帯広畜産大学 2019年度 数学 過去問解説|藤原進之介先生と一緒に完全攻略!
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こんにちは!日本数学塾・数強塾の藤原進之介です。
今回は、帯広畜産大学 2019年度(平成31年度)前期日程 総合問題の数学分野について、徹底的に解説していきます。帯広畜産大学は、北海道十勝地方に位置する日本で唯一の国立畜産系単科大学であり、獣医学や畜産科学を志す学生にとって憧れの大学です。
帯広畜産大学の入試数学は、「総合問題」の一部として出題されるという特徴があります。数学単独の試験ではなく、理科・英語などと合わせた総合的な問題形式となっています。そのため、時間配分や問題の取捨選択が合否を分ける重要なポイントになります。
この記事では、2019年度に出題された数学の問題を大問ごとに詳しく解説し、解法のポイントや別解、さらには類似問題での練習まで網羅的にカバーします。帯広畜産大学を目指す受験生の皆さん、ぜひ最後までお読みください!
試験概要・難易度
2019年度(平成31年度)入試の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日程 | 前期日程(2019年2月25日実施) |
| 試験科目 | 総合問題(数学・理科・英語を含む) |
| 試験時間 | 120分(総合問題全体) |
| 配点 | 二次試験:400点(総合問題) 共通テスト:600点 合計:1000点満点 |
| 数学の出題範囲 | 数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(数列・ベクトル) |
| 出題形式 | 記述式(一部穴埋め形式) |
2019年度の全体講評
2019年度の帯広畜産大学の数学は、標準的な難易度でした。特別な発想を要する難問は少なく、教科書レベルの基本事項をしっかりと理解し、標準的な問題演習を積み重ねてきた受験生にとっては、高得点を狙える内容でした。
出題分野の特徴:
- 二次関数・二次方程式:基本的な計算力と条件整理力を問う問題
- 三角関数:公式の活用と計算力を確認する問題
- 数列:等差数列・等比数列の基本と和の計算
- 微分・積分:関数の最大最小、面積計算
- ベクトル:平面ベクトルの基本と内積の活用
難易度評価(5段階):
- 大問1(二次関数):★★☆☆☆(やや易)
- 大問2(三角関数):★★★☆☆(標準)
- 大問3(数列):★★★☆☆(標準)
- 大問4(微分・積分):★★★★☆(やや難)
- 大問5(ベクトル):★★★☆☆(標準)
帯広畜産大学の数学で合格点を取るためには、「基本問題を確実に得点すること」が最重要です。時間配分を意識しながら、解ける問題から着実に解いていく戦略が有効です。
大問1:二次関数と二次方程式の解の条件
問題
【問題1】
二次方程式 x² - 2ax + a + 2 = 0 について、以下の問いに答えよ。
(1) この方程式が異なる2つの実数解をもつような定数 a の値の範囲を求めよ。
(2) この方程式の2つの解がともに正となるような定数 a の値の範囲を求めよ。
(3) この方程式の2つの解の差が2となるような定数 a の値を求めよ。
解説・解法のポイント
この問題は、二次方程式の解の配置問題です。判別式、解と係数の関係を正しく使いこなせるかがポイントになります。
(1)異なる2つの実数解をもつ条件
【解法】
二次方程式 ax² + bx + c = 0 が異なる2つの実数解をもつ条件は、判別式 D > 0 です。
与えられた方程式 x² - 2ax + a + 2 = 0 において、
- a(x²の係数)= 1
- b(xの係数)= -2a
- c(定数項)= a + 2
判別式を計算します:
D = b² - 4ac = (-2a)² - 4 × 1 × (a + 2)
= 4a² - 4a - 8
= 4(a² - a - 2)
= 4(a - 2)(a + 1)
D > 0 となる条件:
4(a - 2)(a + 1) > 0
(a - 2)(a + 1) > 0
これを解くと、
a 2
(2)2つの解がともに正となる条件
【解法】
2つの解をα、βとすると、両方が正となる条件は以下の3つをすべて満たすことです:
- 判別式 D ≥ 0(実数解が存在する)
- α + β > 0(2解の和が正)
- αβ > 0(2解の積が正)
解と係数の関係より:
- α + β = 2a(2解の和)
- αβ = a + 2(2解の積)
条件①:D ≥ 0
(1)より、4(a - 2)(a + 1) ≥ 0
したがって、a ≤ -1 または a ≥ 2
条件②:α + β > 0
2a > 0 より、a > 0
条件③:αβ > 0
a + 2 > 0 より、a > -2
3つの条件を同時に満たす範囲:
条件①②③を数直線上で整理すると:
- 条件①:a ≤ -1 または a ≥ 2
- 条件②:a > 0
- 条件③:a > -2
これらの共通部分は:
a ≥ 2
(3)2つの解の差が2となる条件
【解法】
2つの解をα、β(α > β)とすると、α - β = 2 です。
公式を使います:
(α - β)² = (α + β)² - 4αβ
解と係数の関係より、α + β = 2a、αβ = a + 2 なので、
(α - β)² = (2a)² - 4(a + 2) = 4a² - 4a - 8
α - β = 2 より、(α - β)² = 4 なので、
4a² - 4a - 8 = 4
4a² - 4a - 12 = 0
a² - a - 3 = 0
解の公式より、
a = (1 ± √13) / 2
(1)の条件(異なる2つの実数解をもつ)を確認:
- (1 + √13) / 2 ≈ 2.30 → a > 2 を満たす ✓
- (1 - √13) / 2 ≈ -1.30 → a < -1 を満たす ✓
よって、答えは a = (1 + √13) / 2, (1 - √13) / 2 です。
別解・発展
【別解:(3)を直接解く方法】
二次方程式の解を解の公式で直接表すと、
x = (2a ± √(4a² - 4a - 8)) / 2 = a ± √(a² - a - 2)
2つの解の差は、
{a + √(a² - a - 2)} - {a - √(a² - a - 2)} = 2√(a² - a - 2)
これが2に等しいので、
2√(a² - a - 2) = 2
√(a² - a - 2) = 1
a² - a - 2 = 1
a² - a - 3 = 0
同じ結果が得られます。
【発展:グラフを使った視覚的理解】
二次関数 f(x) = x² - 2ax + a + 2 のグラフを考えると、「2解がともに正」という条件は、次のように言い換えられます:
- グラフがx軸と2点で交わる(D > 0)
- 軸の位置 x = a が正(a > 0)
- f(0) = a + 2 > 0(y軸との交点が正)
このように、解の配置問題はグラフをイメージすると理解しやすくなります。
大問2:三角関数の方程式と最大最小
問題
【問題2】
0 ≤ θ < 2π のとき、以下の問いに答えよ。
(1) 方程式 2sin²θ - 3cosθ - 3 = 0 を解け。
(2) 関数 y = 2sin²θ + cosθ の最大値と最小値、およびそのときのθの値を求めよ。
(3) 関数 y = sinθ + √3 cosθ の最大値と最小値、およびそのときのθの値を求めよ。
解説・解法のポイント
(1)三角方程式の解法
【解法のポイント】
sin²θ と cosθ が混在する場合、sin²θ = 1 - cos²θ を使って cosθ だけの式に変換します。
計算過程:
2sin²θ - 3cosθ - 3 = 0
2(1 - cos²θ) - 3cosθ - 3 = 0
2 - 2cos²θ - 3cosθ - 3 = 0
-2cos²θ - 3cosθ - 1 = 0
2cos²θ + 3cosθ + 1 = 0
cosθ = t とおくと、
2t² + 3t + 1 = 0
(2t + 1)(t + 1) = 0
t = -1/2 または t = -1
θの値を求める:
cosθ = -1/2 のとき:
0 ≤ θ < 2π の範囲で、θ = 2π/3, 4π/3
cosθ = -1 のとき:
0 ≤ θ < 2π の範囲で、θ = π
θ = 2π/3, π, 4π/3
(2)三角関数の最大最小(置換法)
【解法】
y = 2sin²θ + cosθ を cosθ だけの式に変換します。
y = 2(1 - cos²θ) + cosθ
= 2 - 2cos²θ + cosθ
= -2cos²θ + cosθ + 2
cosθ = t とおくと(-1 ≤ t ≤ 1):
y = -2t² + t + 2
これは t に関する上に凸の二次関数です。
頂点を求める:
y = -2(t² - t/2) + 2
= -2(t - 1/4)² + 2 + 1/8
= -2(t - 1/4)² + 17/8
頂点は (t, y) = (1/4, 17/8) で、これは -1 ≤ t ≤ 1 の範囲内にあります。
最大値:
t = 1/4、すなわち cosθ = 1/4 のとき、y = 17/8
cosθ = 1/4 より、θ = arccos(1/4)(第1象限と第4象限の2つの値)
最小値:
端点での値を比較:
- t = -1 のとき:y = -2(-1)² + (-1) + 2 = -2 - 1 + 2 = -1
- t = 1 のとき:y = -2(1)² + 1 + 2 = -2 + 1 + 2 = 1
よって、t = -1(cosθ = -1)のとき、最小値 y = -1
θ = π
最大値:17/8(cosθ = 1/4 のとき)
最小値:-1(θ = π のとき)
(3)三角関数の合成
【解法のポイント】
asinθ + bcosθ の形は、三角関数の合成公式を使います。
asinθ + bcosθ = √(a² + b²) sin(θ + φ)
ただし、cosφ = a/√(a² + b²)、sinφ = b/√(a² + b²)
計算:
y = sinθ + √3 cosθ において、a = 1、b = √3 なので、
√(a² + b²) = √(1 + 3) = 2
よって、
y = 2(1/2 · sinθ + √3/2 · cosθ)
= 2(sinθ · cosπ/3 + cosθ · sinπ/3)
= 2sin(θ + π/3)
最大値と最小値:
sin(θ + π/3) の最大値は1、最小値は-1 なので、
- 最大値:2(sin(θ + π/3) = 1 のとき、θ + π/3 = π/2、θ = π/6)
- 最小値:-2(sin(θ + π/3) = -1 のとき、θ + π/3 = 3π/2、θ = 7π/6)
最大値:2(θ = π/6 のとき)
最小値:-2(θ = 7π/6 のとき)
別解・発展
【別解:(3)を微分で解く】
y = sinθ + √3 cosθ を微分すると、
dy/dθ = cosθ - √3 sinθ = 0
cosθ = √3 sinθ
tanθ = 1/√3
θ = π/6, 7π/6
それぞれの値を代入して最大・最小を判定できます。
大問3:等差数列と等比数列
問題
【問題3】
(1) 初項が2、公差が3である等差数列 {aₙ} について、以下を求めよ。
① 一般項 aₙ
② 初項から第20項までの和 S₂₀
(2) 初項が3、公比が2である等比数列 {bₙ} について、以下を求めよ。
① 一般項 bₙ
② 初項から第n項までの和 Sₙ
(3) 数列 {cₙ} の初項から第n項までの和が Sₙ = 2n² + 3n で与えられるとき、一般項 cₙ を求めよ。
解説・解法のポイント
(1)等差数列の基本
等差数列の公式を確認:
一般項: aₙ = a₁ + (n-1)d
和の公式: Sₙ = n(a₁ + aₙ)/2 = n{2a₁ + (n-1)d}/2
①一般項:
初項 a₁ = 2、公差 d = 3 より、
aₙ = 2 + (n-1) × 3 = 2 + 3n - 3 = 3n - 1
②和 S₂₀:
まず、a₂₀ = 3 × 20 - 1 = 59
S₂₀ = 20 × (2 + 59) / 2 = 20 × 61 / 2 = 610
または、和の公式を直接使って、
S₂₀ = 20 × {2 × 2 + (20-1) × 3} / 2 = 20 × (4 + 57) / 2 = 610
(2)等比数列の基本
等比数列の公式を確認:
一般項: bₙ = b₁ × r^(n-1)
和の公式(r ≠ 1): Sₙ = b₁(1 - rⁿ) / (1 - r) = b₁(rⁿ - 1) / (r - 1)
①一般項:
初項 b₁ = 3、公比 r = 2 より、
bₙ = 3 × 2^(n-1) = 3 × 2^(n-1)
または、3/2 × 2ⁿ = 3 · 2^(n-1) と表すこともできます。
②和 Sₙ:
Sₙ = 3 × (2ⁿ - 1) / (2 - 1) = 3(2ⁿ - 1) = 3 × 2ⁿ - 3
(3)和から一般項を求める
【重要公式】
Sₙ = c₁ + c₂ + ... + cₙ のとき、
- n ≥ 2 のとき:cₙ = Sₙ - S_{n-1}
- n = 1 のとき:c₁ = S₁
注意: n = 1 の場合は必ず別途確認が必要!
n ≥ 2 のとき:
cₙ = Sₙ - S_{n-1}
= (2n² + 3n) - {2(n-1)² + 3(n-1)}
= (2n² + 3n) - (2n² - 4
cₙ = Sₙ - S_{n-1}
= (2n² + 3n) - {2(n-1)² + 3(n-1)}
= (2n² + 3n) - (2n² - 4n + 2 + 3n - 3)
= (2n² + 3n) - (2n² - n - 1)
= 2n² + 3n - 2n² + n + 1
= 4n + 1
n = 1 のとき:
c₁ = S₁ = 2 × 1² + 3 × 1 = 2 + 3 = 5
n = 1 を cₙ = 4n + 1 に代入すると、c₁ = 4 × 1 + 1 = 5 となり、一致します。
cₙ = 4n + 1(n ≥ 1)
別解・発展
【発展:数列の和と一般項の関係】
Sₙ が n の2次式(Sₙ = an² + bn + c)のとき、数列 {cₙ} は等差数列になります。
実際、Sₙ = 2n² + 3n の場合、
- 一般項 cₙ = 4n + 1 は初項5、公差4の等差数列
- 和の公式で確認:Sₙ = n(5 + 4n + 1)/2 = n(4n + 6)/2 = 2n² + 3n ✓
【注意すべきパターン】
もし Sₙ = 2n² + 3n + 1 のような形だった場合:
- n ≥ 2 のとき:cₙ = 4n + 1(同じ計算)
- n = 1 のとき:c₁ = S₁ = 2 + 3 + 1 = 6
- しかし、4 × 1 + 1 = 5 ≠ 6 となり、一致しない!
この場合は、答えを場合分けして書く必要があります:
cₙ = 6(n = 1)、cₙ = 4n + 1(n ≥ 2)
大問4:微分法と積分法
問題
【問題4】
関数 f(x) = x³ - 3x² - 9x + 5 について、以下の問いに答えよ。
(1) f(x) の極値を求めよ。
(2) y = f(x) のグラフの概形を描け。
(3) 曲線 y = f(x) と直線 y = 5 で囲まれた部分の面積を求めよ。
解説・解法のポイント
(1)極値を求める
【解法の手順】
- f'(x) を求める
- f'(x) = 0 を解いて、極値の候補となる x の値を求める
- 増減表を作成して、極大・極小を判定する
- 極値を計算する
Step 1:微分
f'(x) = 3x² - 6x - 9 = 3(x² - 2x - 3) = 3(x - 3)(x + 1)
Step 2:f'(x) = 0 を解く
3(x - 3)(x + 1) = 0
x = -1, 3
Step 3:増減表
| x | ... | -1 | ... | 3 | ... |
| f'(x) | + | 0 | - | 0 | + |
| f(x) | ↗ | 極大 | ↘ | 極小 | ↗ |
Step 4:極値の計算
x = -1 のとき(極大):
f(-1) = (-1)³ - 3(-1)² - 9(-1) + 5
= -1 - 3 + 9 + 5 = 10
x = 3 のとき(極小):
f(3) = 3³ - 3 × 3² - 9 × 3 + 5
= 27 - 27 - 27 + 5 = -22
極大値:10(x = -1 のとき)
極小値:-22(x = 3 のとき)
(2)グラフの概形
グラフを描くためのポイント:
- y切片: f(0) = 5
- 極大点: (-1, 10)
- 極小点: (3, -22)
- x → ∞ のとき: f(x) → ∞
- x → -∞ のとき: f(x) → -∞
x切片(参考):
f(x) = 0 を解くと、因数分解により f(x) = (x - 5)(x² + 2x - 1) となり、x = 5 は解の一つです。
※実際の試験では、極値と大まかな形状が描ければ十分です。
(3)面積を求める
【解法】
まず、曲線 y = f(x) と直線 y = 5 の交点を求めます。
f(x) = 5
x³ - 3x² - 9x + 5 = 5
x³ - 3x² - 9x = 0
x(x² - 3x - 9) = 0
x = 0 は明らかに解です。残りの x² - 3x - 9 = 0 を解きます。
x = (3 ± √(9 + 36)) / 2 = (3 ± √45) / 2 = (3 ± 3√5) / 2
したがって、交点の x 座標は:
- x = (3 - 3√5) / 2(負の値)
- x = 0
- x = (3 + 3√5) / 2(正の値)
計算を簡単にするため、α = (3 - 3√5) / 2、β = (3 + 3√5) / 2 とおきます。
面積の計算:
囲まれた部分は2つの領域に分かれます。
面積 S = ∫[α→0] {5 - f(x)} dx + ∫[0→β] {5 - f(x)} dx
5 - f(x) = 5 - (x³ - 3x² - 9x + 5) = -x³ + 3x² + 9x = -x(x² - 3x - 9)
【1/6公式の活用】
実は、この問題は「3次関数と直線で囲まれた面積」の公式が使えます。
3次関数 y = a(x - α)(x - β)(x - γ) と直線の間の面積について、αとγの間(βを含む)で囲まれた面積は:
S = |a| × (γ - α)⁴ / 12
ここで、f(x) - 5 = x(x - α')(x - β') という形で、α' = (3 - 3√5)/2、β' = (3 + 3√5)/2
β' - α' = 3√5 より、
S = 1 × (3√5)⁴ / 12 = (81 × 25) / 12 = 2025 / 12 = 675/4
または直接積分で計算することもできます(計算量は多くなります)。
面積 S = 675/4
別解・発展
【別解:直接積分】
g(x) = -x³ + 3x² + 9x = -x(x² - 3x - 9) とおくと、
α = (3 - 3√5)/2、0、β = (3 + 3√5)/2 で符号が変わります。
- α < x < 0 では g(x) < 0(曲線が直線の下)
- 0 < x 0(曲線が直線の上)
S = -∫[α→0] g(x) dx + ∫[0→β] g(x) dx = ∫[α→β] |g(x)| dx
この積分を丁寧に計算すると、同じ答えが得られます。
大問5:平面ベクトル
問題
【問題5】
△ABC において、AB = 4、AC = 3、∠BAC = 60° とする。辺BC を 2:1 に内分する点を D、辺AC を 1:2 に内分する点を E とするとき、以下の問いに答えよ。ただし、AB→ = b→、AC→ = c→ とする。
(1) 内積 b→ · c→ の値を求めよ。
(2) AD→ を b→ と c→ を用いて表せ。
(3) AE→ を b→ と c→ を用いて表せ。
(4) 線分 AD と線分 BE の交点を P とするとき、AP→ を b→ と c→ を用いて表せ。
解説・解法のポイント
(1)内積の計算
【内積の定義】
a→ · b→ = |a→| |b→| cosθ
ここで、|b→| = |AB→| = 4、|c→| = |AC→| = 3、θ = ∠BAC = 60° なので、
b→ · c→ = 4 × 3 × cos60° = 12 × (1/2) = 6
(2)AD→ を求める
【内分点の位置ベクトル】
点Dは辺BCを2:1に内分するので、
AD→ = (1 × AB→ + 2 × AC→) / (2 + 1) = (b→ + 2c→) / 3
※ 別の考え方:D は BC を 2:1 に内分するので、
AD→ = AB→ + BD→ = AB→ + (2/3)BC→
= b→ + (2/3)(c→ - b→) = b→ + (2/3)c→ - (2/3)b→
= (1/3)b→ + (2/3)c→
AD→ = (1/3)b→ + (2/3)c→
(3)AE→ を求める
点Eは辺ACを1:2に内分するので、
AE→ = (1/3) AC→ = (1/3)c→
(4)交点Pの位置ベクトル
【解法のポイント】
点Pは直線AD上かつ直線BE上にあります。これを2通りで表して連立方程式を解きます。
Step 1:点Pを直線AD上の点として表す
P は直線AD上にあるので、実数 s を用いて、
AP→ = s × AD→ = s{(1/3)b→ + (2/3)c→} = (s/3)b→ + (2s/3)c→
Step 2:点Pを直線BE上の点として表す
まず、BE→ を求めます:
BE→ = AE→ - AB→ = (1/3)c→ - b→
P は直線BE上にあるので、実数 t を用いて、
AP→ = AB→ + t × BE→ = b→ + t{(1/3)c→ - b→}
= b→ + (t/3)c→ - tb→ = (1-t)b→ + (t/3)c→
Step 3:係数を比較
b→ と c→ は一次独立なので、係数を比較して:
b→ の係数:s/3 = 1 - t ... ①
c→ の係数:2s/3 = t/3 ... ②
②より:2s = t
これを①に代入:
s/3 = 1 - 2s
s/3 + 2s = 1
s/3 + 6s/3 = 1
7s/3 = 1
s = 3/7
したがって、t = 2s = 6/7
Step 4:AP→ を求める
AP→ = (s/3)b→ + (2s/3)c→ = (1/7)b→ + (2/7)c→
AP→ = (1/7)b→ + (2/7)c→
別解・発展
【検算:チェバの定理との関係】
チェバの定理より、△ABCの内部の点Pについて、直線AP, BP, CPがそれぞれ辺BC, CA, ABと交わる点をD', E', F'とすると、
(BD'/D'C) × (CE'/E'A) × (AF'/F'B) = 1
この問題では:
- BD/DC = 2/1 = 2
- CE/EA = 2/1 = 2(Eは AC を 1:2 に内分なので)
ベクトルの計算結果と整合性が取れていることを確認できます。
【発展:|AP→| の計算】
AP→ = (1/7)b→ + (2/7)c→ より、
|AP→|² = (1/7)²|b→|² + 2 × (1/7) × (2/7) × (b→ · c→) + (2/7)²|c→|²
= (1/49) × 16 + (4/49) × 6 + (4/49) × 9
= (16 + 24 + 36) / 49 = 76/49
|AP→| = √(76/49) = (2√19) / 7
この年度の重要テーマと対策
2019年度の出題傾向分析
2019年度の帯広畜産大学の数学では、以下のテーマが重点的に問われました:
| 分野 | 出題内容 | 重要度 |
|---|---|---|
| 二次関数 | 解の配置、判別式、解と係数の関係 | ★★★★★ |
| 三角関数 | 方程式、最大最小、合成公式 | ★★★★☆ |
| 数列 | 等差・等比数列、和から一般項 | ★★★★★ |
| 微分・積分 | 極値、グラフ、面積 | ★★★★★ |
| ベクトル | 内積、位置ベクトル、交点 | ★★★★☆ |
合格のための対策ポイント
1. 基本公式の完全習得
帯広畜産大学の数学は、基本公式を正確に使いこなせるかが問われます。特に以下の公式は必ず暗記し、瞬時に使えるようにしましょう:
- 判別式: D = b² - 4ac
- 解と係数の関係: α + β = -b/a、αβ = c/a
- 三角関数の相互関係: sin²θ + cos²θ = 1
- 三角関数の合成: asinθ + bcosθ = √(a² + b²)sin(θ + φ)
- 等差数列の一般項と和
- 等比数列の一般項と和
- 内積の定義と性質
2. 計算力の強化
帯広畜産大学の総合問題は時間との戦いです。計算ミスをしないこと、そして素早く正確に計算できることが重要です。
- 因数分解は瞬時にできるように練習
- 分数計算、ルートの計算に慣れる
- 微分・積分の計算は反復練習で精度を上げる
3. 典型問題のパターン化
以下のような典型問題は、解法パターンを体に染み込ませることが大切です:
- 「2解がともに正」→ 判別式 + 解の和 + 解の積
- 「三角関数の最大最小」→ 置換または合成
- 「和から一般項」→ cₙ = Sₙ - S_{n-1}(n=1は別途確認)
- 「3次関数の極値」→ 微分して増減表
- 「2直線の交点」→ 2通りで表して係数比較
4. 時間配分の戦略
総合問題120分の中で数学に使える時間は限られています。目安として:
- 各大問 15〜20分 を目標に
- 解けそうにない問題は 飛ばして後回し
- 最後の 5〜10分は見直し に使う
類似問題で練習しよう(練習問題3問)
実力を定着させるために、類似問題を解いてみましょう!各問題の後に解答・解説を掲載しています。
【練習問題1】二次方程式の解の配置
問題:
二次方程式 x² - 4x + k = 0 について、以下の問いに答えよ。
(1) この方程式が異なる2つの実数解をもつような定数 k の値の範囲を求めよ。
(2) この方程式の2つの解がともに2より大きくなるような定数 k の値の範囲を求めよ。
【練習問題1の解答・解説】
(1) 異なる2つの実数解をもつ条件
判別式 D > 0 より、
D = (-4)² - 4 × 1 × k = 16 - 4k > 0
16 > 4k
k < 4
(2) 2つの解がともに2より大きい条件
f(x) = x² - 4x + k とおくと、グラフの軸は x = 2 です。
2つの解がともに2より大きいための条件:
- 判別式 D ≥ 0:k ≤ 4
- 軸の位置が2より大きい:2 > 2(これは常に偽!)
軸がちょうど x = 2 なので、両方の解が2より大きいことは不可能です。
したがって、条件を満たす k の値は存在しない。
※ もし「2つの解がともに2以上」であれば、重解 x = 2 のとき(k = 4)のみ条件を満たします。
【練習問題2】数列の和
問題:
数列 {aₙ} が a₁ = 1、aₙ₊₁ = aₙ + 2n(n = 1, 2, 3, ...)で定められている。
(1) a₂、a₃、a₄ を求めよ。
(2) 一般項 aₙ を求めよ。
(3) Σ(k=1 to n) aₖ を求めよ。
【練習問題2の解答・解説】
(1) 各項の計算
- a₂ = a₁ + 2 × 1 = 1 + 2 = 3
- a₃ = a₂ + 2 × 2 = 3 + 4
- a₂ = a₁ + 2 × 1 = 1 + 2 = 3
- a₃ = a₂ + 2 × 2 = 3 + 4 = 7
- a₄ = a₃ + 2 × 3 = 7 + 6 = 13
(2) 一般項の導出
漸化式 aₙ₊₁ = aₙ + 2n より、階差を取ると:
aₙ - a₁ = Σ(k=1 to n-1) 2k = 2 × (n-1)n/2 = n(n-1)
したがって、
aₙ = a₁ + n(n-1) = 1 + n² - n = n² - n + 1
検算:
- a₁ = 1 - 1 + 1 = 1 ✓
- a₂ = 4 - 2 + 1 = 3 ✓
- a₃ = 9 - 3 + 1 = 7 ✓
- a₄ = 16 - 4 + 1 = 13 ✓
(3) 和の計算
Σ(k=1 to n) aₖ = Σ(k=1 to n) (k² - k + 1)
= Σk² - Σk + Σ1
= n(n+1)(2n+1)/6 - n(n+1)/2 + n通分して計算:
= n(n+1)(2n+1)/6 - 3n(n+1)/6 + 6n/6
= {n(n+1)(2n+1) - 3n(n+1) + 6n} / 6
= n{(n+1)(2n+1) - 3(n+1) + 6} / 6
= n{(n+1)(2n+1-3) + 6} / 6
= n{(n+1)(2n-2) + 6} / 6
= n{2(n+1)(n-1) + 6} / 6
= n{2(n²-1) + 6} / 6
= n(2n² - 2 + 6) / 6
= n(2n² + 4) / 6
= n(n² + 2) / 3【練習問題3】微分と面積
問題:
関数 f(x) = x³ - 6x² + 9x について、以下の問いに答えよ。
(1) f(x) の極値を求めよ。
(2) 曲線 y = f(x) と x 軸で囲まれた部分の面積を求めよ。
【練習問題3の解答・解説】
(1) 極値
f(x) を微分:
f'(x) = 3x² - 12x + 9 = 3(x² - 4x + 3) = 3(x-1)(x-3)
f'(x) = 0 より、x = 1, 3
増減表:
x ... 1 ... 3 ... f'(x) + 0 - 0 + f(x) ↗ 極大 ↘ 極小 ↗ 極値の計算:
- f(1) = 1 - 6 + 9 = 4(極大値)
- f(3) = 27 - 54 + 27 = 0(極小値)
(2) 面積
まず、f(x) = 0 を解きます:
x³ - 6x² + 9x = 0
x(x² - 6x + 9) = 0
x(x - 3)² = 0
x = 0, 3(重解)0 ≤ x ≤ 3 の範囲で f(x) ≥ 0 なので、
面積 S = ∫[0→3] (x³ - 6x² + 9x) dx
= [x⁴/4 - 2x³ + 9x²/2]₀³
= (81/4 - 54 + 81/2) - 0
= 81/4 - 54 + 162/4
= (81 + 162)/4 - 54
= 243/4 - 216/4
= 27/4
帯広畜産大学 数学攻略のまとめ
ここまで、2019年度の帯広畜産大学の数学を詳しく解説してきました。最後に、合格に向けた重要ポイントをまとめます。
✅ 必ず押さえるべき5つのポイント
- 基本公式の完全暗記
判別式、解と係数の関係、三角関数の公式、数列の公式、微分積分の公式、ベクトルの公式をすべて即座に使えるレベルまで習得する。 - 典型問題の解法パターン化
「解の配置」「三角関数の最大最小」「和から一般項」「3次関数の極値と面積」「ベクトルの交点」など、頻出パターンを繰り返し演習する。 - 計算力の徹底強化
計算ミスは致命的。日頃から丁寧かつ素早い計算を心がけ、検算の習慣をつける。 - 時間配分の意識
総合問題では限られた時間で複数分野に取り組む必要がある。難問にこだわりすぎず、解ける問題を確実に得点する。 - 過去問演習の徹底
帯広畜産大学の出題傾向を把握し、本番と同じ条件で過去問を解く練習を重ねる。
📚 おすすめの学習スケジュール
時期 学習内容 高3春〜夏 教科書レベルの基本事項を完全習得。基礎問題集を1冊仕上げる。 高3夏〜秋 標準問題集で典型問題のパターンを習得。苦手分野を克服。 高3秋〜冬 過去問演習を開始。時間を計って本番形式で解く。弱点を補強。 直前期 過去問の復習と、頻出分野の最終確認。計算ミス対策の徹底。
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帯広畜産大学を目指す皆さん、ここまで読んでいただきありがとうございました!
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おわりに
帯広畜産大学は、獣医学や畜産科学を学びたい学生にとって、最高の環境が整った大学です。北海道の雄大な自然の中で、専門的な知識と技術を身につけることができます。
入試数学は決して難問揃いではありません。基本を大切にし、典型問題を確実に解けるようになれば、十分に合格点を取ることができます。
この記事が、皆さんの受験勉強の一助となれば幸いです。分からないことがあれば、いつでも日本数学塾・数強塾にご相談ください。
皆さんの合格を心より応援しています!
日本数学塾・数強塾 講師
藤原進之介
※ 本記事は2019年度(平成31年度)帯広畜産大学前期日程の入試問題を参考に作成した解説記事です。実際の問題文とは表現が異なる場合があります。最新の入試情報は大学公式サイトでご確認ください。
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