受講生へ「自分の山を作る」ということ | 藤原進之介

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塾長からの手紙

2026年5月21日

「自分の山を作る」ということ

受験勉強をしていると、何度も自分に失望する瞬間があります。「こんな問題も解けないのか」「前に勉強したはずなのに、なぜ忘れているのか」「周りは前に進んでいるのに、自分だけが取り残されているのではないか」——努力する時間は孤独です。

しかし、受験勉強とは、単なる「やり直し」ではなく、自分の人生をもう一度、自分の手に取り戻す時間、といえるかもしれません。本当の意味での受験勉強とは、過去の自分と向き合い、逃げてきたものを見つめ直し、自分の中で泣き叫んでいる弱い自分(インナーチャイルド)を救いに行く作業でもあります。

私は、もともと算数が好きでした。中学受験の頃、算数は得意科目でした。ところが、中学になり先取りカリキュラムの中で、丸暗記で乗り切っている部分もあり、気づいたときには、解法暗記で乗り切ろうとするタイプの受験生になっていました。かつて楽しかったはずの算数が、いつの間にか苦しい数学に変わっていた。

私は高校2年生になってようやく、ゼロから数学を勉強し直しました。算数のレベルまで戻って、もう一度、数の意味から考え直しました。そこで初めてわかったのです。昔のつまずきに戻り、理解を深めることは、インナーチャイルドを救うことであり、自分の人生を取り戻すことにつながると。この経験が、大学1年生の頃に数学専門塾を立ち上げた原点になりました。

「『世間が作り出した虚構の山を登る』のではなく、『自分だけの山を作り自分だけの山を登る』ことを意識することが、君の人生の始まりになるかもしれません。自分が心から愛せる山を作りましょう。自分の過去が救われ、いつか誰かの暮らしを照らせる山なら、これ以上ないほど幸せなことではないですか。」

ドイツの哲学者ハイデガーは、人間はふだん「世間ではこうするものだ」という空気に流されて生きていると考えました。「この大学なら恥ずかしくない」「この職業なら親に認められる」——これは「非本来的な生き方」です。

対して、「本来的に生きる」とは、自分の死、自分の有限性、自分の選択を引き受けて、自分自身の可能性として生きることです。受験生活は、この転換が起こりうる時間です。孤独の中に成長があり、孤高があります。

どんなに友達が多くても、恋人がいても、本気で戦うときは必ず孤独です。その孤独な苦労の中で、初めて見えてくる孤高があります。自信をもって、胸を張って日々の勉強に臨んでください。

藤原 進之介

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📚 著者:藤原進之介 について

ナツメ社・KADOKAWA・Gakken・文英堂・旺文社など大手出版社から9冊の参考書・問題集を出版する数学・情報I界のトップ講師。東大・京大・難関医学部への合格実績多数。

📖 著書9冊(大手5社以上)
🎓 東大・京大・医学部 合格実績
💻 全国オンライン対応

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