名古屋大学 2017年度 数学 過去問解説|藤原進之介先生と一緒に完全攻略!
名古屋大学 2017年度 数学 過去問解説|藤原進之介先生と一緒に完全攻略!
はじめに:この記事で名古屋大学 2017年度 数学 過去問を完全制覇しよう
名古屋大学 2017年度 数学 過去問解説へようこそ!数強塾・日本数学塾代表の藤原進之介です。
この記事では、2017年度名古屋大学の数学を徹底的に解説します。この1記事を読み込むことで、次の3つの価値を手に入れることができます。
- ✅ 各大問の解法を「なぜそうするのか」から理解できる
- ✅ 名古屋大学数学特有の出題パターンと攻略法がわかる
- ✅ 合格点を取るための学習ロードマップが手に入る
名古屋大学の数学は「重厚な計算力」と「論理的な証明力」が同時に試される、旧帝大の中でも独特の試験です。丸暗記では絶対に通用しない。でも、正しいアプローチで学べば必ず解けるようになります。一緒にやっていきましょう!
名古屋大学の数学:入試の全体像
試験形式と基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 150分(2時間30分) |
| 大問数 | 理系:4問 |
| 解答形式 | 記述式(論述形式) |
| 配点 | 各大問均等(非公表、推定25点×4=100点) |
| 偏差値帯 | 東海地区トップ、全国的には旧帝大中堅〜上位 |
名古屋大学数学の特徴と傾向
名古屋大学の数学は「理系らしい重厚さ」が最大の特徴です。東大・京大が「発想力・証明の美しさ」を重視するのに対して、名古屋大学は「計算を最後まで丁寧にやり切る力」と「論理的に筋道を立てて書く力」の両方を要求します。
過去10年の頻出単元ランキング
| 順位 | 単元 | 出現頻度 |
|---|---|---|
| 1位 | 微分・積分(面積・体積) | ほぼ毎年 |
| 2位 | 確率・確率漸化式 | ほぼ毎年 |
| 3位 | 整数問題 | 高頻度 |
| 4位 | 複素数・複素平面 | 高頻度 |
| 5位 | ベクトル・空間図形 | 高頻度 |
| 6位 | 数列・漸化式 | 中程度 |
他大学との比較
- 東大:抽象的な発想と証明の美しさ重視。計算量は控えめだが、アイデアが要る。
- 京大:純粋数学的な深みと独創性。難問が多く、発想の転換が必要。
- 名大:理工学部らしい応用問題。計算量が多く、確率漸化式・積分の体積計算など「やり切る力」が問われる。整数も頻出で、場合分けの丁寧さが重要。
🧑 生徒:「名古屋大学の数学で、特に気をつけるべき単元はどれですか?」
👨🏫 藤原先生:「まず絶対に押さえてほしいのは確率漸化式だよ。名古屋大学は立方体の上を点が動くような問題(ランダムウォーク)を頻繁に出題するんだ。漸化式を立てるときに、『対称性』を使って変数を減らすのがポイント。たとえば今回の2017年度大問2なら、8つの頂点をA・{B,D,E}・{C,F,H}・Gの4グループに分類することで、漸化式が $p_{n+1} = \frac{2}{3}q_n$、$q_{n+1} = \frac{2}{3}p_n + r_n$、$r_{n+1} = \frac{1}{3}q_n$ という3本の式に整理できるんだ。この『対称性による分類』こそ名大確率問題攻略の核心だよ!」
名古屋大学の数学で高得点を取るには、「基礎の徹底+重厚な計算の訓練」が欠かせません。焦らず一歩一歩進んでいきましょう!
2017年度 出題テーマ速報と分析
大問別テーマ一覧
【大問1】(本解説対象)
| 小問 | テーマ | 難易度 |
|---|---|---|
| 大問1-[1] | 微積分(極値・面積) | ★★★☆☆ |
| 大問1-[2] | 確率漸化式(立方体) | ★★★★☆ |
| 大問1-[3] | 整数問題(ディオファントス方程式) | ★★★★☆ |
【大問2】(本解説対象)
| 小問 | テーマ | 難易度 |
|---|---|---|
| 大問2-[1] | 微分・積分・回転体 | ★★★★☆ |
| 大問2-[2] | 確率漸化式(立方体・発展) | ★★★★★ |
| 大問2-[3] | ベクトル・空間図形・球面 | ★★★★☆ |
| 大問2-[4] | 複素数・集合の構造 | ★★★★★ |
2017年度の特徴と合格ライン
2017年度は全体的に計算量が多く、特に確率漸化式が2つの試験紙にまたがって出題されるという珍しい形式でした。整数問題は「エジプト分数」と呼ばれるタイプで、場合分けを丁寧にこなせるかが鍵です。
合格ライン目安:大問1・大問2のうち、各3〜4割の部分点を確実に積み重ねることが重要。完答は難しくても、方針を示して部分点を確保する戦略が有効です。
全大問 完全解説
大問1-[1]:微積分 ― 2曲線の交点・面積(難易度★★★☆☆)
【問題文】
$a$ を正の数とする。2次関数 $f(x) = ax^2$ と3次関数 $g(x) = x(x-4)^2$ について、次の問に答えよ。
(1) 関数 $y = g(x)$ について、極値を求め、そのグラフを描け。
(2) 2つの曲線 $y = f(x)$ と $y = g(x)$ は相異なる3点で交わることを示せ。
(3) 2つの曲線 $y = f(x)$ と $y = g(x)$ で囲まれた2つの部分の面積が等しくなるような $a$ の値を定め、また そのとき、2つの曲線の交点の $x$ 座標を求めよ。
【使う公式・定理】
| 公式名 | 内容 |
|---|---|
| 極値の判定 | $f'(x) = 0$ となる点で符号変化を確認 |
| 判別式 | $D = b^2 - 4ac > 0$ で相異なる2実解 |
| 面積公式 | $\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)(x-\beta)\,dx = -\frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3$ |
| 解と係数の関係 | $\alpha + \beta = -(係数)$、$\alpha\beta = (定数項)$ |
【小問(1):極値を求め、グラフを描く】
ステップ① $g(x)$ を展開する:
ステップ② 微分する:
ステップ③ 増減表を作る:
| $x$ | $\cdots$ | $\dfrac{4}{3}$ | $\cdots$ | $4$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|---|
| $g'(x)$ | $+$ | $0$ | $-$ | $0$ | $+$ |
| $g(x)$ | $\nearrow$ | 極大 | $\searrow$ | 極小 | $\nearrow$ |
ステップ④ 極値を計算する:
グラフは $x = 0$ を原点通過、$x = \frac{4}{3}$ で頂点、$x = 4$ で $x$ 軸に接する(重解)形状。
【小問(2):相異なる3点で交わることを示す】
ステップ① 交点の条件 $f(x) = g(x)$ を立てる:
ステップ② $x = 0$ は明らかに解の1つ。残りは $x^2 - (a+8)x + 16 = 0$ の解を調べる。
判別式を計算する:
よって $x^2 - (a+8)x + 16 = 0$ は相異なる2実解 $\alpha, \beta\;(\alpha < \beta)$ をもつ。
ステップ③ $\alpha, \beta$ が $x = 0$ と異なることを確認する:
解と係数の関係より:
$\alpha\beta = 16 > 0$ かつ $\alpha + \beta > 0$ より $\alpha > 0, \; \beta > 0$。
よって $0 < \alpha < \beta$ であり、$(*)$ の3解 $x = 0, \alpha, \beta$ はすべて相異なる。
【小問(3):2つの面積が等しくなる $a$ の値】
🧑 生徒:「2つの面積が等しいという条件をどうやって数式にすればいいんですか?」
👨🏫 藤原先生:「いい質問だね!2つの面積 $S_1$($0$ から $\alpha$ の区間)と $S_2$($\alpha$ から $\beta$ の区間)が等しいという条件 $S_1 = S_2$ は、面積の差 $S_1 - S_2 = 0$ と書き直すのがポイントだよ。実はこれ、$\int_0^{\beta} x(x-\alpha)(x-\beta)\,dx = 0$ という1つの積分式に変換できるんだ。なぜかというと、$S_1 - S_2 = \int_0^{\alpha}[g(x)-f(x)]\,dx - \int_{\alpha}^{\beta}[g(x)-f(x)]\,dx = \int_0^{\beta} h(x)\,dx$ と書けるからだよ($h(x) = g(x) - f(x) = x(x-\alpha)(x-\beta)$)。この変形が名大の面積問題ではよく使われる積分の対称性だ!」
ステップ① $h(x) = g(x) - f(x) = x(x-\alpha)(x-\beta)$ とおく。
$S_1 = S_2$ の条件は:
ステップ② 積分を計算する:
$x(x-\alpha)(x-\beta) = x^3 - (\alpha+\beta)x^2 + \alpha\beta x$ を展開して積分:
ステップ③ $\beta > 0$ なので $\beta^3 \neq 0$。よって:
ステップ④ 解と係数の関係 $\alpha\beta = 16$ と合わせる:
ステップ⑤ $a$ の値を求める:
$a = 6\sqrt{2} - 8 \approx 6 \times 1.414 - 8 \approx 8.485 - 8 = 0.485 > 0$ ✓
このとき交点の $x$ 座標は:
(確認)$x^2 - 6\sqrt{2}x + 16 = 0$ の解が $x = 2\sqrt{2}, 4\sqrt{2}$ であることを検証:
【この大問で身につく力】
「面積の差を1つの積分に統合する変形」と「解と係数の関係を積分条件に結びつける連立」という、名大頻出の思考パターンを習得できます。
大問1-[2]:確率漸化式 ― 立方体上のランダムウォーク(難易度★★★★☆)
【問題文】
立方体ABCD-EFGHの8頂点上を点Pが移動する。時刻0でAにいる点Pは、各時刻に隣接する3頂点のいずれかへ等確率(確率$\frac{1}{3}$)で移動する。
- $p_n$:時刻$n$まで一度もAに戻らず、時刻$n$で頂点B,D,Eのいずれかにいる確率
- $q_n$:時刻$n$まで一度もAに戻らず、時刻$n$で頂点C,F,Hのいずれかにいる確率
- $r_n$:時刻$n$まで一度もAに戻らず、時刻$n$でGにいる確率
(1) $p_1, q_1, r_1$ を求めよ。
(2) $n \geq 2$ のとき、$p_n, q_n, r_n$ を求めよ。
(3) 自然数 $m \geq 1$ に対して、点Pが時刻$2m$で頂点Aに初めて戻る確率 $s_m$ を求めよ。
【使う公式・定理】
| 公式名 | 内容 |
|---|---|
| 対称性による分類 | 対称な頂点群を1変数でまとめる |
| 確率漸化式 | $p_{n+1}, q_{n+1}, r_{n+1}$ を $p_n, q_n, r_n$ で表す |
| 等比数列の漸化式 | $q_{n+2} = kq_n$ 型を解く |
【立方体の構造を理解する】
立方体ABCD-EFGHについて、Aから各頂点への最短距離(辺の数)を整理します。
- 距離1(Aに隣接):B, D, E(3頂点)→ $p_n$ で管理
- 距離2:C, F, H(3頂点)→ $q_n$ で管理
- 距離3(Aの対頂点):G(1頂点)→ $r_n$ で管理
各頂点の隣接関係:
- B(距離1)の隣:A, C, F → AはNGゾーン(Aに戻ったらカウント外)
- D(距離1)の隣:A, C, H → 同様
- E(距離1)の隣:A, F, H → 同様
- C(距離2)の隣:B, D, G
- F(距離2)の隣:B, E, G
- H(距離2)の隣:D, E, G
- G(距離3)の隣:C, F, H
対称性より、B・D・Eは同じ役割、C・F・Hは同じ役割を果たします。
【小問(1):初期値】
ステップ① 時刻0でAにいる。時刻1への移動を考える。
Aの隣接頂点:B, D, E(各確率$\frac{1}{3}$)
実は $p_1 = 1$。なぜなら時刻1では必ずB,D,Eのどれかにしか行けないから。
(時刻1ではC,F,H,Gには行けない)
【小問(2):漸化式を立てて解く】
ステップ① 各頂点の遷移を分析する:
- B→C,F(距離2へ)、A(Aに戻る→カウント外)
- C→B,D(距離1へ)、G(距離3へ)
- G→C,F,H(距離2へ)
これらをまとめると(Aに戻る遷移を除く):
p_{n+1} = \dfrac{2}{3}q_n \\[6pt]
q_{n+1} = \dfrac{2}{3}p_n + r_n \\[6pt]
r_{n+1} = \dfrac{1}{3}q_n
\end{cases}$$
ステップ② $q_n$ の2項間漸化式を導く:
よって $q_{n+2} = \dfrac{7}{9}q_n$ という等比型漸化式。
ステップ③ $q_n$ を求める:
$q_1 = 0$、$q_2 = \dfrac{2}{3}p_1 + r_1 = \dfrac{2}{3} \cdot 1 + 0 = \dfrac{2}{3}$
ステップ④ $p_n$ を求める($p_{n+1} = \dfrac{2}{3}q_n$ より):
- $n$が偶数のとき $q_{n-1} = 0$ → $p_n = 0$
- $n$が奇数 ($n \geq 3$) のとき $q_{n-1} = \dfrac{2}{3}\left(\dfrac{7}{9}\right)^{\frac{n-1}{2}-1}$
ステップ⑤ $r_n$ を求める($r_{n+1} = \dfrac{1}{3}q_n$ より同様の計算):
【小問(3):$s_m$ の計算】
🧑 生徒:「$s_m$(時刻$2m$で初めてAに戻る確率)はどうやって求めるんですか?$p_n, q_n, r_n$ とどう関係するんですか?」
👨🏫 藤原先生:「鋭い質問だよ!時刻$2m$でAに初めて戻るためには、時刻$2m-1$でBかDかE(つまり$p_{2m-1}$の状態)にいて、そこからAへ移動するしかない。なぜなら立方体はAからの距離の偶奇が保たれるから、奇数時刻では必ず距離1か3の頂点にいるんだ。距離3のGからAへは直接繋がっていないから、$r_{2m-1}$の状態からはAに戻れない。だから $s_m = \dfrac{1}{3} \cdot p_{2m-1}$ という遷移確率×直前の状態確率の式が使えるよ!」
ステップ① $2m-1$ は奇数なので $p_{2m-1} = \dfrac{4}{9}\left(\dfrac{7}{9}\right)^{\frac{2m-4}{2}} = \dfrac{4}{9}\left(\dfrac{7}{9}\right)^{m-2}$($m \geq 2$)
ステップ② $m = 1$ のとき:時刻2でAに初めて戻る確率。
時刻1でB,D,Eにいて(確率1)、そこからAへ戻る確率 $\dfrac{1}{3}$。
【この大問で身につく力】
「対称性による変数の統合」「連立漸化式を2項間漸化式に還元する技術」「初めて戻る確率の計算」という確率漸化式の核心テクニックを体得できます。
大問1-[3]:整数問題 ― エジプト分数と約数(難易度★★★★☆)
【問題文】
(1) 条件 $a < b < c$ か
👨🏫 この記事を書いた人:藤原進之介
**藤原進之介**(数強塾グループ代表)
Gakken・KADOKAWA・ナツメ社・文英堂・旺文社など**大手出版社5社から計9冊**の参考書を刊行している数学・情報Iの専門家。
**主要著書:**
- 『オールカラー 高校の数学を身近な例からもういちど学びなおす』(ナツメ社)
- 『きめる! 共通テスト情報I』(Gakken)
- 『ライバルに差をつける 情報 I 鉄板の100 題』(KADOKAWA)
- 『共通テスト パターンドリル 情報Ⅰ』(文英堂)
- 『資格試験ムビスタ 藤原のたった9時間でITパスポート 令和8年度版(2026年)』(Gakken)
- 『大学JUKEN新書 共通テスト 7日で完成 情報Ⅰ』(旺文社)
- 『藤原のたった9時間で情報I』(Gakken)
- 『藤原進之介の 情報I プログラミング・データの活用が面白いほどわかる本』(KADOKAWA)
- 『藤原進之介の ゼロから始める情報I』(KADOKAWA)
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