埼玉大学 1997年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!

埼玉大学 1997年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!

こんにちは!藤原進之介です。

今回は 埼玉大学 1997年度の数学過去問について、みっちり解説していきます。この大学の入試数学は「標準レベルで幅広い分野から出題される」というのが特徴。言い換えれば、各単元の基礎をしっかり理解していれば、確実に点が取れる問題ばかりということです。

この記事では、教育学部・経済学部(大問1)と理学部・工学部(大問2)の両方の問題を徹底解説。定距離関数、接線条件、ベクトルの対称性、確率、媒介変数、数列、放物線など、高校数学のほぼ全分野が網羅されています。

「どの単元が出ても大丈夫!」という自信を持って試験に臨めるよう、一緒に頑張っていきましょう!


埼玉大学の数学ってどんな試験?

試験形式と難易度

埼玉大学の数学入試は、以下の特徴があります:

  • 教育学部・経済学部:大問4〜5題(答案用紙4枚)
  • 理学部・工学部:大問5題(答案用紙5枚)
  • 難易度:標準レベル〜やや易
  • 出題分野:代数、幾何、解析など、ほぼ全分野から満遍なく出題
  • 特徴計算力よりも「概念の理解」を重視

例え話で理解する「埼玉大学らしさ」

埼玉大学の数学は、ちょうど「レストランの新人シェフの実技試験」みたいなものです。難しい創作料理(超難問)ではなく、基本的な調理技法(定距離、接線、ベクトルなど)を正確にこなせるかが問われます。

「ハンバーグをきれいに焼けるか」「ソースの塩加減は正しいか」を見られているわけです。つまり、基礎を完璧にマスターした学生が有利なんです。

🧑 生徒:「埼玉大学の数学って、どんな難易度なんですか?」

👨‍🏫 藤原先生:「いい質問だね!難易度としては『標準レベル』が基本。つまり、青チャート(チャート式 基礎からの数学)に載ってる基本例題や重要例題レベルの問題が、そのまま出るか、ちょっと組み合わされて出るんだ。難しい問題ではなく、『基礎が本当に理解できているか』を見られているんだよ。」


1997年度 全問題と解説

大問1(教育学部・経済学部)

【問題文】

[1] 平面上の2点 $P_1(x_1, y_1), P_2(x_2, y_2)$ に対して,

$$d(P_1, P_2) = \begin{cases} |y_1 - y_2| & (x_1 = x_2 \text{のとき}) \\ |x_1 - x_2| + |y_1| + |y_2| & (x_1 \neq x_2 \text{のとき}) \end{cases}$$

とおく。このとき,

(1) $P_1 = (1, -2), P_2 = (2, 3)$ のとき,$d(P_1, P_2)$ を求めよ。

(2) $P = (1, 2)$ に対して,$d(P, Q) = 3$ となる点$Q$全体の集合を図示せよ。


[2] 2つの関数 $f(x) = 2x^2 + ax + b$ $g(x) = 2ax + 1$ が与えられている
($a, b$ は実数とする)。

この関数の曲線 $y = f(x)$ ……①と直線 $y = g(x)$ ……②が接しているとき,

(1) $b$ を $a$ の式で表せ。

(2) $a$ が $0 \leq a \leq 6$ の範囲で動くとき,①と②の接点が描く曲線を式で表し,その概形を図示せよ。

(3) 次の条件を満たすように $a$ の値を定めよ(ただし,$a \geq 0$)。
$$\int_0^a [f(x) - g(x)] \, dx = \frac{9}{4}$$


[3] 三角形$ABC$において,$\vec{AB} = \vec{b},\vec{AC} = \vec{c}$ とおき,さらに $\vec{b}$ と $\vec{c}$ の内積を $\vec{b} \cdot \vec{c} = m$ $\vec{b}$ $\vec{c}$ の大きさをそれぞれ $|\vec{b}| = b,|\vec{c}| = c$ とおく。

(1) 直線$AB$に関して,点$C$と対称な点を$D$とするとき,ベクトル $\vec{AD}$ をベクトル $\vec{b},\vec{c}$ と実数 $m, b, c$ を用いて表せ。

(2) 直線$AC$に関して,点$B$と対称な点を$E$とするとき,ベクトル $\vec{DE}$ をベクトル $\vec{b},\vec{c}$ と実数 $m, b, c$ を用いて表せ。

(3) ベクトル $\vec{DE}$ と $\vec{BC}$ が平行なとき,三角形$ABC$はどのような三角形か。


[4] 男女6名ずつ12名のサークルで,4名の委員をくじで選ぶことになった。このとき,

(1) 男女同数となる選び方は何通りか。

(2) 女子が少なくとも1人選ばれる確率を求めよ。

(3) 男子の方が多く選ばれる確率を求めよ。

(4) 委員のなかに,会長,副会長をおくこととする。会長,副会長は男女1名ずつが選ばれ(会長は男女どちらでもよい),残りの委員も男女同数になる確率を求めよ。


【解説】

問題[1] — 定距離関数の理解と図示

【解法ポイント】

  • ステップ①: 定義をチェック。$x_1 \neq x_2$ か $x_1 = x_2$ かで場合分け
  • ステップ②: (1)では公式に代入して計算
  • ステップ③: (2)では$x = 1, x \neq 1$ で場合分けして軌跡を求める

【解説】

(1) $P_1 = (1, -2), P_2 = (2, 3)$ のとき,$d(P_1, P_2)$ を求める

$x_1 = 1, x_2 = 2$ だから $x_1 \neq x_2$ です。したがって定義の2番目の式を使います:

$$d(P_1, P_2) = |x_1 - x_2| + |y_1| + |y_2|$$
$$= |1 - 2| + |-2| + |3|$$
$$= 1 + 2 + 3 = 6$$

答え:$d(P_1, P_2) = 6$

🧑 生徒:「この定距離関数って、普通のユークリッド距離と違うんですね。」

👨‍🏫 藤原先生:「そうだね。これはマンハッタン距離(タクシー距離)の一種だよ。通常の距離公式 $d = \sqrt{(x_1-x_2)^2 + (y_1-y_2)^2}$ じゃなくて、絶対値の和を使ってるんだ。格子状の街の中で、ビルを回り道して歩く距離をイメージするといいよ。」

(2) $P = (1, 2)$ に対して,$d(P, Q) = 3$ となる点$Q$全体の集合を図示する

$P = (1, 2)$ で、点 $Q = (x, y)$ とします。

場合1: $x = 1$ のとき

$$d(P, Q) = |2 - y| = 3$$
$$\Rightarrow y - 2 = \pm 3 \Rightarrow y = 5 \text{ または } y = -1$$

点 $(1, 5)$ と $(1, -1)$ が該当します。

場合2: $x \neq 1$ のとき

$$d(P, Q) = |1 - x| + |2| + |y| = 3$$
$$|1 - x| + 2 + |y| = 3$$
$$|1 - x| + |y| = 1$$

これはひし形(正方形を45°回転させた形)を描きます。絶対値の条件を展開すると:

  • $x < 1, y \geq 0$ のとき:$(1-x) + y = 1 \Rightarrow y = x$
  • $x > 1, y \geq 0$ のとき:$(x-1) + y = 1 \Rightarrow y = 2 - x$
  • $x < 1, y < 0$ のとき:$(1-x) - y = 1 \Rightarrow y = -x$
  • $x > 1, y < 0$ のとき:$(x-1) - y = 1 \Rightarrow y = x - 2$

図示すると、頂点が $(1, 1), (2, 0), (1, -1), (0, 0)$ のひし形と、垂直線分上の2点 $(1, 5), (1, -1)$。


問題[2] — 接線条件と積分計算

【解法ポイント】

  • ステップ①: 接線条件⇒判別式 = 0
  • ステップ②: 接点の座標を媒介変数で表現(曲線の媒介変数表示)
  • ステップ③: 積分計算で $a$ を求める

【解説】

(1) $b$ を $a$ の式で表す

曲線 $y = f(x) = 2x^2 + ax + b$ と直線 $y = g(x) = 2ax + 1$ が接する条件は、方程式

$$2x^2 + ax + b = 2ax + 1$$
$$2x^2 - ax + (b-1) = 0$$

が重解を持つことです。判別式 = 0:

$$\Delta = (-a)^2 - 4 \cdot 2 \cdot (b-1) = 0$$
$$a^2 - 8(b-1) = 0$$
$$a^2 - 8b + 8 = 0$$
$$\boxed{b = \frac{a^2 + 8}{8}}$$

(2) 接点が描く曲線を求める

接点の $x$ 座標は:
$$2x^2 - ax + (b-1) = 0 \text{の重解}$$

$$x = \frac{a}{4}$$

このとき接点の $y$ 座標は:
$$y = g(x) = 2ax + 1 = 2a \cdot \frac{a}{4} + 1 = \frac{a^2}{2} + 1$$

媒介変数 $a$ で表すと、接点は $\left(x, y\right) = \left(\frac{a}{4}, \frac{a^2}{2} + 1\right)$

$x = \frac{a}{4}$ から $a = 4x$,これを $y$ に代入:

$$y = \frac{(4x)^2}{2} + 1 = 8x^2 + 1$$

$0 \leq a \leq 6$ より,$0 \leq x \leq \frac{3}{2}$

答え:接点が描く曲線は $\boxed{y = 8x^2 + 1, \quad 0 \leq x \leq \frac{3}{2}}$ (上に凸な放物線)

(3) 積分条件から $a$ を求める

$$f(x) - g(x) = 2x^2 + ax + b - 2ax - 1 = 2x^2 - ax + (b-1)$$

(1)から $b = \frac{a^2+8}{8}$ なので:

$$f(x) - g(x) = 2x^2 - ax + \left(\frac{a^2+8}{8} - 1\right) = 2x^2 - ax + \frac{a^2}{8}$$
$$\int_0^a \left(2x^2 - ax + \frac{a^2}{8}\right) \, dx = \left[\frac{2x^3}{3} - \frac{ax^2}{2} + \frac{a^2 x}{8}\right]_0^a$$


👨‍🏫 この記事を書いた人:藤原進之介

**藤原進之介**(数強塾グループ代表)

Gakken・KADOKAWA・ナツメ社・文英堂・旺文社など**大手出版社5社から計9冊**の参考書を刊行している数学・情報Iの専門家。全国の中高生・受験生に向けて、わかりやすく・楽しく・本質的な数学指導を行っています。

**主要著書:**
- 『オールカラー 高校の数学を身近な例からもういちど学びなおす』(ナツメ社)
- 『きめる! 共通テスト情報I』(Gakken)
- 『ライバルに差をつける 情報 I 鉄板の100 題』(KADOKAWA)
- 『共通テスト パターンドリル 情報Ⅰ』(文英堂)
- 『資格試験ムビスタ 藤原のたった9時間でITパスポート 令和8年度版(2026年)』(Gakken)
- 『大学JUKEN新書 共通テスト 7日で完成 情報Ⅰ』(旺文社)
- 『藤原のたった9時間で情報I』(Gakken)
- 『藤原進之介の 情報I プログラミング・データの活用が面白いほどわかる本』(KADOKAWA)
- 『藤原進之介の ゼロから始める情報I』(KADOKAWA)

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