横浜市立大学 2016年度 数学 過去問解説|藤原進之介先生と一緒に完全攻略!
横浜市立大学 2016年度 数学 過去問解説|藤原進之介先生と一緒に完全攻略!
はじめに:この記事で得られること
横浜市立大学 2016年度 数学 過去問解説へようこそ!数強塾グループ代表の藤原進之介です。この記事では、2016年度の全大問を丁寧に解説し、合格への道筋を示します。
この記事で得られる3つの価値:
- ✅ 全大問の解法ステップを途中計算込みで完全解説
- ✅ 横浜市立大学数学の出題傾向と対策が丸わかり
- ✅ 合否を分けた問題と得点戦略が明確になる
👨🏫 藤原先生より:「横浜市立大学の数学は、標準〜やや難レベルで、しっかり基礎を固めた上で論理的思考力を養えば十分に戦えます!難しそうに見えても、正しい解法を理解すれば必ず解けるようになるから、一緒にやっていこう!」
セクション1:横浜市立大学の数学 入試の全体像
試験形式と基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 120分 |
| 大問数 | 2問(解答2問) |
| 解答形式 | 記述式(論述あり) |
| 難易度 | 標準〜やや難(医学部は難易度が上がる) |
横浜市立大学の数学は、記述式という性質上、「答えを出す力」だけでなく「論理的に証明・説明する力」が問われます。途中計算や考え方をきちんと示すことが高得点への鍵です。
偏差値帯と求められる数学レベル
横浜市立大学の国際教養学部・国際商学部・データサイエンス学部の偏差値は55〜60程度、医学部医学科は65〜68以上と大きく異なります。
- 一般学部志望者:青チャートや基礎問題精講レベルの標準問題を確実に解ける力
- 医学部志望者:1対1対応の演習・やさしい理系数学レベルの応用力が必要
過去5〜10年の出題傾向まとめ
横浜市立大学数学の頻出単元ランキング:
| 順位 | 単元 | 出題頻度 |
|---|---|---|
| 1位 | 微分・積分 | ★★★★★ |
| 2位 | 確率・確率の漸化式 | ★★★★★ |
| 3位 | 数列・漸化式 | ★★★★☆ |
| 4位 | 複素数・三角関数 | ★★★★☆ |
| 5位 | 統計・データ分析 | ★★★☆☆ |
特に積分の計算技術と確率の漸化式は毎年のように出題されており、2016年度もまさにこれらが中心テーマです。
他大学との違い・特徴
東大が「思考力・発見力」を重視した論述問題中心であるのに対し、横浜市立大学は「計算技術と論理的証明力の両立」を重視しています。特に積分計算では、誘導問題の形式で「ステップを踏みながら難しい積分にたどり着く」スタイルが特徴的です。
会話①
🧑 生徒:「横浜市立大学の数学って、どんな力が特に必要ですか?」
👨🏫 藤原先生:「横浜市立大学では、大問の中で(1)→(2)→(3)…と誘導が続く段階的誘導型の問題形式が多いんだ。例えば、(1)で $\int \tan x\, dx$ を求めさせて、それを(2)(3)(4)の証明に活かす、という形だよ。これは料理でいうと、まず出汁を取って、それをスープ・煮物・炊き込みご飯に使い回すようなものだね。各誘導のつながりを意識しながら解く力が一番大切だよ!」
横浜市立大学の数学は、単なる計算ではなく「なぜそうなるのか」という理解を問う良問が揃っています。基礎を丁寧に積み上げれば必ず得点できますよ!
セクション2:2016年度 出題テーマ速報と分析
2016年度 出題テーマ一覧
大問1(解答必須)
| 小問 | テーマ | 難易度 |
|---|---|---|
| I | $\int \tan x\, dx$(不定積分) | ★★☆☆☆ |
| I | $\frac{\tan^n x}{\sin x}$ の導関数 | ★★★☆☆ |
| I | $\int \frac{\tan^{n-2}x}{\cos^2 x}\, dx$(不定積分) | ★★★☆☆ |
| I | 積分の漸化式の証明 | ★★★★☆ |
| I | $\int_0^{\pi/4} \tan^3 x\, dx$ の定積分 | ★★★☆☆ |
| II | 確率 $P_1(A)$ | ★☆☆☆☆ |
| II | 確率 $P_3(A)$ | ★★☆☆☆ |
| II | 確率の漸化式 | ★★★☆☆ |
| II | 差の漸化式から等比数列の発見 | ★★★★☆ |
| II | 一般項 $P_n(A)$ の導出 | ★★★★☆ |
大問1総合難易度:★★★☆☆(標準〜やや難)
大問2(解答必須)
| 小問 | テーマ | 難易度 |
|---|---|---|
| I | 偏差値の計算 | ★★☆☆☆ |
| I | ペル方程式・整数解 | ★★★★☆ |
| I | 漸化式の一般項 | ★★★★☆ |
| I | 部分積分・対数関数の積分 | ★★★★☆ |
| [II] | 最適停止問題(秘書問題)の確率 | ★★★★★ |
| [III] | arctan を用いた積分・等式の証明 | ★★★★★ |
| [IV] | ド・モアブルの定理・三角関数の和 | ★★★★☆ |
大問2総合難易度:★★★★☆(やや難〜難)
合格ラインと得点戦略
2016年度の合格ラインは、大問1を完答(8〜9割)+大問2の[I]と[II]で部分点確保というのが現実的な戦略です。
大問2の[III](arctan積分)と[IV](ド・モアブル応用)は難度が高く、完答を目指すよりも大問1を確実に取る戦略が合理的です。
2016年度は前年度と比べて確率分野の誘導が丁寧になった一方、大問2の[II](秘書問題)が受験生には馴染みの薄い問題設定であったため、差がついたと予想されます。
いよいよ全大問の詳細解説に入ります!一つひとつ丁寧に解説するから安心してついてきてね!
セクション3:全大問 完全解説
大問1・[I]:tan の積分と漸化式の証明(難易度★★★☆☆)
【問題文】
$n \geq 2$ である整数 $n$ に対して以下に答えよ。
(1) $\int \tan x\, dx$ を求めよ。
(2) $\dfrac{\tan^n x}{\sin x}$ の導関数を求めよ。
(3) $\int \dfrac{\tan^{n-2} x}{\cos^2 x}\, dx$ を求めよ。
(4) 等式 $\displaystyle\int \tan^n x\, dx = \frac{1}{n-1}\tan^{n-1} x - \int \tan^{n-2} x\, dx$ が成り立つことを証明せよ。
(5) $\displaystyle\int_0^{\pi/4} \tan^3 x\, dx$ を求めよ。
【使う公式・定理】
| 公式名 | 内容 |
|---|---|
| tan の積分 | $\int \tan x\, dx = -\log|\cos x| + C$ |
| 商の微分 | $\left(\frac{f}{g}\right)' = \frac{f'g - fg'}{g^2}$ |
| 置換積分(逆) | $\int f'(x) \cdot [g(f(x))]'\, dx$ の形への変形 |
| $\tan^2 x$ の恒等式 | $\tan^2 x = \dfrac{1}{\cos^2 x} - 1$ |
小問(1)の解法
ステップ① $\tan x = \dfrac{\sin x}{\cos x}$ と書き換える。
ステップ② 分子が分母の微分の $-1$ 倍であることに注目する。
ステップ③ 置換の形に整理する。
小問(2)の解法
ステップ① 商の微分公式を適用する。$f = \tan^n x$、$g = \sin x$ とすると:
ステップ② 各微分を計算する。
ステップ③ 代入して整理する。
ステップ④ $\dfrac{\tan^n x \cdot \cos x}{\sin^2 x} = \dfrac{\tan^{n-1} x}{\sin x}$($\tan x = \dfrac{\sin x}{\cos x}$ を利用)を代入してまとめる。
小問(3)の解法
ステップ① $\dfrac{1}{\cos^2 x} = (\tan x)'$ であることを利用する。
ステップ② $u = \tan x$ と置換すると $du = (\tan x)'\, dx$ なので:
小問(4)の解法(証明)
ステップ① $\tan^2 x = \dfrac{1}{\cos^2 x} - 1$ を用いて $\tan^n x$ を変形する。
ステップ② 積分を分離する。
ステップ③ (3)の結果を代入する。
小問(5)の解法
ステップ① (4)の漸化式で $n = 3$ とする。
ステップ② 第1項を計算する。$\tan\dfrac{\pi}{4} = 1$、$\tan 0 = 0$ より:
ステップ③ 第2項を計算する。(1)の結果を用いる。
ステップ④ 合わせて答えを出す。
【藤原先生の解説】
この大問の核心は、(1)〜(3)で準備した「道具」を(4)の証明に活かす積み上げ型の構造にあります。
例え話でいうと、まず料理の基本「出汁の取り方((1)」「切り方((2))」「炒め方((3))」を学んでから、最後に「レシピ全体((4)証明)」を完成させるイメージです。
特に(4)の証明で重要なのが、$\tan^2 x = \dfrac{1}{\cos^2 x} - 1$ という恒等式です。これは積分を「可能な形」と「そのまま残す形」に分解するための変形の鍵になっています。
会話②
🧑 生徒:「小問(4)の証明で、なぜ $\tan^2 x = \frac{1}{\cos^2 x} - 1$ に変形するんですか?」
👨🏫 藤原先生:「それは(3)の結果を活かすためだよ!$\int \frac{\tan^{n-2}x}{\cos^2 x}\, dx$ という形にしたいわけだから、$\tan^n x$ の中に $\dfrac{1}{\cos^2 x}$ を作り出す必要があるんだ。そこでピタゴラス型の恒等式 $1 + \tan^2 x = \dfrac{1}{\cos^2 x}$ を変形して $\tan^2 x = \dfrac{1}{\cos^2 x} - 1$ を使うんだよ。こういう変形は『欲しい形に向けて逆算する』感覚が大切!」
【この大問で身につく力】
「誘導を活かす思考力」と「三角関数の恒等式を使いこなす計算力」が鍛えられます。特に積分の漸化式は大学数学でも頻出のテクニックです。
大問1・[II]:確率の漸化式(難易度★★★★☆)
【問題文】
三角形の頂点を反時計回りにA, B, Cとおく。コインを投げ、表が出たら時計回り・裏が出たら反時計回りの隣の頂点へ移動する(各確率 $\dfrac{1}{2}$)。頂点Aからスタートし、$n$ 回目の試行後に頂点Aにいる確率を $P_n(A)$ とする。
(1) $P_1(A)$ を求めよ。 (2) $P_3(A)$ を求めよ。 (3) $P_n(A)$ を $P_{n-1}(A)$ で表せ。 (4) $P_n(A) - P_{n-1}(A)$ を $n$ で表せ。 (5) $P_n(A)$ を求めよ。
【使う公式・定理】
| 公式名 | 内容 |
|---|---|
| 全確率の法則 | $P_n(A) = P(\text{Aに戻る}) = P(\text{B or Cにいる}) \times \frac{1}{2}$ |
| 等比数列の一般項 | $b_n = b_1 \cdot r^{n-1}$ |
| テレスコーピング和 | $P_n = P_1 + \sum_{k=2}^n (P_k - P_{k-1})$ |
小問(1)の解法
ステップ① 頂点Aから1回試行すると、必ずB(表)またはC(裏)に移動する。
小問(2)の解法
ステップ① 全ての経路を書き出す。3回の試行で表裏の組み合わせは $2^3 = 8$ 通り。
各経路を記録する(T:表=時計回り、U:裏=反時計回り):
$$A \xrightarrow{T} B \xrightarrow{T} C \xrightarrow{T} A \quad \checkmark$$
$$A \xrightarrow{T} B \xrightarrow{U} A \xrightarrow{T} B \quad \times$$
$$A \xrightarrow{T} B \xrightarrow{U} A \xrightarrow{U} C \quad \times$$
$$A \xrightarrow{T} B \xrightarrow{T} C \xrightarrow{U} B \quad \times$$
$$A \xrightarrow{U} C \xrightarrow{U} B \xrightarrow{U} A \quad \checkmark$$
$$A \xrightarrow{U} C \xrightarrow{T} A \xrightarrow{T} B \quad \times$$
$$A \xrightarrow{U} C \xrightarrow{T} A \xrightarrow{U} C \quad \times$$
$$A \xrightarrow{U} C \xrightarrow{U} B \xrightarrow{T} C \quad \times$$
ステップ② 頂点Aに戻る経路数を数える。$\checkmark$ は2通り。
⚠️ 注意:解答例では $P_3(A) = \dfrac{3}{8}$ と記載されているのは $P_4(A)$ の計算を示しており、$P_3(A)$ については上記の通り $\dfrac{2}{8} = \dfrac{1}{4}$ が正しい値です。正しく確認しながら解きましょう。
小問(3)の解法
ステップ① $n$ 回目にAにいる状況を考える。$n$ 回目にAにいるためには、$(n-1)$ 回目にBまたはCにいて、次の1回でAに移動しなければならない。
ステップ② $(n-1)$ 回目にB or Cにいる確率は $1 - P_{n-1}(A)$。
ステップ③ BまたはCからAに移動する確率は、どちらの頂点にいても $\dfrac{1}{2}$(Bから表→AまたはCから裏→A)。
小問(4)の解法
ステップ① (3)の漸化式を $n$ と $n-1$ で書く。
$$P_n(A) = \frac{1 - P_{n-1}(A)}{2} \quad \cdots (\alpha)$$
$$P_{n-1}(A) = \frac{1 - P_{n-2}(A)}{2} \quad \cdots (\beta)$$
ステップ② $(\alpha) - (\beta)$ を計算する。
ステップ③ $b_n = P_n(A) - P_{n-1}(A)$ とおくと、$b_n = -\dfrac{1}{2} b_{n-1}$ という公比 $-\dfrac{1}{2}$ の等比数列になる。
ステップ④ 初項 $b_2 = P_2(A) - P_1(A)$ を求める。$P_2(A) = \dfrac{1-P_1(A)}{2} = \dfrac{1-0}{2} = \dfrac{1}{2}$、$P_1(A) = 0$ より $b_2 = \dfrac{1}{2}$。
小問(5)の解法
ステップ① テレスコーピング(望遠鏡式)の和を利用する。$P_0(A) = 1$(スタートがA)とする。
ステップ② (4)の結果を代入する。
ステップ③ 等比数列の和の公式を適用する。
ステップ④ まとめる。
別の書き方として:
整理すると:
$n \to \infty$ のとき $P_n(A) \to \dfrac{1}{3}$ となり、三頂点への収束確率が $\dfrac{1}{3}$ ずつになるという直感的な答えと一致します!
【藤原先生の解説】
この問題の最大のポイントは(4)です。漸化式 $P_n = \dfrac{1-P_{n-1}}{2}$ から直接一般項を求めようとすると、不動点法($P = \dfrac{1-P}{2}$ を解いて $P = \dfrac{1}{3}$)を使う方法
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