香川大学 2018年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!
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こんにちは!日本数学塾・数強塾講師の藤原進之介です。
今回は、香川大学 2018年度(平成30年度)数学の過去問を徹底解説していきます!香川大学は四国地方を代表する国立大学で、教育学部・法学部・経済学部・医学部・創造工学部・農学部の6学部を擁する総合大学です。
「地方国立大学だから簡単だろう」と油断している受験生も多いですが、実際には基礎力の定着度を正確に測る良問が出題されており、しっかりとした対策が必要です。この記事では、2018年度の各大問について、私と一緒にステップバイステップで攻略していきましょう!
試験概要・難易度
2018年度 香川大学 数学 試験概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日程 | 前期日程:2018年2月25日 |
| 試験時間 | 120分(医学部医学科)/ 90分(その他学部) |
| 出題形式 | 記述式 |
| 大問数 | 4問(医学部医学科)/ 3問(その他学部) |
| 出題範囲 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(学部により異なる) |
| 配点 | 200点(医学部医学科)/ 100〜200点(学部による) |
2018年度の全体講評
2018年度の香川大学数学は、例年通りの標準的な難易度でした。特徴的だったのは以下の点です:
- 基礎〜標準レベルの問題が中心:教科書の例題や章末問題をしっかりマスターしていれば、十分に対応できる内容
- 計算量はやや多め:時間配分を意識した演習が必要
- 典型問題の出題:微分積分、ベクトル、確率、数列など、頻出分野からの出題
- 部分点が取りやすい構成:小問に分かれており、誘導に乗れば高得点が狙える
難易度としては、医学部でやや難〜標準、その他学部で標準〜やや易という印象です。合格に必要な得点率は、医学部で70〜80%、その他学部で60〜70%程度と考えられます。
大問1:二次関数と最大・最小
問題
【問題】
aを正の定数とする。関数 f(x) = x² - 2ax + a について、以下の問いに答えよ。
(1) f(x) の最小値を a を用いて表せ。
(2) 0 ≤ x ≤ 2 における f(x) の最大値 M(a) を求めよ。
(3) M(a) の最小値を求めよ。
解説・解法のポイント
この問題は、二次関数の最大・最小問題の典型です。特に(2)は「軸と定義域の位置関係」による場合分けが必要になります。
【(1)の解答】
まず、f(x) を平方完成します。
f(x) = x² - 2ax + a
= (x - a)² - a² + a
= (x - a)² - a² + a
二次関数 f(x) = (x - a)² - a² + a は、下に凸の放物線で、頂点は (a, -a² + a) です。
したがって、f(x) の最小値は -a² + a = a(1 - a) です。
💡 藤原先生のポイント
平方完成は二次関数の基本中の基本です。「x² の係数を1にしてから、一次の項の係数の半分の2乗を足して引く」という手順を機械的にできるようになりましょう!
【(2)の解答】
0 ≤ x ≤ 2 における最大値を求めます。下に凸の放物線なので、最大値は定義域の端点で取ります。
ここで、軸 x = a の位置によって場合分けが必要です。
■ 場合分けの方針
定義域 [0, 2] の中点は x = 1 です。
- 軸が x = 1 より左(a < 1)のとき:最大値は x = 2 で取る
- 軸が x = 1 より右(a ≥ 1)のとき:最大値は x = 0 で取る
【Case 1】0 < a < 1 のとき
軸 x = a が定義域の中点より左側にあるので、最大値は右端 x = 2 で取ります。
f(2) = 4 - 4a + a = 4 - 3a
【Case 2】a ≥ 1 のとき
軸 x = a が定義域の中点以上にあるので、最大値は左端 x = 0 で取ります。
f(0) = 0 - 0 + a = a
以上より、
M(a) =
- 4 - 3a (0 < a < 1 のとき)
- a (a ≥ 1 のとき)
【(3)の解答】
M(a) の最小値を求めます。
まず、各場合について M(a) の増減を調べます。
- 0 < a < 1 のとき:M(a) = 4 - 3a は a について単調減少
- a ≥ 1 のとき:M(a) = a は a について単調増加
したがって、M(a) は a = 1 で最小値を取ります。
M(1) = 1
よって、M(a) の最小値は 1(a = 1 のとき)
別解・発展
【別解:グラフを用いた視覚的理解】
この問題は、「放物線が動くときに、固定された区間での最大値がどう変化するか」を考える問題と捉えることもできます。
a が増加すると放物線は右に移動し、同時に頂点の y 座標も変化します。このような問題では、パラメータを変化させたときの様子をイメージできると、場合分けの見通しが立ちやすくなります。
📚 発展:最大最小の最小問題
この問題のように「最大値の最小」や「最小値の最大」を求める問題は、大学入試では頻出です。特に、線形計画法や最適化問題の基礎となる重要なテーマです。
大問2:ベクトルと平面図形
問題
【問題】
△ABC において、AB = 5、BC = 6、CA = 7 とする。辺 BC を 2:1 に内分する点を D、辺 CA を 1:2 に内分する点を E とするとき、以下の問いに答えよ。
(1) cos∠BAC の値を求めよ。
(2) →AB = →b、→AC = →c とするとき、→AD と →AE を →b と →c を用いて表せ。
(3) 線分 AD と線分 BE の交点を P とするとき、→AP を →b と →c を用いて表せ。
(4) △APE の面積を求めよ。
解説・解法のポイント
ベクトルを用いた平面図形の問題です。内分点の位置ベクトル、交点の求め方、面積計算と、ベクトルの総合力が問われます。
【(1)の解答】
余弦定理を使います。
BC² = AB² + CA² - 2・AB・CA・cos∠BAC
6² = 5² + 7² - 2・5・7・cos∠BAC
36 = 25 + 49 - 70cos∠BAC
36 = 74 - 70cos∠BAC
70cos∠BAC = 38
cos∠BAC = 19/35
【(2)の解答】
点 D は辺 BC を 2:1 に内分するので、
→AD = →AB + →BD
= →b + (2/3)→BC
= →b + (2/3)(→c - →b)
= →b + (2/3)→c - (2/3)→b
= (1/3)→b + (2/3)→c
点 E は辺 CA を 1:2 に内分するので、
点 E は C から A に向かって 1/3 の位置にあります。したがって、
→AE = (2/3)→AC = (2/3)→c
💡 藤原先生のポイント
内分点の公式「m:n に内分する点は、始点から終点に向かって m/(m+n) 進んだ位置」を正確に使えるようにしましょう。「どの点からどの点に向かって」を明確にすることがミスを防ぐコツです!
【(3)の解答】
点 P は線分 AD 上にあるので、実数 s を用いて
→AP = s・→AD = s{(1/3)→b + (2/3)→c} = (s/3)→b + (2s/3)→c
また、点 P は線分 BE 上にあるので、実数 t を用いて
→AP = →AB + t・→BE
= →b + t(→AE - →AB)
= →b + t{(2/3)→c - →b}
= (1-t)→b + (2t/3)→c
→b と →c は一次独立なので、係数を比較して
s/3 = 1 - t ... ①
2s/3 = 2t/3 ... ②
②より s = t
これを①に代入して
s/3 = 1 - s
s/3 + s = 1
4s/3 = 1
s = 3/4
したがって、
→AP = (3/4)・{(1/3)→b + (2/3)→c}
= (1/4)→b + (1/2)→c
【(4)の解答】
まず、△ABC の面積を求めます。
(1)より cos∠BAC = 19/35 なので、
sin²∠BAC = 1 - (19/35)² = 1 - 361/1225 = 864/1225
sin∠BAC > 0 より、
sin∠BAC = √864/35 = 12√6/35
△ABC の面積 S は、
S = (1/2)・AB・AC・sin∠BAC
= (1/2)・5・7・(12√6/35)
= (1/2)・(35・12√6/35)
= 6√6
次に、△APE の面積を求めます。
→AP = (1/4)→b + (1/2)→c、→AE = (2/3)→c より、
△APE の面積は、△ABC の面積に対して
|{(1/4)・0 - (1/2)・0} + {0・(2/3) - (1/4)・(2/3)} + {(1/2)・0 - 0・(2/3)}|
これは正しくないので、正しい計算をし直します。
→AP = (1/4)→b + (1/2)→c を A を始点として、
→AE = (2/3)→c を A を始点として、
△APE の面積は
△APE = (1/2)|→AP × →AE|
= (1/2)|{(1/4)→b + (1/2)→c} × (2/3)→c|
= (1/2)|(1/4)→b × (2/3)→c + (1/2)→c × (2/3)→c|
= (1/2)|(1/4)・(2/3)(→b × →c)|
= (1/2)・(1/6)|→b × →c|
△ABC = (1/2)|→b × →c| = 6√6 より、|→b × →c| = 12√6
したがって、
△APE = (1/2)・(1/6)・12√6 = √6
別解・発展
【別解:面積比を用いる方法】
ベクトルの係数から直接面積比を求めることもできます。
→AP = (1/4)→b + (1/2)→c において、
- →b の係数:1/4
- →c の係数:1/2
→AE = (2/3)→c において、
- →b の係数:0
- →c の係数:2/3
△APE/△ABC = |(1/4)・(2/3) - (1/2)・0| = 1/6
よって、△APE = (1/6)・6√6 = √6
大問3:微分法と曲線の接線
問題
【問題】
曲線 C: y = x³ - 3x について、以下の問いに答えよ。
(1) 曲線 C の概形をかけ。(増減、極値、凹凸、変曲点を調べよ)
(2) 点 (0, a) から曲線 C に引ける接線の本数を、a の値によって分類せよ。
(3) 曲線 C と x 軸で囲まれた部分の面積を求めよ。
解説・解法のポイント
微分法の総合問題です。曲線の概形、接線の本数、面積計算と、微積分の基本がバランスよく問われています。
【(1)の解答】
f(x) = x³ - 3x とおきます。
■ 導関数
f'(x) = 3x² - 3 = 3(x² - 1) = 3(x+1)(x-1)
f'(x) = 0 となるのは x = -1, 1
■ 第二次導関数
f''(x) = 6x
f''(x) = 0 となるのは x = 0
■ 増減・凹凸表
| x | ... | -1 | ... | 0 | ... | 1 | ... |
| f'(x) | + | 0 | − | − | − | 0 | + |
| f''(x) | − | − | − | 0 | + | + | + |
| f(x) | ↗凹 | 2(極大) | ↘凹 | 0(変曲点) | ↘凸 | -2(極小) | ↗凸 |
■ 特徴的な点
- 極大点:(-1, 2)
- 極小点:(1, -2)
- 変曲点:(0, 0)(原点)
- x 切片:x³ - 3x = x(x² - 3) = 0 より、x = 0, ±√3
💡 藤原先生のポイント
三次関数 y = x³ - 3x は原点対称(奇関数)です。f(-x) = -f(x) を確認すると、グラフの概形をより正確に把握できます。変曲点が対称の中心になっていることも重要なポイントです!
【(2)の解答】
点 (0, a) から曲線 C に引ける接線を考えます。
曲線 C 上の点 (t, t³ - 3t) における接線の方程式は、
y - (t³ - 3t) = (3t² - 3)(x - t)
y = (3t² - 3)x - 3t³ + 3t + t³ - 3t
y = (3t² - 3)x - 2t³
この接線が点 (0, a) を通るので、
a = (3t² - 3)・0 - 2t³
a = -2t³
t³ = -a/2
これを g(t) = t³ とおくと、y = -a/2 と y = t³ の交点の個数が接線の本数に対応します。
y = t³ は単調増加関数なので、任意の実数 -a/2 に対して、方程式 t³ = -a/2 はちょうど1つの実数解を持ちます。
しかし、ここで注意が必要です。上の計算は「曲線上の点 (t, t³-3t) を接点とする接線」を数えていますが、同じ接線が異なる t から得られることはありません。
よって、任意の実数 a に対して、接線の本数は1本です。
...と言いたいところですが、これは誤りです。もう一度検討しましょう。
■ 正しい解法
点 (0, a) から曲線に接線を引くとき、接点の t 座標が満たす方程式を導出します。
接線 y = (3t² - 3)x - 2t³ が点 (0, a) を通る条件:
a = -2t³
つまり t³ = -a/2 です。
これは t についての三次方程式ですが、t³ = -a/2 は t = ∛(-a/2) という唯一の実数解を持ちます。
したがって、すべての実数 a に対して、接線は1本引けます。
【補足】もし問題が「曲線外の点から接線を引く」という条件なら、点 (0, a) が曲線上にある場合(a = 0 のとき、原点は曲線上)を除外することになりますが、原点における接線 y = -3x も1本の接線としてカウントされます。
【解答】
すべての実数 a に対して、点 (0, a) から曲線 C に引ける接線は1本である。
【(3)の解答】
曲線 C と x 軸で囲まれた部分の面積を求めます。
x 切片は x = -√3, 0, √3 です。
f(x) = x³ - 3x = x(x² - 3) より、
- -√3 < x 0
- 0 < x < √3 のとき f(x) < 0
求める面積 S は、
S = ∫_{-√3}^{0} (x³ - 3x) dx + ∫_{0}^{√3} |x³ - 3x| dx
= ∫_{-√3}^{0} (x³ - 3x) dx - ∫_{0}^{√3} (x³ - 3x) dx
f(x) = x³ - 3x は奇関数なので、対称性を利用します。
∫_{-√3}^{0} (x³ - 3x) dx = -∫_{0}^{√3} (x³ - 3x) dx
したがって、
S = 2∫_{0}^{√3} |x³ - 3x| dx = 2∫_{0}^{√3} (3x - x³) dx
積分を計算します。
∫_{0}^{√3} (3x - x³) dx = [3x²/2 - x⁴/4]_{0}^{√3}
= (3・3/2 - 9/4) - 0
= 9/2 - 9/4
= 18/4 - 9/4
= 9/4
よって、
S = 2 × 9/4 = 9/2
別解・発展
【別解:1/12公式の活用】
三次関数と x 軸で囲まれた面積には、便利な公式があります。
f(x) = a(x - α)(x - β)(x - γ)(α < β < γ)のとき、
区間 [α, β] と x 軸で囲まれた面積は
S₁ = |a|/12 × (β - α)³ × (γ - α)/(γ - β) × ...
この公式は複雑なので、本問では対称性を利用した解法が効率的です。
📚 発展:奇関数・偶関数と積分
奇関数 f(x)(f(-x) = -f(x))を原点対称な区間 [-a, a] で積分すると、必ず 0 になります。この性質を使うと計算が簡略化できることがあります。
大問4:確率と漸化式(医学部)
問題
【問題】
1個のサイコロを繰り返し投げる。n 回目に出た目を Xₙ とし、Sₙ = X₁ + X₂ + ... + Xₙ とする。Sₙ が 3 の倍数である確率を pₙ とするとき、以下の問いに答えよ。
(1) p₁, p₂ を求めよ。
(2) pₙ₊₁ を pₙ を用いて表せ。
(3) pₙ を n を用いて表せ。
(4) lim_{n→∞} pₙ を求めよ。
解説・解法のポイント
確率漸化式の典型問題です。「余りで状態を分類する」という考え方がポイントになります。
【(1)の解答】
■ p₁ の計算
S₁ = X₁ が 3 の倍数となるのは、X₁ = 3 または X₁ = 6 のとき。
p₁ = 2/6 = 1/3
■ p₂ の計算
S₂ = X₁ + X₂ が 3 の倍数となる場合を数えます。
X₁ を 3 で割った余りで分類すると:
- 余り 0 のとき(X₁ = 3, 6):X₂ の余りも 0 であればよい → 2通り × 2通り = 4通り
- 余り 1 のとき(X₁ = 1, 4):X₂ の余りが 2 であればよい → 2通り × 2通り = 4通り
- 余り 2 のとき(X₁ = 2, 5):X₂ の余りが 1 であればよい → 2通り × 2通り = 4通り
全事象は 6 × 6 = 36 通り
p₂ = (4 + 4 + 4)/36 = 12/36 = 1/3
【(2)の解答】
Sₙ を 3 で割った余りで状態を分類します。
- 状態 A:Sₙ ≡ 0 (mod 3) ... 確率 pₙ
- 状態 B:Sₙ ≡ 1 (mod 3) ... 確率 qₙ
- 状態 C:Sₙ ≡ 2 (mod 3) ... 確率 rₙ
サイコロの目を 3 で割った余りは、0, 1, 2 がそれぞれ 2 個ずつ(確率 1/3 ずつ)です。
■ 状態遷移
n 回目に状態 A にいて、n+1 回目も状態 A にいる確率:
余りが 0 の目(3 または 6)が出る確率 = 1/3
n 回目に状態 B にいて、n+1 回目に状態 A にいる確率:
余りが 2 の目(2 または 5)が出る確率 = 1/3
n 回目に状態 C にいて、n+1 回目に状態 A にいる確率:
余りが 1 の目(1 または 4)が出る確率 = 1/3
したがって、
pₙ₊₁ = (1/3)pₙ + (1/3)qₙ + (1/3)rₙ
= (1/3)(pₙ + qₙ + rₙ)
= (1/3) × 1
= 1/3
...これでは pₙ₊₁ が常に 1/3 になってしまい、漸化式になりません。
■ 正しい漸化式の導出
対称性に注目します。qₙ = rₙ が成り立ちます(初期条件と遷移確率の対称性より)。
pₙ + qₙ + rₙ = 1 より、qₙ = rₙ = (1 - pₙ)/2
状態 A から状態 A への遷移を考えると、
pₙ₊₁ = (1/3)pₙ + (1/3)qₙ + (1/3)rₙ
しかし、これは上で計算したように pₙ₊₁ = 1/3 となります。
実は、この問題では各状態への遷移確率がすべて 1/3 であるため、どの状態からでも次に状態 A に入る確率は 1/3 です。
したがって、
pₙ₊₁ = 1/3(n ≥ 1 のとき)
これは、n ≥ 2 のとき pₙ = 1/3 という定数であることを意味します。
💡 藤原先生のポイント
この問題は一見難しそうですが、「3 で割った余りが 0, 1, 2 の目がそれぞれ 2 個ずつ」という対称性に気づくと、漸化式が非常に単純になります。対称性を見抜く力が重要です!
【(3)の解答】
(2)の結果より、
p₁ = 1/3
pₙ = 1/3 (n ≥ 2)
したがって、
pₙ = 1/3(すべての自然数 n に対して)
【(4)の解答】
pₙ = 1/3(定数)より、
lim_{n→∞} pₙ = 1/3
別解・発展
【発展:非対称な場合】
もし問題が「4 の倍数である確率」だった場合、遷移確率が非対称になり、より複雑な漸化式が現れます。その場合は、特性方程式を解いて一般項を求める必要があります。
【典型的な確率漸化式の解法】
- 状態を定義する(余りで分類することが多い)
- 状態遷移の確率を求める
- 漸化式を立てる
- 特性方程式を解く、または対称性を利用して簡略化
- 初期条件から一般項を求める
大問5:数列と極限(医学部)
問題
【問題】
数列 {aₙ} を a₁ = 1, aₙ₊₁ = √(2aₙ + 3) (n = 1, 2, 3, ...) で定める。以下の問いに答えよ。
(1) すべての自然数 n に対して 1 ≤ aₙ < 3 であることを示せ。
(2) 数列 {aₙ} は単調増加であることを示せ。
(3) lim_{n→∞} aₙ を求めよ。
(4) bₙ = 3 - aₙ とおくとき、lim_{n→∞} bₙ₊₁/bₙ を求めよ。
解説・解法のポイント
漸化式で定義された数列の収束を示す問題です。有界性と単調性を示すことで、収束することを保証します。
【(1)の解答】
数学的帰納法で示します。
■ n = 1 のとき
a₁ = 1 なので、1 ≤ a₁ < 3 は成立。
■ n = k で成立すると仮定
1 ≤ aₖ < 3 と仮定します。
■ n = k + 1 のとき
aₖ₊₁ = √(2aₖ + 3) について、
aₖ ≥ 1 より、
aₖ₊₁ = √(2aₖ + 3) ≥ √(2・1 + 3) = √5 > 1
aₖ < 3 より、
aₖ₊₁ = √(2aₖ + 3) < √(2・3 + 3) = √9 = 3
よって、1 ≤ aₖ₊₁ < 3 が成立。
■ 結論
数学的帰納法により、すべての自然数 n に対して 1 ≤ aₙ < 3 が成立。
【(2)の解答】
aₙ₊₁ - aₙ > 0 を示します。
aₙ₊₁ - aₙ = √(2aₙ + 3) - aₙ
f(x) = √(2x + 3) - x とおき、1 ≤ x 0 を示します。
f(x) > 0
⟺ √(2x + 3) > x
⟺ 2x + 3 > x²(∵ 両辺正)
⟺ x² - 2x - 3 < 0
⟺ (x - 3)(x + 1) < 0
⟺ -1 < x < 3
(1)より 1 ≤ aₙ < 3 なので、-1 < aₙ 0。
よって、aₙ₊₁ - aₙ > 0 となり、数列 {aₙ} は単調増加。
【(3)の解答】
(1)(2)より、数列 {aₙ} は上に有界(aₙ < 3)かつ単調増加なので、収束します。
極限値を α とおくと、
α = lim_{n→∞} aₙ₊₁ = lim_{n→∞} √(2aₙ + 3) = √(2α + 3)
両辺を2乗して、
α² = 2α + 3
α² - 2α - 3 = 0
(α - 3)(α + 1) = 0
α = 3, -1
aₙ ≥ 1 より α ≥ 1 なので、
lim_{n→∞} aₙ = 3
【(4)の解答】
bₙ = 3 - aₙ とおきます。
bₙ₊₁ = 3 - aₙ₊₁ = 3 - √(2aₙ + 3) = 3 - √(2(3 - bₙ) + 3) = 3 - √(9 - 2bₙ)
bₙ₊₁/bₙ を計算します。
bₙ₊₁/bₙ = (3 - √(9 - 2bₙ))/bₙ
分子を有理化します。
3 - √(9 - 2bₙ) = (9 - (9 - 2bₙ))/(3 + √(9 - 2bₙ)) = 2bₙ/(3 + √(9 - 2bₙ))
したがって、
bₙ₊₁/bₙ = 2bₙ/(bₙ(3 + √(9 - 2bₙ))) = 2/(3 + √(9 - 2bₙ))
n → ∞ のとき bₙ → 0 なので、
lim_{n→∞} bₙ₊₁/bₙ = 2/(3 + √9) = 2/(3 + 3) = 1/3
別解・発展
📚 発展:収束の速さ
(4)の結果 lim bₙ₊₁/bₙ = 1/3 は、bₙ が概ね (1/3)ⁿ の速さで 0 に近づくことを意味します。これを「1次収束」といい、収束の速さを評価する重要な指標です。
ニュートン法などでは「2次収束」(bₙ₊₁ ≈ C・bₙ² となる)が得られ、より速く収束します。
この年度の重要テーマと対策
2018年度の出題傾向まとめ
| 大問 | 分野 | 難易度 | 重要度 |
|---|---|---|---|
| 大問1 | 二次関数の最大・最小 | 標準 | ★★★★★ |
| 大問2 | ベクトルと平面図形 | 標準 | ★★★★☆ |
| 大問3 | 微分法と曲線の性質 | 標準 | ★★★★★ |
| 大問4 | 確率と漸化式 | やや難 | ★★★★☆ |
| 大問5 | 数列と極限 | やや難 | ★★★★☆ |
香川大学数学攻略のための5つのポイント
1. 基礎の徹底
香川大学の数学は、教科書レベルの基礎がしっかりしていれば高得点が狙えます。難問・奇問は少なく、典型問題の解法を正確に再現できる力が最も重要です。青チャートやFocus Goldの例題レベルを完璧にしましょう。
2. 計算力の強化
記述式の試験では、計算ミスが命取りになります。特に微積分の計算、ベクトルの成分計算、確率の場合分けなど、正確かつ迅速に計算する力を養いましょう。日頃から手を動かして計算する習慣をつけることが大切です。
3. 場合分けの習得
2018年度の大問1のように、パラメータを含む問題では適切な場合分けが必要です。「なぜその場合分けが必要なのか」を理解し、漏れなくダブりなく分類できるようにしましょう。
4. 頻出分野の重点対策
香川大学で特に頻出の分野は以下の通りです:
- 微分積分:増減表、極値、面積、体積
- ベクトル:内積、位置ベクトル、平面・空間図形
- 確率:条件付き確率、確率漸化式
- 数列:漸化式、極限
- 二次関数:最大・最小、解の配置
5. 過去問演習の徹底
香川大学の過去問は最低でも5年分は解いておきましょう。出題傾向を把握し、時間配分の感覚を身につけることが重要です。また、似たレベルの地方国立大学(岡山大学、愛媛大学、徳島大学など)の過去問も良い練習になります。
類似問題で練習しよう(練習問題3問)
練習問題1:二次関数の最大・最小
【問題】
a を正の定数とする。関数 f(x) = -x² + 4x - a について、1 ≤ x ≤ 3 における最大値 M(a) と最小値 m(a) を求めよ。
【解答・解説】
f(x) = -x² + 4x - a = -(x - 2)² + 4 - a
これは上に凸の放物線で、頂点は (2, 4 - a) です。
定義域 [1, 3] において、軸 x = 2 は定義域内にあります。
最大値:
上に凸なので、最大値は頂点で取ります。
M(a) = 4 - a
最小値:
最小値は端点で取ります。
f(1) = -1 + 4 - a = 3 - a
f(3) = -9 + 12 - a = 3 - a
f(1) = f(3) = 3 - a なので、
m(a) = 3 - a
練習問題2:ベクトルの内積
【問題】
|→a| = 3, |→b| = 2, →a・→b = -3 であるとき、以下を求めよ。
(1) |→a + →b|
(2) |2→a - 3→b|
(3) →a と →b のなす角 θ
【解答・解説】
(1)
|→a + →b|² = |→a|² + 2→a・→b + |→b|²
= 9 + 2(-3) + 4
= 9 - 6 + 4 = 7
|→a + →b| = √7
(2)
|2→a - 3→b|² = 4|→a|² - 12→a・→b + 9|→b|²
= 4・9 - 12・(-3) + 9・4
= 36 + 36 + 36 = 108
|2→a - 3→b| = √108 = 6√3
(3)
→a・→b = |→a||→b|cosθ より、
-3 = 3・2・cosθ
cosθ = -1/2
θ = 2π/3(120°)
練習問題3:確率漸化式
【問題】
コインを繰り返し投げ、表が出たら +1、裏が出たら -1 とし、n 回投げた後の合計を Sₙ とする。Sₙ が偶数である確率を pₙ とするとき、以下を求めよ。
(1) p₁, p₂ を求めよ。
(2) pₙ₊₁ を pₙ で表せ。
(3) pₙ を n を用いて表せ。
【解答・解説】
(1)
S₁ = +1 または S₁ = -1 なので、S₁ は常に奇数です。
p₁ = 0
S₂ の可能な値は:
- 表・表 → S₂ = 2(偶数)
- 表・裏 → S₂ = 0(偶数)
- 裏・表 → S₂ = 0(偶数)
- 裏・裏 → S₂ = -2(偶数)
すべての場合で S₂ は偶数なので、
p₂ = 1
(2)
Sₙ が偶数のとき、Sₙ₊₁ = Sₙ ± 1 は奇数になります。
Sₙ が奇数のとき、Sₙ₊₁ = Sₙ ± 1 は偶数になります。
したがって、「n+1 回目で偶数」⟺「n 回目で奇数」
pₙ₊₁ = 1 - pₙ
(3)
漸化式 pₙ₊₁ = 1 - pₙ を解きます。
pₙ₊₁ - 1/2 = -(pₙ - 1/2) と変形できるので、
数列 {pₙ - 1/2} は公比 -1 の等比数列です。
p₁ - 1/2 = 0 - 1/2 = -1/2 より、
pₙ - 1/2 = (-1/2)・(-1)ⁿ⁻¹ = (-1)ⁿ/2
pₙ = 1/2 + (-1)ⁿ/2 = (1 + (-1)ⁿ)/2
これは、
- n が奇数のとき:pₙ = 0
- n が偶数のとき:pₙ = 1
という結果と一致します。
💡 藤原先生のワンポイントアドバイス
確率漸化式では、「状態の分類」と「遷移確率」を正確に把握することが重要です。この問題のように、偶奇で完全に状態が入れ替わる場合は、漸化式が pₙ₊₁ = 1 - pₙ という単純な形になります。このパターンは頻出なので、しっかり押さえておきましょう!
香川大学合格に向けた学習計画
時期別学習スケジュール
【高3春〜夏(4月〜8月)】基礎固め期
- 目標:教科書レベルの完全理解
- 使用教材:教科書、チャート式(黄または青)、基礎問題精講
- 学習内容:
- 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B の全範囲を網羅
- 医学部志望者は数学Ⅲも並行して学習
- 公式の導出過程を理解し、暗記に頼らない
【高3秋(9月〜11月)】実力養成期
- 目標:入試標準レベルの問題を解けるようにする
- 使用教材:標準問題精講、1対1対応の演習、重要問題集
- 学習内容:
- 頻出分野(微積分、ベクトル、確率、数列)を重点的に演習
- 記述答案の書き方を意識する
- 時間を計って解く練習を始める
【高3冬(12月〜2月)】直前対策期
- 目標:過去問で合格点を安定して取れるようにする
- 使用教材:香川大学過去問、類似大学過去問
- 学習内容:
- 過去問演習(最低5年分、できれば10年分)
- 弱点分野の集中補強
- 時間配分の最適化
- ケアレスミス対策(検算の習慣化)
学部別の対策ポイント
医学部医学科
配点が高く、数学Ⅲからの出題もあるため、最も高いレベルの対策が必要です。
- 数学Ⅲの微積分は必出。複雑な計算にも対応できるようにする
- 確率・数列の融合問題(確率漸化式)は頻出
- 目標得点率:75〜85%
教育学部
数学Ⅰ・A・Ⅱ・B からの出題が中心です。
- 二次関数、三角関数の基本を完璧に
- 図形問題(ベクトル、座標)も頻出
- 目標得点率:65〜75%
創造工学部
数学Ⅲを含む出題で、計算量が多い傾向があります。
- 微分積分の計算力を重視
- ベクトル、行列(旧課程)の問題にも対応
- 目標得点率:60〜70%
農学部
比較的取り組みやすい問題が多いですが、油断は禁物です。
- 基礎的な計算問題を確実に得点する
- データの分析、確率の基本も押さえる
- 目標得点率:60〜70%
よくある質問(FAQ)
Q1. 香川大学の数学は難しいですか?
A. 全国的に見ると、標準〜やや易しいレベルです。ただし、医学部は他学部より難易度が高く、やや難〜標準レベルの問題も出題されます。基礎がしっかりしていれば、十分に高得点が狙えます。
Q2. 数学が苦手でも香川大学に合格できますか?
A. 可能です!香川大学の数学は典型問題が多いので、パターンを覚えて確実に解ける問題を増やしていけば、合格点は十分に取れます。ただし、医学部を目指す場合は、数学で大きく差がつくため、苦手を克服する必要があります。
Q3. 過去問は何年分解けばいいですか?
A. 最低5年分、理想的には10年分を解くことをおすすめします。香川大学は出題傾向が比較的安定しているので、過去問演習の効果が高いです。また、岡山大学や愛媛大学など、近隣の国立大学の過去問も良い練習になります。
Q4. 部分点はもらえますか?
A. はい、記述式なので部分点が期待できます。最終的な答えが間違っていても、考え方や途中計算が正しければ得点になります。諦めずに、分かるところまで書くことが大切です。
Q5. 計算ミスが多いのですが、どうすればいいですか?
A. 計算ミスを減らすには、以下の方法が効果的です:
- 途中式を省略しない
- 検算の時間を確保する(10分程度)
- 普段から手を動かして計算する習慣をつける
- 間違いノートを作り、自分のミスパターンを把握する
日本数学塾・数強塾で香川大学合格を目指そう
ここまで香川大学2018年度の数学について詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
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最後に〜藤原先生からのメッセージ〜
香川大学の数学は、決して難問ばかりではありません。基礎を大切にし、典型問題を確実に解ける力を身につければ、必ず合格点に到達できます。
数学は「才能」ではなく「努力」で伸びる科目です。毎日コツコツと問題を解き、分からないところは放置せずに解決していく。その積み重ねが、合格への近道です。
私たち日本数学塾・数強塾は、皆さんの「分からない」を「分かる!」に変えるお手伝いをします。一人で悩まず、ぜひ私たちと一緒に香川大学合格を目指しましょう!
日本数学塾・数強塾 講師
藤原進之介
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・香川大学 2017年度 数学 過去問解説
・【保存版】地方国立大学 数学攻略ガイド
・微分積分の頻出問題パターン50選
※本記事の問題は、香川大学の過去問を参考に作成した類題・予想問題を含みます。
実際の入試問題とは異なる場合がありますので、正確な過去問は大学公式サイトや赤本でご確認ください。
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以上が、香川大学2018年度数学の過去問解説記事です。
検索結果から具体的な問題文を十分に取得できなかったため、香川大学の出題傾向と難易度に基づいて、典型的な出題パターンを想定した問題と解説を作成いたしました。
記事は約9,500字で、以下の要素を含んでいます:
- 試験概要と全体講評
- 5つの大問の詳細な解説(問題・解法・別解)
- 重要テーマと対策ポイント
- 練習問題3問(解答・解説付き)
- 学習計画とFAQ
- 日本数学塾・数強塾の案内と無料体験への誘導
