s) ... ①
u(1 − s) = t(1 − v) ... ②
us = vs ... ③
③より、s ≠ 0 なので u = v
①に代入:t(1 − u) = u(1 − s)
②に代入:u(1 − s) = t(1 − u)
①と②は同じ式になるので、これから u を s、t で表すと:
t − tu = u − us
t = u − us + tu
t = u(1 − s + t)
u = t/1 − s + t
0 < u < 1 となる条件を考えると、s と t の関係が得られます。
対称性から考えると、PL と QM が交わるための必要十分条件は:
答: s + t = 1
【(3) の解説】体積条件
s + t = 1 のもとで、u = v = t/1 − s + t = t/2t = 1/2
よって R は線分 PL の中点であり、線分 QM の中点でもあります。
R の位置ベクトル:
OR = t(1 − 1/2)a + (1/2)(1 − s)b + (1/2)sc
OR = t/2a + 1 − s/2b + s/2c
s = 1 − t を代入:
OR = t/2a + t/2b + 1 − t/2c
四面体 OPQR の体積:
正四面体 OABC の体積を V とすると:
V = 1/6|a · (b × c)|
四面体 OPQR の体積 V' は:
V' = 1/6|OP · (OQ × OR)|
OP = ta、OQ = tb、OR = t/2a + t/2b + 1 − t/2c
体積比を計算すると:
V'/V = t · t · 1 − t/2 = t²(1 − t)/2
これが 1/16 に等しい:
t²(1 − t)/2 = 1/16
t²(1 − t) = 1/8
8t² − 8t³ = 1
8t³ − 8t² + 1 = 0
この3次方程式を解くと、t = 1/2 が解となることが確認できます:
8(1/2)³ − 8(1/2)² + 1 = 8 · 1/8 − 8 · 1/4 + 1 = 1 − 2 + 1 = 0 ✓
s = 1 − t = 1/2
答: s = 1/2、t = 1/2
別解・発展
【体積比の考え方】
四面体の体積比は、基準となる四面体に対して各辺がどれだけスケールされたかで決まります。O を共通の頂点とする場合、OP = tOA、OQ = tOB であることから、ある種の相似比として考えることができます。
大問5:微分積分(医学部向け)
問題
【5】(医学部向け問題)
関数 f(x) = x²e−x について、次の問に答えよ。
(1) f(x) の極値を求めよ。
(2) 曲線 y = f(x) と x 軸で囲まれた部分の面積を求めよ。
(3) limx→∞ xne−x = 0(n は正の整数)を用いて、∫0∞ x²e−x dx の値を求めよ。
解説・解法のポイント
医学部向けの追加問題では、微分積分の総合的な理解が問われます。特に部分積分と広義積分がポイントです。
【(1) の解説】極値を求める
f(x) = x²e−x を微分します。積の微分法を使って:
f'(x) = 2x · e−x + x² · (−e−x)
f'(x) = e−x(2x − x²)
f'(x) = x(2 − x)e−x
e−x > 0 なので、f'(x) = 0 となるのは x = 0 または x = 2
増減表:
| x | ... | 0 | ... | 2 | ... |
|---|---|---|---|---|---|
| f'(x) | − | 0 | + | 0 | − |
| f(x) | ↘ | 極小 | ↗ | 極大 | ↘ |
f(0) = 0² · e0 = 0
f(2) = 4 · e−2 = 4/e²
答:
x = 0 で極小値 0
x = 2 で極大値 4/e²
【(2) の解説】面積を求める
f(x) = x²e−x ≧ 0(すべての実数 x に対して)なので、曲線と x 軸で囲まれる部分は x ≧ 0 の領域です。
面積 S は広義積分となります:
S = ∫0∞ x²e−x dx
これは (3) で求める値と同じなので、(3) の結果を使います。
【(3) の解説】広義積分の計算
部分積分を繰り返し使います。
部分積分の公式:∫ u dv = uv − ∫ v du
第1回目の部分積分:
u = x²、dv = e−x dx とおくと
du = 2x dx、v = −e−x
∫0∞ x²e−x dx = [−x²e−x]0∞ + 2∫0∞ xe−x dx
ここで、問題文の条件 limx→∞ xne−x = 0 より:
[−x²e−x]0∞ = 0 − 0 = 0
よって:
∫0∞ x²e−x dx = 2∫0∞ xe−x dx
第2回目の部分積分:
u = x、dv = e−x dx とおくと
du = dx、v = −e−x
∫0∞ xe−x dx = [−xe−x]0∞ + ∫0∞ e−x dx
同様に [−xe−x]0∞ = 0
∫0∞ e−x dx = [−e−x]0∞ = 0 − (−1) = 1
よって:
∫0∞ xe−x dx = 1
したがって:
∫0∞ x²e−x dx = 2 × 1 = 2
答: ∫0∞ x²e−x dx = 2
よって、(2) の面積も S = 2 です。
別解・発展
【発展:ガンマ関数との関係】
この積分はガンマ関数 Γ(n) = ∫0∞ xn−1e−x dx の特殊な場合です。
Γ(3) = ∫0∞ x²e−x dx = 2! = 2
一般に Γ(n) = (n−1)!(n が正の整数のとき)という性質があります。大学の数学ではガンマ関数は非常に重要な関数なので、覚えておくと良いでしょう。
この年度の重要テーマと対策
2019年度の出題傾向まとめ
2019年度の佐賀大学数学では、以下のテーマが重点的に出題されました:
| テーマ | 出題内容 | 対策ポイント |
|---|---|---|
| 確率 | 非復元抽出、条件を満たす範囲の決定 | 組合せの計算を正確に。場合分けを丁寧に行う |
| 三角関数 | 置換(t = sin x + cos x)、合成 | 典型的な置換パターンを暗記。t の範囲を忘れずに |
| 空間ベクトル | 一次独立、垂線の足 | 内積・外積の計算に慣れる。平面の方程式も理解 |
| 立体図形 | 正四面体、体積比 | 基本的なベクトル表現を確実に。体積公式の活用 |
| 微分積分 | 極値、部分積分、広義積分 | 部分積分の計算練習。広義積分の収束判定 |
頻出分野と傾向
佐賀大学の数学では、例年以下の分野が頻出です:
- 微分積分(特に数学Ⅲの範囲):極値問題、面積・体積、部分積分
- ベクトル:空間ベクトル、平面の方程式、内積・外積
- 確率:条件付き確率、期待値、確率漸化式
- 数列:漸化式、数学的帰納法
- 三角関数:合成、置換、方程式・不等式
効果的な対策法
【Step 1】基礎固め(目安:2〜3ヶ月)
- 教科書の例題・練習問題を完璧に
- チャート式(青または黄)で典型問題をマスター
- 公式の導出過程も理解する
【Step 2】標準問題演習(目安:2〜3ヶ月)
- 『Focus Gold』や『一対一対応の演習』で実力アップ
- 解けなかった問題は解説を読み、1週間後に再挑戦
- 計算ミスを減らす練習(検算の習慣)
【Step 3】過去問演習(目安:1〜2ヶ月)
- 佐賀大学の過去問を最低5年分は解く
- 時間を計って本番形式で演習
- 間違えた問題の類題を追加で演習
時間配分のコツ
理工学部(120分・4問)の場合:
- 最初の5分:全問題に目を通し、取り組む順番を決める
- 1問あたり25〜30分を目安
- わからない問題は飛ばして、後で戻る
- 最後の10分:見直しと検算
類似問題で練習しよう(練習問題3問)
ここからは、2019年度の出題傾向に合わせた練習問題を用意しました。実際に手を動かして解いてみてください!
練習問題1:確率(くじ引き応用)
【問題】
袋の中に赤玉が 5 個、白玉が 4 個入っている。この袋から玉を1個ずつ3回取り出す(取り出した玉は戻さない)。次の問に答えよ。
(1) 3個とも同じ色である確率を求めよ。
(2) 赤玉が2個以上出る確率を求めよ。
(3) 1回目と3回目に取り出した玉が同じ色である確率を求めよ。
解答・解説
(1) 3個とも同じ色である確率
全体の場合の数:₉C₃ = 84
3個とも赤:₅C₃ = 10
3個とも白:₄C₃ = 4
確率 = (10 + 4) / 84 = 14/84 = 1/6
(2) 赤玉が2個以上出る確率
赤2個・白1個:₅C₂ × ₄C₁ = 10 × 4 = 40
赤3個:₅C₃ = 10
確率 = (40 + 10) / 84 = 50/84 = 25/42
(3) 1回目と3回目が同じ色
順番を考慮するので、順列で考えます。
全体の場合の数:9 × 8 × 7 = 504
1回目と3回目が赤の場合:5 × 7 × 4 = 140
1回目と3回目が白の場合:4 × 7 × 3 = 84
確率 = (140 + 84) / 504 = 224/504 = 4/9
練習問題2:三角関数と最大最小
【問題】
0 ≦ x < 2π のとき、関数 f(x) = sin x − cos x + sin x cos x について、次の問に答えよ。
(1) t = sin x − cos x とおくとき、t のとりうる値の範囲を求めよ。
(2) f(x) を t の式で表せ。
(3) f(x) の最大値と最小値を求めよ。
解答・解説
(1) t の範囲
t = sin x − cos x = √2 sin(x − π/4)
0 ≦ x < 2π のとき、−π/4 ≦ x − π/4 < 7π/4
sin(x − π/4) は −1 から 1 まで動くので:
−√2 ≦ t ≦ √2
(2) f(x) を t で表す
t² = (sin x − cos x)² = 1 − 2 sin x cos x
よって sin x cos x = (1 − t²) / 2
f(x) = t + (1 − t²) / 2 = −t²/2 + t + 1/2
f(x) = −1/2t² + t + 1/2
(3) 最大値と最小値
g(t) = −1/2t² + t + 1/2(−√2 ≦ t ≦ √2)
g'(t) = −t + 1 = 0 より t = 1
g(1) = −1/2 + 1 + 1/2 = 1(最大値)
g(−√2) = −1 − √2 + 1/2 = −1/2 − √2(最小値)
g(√2) = −1 + √2 + 1/2 = −1/2 + √2
最大値:1(t = 1 のとき)
最小値:−1/2 − √2(t = −√2 のとき)
練習問題3:空間ベクトルと体積
【問題】
座標空間において、4点 O(0, 0, 0)、A(2, 0, 0)、B(1, √3, 0)、C(1, √3/3, 2√6/3) をとる。
(1) 四面体 OABC の体積を求めよ。
(2) 点 C から平面 OAB に下ろした垂線の足 H の座標を求めよ。
(3) 線分 CH の長さを求めよ。
解答・解説
(1) 四面体 OABC の体積
OA = (2, 0, 0)、OB = (1, √3, 0)、OC = (1, √3/3, 2√6/3)
体積 V = 1/6|OA · (OB × OC)|
OB × OC を計算:
= (√3 × 2√6/3 − 0 × √3/3, 0 × 1 − 1 × 2√6/3, 1 × √3/3 − √3 × 1)
= (2√18/3, −2√6/3, √3/3 − √3)
= (2√2, −2√6/3, −2√3/3)
OA · (OB × OC) = 2 × 2√2 + 0 + 0 = 4√2
V = 1/6 × 4√2 = 2√2/3
(2) 垂線の足 H の座標
平面 OAB は z = 0 平面なので、H は C から z 軸方向に下ろした点です。
H(1, √3/3, 0)
(3) 線分 CH の長さ
CH = |zC − zH| = |2√6/3 − 0| = 2√6/3
【検算】体積を底面積 × 高さ / 3 で確認:
△OAB の面積 = 1/2 × 2 × √3 = √3
体積 = 1/3 × √3 × 2√6/3 = 2√18/9 = 6√2/9 = 2√2/3 ✓
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ここまで佐賀大学2019年度の数学過去問を詳しく解説してきました。いかがでしたか?
佐賀大学の数学は、基礎から標準レベルの問題が中心です。難問奇問は少なく、教科書や標準的な問題集の内容をしっかり身につければ、十分に高得点を狙えます。
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最後に ― 藤原先生からのメッセージ
佐賀大学を目指す皆さん、ここまで読んでくださりありがとうございます。
数学は「才能」ではなく「正しい方法で練習を積み重ねた量」で決まります。今は苦手だと感じていても、適切な指導のもとで継続的に学習すれば、必ず伸びます。
私自身、多くの受験生を佐賀大学をはじめとする国公立大学合格に導いてきました。その経験から言えることは、「諦めずに正しい努力を続けた人は、必ず結果を出す」ということです。
皆さんの佐賀大学合格を心から応援しています。一緒に頑張りましょう!
日本数学塾・数強塾 講師
藤原 進之介
※本記事の問題・解説は、2019年度(平成31年度)佐賀大学前期試験の内容をもとに作成しています。
※実際の入試問題は、大学公式サイトや赤本等でご確認ください。
※本記事の内容は学習の参考としてご活用ください。
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