埼玉大学 1996年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!

こんにちは!数強塾日本数学塾の藤原進之介です。

今回は、埼玉大学 1996年度 数学(理系)の過去問を徹底解説していきます!埼玉大学は関東の国立大学として人気が高く、数学の問題は「標準的だが計算力と論理力を問う良問」が多いことで知られています。1996年度の問題も、まさにその特徴が表れた年度です。

この記事では、各大問をステップバイステップで丁寧に解説し、さらに別解や発展的な考え方も紹介していきます。埼玉大学を目指す受験生はもちろん、国公立大学の数学対策をしたい方にも役立つ内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください!

試験概要・難易度

1996年度 埼玉大学 数学(理系)の基本情報

項目 内容
試験区分 前期日程(理学部・工学部)
試験時間 120分
問題構成 大問4題(すべて記述式)
出題範囲 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(当時の旧課程)
配点 各大問25点×4=100点満点(学部により傾斜あり)

全体講評

1996年度の埼玉大学数学は、全体的に標準レベルの出題でした。奇をてらった問題は少なく、教科書の章末問題や入試標準問題集をしっかり演習していれば十分に対応できる内容です。

ただし、以下の点には注意が必要です:

  • 計算量がやや多い:特に微分積分の問題では、丁寧な計算力が求められます
  • 論理的な記述力:証明問題では、飛躍のない論証が必要です
  • 図形的直感:ベクトルや図形の問題では、図を描いて考える力が重要です

合格ラインとしては、4問中3問完答+部分点で7割程度、つまり70点前後を目指したいところです。時間配分としては、1問あたり30分を目安に、難しいと感じた問題は後回しにする戦略も有効です。

大問1:二次関数と最大・最小(場合分け)

問題

【問題1】

実数 $a$ に対して、関数 $f(x) = x^2 - 2ax + a + 2$ を考える。

(1) $0 leq x leq 2$ における $f(x)$ の最小値 $m(a)$ を求めよ。

(2) $m(a)$ の最大値を求めよ。

解説・解法のポイント

この問題は、「軸の位置による場合分け」という二次関数の典型問題です。埼玉大学では頻出のパターンなので、確実にマスターしておきましょう。

ステップ1:二次関数の基本情報を整理

まず、$f(x) = x^2 - 2ax + a + 2$ を平方完成します。

$$f(x) = (x - a)^2 - a^2 + a + 2$$

したがって:

  • :$x = a$
  • 頂点:$(a, -a^2 + a + 2)$
  • 開き:下に凸($x^2$ の係数が正)

ステップ2:場合分けの考え方

区間 $[0, 2]$ における最小値を求めるため、軸 $x = a$ の位置で場合分けします。

【場合1】$a < 0$ のとき

軸が区間の左側にあるので、最小値は区間の左端 $x = 0$ で取ります。

$$m(a) = f(0) = 0 - 0 + a + 2 = a + 2$$

【場合2】$0 leq a leq 2$ のとき

軸が区間内にあるので、最小値は頂点で取ります。

$$m(a) = -a^2 + a + 2$$

【場合3】$a > 2$ のとき

軸が区間の右側にあるので、最小値は区間の右端 $x = 2$ で取ります。

$$m(a) = f(2) = 4 - 4a + a + 2 = -3a + 6$$

ステップ3:(1)の答え

$$m(a) = begin{cases}
a + 2 & (a 2)
end{cases}$$

ステップ4:(2) $m(a)$ の最大値を求める

各場合の $m(a)$ を調べます。

【場合1】$a < 0$ のとき:$m(a) = a + 2$ は単調増加なので、$a to 0^-$ で最大値 $2$ に近づく(ただし $a = 0$ は含まない)

【場合2】$0 leq a leq 2$ のとき

$m(a) = -a^2 + a + 2 = -(a - frac{1}{2})^2 + frac{9}{4}$

$a = frac{1}{2}$ で最大値 $frac{9}{4}$ を取る

【場合3】$a > 2$ のとき:$m(a) = -3a + 6$ は単調減少なので、$a to 2^+$ で最大値 $0$ に近づく

3つの場合を比較すると、$a = frac{1}{2}$ のとき、$m(a)$ は最大値 $dfrac{9}{4}$ を取る

別解・発展

【別解】グラフを用いた視覚的アプローチ

$m(a)$ のグラフを描くと、3つの直線・放物線の「つなぎ」になっていることがわかります。この視覚的理解は、類題を解く際にも役立ちます。

【発展】なぜこの問題が重要か

この「二重の最適化問題」(まず $x$ について最小化、次に $a$ について最大化)は、数学的には「ミニマックス問題」と呼ばれ、ゲーム理論や経済学でも登場する概念です。入試では、このパターンが繰り返し出題されるので、解法を体に染み込ませておきましょう。

大問2:確率と漸化式

問題

【問題2】

赤玉3個と白玉2個が入った袋から、玉を1個取り出し、色を確認してから袋に戻す操作を繰り返す。$n$ 回目の操作で赤玉を取り出す事象を $A_n$ とし、$n$ 回目までに赤玉を奇数回取り出す確率を $p_n$ とする。

(1) $p_1$, $p_2$, $p_3$ を求めよ。

(2) $p_{n+1}$ を $p_n$ を用いて表せ。

(3) $p_n$ を $n$ の式で表せ。

解説・解法のポイント

確率と漸化式の融合問題は、埼玉大学に限らず多くの国公立大学で出題されます。「状態を定義して遷移を考える」という発想が重要です。

ステップ1:基本確率の確認

1回の操作で:

  • 赤玉を取り出す確率:$dfrac{3}{5}$
  • 白玉を取り出す確率:$dfrac{2}{5}$

ステップ2:(1) $p_1$, $p_2$, $p_3$ を求める

$p_1$:1回目で赤玉を奇数回(つまり1回)取り出す確率

$$p_1 = frac{3}{5}$$

$p_2$:2回目までに赤玉を奇数回取り出す確率

赤玉を奇数回取り出すパターンは:

  • 1回目赤、2回目白:$dfrac{3}{5} times dfrac{2}{5} = dfrac{6}{25}$
  • 1回目白、2回目赤:$dfrac{2}{5} times dfrac{3}{5} = dfrac{6}{25}$

$$p_2 = frac{6}{25} + frac{6}{25} = frac{12}{25}$$

$p_3$:3回目までに赤玉を奇数回取り出す確率

$p_2$ の状態から考えると:

  • 2回目まで奇数回(確率 $p_2$)で、3回目白
  • 2回目まで偶数回(確率 $1 - p_2$)で、3回目赤

$$p_3 = p_2 times frac{2}{5} + (1 - p_2) times frac{3}{5}$$

$$= frac{12}{25} times frac{2}{5} + frac{13}{25} times frac{3}{5}$$

$$= frac{24}{125} + frac{39}{125} = frac{63}{125}$$

ステップ3:(2) 漸化式を立てる

$n$ 回目までに赤玉を奇数回取り出している状態から、$(n+1)$ 回目に:

  • 白玉を引く → 奇数回のまま
  • 赤玉を引く → 偶数回になる

$n$ 回目までに赤玉を偶数回取り出している状態から、$(n+1)$ 回目に:

  • 白玉を引く → 偶数回のまま
  • 赤玉を引く → 奇数回になる

したがって:

$$p_{n+1} = p_n times frac{2}{5} + (1 - p_n) times frac{3}{5}$$

$$boxed{p_{n+1} = -frac{1}{5}p_n + frac{3}{5}}$$

ステップ4:(3) 一般項を求める

漸化式 $p_{n+1} = -dfrac{1}{5}p_n + dfrac{3}{5}$ を解きます。

特性方程式:$alpha = -dfrac{1}{5}alpha + dfrac{3}{5}$ を解くと

$dfrac{6}{5}alpha = dfrac{3}{5}$ より $alpha = dfrac{1}{2}$

変形:$p_{n+1} - dfrac{1}{2} = -dfrac{1}{5}left(p_n - dfrac{1}{2}right)$

$q_n = p_n - dfrac{1}{2}$ とおくと、$q_{n+1} = -dfrac{1}{5}q_n$

これは公比 $-dfrac{1}{5}$ の等比数列なので:

$$q_n = q_1 times left(-frac{1}{5}right)^{n-1}$$

$q_1 = p_1 - dfrac{1}{2} = dfrac{3}{5} - dfrac{1}{2} = dfrac{1}{10}$

$$q_n = frac{1}{10} times left(-frac{1}{5}right)^{n-1}$$

$$p_n = frac{1}{2} + frac{1}{10} times left(-frac{1}{5}right)^{n-1}$$

$$boxed{p_n = frac{1}{2} + frac{(-1)^{n-1}}{2 times 5^n}}$$

または $displaystyle p_n = frac{1}{2} - frac{(-1)^n}{2 times 5^n} = frac{5^n - (-1)^n}{2 times 5^n}$

別解・発展

【検算】$n = 1, 2, 3$ を代入して確認

  • $n = 1$:$p_1 = dfrac{1}{2} + dfrac{1}{10} = dfrac{6}{10} = dfrac{3}{5}$ ✓
  • $n = 2$:$p_2 = dfrac{1}{2} + dfrac{(-1)}{50} = dfrac{25 - 1}{50} = dfrac{24}{50} = dfrac{12}{25}$ ✓
  • $n = 3$:$p_3 = dfrac{1}{2} + dfrac{1}{250} = dfrac{125 + 1}{250} = dfrac{126}{250} = dfrac{63}{125}$ ✓

【発展】極限について

$n to infty$ のとき、$p_n to dfrac{1}{2}$

これは直感的にも理解できます。操作を無限に繰り返せば、赤玉を取り出す回数が奇数か偶数かは、ほぼ半々になるはずです。

大問3:微分法と曲線の接線

問題

【問題3】

曲線 $C: y = e^x$ について、次の問いに答えよ。

(1) 点 $P(a, e^a)$ における曲線 $C$ の接線 $ell$ の方程式を求めよ。

(2) 接線 $ell$ が原点 $O(0, 0)$ を通るとき、$a$ の値を求めよ。

(3) (2)で求めた接線と曲線 $C$ および $y$ 軸で囲まれた図形の面積を求めよ。

解説・解法のポイント

指数関数の接線問題は、微分法の基本です。面積計算まで含めた総合問題として、丁寧に解いていきましょう。

ステップ1:(1) 接線の方程式

$y = e^x$ を微分すると $y' = e^x$

点 $P(a, e^a)$ における接線の傾きは $e^a$

接線の方程式:

$$y - e^a = e^a(x - a)$$

$$boxed{y = e^a(x - a + 1)}$$

または $y = e^a cdot x - ae^a + e^a = e^a(x - a + 1)$

ステップ2:(2) 原点を通る条件

接線 $y = e^a(x - a + 1)$ が原点 $(0, 0)$ を通るとき:

$$0 = e^a(0 - a + 1)$$

$$0 = e^a(1 - a)$$

$e^a > 0$ より、$1 - a = 0$

$$boxed{a = 1}$$

ステップ3:(2)の接線の確認

$a = 1$ のとき、接点は $P(1, e)$

接線の方程式:$y = e(x - 1 + 1) = ex$

つまり、接線 $ell: y = ex$

ステップ4:(3) 面積の計算

囲まれた図形は:

  • 上側:曲線 $y = e^x$
  • 下側:直線 $y = ex$
  • 左側:$y$ 軸($x = 0$)
  • 右側:$x = 1$(接点)

面積 $S$ は:

$$S = int_0^1 (e^x - ex) , dx$$

$$= left[e^x - frac{e}{2}x^2right]_0^1$$

$$= left(e - frac{e}{2}right) - (1 - 0)$$

$$= frac{e}{2} - 1$$

$$boxed{S = frac{e - 2}{2}}$$

別解・発展

【別解】接点を $(t, e^t)$ とおく方法

最初から「原点から曲線に引いた接線」と考え、接点を未知数として設定する方法もあります。

接線:$y - e^t = e^t(x - t)$、つまり $y = e^t(x - t + 1)$

原点を通る条件:$0 = e^t(1 - t)$ より $t = 1$

【発展】面積の意味

$dfrac{e - 2}{2} approx dfrac{2.718 - 2}{2} approx 0.359$

この面積は、曲線と接線の「ずれ」を表しています。テイラー展開の観点から見ると、$e^x approx 1 + x + dfrac{x^2}{2} + cdots$ なので、$x = 1$ 付近での誤差がこの面積に反映されています。

大問4:空間ベクトルと平面の方程式

問題

【問題4】

空間内に3点 $A(1, 0, 0)$, $B(0, 2, 0)$, $C(0, 0, 3)$ がある。

(1) 平面 $ABC$ の方程式を求めよ。

(2) 原点 $O$ から平面 $ABC$ に下ろした垂線の足 $H$ の座標を求めよ。

(3) 三角形 $ABC$ の面積を求めよ。

(4) 四面体 $OABC$ の体積を求めよ。

解説・解法のポイント

空間ベクトルの総合問題です。平面の方程式、垂線の足、面積、体積と、すべての要素が詰まった良問です。

ステップ1:(1) 平面の方程式

方法1:切片形を利用

平面が $x$ 軸、$y$ 軸、$z$ 軸とそれぞれ $(1, 0, 0)$, $(0, 2, 0)$, $(0, 0, 3)$ で交わるので、切片形:

$$frac{x}{1} + frac{y}{2} + frac{z}{3} = 1$$

$$boxed{6x + 3y + 2z = 6}$$

方法2:法線ベクトルを求める

$vec{AB} = (-1, 2, 0)$, $vec{AC} = (-1, 0, 3)$

法線ベクトル $vec{n} = vec{AB} times vec{AC}$

$$vec{n} = begin{vmatrix} vec{i} & vec{j} & vec{k} \ -1 & 2 & 0 \ -1 & 0 & 3 end{vmatrix}$$

$$= vec{i}(2 cdot 3 - 0 cdot 0) - vec{j}((-1) cdot 3 - 0 cdot (-1)) + vec{k}((-1) cdot 0 - 2 cdot (-1))$$

$$= (6, 3, 2)$$

平面の方程式:$6(x - 1) + 3(y - 0) + 2(z - 0) = 0$

$6x + 3y + 2z = 6$

ステップ2:(2) 垂線の足 $H$ の座標

原点 $O(0, 0, 0)$ から平面 $6x + 3y + 2z = 6$ への垂線は、法線ベクトル $(6, 3, 2)$ 方向に進みます。

直線のパラメータ表示:$(x, y, z) = t(6, 3, 2) = (6t, 3t, 2t)$

これが平面上にある条件:

$6 cdot 6t + 3 cdot 3t + 2 cdot 2t = 6$

$36t + 9t + 4t = 6$

$49t = 6$

$t = dfrac{6}{49}$

$$H = left(frac{36}{49}, frac{18}{49}, frac{12}{49}right)$$

$$boxed{Hleft(frac{36}{49}, frac{18}{49}, frac{12}{49}right)}$$

ステップ3:(3) 三角形 $ABC$ の面積

$$S = frac{1}{2}|vec{AB} times vec{AC}| = frac{1}{2}|(6, 3, 2)|$$

$$= frac{1}{2}sqrt{36 + 9 + 4} = frac{1}{2}sqrt{49} = frac{7}{2}$$

$$boxed{S = frac{7}{2}}$$

ステップ4:(4) 四面体の体積

四面体 $OABC$ の体積は、底面を三角形 $ABC$、高さを原点 $O$ から平面 $ABC$ への距離 $OH$ とすると:

$$V = frac{1}{3} times S times OH$$

$OH$ を求めます:

$$OH = |t| times |(6, 3, 2)| = frac{6}{49} times 7 = frac{6}{7}$$

または、点と平面の距離の公式を使って:

$$OH = frac{|6 cdot 0 + 3 cdot 0 + 2 cdot 0 - 6|}{sqrt{36 + 9 + 4}} = frac{6}{7}$$

したがって:

$$V = frac{1}{3} times frac{7}{2} times frac{6}{7} = frac{1}{3} times 3 = 1$$

$$boxed{V = 1}$$

【別解】スカラー三重積を使う方法

$$V = frac{1}{6}|vec{OA} cdot (vec{OB} times vec{OC})|$$

$vec{OA} = (1, 0, 0)$, $vec{OB} = (0, 2, 0)$, $vec{OC} = (0, 0, 3)$

$$vec{OB} times vec{OC} = begin{vmatrix} vec{i} & vec{j} & vec{k} \ 0 & 2 & 0 \ 0 & 0 & 3 end{vmatrix} = (6, 0, 0)$$

$$vec{OA} cdot (6, 0, 0) = 1 times 6 + 0 + 0 = 6$$

$$V = frac{1}{6} times 6 = 1$$

別解・発展

【発展】行列式による体積計算

四面体の体積は行列式を使って次のように表せます:

$$V = frac{1}{6}left|detbegin{pmatrix} 1 & 0 & 0 \ 0 & 2 & 0 \ 0 & 0 & 3 end{pmatrix}right| = frac{1}{6} times 6 = 1$$

この方法は、3点が座標軸上にある特殊な場合に特に有効です。一般の四面体でも、頂点の座標から体積を求める際に行列式は強力なツールになります。

【発展】体積が1になる意味

$A$, $B$, $C$ がそれぞれ座標軸上にあり、$OA = 1$, $OB = 2$, $OC = 3$ のとき、四面体の体積は $dfrac{1}{6} times 1 times 2 times 3 = 1$ となります。これは「直方体の角を切り取った四面体」の体積が、もとの直方体の $dfrac{1}{6}$ であることを意味しています。

この年度の重要テーマと対策

1996年度の出題分析

この年度の埼玉大学数学では、以下のテーマが出題されました:

大問 テーマ 難易度 重要度
大問1 二次関数の最大・最小(場合分け) 標準 ★★★★★
大問2 確率と漸化式 標準〜やや難 ★★★★★
大問3 微分法・接線・面積 標準 ★★★★☆
大問4 空間ベクトル・平面の方程式 標準 ★★★★★

埼玉大学数学の頻出分野

1996年度の出題傾向は、現在の埼玉大学入試にも通じる特徴があります。特に以下の分野は毎年のように出題される重要分野です:

【超頻出】微分積分

  • 接線の方程式
  • 関数の最大・最小
  • 面積・体積の計算
  • 曲線の凹凸・変曲点

【超頻出】ベクトル

  • 平面ベクトルの内積・外積
  • 空間ベクトルと平面の方程式
  • 直線と平面の交点
  • 四面体の体積

【頻出】確率・数列

  • 確率漸化式
  • 数列の一般項
  • 数学的帰納法

【頻出】二次関数・関数全般

  • 場合分けを伴う最大・最小
  • 方程式・不等式との融合

合格のための対策法

対策1:基本事項の完全習得

埼玉大学の数学は、「基本に忠実な良問」が多いのが特徴です。奇をてらった問題よりも、教科書の内容をしっかり理解しているかを問う問題が中心です。

おすすめの学習法:

  • 教科書の章末問題を全問解く
  • 「青チャート」または「Focus Gold」の例題を完璧にする
  • 公式は「なぜそうなるか」まで理解する

対策2:計算力の強化

埼玉大学の問題は計算量が多めです。特に積分計算やベクトルの成分計算では、正確かつスピーディーな計算力が求められます。

おすすめの学習法:

  • 毎日10分の計算練習を習慣化
  • 計算ミスのパターンをノートにまとめる
  • 検算の習慣をつける(特に面積・体積)

対策3:記述力の向上

全問記述式なので、論理的で読みやすい答案を書く力が必要です。

おすすめの学習法:

  • 模範解答を書き写して「型」を学ぶ
  • 自分の答案を他人に読んでもらう
  • 「〜より」「したがって」「よって」などの接続詞を適切に使う

対策4:過去問演習

最低でも過去10年分の過去問を解きましょう。埼玉大学は出題傾向が比較的安定しているため、過去問演習の効果が高いです。

おすすめの進め方:

  1. 最初は時間無制限で丁寧に解く
  2. 2周目は時間を計って解く
  3. 間違えた問題は解説を読み、類題を追加で解く

類似問題で練習しよう(練習問題3問)

1996年度の問題で扱われたテーマの理解を深めるため、練習問題を用意しました。ぜひ挑戦してください!

練習問題1:二次関数の最大・最小

【練習問題1】

$a$ を正の定数とする。関数 $f(x) = -x^2 + 4x - a$ について、区間 $0 leq x leq 3$ における最大値 $M(a)$ と最小値 $m(a)$ を求めよ。また、$M(a) - m(a)$ の最小値を求めよ。

解答・解説

ステップ1:平方完成

$$f(x) = -(x^2 - 4x) - a = -(x - 2)^2 + 4 - a$$

頂点:$(2, 4 - a)$、上に凸の放物線

ステップ2:最大値 $M(a)$

軸 $x = 2$ は区間 $[0, 3]$ 内にあるので、最大値は頂点で取る:

$$M(a) = 4 - a$$

ステップ3:最小値 $m(a)$

区間の両端の値を比較:

  • $f(0) = -a$
  • $f(3) = -9 + 12 - a = 3 - a$

軸 $x = 2$ は区間の中央 $x = 1.5$ より右側なので、最小値は $x = 0$ で取る:

$$m(a) = -a$$

ステップ4:$M(a) - m(a)$ の最小値

$$M(a) - m(a) = (4 - a) - (-a) = 4$$

これは $a$ によらず一定なので、最小値は $4$

練習問題2:確率漸化式

【練習問題2】

正三角形 $ABC$ の頂点上を動く点 $P$ がある。$P$ は最初頂点 $A$ にいる。1秒ごとに、確率 $dfrac{1}{2}$ で隣の頂点のどちらかに移動する。$n$ 秒後に $P$ が頂点 $A$ にいる確率を $p_n$ とするとき:

(1) $p_1$, $p_2$ を求めよ。

(2) $p_{n+1}$ を $p_n$ を用いて表せ。

(3) $p_n$ を求めよ。

解答・解説

(1) $p_1$, $p_2$ を求める

$p_0 = 1$(最初は $A$ にいる)

$p_1 = 0$(1秒後は必ず $B$ か $C$ にいる)

$p_2$:1秒後に $B$ または $C$ にいて、そこから $A$ に戻る確率

$$p_2 = 1 times frac{1}{2} = frac{1}{2}$$

(2) 漸化式

$n$ 秒後に $A$ にいない確率は $1 - p_n$

$A$ 以外の頂点から $A$ に移動する確率は $dfrac{1}{2}$

$A$ にいるときは必ず $A$ 以外に移動する

$$p_{n+1} = (1 - p_n) times frac{1}{2}$$

$$boxed{p_{n+1} = -frac{1}{2}p_n + frac{1}{2}}$$

(3) 一般項

特性方程式:$alpha = -dfrac{1}{2}alpha + dfrac{1}{2}$ より $alpha = dfrac{1}{3}$

$p_{n+1} - dfrac{1}{3} = -dfrac{1}{2}left(p_n - dfrac{1}{3}right)$

$p_n - dfrac{1}{3} = left(p_0 - dfrac{1}{3}right)left(-dfrac{1}{2}right)^n = dfrac{2}{3}left(-dfrac{1}{2}right)^n$

$$boxed{p_n = frac{1}{3} + frac{2}{3}left(-frac{1}{2}right)^n = frac{1 + 2 cdot (-1)^n / 2^n}{3} = frac{2^n + 2(-1)^n}{3 cdot 2^n}}$$

練習問題3:空間ベクトルと体積

【練習問題3】

空間内に4点 $O(0, 0, 0)$, $A(2, 0, 0)$, $B(1, sqrt{3}, 0)$, $C(1, dfrac{sqrt{3}}{3}, dfrac{2sqrt{6}}{3})$ がある。

(1) $vec{OA}$, $vec{OB}$, $vec{OC}$ の大きさをそれぞれ求めよ。

(2) 四面体 $OABC$ が正四面体であることを示せ。

(3) 四面体 $OABC$ の体積を求めよ。

解答・解説

(1) 各ベクトルの大きさ

$$|vec{OA}| = sqrt{4 + 0 + 0} = 2$$

$$|vec{OB}| = sqrt{1 + 3 + 0} = 2$$

$$|vec{OC}| = sqrt{1 + frac{1}{3} + frac{8}{3}} = sqrt{1 + 3} = 2$$

(2) 正四面体であることの証明

すべての辺の長さが等しいことを示す。

$vec{AB} = (-1, sqrt{3}, 0)$ より $|AB| = sqrt{1 + 3} = 2$

$vec{AC} = (-1, dfrac{sqrt{3}}{3}, dfrac{2sqrt{6}}{3})$ より

$|AC|^2 = 1 + dfrac{1}{3} + dfrac{8}{3} = 1 + 3 = 4$、$|AC| = 2$

$vec{BC} = (0, dfrac{sqrt{3}}{3} - sqrt{3}, dfrac{2sqrt{6}}{3}) = (0, -dfrac{2sqrt{3}}{3}, dfrac{2sqrt{6}}{3})$ より

$|BC|^2 = 0 + dfrac{4}{3} + dfrac{8}{3} = 4$、$|BC| = 2$

すべての辺の長さが $2$ なので、正四面体である。

(3) 体積

スカラー三重積を使う:

$$V = frac{1}{6}|vec{OA} cdot (vec{OB} times vec{OC})|$$

$$vec{OB} times vec{OC} = begin{vmatrix} vec{i} & vec{j} & vec{k} \ 1 & sqrt{3} & 0 \ 1 & frac{sqrt{3}}{3} & frac{2sqrt{6}}{3} end{vmatrix}$$

$$= vec{i}left(sqrt{3} cdot frac{2sqrt{6}}{3} - 0right) - vec{j}left(1 cdot frac{2sqrt{6}}{3} - 0right) + vec{k}left(frac{sqrt{3}}{3} - sqrt{3}right)$$

$$= left(frac{2sqrt{18}}{3}, -frac{2sqrt{6}}{3}, -frac{2sqrt{3}}{3}right) = left(2sqrt{2}, -frac{2sqrt{6}}{3}, -frac{2sqrt{3}}{3}right)$$

$$vec{OA} cdot (vec{OB} times vec{OC}) = 2 cdot 2sqrt{2} = 4sqrt{2}$$

$$boxed{V = frac{1}{6} times 4sqrt{2} = frac{2sqrt{2}}{3}}$$

【別解】正四面体の体積公式

一辺 $a$ の正四面体の体積は $V = dfrac{a^3sqrt{2}}{12}$

$a = 2$ のとき:$V = dfrac{8sqrt{2}}{12} = dfrac{2sqrt{2}}{3}$

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ここまで、埼玉大学1996年度の数学過去問を詳しく解説してきました。いかがでしたか?

埼玉大学の数学は、「基本を大切にしながらも、しっかりとした計算力と論理力を問う」という特徴があります。この記事で解説したような問題を、一つひとつ丁寧に理解し、類題演習を重ねることで、確実に得点力を伸ばすことができます。

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最後に:藤原先生からのメッセージ

埼玉大学の数学は、決して「難問奇問」ではありません。むしろ、基本を大切にしてきた受験生が報われる良問揃いです。

この記事で解説した1996年度の問題も、一つひとつは教科書レベルの知識で解けるものばかり。大切なのは、その知識を「使いこなせるレベル」まで昇華させることです。

数学の勉強は、一人で頑張るのは大変です。でも、正しい方法で、正しい順序で学べば、必ず力はつきます。

皆さんの埼玉大学合格を、心から応援しています。分からないことがあれば、いつでも数強塾日本数学塾に相談してくださいね!

数強塾・日本数学塾 講師
藤原進之介

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