和歌山大学 2010年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!
和歌山大学 2010年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!
こんにちは!数強塾の藤原進之介です。今回は、和歌山大学2010年度の数学入試をしっかり解説していきます。
この記事を読むと、三角関数・対数・確率・ベクトルの標準問題を、解法の本質から理解できるようになります。和歌山大学の問題は「基礎を正確に身につけているかを問う」タイプ。ここで確実に点を取るために、一緒に攻略していきましょう!
和歌山大学の数学ってどんな試験?
試験形式と難易度
和歌山大学の数学は、全学部共通問題と学部別問題で構成されています。2010年度では:
- 大問数:6問(教育学部・経済学部・観光学部は問題1~4、システム工学部は問題1~3,5~6)
- 制限時間:通常90分
- 難易度:標準レベル。基礎的な計算力があれば対応可能
なぜ標準レベルなのか
料理で例えるなら、難関大学の問題は「新しい調理法を組み合わせる創作料理」ですが、和歌山大学は「基本的な調理技法を確実に使いこなせるか」という出題です。つまり:
- ✅ 三角関数の合成が確実にできるか
- ✅ 対数の性質を正しく使えるか
- ✅ 確率計算で場合を漏れなく数えられるか
- ✅ ベクトルの内積を使った垂直条件が理解できるか
こうした「教科書に載っているスタンダードな解法」を丁寧に実行することが、合格へのカギになります。
2010年度 全問題と解説
大問1:三角関数と対数
【問題文】
(1) $-\pi \leq x < \pi$ とする。さらに $x$ が $\cos x - \cos 2x \geq 0$ を満たすとき、$\sin x + \sqrt{3} \cos x$ のとりうる値の範囲を求めよ。
(2) $x$ が $\log_2 x + \log_2(6-x) \geq 0$ を満たすとき、$\log_3(1+x) + \log_3(7-x)$ のとりうる値の範囲を求めよ。
【解法ポイント】
(1)では三角関数の合成公式を使う
- ステップ①:不等式 $\cos x - \cos 2x \geq 0$ から $x$ の範囲を決める
- ステップ②:$\sin x + \sqrt{3}\cos x = 2\sin(x + \frac{\pi}{3})$ に変形する
- ステップ③:$x$ の範囲から $x + \frac{\pi}{3}$ の範囲を求め、$\sin(x + \frac{\pi}{3})$ の最大・最小を読む
(2)では対数の性質と関数の極値を利用
- ステップ①:真数条件と対数の不等式から $x$ の範囲を求める
- ステップ②:対数を1つの関数に統合する
- ステップ③:その関数の増減表を作成して最大・最小を求める
【解説】
大問1(1)の詳細解説
まず不等式を整理します。
$\cos 2x = 2\cos^2 x - 1$ を代入すると:
$$\cos x - (2\cos^2 x - 1) \geq 0$$
$$-2\cos^2 x + \cos x + 1 \geq 0$$
$$2\cos^2 x - \cos x - 1 \leq 0$$
これは $\cos x$ についての二次不等式です。因数分解すると:
この積が負または0になるのは:
$-\pi \leq x < \pi$ の範囲で、この条件を満たす $x$ を求めると:
次に、この範囲で $\sin x + \sqrt{3}\cos x$ の最大・最小を求めます。三角関数の合成公式を使いましょう:
$-\frac{2\pi}{3} \leq x \leq \frac{2\pi}{3}$ のとき:
この範囲で $\sin(x + \frac{\pi}{3})$ の最大値は $1$($x + \frac{\pi}{3} = \frac{\pi}{2}$ のとき)、最小値は $\sin(-\frac{\pi}{3}) = -\frac{\sqrt{3}}{2}$(端点で達成)です。
したがって:
🧑 生徒:「三角関数の合成がどうしてこの形になるんですか?」
👨🏫 藤原先生:「いい質問だね!$\sin x + \sqrt{3}\cos x$ を $R\sin(x+\alpha)$ の形に直すんだ。係数を比較すると、$R\cos\alpha = 1$、$R\sin\alpha = \sqrt{3}$ になるから、$R^2 = 1 + 3 = 4$ で $R = 2$ だね。そして $\tan\alpha = \sqrt{3}$ だから $\alpha = \frac{\pi}{3}$ だ。分解した材料を正しく組み合わせる、みたいなイメージだよ。」
大問1(2)の詳細解説
真数条件:$x > 0$ かつ $6 - x > 0$ より $0 < x < 6$
不等式 $\log_2 x + \log_2(6-x) \geq 0$ を整理すると:
$$\log_2 x(6-x) \geq 0$$
$$x(6-x) \geq 1$$
$$-x^2 + 6x - 1 \geq 0$$
$$x^2 - 6x + 1 \leq 0$$
判別式から:$x = \frac{6 \pm \sqrt{36-4}}{2} = 3 \pm 2\sqrt{2}$
따라서:
このとき $\log_3(1+x) + \log_3(7-x)$ を求めます。
$$\log_3(1+x) + \log_3(7-x) = \log_3[(1+x)(7-x)]$$
$$= \log_3[-x^2 + 6x + 7]$$
$f(x) = -x^2 + 6x + 7$ とおき、増減表を作ります:
$x = 3$ は定義域の中点なので、$f(3) = -9 + 18 + 7 = 16$(最大値)
端点では:$f(3 - 2\sqrt{2}) = -(3-2\sqrt{2})^2 + 6(3-2\sqrt{2}) + 7 = 8$
したがって:$8 \leq -x^2 + 6x + 7 \leq 16$
(注:$\log_3 8 = \log_3 2^3 = 3\log_3 2 \approx 1.89$と見えますが、実際には $\log_3 8$ の正確な値は使わず、計算を進めると $\log_3 8 = \log_3(2^3)$ で、整数で答える場合は最終調整が必要です。正答は $3 \leq \log_3(...) \leq 4$ です)
大問2:確率と期待値
【問題文】
xy平面上を原点(0,0)から出発して動く点Pがある。1個のさいころを投げ、1,2のいずれかの目が出れば点Pをx軸の正の方向に1動かし、3,4,5,6のいずれかの目が出れば点Pをy軸の正の方向に1動かす。これを点Pのx座標、y座標のいずれか一方が3になるまでくり返すことを操作Aとする。このとき、次の問いに答えよ。
(1) 操作Aによって点Pが(3,0)、(3,1)、(3,2)に到達する経路は、それぞれ何通りあるか。
(2) 操作Aによって点Pのx座標が3になる確率を求めよ。
(3) 操作Aによって点Pが動く経路の長さの期待値を求めよ。
【解法ポイント】
組み合わせ問題:経路数を数える
- $(3,0)$:x方向に3回、y方向に0回 → 1通り
- $(3,1)$:(2,1)に到達するルートが $\binom{3}{1} = 3$ 通り、その後x方向に1回
- $(3,2)$:(2,2)に到達するルートが $\binom{4}{2} = 6$ 通り、その後x方向に1回
確率計算:各ルートの確率を足す
- x方向の確率:$P(\text{x}) = \frac{2}{6} = \frac{1}{3}$
- y方向の確率:$P(\text{y}) = \frac{4}{6} = \frac{2}{3}$
【解説】
大問2(1)
操作Aは「x座標または y座標のいずれかが3になるまで」動く操作です。
点(3,0)に到達する経路:x方向に3回連続で動く
$$\Rightarrow \boxed{1\text{通り}}$$
点(3,1)に到達する経路:(2,1)に到達してから、x方向に1回動く
(2,1)に到達するには、4回の試行のうち x方向に2回、y方向に2回動く:
$$\binom{4}{2} = 6\text{通り}$$
待てよ、問題をもう一度読むと「y座標が3になるまで」です。つまり(3,1)に到達するには(2,1)に到達してからx方向に1回です。
(2,1)までは「x方向に2回、y方向に1回」の3試行:
$$\binom{3}{2} = 3\text{通り}$$
その後x方向に1回で(3,1)に到達。
点(3,2)に到達する経路:(2,2)に到達してからx方向に1回
(2,2)までは「x方向に2回、y方向に2回」の4試行:
$$\binom{4}{2} = 6\text{通り}}$$
大問2(2)
さいころを1回投げたとき:
- x方向:1,2が出る確率 = $\frac{2}{6} = \frac{1}{3}$
- y方向:3,4,5,6が出る確率 = $\frac{4}{6} = \frac{2}{3}$
🧑 生徒:「各経路に到達する確率をどうやって計算するんですか?」
👨🏫 藤原先生:「独立試行の確率だね。例えば(3,0)に到達するには、3回すべてx方向に動く必要があるから、確率は $\left(\frac{1}{3}\right)^3 = \frac{1}{27}$ だ。(3,1)に到達するには、(2,1)に到達する確率に、そこからx方向に1回動く確率を
👨🏫 この記事を書いた人:藤原進之介
**藤原進之介**(数強塾グループ代表)
Gakken・KADOKAWA・ナツメ社・文英堂・旺文社など**大手出版社5社から計9冊**の参考書を刊行している数学・情報Iの専門家。全国の中高生・受験生に向けて、わかりやすく・楽しく・本質的な数学指導を行っています。
**主要著書:**
- 『オールカラー 高校の数学を身近な例からもういちど学びなおす』(ナツメ社)
- 『きめる! 共通テスト情報I』(Gakken)
- 『ライバルに差をつける 情報 I 鉄板の100 題』(KADOKAWA)
- 『共通テスト パターンドリル 情報Ⅰ』(文英堂)
- 『資格試験ムビスタ 藤原のたった9時間でITパスポート 令和8年度版(2026年)』(Gakken)
- 『大学JUKEN新書 共通テスト 7日で完成 情報Ⅰ』(旺文社)
- 『藤原のたった9時間で情報I』(Gakken)
- 『藤原進之介の 情報I プログラミング・データの活用が面白いほどわかる本』(KADOKAWA)
- 『藤原進之介の ゼロから始める情報I』(KADOKAWA)
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