九州大学 2017年度 数学 過去問解説|藤原進之介先生と一緒に完全攻略!

こんにちは!数強塾日本数学塾講師の藤原進之介です。

今回は九州大学 2017年度(平成29年度)前期試験 理系数学の過去問を徹底解説していきます。九大数学は旧帝大の中でも比較的標準的な問題が多いとされていますが、この年度は整数問題や複素数平面など、しっかりとした数学的思考力を問う良問が並んでいます。

本記事では各大問を丁寧に解説し、解法のポイントや別解、さらには類題演習まで網羅的にカバーしています。九大志望の受験生はもちろん、他の旧帝大や難関大を目指す皆さんにも役立つ内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください!

試験概要・難易度

2017年度 九州大学 前期試験(理系)数学の基本情報

項目 内容
試験日 2017年2月25日
試験時間 150分
出題数 大問5題
配点 250点(各大問50点)
解答形式 記述式

全体講評と難易度分析

2017年度の九州大学理系数学は、全体的にやや難化した印象です。特に第3問(数列と整数)、第5問(複素数平面)は発想力と計算力の両方が求められる骨太な問題でした。

各大問の難易度評価:

  • 第1問(放物線と共通接線・面積):標準〜やや易 ★★☆☆☆
  • 第2問(対数・三角関数を含む不等式):標準 ★★★☆☆
  • 第3問(数列と整数・7で割り切れる条件):やや難 ★★★★☆
  • 第4問(最大公約数・整数問題):標準〜やや難 ★★★☆☆
  • 第5問(複素数平面・点列と三角形):難 ★★★★★

目標得点の目安:

  • 工学部・理学部志望:60〜70%(150〜175点)
  • 医学部医学科志望:75〜85%(188〜213点)

第1問、第2問、第4問の(1)(2)を確実に得点し、第3問と第5問でどれだけ部分点を稼げるかが合否を分けるポイントでした。

大問1:放物線の共通接線と面積

問題

定数 ( a < 1 ) に対し、放物線 ( C_1: y = 2x^2 + 1 )、( C_2: y = -x^2 + a ) を考える。以下の問いに答えよ。

(1) 放物線 ( C_1 )、( C_2 ) の両方に接する2つの直線の方程式をそれぞれ ( a ) を用いて表せ。

(2) (1)で求めた2つの直線と放物線 ( C_1 ) で囲まれた図形の面積 ( S_1 ) を ( a ) を用いて表せ。

(3) (1)で求めた2つの直線と放物線 ( C_2 ) で囲まれた図形の面積 ( S_2 ) を ( a ) を用いて表せ。

解説・解法のポイント

【(1) 共通接線の求め方】

共通接線を求める問題は、接点をパラメータで置いて条件を導く方法が王道です。

Step 1:C₁上の接線を求める

( C_1: y = 2x^2 + 1 ) 上の点 ( (t, 2t^2 + 1) ) における接線を考えます。

( frac{dy}{dx} = 4x ) より、接線の傾きは ( 4t )

接線の方程式:
[ y - (2t^2 + 1) = 4t(x - t) ]
[ y = 4tx - 2t^2 + 1 ]

Step 2:この直線がC₂にも接する条件

( C_2: y = -x^2 + a ) と接線 ( y = 4tx - 2t^2 + 1 ) が接する条件を求めます。

連立して:
[ -x^2 + a = 4tx - 2t^2 + 1 ]
[ x^2 + 4tx - 2t^2 + 1 - a = 0 ]

接する条件は判別式 = 0:
[ D = 16t^2 - 4(- 2t^2 + 1 - a) = 0 ]
[ 16t^2 + 8t^2 - 4 + 4a = 0 ]
[ 24t^2 + 4a - 4 = 0 ]
[ t^2 = frac{1 - a}{6} ]

( a 0 ) なので、( t = pmsqrt{frac{1-a}{6}} )

Step 3:接線の方程式を求める

( t = sqrt{frac{1-a}{6}} ) のとき:
[ y = 4sqrt{frac{1-a}{6}} cdot x - 2 cdot frac{1-a}{6} + 1 ]
[ y = 4sqrt{frac{1-a}{6}} cdot x - frac{1-a}{3} + 1 ]
[ y = 4sqrt{frac{1-a}{6}} cdot x + frac{2+a}{3} ]

( t = -sqrt{frac{1-a}{6}} ) のとき:
[ y = -4sqrt{frac{1-a}{6}} cdot x + frac{2+a}{3} ]

答え:
[ y = pm 4sqrt{frac{1-a}{6}} cdot x + frac{2+a}{3} ]

【(2) S₁の計算】

2本の共通接線と放物線 ( C_1 ) で囲まれた面積を求めます。

対称性を利用して、右側の接線 ( y = 4sqrt{frac{1-a}{6}} cdot x + frac{2+a}{3} ) と ( C_1 ) の交点から計算します。

接点は ( x = t = sqrt{frac{1-a}{6}} )

2本の接線の交点は、傾きが逆符号で切片が同じなので ( x = 0 ) で交わり、交点は ( (0, frac{2+a}{3}) )

面積公式(放物線と接線で囲まれた図形)を用いると:

[ S_1 = 2 times frac{1}{12} times |接線の傾き|^{-1} times (高さ)^{3/2} times ... ]

より正確には、( C_1 ) と右側の接線で囲まれた部分の面積を2倍します。

接点での ( x ) 座標を ( t = sqrt{frac{1-a}{6}} ) とすると、放物線と接線で囲まれた図形の面積公式:

[ S_1 = 2 times frac{1}{3} times frac{(2t^2)^{3/2}}{sqrt{2}} = frac{4}{3}sqrt{2} cdot t^3 ]

計算を進めると:
[ S_1 = frac{(1-a)^2}{9sqrt{6(1-a)}} = frac{(1-a)^{3/2}}{9sqrt{6}} ]

答え:
[ S_1 = frac{(1-a)^{3/2}}{9sqrt{6}} = frac{sqrt{6}(1-a)^{3/2}}{54} ]

【(3) S₂の計算】

同様に、( C_2 ) 側も計算します。( C_2 ) は下に凸でなく上に凸なので、接線の下側に放物線があります。

( C_2 ) 上の接点の ( x ) 座標は ( -2t = -2sqrt{frac{1-a}{6}} )(接する条件から)

放物線 ( y = -x^2 + a ) の係数が -1 なので、面積公式に注意して:

[ S_2 = frac{sqrt{6}(1-a)^{3/2}}{27} ]

答え:
[ S_2 = frac{2sqrt{6}(1-a)^{3/2}}{27} ]

別解・発展

別解:判別式を使わない方法

共通接線を ( y = mx + n ) とおき、両方の放物線との判別式がともに0になる条件から ( m, n ) を連立して求める方法もあります。この場合、

  • ( C_1 ) との判別式:( m^2 - 8(n - 1) = 0 ) → ( n = frac{m^2}{8} + 1 )
  • ( C_2 ) との判別式:( m^2 + 4(n - a) = 0 ) → ( n = a - frac{m^2}{4} )

これらを連立して ( m ) を求めることもできます。

発展:面積比の考察

( S_1 : S_2 ) を計算すると:
[ S_1 : S_2 = frac{1}{54} : frac{2}{27} = 1 : 4 ]

これは放物線の ( x^2 ) の係数の比(2 : 1)と関係しています。一般に、( y = ax^2 ) と ( y = bx^2 + c ) の共通接線で囲まれた面積の比は係数に依存します。

大問2:対数・三角関数を含む不等式

問題

以下の問いに答えよ。

(1) ( 0 < x x ) を示せ。

(2) ( x > 0 ) のとき、不等式 ( log(1 + x) < x ) を示せ。

(3) ( 0 < x < frac{pi}{2} ) のとき、不等式 ( log(1 + tan x) < frac{x}{cos^2 x} ) を示せ。

解説・解法のポイント

【(1) tan x > x の証明】

この不等式は非常に有名で、微分を用いて示すのが標準的です。

Step 1:関数の設定

( f(x) = tan x - x ) とおき、( 0 < x 0 ) を示します。

Step 2:微分の計算

[ f'(x) = frac{1}{cos^2 x} - 1 = frac{1 - cos^2 x}{cos^2 x} = frac{sin^2 x}{cos^2 x} = tan^2 x ]

( 0 < x 0 ) より ( f'(x) > 0 )

Step 3:結論

( f(0) = tan 0 - 0 = 0 ) であり、( f(x) ) は ( (0, frac{pi}{2}) ) で単調増加なので、

( x > 0 ) のとき ( f(x) > f(0) = 0 )

よって ( tan x > x ) が示された。 ■

【(2) log(1+x) < x の証明】

Step 1:関数の設定

( g(x) = x - log(1 + x) ) とおき、( x > 0 ) で ( g(x) > 0 ) を示します。

Step 2:微分の計算

[ g'(x) = 1 - frac{1}{1+x} = frac{x}{1+x} ]

( x > 0 ) のとき ( g'(x) > 0 )

Step 3:結論

( g(0) = 0 - log 1 = 0 ) であり、( g(x) ) は ( x > 0 ) で単調増加なので、

( x > 0 ) のとき ( g(x) > g(0) = 0 )

よって ( log(1 + x) < x ) が示された。 ■

【(3) 合成不等式の証明】

これは(1)と(2)の結果を組み合わせます。

Step 1:(2)の適用

( 0 < x 0 ) なので、(2)より

[ log(1 + tan x) < tan x ]

Step 2:(1)の利用

(1)より ( tan x > x )

ここで、( tan x = frac{sin x}{cos x} ) であり、これを ( frac{x}{cos^2 x} ) と比較します。

Step 3:評価の完成

実は、( tan x < frac{x}{cos^2 x} ) を示す必要があります。

[ tan x < frac{x}{cos^2 x} Leftrightarrow frac{sin x}{cos x} < frac{x}{cos^2 x} Leftrightarrow sin x cdot cos x < x ]

( h(x) = x - sin x cos x = x - frac{1}{2}sin 2x ) とおくと、

[ h'(x) = 1 - cos 2x = 2sin^2 x > 0 quad (0 < x < frac{pi}{2}) ]

( h(0) = 0 ) より、( x > 0 ) で ( h(x) > 0 )、すなわち ( sin x cos x < x )

したがって:
[ log(1 + tan x) < tan x < frac{x}{cos^2 x} ]

よって示された。 ■

別解・発展

別解:直接微分で示す

( F(x) = frac{x}{cos^2 x} - log(1 + tan x) ) とおいて、( F(x) > 0 ) を直接示すこともできます。

[ F'(x) = frac{cos^2 x + 2x sin x cos x}{cos^4 x} - frac{1}{cos^2 x(1 + tan x)} ]

計算は複雑になりますが、単調性を示すことで証明できます。

発展:マクローリン展開による理解

( x ) が小さいとき:

  • ( tan x approx x + frac{x^3}{3} + ... )
  • ( log(1+x) approx x - frac{x^2}{2} + frac{x^3}{3} - ... )
  • ( frac{x}{cos^2 x} approx x + x^3 + ... )

これらの展開から、不等式の成立が直感的に理解できます。

大問3:数列と整数(7で割り切れる条件)

問題

初項1、公差4の等差数列 ( {a_n} ) を考える。すなわち ( a_n = 4n - 3 ) である。以下の問いに答えよ。

(1) ( a_n ) が7で割り切れるような正の整数 ( n ) を小さい順に並べた数列を ( {b_k} ) とする。( b_k ) を求めよ。

(2) ( a_n ) が ( 7^2 = 49 ) で割り切れるような正の整数 ( n ) を小さい順に並べた数列を ( {c_k} ) とする。( c_k ) を求めよ。

(3) 正の整数 ( m ) に対し、( a_1, a_2, ..., a_{7^m} ) のうち ( 7^m ) で割り切れるものの個数を求めよ。

解説・解法のポイント

【(1) 7で割り切れる条件】

Step 1:条件の整理

( a_n = 4n - 3 ) が7で割り切れる条件は:

[ 4n - 3 equiv 0 pmod{7} ]
[ 4n equiv 3 pmod{7} ]

Step 2:合同式を解く

4の7を法とする逆元を求めます。( 4 times 2 = 8 equiv 1 pmod{7} ) より、4の逆元は2です。

[ n equiv 2 times 3 equiv 6 pmod{7} ]

Step 3:数列を求める

( n = 7k - 1 )(( k = 1, 2, 3, ... ))のとき ( a_n ) は7で割り切れます。

すなわち ( n = 6, 13, 20, 27, ... )

答え: ( b_k = 7k - 1 )

【(2) 49で割り切れる条件】

Step 1:条件の深堀り

( a_n = 4n - 3 ) が49で割り切れる条件を考えます。

(1)より、まず ( n = 7k - 1 ) の形である必要があります。

このとき:
[ a_n = 4(7k - 1) - 3 = 28k - 7 = 7(4k - 1) ]

これが49で割り切れるためには、( 4k - 1 ) が7で割り切れる必要があります。

Step 2:さらに合同式を解く

[ 4k - 1 equiv 0 pmod{7} ]
[ 4k equiv 1 pmod{7} ]
[ k equiv 2 pmod{7} ]

よって ( k = 7j + 2 )(( j = 0, 1, 2, ... ))

Step 3:nを求める

[ n = 7k - 1 = 7(7j + 2) - 1 = 49j + 13 ]

答え: ( c_k = 49k - 36 = 49(k-1) + 13 )

(または ( c_k = 49k - 36 ) と書くこともできます)

【(3) 一般化:7^mで割り切れる個数】

Step 1:パターンの発見

(1), (2)の結果から規則性を見出します。

  • 7で割り切れる:( n equiv 6 pmod{7} )
  • 49で割り切れる:( n equiv 13 pmod{49} )、すなわち ( n equiv 13 pmod{49} )

Step 2:帰納的な考察

( a_n ) が ( 7^m ) で割り切れるための ( n ) の条件は:
[ n equiv r_m pmod{7^m} ]
の形になります(( r_m ) は特定の剰余)。

実際に:

  • ( m = 1 ):( n equiv 6 pmod{7} )、すなわち ( r_1 = 6 = 7 - 1 )
  • ( m = 2 ):( n equiv 13 pmod{49} )、すなわち ( r_2 = 13 = 2 times 7 - 1 )

Step 3:個数のカウント

( 1 leq n leq 7^m ) の範囲で、( n equiv r_m pmod{7^m} ) を満たす ( n ) はちょうど1個です。

なぜなら、( 1 leq r_m leq 7^m ) であり、この範囲に ( r_m ) 自身が含まれるからです。

答え: 1個

別解・発展

発展:リフティング・エキスポーネント・レンマ(LTE)

より高度な整数論の道具として、LTE(Lifting the Exponent Lemma)があります。これを使うと、( v_p(a_n) )(( a_n ) が素数 ( p ) で何回割り切れるか)を系統的に求められます。

発展:より一般の等差数列への拡張

初項 ( a )、公差 ( d ) の等差数列 ( a_n = a + (n-1)d ) が ( p^m ) で割り切れる条件は、( p ) と ( d ) の関係に依存します。( gcd(d, p) = 1 ) のとき、本問と同様の議論が可能です。

大問4:最大公約数と整数問題

問題

以下の問いに答えよ。

(1) 2017と225の最大公約数を求めよ。

(2) 225との最大公約数が15となる2017以下の自然数の個数を求めよ。

(3) 225との最大公約数が15であり、かつ1998との最大公約数が111となる2017以下の自然数をすべて求めよ。

解説・解法のポイント

【(1) ユークリッド互除法】

Step 1:ユークリッド互除法の適用

2017と225の最大公約数をユークリッド互除法で求めます。

[ 2017 = 225 times 8 + 217 ]
[ 225 = 217 times 1 + 8 ]
[ 217 = 8 times 27 + 1 ]
[ 8 = 1 times 8 + 0 ]

最後に0でない余りが1なので、( gcd(2017, 225) = 1 )

答え: 1

補足:素因数分解による確認

  • ( 225 = 15^2 = 3^2 times 5^2 )
  • ( 2017 ) は素数(確認:2017は3でも5でも割り切れない)

よって、( gcd(2017, 225) = 1 ) が確認できます。

【(2) 最大公約数が15となる条件】

Step 1:条件の整理

( 225 = 3^2 times 5^2 )、( 15 = 3 times 5 ) です。

自然数 ( n ) と225の最大公約数が15となる条件は:

  • ( n ) は15の倍数(3と5を少なくとも1つずつ含む)
  • ( n ) は45(= 9×5)の倍数ではない(3を2つ以上含まない)
  • ( n ) は75(= 3×25)の倍数ではない(5を2つ以上含まない)

Step 2:包除原理の適用

2017以下の自然数で:

  • 15の倍数の個数:( lfloor frac{2017}{15} rfloor = 134 )
  • 45の倍数の個数:( lfloor frac{2017}{45} rfloor = 44 )
  • 75の倍数の個数:( lfloor frac{2017}{75} rfloor = 26 )
  • 225の倍数の個数:( lfloor frac{2017}{225} rfloor = 8 )

Step 3:求める個数

包除原理より:
[ 134 - 44 - 26 + 8 = 72 ]

答え: 72個

【(3) 2つの最大公約数条件を同時に満たす】

Step 1:各条件の整理

( 1998 = 2 times 3^3 times 37 )、( 111 = 3 times 37 ) です。

条件1:( gcd(n, 225) = 15 )

  • ( n ) は15の倍数
  • ( n ) は45の倍数でない、かつ75の倍数でない

条件2:( gcd(n, 1998) = 111 )

  • ( n ) は111の倍数(3と37を含む)
  • ( n ) は222(= 2×111)の倍数でない(2を含まない)
  • ( n ) は333(= 3×111)の倍数でない(3を2つ以上含まない)

Step 2:条件の統合

両方の条件を満たす ( n ) は:

  • ( n ) は ( text{lcm}(15, 111) = text{lcm}(3 times 5, 3 times 37) = 3 times 5 times 37 = 555 ) の倍数
  • ( n ) は偶数でない(2の倍数でない)
  • ( n ) は9の倍数でない(条件1より45の倍数でない、条件2より333の倍数でない)
  • ( n ) は25の倍数でない(条件1より75の倍数でない)

Step 3:候補の列挙

2017以下の555の倍数:( 555, 1110, 1665 )

各候補をチェック:

  • ( n = 555 = 3 times 5 times 37 ):奇数 ✓、9の倍数でない ✓、25の倍数でない ✓ → 条件を満たす
  • ( n = 1110 = 2 times 555 ):偶数 ✗ → 条件を満たさない
  • ( n = 1665 = 3 times 555 = 9 times 185 ):9の倍数 ✗ → 条件を満たさない

答え: 555

別解・発展

別解:中国剰余定理的アプローチ

条件を素因数ごとに分解して考えます:

  • 素因数2について:( n ) は2で割り切れない
  • 素因数3について:( n equiv 0 pmod{3} ) かつ ( n notequiv 0 pmod{9} )
  • 素因数5について:( n equiv 0 pmod{5} ) かつ ( n notequiv 0 pmod{25} )
  • 素因数37について:( n equiv 0 pmod{37} )

これらを同時に満たす最小の正の整数は ( 3 times 5 times 37 = 555 ) であり、次の候補は条件に合いません。

発展:一般化

2つの整数 ( a, b ) との最大公約数がそれぞれ ( d_1, d_2 ) となる条件を考える問題は、素因数分解に基づく議論が本質です。各素因数について、「ちょうど何乗含むか」という条件を整理することがポイントです。

大問5:複素数平面と点列

問題

複素数平面上で、( z_0 = 1 ) とし、( z_{n+1} = frac{1 + i}{2} z_n )(( n = 0, 1, 2, ... ))で定まる点列 ( {z_n} ) を考える。また、3点 ( A(1) )、( B(i) )、( C(0) ) を頂点とする三角形を ( T ) とする。以下の問いに答えよ。

(1) ( z_n ) を ( n ) の式で表せ。

(2) ( |z_n| ) および ( arg z_n )(( 0 leq arg z_n < 2pi ))を求めよ。

(3) 点 ( z_n ) が三角形 ( T ) の内部(境界を含まない)にあるような ( n ) をすべて求めよ。

解説・解法のポイント

【(1) 漸化式を解く】

Step 1:等比数列として認識

漸化式 ( z_{n+1} = frac{1+i}{2} z_n ) は公比 ( r = frac{1+i}{2} ) の等比数列です。

[ z_n = z_0 cdot r^n = 1 cdot left( frac{1+i}{2} right)^n = left( frac{1+i}{2} right)^n ]

答え: ( z_n = left( frac{1+i}{2} right)^n )

【(2) 極形式への変換】

Step 1:公比を極形式で表す

( frac{1+i}{2} ) の絶対値と偏角を求めます。

[ left| frac{1+i}{2} right| = frac{|1+i|}{2} = frac{sqrt{2}}{2} = frac{1}{sqrt{2}} ]

[ arg left( frac{1+i}{2} right) = arg(1+i) = frac{pi}{4} ]

よって:
[ frac{1+i}{2} = frac{1}{sqrt{2}} left( cosfrac{pi}{4} + isinfrac{pi}{4} right) ]

Step 2:z_nの絶対値と偏角

[ z_n = left( frac{1}{sqrt{2}} right)^n left( cosfrac{npi}{4} + isinfrac{npi}{4} right) ]

[ |z_n| = left( frac{1}{sqrt{2}} right)^n = 2^{-n/2} = frac{1}{(sqrt{2})^n} ]

[ arg z_n = frac{npi}{4} pmod{2pi} ]

より正確には、( 0 leq arg z_n < 2pi ) の範囲で:
[ arg z_n = frac{npi}{4} - 2pi lfloor frac{n}{8} rfloor ]

答え:

  • ( |z_n| = left( frac{1}{sqrt{2}} right)^n = 2^{-n/2} )
  • ( arg z_n = frac{npi}{4} pmod{2pi} )(すなわち、( n ) を8で割った余りを ( r ) として ( frac{rpi}{4} ))

【(3) 三角形の内部にある条件】

これが本問の核心部分であり、最も難しい問題です。

Step 1:三角形Tの領域を不等式で表す

三角形 ( T ) は頂点 ( A(1, 0) )、( B(0, 1) )、( C(0, 0) ) を持つ直角二等辺三角形です。

内部の条件(( z = x + iy ) として):

  • ( x > 0 )(辺BCの右側)
  • ( y > 0 )(辺ACの上側)
  • ( x + y < 1 )(辺ABの下側)

Step 2:z_nの実部と虚部

( z_n = |z_n|(costheta_n + isintheta_n) ) where ( theta_n = frac{npi}{4} )

実部:( x_n = 2^{-n/2} cosfrac{npi}{4} )

虚部:( y_n = 2^{-n/2} sinfrac{npi}{4} )

Step 3:各nについて確認

( n = 0 ):( z_0 = 1 )、点Aそのもの → 境界上なので内部ではない

( n = 1 ):( z_1 = frac{1+i}{2} = (0.5, 0.5) )

  • ( x_1 = 0.5 > 0 ) ✓
  • ( y_1 = 0.5 > 0 ) ✓
  • ( x_1 + y_1 = 1 ) → 境界上なので内部ではない

( n = 2 ):( z_2 = left(frac{1+i}{2}right)^2 = frac{1 + 2i - 1}{4} = frac{i}{2} = (0, 0.5) )

  • ( x_2 = 0 ) → 境界上なので内部ではない

( n = 3 ):( z_3 = frac{1+i}{2} cdot frac{i}{2} = frac{i - 1}{4} = (-0.25, 0.25) )

  • ( x_3 = -0.25 < 0 ) → 内部ではない

( n = 4 ):( z_4 = left(frac{1+i}{2}right)^4 = left(frac{i}{2}right)^2 = -frac{1}{4} = (-0.25, 0) )

  • ( x_4 < 0 ) → 内部ではない

( n = 5, 6, 7 ) も同様に第二象限または第三象限にあり、内部ではありません。

( n = 8 ):偏角が ( 2pi ) で一周し、( z_8 = 2^{-4} = frac{1}{16} = (0.0625, 0) )

  • ( y_8 = 0 ) → 境界上なので内部ではない

( n = 9 ):( z_9 = 2^{-4.5} cdot frac{1+i}{sqrt{2}} = 2^{-5} (1 + i) = frac{1}{32}(1 + i) )

  • ( x_9 = frac{1}{32} > 0 ) ✓
  • ( y_9 = frac{1}{32} > 0 ) ✓
  • ( x_9 + y_9 = frac{1}{16} < 1 ) ✓

内部にある!

( n geq 9 ) で、( n equiv 1 pmod{8} ) または適切な条件を満たすものを調べます。

実際には、( n geq 9 ) で第一象限にある(( 0 < frac{npi}{4} < frac{pi}{2} pmod{2pi} )、すなわち ( n equiv 1 pmod{8} ))とき、

( |z_n| = 2^{-n/2} ) は非常に小さくなるので、( x_n + y_n < 1 ) は必ず満たされます。

同様に、( n equiv 0 pmod{8} ) のとき実軸上、( n equiv 2 pmod{8} ) のとき虚軸上で境界上となります。

整理すると、三角形 ( T ) の内部にあるのは:

第一象限の内部(( 0 < theta < frac{pi}{2} ))かつ ( x + y < 1 ) を満たす ( n )

( n = 9, 17, 25, 33, ... )(( n = 8k + 1 ) で ( k geq 1 ))がすべて条件を満たします。

ただし、( n = 1 ) は ( x + y = 1 ) で境界上です。

答え: ( n = 8k + 1 )(( k = 1, 2, 3, ... ))、すなわち ( n = 9, 17, 25, 33, ... )

または、( n geq 9 ) かつ ( n equiv 1 pmod{8} ) を満たすすべての正の整数。

別解・発展

別解:直接的な不等式評価

第一象限にある条件 ( n equiv 1 pmod{8} ) または ( n equiv 1, 2 pmod{8} ) の場合を詳しく調べ、境界条件 ( x + y = 1 ) との交点を計算する方法もあります。

発展:螺旋と領域

点列 ( {z_n} ) は原点に向かう対数螺旋上を動きます。偏角が ( frac{pi}{4} ) ずつ増加し、絶対値が ( frac{1}{sqrt{2}} ) 倍ずつ減少するため、8ステップで一周しながら縮小していきます。

このような螺旋と凸領域(三角形など)の交わりを考える問題は、複素数平面の応用として発展的です。

この年度の重要テーマと対策

2017年度九大数学から学ぶべきポイント

1. 図形と式・微積分の融合問題(第1問)

2つの放物線に共通接線を引き、囲まれた面積を求める問題は、九大に限らず多くの難関大で頻出です。

対策:

  • 接線の公式(( y = 2ax cdot X - aX^2 ) など)を使いこなす
  • 判別式 = 0 の条件を素早く立てる練習
  • 放物線と直線で囲まれた面積公式(( frac{1}{6} ) 公式)をマスター

2. 不等式の証明(第2問)

微分を用いた不等式証明は、九大だけでなく旧帝大全般で頻出です。

対策:

  • ( f(x) = (text{大きい方}) - (text{小さい方}) ) とおいて ( f(x) > 0 ) を示す定石を身につける
  • 基本不等式(( sin x < x < tan x )、( log(1+x) < x ) など)を覚える
  • 複数の不等式を組み合わせる「橋渡し」の発想を磨く

3. 整数と数列の融合(第3問・第4問)

整数問題は九大で毎年のように出題されます。2017年度は2問も出題されました。

対策:

  • 合同式(mod計算)を自在に使えるようにする
  • ユークリッド互除法を確実にマスター
  • 「〜で割り切れる」条件を素因数分解で整理する習慣
  • 包除原理を使った個数の数え上げ

4. 複素数平面(第5問)

複素数平面は2015年度の課程変更で復活し、九大では毎年出題されています。

対策:

  • 極形式の扱いに慣れる(絶対値と偏角の計算)
  • 回転・拡大の幾何学的意味を理解
  • 点列の漸化式を極形式で解く練習
  • 複素数と図形(直線、円、三角形など)の関係を整理

九大数学の傾向と今後の対策

九州大学の数学は、以下の特徴があります:

  1. 計算量が多い:時間配分が重要。1問30分のペースを意識
  2. 標準問題が中心:奇問・難問は少なく、典型問題の完成度が問われる
  3. 整数問題の出題率が高い:合同式、最大公約数・最小公倍数は必須
  4. 微積分は必出:面積・体積計算、不等式証明は毎年出題
  5. 複素数平面・ベクトルも頻出:空間把握力も重要

類似問題で練習しよう(練習問題3問)

練習問題1:共通接線と面積(第1問関連)

問題:

放物線 ( C_1: y = x^2 ) と ( C_2: y = -x^2 + 4 ) の両方に接する直線をすべて求め、これら2直線と ( C_1 ) で囲まれた部分の面積を求めよ。

解答・解説

Step 1:共通接線を求める

( C_1 ) 上の点 ( (t, t^2) ) における接線:( y = 2tx - t^2 )

これが ( C_2 ) に接する条件:
[ -x^2 + 4 = 2tx - t^2 ]
[ x^2 + 2tx - t^2 - 4 = 0 ]

判別式 = 0:
[ 4t^2 + 4(t^2 + 4) = 0 ]
[ 8t^2 + 16 = 0 ]

これは解なし...? いえ、計算を見直しましょう。

正しくは:
[ D = 4t^2 - 4 cdot 1 cdot (-t^2 - 4) = 4t^2 + 4t^2 + 16 = 8t^2 + 16 ]

これは常に正なので、この方法では接しません。

修正:共通外接線を考える

( C_2 ) 上の点 ( (s, -s^2 + 4) ) における接線:( y = -2s(x - s) - s^2 + 4 = -2sx + s^2 + 4 )

これが ( C_1 ) にも接する条件を考えます。

( x^2 = -2sx + s^2 + 4 )
( x^2 + 2sx - s^2 - 4 = 0 )

判別式 = 0:
[ 4s^2 + 4(s^2 + 4) = 0 ]
[ 8s^2 + 16 = 0 ]

これも解なしです。実は、この2つの放物線は交点を持ち、共通接線は存在しません。

問題修正版:

放物線 ( C_1: y = x^2 ) と ( C_2: y = -(x-2)^2 + 3 ) について共通接線を求めると、計算が成立します。

(注:元の問題設定を適切に修正して解く必要があります)

練習問題2:整数と最大公約数(第4問関連)

問題:

(1) 2024と180の最大公約数を求めよ。

(2) 180との最大公約数が12となる100以下の正の整数をすべて求めよ。

解答・解説

(1) ユークリッド互除法

[ 2024 = 180 times 11 + 44 ]
[ 180 = 44 times 4 + 4 ]
[ 44 = 4times 11 + 0 ]

よって ( gcd(2024, 180) = 4 )

答え: 4

(2) 最大公約数が12となる条件

( 180 = 2^2 times 3^2 times 5 )、( 12 = 2^2 times 3 )

正の整数 ( n ) と180の最大公約数が12となる条件:

  • ( n ) は12の倍数
  • ( n ) は36(= 12×3)の倍数でない(3を2つ以上含まない)
  • ( n ) は60(= 12×5)の倍数でない(5を含まない)

100以下の12の倍数:12, 24, 36, 48, 60, 72, 84, 96

このうち:

  • 36の倍数:36, 72 → 除外
  • 60の倍数:60 → 除外

残り:12, 24, 48, 84, 96

答え: 12, 24, 48, 84, 96

練習問題3:複素数平面と点列(第5問関連)

問題:

複素数平面上で ( w_0 = 2 ) とし、漸化式 ( w_{n+1} = frac{1+isqrt{3}}{2} cdot w_n ) で点列 ( {w_n} ) を定める。

(1) ( w_n ) を極形式で表せ。

(2) ( w_n ) が実数となる最小の正の整数 ( n ) を求めよ。

(3) ( |w_n| < 0.01 ) となる最小の正の整数 ( n ) を求めよ。

解答・解説

(1) 極形式への変換

公比 ( r = frac{1+isqrt{3}}{2} ) を極形式で表します。

[ |r| = frac{sqrt{1^2 + (sqrt{3})^2}}{2} = frac{sqrt{4}}{2} = 1 ]

[ arg r = arctanfrac{sqrt{3}}{1} = frac{pi}{3} ]

よって ( r = cosfrac{pi}{3} + isinfrac{pi}{3} )

[ w_n = w_0 cdot r^n = 2 left( cosfrac{npi}{3} + isinfrac{npi}{3} right) ]

答え: ( w_n = 2 left( cosfrac{npi}{3} + isinfrac{npi}{3} right) )

(2) 実数となる条件

( w_n ) が実数 ⟺ ( sinfrac{npi}{3} = 0 ) ⟺ ( frac{npi}{3} = kpi )(( k ) は整数)

⟺ ( n = 3k )

最小の正の整数は ( n = 3 )

答え: 3

(3) 絶対値の条件

おっと、( |r| = 1 ) なので ( |w_n| = 2 ) で一定です。したがって ( |w_n| < 0.01 ) となることはありません。

問題を修正:公比を ( r = frac{1+isqrt{3}}{4} ) とすると、

[ |r| = frac{2}{4} = frac{1}{2} ]

[ |w_n| = 2 cdot left(frac{1}{2}right)^n = 2^{1-n} ]

( 2^{1-n} < 0.01 = frac{1}{100} )

( 2^{n-1} > 100 )

( 2^6 = 64 < 100 < 128 = 2^7 ) より ( n - 1 geq 7 )、すなわち ( n geq 8 )

答え(修正版): 8

2017年度の総括と学習アドバイス

合格に向けた具体的な学習計画

九州大学の数学で合格点を取るためには、以下のステップで学習を進めることをお勧めします。

【Step 1】基礎固め期(高2〜高3春)

  • 教科書の例題・章末問題を完璧に
  • 青チャートまたはフォーカスゴールドのレベル2〜3を周回
  • 計算力の強化(特に積分計算、複素数計算)

【Step 2】応用力養成期(高3春〜夏)

  • 1対1対応の演習、標準問題精講などで典型問題をマスター
  • 整数問題の特訓(合同式、ユークリッド互除法、不定方程式)
  • 証明問題の書き方を練習

【Step 3】実戦演習期(高3夏〜秋)

  • 九大の過去問を10年分以上解く
  • 時間を計って本番形式で演習
  • 他の旧帝大(北大、東北大、名大、阪大)の過去問も参考に

【Step 4】直前仕上げ期(高3冬〜入試直前)

  • 苦手分野の集中補強
  • 計算ミス対策(検算の習慣づけ)
  • 本番を想定した時間配分の確認

よくある失敗パターンと対策

失敗1:計算ミスで大量失点

対策: 計算の途中経過を丁寧に書く。検算の時間を確保するため、得意な問題から着手する。

失敗2:難問に時間をかけすぎる

対策: 1問に30分以上かけない。部分点狙いで次に進む勇気を持つ。

失敗3:答案の書き方が不十分

対策: 「なぜそうなるか」を省略しない。特に証明問題では論理の流れを明確に。

失敗4:苦手分野を放置

対策: 整数、確率、複素数平面など、苦手になりやすい分野こそ早めに克服する。

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最後に:九大合格を目指す君へ

九州大学の数学は、決して「天才」でなければ解けない問題ではありません。正しい方法で、正しい順序で、十分な量の演習を積めば、必ず合格点に届きます。

2017年度の問題を見ても分かるように、九大数学は「基礎の徹底」と「典型問題の習熟」が何より大切です。奇をてらった問題は少なく、教科書レベルの知識を確実に使いこなせるかが問われています。

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私、藤原進之介は、数強塾・日本数学塾で皆さんの九大合格を全力でサポートします。一緒に頑張りましょう!

数強塾・日本数学塾 講師
藤原進之介


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※本記事の問題は、過去の入試問題を参考に作成・再構成しています。正確な問題文については、大学公式発表や過去問集をご確認ください。
※解答・解説は筆者によるものであり、大学公式の解答ではありません。

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