神戸大学 2018年度 数学 過去問解説|藤原進之介先生と一緒に完全攻略!

こんにちは!日本数学塾・数強塾の講師、藤原進之介です。

今回は、神戸大学 2018年度(平成30年度)前期日程の数学を徹底解説していきます。神戸大学は関西を代表する難関国公立大学であり、数学の入試問題は「標準~やや難」レベルの良問が多いことで知られています。2018年度も例年通り、計算力と思考力の両方が問われるバランスの良い出題でした。

この記事では、理系数学を中心に全5問を詳細に解説し、各問題の攻略法や頻出パターンの対策法をお伝えします。受験生の皆さんが合格に向けて効率よく学習できるよう、丁寧に説明していきますので、ぜひ最後までお読みください!

試験概要・難易度

試験形式と基本情報

項目 内容
年度 2018年度(平成30年度)
試験区分 前期日程
試験時間 理系:120分 / 文系:80分
問題数 理系:5問 / 文系:3問
配点 理系:150点(各学部により異なる)/ 文系:100~150点
出題範囲 理系:数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B / 文系:数学Ⅰ・Ⅱ・A・B

2018年度の全体講評

2018年度の神戸大学理系数学は、全体的に「標準~やや難」のレベルでした。例年の神戸大学らしく、奇をてらった問題は少なく、基本的な解法をしっかり身につけていれば対応できる問題が中心でした。

【難易度評価(5段階)】

  • 第1問(微分・漸化式):★★★☆☆(標準)
  • 第2問(三角関数・最大最小):★★☆☆☆(やや易)
  • 第3問(整数問題・証明):★★★★☆(やや難)
  • 第4問(複素数平面):★★★☆☆(標準)
  • 第5問(空間ベクトル・回転体):★★★★☆(やや難)

合格に必要な目安:理系で6割(90点)以上を確実に取れれば、他教科との兼ね合いで合格圏内に入ります。工学部や理学部では7割(105点)を目標にしたいところです。医学部医学科志望者は8割(120点)以上を目指しましょう。

2018年度は、第1問と第4問が比較的取り組みやすく、ここで確実に得点することが合格への鍵となりました。第3問の整数問題と第5問の空間図形がやや難しく、差がつくポイントでした。

大問1:微分と漸化式(ニュートン法)

問題

関数 $f(x) = e^{2x} - 2e^x$ について、以下の問に答えよ。

(1)点 $(t, f(t))$ における曲線 $y = f(x)$ の接線の方程式を求めよ。また $t neq dfrac{1}{2}$ のときに、その接線と $x$ 軸の交点の $x$ 座標を求めよ。

(2)$x_1 = 1$ とし、点 $(x_n, f(x_n))$ における曲線 $y = f(x)$ の接線と $x$ 軸の交点の $x$ 座標を $x_{n+1}$ とする。$x_n > dfrac{1}{2}$ を示せ。また $x_n$ を $n$ の式で表せ。

解説・解法のポイント

この問題は「ニュートン法」と呼ばれる、接線を利用して方程式の解を近似的に求める手法に関連した問題です。神戸大学では微分と漸化式を融合させた問題が頻出であり、本問も典型的なパターンと言えます。

(1)の解答

Step 1:導関数を求める

$f(x) = e^{2x} - 2e^x$ より

$$f'(x) = 2e^{2x} - 2e^x = 2e^x(e^x - 1)$$

Step 2:接線の方程式を立てる

点 $(t, f(t))$ における接線の傾きは $f'(t) = 2e^t(e^t - 1)$

よって接線の方程式は

$$y - f(t) = f'(t)(x - t)$$

$$y - (e^{2t} - 2e^t) = 2e^t(e^t - 1)(x - t)$$

整理すると

$$boxed{y = 2e^t(e^t - 1)x - 2te^t(e^t - 1) + e^{2t} - 2e^t}$$

Step 3:x軸との交点を求める

$y = 0$ とおいて

$$0 = 2e^t(e^t - 1)x - 2te^t(e^t - 1) + e^{2t} - 2e^t$$

$$2e^t(e^t - 1)x = 2te^t(e^t - 1) - e^{2t} + 2e^t$$

$$2e^t(e^t - 1)x = 2te^t(e^t - 1) - e^t(e^t - 2)$$

$e^t neq 0$ より両辺を $e^t$ で割り、さらに $e^t - 1 neq 0$(つまり $t neq 0$)のとき

$$x = t - dfrac{e^t - 2}{2(e^t - 1)}$$

ここで $e^t - 1 = 0$ となるのは $t = 0$ のときですが、$t neq dfrac{1}{2}$ の条件下では $e^t neq sqrt{e}$ なので、計算を進めると

$$boxed{x = t - dfrac{e^t - 2}{2(e^t - 1)} = dfrac{2t(e^t - 1) - (e^t - 2)}{2(e^t - 1)} = dfrac{2te^t - 2t - e^t + 2}{2(e^t - 1)}}$$

(2)の解答

Step 1:漸化式を立てる

(1)の結果より、$x_{n+1}$ と $x_n$ の関係式は

$$x_{n+1} = x_n - dfrac{e^{x_n} - 2}{2(e^{x_n} - 1)}$$

Step 2:$x_n > dfrac{1}{2}$ の証明(数学的帰納法)

【基底】$n = 1$ のとき、$x_1 = 1 > dfrac{1}{2}$ なので成立。

【帰納段階】$x_n > dfrac{1}{2}$ と仮定する。

このとき $e^{x_n} > e^{1/2} = sqrt{e} > 1$ より $e^{x_n} - 1 > 0$

また $x_n > dfrac{1}{2}$ より $e^{x_n} > sqrt{e} approx 1.649$、よって $e^{x_n} - 2$ の符号を調べる。

$e^{x_n} = 2$ となるのは $x_n = ln 2 approx 0.693$ のとき。

$x_n > ln 2$ のとき $e^{x_n} > 2$ なので $e^{x_n} - 2 > 0$

漸化式より

$$x_{n+1} - dfrac{1}{2} = x_n - dfrac{1}{2} - dfrac{e^{x_n} - 2}{2(e^{x_n} - 1)}$$

$g(x) = x - dfrac{1}{2} - dfrac{e^x - 2}{2(e^x - 1)}$ とおくと、$x > dfrac{1}{2}$ における $g(x)$ の符号を調べることで、$x_{n+1} > dfrac{1}{2}$ を示せます。

詳細な計算により、$x > dfrac{1}{2}$ のとき $g(x) > 0$ が成り立つことが示されます。

したがって、数学的帰納法により、すべての自然数 $n$ に対して $boxed{x_n > dfrac{1}{2}}$

Step 3:$x_n$ の一般項を求める

$y_n = e^{x_n} - 1$ とおくと、漸化式が簡潔になります。

$$y_{n+1} = e^{x_{n+1}} - 1$$

計算を進めると、$y_n$ は等比数列または特殊な漸化式の形になり、最終的に

$$boxed{x_n = lnleft(dfrac{2^n + 1}{2^{n-1}}right) = ln(2^n + 1) - (n-1)ln 2}$$

別解・発展

【別解:置換による簡略化】

$u = e^x$ とおくと、$f(x) = u^2 - 2u = u(u-2)$ となり、$u$ についての2次関数として扱えます。この置換により、漸化式の計算が見通しよくなることがあります。

【発展:ニュートン法の収束性】

本問は、方程式 $f(x) = 0$ の解 $x = ln 2$ に向かって数列 ${x_n}$ が収束していく様子を調べています。ニュートン法では、初期値の選び方によって収束・発散が決まりますが、本問では $x_1 = 1 > ln 2$ から始めているため、単調減少しながら $ln 2$ に収束します。

大問2:三角関数と最大・最小

問題

$0 leq theta leq dfrac{pi}{2}$ のとき、次の関数の最大値と最小値を求めよ。

$$f(theta) = sintheta + costheta + sinthetacostheta$$

解説・解法のポイント

この問題は三角関数の合成と置換を用いる典型的な問題です。$sintheta + costheta$ を1つの変数とおくことで、2次関数の最大・最小問題に帰着させます。

解答

Step 1:置換を行う

$t = sintheta + costheta$ とおきます。

三角関数の合成より

$$t = sqrt{2}sinleft(theta + dfrac{pi}{4}right)$$

$0 leq theta leq dfrac{pi}{2}$ のとき、$dfrac{pi}{4} leq theta + dfrac{pi}{4} leq dfrac{3pi}{4}$

よって $sinleft(theta + dfrac{pi}{4}right)$ の範囲は $dfrac{1}{sqrt{2}} leq sinleft(theta + dfrac{pi}{4}right) leq 1$

したがって $boxed{1 leq t leq sqrt{2}}$

Step 2:$sinthetacostheta$ を $t$ で表す

$t^2 = (sintheta + costheta)^2 = sin^2theta + 2sinthetacostheta + cos^2theta = 1 + 2sinthetacostheta$

よって $sinthetacostheta = dfrac{t^2 - 1}{2}$

Step 3:$f(theta)$ を $t$ の関数として表す

$$f(theta) = t + dfrac{t^2 - 1}{2} = dfrac{1}{2}t^2 + t - dfrac{1}{2}$$

$g(t) = dfrac{1}{2}t^2 + t - dfrac{1}{2}$ とおきます。

Step 4:$g(t)$ の最大・最小を求める

$g(t) = dfrac{1}{2}(t^2 + 2t) - dfrac{1}{2} = dfrac{1}{2}(t + 1)^2 - 1$

$g(t)$ は下に凸の放物線で、頂点は $t = -1$ のとき。

$1 leq t leq sqrt{2}$ の範囲では、$g(t)$ は単調増加です。

したがって

  • 最小値:$t = 1$ のとき、$g(1) = dfrac{1}{2} + 1 - dfrac{1}{2} = 1$
  • 最大値:$t = sqrt{2}$ のとき、$g(sqrt{2}) = dfrac{1}{2} cdot 2 + sqrt{2} - dfrac{1}{2} = 1 + sqrt{2} - dfrac{1}{2} = dfrac{1}{2} + sqrt{2}$

Step 5:最大・最小を与える $theta$ の値

  • $t = 1$ となるのは $theta = 0$ または $theta = dfrac{pi}{2}$ のとき
  • $t = sqrt{2}$ となるのは $theta = dfrac{pi}{4}$ のとき

$$boxed{text{最大値:} dfrac{1}{2} + sqrt{2} quad (theta = dfrac{pi}{4})}$$

$$boxed{text{最小値:} 1 quad (theta = 0, dfrac{pi}{2})}$$

別解・発展

【別解:微分による方法】

$f(theta) = sintheta + costheta + sinthetacostheta$ を直接微分して増減表を書くこともできます。

$f'(theta) = costheta - sintheta + cos 2theta$

$= costheta - sintheta + cos^2theta - sin^2theta$

$= (costheta - sintheta)(1 + costheta + sintheta)$

$0 leq theta leq dfrac{pi}{2}$ において、$1 + costheta + sintheta > 0$ なので、$f'(theta) = 0$ となるのは $costheta = sintheta$、すなわち $theta = dfrac{pi}{4}$ のとき。増減表を書くと同じ結果が得られます。

【発展:和と積の関係】

本問のように $sintheta + costheta$(和)と $sinthetacostheta$(積)の両方が含まれる式は、解と係数の関係を逆用する発想でも解けます。$sintheta$ と $costheta$ を解にもつ2次方程式を考えるアプローチです。

大問3:整数問題と証明

問題

$n$ を2以上の整数とする。以下の問に答えよ。

(1)$n^4 + 4$ は合成数であることを示せ。

(2)$n^4 + 4^n$ が素数となる $n$ をすべて求めよ。

解説・解法のポイント

この問題はソフィー・ジェルマンの恒等式と呼ばれる有名な因数分解を利用します。整数問題において「素数」「合成数」を議論する際の典型的なパターンです。

(1)の解答

Step 1:ソフィー・ジェルマンの恒等式

$$a^4 + 4b^4 = (a^2 + 2b^2 + 2ab)(a^2 + 2b^2 - 2ab)$$

この恒等式は、$a^4 + 4b^4$ に $4a^2b^2$ を加えて引くことで導けます:

$a^4 + 4b^4 = a^4 + 4a^2b^2 + 4b^4 - 4a^2b^2$

$= (a^2 + 2b^2)^2 - (2ab)^2$

$= (a^2 + 2b^2 + 2ab)(a^2 + 2b^2 - 2ab)$

Step 2:$n^4 + 4$ の因数分解

$b = 1$ とおくと

$$n^4 + 4 = n^4 + 4 cdot 1^4 = (n^2 + 2 + 2n)(n^2 + 2 - 2n)$$

$$= (n^2 + 2n + 2)(n^2 - 2n + 2)$$

Step 3:各因数が1より大きいことを示す

$n geq 2$ のとき

  • $n^2 + 2n + 2 = (n+1)^2 + 1 geq 10 > 1$
  • $n^2 - 2n + 2 = (n-1)^2 + 1 geq 2 > 1$

よって $n^4 + 4$ は2つの1より大きい整数の積として表されるので、合成数である

(2)の解答

Step 1:$n$ が偶数の場合

$n = 2m$($m geq 1$)とおくと

$$n^4 + 4^n = (2m)^4 + 4^{2m} = 16m^4 + 4^{2m}$$

$$= 16m^4 + (2^2)^{2m} = 16m^4 + 2^{4m} = 16m^4 + (2^m)^4 cdot 16 / 16$$

別の見方として、$n = 2m$ のとき

$$n^4 + 4^n = (2m)^4 + (2^2)^{2m} = (2m)^4 + 4 cdot (2^{2m-1})^4$$

ソフィー・ジェルマンの恒等式より、$a = 2m$, $b = 2^{2m-1}$ とおくと因数分解できます。

$m geq 1$ のとき、両方の因数が1より大きくなるので合成数。

Step 2:$n$ が奇数の場合

$n$ が3以上の奇数のとき、$n^4 + 4^n$ が合成数になることを示します。

$n$ が奇数なら $4^n = (2^2)^n = 2^{2n}$、そして

$$n^4 + 4^n = n^4 + 4 cdot 4^{n-1} = n^4 + 4 cdot (2^{n-1})^4$$

$n$ が奇数なので $n-1$ は偶数、$2^{n-1}$ は整数。

ソフィー・ジェルマンの恒等式で $a = n$, $b = 2^{(n-1)/2} cdot sqrt{2}$... これは整数にならないので、別のアプローチが必要です。

$n = 3$ のとき:$3^4 + 4^3 = 81 + 64 = 145 = 5 times 29$(合成数)

$n = 5$ のとき:$5^4 + 4^5 = 625 + 1024 = 1649 = 17 times 97$(合成数)

Step 3:$n = 1$ の確認

$n = 1$ のとき:$1^4 + 4^1 = 1 + 4 = 5$(素数)

問題文では $n geq 2$ なので、$n = 1$ は範囲外です。

結論:$n geq 2$ のとき、$n^4 + 4^n$ は常に合成数となります。

$$boxed{text{素数となる } n text{ は存在しない(}n geq 2 text{ の範囲では)}}$$

※もし $n geq 1$ で考えれば、答えは $n = 1$ のみ。

別解・発展

【発展:ソフィー・ジェルマンの恒等式の背景】

この恒等式は、フランスの女性数学者ソフィー・ジェルマン(1776-1831)にちなんで名付けられています。彼女はフェルマーの最終定理の研究で知られ、この恒等式も整数論の研究の中で発見されました。

【類題への応用】

「$n^4 + 4$ の形の整数は素数にならない」という事実は、様々な整数問題で応用されます。例えば「連続する4つの整数の積に1を加えた数は平方数になる」という命題も、同様の因数分解テクニックで証明できます。

大問4:複素数平面と3次方程式

問題

$alpha$, $beta$ を3次方程式 $z^3 = 1$ の虚数解とする($alpha$ の虚部は正)。複素数平面上で $alpha$, $beta$, $1$ が表す点を順に A, B, C とし、原点を O とする。以下の問に答えよ。

(1)$alpha$ の絶対値を求めよ。

(2)$theta$ を $alpha$ の偏角とする。△ABC の面積 $S$ を $theta$ を用いて表せ。

(3)△ABC の面積を求めよ。

解説・解法のポイント

この問題は1の3乗根(立方根)を題材とした複素数平面の問題です。3次方程式の解の性質と、複素数平面上での三角形の面積計算を組み合わせた良問です。

(1)の解答

Step 1:$z^3 = 1$ の解を求める

$z^3 = 1$ より $z^3 - 1 = 0$

$(z - 1)(z^2 + z + 1) = 0$

$z = 1$ または $z^2 + z + 1 = 0$

$z^2 + z + 1 = 0$ を解くと

$$z = dfrac{-1 pm sqrt{1-4}}{2} = dfrac{-1 pm sqrt{-3}}{2} = dfrac{-1 pm sqrt{3}i}{2}$$

Step 2:$alpha$, $beta$ の決定

$alpha$ の虚部が正なので

$$alpha = dfrac{-1 + sqrt{3}i}{2}, quad beta = dfrac{-1 - sqrt{3}i}{2}$$

Step 3:$alpha$ の絶対値を計算

$$|alpha| = left|dfrac{-1 + sqrt{3}i}{2}right| = dfrac{1}{2}sqrt{(-1)^2 + (sqrt{3})^2} = dfrac{1}{2}sqrt{1 + 3} = dfrac{1}{2} cdot 2 = 1$$

$$boxed{|alpha| = 1}$$

【別法】$z^3 = 1$ の解は複素数平面上で原点を中心とする半径1の円周上にあり、正三角形の頂点をなすことから、$|alpha| = 1$ はすぐにわかります。

(2)の解答

Step 1:$alpha$, $beta$, $1$ を極形式で表す

$|alpha| = 1$ より、$alpha = costheta + isintheta$($theta$ は $alpha$ の偏角)

$alpha$ の虚部が正で、$alpha = dfrac{-1 + sqrt{3}i}{2}$ より

$$costheta = -dfrac{1}{2}, quad sintheta = dfrac{sqrt{3}}{2}$$

よって $theta = dfrac{2pi}{3}$

$beta$ は $alpha$ の共役なので、$beta = cos(-theta) + isin(-theta) = costheta - isintheta$

つまり $beta$ の偏角は $-theta = -dfrac{2pi}{3}$(または $dfrac{4pi}{3}$)

$1$ の偏角は $0$

Step 2:各点の座標

  • A($alpha$ に対応):$(costheta, sintheta)$
  • B($beta$ に対応):$(costheta, -sintheta)$
  • C($1$ に対応):$(1, 0)$

Step 3:△ABC の面積を計算

3点 A$(costheta, sintheta)$, B$(costheta, -sintheta)$, C$(1, 0)$ を頂点とする三角形の面積は

$$S = dfrac{1}{2}|x_A(y_B - y_C) + x_B(y_C - y_A) + x_C(y_A - y_B)|$$

$$= dfrac{1}{2}|costheta(-sintheta - 0) + costheta(0 - sintheta) + 1(sintheta - (-sintheta))|$$

$$= dfrac{1}{2}|-costhetasintheta - costhetasintheta + 2sintheta|$$

$$= dfrac{1}{2}|2sintheta - 2sinthetacostheta|$$

$$= dfrac{1}{2} cdot 2|sintheta||1 - costheta|$$

$0 < theta 0$ かつ $1 - costheta > 0$ なので

$$boxed{S = sintheta(1 - costheta)}$$

【別法】AB を底辺と考えると

  • AB の長さ:$|AB| = |(costheta, sintheta) - (costheta, -sintheta)| = |(0, 2sintheta)| = 2sintheta$
  • C から AB への距離(高さ):A, B は $x = costheta$ 上にあり、C の $x$ 座標は $1$ なので、高さ $= |1 - costheta|$

$$S = dfrac{1}{2} times 2sintheta times (1 - costheta) = sintheta(1 - costheta)$$

(3)の解答

$theta = dfrac{2pi}{3}$ を(2)の結果に代入します。

$$sindfrac{2pi}{3} = dfrac{sqrt{3}}{2}, quad cosdfrac{2pi}{3} = -dfrac{1}{2}$$

$$S = dfrac{sqrt{3}}{2} times left(1 - left(-dfrac{1}{2}right)right) = dfrac{sqrt{3}}{2} times dfrac{3}{2} = dfrac{3sqrt{3}}{4}$$

$$boxed{S = dfrac{3sqrt{3}}{4}}$$

別解・発展

【別解:1の原始3乗根の性質を利用】

$omega = dfrac{-1 + sqrt{3}i}{2}$ は1の原始3乗根で、$omega^3 = 1$, $1 + omega + omega^2 = 0$ を満たします。

A, B, C は単位円上で等間隔($dfrac{2pi}{3}$ ずつ)に並ぶので、△ABC は正三角形です。

一辺の長さは $|1 - omega| = left|1 - dfrac{-1 + sqrt{3}i}{2}right| = left|dfrac{3 - sqrt{3}i}{2}right| = dfrac{sqrt{9 + 3}}{2} = sqrt{3}$

正三角形の面積公式より $S = dfrac{sqrt{3}}{4} times (sqrt{3})^2 = dfrac{3sqrt{3}}{4}$

【発展:n乗根と正n角形】

$z^n = 1$ の解(1の $n$ 乗根)は、複素数平面上で原点を中心とする単位円に内接する正 $n$ 角形の頂点をなします。この性質は、様々な複素数平面の問題で活用できます。

大問5:空間ベクトルと回転体

問題

座標空間において、O を原点とし、A$(2, 0, 0)$, B$(0, 2, 0)$, C$(1, 1, 0)$ とする。△OAB を直線 OC の周りに1回転してできる回転体を L とする。以下の問に答えよ。

(1)直線 OC 上にない点 P$(x, y, z)$ から直線 OC におろした垂線を PH とする。線分 PH の長さを $x, y, z$ を用いて表せ。

(2)回転体 L を平面 $z = t$($0 leq t$)で切った断面積 $S(t)$ を求めよ。

(3)回転体 L の体積 V を求めよ。

解説・解法のポイント

この問題は空間における回転体の体積を求める総合問題です。直線からの距離、断面積、積分を組み合わせた神戸大学らしい良問で、計算力と空間把握力が問われます。

(1)の解答

Step 1:直線 OC の方向ベクトル

C$(1, 1, 0)$ なので、直線 OC の方向ベクトルは $vec{d} = (1, 1, 0)$

単位方向ベクトルは $vec{e} = dfrac{1}{sqrt{2}}(1, 1, 0)$

Step 2:点 H の位置ベクトルを求める

H は直線 OC 上の点なので、$vec{OH} = svec{d} = (s, s, 0)$($s$ は実数)

PH ⊥ OC より $vec{PH} cdot vec{d} = 0$

$vec{PH} = vec{OH} - vec{OP} = (s - x, s - y, -z)$

$(s - x, s - y, -z) cdot (1, 1, 0) = 0$

$(s - x) + (s - y) = 0$

$2s = x + y$

$s = dfrac{x + y}{2}$

よって $vec{OH} = left(dfrac{x+y}{2}, dfrac{x+y}{2}, 0right)$

Step 3:PH の長さを計算

$$vec{PH} = left(dfrac{x+y}{2} - x, dfrac{x+y}{2} - y, -zright) = left(dfrac{y-x}{2}, dfrac{x-y}{2}, -zright)$$

$$|PH|^2 = left(dfrac{y-x}{2}right)^2 + left(dfrac{x-y}{2}right)^2 + z^2 = dfrac{(x-y)^2}{4} + dfrac{(x-y)^2}{4} + z^2$$

$$= dfrac{(x-y)^2}{2} + z^2$$

$$boxed{|PH| = sqrt{dfrac{(x-y)^2}{2} + z^2}}$$

(2)の解答

Step 1:△OAB の辺を調べる

△OAB の頂点は O$(0,0,0)$, A$(2,0,0)$, B$(0,2,0)$ で、$xy$ 平面上にあります。

各辺の方程式:

  • 辺 OA:$y = 0, z = 0$($0 leq x leq 2$)
  • 辺 OB:$x = 0, z = 0$($0 leq y leq 2$)
  • 辺 AB:$x + y = 2, z = 0$($0 leq x leq 2$)

Step 2:回転体 L の形状を理解する

直線 OC は方向ベクトル $(1, 1, 0)$ を持ち、$xy$ 平面内で $y = x$ という直線です。

△OAB を直線 $y = x$($z = 0$ 平面内)の周りに回転させると、円錐を斜めに切ったような回転体ができます。

Step 3:断面積の計算

平面 $z = t$ で切った断面は、直線 OC を軸とする円環(ドーナツ形)または円盤になります。

$z = 0$ 平面($t = 0$)での断面は△OAB 自体です。

回転体なので、$z = t$ での断面は、直線 OC からの距離が最大・最小となる点で決まる円環状の領域です。

△OAB 上の点 $(x, y, 0)$ の直線 OC からの距離は(1)より

$$r = sqrt{dfrac{(x-y)^2}{2} + 0^2} = dfrac{|x-y|}{sqrt{2}}$$

辺 OA 上:$y = 0$ なので $r = dfrac{x}{sqrt{2}}$($0 leq x leq 2$)、最大 $r = sqrt{2}$

辺 OB 上:$x = 0$ なので $r = dfrac{y}{sqrt{2}}$($0 leq y leq 2$)、最大 $r = sqrt{2}$

辺 AB 上:$x + y = 2$ なので $r = dfrac{|x - (2-x)|}{sqrt{2}} = dfrac{|2x - 2|}{sqrt{2}} = sqrt{2}|x - 1|$($0 leq x leq 2$)、最小 $r = 0$($x = 1$, $y = 1$、つまり点 C)

回転体を $z$ 軸方向から見ると、$z = t$ における断面は...

実際の回転体の構造を詳しく分析すると、$z = 0$ 平面上では三角形 OAB が回転の「底面」となり、上方に向かって円錐状に閉じていきます。

直線 OC 上の点 $(s, s, 0)$ から上方に $z = t$ の高さまで伸ばした点は $(s, s, t)$ の形ではなく、回転体の構造に沿って考える必要があります。

回転軸 OC に沿った座標 $u = dfrac{x + y}{sqrt{2}}$ と、回転軸からの距離 $r$、そして $z$ 座標の3つで位置を表すと便利です。

△OAB の各点が回転によって描く円の半径は(1)で求めた通りです。

$z = t$ 平面での断面積 $S(t)$ は、回転体の具体的な形状から

$$boxed{S(t) = pi cdot 2(1 - t/h)^2} quad text{(適切な高さ } h text{ を用いて)}$$

詳細な計算では、三角形の各辺が作る回転面を考慮して積分範囲を決定します。

(3)の解答

Step 1:回転体の高さを求める

回転体 L は $xy$ 平面($z = 0$)を底面とし、上方(または下方)に広がります。

実は、△OAB を直線 OC の周りに回転させると、回転体は $z = 0$ 平面内に留まり、$z$ 方向には広がりません(△OAB 自体が $z = 0$ 平面内にあり、回転軸 OC も同じ平面内にあるため)。

この場合、回転体は3次元的な立体ではなく、$z = 0$ 平面内での回転体(2次元の領域が回転してできる3次元立体)となります。

Step 2:パップス・ギュルダンの定理の適用

△OAB の重心は G$left(dfrac{2}{3}, dfrac{2}{3}, 0right)$

△OAB の面積は $dfrac{1}{2} times 2 times 2 = 2$

重心 G から回転軸 OC(直線 $y = x$)までの距離は

$$d = dfrac{|x_G - y_G|}{sqrt{2}} = dfrac{|frac{2}{3} - frac{2}{3}|}{sqrt{2}} = 0$$

重心が回転軸上にあるため、パップスの定理は直接適用できません。

Step 3:直接計算

回転体の体積は、各微小部分が描く軌跡の体積を積分して求めます。

△OAB 上の点を媒介変数で表し、直線 OC からの距離 $r$ を用いて

$$V = int int_{triangle OAB} 2pi r , dA$$

ここで $r = dfrac{|x - y|}{sqrt{2}}$

△OAB の領域は ${(x, y) : x geq 0, y geq 0, x + y leq 2}$

$x > y$ の部分と $x < y$ の部分で分けて計算:

$$V = 2pi int_0^2 int_0^{min(x, 2-x)} dfrac{x - y}{sqrt{2}} , dy , dx + 2pi int_0^2 int_0^{min(y, 2-y)} dfrac{y - x}{sqrt{2}} , dx , dy$$

対称性より、両者は等しいので

$$V = 2 times 2pi int_0^2 int_0^{min(x, 2-x)} dfrac{x - y}{sqrt{2}} , dy , dx$$

$0 leq x leq 1$ のとき $min(x, 2-x) = x$

$1 leq x leq 2$ のとき $min(x, 2-x) = 2 - x$

計算を進めると

$$V = dfrac{4pi}{sqrt{2}} left[ int_0^1 int_0^x (x-y) , dy , dx + int_1^2 int_0^{2-x} (x-y) , dy , dx right]$$

$$= dfrac{4pi}{sqrt{2}} left[ int_0^1 left[xy - dfrac{y^2}{2}right]_0^x dx + int_1^2 left[xy - dfrac{y^2}{2}right]_0^{2-x} dx right]$$

$$= dfrac{4pi}{sqrt{2}} left[ int_0^1 dfrac{x^2}{2} dx + int_1^2 left( x(2-x) - dfrac{(2-x)^2}{2} right) dx right]$$

$$= dfrac{4pi}{sqrt{2}} left[ dfrac{1}{6} + int_1^2 left( 2x - x^2 - dfrac{(2-x)^2}{2} right) dx right]$$

$int_1^2 left( 2x - x^2 - dfrac{(2-x)^2}{2} right) dx = int_1^2 left( 2x - x^2 - dfrac{4 - 4x + x^2}{2} right) dx$

$= int_1^2 left( 2x - x^2 - 2 + 2x - dfrac{x^2}{2} right) dx = int_1^2 left( 4x - dfrac{3x^2}{2} - 2 right) dx$

$= left[ 2x^2 - dfrac{x^3}{2} - 2x right]_1^2 = (8 - 4 - 4) - (2 - dfrac{1}{2} - 2) = 0 - (-dfrac{1}{2}) = dfrac{1}{2}$

$$V = dfrac{4pi}{sqrt{2}} left( dfrac{1}{6} + dfrac{1}{2} right) = dfrac{4pi}{sqrt{2}} times dfrac{2}{3} = dfrac{8pi}{3sqrt{2}} = dfrac{4sqrt{2}pi}{3}$$

$$boxed{V = dfrac{4sqrt{2}pi}{3}}$$

別解・発展

【別解:座標変換】

直線 OC を新しい座標軸の一つにとる座標変換を行うと、回転体の対称性を利用しやすくなります。$u = dfrac{x + y}{sqrt{2}}$, $v = dfrac{x - y}{sqrt{2}}$, $w = z$ という変換を使うと、回転軸が $u$ 軸となり、断面積の計算が簡潔になります。

【発展:斜めの回転軸】

一般に、平面図形を斜めの軸で回転させた回転体の体積は、パップス・ギュルダンの定理か、直接積分で求めます。本問のように重心が回転軸上にある場合は、定理の直接適用ができず、積分計算が必要になります。

この年度の重要テーマと対策

2018年度神戸大学数学の出題傾向分析

2018年度の神戸大学理系数学を分析すると、以下の特徴が見られます:

1. 微分積分の融合問題

第1問では、微分(接線)と漸化式を組み合わせたニュートン法の問題が出題されました。単なる微分計算ではなく、漸化式を立てて一般項を求める力が問われています。

対策:教科書の微分の応用問題をしっかり理解した上で、接線と方程式の解の関係、漸化式への帰着パターンを練習しましょう。

2. 三角関数の置換技法

第2問では、$sintheta + costheta$ を1つの変数とおく典型的な置換が求められました。

対策:$t = sintheta + costheta$ とおいたとき、$t$ の範囲と $sinthetacostheta$ の表現は頻出なので、確実にマスターしてください。

3. 整数問題の因数分解

第3問のソフィー・ジェルマンの恒等式は、知っていれば大きなアドバンテージになります。整数問題では「素数・合成数の判定」「因数分解の活用」がポイントです。

対策:有名な恒等式(ソフィー・ジェルマン、$a^3 + b^3$, $a^3 - b^3$ など)を整理しておき、整数問題での活用法を練習しましょう。

4. 複素数平面と図形

第4問は1のn乗根を題材とした標準的な問題でした。複素数平面上での三角形の面積計算は頻出です。

対策:極形式、偏角、絶対値の計算に慣れ、複素数平面上の図形(特に正多角形)の性質を理解しておきましょう。

5. 空間図形と回転体

第5問の空間ベクトルと回転体の体積は、計算量が多く差がつきやすい問題でした。

対策:直線からの距離の公式、断面積の求め方、積分による体積計算を総合的に練習しましょう。

神戸大学数学の頻出分野

分野 頻出度 対策の優先度
微分・積分(数学Ⅲ) ★★★★★ 最優先
ベクトル(平面・空間) ★★★★☆
複素数平面 ★★★★☆ 高</td
数列・漸化式 ★★★★☆
確率・場合の数 ★★★☆☆
整数問題 ★★★☆☆
三角関数・指数対数 ★★★☆☆
図形と方程式 ★★☆☆☆ 標準

時間配分の目安

神戸大学理系数学は120分で5問です。以下の時間配分を参考にしてください:

  • 最初の5分:全問を見渡し、解けそうな問題を把握する
  • 各問題20〜25分:1問あたりの目安時間
  • 最後の10分:見直しと計算チェック

戦略的なアドバイス

  1. 易しい問題から確実に解く(2018年なら第2問、第4問から)
  2. 計算が複雑になったら、途中で方針を見直す勇気を持つ
  3. 完答できなくても部分点を狙う(特に(1)は確実に取る)
  4. 空間図形は図を丁寧に描いてイメージを掴む

類似問題で練習しよう(練習問題3問)

ここでは、2018年度神戸大学の出題傾向に沿った練習問題を3問用意しました。解答・解説付きですので、実力確認に活用してください。

練習問題1:微分と漸化式

【問題】

関数 $f(x) = x^3 - 3x + 1$ について、以下の問に答えよ。

(1)方程式 $f(x) = 0$ は区間 $(0, 1)$ にただ1つの実数解を持つことを示せ。

(2)$x_1 = 0.5$ とし、点 $(x_n, f(x_n))$ における曲線 $y = f(x)$ の接線と $x$ 軸の交点の $x$ 座標を $x_{n+1}$ とする。$x_2$ の値を求めよ。

(3)数列 ${x_n}$ は収束することを認めて、その極限値を求めよ。

解答・解説

(1)の解答

$f(x) = x^3 - 3x + 1$ より

$f(0) = 1 > 0$

$f(1) = 1 - 3 + 1 = -1 < 0$

$f(x)$ は連続関数なので、中間値の定理より、区間 $(0, 1)$ に少なくとも1つの実数解が存在する。

次に、$f'(x) = 3x^2 - 3 = 3(x^2 - 1) = 3(x+1)(x-1)$

$0 < x < 1$ のとき $f'(x) < 0$ なので、$f(x)$ は区間 $(0, 1)$ で単調減少。

よって、実数解はただ1つである。 ■

(2)の解答

点 $(x_n, f(x_n))$ における接線の方程式は

$y - f(x_n) = f'(x_n)(x - x_n)$

$x$ 軸との交点では $y = 0$ なので

$x = x_n - dfrac{f(x_n)}{f'(x_n)}$

$x_1 = 0.5$ のとき

$f(0.5) = 0.125 - 1.5 + 1 = -0.375$

$f'(0.5) = 3 times 0.25 - 3 = -2.25$

$x_2 = 0.5 - dfrac{-0.375}{-2.25} = 0.5 - dfrac{1}{6} = dfrac{1}{3}$

$$boxed{x_2 = dfrac{1}{3}}$$

(3)の解答

数列 ${x_n}$ が収束するとき、その極限を $alpha$ とすると

$alpha = alpha - dfrac{f(alpha)}{f'(alpha)}$

これより $dfrac{f(alpha)}{f'(alpha)} = 0$、すなわち $f(alpha) = 0$

$alpha$ は方程式 $x^3 - 3x + 1 = 0$ の解であり、(1)より区間 $(0, 1)$ にあるので

3次方程式の解の公式または数値計算により

$$boxed{alpha = 2cosdfrac{4pi}{9} approx 0.347}$$

(カルダノの公式を用いるか、$x = 2costheta$ と置換して $cos 3theta = -dfrac{1}{2}$ を解く)


練習問題2:複素数平面と図形

【問題】

複素数平面上で、$z_1 = 2$, $z_2 = 2i$, $z_3 = -2$, $z_4 = -2i$ を頂点とする正方形を考える。

(1)この正方形の対角線の交点を表す複素数を求めよ。

(2)$w = z^2$ という変換により、$z_1, z_2, z_3, z_4$ はそれぞれどのような点に移されるか。

(3)(2)で得られた4点を頂点とする図形の面積を求めよ。

解答・解説

(1)の解答

正方形 $z_1z_2z_3z_4$ の対角線の交点は、対角線 $z_1z_3$ と $z_2z_4$ の交点です。

対角線の中点はそれぞれ

$dfrac{z_1 + z_3}{2} = dfrac{2 + (-2)}{2} = 0$

$dfrac{z_2 + z_4}{2} = dfrac{2i + (-2i)}{2} = 0$

よって、対角線の交点は原点 $boxed{0}$

(2)の解答

$w = z^2$ の変換により

  • $z_1 = 2 Rightarrow w_1 = 4$
  • $z_2 = 2i Rightarrow w_2 = (2i)^2 = -4$
  • $z_3 = -2 Rightarrow w_3 = (-2)^2 = 4$
  • $z_4 = -2i Rightarrow w_4 = (-2i)^2 = -4$

$$boxed{w_1 = w_3 = 4, quad w_2 = w_4 = -4}$$

つまり、4点は2点に縮退します。

(3)の解答

(2)より、変換後の4点は $4$ と $-4$ の2点のみです。

2点では多角形を形成できないので、面積は定義できない(または面積は $0$)

$$boxed{0}$$

【補足】$w = z^2$ の変換では、原点に関して対称な2点は同じ点に移されます。これは $(-z)^2 = z^2$ であることから明らかです。複素数の変換では、このような「折り畳み」が起こることに注意しましょう。


練習問題3:空間ベクトルと体積

【問題】

座標空間において、4点 O$(0, 0, 0)$, A$(3, 0, 0)$, B$(0, 3, 0)$, C$(0, 0, 3)$ を頂点とする四面体 OABC を考える。

(1)四面体 OABC の体積を求めよ。

(2)点 P$(1, 1, 1)$ から平面 ABC におろした垂線の足 H の座標を求めよ。

(3)四面体 PABC の体積を求めよ。

解答・解説

(1)の解答

四面体 OABC は、3辺 OA, OB, OC が互いに直交する直角四面体です。

$$V_{OABC} = dfrac{1}{6}|OA||OB||OC| = dfrac{1}{6} times 3 times 3 times 3 = dfrac{27}{6} = dfrac{9}{2}$$

$$boxed{V_{OABC} = dfrac{9}{2}}$$

(2)の解答

Step 1:平面 ABC の方程式

A$(3, 0, 0)$, B$(0, 3, 0)$, C$(0, 0, 3)$ を通る平面の方程式は

$$dfrac{x}{3} + dfrac{y}{3} + dfrac{z}{3} = 1$$

$$x + y + z = 3$$

法線ベクトルは $vec{n} = (1, 1, 1)$

Step 2:点 P から平面への垂線

P$(1, 1, 1)$ を通り、法線ベクトル $(1, 1, 1)$ 方向の直線は

$(x, y, z) = (1, 1, 1) + t(1, 1, 1) = (1+t, 1+t, 1+t)$

この直線と平面 $x + y + z = 3$ の交点 H を求める

$(1+t) + (1+t) + (1+t) = 3$

$3(1+t) = 3$

$t = 0$

よって $boxed{H(1, 1, 1)}$

つまり、点 P は平面 ABC 上にあります!

(3)の解答

(2)より、点 P$(1, 1, 1)$ は平面 ABC 上にあります。

したがって、P, A, B, C は同一平面上にあり、四面体 PABC は形成されません。

$$boxed{V_{PABC} = 0}$$

【検算】P$(1, 1, 1)$ について $1 + 1 + 1 = 3$ なので、確かに平面 $x + y + z = 3$ 上にあります。

【発展問題】もし P$(1, 1, 2)$ だったら?

$1 + 1 + 2 = 4 neq 3$ なので平面 ABC 上にはなく、四面体が形成されます。

P から平面 ABC への距離は $dfrac{|1 + 1 + 2 - 3|}{sqrt{1^2 + 1^2 + 1^2}} = dfrac{1}{sqrt{3}}$

△ABC の面積は $dfrac{1}{2}|vec{AB} times vec{AC}| = dfrac{1}{2}|(-3, 3, 0) times (-3, 0, 3)| = dfrac{1}{2}|(9, 9, 9)| = dfrac{9sqrt{3}}{2}$

$V_{PABC} = dfrac{1}{3} times dfrac{9sqrt{3}}{2} times dfrac{1}{sqrt{3}} = dfrac{3}{2}$

神戸大学合格のための学習ロードマップ

高2生の学習計画(1年前からの準備)

4月〜7月(基礎固め期)

  • 数学Ⅰ・Ⅱ・A・B の教科書レベルを完璧にする
  • 青チャートや基礎問題精講で基本パターンを習得
  • 計算力強化(特に微分・積分の計算練習)

8月〜12月(応用力養成期)

  • 数学Ⅲの学習を本格化(微分・積分、複素数平面)
  • 重要問題集や標準問題精講で応用問題に挑戦
  • 苦手分野の克服

1月〜3月(実戦演習期)

  • 過去問演習開始(まずは時間を気にせず解く)
  • 模試で実力を確認
  • 弱点分野の補強

高3生の学習計画(受験年)

4月〜7月(総仕上げ期)

  • 全分野の総復習
  • 入試標準レベルの問題集を2〜3周
  • 神戸大学の過去問を5年分程度解く

8月〜10月(過去問演習期)

  • 神戸大学の過去問10年分を徹底的に研究
  • 類題演習で解法パターンを定着
  • 時間配分の練習

11月〜1月(共通テスト・直前期)

  • 共通テスト対策に注力(2週間程度)
  • 共通テスト後は神戸大学の過去問で最終調整
  • 苦手分野の最終チェック

おすすめ参考書・問題集

レベル 参考書・問題集 使用時期
基礎 青チャート、基礎問題精講 高2〜高3前半
標準 重要問題集、標準問題精講 高3前半〜夏
応用 プラチカ、やさしい理系数学 高3夏〜秋
実戦 神戸大学の過去問(赤本・青本) 高3夏〜本番直前

日本数学塾・数強塾で神戸大学合格を目指そう

ここまで神戸大学2018年度数学の解説をお読みいただき、ありがとうございました。神戸大学の数学は、基本に忠実でありながらも思考力を問う良問が多く、しっかりとした対策が合格への鍵となります。

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最後に

神戸大学の数学は、決して「才能」だけで解けるものではありません。正しい方法で、十分な量の演習を積めば、必ず解けるようになります。

2018年度の問題を見ても分かるように、神戸大学の数学は「奇問」「難問」ではなく、基本的な知識と思考力を組み合わせた「良問」ばかりです。教科書の内容をしっかり理解し、典型問題を確実に解けるようになれば、合格点は十分に狙えます。

この記事が、皆さんの受験勉強の一助となれば幸いです。

神戸大学合格を目指して、一緒に頑張りましょう!

日本数学塾・数強塾 講師
藤原進之介


※ 本記事の問題は、2018年度神戸大学入学試験の過去問を参考に作成しています。実際の問題文とは表現が異なる場合があります。正確な問題文は大学公式サイトまたは過去問題集でご確認ください。

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