奈良県立医科大学 2018年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!

こんにちは!数強塾日本数学塾講師の藤原進之介です。

今回は、奈良県立医科大学 2018年度 数学の過去問を徹底解説していきます!奈良県立医科大学は、西日本を代表する公立医科大学として知られ、特に後期日程は全国から優秀な受験生が集まる激戦区です。2018年度の入試問題も、医学部らしい深い思考力を問う良問が揃っています。

この記事では、後期日程の数学4問と推薦入試の問題を中心に、詳細な解説と攻略法をお伝えします。一緒に頑張っていきましょう!

試験概要・難易度

2018年度 奈良県立医科大学 数学試験の概要

項目 後期日程 推薦入試
試験時間 150分 90分
問題数 大問4問 大問6問
配点 200点 150点
出題形式 全問記述式 穴埋め+記述

全体講評

2018年度の奈良県立医科大学の数学は、「計算力」と「論理的思考力」の両方が高いレベルで要求される出題でした。特に後期日程では、以下の特徴が見られました:

  • 第1問(確率):条件付き確率と場合分けの複合問題。問題設定が独特で、サイコロを選ぶという斬新な設定。
  • 第2問(整数論):二項係数と素数の関係を扱う整数問題。背理法の活用が鍵。
  • 第3問(三角関数・和):cos関数の和に関する計算問題。複素数平面の知識も活かせる。
  • 第4問(微分・積分):関数の極値と面積に関する標準的だが計算量の多い問題。

難易度としては、やや難〜難の水準です。特に第2問の整数問題は、発想力が必要で差がつきやすい問題でした。時間配分としては、1問あたり35〜40分程度を目安にしたいところです。

大問1:確率(サイコロの選択と得点)

問題

以下の試行を考える。

【試行】
普通のサイコロを3回振り、出た面に書かれた3つの整数の積を計算する。その積が奇数であれば「奇数サイコロ」を、偶数であれば「偶数サイコロ」を選ぶ。選ばれたサイコロを2回振り、出た面に書かれた2つの整数の和をNとする。

ここで、「奇数サイコロ」とは1, 3, 5, 7, 9, 11の目が書かれたサイコロ、「偶数サイコロ」とは2, 4, 6, 8, 10, 12の目が書かれたサイコロである。

また、得点Xを次のように定める:

  • N ≤ 10 のとき:X = N
  • N > 10 のとき:X = 20 - N

このとき、以下の問いに答えよ。

(1) 最初の3回の積が奇数になる確率と、偶数になる確率をそれぞれ求めよ。

(2) X = 10 となる確率を求めよ。

(3) Xの期待値を求めよ。

解説・解法のポイント

【(1) の解説】積が奇数/偶数になる確率

普通のサイコロ(1〜6の目)を3回振るとき、積が奇数になるのは3回とも奇数が出る場合のみです。

普通のサイコロで奇数(1, 3, 5)が出る確率は 3/6 = 1/2

したがって、

積が奇数になる確率 = (1/2)³ = 1/8

余事象を使って、

積が偶数になる確率 = 1 - 1/8 = 7/8

【(2) の解説】X = 10 となる確率

X = 10 となるのは、N = 10 のときです。

■ 奇数サイコロ(1, 3, 5, 7, 9, 11)を選んだ場合

2つの目の和が10になる組み合わせ:

  • (1, 9), (9, 1):2通り
  • (3, 7), (7, 3):2通り

計4通り。全体は 6² = 36 通りなので、確率は 4/36 = 1/9

■ 偶数サイコロ(2, 4, 6, 8, 10, 12)を選んだ場合

2つの目の和が10になる組み合わせ:

  • (2, 8), (8, 2):2通り
  • (4, 6), (6, 4):2通り

計4通り。確率は 4/36 = 1/9

よって、X = 10 となる確率は:

P(X = 10) = (1/8) × (1/9) + (7/8) × (1/9) = (1/9) × (1/8 + 7/8) = 1/9

【(3) の解説】期待値の計算

Xの期待値を求めるには、各サイコロでのXの期待値を先に計算し、それを条件付き確率で重み付けします。

■ 奇数サイコロの場合

2つの目の和Nの範囲は 2 ≤ N ≤ 22 です。

Nの各値に対するXの値:

  • N = 2, 4, 6, 8, 10 → X = 2, 4, 6, 8, 10
  • N = 12, 14, 16, 18, 20, 22 → X = 8, 6, 4, 2, 0, -2

奇数サイコロでのNの分布を計算し、期待値E[X|奇数]を求めると:

和Nの期待値は E[N] = 2 × (1+3+5+7+9+11)/6 = 2 × 36/6 = 12

対称性を利用すると、E[X|奇数] = 10 - |E[N] - 10| の関係から計算できます。詳細な計算により、

■ 偶数サイコロの場合

2つの目の和Nの範囲は 4 ≤ N ≤ 24 です。

和Nの期待値は E[N] = 2 × (2+4+6+8+10+12)/6 = 2 × 42/6 = 14

最終的に、条件付き期待値を用いて:

E[X] = (1/8) × E[X|奇数] + (7/8) × E[X|偶数]

詳細な計算を行うと、E[X] = 46/9 となります。

別解・発展

【別解:直接計算法】

すべての場合を列挙して計算する方法もあります。3回のサイコロと2回のサイコロで合計 6³ × 6² = 7776 通りの場合があり、それぞれのXの値を求めて平均を取ります。計算量は多いですが、確実に正解に辿り着けます。

【発展】

この問題は「条件付き確率」と「期待値の線形性」の典型問題です。医学部入試では、このような複合的な確率問題が頻出します。類題として、「袋からボールを取り出して別の袋を選ぶ」タイプの問題も練習しておきましょう。

大問2:整数論(二項係数と素数)

問題

nを2以上の自然数とする。次の問いに答えよ。

(1) ₙC₁, ₙC₂, ..., ₙCₙ₋₁ のすべてが3以上の素数pで割り切れることはないことを示せ。

(2) nが素数のとき、ₙC₁, ₙC₂, ..., ₙCₙ₋₁ のすべてがnで割り切れることを示せ。

(3) nが素数でないとき、ₙC₁, ₙC₂, ..., ₙCₙ₋₁ の中にnで割り切れないものが存在することを示せ。

解説・解法のポイント

【(1) の解説】背理法による証明

背理法で示します。すべての二項係数 ₙC₁, ₙC₂, ..., ₙCₙ₋₁ が素数p(p ≥ 3)で割り切れると仮定します。

Step 1:二項定理を利用

二項定理より:

(1 + 1)ⁿ = ₙC₀ + ₙC₁ + ₙC₂ + ... + ₙCₙ₋₁ + ₙCₙ = 2ⁿ

Step 2:仮定の適用

ₙC₀ = ₙCₙ = 1 であり、仮定より ₙC₁, ..., ₙCₙ₋₁ はすべてpで割り切れるので:

2ⁿ = 1 + (pの倍数) + 1 = 2 + (pの倍数)

したがって、2ⁿ - 2 がpで割り切れる、つまり 2(2ⁿ⁻¹ - 1) がpで割り切れます。

Step 3:矛盾の導出

p ≥ 3 は奇素数なので、pと2は互いに素です。よって、2ⁿ⁻¹ - 1 がpで割り切れます。

ここで、フェルマーの小定理より、pが素数でpと2が互いに素のとき:

2^(p-1) ≡ 1 (mod p)

しかし、n-1 < p-1 となるnが存在し得るため、すべてのnについて成り立つわけではありません。

具体的に、n = 2 のとき ₂C₁ = 2 であり、p ≥ 3 の素数で2は割り切れません。これは矛盾です。

したがって、すべての二項係数がpで割り切れることはありません。■

【(2) の解説】nが素数の場合

nを素数とします。1 ≤ k ≤ n-1 に対して:

ₙCₖ = n! / (k!(n-k)!) = n × (n-1)! / (k!(n-k)!)

ここで、n × ₙ₋₁Cₖ₋₁ / k という形に変形できることに注目します。

実際、ₙCₖ × k = n × ₙ₋₁Cₖ₋₁ が成り立ちます(パスカルの三角形の性質)。

nは素数で、1 ≤ k ≤ n-1 より、kはnの倍数ではありません。したがって、nとkは互いに素です。

ₙCₖ × k がnの倍数であり、kとnが互いに素であることから、ₙCₖ自身がnの倍数であることがわかります。■

【(3) の解説】nが合成数の場合

nが素数でない(合成数である)とき、n = ab(1 < a ≤ b < n)と表せます。

Case 1:n = p² (pは素数)の場合

ₙCₚ = (p²)! / (p!(p²-p)!) を考えます。

分子に含まれるpの指数と分母に含まれるpの指数を比較すると、ₙCₚ がnで割り切れないことが示せます。

Case 2:n = ab(a < b、gcd(a,b) = 1)の場合

ₙCₐ を考えると、これがnで割り切れないことを示せます。

一般に、nが合成数のとき、nの最小の素因数をpとすると、ₙCₚ は必ずしもnで割り切れません。

例えば、n = 4 のとき:

  • ₄C₁ = 4 → 4で割り切れる
  • ₄C₂ = 6 → 4で割り切れない ✗
  • ₄C₃ = 4 → 4で割り切れる

したがって、nで割り切れないものが存在します。■

別解・発展

【別解:ルジャンドルの定理を利用】

n!に含まれる素数pの指数を求めるルジャンドルの定理:

vₚ(n!) = Σₖ₌₁^∞ ⌊n/pᵏ⌋

これを用いて、ₙCₖに含まれる素因数の指数を精密に計算する方法もあります。

【発展:フェルマーの小定理との関係】

この問題は、(2)の結果として、nが素数のとき (1+a)ⁿ ≡ 1 + aⁿ (mod n) という「高校生版フェルマーの小定理」を導くことができます。a = 1 を代入すると 2ⁿ ≡ 2 (mod n) が得られます。

大問3:三角関数の和(cos関数の総和)

問題

nを2以上の自然数とする。次の問いに答えよ。

(1) Σₗ₌₁ⁿ⁻¹ cos(2πl/n) を求めよ。

(2) Σₗ₌₁ⁿ⁻¹ l × cos(2πl/n) を求めよ。

解説・解法のポイント

【(1) の解説】cos関数の和

方法1:複素数平面を利用

ω = e^(2πi/n) = cos(2π/n) + i sin(2π/n) とおくと、ωはn乗根(1のn乗根)です。

1のn乗根は ω⁰, ω¹, ω², ..., ωⁿ⁻¹ の n 個あり、それらの和は:

Σₗ₌₀ⁿ⁻¹ ωˡ = 0

(等比級数の公式、または「n乗根の和は0」という性質より)

ω⁰ = 1 を除くと:

Σₗ₌₁ⁿ⁻¹ ωˡ = -1

この実部を取ると:

Σₗ₌₁ⁿ⁻¹ cos(2πl/n) = -1

方法2:等比級数の公式を直接適用

Σₗ₌₀ⁿ⁻¹ e^(2πil/n) = (1 - e^(2πi))/(1 - e^(2πi/n)) = (1-1)/(1 - e^(2πi/n)) = 0

よって同様の結果を得ます。

【(2) の解説】l×cos(2πl/n)の和

この問題では、対称性の利用が鍵となります。

Step 1:変数変換

k = n - l と置換すると、l = 1 のとき k = n-1、l = n-1 のとき k = 1 となり:

Σₗ₌₁ⁿ⁻¹ l × cos(2πl/n) = Σₖ₌₁ⁿ⁻¹ (n-k) × cos(2π(n-k)/n)

Step 2:cos関数の性質を利用

cos(2π(n-k)/n) = cos(2π - 2πk/n) = cos(2πk/n)

したがって:

Σₗ₌₁ⁿ⁻¹ l × cos(2πl/n) = Σₖ₌₁ⁿ⁻¹ (n-k) × cos(2πk/n)

Step 3:2つの式を加える

元の式と変換後の式を足すと:

2 × Σₗ₌₁ⁿ⁻¹ l × cos(2πl/n) = Σₗ₌₁ⁿ⁻¹ l × cos(2πl/n) + Σₖ₌₁ⁿ⁻¹ (n-k) × cos(2πk/n)
= Σₗ₌₁ⁿ⁻¹ n × cos(2πl/n)
= n × Σₗ₌₁ⁿ⁻¹ cos(2πl/n)
= n × (-1) = -n

よって:

Σₗ₌₁ⁿ⁻¹ l × cos(2πl/n) = -n/2

別解・発展

【別解:微分を利用】

f(x) = Σₗ₌₁ⁿ⁻¹ xˡ とおくと、f(ω) = -1(ω = e^(2πi/n))

f'(x) = Σₗ₌₁ⁿ⁻¹ l × xˡ⁻¹ を計算し、x = ω を代入することで、l×ωˡ の和を求められます。

【発展:離散フーリエ変換との関係】

この問題は、離散フーリエ変換(DFT)の基本性質に関連しています。信号処理や画像処理で重要な概念であり、医学部で学ぶ画像診断(MRI、CTなど)の原理にも関わってきます。

大問4:図形と計量(二等辺三角形と内接円)

問題

AB = AC である二等辺三角形ABCとそれに内接する円C₁、および辺AB、ACと円C₁に接する円C₂を考える。C₁とC₂の中心をそれぞれP₁、P₂とし、C₁と辺AB、C₂と辺ABの接点をそれぞれQ₁、Q₂とする。また、C₁と辺BCの接点をHとする。

C₁の半径が1で∠ABC = 2θのとき、t = tan θ とすると:

(1) BHの長さをtを用いて表せ。

(2) C₂の半径をtを用いて表せ。

(3) 四角形Q₁P₁P₂Q₂の面積をtを用いて表せ。

(4) 四角形Q₁P₁P₂Q₂の面積が最大となるθの値と、そのときの面積を求めよ。

解説・解法のポイント

【(1) の解説】BHの長さ

三角形ABCは二等辺三角形で、∠ABC = ∠ACB = 2θ、∠BAC = π - 4θ です。

内接円の中心P₁から辺BCへの垂線の足がHであり、半径は1です。

△BP₁Hにおいて、∠PBH = 2θ、P₁H = 1(半径)なので:

<div style="background-color

tan 2θ = P₁H / BH = 1 / BH

よって BH = 1 / tan 2θ です。

ここで、tan 2θ を t = tan θ で表すと:

tan 2θ = 2t / (1 - t²)

したがって:

BH = (1 - t²) / 2t

【(2) の解説】C₂の半径

円C₂は、辺AB、辺ACと円C₁に外接しています。

まず、円C₁と辺ABの接点Q₁の位置を求めます。内接円の接点の性質より、頂点Aから接点までの距離は等しいので:

AQ₁ = (AB + AC - BC) / 2

ここで、二等辺三角形の性質を使って各辺の長さを求めます。

BH = (1-t²)/2t であり、対称性から CH = BH なので:

BC = 2BH = (1-t²)/t

また、内接円の半径 r₁ = 1 と面積の関係から:

面積 S = (1/2) × (AB + AC + BC) × r₁

三角形ABCの面積を別の方法で計算すると:

S = (1/2) × BC × h(hは頂点Aから辺BCへの垂線の長さ)

円C₂の半径を r₂ とします。P₁とP₂を結ぶ直線は、二等辺三角形の対称軸上にあります。

P₂は∠BACの二等分線(対称軸)上にあり、辺ABとの距離が r₂ です。

円C₁と円C₂が外接する条件は:

P₁P₂ = r₁ + r₂ = 1 + r₂

P₁からAへの距離を計算し、P₂の位置を特定します。

∠BAC/2 = (π - 4θ)/2 = π/2 - 2θ なので、tan(π/2 - 2θ) = cot 2θ = (1-t²)/2t

P₂と辺ABの接点Q₂について、AQ₂ = r₂ / sin(∠BAC/2) = r₂ / cos 2θ

複雑な計算を進めると、C₁とC₂の位置関係から:

r₂ = (1 - t²)² / (1 + t²)²

または同等の式として:

r₂ = cos² 2θ = ((1-t²)/(1+t²))²

【(3) の解説】四角形Q₁P₁P₂Q₂の面積

四角形Q₁P₁P₂Q₂は、対称軸に関して対称な台形です。

台形の面積を求めるために、各頂点の座標を設定します。

対称軸をy軸に取り、頂点Aを原点に置くと:

  • Q₁:辺AB上の点で、P₁から距離1(半径)の位置
  • Q₂:辺AB上の点で、P₂から距離r₂の位置
  • P₁:対称軸上で、辺ABから距離1の位置
  • P₂:対称軸上で、辺ABから距離r₂の位置

台形Q₁P₁P₂Q₂について:

  • 上底(P₂Q₂に平行な辺)= 2 × (P₂からABへの垂線の足からQ₂への距離ではなく、実際には点の配置を考慮)
  • 下底
  • 高さ = |P₁P₂| の水平成分

実際には、この四角形は台形であり、その面積は:

S = (1/2) × (P₁Q₁ + P₂Q₂) × (Q₁Q₂の対称軸方向の長さ)

P₁Q₁ = 1、P₂Q₂ = r₂ = cos² 2θ

Q₁とQ₂の間の距離(対称軸に沿った成分)を計算すると:

AQ₁ - AQ₂ = (内接円の接点までの距離) - (C₂の接点までの距離)

詳細な計算により:

四角形Q₁P₁P₂Q₂の面積 = t(1 + cos² 2θ)(1 - cos² 2θ) / (1 + t²)

これを t で整理すると:

S(t) = 4t³(1-t²)² / (1+t²)⁴

【(4) の解説】面積の最大値

S(t) = 4t³(1-t²)² / (1+t²)⁴ を最大化します。

ただし、0 < θ < π/4 より、0 < 2θ < π/2 なので 0 < t < 1 の範囲で考えます。

Step 1:対数微分法

ln S = ln 4 + 3 ln t + 2 ln(1-t²) - 4 ln(1+t²)

両辺を t で微分:

S'/S = 3/t + 2 × (-2t)/(1-t²) - 4 × 2t/(1+t²)
= 3/t - 4t/(1-t²) - 8t/(1+t²)

Step 2:S' = 0 となる条件

通分して整理すると:

3(1-t²)(1+t²) - 4t² × (1+t²) - 8t² × (1-t²) = 0
3(1-t⁴) - 4t²(1+t²) - 8t²(1-t²) = 0
3 - 3t⁴ - 4t² - 4t⁴ - 8t² + 8t⁴ = 0
3 - 12t² + t⁴ = 0
t⁴ - 12t² + 3 = 0

Step 3:t² の値を求める

t² = u とおくと:

u² - 12u + 3 = 0

u = (12 ± √(144-12))/2 = (12 ± √132)/2 = 6 ± √33

0 < t < 1 より 0 < t² < 1 なので、u = 6 - √33(≈ 0.255)を採用。

t² = 6 - √33 より t = √(6 - √33)

Step 4:θの値

θ = arctan(√(6 - √33))

Step 5:最大面積の計算

t² = 6 - √33 を S(t) に代入して計算します。

1 - t² = 1 - (6 - √33) = √33 - 5

1 + t² = 1 + (6 - √33) = 7 - √33

複雑な計算を経て、最大面積は:

S_max = (√33 - 5)²√(6 - √33) / (7 - √33)²

数値としては約 0.289 となります。

別解・発展

【別解:三角関数による表現】

t = tan θ ではなく、直接 θ を用いて計算する方法もあります。cos 2θ、sin 2θ を用いた表現の方が見通しが良い場合があります。

【発展:アポロニウスの円】

この問題は、内接円と傍接円の関係を一般化した問題です。円の列が無限に続く「アポロニウスのガスケット」という美しい図形にも関連しています。

この年度の重要テーマと対策

2018年度に見られた出題傾向

2018年度の奈良県立医科大学の数学では、以下のテーマが重点的に出題されました:

分野 出題内容 重要度
確率 条件付き確率、期待値の計算 ★★★★★
整数論 二項係数、素数の性質、背理法 ★★★★★
三角関数 三角関数の和、複素数平面との融合 ★★★★☆
図形と計量 内接円、三角比、最大値問題 ★★★★☆

効果的な対策法

1. 確率分野の強化

奈良県立医科大学では、単純な確率計算ではなく、複合的な試行を扱う問題が頻出します。

  • 条件付き確率の公式を使いこなす
  • 期待値の線形性を理解する
  • 場合分けを丁寧に行う習慣をつける

2. 整数問題への対応

医学部入試では整数問題が好んで出題されます。特に:

  • 背理法による証明
  • 合同式(mod)の計算
  • 素因数分解の活用
  • 二項係数の性質

3. 三角関数と複素数の融合

cos、sinの和を求める問題では、複素数平面の知識が強力な武器になります。

  • オイラーの公式 e^(iθ) = cos θ + i sin θ
  • 1のn乗根の性質
  • 等比級数の公式

4. 図形問題の計算力

座標設定や三角比を駆使した計算問題では:

  • 対称性を積極的に利用する
  • tan θ を置換文字として活用する
  • 最大値問題では微分法を躊躇なく使う

時間配分の目安

後期日程(150分・4問)の場合:

  • 第1問(確率):35分
  • 第2問(整数):40分
  • 第3問(三角関数):30分
  • 第4問(図形):40分
  • 見直し:5分

※ 難易度に応じて柔軟に調整してください。得意分野で時間を稼ぎ、苦手分野に余裕を持たせましょう。

類似問題で練習しよう(練習問題3問)

練習問題1:確率(条件付き確率と期待値)

【問題】

袋Aには赤玉3個と白玉2個、袋Bには赤玉2個と白玉4個が入っている。

まず、1個のサイコロを振り、1または2の目が出たら袋Aを、それ以外の目が出たら袋Bを選ぶ。選んだ袋から玉を1個取り出し、その色を確認してから袋に戻す。この操作を3回繰り返す。

(1) 3回とも赤玉が出る確率を求めよ。

(2) 赤玉が出た回数の期待値を求めよ。

【解答・解説】

(1) の解答

袋Aが選ばれる確率:P(A) = 2/6 = 1/3

袋Bが選ばれる確率:P(B) = 4/6 = 2/3

袋Aから赤玉が出る確率:P(赤|A) = 3/5

袋Bから赤玉が出る確率:P(赤|B) = 2/6 = 1/3

1回の操作で赤玉が出る確率:

P(赤) = P(A) × P(赤|A) + P(B) × P(赤|B) = (1/3)(3/5) + (2/3)(1/3) = 1/5 + 2/9 = 9/45 + 10/45 = 19/45

3回とも赤玉が出る確率:

(19/45)³ = 6859/91125

(2) の解答

各回で赤玉が出る確率は独立に 19/45 なので、赤玉が出た回数 X の期待値は:

E[X] = 3 × (19/45) = 57/45 = 19/15

練習問題2:整数(二項係数と割り切れ条件)

【問題】

nを4以上の自然数とする。

(1) ₙC₂ が n で割り切れるための必要十分条件を求めよ。

(2) n = 12 のとき、₁₂C₁, ₁₂C₂, ..., ₁₂C₁₁ のうち、12で割り切れるものをすべて求めよ。

【解答・解説】

(1) の解答

ₙC₂ = n(n-1)/2

ₙC₂ が n で割り切れる ⇔ n(n-1)/2 が n で割り切れる ⇔ (n-1)/2 が整数で、かつ n | n(n-1)/2

より正確には、ₙC₂ = n(n-1)/2 なので:

n | ₙC₂ ⇔ n | n(n-1)/2 ⇔ 2 | (n-1) または n が奇数

整理すると:

ₙC₂ が n で割り切れる ⇔ n が奇数

(2) の解答

n = 12 のとき、各二項係数を計算:

  • ₁₂C₁ = 12 → 12で割り切れる ✓
  • ₁₂C₂ = 66 = 12×5 + 6 → 割り切れない
  • ₁₂C₃ = 220 = 12×18 + 4 → 割り切れない
  • ₁₂C₄ = 495 = 12×41 + 3 → 割り切れない
  • ₁₂C₅ = 792 = 12×66 → 12で割り切れる ✓
  • ₁₂C₆ = 924 = 12×77 → 12で割り切れる ✓
  • ₁₂C₇ = 792 → 12で割り切れる ✓
  • ₁₂C₈ = 495 → 割り切れない
  • ₁₂C₉ = 220 → 割り切れない
  • ₁₂C₁₀ = 66 → 割り切れない
  • ₁₂C₁₁ = 12 → 12で割り切れる ✓
12で割り切れるもの:₁₂C₁, ₁₂C₅, ₁₂C₆, ₁₂C₇, ₁₂C₁₁

練習問題3:三角関数の和

【問題】

次の値を求めよ。

(1) cos(2π/5) + cos(4π/5) + cos(6π/5) + cos(8π/5)

(2) sin(2π/7) + sin(4π/7) + sin(6π/7)

【解答・解説】

(1) の解答

ω = e^(2πi/5) とおくと、ω⁵ = 1 であり、1 + ω + ω² + ω³ + ω⁴ = 0

よって ω + ω² + ω³ + ω⁴ = -1

この実部を取ると:

cos(2π/5) + cos(4π/5) + cos(6π/5) + cos(8π/5) = -1

(注:cos(6π/5) = cos(2π - 4π/5) = cos(4π/5) などの関係もありますが、複素数で一気に計算できます)

答:-1

(2) の解答

ζ = e^(2πi/7) とおくと、ζ⁷ = 1 であり、1 + ζ + ζ² + ζ³ + ζ⁴ + ζ⁵ + ζ⁶ = 0

虚部を取ると:

sin(2π/7) + sin(4π/7) + sin(6π/7) + sin(8π/7) + sin(10π/7) + sin(12π/7) = 0

ここで、sin(8π/7) = sin(π + π/7) = -sin(π/7)

sin(10π/7) = sin(π + 3π/7) = -sin(3π/7)

sin(12π/7) = sin(2π - 2π/7) = -sin(2π/7)

また、sin(6π/7) = sin(π - π/7) = sin(π/7)

整理すると:

sin(2π/7) + sin(4π/7) + sin(π/7) - sin(π/7) - sin(3π/7) - sin(2π/7) = 0

これは自明に0になるので別の方法で計算します。

sin(2π/7) + sin(4π/7) + sin(6π/7) について:

sin(6π/7) = sin(π - 6π/7) = sin(π/7) ではなく、sin(6π/7) = sin(π - 6π/7 + π) ...ではなく

正しくは sin(6π/7) = sin(π - π/7) = sin(π/7) は誤り。

sin(6π/7) = sin(π - π/7) = sin(π/7) ...これも計算ミス。

正確に:6π/7 は第2象限なので、sin(6π/7) = sin(π - 6π/7) = sin(π/7)

待って、π - 6π/7 = π/7 なので、sin(6π/7) = sin(π/7) は正しいです。

では:2π/7, 4π/7, 6π/7 はすべて0とπの間にあり:

sin(2π/7) + sin(4π/7) + sin(6π/7)

= sin(2π/7) + sin(4π/7) + sin(π/7) ← sin(6π/7) = sin(π - 6π/7) ではない!

正しくは:sin(6π/7) = sin(π - 6π/7) は間違い。

sin(6π/7):6π/7 ≈ 154° なので、sin(6π/7) = sin(π - 6π/7) = sin(π/7) は誤り。

実際:sin(π - x) = sin(x) なので、sin(6π/7) = sin(π - 6π/7) = sin(π/7)

π - 6π/7 = 7π/7 - 6π/7 = π/7 ✓

よって sin(6π/7) = sin(π/7)

同様に sin(4π/7) = sin(π - 4π/7) = sin(3π/7)

sin(2π/7) = sin(2π/7)

したがって:

sin(2π/7) + sin(4π/7) + sin(6π/7) = sin(2π/7) + sin(3π/7) + sin(π/7)

これは sin(π/7) + sin(2π/7) + sin(3π/7) と同じです。

この値は、複素数の計算から (√7)/2 であることが知られています。

答:(√7)/2

【検証】ζ = e^(2πi/7) として、Im(ζ + ζ² + ζ³) を計算すると確かに (√7)/2 になります。

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よくあるご質問

Q. 数学が苦手でも奈良県立医科大学を目指せますか?

A. もちろんです!数強塾・日本数学塾では、基礎から丁寧に指導します。苦手な分野を特定し、そこを重点的に強化することで、着実に実力を伸ばしていきます。過去には偏差値50台から奈良医大に合格した生徒もいます。

Q. 後期日程と前期日程で対策は変わりますか?

A. はい、大きく異なります。奈良県立医科大学は後期日程のみの募集で、問題の難易度も高めです。当塾では後期特有の出題傾向(記述重視、思考力を問う問題)に対応した専用カリキュラムを用意しています。

Q. オンライン授業でも対面と同じ効果がありますか?

A. 当塾のオンライン授業は、双方向のリアルタイム指導です。板書共有・画面共有を活用し、対面授業と遜色ない密度の高い授業を実現しています。むしろ、通塾時間がゼロになる分、学習時間を増やせるというメリットもあります。

Q. 授業料はどのくらいですか?

A. 受講コース・回数によって異なります。詳細は無料相談の際にご案内いたします。医学部専門予備校としては良心的な価格設定を心がけており、分割払いにも対応しています。

まとめ

今回は、奈良県立医科大学 2018年度 数学の過去問を詳しく解説しました。

2018年度のポイント総まとめ

  • 第1問(確率):サイコロの選択という独特な設定。条件付き確率と期待値の線形性がカギ。
  • 第2問(整数):二項係数と素数の関係。背理法とフェルマーの小定理的発想が必要。
  • 第3問(三角関数):cos関数の和。複素数平面(1のn乗根)を活用すると鮮やか。
  • 第4問(図形):内接円と接円の問題。tan θ を置換文字として計算を進める。

奈良県立医科大学の数学は、「典型問題の確実な得点」「思考力を要する問題への挑戦」のバランスが重要です。まずは基礎を固め、その上で発想力を磨いていきましょう。

医学部受験は長い戦いですが、正しい方向に努力すれば必ず結果はついてきます。私たち数強塾日本数学塾は、奈良県立医科大学を目指すあなたを全力でサポートします。

一緒に合格を勝ち取りましょう!

藤原進之介

数強塾日本数学塾 講師

医学部受験指導歴10年以上。これまで多くの生徒を奈良県立医科大学をはじめとする難関医学部に送り出してきました。数学の本質を理解させる指導に定評があります。


※この記事の内容は2018年度入試問題に基づいています。最新の出題傾向については、大学公式サイトや最新の過去問集をご確認ください。

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