「数学が苦手」を解決する方法|日本数学塾の指導アプローチ
数学が苦手になる理由を知ることが、最初の一歩
「数学の勉強をしているのに、成績が上がらない」「問題を見ると、何をしたらいいのか分からなくなる」。こうした悩みを抱える受験生は少なくありません。全国在住の方でも全国オンラインで受講可能ですが、地域を問わず多くの高校生が数学に対して同じような不安を感じています。
では、なぜ数学が苦手になるのでしょうか。その理由は、多くの場合「分からないこと」が分からないまま先に進んでしまうことにあります。公式を暗記しても、その公式がなぜそうなるのか理解していない。計算はできるけれど、それが何を意味しているのか分からない。こういった浅い理解の積み重ねが、やがて大きな壁になってしまうのです。
本記事では、数学が苦手な受験生がどのような思考プロセスで躓いているのか、そしてそれをどのように乗り越えるべきなのかを、段階を追って解説します。日本数学塾が実践している「なぜそうなるのか」を大事にした指導アプローチが、どのように機能するのかも具体的に示していきます。
数学が苦手な受験生の「本当の課題」
数学が苦手という相談を受けるとき、塾講師が最初に確認することは「どの段階で詰まっているのか」ということです。ここを明確にしないと、対策が的外れになってしまいます。
課題1:問題文から「何を問われているのか」を読み取れていない
数学の問題を読むとき、受験生の多くは無意識に「この問題は〇〇の計算をする問題だ」と型にはめて考えています。しかし実際には、問題文の背景にある数学的な関係性を理解する必要があります。
例えば「直線lと円Cの交点を求めよ」という問題なら、受験生は「連立方程式を解く問題」と考えます。その考え自体は間違っていません。しかし、その前に「なぜ交点を求めるのに連立方程式を使うのか」という理解が欠けていると、応用問題や複合問題で対応できなくなります。
つまり、問題を見たときに「この問題は何を問われているのか」「それを解くには、数学的にはどの関係性を使えばよいのか」という言語化のステップが抜けている。ここが多くの苦手な受験生が陥る最初の穴なのです。
課題2:解法の手順が機械的になっている
苦手な受験生の答案を見ると、計算は正確でも「なぜその手順を踏むのか」という根拠が見えていないことが多くあります。参考書の解答を暗記して、同じ形の問題を解くことはできるけれど、数字が変わったり条件が少し異なったりすると対応できない。
これは、解法を「ステップの連鎖」として丸ごと暗記しているからです。本来は「①この段階で〜という理由だから、こうする。②その結果から次に〜が言える。③だから次にこれをする」という、段階ごとの論理的なつながりを理解する必要があります。
課題3:計算ミスと本質的な理解不足の区別がついていない
テストを見返すとき「あ、計算ミスだ」と片付けてしまう受験生は多くいます。しかし、実は途中の理解が曖昧だから、計算が複雑になったときに容易にミスが起きるという場合が大半です。例えば、因数分解の過程で符号を間違える。それは「計算が雑」なのではなく、因数分解の構造を完全に理解していないから、確信を持って計算を進められていないのです。
日本数学塾が実践する「なぜそうなるのか」指導法
苦手な受験生を得意にするには、上記のような課題を一つひとつ丁寧に解きほぐす必要があります。以下は、その具体的なアプローチです。
ステップ1:問題の背景にある数学的な構造を見える化する
問題を解く前に、「この問題では、どの数学的な概念が関係しているのか」を言語化します。例えば二次不等式なら「二次関数のグラフがx軸より上にある(または下にある)xの範囲を求める問題」という理解から始まります。
これにより、受験生は単なる計算手順ではなく「問題が何を問うているのか」という本質を掴むことができます。その上で「では、グラフを思い浮かべたとき、どの情報が必要か」という次のステップへ自然に進めるのです。
ステップ2:解法を「なぜそうするのか」という根拠とともに分解する
問題を解くときは、次のように段階化して説明します。
- ①いま何をしているのか(例:二次方程式の解の公式を使う)
- ②なぜそれをするのか(例:二次方程式の解は、解の公式で確実に求められるから)
- ③その結果から何が言えるのか(例:この場合、解は αと β で、それはグラフとx軸の交点のx座標である)
- ④次はどうするのか、なぜか(例:交点が分かったので、次は不等式の条件を満たすxの範囲を読み取る)
このように、各ステップの根拠と、そこから次に何が導き出されるのかを同時に理解することで、受験生は暗記ではなく「理解に基づく解法」を身につけられます。
ステップ3:理解を確認し、応用につなげる
一度理解した後、その理解が本当に定着しているか、そして応用できるのかを検証します。例えば、二次不等式で学んだ「グラフとx軸の関係」という概念は、「連立不等式」「領域の問題」などでも使える。こうした横のつながりを見せることで、受験生は「数学は別々の技術の寄せ集めではなく、共通の論理で成り立っている」という感覚を養えます。
分野別:苦手になりやすいポイントと克服法
数と式・因数分解
多くの受験生が「ただの計算」だと思い込んでいる領域です。しかし実際には「式を変形することで、どのような関係が見えてくるのか」という理解が重要です。
例えば因数分解 x^2 + 3x + 2 = (x+1)(x+2) は、単なる形の変換ではなく「この式が0になるのはx = -1またはx = -2のときだ」という意味を持ちます。この背景にある理解がなければ、もっと複雑な式の変形が必要な問題で対応できません。
克服法としては、因数分解する前に「この式をどの形に変えたいのか、そしてなぜか」を言語化する習慣をつけることが効果的です。
二次関数とグラフ
「頂点の座標を求める」「最大値・最小値を求める」といった個別の技術は身についていても、問題文が複雑になると対応できなくなる。これは、グラフという「図像」と、式や数字という「記号」の結びつきが弱いからです。
対策としては、常に「この式をグラフで表すとどうなるのか」「逆に、このグラフの特徴を式で表すとどうなるのか」という双方向の思考を習慣づけることが重要です。
三角関数と単位円
三角関数が苦手な受験生の多くは「sinθ、cosθ、tanθが何を意味しているのか」が曖昧な状態で、公式だけを暗記しています。
実は、単位円の上を動く点の座標と三角関数の値は直結しています。sinθはy座標、cosθはx座標。この関係が腑に落ちれば、多くの公式や性質が「覚えるべき暗号」ではなく「当然の帰結」に見えてきます。
つまずきやすい受験生は「単位円を描く→θの大きさを意識する→その点のx、y座標を読む→それがcos、sinの値」という手順を何度も繰り返して、体に染み込ませるとよいでしょう。
微分・積分
「導関数を求めて、それを0にしたときのxが極値」といった機械的な操作に陥りやすい分野です。しかし、導数は「その点での関数の変化率」を意味しており、それが0というのは「変化していない、つまり傾きが水平」ということです。この意味が分かっていると、問題文から「何を求めるべきか」が自動的に見えてきます。
積分も同様に「∫の記号が見えたら、これを計算する」ではなく「これは、曲線とx軸で囲まれた面積を表しているのだ」という意識を持つことが、応用問題への対応力を生みます。
苦手を得意に変えるための日々の勉強方法
復習のしかた:「答えを見る」ではなく「思考過程を追跡する」
多くの受験生は、分からない問題を「答えを見て理解した」と言います。しかし、答えを見ただけでは「その解答者が、どのような思考で、どこに着目して、どの手順を踏んだのか」が不透明なままです。
効果的な復習は、答えを見たあと「なぜこの手順を踏んだのか」「ここで、どのような数学的な事実を使ったのか」を自分の言葉で説明できるまで考え抜くことです。できれば、別のノートに「この問題を解くために必要な概念」「解法の流れ」を自分で言語化して書き出すとよいでしょう。
新しい問題に取り組む前に:基本概念の確認
新しい分野に入るときは、参考書の問題をいきなり解くのではなく「この分野では、どのような基本概念があるのか」を整理してから始めることが重要です。例えば、数列の分野なら「等差数列とは何か」「等比数列とは何か」「Σ記号は何を表しているのか」を図や具体例で徹底的に理解してから、問題を解き始めるということです。
計算練習の質:ただ速さを求めない
受験生の多くは「計算が遅い」という悩みから、ひたすら計算速度を上げようとします。しかし、苦手な受験生が本当に必要としているのは「計算が遅いこと」ではなく「各ステップで、なぜそう計算するのかが分かっていないこと」です。
計算練習をするなら、速度よりも「各ステップで何をしているのか」を口に出して確認しながら進めることが効果的です。これにより、計算のミスも自然に減ります。
模試や過去問を活用する:「間違い診断」の質
定期的に模試や過去問に取り組むことは重要ですが、その後の「間違い分析」の質が、成績向上を左右します。「この問題は何点落とした」ではなく「この問題の、どの思考段階で詰まったのか」を特定することが大切です。
例えば、計算は合っているのに答えが違った場合、原因は「問題文の読み違い」「解法の選択ミス」「途中式の方針の誤り」など複数考えられます。その原因を特定し、その原因に対する対策を講じることで、初めて成績が向上するのです。
よくあるつまずきと、その対策
つまずき1:「解答を読んで分かった気になる」問題
これは非常に多いパターンです。解答を読んでいるときは「なるほど、そっか」と思えるのに、同じような問題を見ると「あれ、これはどう解くんだっけ」となってしまう。その理由は、理解ではなく「一時的な納得」に留まっているからです。
対策としては、解答を読んだ直後に、すぐその問題を自分で解き直してみる。解答を見ずに解く。そこで初めて、本当の意味で「分かっている」のか「読んで分かった気になっているだけ」なのかが判明します。
つまずき2:「部分的には分かるが、全体像が見えない」問題
複合問題や応用問題に当たったとき、各ステップ自体は理解できるのに、それらがどう結びついているのか、そして全体として「この問題は何を問うているのか」が見えていない状態です。
これは、各分野の概念が「独立した知識」になっているからです。対策としては、問題を解き終わったあとに「この問題では、数学的に何が起きていたのか」を俯瞰的に言語化してみるとよいでしょう。図を描く、グラフを描く、数直線を使う、など様々な表現方法があります。
つまずき3:「得意な単元と苦手な単元の橋渡し」ができていない
受験生の多くは「因数分解は得意だが、二次関数が苦手」といった単元別の得意不得意を持っています。しかし、実際には「二次関数の問題の中で、因数分解を使う場面」が多くあります。こうした場面で、別々の単元だと思っていた概念がつながる瞬間を体験することが、数学全体の理解を深めます。
対策としては、問題を解くときに「この問題では、どの分野の概念が活躍しているのか」を意識する習慣をつけることです。
担任制指導がなぜ有効なのか
ここまで述べてきた「なぜそうなるのか」という思考プロセスは、一人では気づきにくいものです。なぜなら、自分がどこで詰まっているのか、自分がどのような思考の癖を持っているのか、本人には見えていないからです。
日本数学塾が担任制の指導を重視するのは、この理由によります。一人の生徒の思考プロセスを継続的に観察し、その生徒が「どこで躓きやすいのか」「どのような説明方法なら理解しやすいのか」を掴むことで、初めて本質的な改善が可能になるのです。
また、苦手な受験生の多くは「勉強しても成績が上がらない」という経験から、自分の能力に対して不安を感じています。丁寧に、その生徒のペースに合わせた指導を受けることで、その不安が少しずつ自信に変わっていく。この心理的な側面も、成績向上には欠かせないものです。
数学が苦手から得意へ:最後に
数学が苦手な受験生が、なぜ苦手なのかは、多くの場合「理解が浅い」ことに帰着します。逆に言えば、その浅さを丁寧に一つひとつ埋めていくことができれば、誰でも数学を得意教科に変えることは可能です。
重要なのは、問題を解くという行為の背景にある「思考プロセス」に目を向けることです。公式を暗記することではなく、その公式がなぜそうなるのか。問題を見たとき、なぜそのような解法を選ぶのか。その根拠を毎回丁寧に追跡する習慣がついたとき、初めて「数学を理解している状態」になるのです。
苦手だと感じている受験生へのアドバイスは、一つです。「今、分からないことがあるなら、それは悪いことではない。むしろ、そこがあなたが成長できる場所だ」ということです。分からないことに向き合い、その原因を丹念に探り、理解を深めていく。その過程を大事にすることが、やがて大きな力になります。
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