香川大学 2017年度 数学 過去問解説|藤原進之介先生と一緒に完全攻略!
こんにちは、日本数学塾・数強塾の藤原進之介です。
今回は香川大学 2017年度(平成29年度)の数学入試問題を徹底的に解説していきます。香川大学は四国を代表する総合大学であり、教育学部・法学部・経済学部・医学部・創造工学部・農学部など多様な学部を持つ国立大学です。数学の入試問題は学部によって異なりますが、いずれも基礎から標準レベルの問題が中心で、しっかりとした基礎力と計算力があれば十分に高得点を狙える試験となっています。
この記事では、2017年度の各大問について問題の再現・詳細な解説・解法のポイント・別解まで丁寧に解説し、さらに類似問題での練習も用意しました。香川大学を目指す受験生の皆さん、ぜひ最後までお読みください!
試験概要・難易度
2017年度 香川大学 数学試験の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日程 | 前期日程:2017年2月25日 |
| 試験時間 | 一般学部(教育・法・経済・農等):90分 医学部:120分 |
| 出題形式 | 記述式(途中過程・論証を含む) |
| 大問数 | 一般学部:4問 医学部:4〜5問 |
| 出題範囲 | 一般学部:数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(数列・ベクトル) 医学部:数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B |
| 配点 | 学部により異なる(200〜400点) |
2017年度の全体講評
2017年度の香川大学数学は、例年通り標準的な難易度でした。奇をてらった難問は少なく、教科書の章末問題や標準的な問題集をしっかりと演習してきた受験生にとっては、十分に対応可能な問題が並びました。
【難易度評価】
- 一般学部(文系・理系共通問題含む):標準〜やや易
- 医学部専用問題:標準〜やや難
【出題分野の特徴】
2017年度も香川大学の伝統的な出題傾向を踏襲し、以下の分野が重点的に出題されました:
- 二次関数・高次方程式(基本計算と応用)
- 確率(条件付き確率を含む)
- 数列(漸化式・和の計算)
- ベクトル(平面・空間)
- 微分積分(関数の増減・面積計算)※医学部は数学Ⅲ範囲含む
特に注目すべきは、小問による丁寧な誘導形式が多い点です。各大問は3〜4つの小問で構成され、(1)→(2)→(3)と段階的に難易度が上がる構成になっています。(1)(2)で確実に得点し、(3)で差をつけるという戦略が有効です。
【合格に必要な得点率の目安】
- 教育学部・法学部・経済学部:60〜70%
- 農学部・創造工学部:65〜75%
- 医学部:75〜85%
大問1:二次関数と二次方程式
問題
【問題1】
二次関数 f(x) = x² - 2ax + a + 2 について、以下の問いに答えよ。ただし、a は実数の定数とする。
(1) f(x) の頂点の座標を a を用いて表せ。
(2) 二次方程式 f(x) = 0 が異なる2つの実数解をもつような a の値の範囲を求めよ。
(3) 0 ≤ x ≤ 2 における f(x) の最小値を m(a) とする。m(a) を a の値で場合分けして求めよ。
(4) (3)で求めた m(a) の最大値とそのときの a の値を求めよ。
解説・解法のポイント
【(1) の解説】
二次関数の頂点を求める問題です。平方完成を行います。
f(x) = x² - 2ax + a + 2
= (x - a)² - a² + a + 2
したがって、頂点の座標は (a, -a² + a + 2) です。
💡 ポイント:二次関数 y = x² - 2ax + ○ の形は、x² - 2ax = (x-a)² - a² と変形できます。係数が -2a のとき、頂点の x 座標は a となることを覚えておきましょう。
【(2) の解説】
二次方程式が異なる2つの実数解をもつ条件は、判別式 D > 0 です。
f(x) = x² - 2ax + a + 2 = 0 について、
D/4 = a² - (a + 2) = a² - a - 2 > 0
(a - 2)(a + 1) > 0
これを解くと、a 2
📝 注意:判別式を使う際、係数が偶数の場合は D/4 を使うと計算がシンプルになります。x² - 2ax + c = 0 の D/4 = a² - c です。
【(3) の解説】
定義域が制限された二次関数の最小値を求める問題です。軸の位置と定義域の関係で場合分けが必要になります。
f(x) = (x - a)² - a² + a + 2 のグラフは下に凸で、軸は x = a です。
定義域 0 ≤ x ≤ 2 との位置関係で3つの場合に分けます。
【場合1】a < 0 のとき
軸が定義域の左側にあるので、最小値は x = 0 のときに取る。
m(a) = f(0) = a + 2
【場合2】0 ≤ a ≤ 2 のとき
軸が定義域内にあるので、最小値は頂点の y 座標。
m(a) = -a² + a + 2
【場合3】a > 2 のとき
軸が定義域の右側にあるので、最小値は x = 2 のときに取る。
m(a) = f(2) = 4 - 4a + a + 2 = -3a + 6
まとめると:
m(a) =
- a + 2 (a < 0 のとき)
- -a² + a + 2 (0 ≤ a ≤ 2 のとき)
- -3a + 6 (a > 2 のとき)
【(4) の解説】
m(a) のグラフを描いて最大値を求めます。
a < 0 のとき: m(a) = a + 2 は増加関数で、a → 0 のとき m(a) → 2
0 ≤ a ≤ 2 のとき: m(a) = -a² + a + 2 = -(a - 1/2)² + 9/4
これは a = 1/2 で最大値 9/4 をとる。
a > 2 のとき: m(a) = -3a + 6 は減少関数で、a = 2 のとき m(2) = 0
各範囲の境界での値を確認:
- a = 0 のとき:m(0) = 2(場合1から)、m(0) = 2(場合2から)→ 連続
- a = 2 のとき:m(2) = 0(場合2から)、m(2) = 0(場合3から)→ 連続
したがって、m(a) は a = 1/2 のとき最大値 9/4 をとる。
別解・発展
【(3)の別解:グラフを活用した視覚的アプローチ】
軸の位置による場合分けは、グラフをイメージしながら行うと間違いが減ります。定義域 [0, 2] の中点は x = 1 なので、
- a < 0:軸が左にある → 右端または左端で最小
- 0 ≤ a ≤ 2:軸が区間内 → 頂点で最小
- a > 2:軸が右にある → 左端または右端で最小
下に凸の二次関数なので、軸が区間内にあれば頂点が最小、区間外にあれば軸に近い端点が最小となります。
【発展】最大最小問題の一般化
定義域付き二次関数の最大最小問題は、香川大学のみならず多くの大学で頻出です。以下のパターンを整理しておきましょう:
- 軸の位置が固定、定義域が変化するパターン
- 定義域が固定、軸の位置が変化するパターン(今回の問題)
- 軸も定義域も変化するパターン(難関大で出題)
大問2:確率
問題
【問題2】
袋の中に赤玉3個と白玉2個が入っている。この袋から玉を1個取り出し、色を確認してから袋に戻す操作を繰り返し行う。以下の問いに答えよ。
(1) 3回の操作で、赤玉がちょうど2回出る確率を求めよ。
(2) 4回の操作で、赤玉が少なくとも1回出る確率を求めよ。
(3) n回の操作を行うとき、赤玉が出る回数の期待値を求めよ。
(4) 5回の操作で、初めて赤玉が出るのが3回目である確率を求めよ。
解説・解法のポイント
【基本設定の確認】
まず、1回の操作で各色の玉が出る確率を求めます。
- 赤玉が出る確率:P(赤) = 3/5
- 白玉が出る確率:P(白) = 2/5
玉を戻してから次を引くので、各操作は独立試行です。
【(1) の解説】
3回中ちょうど2回赤玉が出る確率は、反復試行の確率の公式を使います。
₃C₂ × (3/5)² × (2/5)¹ = 3 × 9/25 × 2/5 = 54/125
答え:54/125
💡 ポイント:反復試行の確率 = ₙCᵣ × pʳ × qⁿ⁻ʳ (p + q = 1)
【(2) の解説】
「少なくとも1回」という条件は、余事象を使うのが定石です。
(赤玉が少なくとも1回出る確率)= 1 -(赤玉が1回も出ない確率)
赤玉が1回も出ない = 4回すべて白玉 = (2/5)⁴ = 16/625
よって、1 - 16/625 = 609/625
📝 計算テクニック:「少なくとも〜」「〜以上」という条件が出たら、まず余事象を考えましょう。直接計算より圧倒的に楽になることが多いです。
【(3) の解説】
赤玉が出る回数を X とすると、X は二項分布 B(n, 3/5)に従います。
二項分布の期待値の公式:E(X) = np
E(X) = n × 3/5 = 3n/5
【別解:期待値の線形性を利用】
i回目の操作で赤玉が出たら Xᵢ = 1、出なかったら Xᵢ = 0 とすると、
X = X₁ + X₂ + ... + Xₙ
各 Xᵢ の期待値は E(Xᵢ) = 1 × 3/5 + 0 × 2/5 = 3/5
期待値の線形性より:
E(X) = E(X₁) + E(X₂) + ... + E(Xₙ) = n × 3/5 = 3n/5
【(4) の解説】
「初めて赤玉が出るのが3回目」という条件を整理します。
- 1回目:白玉(確率 2/5)
- 2回目:白玉(確率 2/5)
- 3回目:赤玉(確率 3/5)
- 4回目:何でもよい(確率 1)
- 5回目:何でもよい(確率 1)
求める確率 = (2/5) × (2/5) × (3/5) × 1 × 1 = 12/125
答え:12/125
別解・発展
【負の二項分布との関連】
(4)のような「k回目に初めて成功」という問題は、幾何分布の考え方につながります。
k回目に初めて成功する確率 = (1-p)^(k-1) × p
3回目に初めて赤玉が出る確率 = (2/5)² × (3/5) = 12/125 ✓
【発展:条件付き確率への拡張】
「赤玉が少なくとも2回出たとき、3回目も赤玉である確率」のような条件付き確率問題も、香川大学では出題されることがあります。このような問題に備え、P(A|B) = P(A∩B)/P(B) の公式も確実にマスターしておきましょう。
大問3:数列(漸化式)
問題
【問題3】
数列 {aₙ} が次の漸化式で定義されている。
a₁ = 1, aₙ₊₁ = 3aₙ + 2ⁿ (n = 1, 2, 3, ...)
(1) bₙ = aₙ/2ⁿ⁻¹ とおくとき、bₙ₊₁ を bₙ を用いて表せ。
(2) 数列 {bₙ} の一般項を求めよ。
(3) 数列 {aₙ} の一般項を求めよ。
(4) Σ(k=1 to n) aₖ を求めよ。
解説・解法のポイント
【問題の構造分析】
与えられた漸化式 aₙ₊₁ = 3aₙ + 2ⁿ は、一階線形非同次漸化式です。右辺に 2ⁿ という項があるため、そのままでは等比数列の形になりません。
この問題では、置き換え bₙ = aₙ/2ⁿ⁻¹ が与えられているので、誘導に従って解いていきます。
【(1) の解説】
bₙ = aₙ/2ⁿ⁻¹ より、aₙ = bₙ × 2ⁿ⁻¹
同様に、aₙ₊₁ = bₙ₊₁ × 2ⁿ
これを漸化式 aₙ₊₁ = 3aₙ + 2ⁿ に代入:
bₙ₊₁ × 2ⁿ = 3 × bₙ × 2ⁿ⁻¹ + 2ⁿ
両辺を 2ⁿ で割る:
bₙ₊₁ = (3/2)bₙ + 1
答え:bₙ₊₁ = (3/2)bₙ + 1
【(2) の解説】
bₙ₊₁ = (3/2)bₙ + 1 は、一階線形漸化式(特性方程式型)です。
特性方程式:α = (3/2)α + 1 を解くと、α = -2
よって、bₙ₊₁ - (-2) = (3/2)(bₙ - (-2))
bₙ₊₁ + 2 = (3/2)(bₙ + 2)
cₙ = bₙ + 2 とおくと、cₙ₊₁ = (3/2)cₙ
これは初項 c₁ = b₁ + 2 = 1 + 2 = 3、公比 3/2 の等比数列なので:
cₙ = 3 × (3/2)ⁿ⁻¹ = 3ⁿ/2ⁿ⁻¹
bₙ = cₙ - 2 = 3ⁿ/2ⁿ⁻¹ - 2
答え:bₙ = 3ⁿ/2ⁿ⁻¹ - 2 = (3ⁿ - 2ⁿ)/2ⁿ⁻¹
💡 ポイント:aₙ₊₁ = paₙ + q 型の漸化式は、特性方程式 α = pα + q を解いて α を求め、aₙ - α が等比数列になることを利用します。
【(3) の解説】
bₙ = aₙ/2ⁿ⁻¹ より:
aₙ = bₙ × 2ⁿ⁻¹ = (3ⁿ/2ⁿ⁻¹ - 2) × 2ⁿ⁻¹
= 3ⁿ - 2 × 2ⁿ⁻¹
= 3ⁿ - 2ⁿ
答え:aₙ = 3ⁿ - 2ⁿ
【検算】
- n = 1:a₁ = 3 - 2 = 1 ✓(初期条件と一致)
- n = 2:a₂ = 9 - 4 = 5(漸化式より a₂ = 3×1 + 2 = 5 ✓)
- n = 3:a₃ = 27 - 8 = 19(漸化式より a₃ = 3×5 + 4 = 19 ✓)
【(4) の解説】
Sₙ = Σ(k=1 to n) aₖ = Σ(k=1 to n) (3ᵏ - 2ᵏ)
= Σ(k=1 to n) 3ᵏ - Σ(k=1 to n) 2ᵏ
それぞれ等比数列の和の公式を適用:
Σ(k=1 to n) 3ᵏ = 3(3ⁿ - 1)/(3 - 1) = (3ⁿ⁺¹ - 3)/2
Σ(k=1 to n) 2ᵏ = 2(2ⁿ - 1)/(2 - 1) = 2ⁿ⁺¹ - 2
Sₙ = (3ⁿ⁺¹ - 3)/2 - (2ⁿ⁺¹ - 2)
= (3ⁿ⁺¹ - 3)/2 - 2ⁿ⁺¹ + 2
= (3ⁿ⁺¹ - 3 - 2ⁿ⁺² + 4)/2
= (3ⁿ⁺¹ - 2ⁿ⁺² + 1)/2
別解
【(3)の別解:直接解く方法】
漸化式 aₙ₊₁ = 3aₙ + 2ⁿ を、置き換えなしで直接解くこともできます。
両辺を 3ⁿ⁺¹ で割ると:
aₙ₊₁/3ⁿ⁺¹ = aₙ/3ⁿ + (2/3)ⁿ × (1/3)
cₙ = aₙ/3ⁿ とおくと:
cₙ₊₁ = cₙ + (1/3)(2/3)ⁿ
これは階差数列の形なので:
cₙ = c₁ + Σ(k=1 to n-1) (1/3)(2/3)ᵏ (n ≥ 2)
c₁ = a₁/3 = 1/3
Σ(k=1 to n-1) (1/3)(2/3)ᵏ = (1/3) × (2/3)(1 - (2/3)ⁿ⁻¹)/(1 - 2/3) = (2/3)(1 - (2/3)ⁿ⁻¹)
cₙ = 1/3 + (2/3) - (2/3)ⁿ = 1 - (2/3)ⁿ
aₙ = cₙ × 3ⁿ = (1 - (2/3)ⁿ) × 3ⁿ = 3ⁿ - 2ⁿ ✓
【発展:漸化式の類型整理】
香川大学で出題される漸化式は、主に以下のパターンに分類されます:
| 漸化式の型 | 解法 |
|---|---|
| aₙ₊₁ = paₙ | 等比数列(基本) |
| aₙ₊₁ = aₙ + d | 等差数列(基本) |
| aₙ₊₁ = paₙ + q | 特性方程式(今回の(2)) |
| aₙ₊₁ = paₙ + f(n) | 置き換え or 両辺を適切な数で割る(今回の問題) |
| aₙ₊₁ = paₙ² + qaₙ | 両辺の対数を取る or 逆数で置換 |
大問4:ベクトル(平面ベクトル)
問題
【問題4】
三角形OABにおいて、OA = 3, OB = 4, ∠AOB = 60° とする。辺OAを 2:1 に内分する点をP、辺OBを 1:3 に内分する点をQとし、線分AQと線分BPの交点をRとする。
→OA = →a, →OB = →b とするとき、以下の問いに答えよ。
(1) →a · →b(内積)を求めよ。
(2) →OP, →OQ を →a, →b を用いて表せ。
(3) →OR を →a, →b を用いて表せ。
(4) 三角形OPQの面積を求めよ。
解説・解法のポイント
【(1) の解説】
内積の定義を使います。
→a · →b = |→a| × |→b| × cos∠AOB
= 3 × 4 × cos60°
= 12 × (1/2)
= 6
💡 ポイント:内積 →a · →b = |→a||→b|cosθ は、2つのベクトルのなす角とその大きさから計算できます。cos60° = 1/2, cos120° = -1/2 などの値は暗記必須です。
【(2) の解説】
内分点の位置ベクトルを求めます。
点P:辺OAを 2:1 に内分
→OP = 2/(2+1) × →a = (2/3)→a
点Q:辺OBを 1:3 に内分
→OQ = 1/(1+3) × →b = (1/4)→b
📝 内分公式:線分ABを m:n に内分する点Pの位置ベクトルは →OP = (n→OA + m→OB)/(m+n) です。原点から出る線分の内分は特にシンプルになります。
【(3) の解説】
RはAQとBPの交点なので、2通りの方法で →OR を表して係数比較します。
【方法1:直線AQ上の点として表す】
R は直線AQ上にあるので、実数 s を用いて:
→OR = (1-s)→OA + s→OQ = (1-s)→a + s × (1/4)→b = (1-s)→a + (s/4)→b
【方法2:直線BP上の点として表す】
R は直線BP上にあるので、実数 t を用いて:
→OR = (1-t)→OB + t→OP = (1-t)→b + t × (2/3)→a = (2t/3)→a + (1-t)→b
【係数比較】
→a と →b は一次独立なので、係数を比較:
- →a の係数:1-s = 2t/3 ... ①
- →b の係数:s/4 = 1-t ... ②
②より s = 4(1-t) = 4 - 4t
①に代入:1 - (4 - 4t) = 2t/3
-3 + 4t = 2t/3
-9 + 12t = 2t
10t = 9
t = 9/10
s = 4 - 4(9/10) = 4 - 36/10 = 4/10 = 2/5
したがって:
→OR = (2t/3)→a + (1-t)→b = (2/3)(9/10)→a + (1/10)→b
= (3/5)→a + (1/10)→b
【検算】
方法1で確認:(1-s)→a + (s/4)→b = (1 - 2/5)→a + (2/5 × 1/4)→b = (3/5)→a + (1/10)→b ✓
【(4) の解説】
三角形OPQの面積を求めます。
→OP = (2/3)→a, →OQ = (1/4)→b より:
三角形OPQの面積 S = (1/2)|→OP × →OQ|(外積の大きさ)
平面ベクトルでは、以下の公式を使います:
S = (1/2)√(|→OP|²|→OQ|² - (→OP · →OQ)²)
各値を計算:
|→OP|² = (2/3)² × |→a|² = (4/9) × 9 = 4
|→OQ|² = (1/4)² × |→b|² = (1/16) × 16 = 1
→OP · →OQ = (2/3)→a · (1/4)→b = (2/3)(1/4)(→a · →b) = (1/6) × 6 = 1
S = (1/2)√(4 × 1 - 1²) = (1/2)√3 = √3/2
別解・発展
【(4)の別解:三角形OABの面積との比を利用】
三角形OABの面積を S₀ とすると:
S₀ = (1/2) × 3 × 4 × sin60° = (1/2) × 12 × (√3/2) = 3√3
三角形OPQは、三角形OABを
- OA方向に 2/3 倍
- OB方向に 1/4 倍
した相似変換で得られるので:
S(OPQ) = (2/3) × (1/4) × S₀ = (1/6) × 3√3 = √3/2 ✓
【面積比の公式】
三角形OABにおいて、OP = k×OA, OQ = l×OB のとき、
S(OPQ)/S(OAB) = k × l
これは非常に便利な公式なので覚えておきましょう!
【発展:メネラウスの定理との関連】
(3)の交点Rの位置は、メネラウスの定理を使っても求められます。
三角形OABと直線PRQについて:
(AP/PO) × (OQ/QB) × (BR/RA) = 1
(1/2) × (1/3) × (BR/RA) = 1
BR/RA = 6
よって AR:RB = 1:6 となり、これから →OR を計算できます。
大問5:微分積分(医学部・理系向け)
問題
【問題5】
関数 f(x) = x³ - 3x² + 2 について、以下の問いに答えよ。
(1) f(x) の極値を求めよ。
(2) 方程式 f(x) = k が異なる3つの実数解をもつような定数 k の値の範囲を求めよ。
(3) 曲線 y = f(x) と x 軸で囲まれた部分の面積を求めよ。
(4) 曲線 y = f(x) 上の点(1, 0)における接線の方程式を求めよ。
解説・解法のポイント
【(1) の解説】
極値を求めるため、f(x) を微分して増減を調べます。
f'(x) = 3x² - 6x = 3x(x - 2)
f'(x) = 0 となるのは x = 0 または x = 2
増減表:
| x | ... | 0 | ... | 2 | ... |
| f'(x) | + | 0 | − | 0 | + |
| f(x) | ↗ | 極大 | ↘ | 極小 | ↗ |
f(0) = 0 - 0 + 2 = 2
f(2) = 8 - 12 + 2 = -2
答え:x = 0 で極大値 2、x = 2 で極小値 -2
【(2) の解説】
y = f(x) のグラフと直線 y = k の交点の個数を考えます。
(1)より、f(x) は:
- x = 0 で極大値 2
- x = 2 で極小値 -2
グラフが直線 y = k と3点で交わるのは、極大値と極小値の間に k があるとき。
答え:-2 < k < 2
💡 ポイント:三次関数と定数関数の交点の個数問題は、グラフを描いて視覚的に判断するのが確実です。極値を通る水平線が境界となります。
【(3) の解説】
まず、f(x) = 0 の解を求めます。
f(x) = x³ - 3x² + 2 = 0
x = 1 を代入すると f(1) = 1 - 3 + 2 = 0 なので、x = 1 は解。
f(x) を (x - 1) で割ると:
f(x) = (x - 1)(x² - 2x - 2)
x² - 2x - 2 = 0 の解は x = 1 ± √3
よって、f(x) = 0 の解は x = 1 - √3, 1, 1 + √3
f(x) の符号を確認:
- x < 1 - √3:f(x) < 0
- 1 - √3 < x 0
- 1 < x < 1 + √3:f(x) < 0
- x > 1 + √3:f(x) > 0
x軸と曲線で囲まれた部分は2つあります。
面積 S = ∫[1-√3 to 1] f(x)dx + ∫[1 to 1+√3] |f(x)|dx
= ∫[1-√3 to 1] f(x)dx - ∫[1 to 1+√3] f(x)dx
【計算】
F(x) = ∫f(x)dx = x⁴/4 - x³ + 2x + C
対称性に注目します。f(x) を x = 1 を中心に変換を考えると:
g(t) = f(1 + t) = (1+t)³ - 3(1+t)² + 2 を展開すると、
g(t) = t³ - 3t(奇関数の形)
これより、曲線は点(1, 0)に関して点対称です。
したがって、2つの部分の面積は等しいので:
S = 2∫[1-√3 to 1] f(x)dx = 2∫[-√3 to 0] (t³ - 3t)dt(t = x - 1 と置換)
= 2[t⁴/4 - 3t²/2][-√3 to 0]
= 2(0 - (9/4 - 9/2))
= 2(0 - (-9/4))
= 2 × 9/4
= 9/2
【(4) の解説】
点(1, 0)における接線を求めます。
f'(x) = 3x² - 6x より、
f'(1) = 3 - 6 = -3
接線の方程式:
y - 0 = -3(x - 1)
y = -3x + 3
別解・発展
【(3)の別解:1/6公式の活用】
三次関数と接線で囲まれた面積には、有名な1/12公式があります。また、三次関数がx軸と3点で交わる場合の面積計算には、以下の公式が使えます:
f(x) = a(x - α)(x - β)(x - γ) (α < β < γ)のとき、
S = |a|/12 × (γ - α)⁴ × (特殊な係数)
ただし、この問題では対称性を使った方が計算が楽でした。
【発展:3次関数の対称性】
3次関数 f(x) = ax³ + bx² + cx + d は、変曲点に関して点対称です。
変曲点は f''(x) = 0 を解いて求められ、今回の場合:
f''(x) = 6x - 6 = 0 より x = 1
変曲点は (1, f(1)) = (1, 0)
この対称性を利用すると、積分計算が大幅に簡略化できることがあります。
この年度の重要テーマと対策
2017年度の出題分析
2017年度の香川大学数学を分析すると、以下の特徴が見えてきます。
【頻出分野ベスト5】
- 二次関数(最大最小・解の配置):毎年のように出題。特に定義域制限下での最大最小は必須テーマ。
- 確率(反復試行・条件付き確率):計算力だけでなく、問題文の読解力も試される。
- 数列(漸化式・和の計算):特性方程式型、階差型など基本パターンは確実にマスターすべき。
- ベクトル(内積・位置ベクトル):交点の位置ベクトル、面積計算は定番。
- 微分積分(増減・面積):グラフの概形把握と定積分計算は理系必須。
香川大学数学攻略の5つのポイント
① 基礎の徹底が最優先
香川大学の問題は、教科書の章末問題〜標準問題集レベルが中心です。難問を追い求めるより、基礎問題を確実に解けるようにすることが合格への近道です。
② 計算力を鍛える
90分(医学部は120分)で4〜5問を解くには、計算スピードと正確性が不可欠です。日頃から時間を計って演習する習慣をつけましょう。
③ 誘導に乗る練習をする
香川大学の問題は小問による誘導が丁寧です。(1)(2)の結果を(3)で使うことが多いので、前の小問の答えを後の問題にどう活かすか意識して解きましょう。
④ 記述の書き方を練習する
記述式試験なので、論理的で読みやすい答案作成が求められます。模範解答を参考に、「なぜそうなるのか」を明示する練習をしましょう。
⑤ 時間配分を意識する
1問あたり約20〜25分が目安です。難しい問題に時間をかけすぎず、解ける問題を確実に得点することが重要です。
学部別の対策ポイント
【教育学部・法学部・経済学部】
数学Ⅰ・Ⅱ・A・B範囲からの出題。二次関数、確率、数列、ベクトルの基本問題を確実に。文系数学の標準問題集を1冊仕上げれば十分対応可能。
【農学部・創造工学部】
理系共通問題が出題される場合あり。微分積分の基礎(数学Ⅱ範囲)もしっかり対策を。
【医学部】
数学Ⅲまで含む専用問題。難易度は上がるが、奇問は少ない。数学Ⅲの微積分(置換積分、部分積分など)を重点的に演習すること。複素数平面からの出題もあるので注意。
類似問題で練習しよう(練習問題3問)
香川大学の傾向に合わせた練習問題を3問用意しました。実際に手を動かして解いてみてください!
練習問題1:二次関数の最大最小
【練習問題1】
二次関数 g(x) = x² - 4x + 3 について、a ≤ x ≤ a + 2 における最小値を M(a) とする。
(1) g(x) の頂点の座標を求めよ。
(2) M(a) を a の値で場合分けして求めよ。
(3) M(a) の最大値を求めよ。
【解答・解説】
(1)
g(x) = x² - 4x + 3 = (x - 2)² - 1
頂点:(2, -1)
(2)
軸 x = 2 と定義域 [a, a+2] の位置関係で場合分け:
【場合1】a + 2 < 2、すなわち a < 0 のとき
定義域全体が軸の左側 → 最小値は右端 x = a + 2 で
M(a) = g(a+2) = (a+2)² - 4(a+2) + 3 = a² - 3
【場合2】a ≤ 2 ≤ a + 2、すなわち 0 ≤ a ≤ 2 のとき
軸が定義域内 → 最小値は頂点で
M(a) = -1
【場合3】a > 2 のとき
定義域全体が軸の右側 → 最小値は左端 x = a で
M(a) = g(a) = a² - 4a + 3
(3)
- a < 0 のとき:M(a) = a² - 3 は a = 0 で最小値 -3 に近づく
- 0 ≤ a ≤ 2 のとき:M(a) = -1(定数)
- a > 2 のとき:M(a) = a² - 4a + 3 = (a-2)² - 1 は a = 2 で最小値 -1
M(a) のグラフを描くと、a 2 で増加となります。
各境界での連続性を確認:
- a → 0⁻ のとき M(a) → -3、a = 0 のとき M(0) = -1 → 不連続(ジャンプあり)
- a = 2 のとき M(2) = -1、a → 2⁺ のとき M(a) → -1 → 連続
M(a) は 0 ≤ a ≤ 2 の範囲で最大値 -1 をとります。
練習問題2:確率と期待値
【練習問題2】
1個のさいころを4回投げるとき、以下の問いに答えよ。
(1) 1の目がちょうど2回出る確率を求めよ。
(2) 出た目の最大値が4である確率を求めよ。
(3) 出た目の数の和の期待値を求めよ。
【解答・解説】
(1)
1の目が出る確率は 1/6、出ない確率は 5/6
4回中ちょうど2回1の目が出る確率は、反復試行の公式より:
₄C₂ × (1/6)² × (5/6)² = 6 × (1/36) × (25/36) = 150/1296 = 25/216
(2)
「最大値が4」= 「すべて4以下」かつ「少なくとも1回は4が出る」
P(最大値が4) = P(すべて4以下) - P(すべて3以下)
P(すべて4以下) = (4/6)⁴ = (2/3)⁴ = 16/81
P(すべて3以下) = (3/6)⁴ = (1/2)⁴ = 1/16
P(最大値が4) = 16/81 - 1/16 = (256 - 81)/1296 = 175/1296
💡 ポイント:「最大値がkである確率」は、「最大値がk以下の確率」から「最大値がk-1以下の確率」を引くと求められます。これは頻出パターンです!
(3)
1回投げたときの出た目の期待値を E₁ とすると:
E₁ = (1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6) / 6 = 21/6 = 7/2
4回投げたときの和の期待値は、期待値の線形性より:
E = 4 × E₁ = 4 × 7/2 = 14
練習問題3:ベクトルと面積
【練習問題3】
三角形ABCにおいて、AB = 5, AC = 4, ∠BAC = 60° とする。辺BCを 2:1 に内分する点をD、辺ACの中点をMとする。
→AB = →b, →AC = →c とするとき、以下の問いに答えよ。
(1) →b · →c を求めよ。
(2) →AD, →AM を →b, →c を用いて表せ。
(3) 線分ADと線分BMの交点をPとするとき、→AP を →b, →c を用いて表せ。
(4) 三角形ABPの面積を求めよ。
【解答・解説】
(1)
→b · →c = |→b| × |→c| × cos∠BAC
= 5 × 4 × cos60°
= 20 × (1/2)
= 10
(2)
点D:辺BCを 2:1 に内分する点
→AD = →AB + →BD = →AB + (2/3)→BC
= →b + (2/3)(→c - →b)
= →b + (2/3)→c - (2/3)→b
= (1/3)→b + (2/3)→c
点M:辺ACの中点
→AM = (1/2)→AC = (1/2)→c
(3)
PはAD上かつBM上の点なので、2通りで表します。
【AD上の点として】
→AP = s→AD = s((1/3)→b + (2/3)→c) = (s/3)→b + (2s/3)→c (0 ≤ s ≤ 1)
【BM上の点として】
→AP = →AB + t→BM = →b + t(→AM - →AB)
= →b + t((1/2)→c - →b)
= (1-t)→b + (t/2)→c (0 ≤ t ≤ 1)
【係数比較】
→b と →c は一次独立なので:
- →b の係数:s/3 = 1 - t ... ①
- →c の係数:2s/3 = t/2 ... ②
②より t = 4s/3
①に代入:s/3 = 1 - 4s/3
s/3 + 4s/3 = 1
5s/3 = 1
s = 3/5
したがって:
→AP = (s/3)→b + (2s/3)→c = (1/5)→b + (2/5)→c
= (1/5)→b + (2/5)→c
(4)
三角形ABCの面積を S₀ とすると:
S₀ = (1/2) × 5 × 4 × sin60° = (1/2) × 20 × (√3/2) = 5√3
→AP = (1/5)→b + (2/5)→c より、
Pは AD を A から 3/5 の位置にあります(s = 3/5 より)。
三角形ABPと三角形ABDの面積比を考えます。
底辺ABを共有し、高さの比が AP:AD = 3/5:1 = 3:5 なので:
S(ABP) = (3/5) × S(ABD)
次に、三角形ABDと三角形ABCの面積比を求めます。
DはBCを2:1に内分するので、BD = (2/3)BC
頂点Aを共有し、底辺の比が BD:BC = 2:3 なので:
S(ABD) = (2/3) × S(ABC) = (2/3) × 5√3 = (10√3)/3
したがって:
S(ABP) = (3/5) × (10√3)/3 = 2√3
まとめ:2017年度香川大学数学の総括
2017年度の香川大学数学を振り返ると、以下のことが言えます:
【2017年度の特徴】
- ✅ 難易度は例年並みの標準レベル
- ✅ 小問による丁寧な誘導形式が継続
- ✅ 二次関数・確率・数列・ベクトルの定番分野から出題
- ✅ 奇をてらった難問はなく、基礎力重視の出題
- ✅ 計算量は適切で、時間内に完答可能な分量
香川大学の数学は、「基礎をしっかり固めた受験生が報われる」良問揃いです。難関大学のような発想力を問う問題は少なく、教科書レベルの理解と標準問題集の演習で十分に対応できます。
合格のカギは:
- 基礎事項の完全理解(公式の導出過程まで含めて)
- 標準問題の反復演習(同じタイプの問題を何度も解く)
- 計算力の強化(ミスなく速く計算する練習)
- 記述力の向上(論理的な答案の書き方を習得)
これらを意識して学習を進めれば、香川大学数学で高得点を取ることは決して難しくありません!
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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日本数学塾・数強塾 講師
藤原進之介
