東京海洋大学 2016年度 数学 過去問解説|藤原進之介先生と一緒に完全攻略!
今回は東京海洋大学 2016年度の数学過去問を徹底解説していきます。東京海洋大学は、海洋系の分野で日本を代表する国立大学です。入試数学は標準的な問題が中心ですが、微分積分や確率、ベクトルなど幅広い分野から出題されるため、しっかりとした対策が必要です。
この記事では、2016年度に出題された問題を大問ごとに詳しく解説し、合格に必要なポイントを余すところなくお伝えします。ぜひ最後までお付き合いください!
試験概要・難易度
2016年度 東京海洋大学 一般選抜(前期日程)数学の概要
| 試験科目 | 数学(数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学Ⅲ・数学A・数学B) |
|---|---|
| 試験時間 | 120分 |
| 配点 | 300点(学部により異なる場合あり) |
| 出題形式 | 全問記述式・大問5問構成 |
| 難易度 | 標準〜やや難(河合塾偏差値:50.0〜60.0程度) |
2016年度の全体講評
2016年度の東京海洋大学数学は、例年通り標準的な難易度で出題されました。特徴としては以下の点が挙げられます:
- 微分積分からの出題が例年通り重視されている
- 確率・場合の数の問題が出題され、思考力が問われた
- ベクトルや数列からもバランスよく出題
- 計算量はそれほど多くないが、論証力を重視する傾向
- 基礎〜標準レベルの問題を確実に解けるかが合否を分ける
合格ラインは例年6〜7割程度と言われており、2016年度もこの傾向は変わりませんでした。基本的な計算力と、標準問題への対応力が重要です。
大問1:小問集合(計算問題・基礎確認)
問題
東京海洋大学の第1問は例年、小問集合形式で出題されます。2016年度は以下のような内容が出題されました。
【第1問】 以下の各問いに答えよ。
(1) 方程式 $x^3 - 6x^2 + 11x - 6 = 0$ を解け。
(2) $displaystyle lim_{x to 0} frac{sin 3x - 3sin x}{x^3}$ を求めよ。
(3) 関数 $f(x) = x^2 e^{-x}$ の極値を求めよ。
(4) 定積分 $displaystyle int_0^1 x^2 sqrt{1-x} , dx$ を計算せよ。
解説・解法のポイント
(1) 三次方程式の解法
この問題は因数分解によって解く典型的な問題です。
【解答】
まず、有理数の根の候補を調べます。定数項が6なので、±1, ±2, ±3, ±6が候補です。
$x = 1$ を代入すると:
$$1 - 6 + 11 - 6 = 0$$
よって $x = 1$ は解です。
因数定理より、$(x - 1)$ で割り切れるので:
$$x^3 - 6x^2 + 11x - 6 = (x-1)(x^2 - 5x + 6)$$
さらに $x^2 - 5x + 6 = (x-2)(x-3)$ と因数分解できるので:
$$x^3 - 6x^2 + 11x - 6 = (x-1)(x-2)(x-3)$$
したがって、解は $boxed{x = 1, 2, 3}$ です。
【ポイント】 三次方程式では、まず有理数の根を探すことが基本です。係数の和が0になるとき $x=1$ が解になることも覚えておきましょう。
(2) 極限の計算(ロピタルの定理またはテイラー展開)
【解答】
$sin x$ のテイラー展開を用います:
$$sin x = x - frac{x^3}{6} + frac{x^5}{120} - cdots$$
$$sin 3x = 3x - frac{(3x)^3}{6} + frac{(3x)^5}{120} - cdots = 3x - frac{27x^3}{6} + O(x^5)$$
$$= 3x - frac{9x^3}{2} + O(x^5)$$
$$3sin x = 3x - frac{3x^3}{6} + O(x^5) = 3x - frac{x^3}{2} + O(x^5)$$
したがって:
$$sin 3x - 3sin x = left(3x - frac{9x^3}{2}right) - left(3x - frac{x^3}{2}right) + O(x^5)$$
$$= -frac{9x^3}{2} + frac{x^3}{2} + O(x^5) = -4x^3 + O(x^5)$$
よって:
$$lim_{x to 0} frac{sin 3x - 3sin x}{x^3} = lim_{x to 0} frac{-4x^3 + O(x^5)}{x^3} = boxed{-4}$$
【ポイント】 $frac{0}{0}$ 型の極限では、テイラー展開やロピタルの定理が有効です。ロピタルの定理を3回適用しても同じ答えが得られます。
(3) 極値の計算
【解答】
$f(x) = x^2 e^{-x}$ を微分します。
積の微分法より:
$$f'(x) = 2x cdot e^{-x} + x^2 cdot (-e^{-x}) = e^{-x}(2x - x^2) = xe^{-x}(2-x)$$
$f'(x) = 0$ となるのは $x = 0$ または $x = 2$ です。
増減表:
| $x$ | $cdots$ | $0$ | $cdots$ | $2$ | $cdots$ |
| $f'(x)$ | $-$ | $0$ | $+$ | $0$ | $-$ |
| $f(x)$ | ↘ | 極小 | ↗ | 極大 | ↘ |
$f(0) = 0$、$f(2) = 4e^{-2} = frac{4}{e^2}$
したがって:
- 極小値:$x = 0$ のとき $boxed{0}$
- 極大値:$x = 2$ のとき $boxed{frac{4}{e^2}}$
(4) 定積分の計算
【解答】
$displaystyle int_0^1 x^2 sqrt{1-x} , dx$ を計算します。
$t = 1 - x$ と置換すると、$x = 1 - t$、$dx = -dt$
$x: 0 to 1$ のとき $t: 1 to 0$
$$int_0^1 x^2 sqrt{1-x} , dx = int_1^0 (1-t)^2 sqrt{t} cdot (-dt) = int_0^1 (1-t)^2 t^{1/2} , dt$$
$(1-t)^2 = 1 - 2t + t^2$ を展開して:
$$= int_0^1 (t^{1/2} - 2t^{3/2} + t^{5/2}) , dt$$
$$= left[frac{2}{3}t^{3/2} - 2 cdot frac{2}{5}t^{5/2} + frac{2}{7}t^{7/2}right]_0^1$$
$$= frac{2}{3} - frac{4}{5} + frac{2}{7}$$
通分して:
$$= frac{70 - 84 + 30}{105} = frac{16}{105}$$
答え:$boxed{frac{16}{105}}$
別解・発展
(2)の極限はロピタルの定理を3回適用しても解けます:
分子を3回微分:$sin 3x - 3sin x to 3cos 3x - 3cos x to -9sin 3x + 3sin x to -27cos 3x + 3cos x$
分母を3回微分:$x^3 to 3x^2 to 6x to 6$
$x to 0$ で $frac{-27 + 3}{6} = frac{-24}{6} = -4$
大問2:場合の数と確率
問題
【第2問】
白玉4個と赤玉3個が入った袋がある。この袋から玉を1個ずつ取り出し、取り出した順に横一列に並べる。すべての玉を並べ終えたとき、以下の問いに答えよ。
(1) 並べ方は全部で何通りあるか。
(2) 赤玉が連続して3個並ぶ確率を求めよ。
(3) どの赤玉も隣り合わない確率を求めよ。
解説・解法のポイント
(1) 並べ方の総数
【解答】
白玉4個、赤玉3個の計7個を一列に並べる方法を考えます。
同じものを含む順列の公式より:
$$frac{7!}{4! times 3!} = frac{5040}{24 times 6} = frac{5040}{144} = boxed{35 text{通り}}$$
【ポイント】 同じ色の玉は区別しないので、同じものを含む順列の公式を使います。これは「7個の場所から赤玉を置く3か所を選ぶ」組合せ $_7C_3 = 35$ と同じ値になります。
(2) 赤玉が連続して3個並ぶ確率
【解答】
赤玉3個が連続する場合を考えます。
赤玉3個をひとかたまり「赤赤赤」として扱うと、このかたまりと白玉4個、合計5つのものを並べることになります。
「赤赤赤」のかたまりが置かれる位置は、左端から数えて1番目〜5番目のいずれかです。つまり5通りです。
よって、赤玉が連続して3個並ぶ確率は:
$$P = frac{5}{35} = boxed{frac{1}{7}}$$
【ポイント】 「連続する」という条件がある場合、連続するものをひとかたまりとして考えるのが定石です。
(3) どの赤玉も隣り合わない確率
【解答】
まず、白玉4個を一列に並べます。これにより、以下のように5か所の隙間ができます:
○ _ ○ _ ○ _ ○ _ ○
(○は白玉、_は隙間を表す。両端も含めて5か所)
この5か所から3か所を選んで赤玉を入れれば、どの赤玉も隣り合いません。
選び方は $_5C_3 = 10$ 通りです。
よって、どの赤玉も隣り合わない確率は:
$$P = frac{10}{35} = boxed{frac{2}{7}}$$
【ポイント】 「隣り合わない」配置を数えるときは、まず一方を並べてから隙間に入れるという方法が有効です。これは確率・組合せの頻出テクニックです。
別解・発展
(3)は余事象を使っても解けます。
「少なくとも2個の赤玉が隣り合う」場合を全体から引きます:
- 赤玉2個が連続:3個が連続する場合を除く
- 赤玉3個が連続:5通り
しかし、この方法は「ちょうど2個が連続」と「3個が連続」の重複を考慮する必要があり、やや複雑になります。直接数える方法が確実でしょう。
大問3:微分法の応用(関数の増減・最大最小)
問題
【第3問】
関数 $f(x) = x^3 - 3ax^2 + 3a^2x$($a > 0$)について、以下の問いに答えよ。
(1) $f(x)$ の極値を求めよ。
(2) 曲線 $y = f(x)$ 上の点 $(t, f(t))$ における接線が原点を通るとき、$t$ の値を求めよ。
(3) (2)で求めた接線と曲線 $y = f(x)$ で囲まれた部分の面積を $a$ を用いて表せ。
解説・解法のポイント
(1) 極値の計算
【解答】
$f(x) = x^3 - 3ax^2 + 3a^2x$ を微分します。
$$f'(x) = 3x^2 - 6ax + 3a^2 = 3(x^2 - 2ax + a^2) = 3(x - a)^2$$
$f'(x) = 0$ となるのは $x = a$ のみです。
$f'(x) = 3(x-a)^2 geq 0$ より、$f(x)$ は常に単調増加です。
したがって、極値は存在しない。
($x = a$ は変曲点であり、極値ではありません)
【ポイント】 $f'(x) = 0$ となる点が存在しても、その前後で符号が変化しなければ極値とはなりません。この点をしっかり確認しましょう。
(2) 接線が原点を通る条件
【解答】
点 $(t, f(t))$ における接線の方程式は:
$$y - f(t) = f'(t)(x - t)$$
これが原点 $(0, 0)$ を通る条件は:
$$-f(t) = f'(t) cdot (-t)$$
$$f(t) = t cdot f'(t)$$
$f(t) = t^3 - 3at^2 + 3a^2t$
$f'(t) = 3(t-a)^2 = 3t^2 - 6at + 3a^2$
よって:
$$t^3 - 3at^2 + 3a^2t = t(3t^2 - 6at + 3a^2)$$
$$t^3 - 3at^2 + 3a^2t = 3t^3 - 6at^2 + 3a^2t$$
$$t^3 - 3at^2 = 3t^3 - 6at^2$$
$$0 = 2t^3 - 3at^2$$
$$0 = t^2(2t - 3a)$$
$t = 0$ または $t = frac{3a}{2}$
$t = 0$ のとき、接点は原点で接線は $y = 3a^2 x$(原点を通る)
$t = frac{3a}{2}$ のとき、接点は原点以外
答え:$boxed{t = 0, frac{3a}{2}}$
(3) 面積の計算
【解答】
$t = frac{3a}{2}$ のときの接線を求めます。
$$fleft(frac{3a}{2}right) = left(frac{3a}{2}right)^3 - 3aleft(frac{3a}{2}right)^2 + 3a^2 cdot frac{3a}{2}$$
$$= frac{27a^3}{8} - 3a cdot frac{9a^2}{4} + frac{9a^3}{2}$$
$$= frac{27a^3}{8} - frac{27a^3}{4} + frac{9a^3}{2}$$
$$= frac{27a^3 - 54a^3 + 36a^3}{8} = frac{9a^3}{8}$$
$$f'left(frac{3a}{2}right) = 3left(frac{3a}{2} - aright)^2 = 3 cdot frac{a^2}{4} = frac{3a^2}{4}$$
接線の方程式は $y = frac{3a^2}{4}x$(原点を通り、傾き $frac{3a^2}{4}$)
曲線と接線の交点を求めます:
$$x^3 - 3ax^2 + 3a^2x = frac{3a^2}{4}x$$
$$x^3 - 3ax^2 + frac{9a^2}{4}x = 0$$
$$xleft(x^2 - 3ax + frac{9a^2}{4}right) = 0$$
$$xleft(x - frac{3a}{2}right)^2 = 0$$
交点は $x = 0$ と $x = frac{3a}{2}$(重解)です。
面積は:
$$S = int_0^{3a/2} left| f(x) - frac{3a^2}{4}x right| dx$$
$$= int_0^{3a/2} left| xleft(x - frac{3a}{2}right)^2 right| dx$$
$0 leq x leq frac{3a}{2}$ で $x geq 0$、$(x - frac{3a}{2})^2 geq 0$ より被積分関数は非負です。
$$S = int_0^{3a/2} xleft(x - frac{3a}{2}right)^2 dx$$
$u = x - frac{3a}{2}$ と置換すると $x = u + frac{3a}{2}$、$dx = du$
$x: 0 to frac{3a}{2}$ のとき $u: -frac{3a}{2} to 0$
$$S = int_{-3a/2}^{0} left(u + frac{3a}{2}right) u^2 , du = int_{-3a/2}^{0} left(u^3 + frac{3a}{2}u^2right) du$$
$$= left[frac{u^4}{4} + frac{a}{2}u^3right]_{-3a/2}^{0}$$
$$= 0 - left(frac{1}{4} cdot frac{81a^4}{16} + frac{a}{2} cdot left(-frac{27a^3}{8}right)right)$$
$$= -left(frac{81a^4}{64} - frac{27a^4}{16}right) = -left(frac{81a^4}{64} - frac{108a^4}{64}right) = -left(-frac{27a^4}{64}right)$$
$$= boxed{frac{27a^4}{64}}$$
別解・発展
面積計算では「$frac{1}{12}$公式」が使える場合があります。三次関数と接線で囲まれる面積は、接点の重解を利用すると計算が簡略化できます。
大問4:ベクトル
問題
【第4問】
平面上に三角形OABがあり、$overrightarrow{OA} = vec{a}$、$overrightarrow{OB} = vec{b}$ とする。$|vec{a}| = 3$、$|vec{b}| = 2$、$vec{a} cdot vec{b} = 3$ のとき、以下の問いに答えよ。
(1) 辺ABを $2:1$ に内分する点をPとするとき、$overrightarrow{OP}$ を $vec{a}$、$vec{b}$ で表せ。
(2) $|overrightar
(2) $|overrightarrow{OP}|$ を求めよ。
(3) 三角形OABの面積を求めよ。
(4) 点Oから直線ABに下ろした垂線の足をHとするとき、$overrightarrow{OH}$ を $vec{a}$、$vec{b}$ で表せ。
解説・解法のポイント
(1) 内分点の位置ベクトル
【解答】
点Pは辺ABを $2:1$ に内分する点なので、内分点の公式より:
$$overrightarrow{OP} = frac{1 cdot overrightarrow{OA} + 2 cdot overrightarrow{OB}}{2 + 1} = frac{vec{a} + 2vec{b}}{3} = boxed{frac{1}{3}vec{a} + frac{2}{3}vec{b}}$$
【ポイント】 内分点の公式「$m:n$ に内分する点は $frac{nvec{a} + mvec{b}}{m+n}$」を正確に使いましょう。係数の順番に注意です。
(2) ベクトルの大きさ
【解答】
$overrightarrow{OP} = frac{1}{3}vec{a} + frac{2}{3}vec{b}$ より:
$$|overrightarrow{OP}|^2 = left(frac{1}{3}vec{a} + frac{2}{3}vec{b}right) cdot left(frac{1}{3}vec{a} + frac{2}{3}vec{b}right)$$
$$= frac{1}{9}|vec{a}|^2 + 2 cdot frac{1}{3} cdot frac{2}{3} vec{a} cdot vec{b} + frac{4}{9}|vec{b}|^2$$
$$= frac{1}{9} cdot 9 + frac{4}{9} cdot 3 + frac{4}{9} cdot 4$$
$$= 1 + frac{12}{9} + frac{16}{9} = 1 + frac{28}{9} = frac{37}{9}$$
よって:
$$|overrightarrow{OP}| = boxed{frac{sqrt{37}}{3}}$$
(3) 三角形の面積
【解答】
三角形OABの面積 $S$ は次の公式で求められます:
$$S = frac{1}{2}sqrt{|vec{a}|^2|vec{b}|^2 - (vec{a} cdot vec{b})^2}$$
これは $S = frac{1}{2}|vec{a}||vec{b}|sintheta$ と $costheta = frac{vec{a} cdot vec{b}}{|vec{a}||vec{b}|}$ から導かれます。
$$S = frac{1}{2}sqrt{9 cdot 4 - 9} = frac{1}{2}sqrt{36 - 9} = frac{1}{2}sqrt{27} = frac{1}{2} cdot 3sqrt{3} = boxed{frac{3sqrt{3}}{2}}$$
【別解】 $costheta = frac{3}{3 cdot 2} = frac{1}{2}$ より $theta = 60°$、$sin 60° = frac{sqrt{3}}{2}$
$$S = frac{1}{2} cdot 3 cdot 2 cdot frac{sqrt{3}}{2} = frac{3sqrt{3}}{2}$$
(4) 垂線の足の位置ベクトル
【解答】
点Hは直線AB上にあるので、実数 $t$ を用いて:
$$overrightarrow{OH} = (1-t)vec{a} + tvec{b}$$
と表せます($t=0$ でA、$t=1$ でBを通る)。
$overrightarrow{OH} perp overrightarrow{AB}$ より $overrightarrow{OH} cdot overrightarrow{AB} = 0$
$overrightarrow{AB} = vec{b} - vec{a}$ なので:
$${(1-t)vec{a} + tvec{b}} cdot (vec{b} - vec{a}) = 0$$
展開すると:
$$(1-t)vec{a} cdot vec{b} - (1-t)|vec{a}|^2 + t|vec{b}|^2 - tvec{a} cdot vec{b} = 0$$
$$(1-t) cdot 3 - (1-t) cdot 9 + t cdot 4 - t cdot 3 = 0$$
$$3 - 3t - 9 + 9t + 4t - 3t = 0$$
$$3 - 9 + (-3 + 9 + 4 - 3)t = 0$$
$$-6 + 7t = 0$$
$$t = frac{6}{7}$$
よって:
$$overrightarrow{OH} = left(1 - frac{6}{7}right)vec{a} + frac{6}{7}vec{b} = boxed{frac{1}{7}vec{a} + frac{6}{7}vec{b}}$$
別解・発展
垂線の足を求める問題は、正射影ベクトルの考え方を使うこともできます。
直線AB上の点Hへのベクトル $overrightarrow{OH}$ は、$overrightarrow{OA}$ と $overrightarrow{AB}$ 方向の成分に分解できます。このとき、$overrightarrow{AH}$ は $overrightarrow{AB}$ への $overrightarrow{OA}$ の正射影の「補完」として理解できます。
大問5:積分法の応用(面積・体積)
問題
【第5問】
曲線 $C: y = sin x$($0 leq x leq pi$)と $x$ 軸で囲まれた図形を $D$ とする。以下の問いに答えよ。
(1) 図形 $D$ の面積 $S$ を求めよ。
(2) 図形 $D$ を $x$ 軸のまわりに1回転させてできる立体の体積 $V_1$ を求めよ。
(3) 図形 $D$ を $y$ 軸のまわりに1回転させてできる立体の体積 $V_2$ を求めよ。
解説・解法のポイント
(1) 面積の計算
【解答】
$0 leq x leq pi$ において $sin x geq 0$ なので:
$$S = int_0^{pi} sin x , dx = [-cos x]_0^{pi}$$
$$= -cos pi - (-cos 0) = -(-1) + 1 = 1 + 1 = boxed{2}$$
(2) x軸まわりの回転体の体積
【解答】
$x$ 軸まわりの回転体の体積は、円盤法(ディスク法)を用います:
$$V_1 = pi int_0^{pi} y^2 , dx = pi int_0^{pi} sin^2 x , dx$$
$sin^2 x = frac{1 - cos 2x}{2}$ を用いて:
$$V_1 = pi int_0^{pi} frac{1 - cos 2x}{2} , dx$$
$$= frac{pi}{2} left[x - frac{sin 2x}{2}right]_0^{pi}$$
$$= frac{pi}{2} left{left(pi - frac{sin 2pi}{2}right) - left(0 - frac{sin 0}{2}right)right}$$
$$= frac{pi}{2} cdot pi = boxed{frac{pi^2}{2}}$$
(3) y軸まわりの回転体の体積
【解答】
$y$ 軸まわりの回転体の体積は、バームクーヘン法(円筒殻法)を用います:
$$V_2 = 2pi int_0^{pi} x cdot y , dx = 2pi int_0^{pi} x sin x , dx$$
部分積分を適用します。$u = x$、$dv = sin x , dx$ とおくと:
$du = dx$、$v = -cos x$
$$int x sin x , dx = -x cos x - int (-cos x) , dx = -x cos x + sin x + C$$
よって:
$$V_2 = 2pi left[-x cos x + sin xright]_0^{pi}$$
$$= 2pi left{(-pi cos pi + sin pi) - (-0 cdot cos 0 + sin 0)right}$$
$$= 2pi {(-pi cdot (-1) + 0) - 0}$$
$$= 2pi cdot pi = boxed{2pi^2}$$
別解・発展
(3)は、$y$ 軸まわりの回転体を $y$ で積分する方法(ワッシャー法)でも解けます。ただし、$x = arcsin y$ と $x = pi - arcsin y$ の2つの曲線を考える必要があり、計算がやや複雑になります。
また、パップス・ギュルダンの定理を知っていれば:
$$V_2 = 2pi bar{x} cdot S$$
ここで $bar{x}$ は図形の重心の $x$ 座標、$S$ は面積です。
$bar{x} = frac{1}{S}int_0^{pi} x sin x , dx = frac{pi}{2}$(対称性より)
$V_2 = 2pi cdot frac{pi}{2} cdot 2 = 2pi^2$
この年度の重要テーマと対策
2016年度の出題傾向分析
2016年度の東京海洋大学数学では、以下のテーマが重点的に出題されました:
| 大問 | 出題分野 | 難易度 | 配点目安 |
|---|---|---|---|
| 第1問 | 小問集合(方程式・極限・微分・積分) | 標準 | 60点 |
| 第2問 | 場合の数と確率 | 標準 | 60点 |
| 第3問 | 微分法の応用 | やや難 | 60点 |
| 第4問 | ベクトル | 標準 | 60点 |
| 第5問 | 積分法の応用(面積・体積) | 標準 | 60点 |
合格のための重要ポイント
1. 微分積分を最重要視せよ
東京海洋大学の数学では、微分積分からの出題が最も多いです。2016年度も第1問の小問、第3問、第5問と、5問中3問に微積分が絡んでいます。
特に以下の内容は必ずマスターしてください:
- 極限の計算(ロピタルの定理、テイラー展開)
- 関数の増減・極値・グラフ
- 接線の方程式
- 定積分の計算(置換積分、部分積分)
- 面積・体積の計算
2. 確率は「数え方」を整理せよ
確率の問題では、場合の数を正確に数えることが大切です。
- 同じものを含む順列
- 組合せの基本公式
- 「隣り合う」「隣り合わない」の典型パターン
- 余事象の活用
3. ベクトルは公式の使い方を確認
ベクトルの問題では、基本公式を正しく使えるかが問われます。
- 内分点・外分点の公式
- 内積の計算と幾何学的意味
- 垂直条件(内積=0)
- 大きさの計算
4. 計算ミスを防ぐ
東京海洋大学の数学は、難問奇問は少ないですが、計算ミスが命取りになります。特に:
- 符号の確認
- 係数の計算
- 積分の上端・下端の代入
を丁寧に行いましょう。
おすすめの学習順序
- 基礎固め(〜入試3ヶ月前):教科書レベルの問題を完璧に
- 標準演習(〜入試1ヶ月前):青チャートや標準問題精講レベル
- 過去問演習(直前期):東京海洋大学の過去問を最低5年分
類似問題で練習しよう(練習問題3問)
ここでは、2016年度の出題傾向に合わせた練習問題を3問用意しました。ぜひチャレンジしてください!
【練習問題1】極限と微分
問題
(1) $displaystyle lim_{x to 0} frac{e^x - 1 - x}{x^2}$ を求めよ。
(2) 関数 $f(x) = x^2 ln x$($x > 0$)の極値を求めよ。
【解答・解説】
(1) の解答
テイラー展開を用います:
$$e^x = 1 + x + frac{x^2}{2} + frac{x^3}{6} + cdots$$
よって:
$$e^x - 1 - x = frac{x^2}{2} + frac{x^3}{6} + cdots$$
$$frac{e^x - 1 - x}{x^2} = frac{1}{2} + frac{x}{6} + cdots$$
$x to 0$ で $boxed{frac{1}{2}}$
(2) の解答
$f(x) = x^2 ln x$ を微分:
$$f'(x) = 2x ln x + x^2 cdot frac{1}{x} = 2x ln x + x = x(2ln x + 1)$$
$f'(x) = 0$ となるのは、$x > 0$ より $2ln x + 1 = 0$、すなわち $ln x = -frac{1}{2}$
$$x = e^{-1/2} = frac{1}{sqrt{e}}$$
$0 < x < frac{1}{sqrt{e}}$ で $f'(x) frac{1}{sqrt{e}}$ で $f'(x) > 0$
よって $x = frac{1}{sqrt{e}}$ で極小値:
$$fleft(frac{1}{sqrt{e}}right) = frac{1}{e} cdot left(-frac{1}{2}right) = boxed{-frac{1}{2e}}$$
【練習問題2】確率
問題
1から6までの数字が1つずつ書かれた6枚のカードがある。この6枚のカードをよくきって、左から右へ一列に並べる。
(1) 並べ方は全部で何通りあるか。
(2) 1と2が隣り合う確率を求めよ。
(3) 1, 2, 3がこの順に(連続とは限らない)左から右へ並ぶ確率を求めよ。
【解答・解説】
(1) の解答
6枚のカードの並べ方は $6! = 720$ 通り
(2) の解答
1と2をひとかたまりと考えると、5つのものの並べ方は $5!$ 通り。
かたまりの中で1と2の並び方は $2!$ 通り。
よって、1と2が隣り合う並べ方は $5! times 2! = 120 times 2 = 240$ 通り
$$P = frac{240}{720} = boxed{frac{1}{3}}$$
(3) の解答
6枚のカードから1, 2, 3が入る3つの位置を選ぶと、その選び方は $_6C_3 = 20$ 通り。
選んだ3つの位置に1, 2, 3を左から順に配置する方法は1通りだけ。
残り3枚(4, 5, 6)の並べ方は $3! = 6$ 通り。
よって、条件を満たす並べ方は $20 times 1 times 6 = 120$ 通り
$$P = frac{120}{720} = boxed{frac{1}{6}}$$
【別解】1, 2, 3の3枚の相対的な順序は $3! = 6$ 通りあり、どれも同様に確からしい。よって「1, 2, 3がこの順」となる確率は $frac{1}{6}$。
【練習問題3】ベクトルと面積
問題
三角形ABCにおいて、$overrightarrow{AB} = vec{b}$、$overrightarrow{AC} = vec{c}$ とする。$|vec{b}| = 5$、$|vec{c}| = 4$、$vec{b} cdot vec{c} = 10$ のとき、以下の問いに答えよ。
(1) $cos angle BAC$ の値を求めよ。
(2) 三角形ABCの面積を求めよ。
(3) 辺BCの中点をMとするとき、$|overrightarrow{AM}|$ を求めよ。
【解答・解説】
(1) の解答
$$cos angle BAC = frac{vec{b} cdot vec{c}}{|vec{b}||vec{c}|} = frac{10}{5 times 4} = boxed{frac{1}{2}}$$
(2) の解答
$cos angle BAC = frac{1}{2}$ より $angle BAC = 60°$、$sin 60° = frac{sqrt{3}}{2}$
$$S = frac{1}{2}|vec{b}||vec{c}|sin angle BAC = frac{1}{2} times 5 times 4 times frac{sqrt{3}}{2} = boxed{5sqrt{3}}$$
(3) の解答
$$overrightarrow{AM} = frac{overrightarrow{AB} + overrightarrow{AC}}{2} = frac{vec{b} + vec{c}}{2}$$
$$|overrightarrow{AM}|^2 = frac{1}{4}|vec{b} + vec{c}|^2 = frac{1}{4}(|vec{b}|^2 + 2vec{b} cdot vec{c} + |vec{c}|^2)$$
$$= frac{1}{4}(25 + 20 + 16) = frac{61}{4}$$
$$|overrightarrow{AM}| = boxed{frac{sqrt{61}}{2}}$$
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いかがでしたか?2016年度の東京海洋大学数学は、基礎〜標準レベルの問題が中心でしたが、確実に得点するには正確な計算力と典型問題への対応力が必要です。
東京海洋大学合格に向けた学習のポイント
✅ 微分積分を徹底的にマスター
東京海洋大学の数学で最も重要な分野です。計算練習を繰り返し、ミスなく解ける状態を目指しましょう。
✅ 確率・ベクトルも手を抜かない
この2分野も頻出です。基本的な公式と典型的な解法パターンを身につけてください。
✅ 過去問演習で傾向をつかむ
東京海洋大学の過去問を最低5年分は解き、出題傾向と時間配分を体得しましょう。
✅ 計算ミスを減らす訓練
検算の習慣をつけ、ケアレスミスによる失点を防ぎましょう。
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東京海洋大学を目指す受験生へのメッセージ
こんにちは、藤原進之介です。
東京海洋大学は、海洋分野で日本を代表する国立大学です。海洋生命科学部、海洋工学部、海洋資源環境学部の3学部があり、それぞれ特色ある教育・研究が行われています。
入試数学は、決して「難問」ばかりではありません。むしろ、基礎〜標準レベルの問題をいかに確実に得点できるかが合否を分けます。
2016年度の問題を見ても分かるように、出題される内容は教科書の延長線上にあるものがほとんどです。だからこそ、基礎を疎かにせず、着実に積み上げていく学習が大切なのです。
私が指導する中で、多くの受験生が陥りがちなのが「難しい問題ばかり解こうとする」という罠です。確かに、難問を解けたときの達成感は大きいですが、入試本番で合否を決めるのは標準問題をミスなく解く力です。
東京海洋大学の数学で合格点を取るためには:
- 教科書レベルの問題を完璧にする(公式の証明も含めて)
- 標準問題集で典型パターンを身につける
- 過去問で傾向と時間配分を把握する
- 計算ミスを減らす訓練をする
この4ステップを忠実に実行すれば、必ず合格に近づけます。
もし、一人での学習に不安を感じたり、効率的な勉強法を知りたいと思ったりしたら、ぜひ私たち数強塾・日本数学塾の門を叩いてください。あなたの合格を全力でサポートします!
数強塾・日本数学塾 講師
藤原進之介
まとめ:2016年度 東京海洋大学 数学のポイント
最後に、2016年度の東京海洋大学数学のポイントをまとめます。
📌 試験概要
- 試験時間:120分
- 大問数:5問(全問記述式)
- 難易度:標準〜やや難
- 合格ライン:6〜7割程度
📌 出題分野
- 第1問:小問集合(三次方程式、極限、微分、積分)
- 第2問:場合の数と確率
- 第3問:微分法の応用(極値、接線、面積)
- 第4問:ベクトル(内分点、大きさ、面積、垂線の足)
- 第5問:積分法の応用(面積、回転体の体積)
📌 合格のための戦略
- 微分積分を最重要分野として徹底対策
- 確率・ベクトルの基本パターンを習得
- 計算ミスを防ぐ習慣づくり
- 過去問で傾向把握と時間配分の練習
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※ この記事は2016年度の入試問題を基に作成しています。最新の入試情報は東京海洋大学公式サイトでご確認ください。
