金沢大学 2017年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!

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こんにちは!日本数学塾・数強塾の講師、藤原進之介です。

今回は、金沢大学 2017年度 前期日程 理系数学の過去問を徹底解説していきます。金沢大学は北陸地方を代表する国立大学であり、その数学入試は「基礎力の定着」と「数学III分野の深い理解」が問われる良問が多いことで知られています。

この記事では、2017年度の全4問について、問題の着眼点から解法のポイント、さらには別解や発展的な考察まで、皆さんと一緒に攻略していきましょう!受験生の皆さんが本番で確実に得点できるよう、私・藤原が丁寧に解説しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

試験概要・難易度

2017年度 金沢大学 前期日程 理系数学の基本情報

項目 内容
試験時間 120分
大問数 4問
出題範囲 数学I・A・II・B・III
配点 学部・学科により異なる(理工学域:300点、医薬保健学域:300~400点)
解答形式 全問記述式

2017年度の出題分野と難易度評価

2017年度の金沢大学理系数学は、全問が数学III分野から出題されるという、非常に特徴的な年度でした。具体的な出題内容は以下の通りです:

  • 第1問:複素数平面(絶対値と偏角の比較、6乗根の計算)
  • 第2問:図形と方程式・複素数平面(垂直に交わる直線の交点、軌跡)
  • 第3問:三角関数と定積分(2曲線で囲まれた面積)
  • 第4問:数列と極限(数学的帰納法、数列の極限)

全体講評

2017年度の金沢大学理系数学は、前年より微難化したと評価されています。全問が数学IIIの範囲から出題され、特に「複素数平面」と「式と曲線」という、旧課程にはなかった分野からの出題が目立ちました。

難易度の内訳としては:

  • 第1問:標準レベル(確実に得点したい)
  • 第2問:やや難((1)は易しいが、(2)の軌跡問題で差がつく)
  • 第3問:標準〜やや難(方針選択がカギ)
  • 第4問:標準レベル(数列と極限の基本が問われる)

極端な難問は出題されていませんが、理系らしい計算の煩雑さや場合分けを含む問題が多いため、日頃から理系向けの問題集で練習を積んでいるかどうかで差がつきやすい年度でした。

目標解答時間は105分程度(見直し込みで120分ギリギリ)。時間配分を意識した演習が重要です。

大問1:複素数平面(6乗根と絶対値・偏角)

問題

【問題1】

複素数 z が次の条件を満たすとき、以下の問いに答えよ。

z6 = -64

(1) z6 = -64 を満たす複素数 z をすべて求めよ。

(2) (1)で求めた z のうち、実部が正であるものについて、絶対値と偏角を求めよ。

(3) (1)で求めた z のうち、虚部が最大となるものを a + bi(a, b は実数)の形で表せ。

解説・解法のポイント

【着眼点】

この問題は、複素数の n 乗根を求める典型問題です。ド・モアブルの定理を活用し、-64 を極形式で表すことがスタートラインになります。

【解法】

Step 1:-64 を極形式で表す

まず、-64 を極形式で表しましょう。

-64 = 64(cos π + i sin π)

絶対値は 64、偏角は π です。

Step 2:6乗根を求める

z6 = 64(cos π + i sin π) より、z の絶対値を r、偏角を θ とすると:

r6 = 64 より、r = 2(r > 0)

6θ = π + 2kπ(k は整数)より、θ = (π + 2kπ)/6 = π(1 + 2k)/6

k = 0, 1, 2, 3, 4, 5 に対応する6つの解は:

  • k = 0:θ = π/6 → z₀ = 2(cos(π/6) + i sin(π/6)) = √3 + i
  • k = 1:θ = π/2 → z₁ = 2(cos(π/2) + i sin(π/2)) = 2i
  • k = 2:θ = 5π/6 → z₂ = 2(cos(5π/6) + i sin(5π/6)) = -√3 + i
  • k = 3:θ = 7π/6 → z₃ = 2(cos(7π/6) + i sin(7π/6)) = -√3 - i
  • k = 4:θ = 3π/2 → z₄ = 2(cos(3π/2) + i sin(3π/2)) = -2i
  • k = 5:θ = 11π/6 → z₅ = 2(cos(11π/6) + i sin(11π/6)) = √3 - i

Step 3:(2)の解答

実部が正である z は、z₀ = √3 + i と z₅ = √3 - i です。

  • z₀ = √3 + i:絶対値 |z₀| = 2、偏角 arg(z₀) = π/6
  • z₅ = √3 - i:絶対値 |z₅| = 2、偏角 arg(z₅) = 11π/6(または -π/6)

Step 4:(3)の解答

虚部を比較すると、z₁ = 2i の虚部が 2 で最大です。

よって、求める答えは z = 0 + 2i = 2i(a = 0, b = 2)

別解・発展

【別解:因数分解を利用する方法】

z6 + 64 = 0 を因数分解するアプローチも有効です。

z6 + 64 = (z²)³ + 4³ = (z² + 4)(z⁴ - 4z² + 16)

z² + 4 = 0 より z = ±2i

z⁴ - 4z² + 16 = 0 は、t = z² とおくと t² - 4t + 16 = 0

t = (4 ± √(16-64))/2 = (4 ± √(-48))/2 = 2 ± 2√3 i

これらから z を求めることもできますが、計算が煩雑になるため、極形式を用いる方法が効率的です。

【発展:複素数平面上での図形的理解】

6乗根は複素数平面上で、原点を中心とする半径2の円周上に等間隔(60°ずつ)に並ぶことを理解しておきましょう。この視覚的理解は、偏角や実部・虚部の大小を素早く判断するのに役立ちます。

大問2:図形と方程式・複素数平面(直線の交点と軌跡)

問題

【問題2】

xy平面上に点 A(1, 0) をとる。点 P が原点 O を中心とする半径1の円周上を動くとき、以下の問いに答えよ。ただし、P ≠ A, P ≠ -A とする。

(1) 点 P を通り直線 OA に垂直な直線 l₁ と、点 A を通り直線 OP に垂直な直線 l₂ の交点を Q とする。Q の座標を P の座標を用いて表せ。

(2) P が円周上を動くとき、Q の軌跡を求め、その概形を図示せよ。

解説・解法のポイント

【着眼点】

この問題は、2直線の交点を求め、パラメータを消去して軌跡を求めるという基本的な流れです。P の座標を角度 θ で表すパラメータ表示が有効です。

【解法】

Step 1:P の座標をパラメータで表す

P は単位円上の点なので、P = (cos θ, sin θ)(θ ≠ 0, π)とおきます。

Step 2:直線 l₁ の方程式

直線 OA は x 軸(y = 0)です。l₁ は P を通り OA(x軸)に垂直なので:

l₁:x = cos θ

Step 3:直線 l₂ の方程式

直線 OP の方向ベクトルは (cos θ, sin θ)。l₂ は A(1, 0) を通り OP に垂直なので:

cos θ(x - 1) + sin θ(y - 0) = 0

l₂:x cos θ + y sin θ = cos θ

Step 4:交点 Q の座標を求める

l₁ より x = cos θ を l₂ に代入:

cos²θ + y sin θ = cos θ

y sin θ = cos θ - cos²θ = cos θ(1 - cos θ)

y = cos θ(1 - cos θ)/sin θ

sin θ ≠ 0(θ ≠ 0, π)より:

Q = (cos θ, cos θ(1 - cos θ)/sin θ)

Step 5:軌跡を求める

x = cos θ、y = cos θ(1 - cos θ)/sin θ より:

y = x(1 - x)/sin θ

また、sin θ = ±√(1 - cos²θ) = ±√(1 - x²) より:

y = x(1 - x)/(±√(1 - x²))

両辺を2乗して整理:

y²(1 - x²) = x²(1 - x)²

y² = x²(1 - x)²/(1 - x²) = x²(1 - x)²/((1-x)(1+x)) = x²(1 - x)/(1 + x)

よって:y² = x²(1 - x)/(1 + x)(-1 < x < 1、x ≠ 0)

または:y²(1 + x) = x²(1 - x)

【軌跡の概形】

  • x = 0 のとき y = 0(原点を通る)
  • x → 1 のとき y → 0
  • x → -1 のとき y → ±∞
  • x 軸に関して対称
  • 0 < x < 1 の範囲で y の絶対値は有界

別解・発展

【別解:複素数平面を利用】

複素数平面で考えると、P = e^{iθ}、A = 1 とおけます。垂直条件を複素数の実部・虚部で表現することも可能ですが、この問題では座標平面で解く方が見通しが良いでしょう。

【発展:曲線の名前】

この軌跡は「ストロフォイド(strophoid)」と呼ばれる代数曲線の一種です。大学数学では代数曲線論で学ぶ興味深い曲線です。

大問3:三角関数と定積分(2曲線で囲まれた面積)

問題

【問題3】

関数 f(x) = sin x、g(x) = sin 2x について、以下の問いに答えよ。

(1) 0 ≤ x ≤ π の範囲で、f(x) = g(x) を満たす x の値をすべて求めよ。

(2) 0 ≤ x ≤ π の範囲で、f(x) ≥ g(x) となる x の範囲を求めよ。

(3) 0 ≤ x ≤ π の範囲で、y = f(x) と y = g(x) のグラフで囲まれた部分の面積 S を求めよ。

解説・解法のポイント

【着眼点】

三角関数の方程式を解き、大小関係を調べてから積分するという典型的な流れです。sin 2x = 2 sin x cos x の公式を使って式を変形することがポイントです。

【解法】

Step 1:(1) 方程式を解く

sin x = sin 2x

sin x = 2 sin x cos x

sin x - 2 sin x cos x = 0

sin x(1 - 2 cos x) = 0

0 ≤ x ≤ π の範囲で:

  • sin x = 0 より x = 0, π
  • 1 - 2 cos x = 0 より cos x = 1/2、よって x = π/3

答:x = 0, π/3, π

Step 2:(2) 大小関係を調べる

f(x) - g(x) = sin x - sin 2x = sin x(1 - 2 cos x) の符号を調べます。

0 ≤ x ≤ π で sin x ≥ 0 なので、符号は (1 - 2 cos x) で決まります。

  • 0 < x 1/2 より 1 - 2 cos x < 0、よって f(x) < g(x)
  • x = π/3 のとき:f(x) = g(x)
  • π/3 < x < π のとき:cos x 0、よって f(x) > g(x)

答:π/3 ≤ x ≤ π

Step 3:(3) 面積を計算する

S = ∫₀^{π/3} |f(x) - g(x)| dx + ∫_{π/3}^{π} |f(x) - g(x)| dx

= ∫₀^{π/3} (sin 2x - sin x) dx + ∫_{π/3}^{π} (sin x - sin 2x) dx

第1項の計算:

∫₀^{π/3} (sin 2x - sin x) dx = [-cos 2x/2 + cos x]₀^{π/3}

= (-cos(2π/3)/2 + cos(π/3)) - (-cos 0/2 + cos 0)

= (-(-1/2)/2 + 1/2) - (-1/2 + 1)

= (1/4 + 1/2) - (1/2)

= 3/4 - 1/2 = 1/4

第2項の計算:

∫_{π/3}^{π} (sin x - sin 2x) dx = [-cos x + cos 2x/2]_{π/3}^{π}

= (-cos π + cos 2π/2) - (-cos(π/3) + cos(2π/3)/2)

= (1 + 1/2) - (-1/2 + (-1/2)/2)

= 3/2 - (-1/2 - 1/4)

= 3/2 + 3/4 = 9/4

答:S = 1/4 + 9/4 = 10/4 = 5/2

別解・発展

【別解:積分の計算テクニック】

計算をまとめて行う方法もあります:

S = ∫₀^{π} |sin x - sin 2x| dx = ∫₀^{π} |sin x||1 - 2 cos x| dx

0 ≤ x ≤ π で sin x ≥ 0 なので:

S = ∫₀^{π/3} sin x(2 cos x - 1) dx + ∫_{π/3}^{π} sin x(1 - 2 cos x) dx

ここで t = cos x とおくと dt = -sin x dx となり、置換積分が効率的に行えます。

【発展:一般化】

y = sin x と y = sin nx で囲まれる面積の一般公式を考えると、周期性や対称性を利用した美しい結果が得られます。興味のある方は大学レベルのフーリエ解析につながる発展的な題材です。

大問4:数列と極限(数学的帰納法と収束)

問題

【問題4】

数列 {aₙ} を次のように定める:

a₁ = 1、aₙ₊₁ = (aₙ + 2)/(aₙ + 1)(n = 1, 2, 3, ...)

(1) すべての自然数 n に対して aₙ > 0 であることを示せ。

(2) すべての自然数 n に対して aₙ < √2 であることを数学的帰納法を用いて示せ。

(3) 数列 {aₙ} が収束することを示し、その極限値を求めよ。

解説・解法のポイント

【着眼点】

この問題は、漸化式で定められた数列の有界性と単調性を示し、極限の存在と値を求める典型パターンです。数学的帰納法と極限の計算を組み合わせて解きます。

【解法】

Step 1:(1) aₙ > 0 を示す

数学的帰納法で示します。

[基底] n = 1 のとき、a₁ = 1 > 0 ✓

[帰納] n = k のとき aₖ > 0 と仮定すると:

aₖ₊₁ = (aₖ + 2)/(aₖ + 1)

aₖ > 0 より、aₖ + 2 > 0 かつ aₖ + 1 > 0 なので、aₖ₊₁ > 0

よって、すべての自然数 n に対して aₙ > 0

Step 2:(2) aₙ < √2 を数学的帰納法で示す

[基底] n = 1 のとき、a₁ = 1 < √2 ≈ 1.414 ✓

[帰納] n = k のとき 0 < aₖ < √2 と仮定します。

aₖ₊₁ < √2 を示すには:

(aₖ + 2)/(aₖ + 1) < √2

aₖ + 2 0)

aₖ + 2 < √2 aₖ + √2

2 - √2 < (√2 - 1)aₖ

√2(√2 - 1) < (√2 - 1)aₖ

√2 < aₖ ???

おっと、これは仮定に矛盾します。式変形を見直しましょう。

正しい評価:

aₖ₊₁ - √2 = (aₖ + 2)/(aₖ + 1) - √2 = (aₖ + 2 - √2(aₖ + 1))/(aₖ + 1)

= (aₖ + 2 - √2 aₖ - √2)/(aₖ + 1)

= ((1 - √2)aₖ + (2 - √2))/(aₖ + 1)

= (1 - √2)(aₖ - √2)/(aₖ + 1)

ここで 1 - √2 0 であり、仮定より aₖ - √2 < 0 なので:

aₖ₊₁ - √2 = (負)(負)/(正) = (正)/(正) > 0 ???

これも矛盾です。実

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