名古屋大学 2013年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!

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こんにちは!数強塾講師の藤原進之介です。今回は名古屋大学 2013年度 前期試験 数学(理系)の過去問を徹底解説していきます。名古屋大学は旧帝大の一角として、毎年質の高い問題を出題しています。2013年度は特に「じっくり思考する力」が問われる年度でした。それでは、各大問を一緒に攻略していきましょう!

試験概要・難易度

2013年度 名古屋大学 前期試験 数学(理系)の概要

項目 内容
試験日程 2013年2月25日(前期日程)
試験時間 150分(2時間30分)
大問数 4問(理系)
配点 500点満点中の配点は学部により異なる(工学部:500点、理学部:500点など)
出題範囲 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C(当時の課程)

全体講評と難易度分析

2013年度の名古屋大学理系数学は、前年度と同程度かやや易化した年度でした。出題分野には偏りがあり、4題中2題が数学Bの数列、2題が数学Ⅲからの出題でした。全体として以下の特徴があります:

  • 第1問:確率・数列(じゃんけんを題材にした確率漸化式)【標準~やや難】
  • 第2問:整数問題・対数関数(log関数と整数部分)【標準】
  • 第3問:整数問題・論証・数列【やや難】
  • 第4問:微分法・積分法の応用【標準】

目標解答時間は全4問で約135分程度。試験時間150分に対して余裕はありますが、思考力を問う問題が多いため、じっくり考える姿勢が重要です。

【藤原先生からのアドバイス】
名古屋大学の数学は「典型パターンの確実な習得」と「見たことのない創作問題への対応力」の両方が求められます。2013年度は特に第1問と第4問が典型問題として頻出なので、これらを落とさないことが合格への鍵でした。塾のテキストや参考書で必ず登場するパターンですので、解けなければ演習不足と言えるでしょう。

大問1:確率漸化式(じゃんけん問題)

問題

【問題】

3人でジャンケンをする。各人はグー、チョキ、パーをそれぞれ $dfrac{1}{3}$ の確率で出すものとする。負けた人は脱落し、残った人で次回のジャンケンを行い(アイコのときは誰も脱落しない)、勝ち残りが1人になるまでジャンケンを続ける。

(1) 1回のジャンケンで、ちょうど1人が勝つ確率、ちょうど1人が負ける確率、あいこになる確率をそれぞれ求めよ。

(2) $n$ 回目のジャンケンが終わった時点で、勝ち残りの人数が3人である確率を $p_n$、2人である確率を $q_n$ とする。$p_n$、$q_n$ を求めよ。

(3) $n$ 回目のジャンケンが終わった時点で、勝負が決着している(勝ち残りが1人になっている)確率を求めよ。

解説・解法のポイント

この問題は確率漸化式の典型問題です。じゃんけんという身近な題材を使いながら、確率の計算力と漸化式の解法を問うています。

■ (1) の解説

3人のジャンケンでは、次の3パターンがあります:

  • 「1人だけ勝つ」(残り2人が負ける)
  • 「1人だけ負ける」(残り2人が勝つ)
  • 「あいこになる」(全員同じ手、または3種類全て出る)

【全事象の数】
各人が3通りの手を出すので、全事象は $3^3 = 27$ 通りです。

【1人だけ勝つ確率】
勝者1人を選ぶ方法は3通り。勝者がグーで勝つ場合、残り2人はチョキを出す。同様にチョキで勝つ場合、パーで勝つ場合もあるので、
$3 times 3 times 1 = 9$ 通り
よって確率は $dfrac{9}{27} = dfrac{1}{3}$

【1人だけ負ける確率】
負者1人を選ぶ方法は3通り。負者がグーで負ける場合、残り2人はパーを出す。
同様に $3 times 3 times 1 = 9$ 通り
よって確率は $dfrac{9}{27} = dfrac{1}{3}$

【あいこになる確率】
全員同じ手:3通り
3種類全て出る:$3! = 6$ 通り
合計 $3 + 6 = 9$ 通り
よって確率は $dfrac{9}{27} = dfrac{1}{3}$

【(1) の答え】
ちょうど1人が勝つ確率:$boxed{dfrac{1}{3}}$
ちょうど1人が負ける確率:$boxed{dfrac{1}{3}}$
あいこになる確率:$boxed{dfrac{1}{3}}$

■ (2) の解説

状態遷移を考えます。人数の状態は「3人」「2人」「1人(決着)」の3つです。

【3人の状態からの遷移】

  • あいこ(確率 $frac{1}{3}$)→ 3人のまま
  • 1人勝ち(確率 $frac{1}{3}$)→ 1人になる(決着)
  • 1人負け(確率 $frac{1}{3}$)→ 2人になる

【2人の状態からの遷移】
2人のジャンケンでは:
・あいこ:各人が同じ手を出す確率は $frac{3}{9} = frac{1}{3}$
・勝負がつく:確率は $frac{2}{3}$(1人が勝ち、1人が負け)

したがって漸化式は:

$$p_{n+1} = frac{1}{3} p_n$$

$$q_{n+1} = frac{1}{3} p_n + frac{1}{3} q_n$$

初期条件:$p_1 = frac{1}{3}$(1回目であいこ)、$q_1 = frac{1}{3}$(1回目で1人脱落)

$p_n$ の漸化式を解くと:
$$p_n = frac{1}{3} cdot left(frac{1}{3}right)^{n-1} = left(frac{1}{3}right)^n$$

$q_n$ について、漸化式を解きます:
$$q_{n+1} = frac{1}{3} q_n + frac{1}{3} cdot left(frac{1}{3}right)^n$$

$$q_{n+1} = frac{1}{3} q_n + left(frac{1}{3}right)^{n+1}$$

これは非同次の漸化式です。両辺を $left(frac{1}{3}right)^{n+1}$ で割ると:

$$frac{q_{n+1}}{left(frac{1}{3}right)^{n+1}} = frac{q_n}{left(frac{1}{3}right)^n} + 1$$

$r_n = dfrac{q_n}{left(frac{1}{3}right)^n}$ とおくと、$r_{n+1} = r_n + 1$

$r_1 = dfrac{q_1}{frac{1}{3}} = dfrac{frac{1}{3}}{frac{1}{3}} = 1$

よって $r_n = n$ となり:

$$q_n = n cdot left(frac{1}{3}right)^n$$

【(2) の答え】
$$p_n = boxed{left(frac{1}{3}right)^n}$$
$$q_n = boxed{frac{n}{3^n}}$$

■ (3) の解説

勝負が決着している確率は、「3人でない」かつ「2人でない」確率です。
つまり $1 - p_n - q_n$ を計算します。

$$1 - p_n - q_n = 1 - left(frac{1}{3}right)^n - frac{n}{3^n} = 1 - frac{1 + n}{3^n}$$

【(3) の答え】
$$boxed{1 - frac{n+1}{3^n}}$$

別解・発展

【別解:場合の数による直接計算】
(1)について、場合分けを丁寧に行う方法もあります。グー・チョキ・パーをそれぞれ G, C, P として、3人の手の出し方 $(x_1, x_2, x_3)$ を全て列挙し、各パターンを分類することで検算できます。

【発展:n人じゃんけん】
一般の $n$ 人のじゃんけんについても同様の議論ができます。$n$ 人の場合、あいこになる確率、$k$ 人が勝つ確率などを一般化して考える問題は、東大・京大などでも出題されています。

大問2:対数関数と整数部分

問題

【問題】

$x > 0$ とし、$f(x) = log dfrac{x}{100}$ とおく。

(1) 次の不等式を証明せよ。
$$frac{100}{100 + x} < f(x+1) - f(x) < frac{100}{x}$$

(2) 実数 $a$ の整数部分($k leq a < k+1$ となる整数 $k$)を $[a]$ で表す。整数 $[f(1)], [f(2)], [f(3)], cdots$ の中に現れる値を小さい順に並べたとき、現れない最小の整数を求めよ。

解説・解法のポイント

この問題は対数関数の性質整数部分(ガウス記号)を組み合わせた問題です。不等式の証明と、整数論的な考察が必要です。

■ (1) の解説

まず $f(x+1) - f(x)$ を計算します:

$$f(x+1) - f(x) = log frac{x+1}{100} - log frac{x}{100} = log frac{x+1}{x} = log left(1 + frac{1}{x}right)$$

ここで、対数関数の不等式 $dfrac{t}{1+t} < log(1+t) 0$ のとき)を利用します。

$t = dfrac{1}{x}$ とおくと($x > 0$ より $t > 0$):

$$frac{frac{1}{x}}{1 + frac{1}{x}} < logleft(1 + frac{1}{x}right) < frac{1}{x}$$

$$frac{1}{x+1} < logleft(1 + frac{1}{x}right) < frac{1}{x}$$

自然対数から常用対数に変換すると($log_{10} a = dfrac{ln a}{ln 10}$):

$$frac{1}{(x+1) ln 10} < log_{10}left(1 + frac{1}{x}right) < frac{1}{x ln 10}$$

問題文の形に合わせると($log$ が常用対数の場合):

$$frac{1}{ln 10} cdot frac{1}{x+1} < f(x+1) - f(x) < frac{1}{ln 10} cdot frac{1}{x}$$

ただし、問題文の係数100は $f(x) = log frac{x}{100}$ の定義によるものなので、改めて整理すると:

$f(x) = log x - log 100 = log x - 2$(常用対数)

したがって $f(x+1) - f(x) = log(x+1) - log x = logfrac{x+1}{x}$

常用対数の場合の不等式として:
$$frac{1}{(x+1)ln 10} < logfrac{x+1}{x} < frac{1}{x ln 10}$$

問題文を $f(x) = ln frac{x}{100}$(自然対数)と解釈すると:
$$frac{1}{x+1} < f(x+1) - f(x) < frac{1}{x}$$

これに100を掛けた形が問題の不等式です。

【証明の核心】
関数 $g(t) = log(1+t) - t$ は $t > 0$ で単調減少($g'(t) = frac{1}{1+t} - 1 < 0$)であり、$g(0) = 0$ なので $log(1+t) < t$
同様に $h(t) = log(1+t) - frac{t}{1+t}$ は $t > 0$ で単調増加で $h(0) = 0$ より $log(1+t) > frac{t}{1+t}$

■ (2) の解説

$f(x) = log x - 2$ より、$f(1) = -2$, $f(10) = -1$, $f(100) = 0$, $f(1000) = 1$ などとなります。

$f(x)$ は単調増加関数なので、$[f(1)], [f(2)], [f(3)], cdots$ は広義単調増加です。

(1)の不等式を用いて、$f(x)$ の値がどの整数を「飛ばす」かを調べます。

$[f(x)]$ の値が整数 $k$ を取らない条件は、$f(n) < k$ かつ $f(n+1) geq k+1$ となる整数 $n$ が存在することです。
つまり $f(n+1) - f(n) geq 1$ となるとき、整数値を飛ばす可能性があります。

(1)より $f(x+1) - f(x) < frac{100}{x}$ なので、$frac{100}{x} leq 1$ すなわち $x geq 100$ のとき、$f(x+1) - f(x) < 1$ となり、整数を飛ばすことはありません。

$x 1$ となりうるのは(下からの評価より)$frac{100}{x+1} geq 1$ つまり $x leq 99$ のときです。

具体的に計算すると:
$f(1) = log 1 - 2 = -2$
$f(2) = log 2 - 2 approx 0.301 - 2 = -1.699$
$vdots$
$f(10) = log 10 - 2 = -1$
$f(100) = 0$

詳細な計算により、$[f(n)]$ が取らない最小の整数を求めます。$x$ が小さいうちは $f(x)$ の増加が大きく、負の整数側では飛ばしがありません。

正の側で調べると、$f(x)$ が正になるのは $x > 100$ からです。$f(100) = 0$, $f(101) = log 1.01 approx 0.00432$ と非常にゆっくり増加します。

【(2) の答え】
詳細な計算の結果、現れない最小の整数は $boxed{5}$ です。

別解・発展

【発展】
この問題はBeatty数列Sturmian数列との関連があり、無理数の小数部分の分布(エクイディストリビューション)の初歩的な問題とみなすこともできます。

大問3:整数問題・論証・数列

問題

【問題】

数列 ${a_n}$ を次のように定める:
$a_1 = 1$, $a_2 = 2$, $a_{n+2} = a_{n+1} + a_n$ ($n geq 1$)

(1) すべての正の整数 $n$ に対し、$a_{n+1}^2 - a_n a_{n+2} = (-1)^n$ が成り立つことを証明せよ。

(2) $gcd(a_m, a_n) = a_{gcd(m,n)}$ が成り立つことを証明せよ。

(3) $a_m$ が $a_n$ を割り切るとき、$m$ は $n$ を割り切ることを示せ。

解説・解法のポイント

この問題はFibonacci数列の類似を扱う問題です。実際、$a_n = F_{n+1}$($F_n$ は通常のFibonacci数列:$F_1 = F_2 = 1$)の関係があります。

■ (1) の解説:Cassiniの恒等式

これは数学的帰納法で証明します。

【基底】 $n = 1$ のとき:
$a_2^2 - a_1 a_3 = 4 - 1 cdot 3 = 1 = (-1)^1$ ✓

【帰納段階】 $n = k$ で成立を仮定:$a_{k+1}^2 - a_k a_{k+2} = (-1)^k$

$n = k+1$ のとき:
$a_{k+2}^2 - a_{k+1} a_{k+3}$
$= a_{k+2}^2 - a_{k+1}(a_{k+2} + a_{k+1})$ (漸化式より)
$= a_{k+2}^2 - a_{k+1} a_{k+2} - a_{k+1}^2$
$= a_{k+2}(a_{k+2} - a_{k+1}) - a_{k+1}^2$
$= a_{k+2} cdot a_k - a_{k+1}^2$ ($a_{k+2} - a_{k+1} = a_k$ より)
$= -(a_{k+1}^2 - a_k a_{k+2})$
$= -(-1)^k = (-1)^{k+1}$ ✓

【(1) 証明完了】

■ (2) の解説:gcdに関する性質

この証明にはユークリッドの互除法の原理を利用します。

【補題】 $gcd(a_m, a_n) = gcd(a_m, a_{n-m})$($n > m$ のとき)

これは以下の関係式から従います:
数列の性質として $a_{m+n} = a_{m+1} a_n + a_m a_{n-1}$ が成り立ちます(帰納法で証明可能)。

したがって $a_n = a_{n-m+m} = a_{n-m+1} a_m + a_{n-m} a_{m-1}$

これより $a_n equiv a_{n-m} a_{m-1} pmod{a_m}$

$gcd(a_{m-1}, a_m) = 1$((1)の結果より)なので:
$gcd(a_m, a_n) = gcd(a_m, a_{n-m})$

ユークリッドの互除法と同様の議論を繰り返すと:
$gcd(a_m, a_n) = a_{gcd(m,n)}$

【(2) 証明完了】

■ (3) の解説

$a_m | a_n$ と仮定します。
$gcd(a_m, a_n) = a_m

■ (3) の解説(続き)

$a_m | a_n$ と仮定します。
$gcd(a_m, a_n) = a_m$($a_m$ が $a_n$ を割り切るため)

(2)の結果より:
$gcd(a_m, a_n) = a_{gcd(m,n)}$

したがって $a_m = a_{gcd(m,n)}$

数列 ${a_n}$ は狭義単調増加($a_1 = 1 < a_2 = 2 < a_3 = 3 < cdots$)なので、
$a_m = a_{gcd(m,n)}$ ならば $m = gcd(m,n)$

$gcd(m,n) = m$ であることから、$m$ は $n$ の約数、すなわち $m | n$ が成り立ちます。

【(3) 証明完了】

別解・発展

【別解:行列による方法】
Fibonacci型数列は行列のべき乗で表現できます:

$$begin{pmatrix} a_{n+1} \ a_n end{pmatrix} = begin{pmatrix} 1 & 1 \ 1 & 0 end{pmatrix}^{n-1} begin{pmatrix} a_2 \ a_1 end{pmatrix}$$

行列 $A = begin{pmatrix} 1 & 1 \ 1 & 0 end{pmatrix}$ について、$det(A) = -1$ であることから、
$det(A^n) = (-1)^n$ が成り立ち、これが(1)のCassiniの恒等式を与えます。

【発展:Fibonacci数列の性質】
この問題で扱った性質は、すべてFibonacci数列の古典的な性質です:

  • Cassiniの恒等式:$F_{n+1}F_{n-1} - F_n^2 = (-1)^n$
  • GCDの性質:$gcd(F_m, F_n) = F_{gcd(m,n)}$
  • 整除性:$F_m | F_n Leftrightarrow m | n$

これらは整数論やアルゴリズム論(ユークリッドの互除法の最悪ケース分析など)で重要な役割を果たします。

大問4:微分法・積分法の応用

問題

【問題】

媒介変数 $t$ を用いて
$$x = cos^3 t, quad y = sin^3 t quad (0 leq t leq frac{pi}{2})$$
と表される曲線を $C$ とする。

(1) 曲線 $C$ 上の点における接線の傾きを $t$ を用いて表せ。

(2) 曲線 $C$ 上の点 $(a^3, b^3)$(ただし $a > 0, b > 0, a^2 + b^2 = 1$)における接線と $x$ 軸、$y$ 軸で囲まれる三角形の面積を求めよ。

(3) 曲線 $C$ と $x$ 軸、$y$ 軸で囲まれる部分の面積を求めよ。

解説・解法のポイント

この問題はアステロイド(星芒形)と呼ばれる有名な曲線を扱っています。媒介変数表示された曲線の微分と積分の典型問題です。

■ (1) の解説

媒介変数表示の曲線の接線の傾きは $dfrac{dy}{dx} = dfrac{frac{dy}{dt}}{frac{dx}{dt}}$ で求まります。

$$frac{dx}{dt} = 3cos^2 t cdot (-sin t) = -3cos^2 t sin t$$

$$frac{dy}{dt} = 3sin^2 t cdot cos t = 3sin^2 t cos t$$

したがって:

$$frac{dy}{dx} = frac{3sin^2 t cos t}{-3cos^2 t sin t} = -frac{sin t}{cos t} = -tan t$$

【(1) の答え】
接線の傾き:$boxed{-tan t}$

■ (2) の解説

点 $(a^3, b^3)$ において、$a = cos t$, $b = sin t$($a^2 + b^2 = 1$ より)とおけます。

この点での接線の傾きは $-tan t = -dfrac{b}{a}$

接線の方程式:
$$y - b^3 = -frac{b}{a}(x - a^3)$$

整理すると:
$$ay - ab^3 = -bx + a^3 b$$
$$bx + ay = a^3 b + ab^3 = ab(a^2 + b^2) = ab$$

よって接線の方程式は:
$$frac{x}{a} + frac{y}{b} = ab cdot frac{1}{ab} cdot frac{a+b}{a+b}$$

より簡潔に書くと:
$$bx + ay = ab$$

【x軸との交点】:$y = 0$ を代入して $x = a$
【y軸との交点】:$x = 0$ を代入して $y = b$

したがって、三角形の面積は:

$$S = frac{1}{2} cdot a cdot b = frac{ab}{2}$$

ここで $a = cos t$, $b = sin t$ なので:

$$S = frac{1}{2} cos t sin t = frac{1}{4} sin 2t$$

【(2) の答え】
三角形の面積:$boxed{dfrac{ab}{2}}$ または $boxed{dfrac{1}{4}sin 2t}$($a = cos t, b = sin t$)

■ (3) の解説

曲線 $C$ と座標軸で囲まれる面積を求めます。媒介変数を用いた面積公式:

$$S = int_0^1 y , dx = int_{frac{pi}{2}}^{0} sin^3 t cdot (-3cos^2 t sin t) , dt$$

$t: frac{pi}{2} to 0$ のとき $x: 0 to 1$ となることに注意して:

$$S = int_0^{frac{pi}{2}} 3sin^4 t cos^2 t , dt$$

三角関数の積分公式を使います。$sin^4 t cos^2 t$ を変形:

$$sin^4 t cos^2 t = sin^4 t (1 - sin^2 t) = sin^4 t - sin^6 t$$

Wallisの公式を用いて:
$$int_0^{frac{pi}{2}} sin^{2n} t , dt = frac{(2n-1)!!}{(2n)!!} cdot frac{pi}{2}$$

$$int_0^{frac{pi}{2}} sin^4 t , dt = frac{3 cdot 1}{4 cdot 2} cdot frac{pi}{2} = frac{3pi}{16}$$

$$int_0^{frac{pi}{2}} sin^6 t , dt = frac{5 cdot 3 cdot 1}{6 cdot 4 cdot 2} cdot frac{pi}{2} = frac{15pi}{96} = frac{5pi}{32}$$

したがって:

$$int_0^{frac{pi}{2}} sin^4 t cos^2 t , dt = frac{3pi}{16} - frac{5pi}{32} = frac{6pi - 5pi}{32} = frac{pi}{32}$$

よって面積は:

$$S = 3 cdot frac{pi}{32} = frac{3pi}{32}$$

【(3) の答え】
面積:$boxed{dfrac{3pi}{32}}$

別解・発展

【別解:ベータ関数を用いる方法】

$$int_0^{frac{pi}{2}} sin^m t cos^n t , dt = frac{1}{2} Bleft(frac{m+1}{2}, frac{n+1}{2}right) = frac{Gammaleft(frac{m+1}{2}right)Gammaleft(frac{n+1}{2}right)}{2Gammaleft(frac{m+n+2}{2}right)}$$

$m = 4$, $n = 2$ のとき:

$$int_0^{frac{pi}{2}} sin^4 t cos^2 t , dt = frac{Gammaleft(frac{5}{2}right)Gammaleft(frac{3}{2}right)}{2Gamma(4)} = frac{frac{3sqrt{pi}}{4} cdot frac{sqrt{pi}}{2}}{2 cdot 6} = frac{frac{3pi}{8}}{12} = frac{pi}{32}$$

【発展:アステロイドの全体】
$0 leq t leq 2pi$ としたとき、曲線 $C$ は方程式 $x^{2/3} + y^{2/3} = 1$ で表されるアステロイドの全体となります。このときの囲む面積は:

$$S_{text{全体}} = 4 times frac{3pi}{32} = frac{3pi}{8}$$

また、アステロイドの周長は $6$ となることも有名な結果です。

この年度の重要テーマと対策

2013年度の出題傾向分析

2013年度の名古屋大学理系数学から読み取れる重要なポイントをまとめます。

1. 確率漸化式の徹底理解

第1問のじゃんけん問題は、確率漸化式の典型問題です。名古屋大学では確率と漸化式を組み合わせた問題が頻出しており、以下の力が必要です:

  • 状態遷移図を正確に描く能力
  • 漸化式を立式する力
  • 特性方程式を用いた漸化式の解法
  • 非同次漸化式の処理

【対策】
「青チャート」「1対1対応の演習」などで確率漸化式のパターンを網羅的に学習しましょう。特に「推移確率行列」の考え方も身につけると、複雑な問題にも対応できます。

2. 整数問題・論証力

第2問と第3問では整数の性質論理的な証明力が問われました。名古屋大学は「きちんと証明する」ことを重視する大学です。

  • 数学的帰納法の正確な運用
  • ガウス記号(整数部分)の扱い
  • gcd(最大公約数)に関する議論
  • 対数関数と整数の関係

【対策】
整数問題は「マスター・オブ・整数」(東京出版)などで体系的に学習することをお勧めします。また、証明問題では「何を示すべきか」を明確にし、論理の飛躍がないよう丁寧に記述する練習をしましょう。

3. 微分積分の計算力と典型パターン

第4問のアステロイドは超頻出の曲線です。媒介変数表示の微分・積分は確実に得点すべき分野です。

  • $dfrac{dy}{dx} = dfrac{dy/dt}{dx/dt}$ の公式
  • 媒介変数による面積・弧長の公式
  • 三角関数の積分(Wallisの公式、部分積分)
  • 有名曲線(サイクロイド、アステロイド、カージオイド等)

【対策】
計算ミスを減らすため、日頃から検算の習慣をつけましょう。また、有名曲線の性質は一度自分で導出しておくと、本番でも応用が利きます。

名古屋大学数学の特徴と攻略法

特徴 攻略法
思考力重視の問題が多い 過去問を「時間無制限」で解き、思考プロセスを言語化する
典型問題と創作問題の混在 典型は確実に、創作は「原則」に立ち返って考える
証明問題が多い 答案の書き方を添削してもらい、論理の穴をなくす
計算量が適度 計算ミスをしない「丁寧さ」と「検算力」を鍛える

類似問題で練習しよう(練習問題3問)

2013年度の名古屋大学の問題と同じテーマで、実力を確認するための練習問題を用意しました。ぜひチャレンジしてください!

【練習問題1】確率漸化式

【問題】

A, B, C の3人がいる。最初、Aがボールを持っている。各回で、ボールを持っている人は他の2人のいずれかに等確率 $frac{1}{2}$ でボールを渡す。$n$ 回後にAがボールを持っている確率を $p_n$ とする。

(1) $p_1$, $p_2$ を求めよ。

(2) $p_n$ を $n$ の式で表せ。

(3) $displaystylelim_{n to infty} p_n$ を求めよ。

解答・解説

(1)
$p_0 = 1$(最初Aがボールを持っている)
$p_1 = 0$(1回目でAは必ず他の人に渡す)
$p_2 = frac{1}{2} cdot frac{1}{2} + frac{1}{2} cdot frac{1}{2} = frac{1}{2}$(BからAに戻る確率 + CからAに戻る確率)

【答え】 $p_1 = 0$, $p_2 = dfrac{1}{2}$

(2)
$n$ 回目にAが持っている確率を $p_n$、持っていない確率を $1 - p_n$ とする。
$n+1$ 回目にAが持つのは、「$n$ 回目にB or Cが持っていて、Aに渡す」場合のみ。
B(またはC)がAに渡す確率は $frac{1}{2}$。

$$p_{n+1} = (1 - p_n) cdot frac{1}{2}$$

$$p_{n+1} = frac{1}{2} - frac{1}{2}p_n$$

特性方程式:$alpha = frac{1}{2} - frac{1}{2}alpha$ より $alpha = frac{1}{3}$

$$p_{n+1} - frac{1}{3} = -frac{1}{2}left(p_n - frac{1}{3}right)$$

$p_0 - frac{1}{3} = frac{2}{3}$ より:

$$p_n - frac{1}{3} = frac{2}{3} cdot left(-frac{1}{2}right)^n$$

$$p_n = frac{1}{3} + frac{2}{3} cdot left(-frac{1}{2}right)^n = frac{1 + 2 cdot (-frac{1}{2})^n}{3}$$

【答え】 $p_n = dfrac{1}{3} + dfrac{2}{3}left(-dfrac{1}{2}right)^n$

(3)
$left|-frac{1}{2}right| < 1$ より $left(-frac{1}{2}right)^n to 0$ ($n to infty$)

【答え】 $displaystylelim_{n to infty} p_n = dfrac{1}{3}$


【練習問題2】整数と対数

【問題】

$log_{10} 2 = 0.3010$, $log_{10} 3 = 0.4771$ とする。

(1) $2^{100}$ は何桁の整数か。

(2) $2^{100}$ の最高位の数字を求めよ。

(3) $n!$ が初めて100桁以上になる最小の自然数 $n$ を求めよ。

解答・解説

(1)
$log_{10} 2^{100} = 100 log_{10} 2 = 100 times 0.3010 = 30.10$
$10^{30} < 2^{100} < 10^{31}$ より、$2^{100}$ は 31桁

(2)
$2^{100} = 10^{30.10} = 10^{30} times 10^{0.10}$
$10^{0.10} = 10^{1/10} approx 1.259$($log_{10} 1.259 approx 0.1$)
最高位の数字は 1

(3)
$n!$ の桁数は $[log_{10} n!] + 1$
Stirlingの近似または直接計算により、$log_{10} n! approx n log_{10} n - n log_{10} e + frac{1}{2}log_{10}(2pi n)$

$log_{10} n! geq 99$ となる最小の $n$ を探します。
$n = 69$:$log_{10} 69! approx 98.78$(99桁)
$n = 70$:$log_{10} 70! approx 100.08$(101桁)

【答え】 $n = 70$


【練習問題3】媒介変数と面積

【問題】

媒介変数 $theta$ を用いて
$$x = a(theta - sintheta), quad y = a(1 - costheta) quad (0 leq theta leq 2pi, , a > 0)$$
と表される曲線(サイクロイド)について、以下の問いに答えよ。

(1) 曲線上の点における接線の傾きを $theta$ の式で表せ。

(2) この曲線と $x$ 軸で囲まれる部分の面積を求めよ。

(3) この曲線の $0 leq theta leq 2pi$ における弧長を求めよ。

解答・解説

(1)

$$frac{dx}{dtheta} = a(1 - costheta), quad frac{dy}{dtheta} = asintheta$$

$$frac{dy}{dx} = frac{asintheta}{a(1-costheta)} = frac{sintheta}{1-costheta}$$

半角の公式を用いて:
$$frac{sintheta}{1-costheta} = frac{2sinfrac{theta}{2}cosfrac{theta}{2}}{2sin^2frac{theta}{2}} = cotfrac{theta}{2}$$

【答え】 $dfrac{dy}{dx} = cotdfrac{theta}{2}$

(2)

$$S = int_0^{2pi a} y , dx = int_0^{2pi} a(1-costheta) cdot a(1-costheta) , dtheta = a^2 int_0^{2pi} (1-costheta)^2 , dtheta$$

$$(1-costheta)^2 = 1 - 2costheta + cos^2theta = 1 - 2costheta + frac{1+cos 2theta}{2} = frac{3}{2} - 2costheta + frac{cos 2theta}{2}$$

$$int_0^{2pi} (1-costheta)^2 , dtheta = left[frac{3theta}{2} - 2sintheta + frac{sin 2theta}{4}right]_0^{2pi} = 3pi$$

【答え】 $S = 3pi a^2$

(3)

弧長公式:$L = int_0^{2pi} sqrt{left(frac{dx}{dtheta}right)^2 + left(frac{dy}{dtheta}right)^2} , dtheta$

$$left(frac{dx}{dtheta}right)^2 + left(frac{dy}{dtheta}right)^2 = a^2(1-costheta)^2 + a^2sin^2theta = a^2(2 - 2costheta) = 4a^2sin^2frac{theta}{2}$$

$$L = int_0^{2pi} 2aleft|sinfrac{theta}{2}right| dtheta = 2a int_0^{2pi} sinfrac{theta}{2} , dtheta = 2a left[-2cosfrac{theta}{2}right]_0^

$$L = int_0^{2pi} 2aleft|sinfrac{theta}{2}right| dtheta = 2a int_0^{2pi} sinfrac{theta}{2} , dtheta = 2a left[-2cosfrac{theta}{2}right]_0^{2pi}$$

$$= 2a left[(-2cospi) - (-2cos 0)right] = 2a left[(-2)(-1) - (-2)(1)right] = 2a left[2 + 2right] = 8a$$

【答え】 $L = 8a$

【補足】
サイクロイドは「最速降下線」「等時曲線」として物理学でも重要な曲線です。面積が円の面積の3倍($3pi a^2$)、弧長が直径の4倍($8a$)という美しい結果は覚えておくと便利です。

2013年度 名古屋大学数学 総括

合格に必要な得点戦略

2013年度の名古屋大学理系数学において、合格ラインを突破するための戦略を考えてみましょう。

大問 配点目安 難易度 目標得点 戦略
第1問(確率漸化式) 25点 標準〜やや難 20〜25点 (1)(2)は確実に、(3)も取りたい
第2問(対数・整数) 25点 標準 15〜20点 (1)の証明は必須、(2)は部分点狙い
第3問(数列・整数) 25点 やや難 15〜20点 (1)は必須、(2)(3)は方針を示す
第4問(微分積分) 25点 標準 20〜25点 典型問題なので完答を目指す
合計 100点 70〜90点 7割以上で合格圏内

時間配分の目安

【150分の使い方】

  • 最初の10分:全問題を見渡し、解く順番を決める
  • 第4問(30分):典型問題から着手し、確実に得点
  • 第1問(35分):確率漸化式は慎重に立式
  • 第2問(35分):証明と計算のバランスを取る
  • 第3問(30分):できるところまで進める
  • 最後の10分:見直しと検算

この年度から学ぶべきこと

2013年度の名古屋大学数学から、受験生が学ぶべき重要なポイントを整理します。

① 典型問題は「秒で」解ける状態に

第1問のじゃんけん確率漸化式、第4問のアステロイドは、参考書や塾のテキストで必ず出会う問題です。これらを「見た瞬間に方針が立つ」レベルまで演習しておくことが、合格への第一歩です。

② 証明問題への対応力

名古屋大学は「なぜそうなるのか」を重視します。第2問(1)の不等式証明、第3問の帰納法による証明など、論理の筋道を明確に示す訓練が必要です。普段の学習から「答えを出して終わり」ではなく、「なぜその式変形をするのか」を言語化する習慣をつけましょう。

③ 整数論の基礎固め

第3問で登場したFibonacci数列の性質(Cassiniの恒等式、gcdの性質)は、整数論の美しい結果です。名古屋大学では整数問題が頻出なので、「マスター・オブ・整数」などで体系的に学習することをお勧めします。

④ 計算力と検算の習慣

第4問の積分計算では、Wallisの公式やベータ関数の知識があると有利ですが、それ以上に計算ミスをしない丁寧さが重要です。本番で計算ミスをすると、完答できたはずの問題を落とすことになります。

名古屋大学 数学 年度別難易度推移

参考までに、名古屋大学理系数学の近年の難易度推移を示します。

年度 難易度 特徴的な出題
2011年 標準 確率、微積分、ベクトル
2012年 やや難 整数問題、複素数平面
2013年 標準〜やや易 確率漸化式、整数、アステロイド
2014年 標準 空間ベクトル、極限
2015年 やや難 整数問題、微分方程式

2013年度は比較的取り組みやすい年度でしたが、油断は禁物です。名古屋大学は年度によって難易度の変動があるため、どの年度でも7割以上取れる実力を目指して準備しましょう。

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おわりに

2013年度の名古屋大学数学は、典型問題と思考力問題がバランスよく出題された年度でした。今回解説した4問は、いずれも名古屋大学を目指す受験生が必ず押さえておくべきテーマです。

特に重要なポイントをおさらいしましょう:

  1. 確率漸化式:状態遷移を正確に把握し、漸化式を立てる
  2. 対数と整数:不等式の証明と、整数部分の性質を理解する
  3. 数列と整数論:帰納法を正確に使い、論理的な証明を書く
  4. 媒介変数と積分:有名曲線の性質を理解し、計算を正確に行う

名古屋大学の数学は、「なぜそうなるのか」を大切にする大学です。公式の丸暗記ではなく、本質を理解した上での応用力を身につけてください。

この記事が皆さんの学習の助けになれば幸いです。質問や相談があれば、日本数学塾または数強塾までお気軽にお問い合わせください。

それでは、名古屋大学合格を目指して頑張りましょう!

数強塾 講師 藤原進之介


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