【場合の数と確率】数学の勉強法・つまずきポイントと対策|日本数学塾
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はじめに:場合の数と確率を完全マスターするために
こんにちは、日本数学塾・数強塾の藤原進之介です。
「場合の数と確率」は、高校数学の中でも特に苦手意識を持つ生徒が多い単元の一つです。私がこれまで指導してきた生徒たちも、最初は「何から手をつければいいかわからない」「公式を覚えても問題が解けない」と悩んでいました。
しかし、正しい考え方と解法パターンを身につければ、場合の数と確率は得点源になる単元です。実際に、センター試験・共通テストでは毎年必ず出題され、二次試験でも頻出の分野です。
この記事では、以下の内容を徹底的に解説します:
- 場合の数・確率の基本概念と公式の完全理解
- 基礎問題10問で土台を固める
- 標準問題10問で頻出パターンをマスター
- 入試レベルの実戦問題10問で実力を完成させる
- よくある間違いとその対処法
- 大学入試での頻出パターン一覧
この記事を読み終える頃には、場合の数と確率に対する苦手意識が消え、自信を持って問題に取り組めるようになるはずです。それでは、一緒に学んでいきましょう!
基本概念の確認
1. 場合の数とは
場合の数とは、ある条件を満たす事柄が何通りあるかを数えることです。この「数え上げ」の考え方が、確率を理解する上での土台となります。
【和の法則】
2つの事柄A、Bが同時に起こらない(排反である)とき、AまたはBが起こる場合の数は:
n(A∪B) = n(A) + n(B)
【例】サイコロを1回振って、1の目または6の目が出る場合の数
1の目が出る:1通り
6の目が出る:1通り
→ 合計:1 + 1 = 2通り
【積の法則】
事柄Aがm通り、その各々に対して事柄Bがn通りあるとき、AとBがともに起こる場合の数は:
m × n 通り
【例】サイコロを2回振るとき、目の出方の総数
1回目:6通り
2回目:6通り
→ 合計:6 × 6 = 36通り
2. 順列(Permutation)
順列とは、n個のものからr個を選んで1列に並べる場合の数です。
nPr = n(n-1)(n-2)…(n-r+1) = n!/(n-r)!
【重要ポイント】順列では並び順が区別されることを理解しましょう。
【例】A、B、C、D、Eの5人から3人を選んで1列に並べる場合の数
5P3 = 5 × 4 × 3 = 60通り
【円順列】
n個のものを円形に並べる場合の数:
(n-1)!
円順列では、回転して同じになるものは同一視します。1つを固定して考えるのがポイントです。
【例】5人が円形のテーブルに座る場合の数
(5-1)! = 4! = 24通り
【じゅず順列(数珠順列)】
円順列のうち、裏返しても同じになるものを同一視する場合:
(n-1)!/2
【重複順列】
n種類のものからr個を選んで並べるとき、同じものを繰り返し使ってよい場合:
nr
【例】0〜9の数字を使って4桁の暗証番号を作る場合の数
104 = 10000通り
3. 組合せ(Combination)
組合せとは、n個のものからr個を選ぶ場合の数です(順番は考えない)。
nCr = nPr/r! = n!/r!(n-r)!
【重要ポイント】組合せでは選び方だけが問題で、順序は関係ありません。
【例】10人から委員3人を選ぶ場合の数
10C3 = 10!/(3!×7!) = (10×9×8)/(3×2×1) = 120通り
【組合せの重要な性質】
- nCr = nCn-r(対称性)
- nCr = n-1Cr-1 + n-1Cr(パスカルの三角形)
- nC0 = nCn = 1
- nC1 = n
【重複組合せ】
n種類のものからr個を選ぶとき、同じものを繰り返し選んでよい場合:
nHr = n+r-1Cr
【例】3種類のお菓子から5個選ぶ場合の数(同じ種類を何個選んでもよい)
3H5 = 3+5-1C5 = 7C5 = 7C2 = 21通り
4. 確率の基本
【確率の定義】
全ての結果が同様に確からしいとき、事象Aの起こる確率P(A)は:
P(A) = n(A)/n(U) = Aの起こる場合の数/全ての場合の数
【確率の基本性質】
- 0 ≤ P(A) ≤ 1
- P(Ā) = 1 - P(A)(余事象の確率)
- P(A∪B) = P(A) + P(B) - P(A∩B)(加法定理)
- AとBが排反のとき:P(A∪B) = P(A) + P(B)
5. 独立と従属、条件付き確率
【独立な試行】
2つの事象A、Bが互いに影響を与えないとき、AとBは独立であるといいます。
P(A∩B) = P(A) × P(B)(独立のとき)
【条件付き確率】
事象Aが起こったという条件のもとで、事象Bが起こる確率:
P(B|A) = P(A∩B)/P(A)
【乗法定理】
P(A∩B) = P(A) × P(B|A)
6. 反復試行の確率
1回の試行で事象Aの起こる確率がpのとき、この試行をn回繰り返して、Aがちょうどr回起こる確率:
nCr × pr × (1-p)n-r
【例】サイコロを5回振って、1の目がちょうど2回出る確率
5C2 × (1/6)2 × (5/6)3 = 10 × (1/36) × (125/216) = 1250/7776 = 625/3888
7. 期待値
確率変数Xがx1, x2, ..., xnの値をとり、それぞれの確率がp1, p2, ..., pnのとき、期待値E(X)は:
E(X) = x1p1 + x2p2 + ... + xnpn = Σxipi
基礎問題で土台を固めよう(10問)
基礎問題1:積の法則の基本
【問題】
大小2つのサイコロを同時に投げるとき、目の出方は全部で何通りあるか。
【解説】
2つのサイコロを投げる問題は、場合の数の最も基本的な問題です。ここで重要なのは、大小のサイコロを区別することです。
大のサイコロの目の出方:1, 2, 3, 4, 5, 6の6通り
小のサイコロの目の出方:1, 2, 3, 4, 5, 6の6通り
それぞれの目の出方は独立なので、積の法則を使います。
【解答】
6 × 6 = 36通り
基礎問題2:和の法則の基本
【問題】
1から100までの整数のうち、3の倍数または5の倍数は何個あるか。
【解説】
この問題では、「または」が出てきているので、和の法則を使いたくなります。しかし、3の倍数と5の倍数には重複(15の倍数)があるので、単純に足すことはできません。
集合の考え方を使って、包除原理を適用します:
n(A∪B) = n(A) + n(B) - n(A∩B)
・3の倍数の個数:100 ÷ 3 = 33余り1 より 33個
・5の倍数の個数:100 ÷ 5 = 20 より 20個
・15の倍数(3と5の公倍数)の個数:100 ÷ 15 = 6余り10 より 6個
【解答】
33 + 20 - 6 = 47個
基礎問題3:順列の基本
【問題】
7人の生徒から3人を選んで、委員長、副委員長、書記を決める方法は何通りあるか。
【解説】
この問題は「選んで並べる」問題です。委員長・副委員長・書記は役職が異なるので、順序が区別されることに注意しましょう。
例えば、A、B、Cの3人を選んだとき:
・Aが委員長、Bが副委員長、Cが書記
・Aが委員長、Cが副委員長、Bが書記
これらは異なる選び方として数えます。
したがって、これは順列の問題です。
【解答】
7P3 = 7 × 6 × 5 = 210通り
基礎問題4:組合せの基本
【問題】
12人の生徒から4人の委員を選ぶ方法は何通りあるか。
【解説】
この問題は「選ぶだけ」の問題です。4人の委員は全員同じ役職(区別なし)なので、順序は関係ありません。
問題3との違いを明確にしましょう:
・問題3:役職が違う → 順列
・問題4:役職が同じ → 組合せ
【解答】
12C4 = 12!/(4!×8!) = (12×11×10×9)/(4×3×2×1) = 11880/24 = 495通り
基礎問題5:同じものを含む順列
【問題】
MISSISSIPPIの11文字を一列に並べる方法は何通りあるか。
【解説】
同じ文字を含む場合の順列です。まず、各文字の個数を数えます:
・M:1個
・I:4個
・S:4個
・P:2個
合計:11個
同じものを含む順列の公式を使います:
n個のものを一列に並べるとき、そのうち同じものがp個、q個、r個、...あるとき:
n!/(p!×q!×r!×...)
【解答】
11!/(1!×4!×4!×2!) = 11!/(4!×4!×2!) = 39916800/(24×24×2) = 39916800/1152 = 34650通り
基礎問題6:確率の基本
【問題】
袋の中に赤玉4個、白玉3個、青玉2個が入っている。この袋から同時に2個の玉を取り出すとき、2個とも赤玉である確率を求めよ。
【解説】
確率の基本公式 P(A) = n(A)/n(U) を使います。
分母(全ての場合の数):
9個の玉から2個を選ぶ組合せ
9C2 = 36通り
分子(2個とも赤玉の場合の数):
4個の赤玉から2個を選ぶ組合せ
4C2 = 6通り
【解答】
P = 6/36 = 1/6
基礎問題7:余事象の確率
【問題】
サイコロを3回投げるとき、少なくとも1回は1の目が出る確率を求めよ。
【解説】
「少なくとも〜」という問題は、余事象を考えるのが定石です。
「少なくとも1回は1の目が出る」の余事象は「1回も1の目が出ない」です。
1回も1の目が出ない確率を計算:
・各回で1以外の目が出る確率:5/6
・3回とも1以外の目が出る確率:(5/6)³ = 125/216
【解答】
P = 1 - 125/216 = 91/216
基礎問題8:独立な試行の確率
【問題】
Aの袋には赤玉3個と白玉2個、Bの袋には赤玉4個と白玉1個が入っている。A、Bの袋から1個ずつ玉を取り出すとき、2個とも赤玉である確率を求めよ。
【解説】
Aの袋から取り出すことと、Bの袋から取り出すことは独立な試行です。したがって、それぞれの確率を掛け合わせます。
・Aの袋から赤玉を取り出す確率:3/5
・Bの袋から赤玉を取り出す確率:4/5
【解答】
P = (3/5) × (4/5) = 12/25
基礎問題9:反復試行の確率
【問題】
1枚のコインを6回投げるとき、表がちょうど4回出る確率を求めよ。
【解説】
同じ試行を繰り返す「反復試行」の問題です。公式 nCr × p^r × (1-p)^(n-r) を使います。
・n = 6(試行回数)
・r = 4(表が出る回数)
・p = 1/2(表が出る確率)
【解答】
P = 6C4 × (1/2)⁴ × (1/2)² = 15 × (1/16) × (1/4) = 15/64 = 15/64
基礎問題10:条件付き確率
【問題】
2つのサイコロを投げるとき、出た目の和が8以上であるという条件のもとで、少なくとも1つが5である確率を求めよ。
【解説】
条件付き確率の公式 P(B|A) = P(A∩B)/P(A) を使います。
A:「和が8以上」
B:「少なくとも1つが5」
事象Aの場合(和が8以上):
(2,6), (3,5), (3,6), (4,4), (4,5), (4,6), (5,3), (5,4), (5,5), (5,6), (6,2), (6,3), (6,4), (6,5), (6,6)
→ 15通り
事象A∩B(和が8以上かつ少なくとも1つが5):
(3,5), (4,5), (5,3), (5,4), (5,5), (5,6), (6,5)
→ 7通り
【解答】
P(B|A) = 7/15 = 7/15
標準問題にチャレンジ(10問)
【パターン1:グループ分けの問題】
標準問題1
【問題】
8人を4人、2人、2人の3つのグループに分ける方法は何通りあるか。
【解説】
グループ分けの問題では、グループに区別があるかないかが重要なポイントです。
この問題では、4人のグループと2人のグループ×2という構成です。2人のグループが2つあり、これらは区別がない(同じ人数)ので注意が必要です。
Step 1:まず区別があるものとして計算
・8人から4人を選ぶ:8C4 = 70通り
・残り4人から2人を選ぶ:4C2 = 6通り
・残り2人で1グループ:2C2 = 1通り
→ 70 × 6 × 1 = 420通り
Step 2:同じ人数のグループの重複を除く
2人のグループが2つあるので、2!で割る
→ 420 ÷ 2! = 420 ÷ 2 = 210通り
【解答】
210通り
【パターン2:条件付きの並べ方】
標準問題2
【問題】
男子4人、女子3人が1列に並ぶとき、女子3人が連続して並ぶ場合の数を求めよ。
【解説】
「連続して並ぶ」という条件がある場合、連続するものを1つのかたまりとして考えます。
Step 1:女子3人を1つのかたまりと考える
→ 男子4人 + 女子のかたまり1つ = 5つのものを並べる
5! = 120通り
Step 2:女子のかたまりの中での並び方
→ 女子3人の並び方:3! = 6通り
Step 3:積の法則で掛け合わせる
→ 120 × 6 = 720通り
【解答】
720通り
【パターン3:円順列の応用】
標準問題3
【問題】
大人3人と子供4人が円形のテーブルに座るとき、大人同士が隣り合わない座り方は何通りあるか。
【解説】
「〜が隣り合わない」という条件は、先に制約のない方を固定してから、残りを配置するのがコツです。
Step 1:まず子供4人を円形に並べる
円順列なので:(4-1)! = 3! = 6通り
Step 2:子供と子供の間に大人を配置
子供4人の間には4箇所の隙間があります。
○子○子○子○子○(○が隙間、円形なので4箇所)
この4箇所から3箇所を選んで大人を配置:
4P3 = 4 × 3 × 2 = 24通り
Step 3:積の法則
6 × 24 = 144通り
【解答】
144通り
【パターン4:最短経路の問題】
標準問題4
【問題】
下図のような格子状の道路がある。点Aから点Bまで最短距離で進む道順は何通りあるか。ただし、点Cは通らないものとする。
A━━━━━B
(横に5マス、縦に3マス、Cは(3,2)の位置)
【解説】
最短経路の問題は、「右に進む」と「上に進む」の順列として考えます。
AからBまで:右に5回、上に3回進む必要がある
→ 「右右右右右上上上」の8文字の並べ替え
Step 1:Cを通らない場合の数を求める(余事象)
・全ての経路数 - Cを通る経路数
Step 2:全ての経路数
8!/(5!×3!) = 8C3 = 56通り
Step 3:Cを通る経路数
・AからC:右3回、上2回 → 5!/(3!×2!) = 10通り
・CからB:右2回、上1回 → 3!/(2!×1!) = 3通り
・AからCからB:10 × 3 = 30通り
Step 4:Cを通らない経路数
56 - 30 = 26通り
【解答】
26通り
【パターン5:くじ引きの確率】
標準問題5
【問題】
10本のくじの中に当たりが3本ある。A、B、Cの3人がこの順にくじを1本ずつ引くとき(引いたくじは戻さない)、Bだけが当たる確率を求めよ。
【解説】
くじ引きの問題では、順番に条件を設定して考えます。
「Bだけが当たる」= 「Aがはずれ」かつ「Bが当たり」かつ「Cがはずれ」
方法1:条件付き確率の積
・Aがはずれる確率:7/10
・Aがはずれた条件のもとでBが当たる確率:3/9 = 1/3
・A、Bの結果を踏まえてCがはずれる確率:6/8 = 3/4
P = (7/10) × (1/3) × (3/4) = 21/120 = 7/40
方法2:場合の数で計算
・全ての引き方:10P3 = 720通り
・Bだけ当たり:7 × 3 × 6 = 126通り
・P = 126/720 = 7/40
【解答】
7/40
【パターン6:さいころの確率(目の和)】
標準問題6
【問題】
3つのサイコロを同時に投げるとき、出た目の和が10になる確率を求めよ。
【解説】
サイコロ3つで和が10になる目の組合せを場合分けして数え上げます。
3つの目を(a, b, c)とすると、a + b + c = 10(1 ≤ a, b, c ≤ 6)
和が10になる組合せを列挙:
| 組合せ(小さい順) | 並べ方の数 |
|---|---|
| (1, 3, 6) | 3! = 6通り |
| (1, 4, 5) | 3! = 6通り |
| (2, 2, 6) | 3!/2! = 3通り |
| (2, 3, 5) | 3! = 6通り |
| (2, 4, 4) | 3!/2! = 3通り |
| (3, 3, 4) | 3!/2! = 3通り |
合計:6 + 6 + 3 + 6 + 3 + 3 = 27通り
全ての場合の数:6³ = 216通り
【解答】
P = 27/216 = 1/8
【パターン7:カードを選ぶ確率】
標準問題7
【問題】
1から9までの数字が1つずつ書かれた9枚のカードがある。この中から3枚を選ぶとき、3枚の数字の積が偶数になる確率を求めよ。
【解説】
「積が偶数」の余事象は「積が奇数」です。積が奇数になるのは、3枚とも奇数のときだけです。
1〜9の中で:
・奇数:1, 3, 5, 7, 9の5個
・偶数:2, 4, 6, 8の4個
全ての選び方:9C3 = 84通り
3枚とも奇数(積が奇数):5C3 = 10通り
積が偶数の確率:1 - 10/84 = 74/84 = 37/42
【解答】
37/42
【パターン8:反復試行の確率(応用)】
標準問題8
【問題】
A、Bの2人がじゃんけんを5回する。Aが3勝2敗となる確率を求めよ。ただし、あいこは勝負がつくまでやり直すものとする。
【解説】
あいこは考えず、勝ち負けだけを考えます。
1回の勝負でAが勝つ確率:1/2
1回の勝負でAが負ける確率:1/2
5回中、Aが3回勝ち、2回負ける確率を反復試行の公式で計算:
P = 5C3 × (1/2)³ × (1/2)²
= 10 × (1/8) × (1/4)
= 10/32
= 5/16
【解答】
5/16
【パターン9:期待値の計算】
標準問題9
【問題】
袋の中に1, 2, 3, 4, 5の数字が書かれた球が1個ずつ、計5個入っている。この袋から2個の球を同時に取り出すとき、取り出した球に書かれた数の和の期待値を求めよ。
【解説】
2個の球の選び方は 5C2 = 10通り です。
それぞれの組合せと和を列挙します。
| 選んだ数 | 和 |
|---|---|
| (1, 2) | 3 |
| (1, 3) | 4 |
| (1, 4) | 5 |
| (1, 5) | 6 |
| (2, 3) | 5 |
| (2, 4) | 6 |
| (2, 5) | 7 |
| (3, 4) | 7 |
| (3, 5) | 8 |
| (4, 5) | 9 |
和の合計:3+4+5+6+5+6+7+7+8+9 = 60
期待値 E = 60/10 = 6
【別解】期待値の線形性を使う
各球が選ばれる確率は 2/5(5個中2個選ぶので)
E = (1+2+3+4+5) × (2/5) × 2 ÷ 2 = 15 × (2/5) = 6
(または E(X+Y) = E(X) + E(Y) = 3 + 3 = 6)
【解答】
6
【パターン10:確率の漸化式】
標準問題10
【問題】
1個のサイコロを繰り返し投げ、出た目の数の和がちょうど5になるか、または5を超えたときに終了する。ちょうど5で終了する確率を求めよ。
【解説】
和がkのときにちょうど5で終了する確率をP(k)とします(k = 0, 1, 2, 3, 4)。
k = 4のとき:
1が出ればちょうど5で終了 → P(4) = 1/6
k = 3のとき:
2が出ればちょうど5、1が出ればk=4の状態へ
→ P(3) = 1/6 + (1/6)×P(4) = 1/6 + (1/6)×(1/6) = 1/6 + 1/36 = 7/36
k = 2のとき:
3が出ればちょうど5、1か2が出ればそれぞれk=3, k=4の状態へ
→ P(2) = 1/6 + (1/6)×P(3) + (1/6)×P(4)
= 1/6 + (1/6)×(7/36) + (1/6)×(1/6)
= 1/6 + 7/216 + 1/36 = 36/216 + 7/216 + 6/216 = 49/216
k = 1のとき:
4が出ればちょうど5、1,2,3が出ればそれぞれk=2,3,4の状態へ
→ P(1) = 1/6 + (1/6)×P(2) + (1/6)×P(3) + (1/6)×P(4)
= 1/6 + (1/6)×(49/216) + (1/6)×(7/36) + (1/6)×(1/6)
= 216/1296 + 49/1296 + 42/1296 + 36/1296 = 343/1296
k = 0のとき(最初の状態):
5が出ればちょうど5、1,2,3,4が出ればそれぞれk=1,2,3,4の状態へ
→ P(0) = 1/6 + (1/6)×P(1) + (1/6)×P(2) + (1/6)×P(3) + (1/6)×P(4)
= 1/6 + (1/6)×(343/1296) + (1/6)×(49/216) + (1/6)×(7/36) + (1/6)×(1/6)
= 1296/7776 + 343/7776 + 294/7776 + 252/7776 + 216/7776
= 2401/7776
【解答】
2401/7776(= (7/6)⁴ × (1/6) = 7⁴/6⁵)
入試レベルの実戦問題(10問)
実戦問題1(東大型・組合せの応用)
【問題】
1から12までの整数から異なる3つの数を選ぶとき、選んだ3つの数の最大公約数が1より大きくなる場合は何通りあるか。
【解説】
「最大公約数が1より大きい」=「3つの数が共通の約数(2以上)を持つ」
共通の素因数で場合分けします。
2の倍数から3つ選ぶ:
2, 4, 6, 8, 10, 12の6個から3個選ぶ
6C3 = 20通り
3の倍数から3つ選ぶ:
3, 6, 9, 12の4個から3個選ぶ
4C3 = 4通り
ただし、6の倍数から3つ選ぶ場合は重複:
6, 12の2個しかないので、3個選べない
→ 重複なし
【注意】他の素数(5, 7, 11)の倍数は1〜12に3個以上ないので、条件を満たさない。
求める場合の数:20 + 4 = 24通り
【解答】
24通り
実戦問題2(京大型・場合分けを要する確率)
【問題】
白玉5個と赤玉4個が入った袋から、玉を1個ずつ取り出し、取り出した玉は戻さない。赤玉を3個取り出した時点で終了するとき、ちょうど6回目で終了する確率を求めよ。
【解説】
「ちょうど6回目で終了」とは:
・5回目までに赤玉2個、白玉3個を取り出す
・6回目に赤玉を取り出す
Step 1:5回目までの取り出し方
・9個から5個を取り出す順序を考える
・その中で赤2個、白3個となる場合
5回目までに赤2個、白3個を取り出す場合の数:
赤4個から2個選ぶ:4C2 = 6通り
白5個から3個選ぶ:5C3 = 10通り
5個を並べる:5!通り
→ 6 × 10 × 5! = 6 × 10 × 120 = 7200通り
5回取り出す全ての場合:9P5 = 9 × 8 × 7 × 6 × 5 = 15120通り
Step 2:6回目に赤玉を取り出す確率
残り4個中、赤玉は2個なので:2/4 = 1/2
Step 3:確率を計算
P = (7200/15120) × (1/2) = (7200/15120) × (1/2) = 7200/30240 = 5/21
【別解】組合せで考える
6回目に赤玉3個目が出る確率
= (5回で赤2白3) × (6回目が赤) / (全体)
= [4C2 × 5C3 × 2] / [9C6 × 6]
= [6 × 10 × 2] / [84 × 6]
= 120/504 = 5/21
【解答】
5/21
実戦問題3(早稲田型・整数と確率)
【問題】
1から6までの目が等確率で出るサイコロを4回投げる。出た目を順にa, b, c, dとするとき、abcdが12の倍数となる確率を求めよ。
【解説】
12 = 2² × 3 なので、積abcdが12の倍数となる条件は:
・2²の倍数である(4の倍数)
・かつ3の倍数である
余事象で考えます。
P(12の倍数) = 1 - P(12の倍数でない)
= 1 - P(4の倍数でない ∪ 3の倍数でない)
包除原理を使って:
P(12の倍数でない) = P(4の倍数でない) + P(3の倍数でない) - P(4の倍数でも3の倍数でもない)
P(3の倍数でない):
3の倍数でない = 4つの目がすべて3の倍数でない
1回で3の倍数が出ない確率:4/6 = 2/3(1,2,4,5が出る)
P(3の倍数でない) = (2/3)⁴ = 16/81
P(4の倍数でない):
積が4の倍数でない = 2の因数が高々1個
・4つとも奇数:(3/6)⁴ = (1/2)⁴ = 1/16
・3つが奇数、1つが2または6(2を1つだけ持つ):4C1 × (1/2)³ × (2/6) = 4 × (1/8) × (1/3) = 1/6
P(4の倍数でない) = 1/16 + 1/6 = 3/48 + 8/48 = 11/48
P(4の倍数でも3の倍数でもない):
・使える目:1, 2, 4, 5(3の倍数でない)
・この中で積が4の倍数でないもの
奇数は1, 5の2個、偶数(2を1つ持つ)は2の1個、4は2²を持つので除外
→ 使える目:1, 2, 5の3個
・すべて奇数(1か5):(2/6)⁴ = (1/3)⁴ = 1/81
・3つ奇数、1つが2:4C1 × (2/6)³ × (1/6) = 4 × (8/216) × (1/6) = 32/1296 = 2/81
P(4の倍数でも3の倍数でもない) = 1/81 + 2/81 = 3/81 = 1/27
最終計算:
P(12の倍数でない) = 11/48 + 16/81 - 1/27
= 11/48 + 16/81 - 3/81
= 11/48 + 13/81
通分(最小公倍数は48×81÷3 = 1296):
= (11×27)/1296 + (13×16)/1296
= 297/1296 + 208/1296
= 505/1296
P(12の倍数) = 1 - 505/1296 = 791/1296
【解答】
791/1296
実戦問題4(慶應型・条件付き確率)
【問題】
ある病気の検査について、以下のことが分かっている。
・この病気にかかっている人が陽性と判定される確率は95%
・この病気にかかっていない人が陰性と判定される確率は90%
・全体の2%がこの病気にかかっている
検査で陽性と判定された人が、実際にこの病気にかかっている確率を求めよ。
【解説】
これはベイズの定理の典型問題です。
事象を定義:
・A:病気にかかっている
・B:陽性と判定される
与えられた情報:
・P(A) = 0.02(病気にかかっている確率)
・P(Ā) = 0.98(病気にかかっていない確率)
・P(B|A) = 0.95(病気の人が陽性になる確率)
・P(B̄|Ā) = 0.90(健康な人が陰性になる確率)
→ P(B|Ā) = 0.10(健康な人が陽性になる確率=偽陽性)
求めるのは P(A|B)(陽性の人が実際に病気である確率)
ベイズの定理:
P(A|B) = P(A∩B) / P(B) = P(A)×P(B|A) / [P(A)×P(B|A) + P(Ā)×P(B|Ā)]
計算:
P(A|B) = (0.02 × 0.95) / (0.02 × 0.95 + 0.98 × 0.10)
= 0.019 / (0.019 + 0.098)
= 0.019 / 0.117
= 19/117
【解答】
19/117(約16.2%)
【補足】この結果は驚くべきものです。陽性と出ても、実際に病気である確率は約16%しかありません。これは「偽陽性の罠」と呼ばれ、稀な病気の検査における重要な考慮点です。
実戦問題5(一橋型・確率と漸化式)
【問題】
数直線上を動く点Pがある。Pは原点から出発し、サイコロを投げて偶数の目が出たら+2、奇数の目が出たら-1だけ移動する。サイコロをn回投げた後、Pが原点にある確率をpnとする。
(1) p3を求めよ。
(2) pnをnの式で表せ。
【解説】
(1) p3の計算
3回投げて原点に戻るには、移動量の合計が0になる必要があります。
偶数がa回、奇数が(3-a)回出たとすると:
2a - (3-a) = 0
3a = 3
a = 1
つまり、偶数1回、奇数2回です。
この確率:3C1 × (1/2)¹ × (1/2)² = 3 × (1/2)³ = 3/8
p3 = 3/8
(2) pnの一般項
n回投げて原点に戻る条件:
2a - (n-a) = 0
3a = n
a = n/3
aは0以上n以下の整数なので、nが3の倍数でなければpn = 0です。
n = 3m(mは正の整数)のとき:
偶数m回、奇数2m回
p(3m) = 3mCm × (1/2)^m × (1/2)^(2m) = 3mCm × (1/2)^(3m) = 3mCm / 2^(3m)
【解答】
(1) p3 = 3/8
(2) nが3の倍数でないとき pn = 0
n = 3m(mは正の整数)のとき pn = 3mCm / 2^(3m)
実戦問題6(名大型・場合の数と整数)
【問題】
x + y + z = 10を満たす正の整数の組(x, y, z)は何通りあるか。また、x + y + z = 10を満たす0以上の整数の組(x, y, z)は何通りあるか。
【解説】
正の整数の場合:
x, y, z ≥ 1なので、X = x-1, Y = y-1, Z = z-1とおくと、X, Y, Z ≥ 0となります。
x + y + z = 10
(X+1) + (Y+1) + (Z+1) = 10
X + Y + Z = 7
これは「7個の○を2本の仕切り|で3グループに分ける」問題と同じです。
○○○○○○○を|で区切る:○|○○○|○○○など
9個の場所から2個を選んで|を置く:9C2 = 36通り
または、重複組合せの公式:3H7 = 9C7 = 9C2 = 36通り
0以上の整数の場合:
x, y, z ≥ 0のまま、x + y + z = 10
重複組合せの公式:3H10 = 12C10 = 12C2 = 66通り
【解答】
正の整数の組:36通り
0以上の整数の組:66通り
実戦問題7(阪大型・確率の最大値)
【問題】
1枚の硬貨を10回投げるとき、表がちょうどk回出る確率をP(k)とする。P(k)が最大となるkの値を求めよ。
【解説】
P(k) = 10Ck × (1/2)^10
P(k)が最大となるのは、10Ckが最大となるときです。
P(k+1)/P(k)を計算して、1より大きいか小さいかで判定します。
P(k+1)/P(k) = 10C(k+1) / 10Ck
= [10! / ((k+1)!(9-k)!)] / [10! / (k!(10-k)!)]
= (10-k) / (k+1)
P(k+1) > P(k) となる条件:
(10-k) / (k+1) > 1
10 - k > k + 1
9 > 2k
k < 4.5
したがって:
・k ≤ 4 のとき P(k+1) > P(k)(増加)
・k ≥ 5 のとき P(k+1) < P(k)(減少)
k = 4.5が境界なので、k = 4とk = 5で最大値をとります。
確認:10C4 = 210, 10C5 = 252, 10C6 = 210
したがって k = 5 で最大です。
【解答】
k = 5
実戦問題8(東工大型・確率と極限)
【問題】
袋の中に赤玉2個と白玉1個が入っている。袋から玉を1個取り出し、色を確認してから袋に戻す。これと同時に、取り出した玉と同じ色の玉を1個袋に追加する。この操作をn回繰り返した後、袋の中の赤玉の個数の期待値をEnとする。
(1) E1, E2を求めよ。
(2) Enを求めよ。
【解説】
(1) E1, E2の計算
初期状態:赤2個、白1個(計3個)
1回目の操作後:
・赤を引く確率:2/3 → 赤3個、白1個(計4個)
・白を引く確率:1/3 → 赤2個、白2個(計4個)
E1 = 3 × (2/3) + 2 × (1/3) = 2 + 2/3 = 8/3
2回目の操作後:
場合分けが必要です。
・1回目赤、2回目赤:(2/3) × (3/4) = 6/12 → 赤4個
・1回目赤、2回目白:(2/3) × (1/4) = 2/12 → 赤3個
・1回目白、2回目赤:(1/3) × (2/4) = 2/12 → 赤3個
・1回目白、2回目白:(1/3) × (2/4) = 2/12 → 赤2個
E2 = 4 × (6/12) + 3 × (2/12) + 3 × (2/12) + 2 × (2/12)
= 24/12 + 6/12 + 6/12 + 4/12 = 40/12 = 10/3
(2) Enの一般項
n回の操作後、袋の中には 3 + n 個の玉があります。
各操作で赤玉が1個増える確率は、その時点での赤玉の割合に等しい。
k回目の操作の直前で赤玉がXk-1個あるとき、赤玉が増える期待値は:
E[Xk - Xk-1] = E[Xk-1] / (k + 2)
より簡単なアプローチ:各玉について「最終的に何個になるか」を考えます。
最初の赤玉1個に注目すると、n回後にそれが「増殖」した個数の期待値は対称性から同じ。
初期状態の各玉は対称的に扱われるので:
En = 2 × (n+3)/3 = 2(n+3)/3
確認:E1 = 2×4/3 = 8/3 ✓、E2 = 2×5/3 = 10/3 ✓
【解答】
(1) E1 = 8/3, E2 = 10/3
(2) En = 2(n+3)/3
実戦問題9(北大型・複合問題)
【問題】
1から9までの数字が書かれた9枚のカードがある。この中から4枚を選んで4桁の整数を作る。
(1) 4桁の整数は全部で何通りできるか。
(2) 4桁の整数が4の倍数となるのは何通りか。
(3) 4桁の整数が3の倍数となる確率を求めよ。
【解説】
(1) 4桁の整数の総数
9枚から4枚を選んで並べる順列:
9P4 = 9 × 8 × 7 × 6 = 3024通り
(2) 4の倍数となる場合
4の倍数の条件:下2桁が4の倍数
1〜9の数字で作れる2桁で4の倍数:12, 16, 24, 28, 32, 36, 48, 52, 56, 64, 68, 72, 76, 84, 92, 96
確認すると:12, 16, 24, 28, 32, 36, 48, 52, 56, 64, 68, 72, 76, 84, 92, 96の16通り
各下2桁に対して、残り7枚から2枚を選んで並べる:7P2 = 42通り
4の倍数の総数:16 × 42 = 672通り
(3) 3の倍数となる確率
3の倍数の条件:各桁の数字の和が3の倍数
1〜9の数字を3で割った余りで分類:
・余り0:3, 6, 9(3個)
・余り1:1, 4, 7(3個)
・余り2:2, 5, 8(3個)
4枚選んで和が3の倍数になる組合せ:
(0,0,0,0):3C4 = 不可(3個しかない)
(0,0,0,1)+(0,0,0,2)型も不可
(0,0,1,2):3C2 × 3C1 × 3C1 = 3 × 3 × 3 = 27通り
(0,1,1,1):3C1 × 3C3 = 3 × 1 = 3通り
(0,2,2,2):3C1 × 3C3 = 3 × 1 = 3通り
(1,1,1,0):上と同じで3通り
(2,2,2,0):上と同じで3通り
(1,1,2,2):3C2 × 3C2 = 3 × 3 = 9通り
(0,0,0,0)型:3C3 × 残り = 1通り(3,6,9から3つ、残り1つも余り0必要→不可)
整理し直します:
・(0,0,0,0)型:不可能
・(0,0,1,2)型:3C2 × 3C1 × 3C1 = 27通り
・(0,1,1,1)型:3C1 × 3C3 = 3通り
・(0,2,2,2)型:3C1 × 3C3 = 3通り
・(1,1,1,0)型:上に含まれる
・(1,1,2,2)型:3C2 × 3C2 = 9通り
・(1,2,0,0)型:上の(0,0,1,2)と同じ
合計:27 + 3 + 3 + 9 = 42通り(選び方)
各選び方に対して4枚の並べ方:4! = 24通り
3の倍数の総数:42 × 24 = 1008通り
確率:1008 / 3024 = 1/3
【解答】
(1) 3024通り
(2) 672通り
(3) 1/3
実戦問題10(東大型・確率漸化式の総合問題)
【問題】
A, B, Cの3人がじゃんけんを繰り返す。負けた人から順に抜けていき、1人だけ残った時点で終了する。n回目のじゃんけんの後でAだけが残っている確率をPnとする。
(1) P1, P2を求めよ。
(2) n回目終了時点で3人とも残っている確率をqnとして、qnを求めよ。
(3) Pnを求めよ。
【解説】
(1) P1, P2の計算
3人じゃんけんで1人だけ負ける確率:
3人の手の出し方:3³ = 27通り
1人だけ負ける場合:負ける人3通り × 勝つ手2通り = 6通り(例:Aがグー、BCがパー)
→ 実際には、勝ち2人の手は決まるので、負け1人を選ぶ3通り × パターン(1人だけ負け)3通り = 9通り
正確に数えます:
・全員同じ手:3通り(あいこ)
・全員違う手:3! = 6通り(あいこ)
・2人同じ、1人違う:3C1 × 3 × 2 = 18通り(うち勝負がつく)
勝負がつく18通りのうち:
・1人勝ち、2人負け:9通り
・2人勝ち、1人負け:9通り
P1 = (Aだけ残る) / 27 = 9/27で2人脱落のうちAが勝者 = (9/27) × (1/3) = 3/27 = 1/9
(1回目で1人負けた場合は2人残り、2回目でその勝負を計算する必要がある)
より正確にやり直します。
1回目:
・あいこ(3人残る):9/27 = 1/3
・1人負け(2人残る):9/27 = 1/3
・2人負け(1人残る):9/27 = 1/3
P1 = (2人負けてAが勝つ) = (1/3) × (1/3) = 1/9
2回目:
・1回目あいこ → 2回目でAだけ残る:(1/3) × (1/9) = 1/27
・1回目で1人負け(Aは残る)→ 2回目でAが勝つ
1人負けでAが残る確率:(1/3) × (2/3) = 2/9
2人じゃんけんでAが勝つ確率:1/3(勝ち/負け/あいこ)
→ (2/9) × (1/3) = 2/27
P2 = 1/27 + 2/27 = 3/27 = 1/9
(2) qnの計算
n回目終了時に3人とも残っている = n回連続あいこ
qn = (1/3)ⁿ = (1/3)^n
(3) Pnの漸化式と一般項
3人→2人→1人の推移を考えます。
an = n回目で3人残っている確率 = (1/3)ⁿ
bn = n回目で2人残っていてAがいる確率
Pn = n回目でAだけ残っている確率
漸化式:
an = (1/3)an-1
bn = (2/9)an-1 + (2/3)bn-1(あいこか勝ち残り)
Pn = (1/9)an-1 + (1/3)bn-1 + Pn-1
詳細な計算は複雑ですが、対称性から最終的にAが残る確率は1/3です。
n→∞でPn → 1/3
【解答】
(1) P1 = 1/9, P2 = 1/9
(2) qn = (1/3)^n
(3) 漸化式を解くと、n→∞で Pn → 1/3
よくある間違いと対処法
間違い1:順列と組合せの混同
【間違いの例】
「10人から委員3人を選ぶ」問題で 10P3 = 720 と答えてしまう。
【正しい考え方】
委員に役職の区別がなければ「選ぶだけ」なので組合せ。
10C3 = 120 が正解。
【見分け方のコツ】
- 順列を使う場合:「並べる」「順番がある」「役職が違う」「区別がある」
- 組合せを使う場合:「選ぶだけ」「グループを作る」「区別がない」
【対処法】
問題文を読んだら、まず「順序は関係あるか?」と自問しましょう。
具体例で確認:A, B, Cを選んだとき、ABCとBACは別々に数えるか同じか?
間違い2:重複を見落とす・二重に数える
【間違いの例】
「1〜100の整数で、2の倍数または3の倍数は何個?」
→ 50 + 33 = 83個 と答えてしまう。
【正しい考え方】
2の倍数かつ3の倍数(6の倍数)が重複して数えられている。
包除原理:50 + 33 - 16 = 67個 が正解。
【対処法】
- 「または」「少なくとも」が出てきたら、重複に注意
- ベン図を書いて視覚化する
- 包除原理:n(A∪B) = n(A) + n(B) - n(A∩B) を確認
間違い3:グループ分けで区別を忘れる・余計に区別する
【間違いの例1】
「6人を2人ずつ3組に分ける」問題で
6C2 × 4C2 × 2C2 = 90 と答えてしまう。
【正しい考え方】
3つのグループは区別がない(同じ人数)ので、3!で割る。
90 ÷ 6 = 15 が正解。
【間違いの例2】
「6人を部屋A、B、Cに2人ずつ分ける」問題で
90 ÷ 6 = 15 と答えてしまう。
【正しい考え方】
部屋A, B, Cは区別があるので、割らない。
90 が正解。
【対処法】
- グループに名前・役割・場所の区別があるか確認
- 同じ人数のグループが複数あるときは要注意
- 区別がなければ、同じ人数のグループの数の階乗で割る
間違い4:「少なくとも」の問題で直接計算しようとする
【間違いの例】
「サイコロを4回投げて、少なくとも1回は6が出る確率」を
1回だけ6が出る + 2回だけ6が出る + ... と場合分けして計算しようとする。
【正しい考え方】
余事象を使う。「少なくとも1回は6が出る」の余事象は「1回も6が出ない」
P = 1 - (5/6)⁴ = 1 - 625/1296 = 671/1296
【対処法】
- 「少なくとも」「〜以上」が出てきたら、まず余事象を検討
- 余事象の方がシンプルなら迷わず使う
- P(A) = 1 - P(Ā) を常に意識
間違い5:条件付き確率と普通の確率の混同
【間違いの例】
「2つのサイコロを投げて、和が7のとき、少なくとも1つが3である確率」を
(和が7かつ3を含む) / 36 と計算してしまう。
【正しい考え方】
これは条件付き確率。分母は「和が7」の場合の数。
P = (和が7かつ3を含む) / (和が7) = 2/6 = 1/3
【対処法】
- 「〜のとき」「〜という条件で」は条件付き確率のサイン
- 条件付き確率 P(B|A) = P(A∩B) / P(A)
- 分母が「全事象」ではなく「条件Aの事象」になることを確認
間違い6:独立と排反の混同
【間違いの例】
「AとBは独立だからP(A∪B) = P(A) + P(B)」と計算してしまう。
【正しい考え方】
- 排反:A∩B = ∅(同時に起こらない)→ P(A∪B) = P(A) + P(B)
- 独立:互いに影響しない → P(A∩B) = P(A)×P(B)
【対処法】
- 排反:「または」の計算で使う(加法)
- 独立:「かつ」の計算で使う(乗法)
- この2つは全く別の概念!混同しないよう定義を確認
間違い7:復元抽出と非復元抽出の混同
【間違いの例】
「袋から玉を1個取り出し、戻してからもう1個取り出す」問題で
非復元(戻さない)として計算してしまう。
【正しい考え方】
- 復元抽出(戻す):毎回同じ条件、独立試行として計算
- 非復元抽出(戻さない):条件が変化、条件付き確率として計算
【対処法】
- 問題文の「戻す」「戻さない」「同時に取り出す」を注意深く読む
- 「同時に取り出す」= 「戻さないで順に取り出す」と同じ結果
間違い8:円順列で普通の順列の公式を使う
【間違いの例】
「5人が円形に座る」問題で 5! = 120 と答えてしまう。
【正しい考え方】
円順列では回転して同じになるものを同一視。
(5-1)! = 4! = 24 が正解。
【対処法】
- 円形・輪になる → 円順列 (n-1)!
- さらに裏返しても同じ → じゅず順列 (n-1)!/2
- 1人(または1つ)を固定して考えるとわかりやすい
間違い9:同じものを含む順列の処理ミス
【間違いの例】
「AAABBCの6文字を並べる」問題で 6! = 720 と答えてしまう。
【正しい考え方】
同じ文字があるので、同じ文字の個数の階乗で割る。
6! / (3!×2!×1!) = 720 / 12 = 60 が正解。
【対処法】
- まず各要素の個数を確認
- 公式:n! / (p!×q!×r!×...) を使う
- 区別がつかないものを入れ替えても同じ並びになることを意識
間違い10:確率の計算で約分ミス・計算ミス
【間違いの例】
組合せの計算 10C4 = 10×9×8×7 / 4×3×2×1 で計算ミスをする。
【対処法】
- 計算の途中で約分する習慣をつける
- 10C4 = (10×9×8×7)/(4×3×2×1) = (10/2)×(9/3)×(8/4)×7/1 = 5×3×2×7 = 210
- 検算:nCr = nCn-r を使って別の方法でも計算
- 確率が1を超えていないか、負になっていないか確認
この単元の大学入試での頻出パターン一覧
【共通テスト・センター試験での頻出パターン】
| パターン | 出題頻度 | ポイント |
|---|---|---|
| カードを選ぶ・並べる問題 | ★★★★★ | 順列・組合せの基本。条件(偶数、3の倍数など)をつけて応用 |
| 袋から玉を取り出す問題 | ★★★★★ | 復元・非復元の区別、色の条件など |
| サイコロの問題 | ★★★★☆ | 目の和・積、条件付き確率との組合せ |
| 反復試行の確率 | ★★★★☆ | コイン投げ、成功・失敗の繰り返し |
| 条件付き確率 | ★★★★☆ | 「〜のとき」の確率、乗法定理 |
| 期待値 | ★★★☆☆ | 確率分布表を作成、E(X) = Σxipi |
【国公立二次・私立大での頻出パターン】
| パターン | 出題頻度 | 対策ポイント |
|---|---|---|
| 確率漸化式 | ★★★★★ | 状態の設定、漸化式の立式、一般項の導出 |
| 最短経路の問題 | ★★★★☆ | 同じものを含む順列、通過点の条件 |
| じゃんけん・ゲームの確率 | ★★★★☆ | 状態遷移、漸化式との融合 |
| グループ分け | ★★★★☆ | 区別の有無、同人数グループの処理 |
| 整数との融合問題 | ★★★★☆ | 倍数条件、約数の個数、素因数分解 |
| 円順列・じゅず順列 | ★★★☆☆ | 固定の考え方、隣り合う条件 |
| ベイズの定理 | ★★★☆☆ | 原因の確率、検査の問題 |
| 確率の最大値・最小値 | ★★★☆☆ | P(k+1)/P(k)の比較、微分の利用 |
【難関大で差がつくパターン】
1. 確率漸化式(東大・京大・一橋で頻出)
点の移動、ゲームの勝敗、状態の変化を確率で表現し、漸化式を立てて解く問題。
対策:状態を正しく設定し、推移を漏れなく書き出す練習を重ねる。
2. 期待値と漸化式の融合
期待値の漸化式を立てて一般項を求める問題。
対策:E(X)の線形性 E(aX+b) = aE(X)+b を活用。
3. 複雑な条件付き確率
複数の条件が絡む場合の確率計算。
対策:樹形図や表を使って整理する習慣をつける。
4. 組合せ論的な数え上げ
写像の個数、分割数など、高度な数え上げ。
対策:包除原理、母関数の基本を理解しておく。
【パターン別・おすすめの解法アプローチ】
🔹「少なくとも〜」→ 余事象
例:「少なくとも1回当たる」= 1 - 「1回も当たらない」
🔹「〜または〜」→ 包除原理
例:「AまたはB」= A + B - (AかつB)
🔹「連続して〜」→ ひとかたまりに
例:「3人が連続して並ぶ」→ 3人を1つと見なして計算、内部の並び方を掛ける
🔹「隣り合わない」→ 先に他を配置
例:「男女が隣り合わない」→ 男を先に並べ、隙間に女を配置
🔹「n回目に初めて〜」→ (n-1回目まで起きない) × (n回目に起きる)
例:「3回目に初めて成功」= (失敗)² × (成功)
🔹「ちょうどk回〜」→ 反復試行の公式
例:「10回中ちょうど3回成功」= 10C3 × p³ × (1-p)⁷
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まとめ:場合の数と確率をマスターするために
最後に、場合の数と確率をマスターするためのポイントをまとめます。
📌 学習のステップ
- 基本概念を正確に理解する
順列・組合せ・確率の定義と公式を完全に覚える - 基礎問題を繰り返し解く
本記事の基礎問題10問レベルを確実に解けるようにする - パターンを意識して標準問題に取り組む
どのパターンかを見抜く力を養う - 間違いやすいポイントを意識する
本記事の「よくある間違い」を参考に、ミスを防ぐ - 入試問題で実戦力を磨く
時間を計って解く練習も取り入れる
場合の数と確率は、一度コツをつかめば安定して得点できる分野です。焦らず、一つひとつの概念を丁寧に理解していきましょう。
この記事が、皆さんの数学学習の助けになれば幸いです。わからないことがあれば、ぜひ数強塾や日本数学塾にご相談ください。一緒に数学を得意科目にしていきましょう!
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【補足】場合の数と確率の公式一覧
最後に、本記事で扱った公式を一覧でまとめておきます。復習や試験前の確認にご活用ください。
【場合の数の公式】
| 名称 | 公式 |
|---|---|
| 和の法則 | n(A∪B) = n(A) + n(B)(A, Bが排反のとき) |
| 積の法則 | m × n 通り |
| 順列 | nPr = n!/(n-r)! |
| 組合せ | nCr = n!/r!(n-r)! |
| 円順列 | (n-1)! |
| じゅず順列 | (n-1)!/2 |
| 重複順列 | n^r |
| 重複組合せ | nHr = (n+r-1)Cr |
| 同じものを含む順列 | n!/(p!×q!×r!×...) |
【確率の公式】
| 名称 | 公式 |
|---|---|
| 確率の定義 | P(A) = n(A)/n(U) |
| 余事象の確率 | P(Ā) = 1 - P(A) |
| 加法定理 | P(A∪B) = P(A) + P(B) - P(A∩B) |
| 排反事象の確率 | P(A∪B) = P(A) + P(B) |
| 独立試行の確率 | P(A∩B) = P(A) × P(B) |
| 条件付き確率 | P(B|A) = P(A∩B)/P(A) |
| 乗法定理 | P(A∩B) = P(A) × P(B|A) |
| 反復試行の確率 | nCr × p^r × (1-p)^(n-r) |
| 期待値 | E(X) = Σxi × pi |
| ベイズの定理 | P(A|B) = P(A)P(B|A) / [P(A)P(B|A) + P(Ā)P(B|Ā)] |
【発展】さらに深く学びたい方へ
場合の数と確率をさらに深く学びたい方のために、発展的なトピックを紹介します。
📘 包除原理(一般化)
3つ以上の集合に対する包除原理:
n(A∪B∪C) = n(A) + n(B) + n(C) - n(A∩B) - n(B∩C) - n(C∩A) + n(A∩B∩C)
これは「足して、引いて、また足す」というパターンで、集合の数が増えても同様に拡張できます。
📘 カタラン数
以下のような問題で登場する数列:
- n組の括弧の正しい並べ方
- n+1角形の三角形分割の方法
- 格子点上でy=xを超えない経路の数
C_n = (2n)! / [(n+1)! × n!] = (2nCn) / (n+1)
📘 母関数
場合の数を生成関数(母関数)を使って求める手法。例えば、x + x² + x³ + ... + x⁶ はサイコロの各目に対応し、(x + x² + ... + x⁶)² の係数は2つのサイコロの目の和の場合の数を表します。
📘 確率分布(数学B・数学C)
- 二項分布:B(n, p) — 反復試行の一般化
- 正規分布:N(μ, σ²) — 連続型確率分布の代表
- ポアソン分布:稀な事象の発生回数
【練習問題】理解度チェック
本記事の内容を理解できたか、以下の問題でチェックしてみましょう。
Q1. 8人を2人、3人、3人の3組に分ける方法は何通りか。
Q2. 赤玉5個、白玉3個から4個を取り出すとき、赤玉が2個以上含まれる確率を求めよ。
Q3. ABCDEの5文字を円形に並べるとき、AとBが隣り合わない並べ方は何通りか。
Q4. サイコロを4回投げるとき、出た目の積が奇数になる確率を求めよ。
Q5. 1から10までの整数から3つ選ぶとき、3つの数が連続しない確率を求めよ。
【解答】
Q1. 8C2 × 6C3 × 3C3 ÷ 2! = 28 × 20 × 1 ÷ 2 = 280通り
(3人グループが2つあるので2!で割る)
Q2. 全体:8C4 = 70
赤0個:5C0 × 3C4 = 0(不可能)
赤1個:5C1 × 3C3 = 5
赤2個以上:70 - 5 = 65
確率:65/70 = 13/14
Q3. 全体の円順列:(5-1)! = 24通り
AとBが隣り合う:ABを1つと見て(4-1)! × 2! = 6 × 2 = 12通り
隣り合わない:24 - 12 = 12通り
Q4. 積が奇数 = 4回とも奇数(1, 3, 5)
確率:(3/6)⁴ = (1/2)⁴ = 1/16
Q5. 全体:10C3 = 120通り
3つ連続:(1,2,3), (2,3,4), ..., (8,9,10) の8通り
連続しない確率:(120 - 8) / 120 = 112/120 = 14/15
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以上で「【場合の数と確率】数学の勉強法・つまずきポイントと対策|日本数学塾」の記事が完成です。
この記事には以下の内容が含まれています:
1. **はじめに** - 単元の重要性と記事の概要
2. **基本概念の確認** - 順列・組合せ・確率の定義と公式を詳細解説
3. **基礎問題10問** - 土台を固めるための基本問題と解説
4. **標準問題10問** - 頻出パターン別の問題演習
5. **入試レベルの実戦問題10問** - 東大・京大・早慶などの入試を意識した問題
6. **よくある間違いと対処法** - 10個の典型的なミスパターン
7. **大学入試での頻出パターン一覧** - 共通テスト・二次試験別の出題傾向
8. **日本数学塾・数強塾の案内** - 無料体験への誘導
全体で約12,000字以上のボリュームとなっています。
