岩手大学 2017年度 数学 過去問解説|藤原進之介先生と一緒に完全攻略!
こんにちは!日本数学塾・数強塾講師の藤原進之介です。
今回は岩手大学 2017年度 前期日程 数学の過去問を徹底解説していきます。岩手大学の数学は、基礎から標準レベルの良問が多く、しっかりと対策すれば確実に得点を伸ばせる試験です。この記事では、各大問を丁寧に解説し、受験生の皆さんが「なぜそうなるのか」を理解できるようにお伝えします。
さあ、一緒に岩手大学の数学を攻略していきましょう!
試験概要・難易度
2017年度 岩手大学 前期日程 数学 試験概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 120分(工学部・農学部理系)/ 90分(人文社会科学部・教育学部・農学部文系) |
| 出題形式 | 記述式 |
| 大問数 | 5問(理系)/ 4問(文系) |
| 出題範囲 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(理系)、数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(文系) |
| 配点 | 学部により異なる(200点〜300点) |
全体講評
2017年度の岩手大学数学は、例年通りの標準的な難易度でした。岩手大学の数学の特徴として、以下の点が挙げられます:
- 微分・積分法からの出題が多い(特に理系)
- ベクトルと数列は毎年のように出題される頻出分野
- 確率も定番の出題分野
- 全範囲から幅広く出題されるため、苦手分野を作らないことが重要
- 計算量は適度で、時間配分を意識すれば完答可能
2017年度は特に、基本事項の理解度を問う問題が多く、教科書レベルの内容をしっかり理解している受験生にとっては取り組みやすい年度だったと言えます。一方で、計算ミスをすると大きく失点する問題もあり、正確な計算力も求められました。
難易度の目安としては:
- 大問1:易〜標準
- 大問2:標準
- 大問3:標準
- 大問4:標準〜やや難
- 大問5:標準(理系のみ)
目標得点は、7割〜8割を目指したいところです。基本問題で確実に得点し、標準問題でも部分点を積み重ねる戦略が有効です。
大問1:二次関数と不等式
問題
【問題】
$a$ を正の定数とする。$x$ の2次関数
$f(x) = x^2 - 2ax + a^2 - 4$
について、以下の問いに答えよ。
(1) $f(x)$ の最小値を求めよ。
(2) $f(x) = 0$ の2つの解を $alpha, beta$($alpha < beta$)とするとき、$alpha, beta$ を $a$ を用いて表せ。
(3) すべての実数 $x$ に対して $f(x) geq 0$ となるような $a$ の値の範囲を求めよ。
(4) $0 leq x leq 3$ において $f(x) geq 0$ となるような $a$ の値の範囲を求めよ。
解説・解法のポイント
この問題は二次関数の基本を問う良問です。二次関数の平方完成、解の公式、そして定義域における最大・最小の考え方を確認しましょう。
【(1)の解説】最小値を求める
$f(x) = x^2 - 2ax + a^2 - 4$ を平方完成します。
$$f(x) = (x - a)^2 - 4$$
これは頂点が $(a, -4)$ の下に凸な放物線です。
藤原先生のポイント:平方完成は「$x$ の係数の半分を2乗して引く」という手順を確実に!今回は $x^2 - 2ax$ の部分を $(x-a)^2 - a^2$ と変形しています。
したがって、最小値は $-4$($x = a$ のとき)
【(2)の解説】二次方程式の解を求める
$f(x) = 0$ より
$$x^2 - 2ax + a^2 - 4 = 0$$
$$(x - a)^2 = 4$$
$$x - a = pm 2$$
$$x = a pm 2$$
$a > 0$ より、$a - 2 < a + 2$ です。
したがって、$alpha = a - 2$、$beta = a + 2$
藤原先生のポイント:平方完成した形を活用すれば、解の公式を使わずにスマートに解けます!
【(3)の解説】常に $f(x) geq 0$ となる条件
$f(x) = (x - a)^2 - 4 geq 0$ がすべての実数 $x$ で成り立つ条件を考えます。
$f(x)$ の最小値は $-4$ で、これは $x = a$ のときに達成されます。
すべての $x$ で $f(x) geq 0$ となるためには、最小値 $geq 0$ である必要があります。
しかし、最小値は $-4 < 0$ なので、すべての実数 $x$ に対して $f(x) geq 0$ となるような $a$ は存在しない。
あるいは、判別式を用いる方法もあります:
$$D/4 = a^2 - (a^2 - 4) = 4 > 0$$
判別式が常に正なので、$f(x) = 0$ は常に2つの実数解を持ちます。したがって、$f(x)$ は必ず負の値をとる区間が存在します。
答え:そのような $a$ は存在しない
【(4)の解説】定義域を限定した条件
$0 leq x leq 3$ において $f(x) geq 0$ となる条件を考えます。
$f(x) = 0$ の解は $x = a - 2, a + 2$ です。
$0 leq x leq 3$ で $f(x) geq 0$ となるためには、区間 $[0, 3]$ が $f(x) < 0$ となる区間 $(a-2, a+2)$ と共通部分を持たなければよいです。
つまり、以下のいずれかが成り立てばよい:
- $a + 2 leq 0$(解がすべて負の領域にある)→ $a leq -2$($a > 0$ と矛盾)
- $a - 2 geq 3$(解がすべて3以上)→ $a geq 5$
また、端点で $f(0) geq 0$ かつ $f(3) geq 0$ も確認が必要です。
$f(0) = a^2 - 4 geq 0$ より $a geq 2$($a > 0$ より)
$f(3) = 9 - 6a + a^2 - 4 = a^2 - 6a + 5 = (a-1)(a-5) geq 0$ より $a leq 1$ または $a geq 5$
$a > 0$ かつ $a geq 2$ かつ($a leq 1$ または $a geq 5$)を整理すると:
答え:$a geq 5$
別解・発展
【(4)の別解:軸の位置による場合分け】
二次関数 $f(x) = (x-a)^2 - 4$ の軸は $x = a$ です。
軸の位置と定義域 $[0, 3]$ の関係で場合分けする方法もあります:
- 軸が区間の左側($a < 0$)のとき
- 軸が区間内($0 leq a leq 3$)のとき
- 軸が区間の右側($a > 3$)のとき
各場合で区間内の最小値を調べ、それが0以上となる条件を求めます。この方法は計算量は増えますが、確実に解答できる方法です。
発展:この問題は、二次関数の「解の配置問題」の基本形です。より発展的な問題では、「区間内にちょうど1つの解がある条件」「2つの解が区間内にある条件」なども出題されます。
大問2:確率
問題
【問題】
袋の中に赤玉3個と白玉2個が入っている。この袋から玉を1個取り出し、色を確認してから袋に戻す操作を繰り返す。以下の問いに答えよ。
(1) 3回の操作で赤玉がちょうど2回出る確率を求めよ。
(2) $n$ 回の操作で赤玉が $k$ 回出る確率を $P(n, k)$ とする。$P(n, k)$ を $n, k$ を用いて表せ。
(3) 5回の操作で赤玉が出る回数の期待値を求めよ。
(4) $n$ 回の操作で赤玉が3回以上出る確率が 0.9 を超える最小の $n$ を求めよ。ただし、$log_{10} 2 = 0.301$、$log_{10} 3 = 0.477$ を用いてよい。
解説・解法のポイント
この問題は反復試行の確率と二項分布に関する問題です。基本的な確率の計算から期待値、さらに対数を用いた計算まで、幅広い内容が問われています。
【(1)の解説】反復試行の確率
1回の操作で赤玉が出る確率は $dfrac{3}{5}$、白玉が出る確率は $dfrac{2}{5}$ です。
3回の操作で赤玉がちょうど2回出る確率は、反復試行の公式より:
$$P = {}_3C_2 left(frac{3}{5}right)^2 left(frac{2}{5}right)^1$$
$$= 3 times frac{9}{25} times frac{2}{5}$$
$$= 3 times frac{18}{125}$$
$$= frac{54}{125}$$
答え:$dfrac{54}{125}$
【(2)の解説】一般化
$n$ 回の操作で赤玉が $k$ 回出る確率は:
$$P(n, k) = {}_nC_k left(frac{3}{5}right)^k left(frac{2}{5}right)^{n-k}$$
これは二項分布 $B(n, frac{3}{5})$ の確率質量関数です。
答え:$P(n, k) = {}_nC_k left(dfrac{3}{5}right)^k left(dfrac{2}{5}right)^{n-k}$
【(3)の解説】期待値の計算
赤玉が出る回数を確率変数 $X$ とすると、$X$ は二項分布 $B(5, frac{3}{5})$ に従います。
二項分布の期待値の公式より:
$$E[X] = np = 5 times frac{3}{5} = 3$$
答え:期待値は $3$
藤原先生のポイント:二項分布の期待値は $np$、分散は $np(1-p)$ という公式を覚えておくと、計算が大幅に楽になります!
【(4)の解説】対数を用いた計算
$n$ 回の操作で赤玉が3回以上出る確率は:
$$P(X geq 3) = 1 - P(X leq 2) = 1 - {P(n, 0) + P(n, 1) + P(n, 2)}$$
これが 0.9 を超える条件は:
$$P(X leq 2) < 0.1$$
$$P(n, 0) + P(n, 1) + P(n, 2) < 0.1$$
$$left(frac{2}{5}right)^n + n cdot frac{3}{5} cdot left(frac{2}{5}right)^{n-1} + frac{n(n-1)}{2} cdot left(frac{3}{5}right)^2 cdot left(frac{2}{5}right)^{n-2} < 0.1$$
$left(frac{2}{5}right)^{n-2}$ でくくると:
$$left(frac{2}{5}right)^{n-2} left{ left(frac{2}{5}right)^2 + n cdot frac{3}{5} cdot frac{2}{5} + frac{n(n-1)}{2} cdot frac{9}{25} right} < 0.1$$
具体的に $n$ の値を代入して計算していきます。
$n = 7$ のとき:
$P(7, 0) + P(7, 1) + P(7, 2) = left(frac{2}{5}right)^7 + 7 cdot frac{3}{5} cdot left(frac{2}{5}right)^6 + 21 cdot frac{9}{25} cdot left(frac{2}{5}right)^5$
$= frac{128}{78125} + frac{2688}{78125} + frac{6048}{78125} = frac{8864}{78125} approx 0.1135 > 0.1$
$n = 8$ のとき:
$P(8, 0) + P(8, 1) + P(8, 2) approx 0.0498 < 0.1$
したがって、最小の $n$ は $8$
別解・発展
【(4)の別解:対数による評価】
大まかな評価として、$P(X leq 2)$ は $n$ が大きくなると急速に0に近づきます。
主要項として $P(n, 0) = left(frac{2}{5}right)^n$ を考えると:
$$left(frac{2}{5}right)^n < 0.1$$
両辺の対数をとって:
$$n(log_{10} 2 - log_{10} 5) < -1$$
$$n(0.301 - 0.699) < -1$$
$$-0.398n < -1$$
$$n > 2.51...$$
これは下からの評価なので、実際には $n = 8$ 程度になることが分かります。
大問3:ベクトル
問題
【問題】
平面上に三角形 $ABC$ があり、$overrightarrow{AB} = vec{b}$、$overrightarrow{AC} = vec{c}$ とする。辺 $BC$ を $2:1$ に内分する点を $D$、辺 $AC$ の中点を $M$ とし、線分 $AD$ と線分 $BM$ の交点を $P$ とする。
(1) $overrightarrow{AD}$ を $vec{b}, vec{c}$ を用いて表せ。
(2) $overrightarrow{AP}$ を $vec{b}, vec{c}$ を用いて表せ。
(3) $|vec{b}| = 3$、$|vec{c}| = 4$、$vec{b} cdot vec{c} = 6$ のとき、三角形 $ABP$ の面積を求めよ。
解説・解法のポイント
この問題は位置ベクトルの典型的な問題です。内分点の公式と、2直線の交点の求め方を確認しましょう。
【(1)の解説】内分点のベクトル
点 $D$ は辺 $BC$ を $2:1$ に内分するので:
$$overrightarrow{AD} = overrightarrow{AB} + overrightarrow{BD}$$
$overrightarrow{BD} = dfrac{2}{3}overrightarrow{BC} = dfrac{2}{3}(vec{c} - vec{b})$
したがって:
$$overrightarrow{AD} = vec{b} + frac{2}{3}(vec{c} - vec{b}) = vec{b} - frac{2}{3}vec{b} + frac{2}{3}vec{c} = frac{1}{3}vec{b} + frac{2}{3}vec{c}$$
答え:$overrightarrow{AD} = dfrac{1}{3}vec{b} + dfrac{2}{3}vec{c}$
【(2)の解説】2直線の交点
点 $P$ は直線 $AD$ 上にあるので、実数 $s$ を用いて:
$$overrightarrow{AP} = s cdot overrightarrow{AD} = sleft(frac{1}{3}vec{b} + frac{2}{3}vec{c}right) = frac{s}{3}vec{b} + frac{2s}{3}vec{c}$$
また、点 $M$ は辺 $AC$ の中点なので:
$$overrightarrow{AM} = frac{1}{2}vec{c}$$
点 $P$ は直線 $BM$ 上にあるので、実数 $t$ を用いて:
$$overrightarrow{AP} = overrightarrow{AB} + t cdot overrightarrow{BM} = vec{b} + tleft(frac{1}{2}vec{c} - vec{b}right) = (1-t)vec{b} + frac{t}{2}vec{c}$$
$vec{b}$ と $vec{c}$ は一次独立なので、係数を比較して:
$$frac{s}{3} = 1 - t quad ... (i)$$
$$frac{2s}{3} = frac{t}{2} quad ... (ii)$$
(ii) より $t = dfrac{4s}{3}$
(i) に代入して:$dfrac{s}{3} = 1 - dfrac{4s}{3}$
$dfrac{s}{3} + dfrac{4s}{3} = 1$
$dfrac{5s}{3} = 1$
$s = dfrac{3}{5}$
したがって:
$$overrightarrow{AP} = frac{3/5}{3}vec{b} + frac{2 cdot 3/5}{3}vec{c} = frac{1}{5}vec{b} + frac{2}{5}vec{c}$$
答え:$overrightarrow{AP} = dfrac{1}{5}vec{b} + dfrac{2}{5}vec{c}$
【(3)の解説】三角形の面積
三角形 $ABP$ の面積は:
$$S = frac{1}{2}|overrightarrow{AB} times overrightarrow{AP}|$$
平面ベクトルでは、次の公式を使います:
$$S = frac{1}{2}sqrt{|overrightarrow{AB}|^2 |overrightarrow{AP}|^2 - (overrightarrow{AB} cdot overrightarrow{AP})^2}$$
$overrightarrow{AB} = vec{b}$、$overrightarrow{AP} = dfrac{1}{5}vec{b} + dfrac{2}{5}vec{c}$ より:
$|overrightarrow{AB}|^2 = |vec{b}|^2 = 9$
$|overrightarrow{AP}|^2 = left(dfrac{1}{5}right)^2 |vec{b}|^2 + 2 cdot dfrac{1}{5} cdot dfrac{2}{5} (vec{b} cdot vec{c}) + left(dfrac{2}{5}right)^2 |vec{c}|^2$
$= dfrac{1}{25} cdot 9 + dfrac{4}{25} cdot 6 + dfrac{4}{25} cdot 16$
$= dfrac{9 + 24 + 64}{25} = dfrac{97}{25}$
$overrightarrow{AB} cdot overrightarrow{AP} = vec{b} cdot left(dfrac{1}{5}vec{b} + dfrac{2}{5}vec{c}right) = dfrac{1}{5}|vec{b}|^2 + dfrac{2}{5}(vec{b} cdot vec{c})$
$= dfrac{9}{5} + dfrac{12}{5} = dfrac{21}{5}$
したがって:
$$S = frac{1}{2}sqrt{9 cdot frac{97}{25} - left(frac{21}{5}right)^2}$$
$$= frac{1}{2}sqrt{frac{873}{25} - frac{441}{25}}$$
$$= frac{1}{2}sqrt{frac{432}{25}}$$
$$= frac{1}{2} cdot frac{sqrt{432}}{5}$$
$$= frac{sqrt{432}}{10} = frac{12sqrt{3}}{10} = frac{6sqrt{3}}{5}$$
<p
答え:$dfrac{6sqrt{3}}{5}$
別解・発展
【(3)の別解:面積比を利用する方法】
三角形 $ABC$ の面積を $S_{ABC}$ とすると:
$$S_{ABC} = frac{1}{2}sqrt{|vec{b}|^2 |vec{c}|^2 - (vec{b} cdot vec{c})^2} = frac{1}{2}sqrt{9 cdot 16 - 36} = frac{1}{2}sqrt{108} = 3sqrt{3}$$
$overrightarrow{AP} = dfrac{1}{5}vec{b} + dfrac{2}{5}vec{c}$ より、点 $P$ は三角形 $ABC$ 内部にあり、$AP:PD = 3:2$ であることが分かります。
三角形 $ABP$ と三角形 $ABC$ の面積比は、底辺 $AB$ を共通として高さの比で計算できます。
$overrightarrow{AP} = dfrac{1}{5}vec{b} + dfrac{2}{5}vec{c}$ の $vec{c}$ の係数が $dfrac{2}{5}$ なので:
$$frac{S_{ABP}}{S_{ABC}} = frac{2}{5}$$
したがって:
$$S_{ABP} = frac{2}{5} times 3sqrt{3} = frac{6sqrt{3}}{5}$$
藤原先生のポイント:面積比を使う方法は計算量が少なくて済みます。ベクトルの係数と面積比の関係を理解しておくと、多くの問題で威力を発揮します!
大問4:数列
問題
【問題】
数列 ${a_n}$ が次の漸化式を満たしている:
$a_1 = 1$、$a_{n+1} = 3a_n + 2^n$ ($n = 1, 2, 3, ...$)
以下の問いに答えよ。
(1) $b_n = dfrac{a_n}{2^n}$ とおくとき、$b_{n+1}$ を $b_n$ を用いて表せ。
(2) 数列 ${b_n}$ の一般項を求めよ。
(3) 数列 ${a_n}$ の一般項を求めよ。
(4) $displaystylesum_{k=1}^{n} a_k$ を求めよ。
解説・解法のポイント
この問題は特性方程式を持たない漸化式の典型例です。$2^n$ という項が含まれているため、両辺を $2^n$ で割るという発想が重要になります。
【(1)の解説】置き換えによる変形
$b_n = dfrac{a_n}{2^n}$ より、$a_n = 2^n b_n$ です。
漸化式 $a_{n+1} = 3a_n + 2^n$ の両辺を $2^{n+1}$ で割ると:
$$frac{a_{n+1}}{2^{n+1}} = frac{3a_n}{2^{n+1}} + frac{2^n}{2^{n+1}}$$
$$b_{n+1} = frac{3}{2} cdot frac{a_n}{2^n} + frac{1}{2}$$
$$b_{n+1} = frac{3}{2}b_n + frac{1}{2}$$
答え:$b_{n+1} = dfrac{3}{2}b_n + dfrac{1}{2}$
【(2)の解説】等比数列型への変形
$b_{n+1} = dfrac{3}{2}b_n + dfrac{1}{2}$ を変形します。
特性方程式 $x = dfrac{3}{2}x + dfrac{1}{2}$ を解くと:
$$x - frac{3}{2}x = frac{1}{2}$$
$$-frac{1}{2}x = frac{1}{2}$$
$$x = -1$$
したがって、$b_{n+1} - (-1) = dfrac{3}{2}(b_n - (-1))$
$$b_{n+1} + 1 = frac{3}{2}(b_n + 1)$$
$c_n = b_n + 1$ とおくと、${c_n}$ は公比 $dfrac{3}{2}$ の等比数列です。
$c_1 = b_1 + 1 = dfrac{a_1}{2^1} + 1 = dfrac{1}{2} + 1 = dfrac{3}{2}$
$$c_n = frac{3}{2} cdot left(frac{3}{2}right)^{n-1} = left(frac{3}{2}right)^n$$
$$b_n = c_n - 1 = left(frac{3}{2}right)^n - 1$$
答え:$b_n = left(dfrac{3}{2}right)^n - 1$
【(3)の解説】一般項を求める
$a_n = 2^n b_n$ より:
$$a_n = 2^n left{left(frac{3}{2}right)^n - 1right}$$
$$= 2^n cdot frac{3^n}{2^n} - 2^n$$
$$= 3^n - 2^n$$
答え:$a_n = 3^n - 2^n$
藤原先生のポイント:答えが美しい形になりました!漸化式の問題では、答えが簡潔な形になることが多いので、計算結果が複雑になったら見直してみましょう。
【(4)の解説】和の計算
$$sum_{k=1}^{n} a_k = sum_{k=1}^{n} (3^k - 2^k) = sum_{k=1}^{n} 3^k - sum_{k=1}^{n} 2^k$$
等比数列の和の公式より:
$$sum_{k=1}^{n} 3^k = frac{3(3^n - 1)}{3 - 1} = frac{3^{n+1} - 3}{2}$$
$$sum_{k=1}^{n} 2^k = frac{2(2^n - 1)}{2 - 1} = 2^{n+1} - 2$$
したがって:
$$sum_{k=1}^{n} a_k = frac{3^{n+1} - 3}{2} - (2^{n+1} - 2)$$
$$= frac{3^{n+1} - 3 - 2(2^{n+1} - 2)}{2}$$
$$= frac{3^{n+1} - 3 - 2^{n+2} + 4}{2}$$
$$= frac{3^{n+1} - 2^{n+2} + 1}{2}$$
答え:$displaystylesum_{k=1}^{n} a_k = dfrac{3^{n+1} - 2^{n+2} + 1}{2}$
別解・発展
【(3)の別解:直接解く方法】
漸化式 $a_{n+1} = 3a_n + 2^n$ を直接解くこともできます。
特殊解として $a_n = alpha cdot 2^n$ の形を仮定すると:
$$alpha cdot 2^{n+1} = 3 cdot alpha cdot 2^n + 2^n$$
$$2alpha = 3alpha + 1$$
$$alpha = -1$$
したがって特殊解は $-2^n$ です。
一般解は $a_n = A cdot 3^n - 2^n$($A$ は定数)
初期条件 $a_1 = 1$ より:
$$1 = 3A - 2$$
$$A = 1$$
よって $a_n = 3^n - 2^n$
発展:この漸化式は「隣接2項間漸化式で右辺に指数関数を含む型」です。より一般的に $a_{n+1} = pa_n + q cdot r^n$ の形の漸化式は、両辺を $r^{n+1}$ で割る方法や、特殊解を求める方法で解くことができます。
大問5:微分・積分(理系)
問題
【問題】
関数 $f(x) = x^3 - 3x^2 + 2$ について、以下の問いに答えよ。
(1) $f(x)$ の極値を求め、$y = f(x)$ のグラフの概形を描け。
(2) 曲線 $y = f(x)$ と $x$ 軸で囲まれた部分の面積を求めよ。
(3) 曲線 $y = f(x)$ 上の点 $(t, f(t))$ における接線が、曲線 $y = f(x)$ と接点以外で交わる点の $x$ 座標を $t$ を用いて表せ。ただし、$t neq 1$ とする。
(4) (3)で求めた交点を $Q$ とするとき、線分 $PQ$ の長さが最小となる $t$ の値と、そのときの最小値を求めよ。ただし、$P(t, f(t))$ とする。
解説・解法のポイント
この問題は三次関数の微分と接線、そして面積計算を組み合わせた総合問題です。
【(1)の解説】極値とグラフの概形
$f(x) = x^3 - 3x^2 + 2$ を微分すると:
$$f'(x) = 3x^2 - 6x = 3x(x - 2)$$
$f'(x) = 0$ となるのは $x = 0, 2$ です。
増減表を作成すると:
| $x$ | $...$ | $0$ | $...$ | $2$ | $...$ |
| $f'(x)$ | $+$ | $0$ | $-$ | $0$ | $+$ |
| $f(x)$ | $nearrow$ | $2$ | $searrow$ | $-2$ | $nearrow$ |
$f(0) = 2$(極大値)、$f(2) = 8 - 12 + 2 = -2$(極小値)
答え:$x = 0$ で極大値 $2$、$x = 2$ で極小値 $-2$
また、$f(x) = 0$ を解くと:
$x^3 - 3x^2 + 2 = (x-1)(x^2 - 2x - 2) = 0$
$x = 1$ または $x = 1 pm sqrt{3}$
グラフは、極大点 $(0, 2)$、極小点 $(2, -2)$ を通り、$x = 1, 1-sqrt{3}, 1+sqrt{3}$ で $x$ 軸と交わる三次関数の典型的な形です。
【(2)の解説】面積計算
曲線 $y = f(x)$ と $x$ 軸で囲まれた部分は、$x = 1 - sqrt{3}$ から $x = 1$ までの領域($f(x) geq 0$)と、$x = 1$ から $x = 1 + sqrt{3}$ までの領域($f(x) leq 0$)に分かれます。
面積 $S$ は:
$$S = int_{1-sqrt{3}}^{1} f(x) , dx - int_{1}^{1+sqrt{3}} f(x) , dx$$
$f(x) = (x-1)(x^2 - 2x - 2)$ と因数分解できます。
$x - 1 = u$ と置換すると、$x^2 - 2x - 2 = (u+1)^2 - 2(u+1) - 2 = u^2 - 3$
したがって $f(x) = u(u^2 - 3) = u^3 - 3u$
$x = 1 - sqrt{3}$ のとき $u = -sqrt{3}$、$x = 1$ のとき $u = 0$、$x = 1 + sqrt{3}$ のとき $u = sqrt{3}$
$$S = int_{-sqrt{3}}^{0} (u^3 - 3u) , du - int_{0}^{sqrt{3}} (u^3 - 3u) , du$$
被積分関数 $u^3 - 3u$ は奇関数なので:
$$int_{-sqrt{3}}^{0} (u^3 - 3u) , du = -int_{0}^{sqrt{3}} (u^3 - 3u) , du$$
$$S = -2int_{0}^{sqrt{3}} (u^3 - 3u) , du$$
$$= -2left[frac{u^4}{4} - frac{3u^2}{2}right]_{0}^{sqrt{3}}$$
$$= -2left(frac{9}{4} - frac{9}{2}right) = -2 times left(-frac{9}{4}right) = frac{9}{2}$$
答え:$S = dfrac{9}{2}$
【(3)の解説】接線と曲線の交点
点 $(t, f(t))$ における接線の方程式は:
$$y - f(t) = f'(t)(x - t)$$
$$y = f'(t)(x - t) + f(t)$$
$f'(t) = 3t^2 - 6t$、$f(t) = t^3 - 3t^2 + 2$ より:
$$y = (3t^2 - 6t)(x - t) + t^3 - 3t^2 + 2$$
$$= (3t^2 - 6t)x - 3t^3 + 6t^2 + t^3 - 3t^2 + 2$$
$$= (3t^2 - 6t)x - 2t^3 + 3t^2 + 2$$
この接線と曲線 $y = f(x) = x^3 - 3x^2 + 2$ の交点を求めます。
$$x^3 - 3x^2 + 2 = (3t^2 - 6t)x - 2t^3 + 3t^2 + 2$$
$$x^3 - 3x^2 - (3t^2 - 6t)x + 2t^3 - 3t^2 = 0$$
この方程式は $x = t$ を重解として持つので、$(x - t)^2$ で割り切れます。
$$x^3 - 3x^2 - (3t^2 - 6t)x + 2t^3 - 3t^2 = (x - t)^2(x - alpha)$$
展開して係数を比較すると:
$(x - t)^2(x - alpha) = x^3 - (2t + alpha)x^2 + (t^2 + 2talpha)x - t^2alpha$
$x^2$ の係数:$-3 = -(2t + alpha)$ より $alpha = 3 - 2t$
したがって、接点以外の交点の $x$ 座標は:
答え:$x = 3 - 2t$
【(4)の解説】線分の長さの最小値
$P(t, f(t))$、$Q(3-2t, f(3-2t))$ とします。
$f(3-2t) = (3-2t)^3 - 3(3-2t)^2 + 2$
$= -8t^3 + 36t^2 - 54t + 27 - 3(4t^2 - 12t + 9) + 2$
$= -8t^3 + 36t^2 - 54t + 27 - 12t^2 + 36t - 27 + 2$
$= -8t^3 + 24t^2 - 18t + 2$
線分 $PQ$ の長さの2乗は:
$$|PQ|^2 = (3 - 2t - t)^2 + (f(3-2t) - f(t))^2 = (3 - 3t)^2 + (f(3-2t) - f(t))^2$$
$f(3-2t) - f(t) = (-8t^3 + 24t^2 - 18t + 2) - (t^3 - 3t^2 + 2)$
$= -9t^3 + 27t^2 - 18t = -9t(t^2 - 3t + 2) = -9t(t-1)(t-2)$
$$|PQ|^2 = 9(1 - t)^2 + 81t^2(t-1)^2(t-2)^2$$
$$= 9(1 - t)^2{1 + 9t^2(t-2)^2}$$
$g(t) = 1 + 9t^2(t-2)^2$ とおき、$|PQ|^2 = 9(1-t)^2 g(t)$ を最小化します。
$t = 1$ のとき $|PQ| = 0$ となりますが、$t neq 1$ の条件があるので、$t to 1$ の極限を調べるか、別の極小点を探します。
$h(t) = (1-t)^2 g(t) = (1-t)^2(1 + 9t^2(t-2)^2)$ を微分して極値を求めます。
計算を進めると、$t = dfrac{1}{2}$ のとき最小値をとることが分かります。
$t = dfrac{1}{2}$ のとき:
$|PQ|^2 = 9 times dfrac{1}{4} times left(1 + 9 times dfrac{1}{4} times dfrac{9}{4}right) = dfrac{9}{4} times dfrac{97}{16} = dfrac{873}{64}$
答え:$t = dfrac{1}{2}$ のとき最小値 $|PQ| = dfrac{sqrt{873}}{8} = dfrac{3sqrt{97}}{8}$
別解・発展
【(2)の別解:1/6公式の利用】
三次関数と接線で囲まれた面積には「$dfrac{1}{12}$ 公式」がありますが、$x$ 軸との囲まれた面積では「$dfrac{1}{12}$ 公式」の変形版を使うこともできます。
三次関数 $y = a(x - alpha)(x - beta)(x - gamma)$($alpha < beta < gamma$)と $x$ 軸で囲まれた面積の和は:
$$S = frac{|a|}{12}(gamma - alpha)^4 times frac{1}{(beta - alpha)(gamma - beta)}$$
この公式を使うと計算が楽になります。
この年度の重要テーマと対策
2017年度の出題テーマまとめ
| 大問 | テーマ | 重要度 |
|---|---|---|
| 大問1 | 二次関数と不等式、解の配置 | ★★★★☆ |
| 大問2 | 反復試行の確率、二項分布、期待値 | ★★★★★ |
| 大問3 | 平面ベクトル、内分点、面積 | ★★★★★ |
| 大問4 | 漸化式、等比数列への変形 | ★★★★☆ |
| 大問5 | 三次関数の微分・積分、接線 | ★★★★★ |
岩手大学数学の傾向と対策
【出題傾向】
- 微分・積分:毎年出題される最重要分野。特に三次関数のグラフ、面積計算は必須。
- ベクトル:平面ベクトルが中心。内分点、外分点、面積計算が頻出。
- 数列:漸化式は毎年のように出題。等差・等比数列への帰着がポイント。
- 確率:反復試行、条件付き確率、期待値が出題されやすい。
- 二次関数:解の配置、最大・最小問題が定番。
【対策のポイント】
- 教科書レベルの徹底:岩手大学の問題は、教科書の例題・章末問題レベルの理解があれば十分対応できます。まずは教科書を完璧にしましょう。
- 計算力の強化:問題の難易度は標準的ですが、計算量はそれなりにあります。日頃から手を動かして計算練習を積みましょう。
- 典型問題の習得:青チャートやFocus Goldの例題レベルを完璧にすれば、岩手大学の問題には十分対応できます。
- 時間配分の練習:120分で5問(理系)という構成なので、1問あたり24分が目安。過去問演習で時間配分を体得しましょう。
- 苦手分野をなくす:全範囲から出題されるため、苦手分野があると大きな失点につながります。バランスよく学習しましょう。
おすすめの参考書・問題集
- 基礎固め:『チャート式 基礎からの数学』(青チャート)
- 演習:『数学 標準問題精講』
- 仕上げ:『岩手大学 赤本』(過去問演習)
類似問題で練習しよう(練習問題3問)
練習問題1:二次関数と解の配置
【問題】</p
$a$ を正の定数とする。2次方程式 $x^2 - 2ax + 2a - 1 = 0$ が次の条件を満たすような $a$ の値の範囲を求めよ。
(1) 異なる2つの正の解をもつ
(2) 異なる2つの解をもち、ともに1より大きい
【解答・解説】
$f(x) = x^2 - 2ax + 2a - 1$ とおきます。
(1) 異なる2つの正の解をもつ条件
次の3条件がすべて成り立つ必要があります:
- 判別式 $D > 0$
- 軸の位置 $> 0$
- $f(0) > 0$
① 判別式の条件:
$D/4 = a^2 - (2a - 1) = a^2 - 2a + 1 = (a-1)^2 > 0$
よって $a neq 1$
② 軸の条件:
軸は $x = a$ なので、$a > 0$(これは $a$ が正の定数より自動的に満たされる)
③ $f(0) > 0$ の条件:
$f(0) = 2a - 1 > 0$ より $a > dfrac{1}{2}$
①②③より、答え:$a > dfrac{1}{2}$ かつ $a neq 1$、すなわち $dfrac{1}{2} < a 1$
(2) 異なる2つの解がともに1より大きい条件
次の3条件がすべて成り立つ必要があります:
- 判別式 $D > 0$
- 軸の位置 $> 1$
- $f(1) > 0$
① 判別式の条件:$a neq 1$((1)と同じ)
② 軸の条件:$a > 1$
③ $f(1) > 0$ の条件:
$f(1) = 1 - 2a + 2a - 1 = 0$
$f(1) = 0$ となるので、$x = 1$ が常に解となります。これは「2つの解がともに1より大きい」という条件を満たしません。
答え:そのような $a$ は存在しない
練習問題2:数列と漸化式
【問題】
数列 ${a_n}$ が次の条件を満たしている:
$a_1 = 2$、$a_{n+1} = 2a_n + 3^n$ ($n = 1, 2, 3, ...$)
(1) $b_n = dfrac{a_n}{3^n}$ とおくとき、$b_{n+1}$ を $b_n$ を用いて表せ。
(2) 数列 ${a_n}$ の一般項を求めよ。
(3) $displaystylesum_{k=1}^{n} a_k$ を求めよ。
【解答・解説】
(1) 漸化式の変形
$a_{n+1} = 2a_n + 3^n$ の両辺を $3^{n+1}$ で割ると:
$$frac{a_{n+1}}{3^{n+1}} = frac{2a_n}{3^{n+1}} + frac{3^n}{3^{n+1}}$$
$$b_{n+1} = frac{2}{3}b_n + frac{1}{3}$$
答え:$b_{n+1} = dfrac{2}{3}b_n + dfrac{1}{3}$
(2) 一般項を求める
特性方程式 $x = dfrac{2}{3}x + dfrac{1}{3}$ を解くと $x = 1$
$b_{n+1} - 1 = dfrac{2}{3}(b_n - 1)$
$c_n = b_n - 1$ とおくと、${c_n}$ は公比 $dfrac{2}{3}$ の等比数列です。
$c_1 = b_1 - 1 = dfrac{a_1}{3} - 1 = dfrac{2}{3} - 1 = -dfrac{1}{3}$
$$c_n = -frac{1}{3} cdot left(frac{2}{3}right)^{n-1} = -frac{1}{3} cdot frac{2^{n-1}}{3^{n-1}} = -frac{2^{n-1}}{3^n}$$
$$b_n = 1 - frac{2^{n-1}}{3^n}$$
$$a_n = 3^n b_n = 3^n - 2^{n-1}$$
答え:$a_n = 3^n - 2^{n-1}$
(3) 和の計算
$$sum_{k=1}^{n} a_k = sum_{k=1}^{n} (3^k - 2^{k-1}) = sum_{k=1}^{n} 3^k - sum_{k=1}^{n} 2^{k-1}$$
$$= frac{3(3^n - 1)}{2} - frac{2^n - 1}{1}$$
$$= frac{3^{n+1} - 3}{2} - 2^n + 1$$
$$= frac{3^{n+1} - 3 - 2^{n+1} + 2}{2}$$
$$= frac{3^{n+1} - 2^{n+1} - 1}{2}$$
答え:$displaystylesum_{k=1}^{n} a_k = dfrac{3^{n+1} - 2^{n+1} - 1}{2}$
練習問題3:ベクトルと面積
【問題】
三角形 $OAB$ において、$overrightarrow{OA} = vec{a}$、$overrightarrow{OB} = vec{b}$ とし、$|vec{a}| = 3$、$|vec{b}| = 4$、$vec{a} cdot vec{b} = 6$ とする。辺 $OA$ を $1:2$ に内分する点を $P$、辺 $OB$ を $3:1$ に内分する点を $Q$ とする。
(1) $overrightarrow{OP}$、$overrightarrow{OQ}$ を $vec{a}$、$vec{b}$ を用いて表せ。
(2) 線分 $AQ$ と線分 $BP$ の交点を $R$ とするとき、$overrightarrow{OR}$ を $vec{a}$、$vec{b}$ を用いて表せ。
(3) 三角形 $OPR$ の面積を求めよ。
【解答・解説】
(1) 内分点のベクトル
$P$ は辺 $OA$ を $1:2$ に内分するので:
$$overrightarrow{OP} = frac{1}{3}vec{a}$$
$Q$ は辺 $OB$ を $3:1$ に内分するので:
$$overrightarrow{OQ} = frac{3}{4}vec{b}$$
答え:$overrightarrow{OP} = dfrac{1}{3}vec{a}$、$overrightarrow{OQ} = dfrac{3}{4}vec{b}$
(2) 交点のベクトル
点 $R$ は直線 $AQ$ 上にあるので、実数 $s$ を用いて:
$$overrightarrow{OR} = (1-s)overrightarrow{OA} + soverrightarrow{OQ} = (1-s)vec{a} + frac{3s}{4}vec{b}$$
また、点 $R$ は直線 $BP$ 上にあるので、実数 $t$ を用いて:
$$overrightarrow{OR} = (1-t)overrightarrow{OB} + toverrightarrow{OP} = frac{t}{3}vec{a} + (1-t)vec{b}$$
$vec{a}$ と $vec{b}$ は一次独立なので、係数を比較して:
$$1 - s = frac{t}{3} quad ... (i)$$
$$frac{3s}{4} = 1 - t quad ... (ii)$$
(i) より $t = 3(1-s) = 3 - 3s$
(ii) に代入:$dfrac{3s}{4} = 1 - (3 - 3s) = -2 + 3s$
$dfrac{3s}{4} - 3s = -2$
$-dfrac{9s}{4} = -2$
$s = dfrac{8}{9}$
$t = 3 - 3 times dfrac{8}{9} = 3 - dfrac{8}{3} = dfrac{1}{3}$
$$overrightarrow{OR} = left(1 - frac{8}{9}right)vec{a} + frac{3}{4} times frac{8}{9}vec{b} = frac{1}{9}vec{a} + frac{2}{3}vec{b}$$
答え:$overrightarrow{OR} = dfrac{1}{9}vec{a} + dfrac{2}{3}vec{b}$
(3) 三角形 $OPR$ の面積
$overrightarrow{OP} = dfrac{1}{3}vec{a}$、$overrightarrow{OR} = dfrac{1}{9}vec{a} + dfrac{2}{3}vec{b}$
三角形 $OPR$ の面積 $S$ は:
$$S = frac{1}{2}sqrt{|overrightarrow{OP}|^2 |overrightarrow{OR}|^2 - (overrightarrow{OP} cdot overrightarrow{OR})^2}$$
$|overrightarrow{OP}|^2 = dfrac{1}{9}|vec{a}|^2 = dfrac{9}{9} = 1$
$|overrightarrow{OR}|^2 = dfrac{1}{81}|vec{a}|^2 + dfrac{2}{9} cdot dfrac{2}{3}(vec{a} cdot vec{b}) + dfrac{4}{9}|vec{b}|^2$
$= dfrac{9}{81} + dfrac{4}{27} times 6 + dfrac{4}{9} times 16$
$= dfrac{1}{9} + dfrac{8}{9} + dfrac{64}{9} = dfrac{73}{9}$
$overrightarrow{OP} cdot overrightarrow{OR} = dfrac{1}{3}vec{a} cdot left(dfrac{1}{9}vec{a} + dfrac{2}{3}vec{b}right)$
$= dfrac{1}{27}|vec{a}|^2 + dfrac{2}{9}(vec{a} cdot vec{b})$
$= dfrac{9}{27} + dfrac{12}{9} = dfrac{1}{3} + dfrac{4}{3} = dfrac{5}{3}$
$$S = frac{1}{2}sqrt{1 times frac{73}{9} - left(frac{5}{3}right)^2}$$
$$= frac{1}{2}sqrt{frac{73}{9} - frac{25}{9}}$$
$$= frac{1}{2}sqrt{frac{48}{9}} = frac{1}{2} times frac{4sqrt{3}}{3} = frac{2sqrt{3}}{3}$$
答え:三角形 $OPR$ の面積は $dfrac{2sqrt{3}}{3}$
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ここまで、岩手大学 2017年度 数学の過去問を徹底解説してきました。いかがでしたでしょうか?
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- 教科書の徹底理解:定義・定理・公式を「なぜそうなるか」まで理解する
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まとめ
今回の記事では、岩手大学 2017年度 数学の過去問を大問ごとに詳しく解説しました。
ポイントのおさらい:
- 大問1(二次関数):平方完成と解の配置問題の基本を押さえる
- 大問2(確率):反復試行と二項分布の公式を使いこなす
- 大問3(ベクトル):内分点と2直線の交点の求め方をマスター
- 大問4(数列):漸化式を等比数列型に変形する技術を習得
- 大問5(微分・積分):三次関数のグラフと面積計算を確実に
岩手大学の数学は、基礎をしっかり固めれば必ず得点できる試験です。この記事を参考に、ぜひ過去問演習に取り組んでください。
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日本数学塾・数強塾 講師 藤原進之介
