高知大学 2012年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!
今回は、高知大学 2012年度の数学(前期日程・理系)の過去問を徹底解説していきます。高知大学は四国地方を代表する国立大学で、医学部・理学部・農学部など理系学部が充実しています。数学の入試問題は基本〜標準レベルが中心ですが、しっかりとした計算力と典型問題の解法パターンの習得が求められます。
この記事では、各大問の問題内容、解法のポイント、別解や発展的な考え方まで詳しく解説します。ぜひ最後まで読んで、高知大学合格への第一歩を踏み出しましょう!
試験概要・難易度
2012年度 高知大学 前期日程 数学(理系)の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 120分 |
| 出題形式 | 記述式(大問4問構成) |
| 出題範囲 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列・ベクトル) |
| 配点 | 300点満点(理学部・農学部等)※学部により異なる |
| 難易度 | 標準〜やや易(一部発展問題あり) |
2012年度の全体講評
2012年度の高知大学理系数学は、全体として標準的な難易度でした。典型的な計算問題や頻出パターンの問題が多く出題され、教科書レベルの基礎がしっかり身についていれば十分に対応できる内容でした。
出題分野は、数列(漸化式)、微分積分、ベクトル、確率といった定番分野がバランスよく出題されました。特に2012年度は漸化式の問題と積分計算(部分積分)が特徴的で、計算力と公式の運用能力が試される構成となっています。
合格ラインとしては、7割〜8割(210点〜240点程度)を目標にしたいところです。基本問題での失点を防ぎ、標準問題を確実に得点することが重要です。
大問1:二次関数と領域(場合分けと不等式)
問題
2012年度の第1問は、二次関数と座標平面上の領域に関する問題でした。
【問題】
実数 (a) に対して、放物線 (C: y = x^2 - 2ax + a^2 + a) を考える。
(1) 放物線 (C) の頂点の座標を (a) を用いて表せ。
(2) (a) が実数全体を動くとき、放物線 (C) の頂点が通過する領域を図示せよ。
(3) 点 ((2, 1)) が放物線 (C) 上にあるような (a) の値を求めよ。
解説・解法のポイント
(1) 頂点の座標
二次関数 (y = x^2 - 2ax + a^2 + a) を平方完成します。
[y = x^2 - 2ax + a^2 + a]
[= (x - a)^2 - a^2 + a^2 + a]
[= (x - a)^2 + a]
したがって、頂点の座標は ((a, a)) です。
【ポイント】 二次関数 (y = (x-p)^2 + q) の頂点は ((p, q)) です。平方完成は必須テクニックなので、素早く正確にできるようにしましょう。
(2) 頂点が通過する領域
頂点 ((a, a)) において、(x = a)、(y = a) より、(x = y) が成り立ちます。
(a) は実数全体を動くので、頂点が通過する領域は直線 (y = x)(全体)となります。
【答え】 直線 (y = x)(境界を含む)
(3) 点(2, 1)が放物線上にある条件
点 ((2, 1)) を放物線の式に代入します。
[1 = 2^2 - 2a cdot 2 + a^2 + a]
[1 = 4 - 4a + a^2 + a]
[1 = a^2 - 3a + 4]
[a^2 - 3a + 3 = 0]
判別式を計算すると、(D = 9 - 12 = -3 < 0) なので、実数解は存在しません。
したがって、点 ((2, 1)) が放物線 (C) 上にあるような実数 (a) は存在しない。
別解・発展
(2)について、パラメータを消去する別のアプローチも有効です。
頂点を ((X, Y)) とおくと、(X = a)、(Y = a) より、直接 (Y = X) が得られます。これは軌跡の問題の基本的な解法です。
発展:もし頂点の (y) 座標が (a^2) など (a) の2次式だった場合、(X = a) から (a = X) を求め、(Y = X^2) のように放物線の軌跡となります。パラメータの次数に注意しましょう。
大問2:数列・漸化式(和と一般項の関係)
問題
2012年度の第2問は、和 (S_n) を含む漸化式から一般項を求める典型問題でした。
【問題】
各自然数 (n) に対して (a_n > 0) であり、初項から第 (n) 項までの和 (S_n) が
[S_n = frac{1}{2}a_n^2 + frac{1}{2}a_n - 1]
を満たすとき、一般項 (a_n) を求めよ。
解説・解法のポイント
Step 1:(n = 1) のとき
(n = 1) のとき、(S_1 = a_1) なので、
[a_1 = frac{1}{2}a_1^2 + frac{1}{2}a_1 - 1]
[a_1 - frac{1}{2}a_1 = frac{1}{2}a_1^2 - 1]
[frac{1}{2}a_1 = frac{1}{2}a_1^2 - 1]
[a_1 = a_1^2 - 2]
[a_1^2 - a_1 - 2 = 0]
[(a_1 - 2)(a_1 + 1) = 0]
(a_1 > 0) より、(a_1 = 2)
Step 2:(n geq 2) のときの漸化式導出
(n geq 2) のとき、(a_n = S_n - S_{n-1}) を利用します。
与式より:
[S_n = frac{1}{2}a_n^2 + frac{1}{2}a_n - 1 quad cdots (1)]
[S_{n-1} = frac{1}{2}a_{n-1}^2 + frac{1}{2}a_{n-1} - 1 quad cdots (2)]
(1) - (2) より:
[a_n = frac{1}{2}a_n^2 + frac{1}{2}a_n - frac{1}{2}a_{n-1}^2 - frac{1}{2}a_{n-1}]
整理すると:
[a_n - frac{1}{2}a_n = frac{1}{2}a_n^2 - frac{1}{2}a_{n-1}^2 - frac{1}{2}a_{n-1}]
[frac{1}{2}a_n = frac{1}{2}(a_n^2 - a_{n-1}^2 - a_{n-1})]
[a_n = a_n^2 - a_{n-1}^2 - a_{n-1}]
[a_n^2 - a_n = a_{n-1}^2 + a_{n-1}]
[a_n(a_n - 1) = a_{n-1}(a_{n-1} + 1)]
Step 3:新しい数列の導入
(b_n = a_n(a_n - 1)) とおくと、上の漸化式は
[b_n = a_{n-1}(a_{n-1} + 1)]
ここで、(a_n > 0) かつ Step 1 より (a_1 = 2) であることに注目します。
数列 ({a_n}) が正の整数列であると仮定して計算を進めます。
(a_1 = 2) のとき、(a_1(a_1 + 1) = 2 times 3 = 6)
よって (a_2(a_2 - 1) = 6)、すなわち (a_2^2 - a_2 - 6 = 0)
((a_2 - 3)(a_2 + 2) = 0)
(a_2 > 0) より (a_2 = 3)
同様に、(a_2(a_2 + 1) = 3 times 4 = 12)
(a_3(a_3 - 1) = 12)、すなわち (a_3^2 - a_3 - 12 = 0)
((a_3 - 4)(a_3 + 3) = 0)
(a_3 > 0) より (a_3 = 4)
Step 4:一般項の推定と証明
(a_1 = 2, a_2 = 3, a_3 = 4, ldots) より、(a_n = n + 1) と推定できます。
【数学的帰納法による証明】
(i) (n = 1) のとき、(a_1 = 1 + 1 = 2) ✓
(ii) (n = k) のとき (a_k = k + 1) が成り立つと仮定する。
(a_{k+1}(a_{k+1} - 1) = a_k(a_k + 1) = (k+1)(k+2))
(a_{k+1}^2 - a_{k+1} - (k+1)(k+2) = 0)
解の公式より:
[a_{k+1} = frac{1 pm sqrt{1 + 4(k+1)(k+2)}}{2} = frac{1 pm sqrt{4k^2 + 12k + 9}}{2} = frac{1 pm (2k+3)}{2}]
(a_{k+1} > 0) より、(a_{k+1} = frac{1 + 2k + 3}{2} = k + 2 = (k+1) + 1)
よって (n = k + 1) でも成り立つ。
以上より、(a_n = n + 1)
別解・発展
【別解:直接代入による検証】
(a_n = n + 1) を (S_n = frac{1}{2}a_n^2 + frac{1}{2}a_n - 1) の右辺に代入:
[frac{1}{2}(n+1)^2 + frac{1}{2}(n+1) - 1 = frac{(n+1)^2 + (n+1) - 2}{2} = frac{n^2 + 3n}{2} = frac{n(n+3)}{2}]
一方、(S_n = sum_{k=1}^{n}(k+1) = sum_{k=1}^{n}k + n = frac{n(n+1)}{2} + n = frac{n^2 + 3n}{2})
両者は一致するので、(a_n = n + 1) は確かに条件を満たします。
【重要ポイント】 (S_n) と (a_n) の関係式を含む問題では、必ず (n = 1) の場合を別に確認しましょう。(n geq 2) で導いた漸化式が (n = 1) でも成り立つとは限りません。
大問3:確率(反復試行と条件付き確率)
問題
第3問は確率の問題で、反復試行と条件付き確率を組み合わせた標準的な出題でした。
【問題】
袋の中に赤玉3個と白玉2個が入っている。この袋から玉を1個取り出し、色を確認してから袋に戻す試行を繰り返す。
(1) 4回の試行で、赤玉がちょうど2回出る確率を求めよ。
(2) 4回の試行で、少なくとも1回は赤玉が出る確率を求めよ。
(3) 4回目に初めて赤玉が出る確率を求めよ。
(4) 4回の試行で赤玉が2回以上出たとき、1回目が赤玉である条件付き確率を求めよ。
解説・解法のポイント
基本設定の確認
赤玉が出る確率:(p = frac{3}{5})
白玉が出る確率:(q = frac{2}{5})
(1) 4回中ちょうど2回赤玉が出る確率
これは反復試行の確率の典型問題です。
[P = {}_4C_2 left(frac{3}{5}right)^2 left(frac{2}{5}right)^2 = 6 times frac{9}{25} times frac{4}{25} = frac{216}{625}]
【答え】 (frac{216}{625})
(2) 少なくとも1回赤玉が出る確率
余事象を利用します。「少なくとも1回赤玉」の余事象は「4回とも白玉」です。
[P = 1 - left(frac{2}{5}right)^4 = 1 - frac{16}{625} = frac{609}{625}]
【答え】 (frac{609}{625})
(3) 4回目に初めて赤玉が出る確率
1〜3回目は白玉、4回目に赤玉が出る確率です。
[P = left(frac{2}{5}right)^3 times frac{3}{5} = frac{8}{125} times frac{3}{5} = frac{24}{625}]
【答え】 (frac{24}{625})
(4) 条件付き確率
事象A:「赤玉が2回以上出る」
事象B:「1回目が赤玉」
求める条件付き確率は (P(B|A) = frac{P(A cap B)}{P(A)})
P(A) の計算:
[P(A) = 1 - P(text{0回}) - P(text{1回})]
[= 1 - left(frac{2}{5}right)^4 - {}_4C_1left(frac{3}{5}right)^1left(frac{2}{5}right)^3]
[= 1 - frac{16}{625} - 4 times frac{3}{5} times frac{8}{125}]
[= 1 - frac{16}{625} - frac{96}{625} = frac{513}{625}]
P(A ∩ B) の計算:
「1回目が赤玉」かつ「全体で2回以上赤玉」
= 「1回目が赤玉」かつ「2〜4回目で1回以上赤玉」
[P(A cap B) = frac{3}{5} times left[1 - left(frac{2}{5}right)^3right] = frac{3}{5} times frac{117}{125} = frac{351}{625}]
条件付き確率:
[P(B|A) = frac{351/625}{513/625} = frac{351}{513} = frac{117}{171} = frac{13}{19}]
【答え】 (frac{13}{19})
別解・発展
(4)の別解として、場合分けによる直接計算も可能です。
赤玉が2回以上出るパターンを、1回目が赤の場合と白の場合に分けて数え上げる方法です。計算は煩雑になりますが、考え方の確認には有効です。
発展:条件付き確率の問題では、ベイズの定理を用いる方法もあります。複数の事象の確率を整理する際に便利なので、余裕があれば学習しておきましょう。
大問4:微分積分(部分積分と定積分)
問題
第4問は微分積分の問題で、部分積分を用いた定積分の計算が出題されました。
【問題】
(n) を自然数とする。
(1) 定積分 (I_n = int_0^1 x^n e^x , dx) について、(I_n) と (I_{n-1}) の間に成り立つ漸化式を求めよ。
(2) (I_1, I_2) の値を求めよ。
(3) (lim_{n to infty} n cdot I_n) を求めよ。
解説・解法のポイント
(1) 漸化式の導出
部分積分を用います。(int f'g = fg - int fg') の公式で、(f' = e^x)、(g = x^n) とおきます。
[I_n = int_0^1 x^n e^x , dx = left[x^n e^xright]_0^1 - int_0^1 nx^{n-1} e^x , dx]
[= 1^n cdot e^1 - 0^n cdot e^0 - nint_0^1 x^{n-1} e^x , dx]
[= e - n I_{n-1}]
【答え】 (I_n = e - nI_{n-1}) ((n geq 1))
(2) I₁、I₂ の計算
まず (I_0) を求めます:
[I_0 = int_0^1 e^x , dx = [e^x]_0^1 = e - 1]
(I_1) の計算:
[I_1 = e - 1 cdot I_0 = e - (e - 1) = 1]
(I_2) の計算:
[I_2 = e - 2 cdot I_1 = e - 2 cdot 1 = e - 2]
【答え】 (I_1 = 1)、(I_2 = e - 2)
(3) 極限の計算
漸化式 (I_n = e - nI_{n-1}) を変形すると:
[nI_{n-1} = e - I_n]
ここで、(n to infty) のとき (I_n) の挙動を調べます。
(0 leq x leq 1) において (0 leq x^n e^x leq e) であり、(n to infty) のとき (x^n to 0)((0 leq x < 1))なので、
[lim_{n to infty} I_n = int_0^1 lim_{n to infty} x^n
[lim_{n to infty} I_n = int_0^1 lim_{n to infty} x^n e^x , dx = 0]
((x = 1) での値 (e) は測度0の集合上の値なので積分に影響しない)
漸化式 (I_n = e - nI_{n-1}) より (nI_{n-1} = e - I_n) なので、
[lim_{n to infty} nI_{n-1} = lim_{n to infty}(e - I_n) = e - 0 = e]
添え字を調整すると、(lim_{n to infty} (n+1)I_n = e) となります。
ここで、(lim_{n to infty} nI_n = lim_{n to infty} frac{n}{n+1} cdot (n+1)I_n = 1 cdot e = e)
【答え】 (lim_{n to infty} n cdot I_n = e)
別解・発展
【別解:はさみうちの原理による証明】
(0 leq x leq 1) において、(1 leq e^x leq e) なので、
[int_0^1 x^n , dx leq I_n = int_0^1 x^n e^x , dx leq eint_0^1 x^n , dx]
[frac{1}{n+1} leq I_n leq frac{e}{n+1}]
両辺に (n) を掛けると:
[frac{n}{n+1} leq nI_n leq frac{en}{n+1}]
(n to infty) のとき、左辺 → 1、右辺 → e となります。
この評価からは (1 leq lim_{n to infty} nI_n leq e) しか分かりませんが、より精密な評価と漸化式を組み合わせることで (lim_{n to infty} nI_n = e) が得られます。
【重要ポイント】 部分積分による漸化式の導出は頻出パターンです。特に (int x^n e^x dx)、(int x^n sin x , dx)、(int x^n cos x , dx) などは定番なので、しっかり練習しておきましょう。
発展:この問題はガンマ関数 (Gamma(n+1) = int_0^{infty} x^n e^{-x} dx = n!) と関連しています。積分区間や被積分関数を少し変えると、階乗との美しい関係が現れます。
大問5:ベクトル(空間ベクトルと平面の方程式)
問題
理系学部では大問5として空間ベクトルの問題も出題されました。
【問題】
空間内に3点 (A(1, 0, 0))、(B(0, 2, 0))、(C(0, 0, 3)) がある。
(1) 三角形ABCの面積を求めよ。
(2) 平面ABCの方程式を求めよ。
(3) 原点Oから平面ABCに下ろした垂線の足Hの座標を求めよ。
(4) 四面体OABCの体積を求めよ。
解説・解法のポイント
(1) 三角形ABCの面積
まず、(overrightarrow{AB}) と (overrightarrow{AC}) を求めます。
[overrightarrow{AB} = B - A = (-1, 2, 0)]
[overrightarrow{AC} = C - A = (-1, 0, 3)]
三角形の面積は外積の大きさの半分で求められます。
[overrightarrow{AB} times overrightarrow{AC} = begin{vmatrix} vec{i} & vec{j} & vec{k} \ -1 & 2 & 0 \ -1 & 0 & 3 end{vmatrix}]
[= vec{i}(2 cdot 3 - 0 cdot 0) - vec{j}((-1) cdot 3 - 0 cdot (-1)) + vec{k}((-1) cdot 0 - 2 cdot (-1))]
[= vec{i}(6) - vec{j}(-3) + vec{k}(2)]
[= (6, 3, 2)]
外積の大きさ:
[|overrightarrow{AB} times overrightarrow{AC}| = sqrt{6^2 + 3^2 + 2^2} = sqrt{36 + 9 + 4} = sqrt{49} = 7]
三角形ABCの面積:
[S = frac{1}{2} times 7 = frac{7}{2}]
【答え】 (frac{7}{2})
(2) 平面ABCの方程式
平面の法線ベクトルは外積 (overrightarrow{AB} times overrightarrow{AC} = (6, 3, 2)) です。
平面ABCは点A(1, 0, 0)を通るので:
[6(x - 1) + 3(y - 0) + 2(z - 0) = 0]
[6x - 6 + 3y + 2z = 0]
[6x + 3y + 2z = 6]
【答え】 (6x + 3y + 2z = 6)(または (frac{x}{1} + frac{y}{2} + frac{z}{3} = 1))
(3) 垂線の足Hの座標
原点O(0, 0, 0)から平面 (6x + 3y + 2z = 6) に下ろした垂線の足Hを求めます。
垂線は法線ベクトル (6, 3, 2) の方向なので、Hの座標は
[H = (6t, 3t, 2t)]
と表せます((t) はパラメータ)。
Hは平面上にあるので:
[6 cdot 6t + 3 cdot 3t + 2 cdot 2t = 6]
[36t + 9t + 4t = 6]
[49t = 6]
[t = frac{6}{49}]
したがって:
[H = left(frac{36}{49}, frac{18}{49}, frac{12}{49}right)]
【答え】 (Hleft(frac{36}{49}, frac{18}{49}, frac{12}{49}right))
(4) 四面体OABCの体積
四面体の体積は「底面積 × 高さ × 1/3」で求められます。
底面を三角形ABCとすると、面積は (1) より (frac{7}{2})。
高さは原点Oから平面ABCまでの距離、すなわち (|OH|) です。
[|OH| = sqrt{left(frac{36}{49}right)^2 + left(frac{18}{49}right)^2 + left(frac{12}{49}right)^2}]
[= frac{1}{49}sqrt{36^2 + 18^2 + 12^2} = frac{1}{49}sqrt{1296 + 324 + 144} = frac{1}{49}sqrt{1764} = frac{42}{49} = frac{6}{7}]
四面体の体積:
[V = frac{1}{3} times frac{7}{2} times frac{6}{7} = frac{1}{3} times 3 = 1]
【答え】 (1)
別解・発展
【別解:スカラー三重積による体積計算】
四面体OABCの体積は、スカラー三重積を用いて次のように計算できます。
[V = frac{1}{6}|overrightarrow{OA} cdot (overrightarrow{OB} times overrightarrow{OC})|]
(overrightarrow{OA} = (1, 0, 0))、(overrightarrow{OB} = (0, 2, 0))、(overrightarrow{OC} = (0, 0, 3))
[overrightarrow{OB} times overrightarrow{OC} = begin{vmatrix} vec{i} & vec{j} & vec{k} \ 0 & 2 & 0 \ 0 & 0 & 3 end{vmatrix} = (6, 0, 0)]
[overrightarrow{OA} cdot (6, 0, 0) = 1 times 6 + 0 + 0 = 6]
[V = frac{1}{6} times 6 = 1]
発展:座標軸上に頂点がある四面体の体積は (V = frac{1}{6}abc)(a, b, c は各軸の切片)という公式でも求められます。本問では (a = 1, b = 2, c = 3) なので (V = frac{1}{6} times 1 times 2 times 3 = 1) と一発で計算できます。
この年度の重要テーマと対策
2012年度の出題傾向まとめ
2012年度の高知大学理系数学では、以下の分野・テーマが重点的に出題されました。
| 大問 | 分野 | 重要度 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| 第1問 | 二次関数・軌跡 | ★★★ | 基本〜標準 |
| 第2問 | 数列・漸化式 | ★★★★★ | 標準 |
| 第3問 | 確率 | ★★★★ | 標準 |
| 第4問 | 微分積分(部分積分) | ★★★★★ | 標準〜やや難 |
| 第5問 | 空間ベクトル | ★★★★ | 標準 |
高知大学数学の傾向と対策
1. 計算力の強化が必須
高知大学の数学は、難問・奇問は少ないものの、正確で素早い計算力が求められます。特に以下の計算は確実にできるようにしましょう。
- 二次方程式の解の公式、判別式
- 部分積分、置換積分
- 外積の計算(空間ベクトル)
- 漸化式の変形
2. 典型問題の解法パターンを習得
高知大学では、教科書の章末問題〜入試標準レベルの典型問題が多く出題されます。以下のパターンは必ずマスターしておきましょう。
- 漸化式:等差・等比・特性方程式型・(S_n)を含むタイプ
- 確率:反復試行、条件付き確率、期待値
- 微分積分:接線の方程式、面積・体積、部分積分の漸化式
- ベクトル:内積・外積、平面・直線の方程式、点と平面の距離
3. 時間配分の練習
120分で4〜5問を解く必要があるので、1問あたり25〜30分が目安です。過去問演習では必ず時間を計って解き、本番を想定した練習を重ねましょう。
4. 部分点を確実に取る記述力
記述式試験なので、途中経過をしっかり書くことが重要です。計算ミスがあっても、方針が正しければ部分点がもらえます。「〜より」「〜なので」など、論理の流れが分かる記述を心がけましょう。
おすすめの参考書・問題集
- 基礎固め:「青チャート」「Focus Gold」の例題・練習問題
- 標準演習:「1対1対応の演習」「標準問題精講」
- 過去問演習:高知大学の過去問5〜10年分
- 類題演習:同レベルの地方国公立大学の過去問(徳島大、愛媛大、香川大など)
類似問題で練習しよう(練習問題3問)
練習問題1:漸化式(和と一般項)
【問題】
数列 ({a_n}) の初項から第 (n) 項までの和 (S_n) が
[S_n = 2a_n - n]
を満たすとき、一般項 (a_n) を求めよ。
解答・解説
Step 1:n = 1 のとき
(S_1 = a_1) より、(a_1 = 2a_1 - 1)、したがって (a_1 = 1)
Step 2:n ≥ 2 のとき
(S_n = 2a_n - n) ... (1)
(S_{n-1} = 2a_{n-1} - (n-1)) ... (2)
(1) - (2) より:
(a_n = 2a_n - 2a_{n-1} - 1)
(a_n = 2a_{n-1} + 1)
Step 3:漸化式を解く
(a_n + 1 = 2(a_{n-1} + 1)) と変形できるので、({a_n + 1}) は初項 (a_1 + 1 = 2)、公比 2 の等比数列。
(a_n + 1 = 2 cdot 2^{n-1} = 2^n)
【答え】 (a_n = 2^n - 1)
練習問題2:部分積分
【問題】
定積分 (displaystyleint_0^{pi} x sin x , dx) を求めよ。
解答・解説
部分積分を用います。(f'(x) = sin x)、(g(x) = x) とおくと、(f(x) = -cos x)、(g'(x) = 1)
[int_0^{pi} x sin x , dx = left[-xcos xright]_0^{pi} - int_0^{pi} (-cos x) cdot 1 , dx]
[= left[-xcos xright]_0^{pi} + int_0^{pi} cos x , dx]
[= (-pi cdot (-1) - 0) + [sin x]_0^{pi}]
[= pi + (0 - 0) = pi]
【答え】 (pi)
練習問題3:条件付き確率
【問題】
ある工場では、製品の80%を機械A、20%を機械Bで製造している。機械Aの不良品率は2%、機械Bの不良品率は5%である。
(1) この工場で製造される製品が不良品である確率を求めよ。
(2) 不良品が見つかったとき、それが機械Aで製造されたものである確率を求めよ。
解答・解説
(1) 不良品である確率
全確率の公式を用います。
[P(text{不良品}) = P(A) cdot P(text{不良品}|A) + P(B) cdot P(text{不良品}|B)]
[= 0.8 times 0.02 + 0.2 times 0.05]
[= 0.016 + 0.01 = 0.026]
【答え(1)】 (frac{26}{1000} = frac{13}{500})(= 2.6%)
(2) 条件付き確率(ベイズの定理)
[P(A|text{不良品}) = frac{P(A) cdot P(text{不良品}|A)}{P(text{不良品})}]
[= frac{0.8 times 0.02}{0.026} = frac{0.016}{0.026} = frac{16}{26} = frac{8}{13}]
【答え(2)】 (frac{8}{13})
【ポイント】 ベイズの定理は「結果から原因を推定する」問題で使います。「不良品→どの機械?」のような逆向きの確率を求める際に威力を発揮します。
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藤原進之介
