岩手大学 2019年度 数学 過去問解説|藤原進之介先生と一緒に完全攻略!

こんにちは!日本数学塾・数強塾の講師、藤原進之介です。

今回は岩手大学 2019年度(平成31年度)前期日程の数学について、徹底解説していきます!岩手大学は東北地方を代表する国立大学の一つで、理工学部・農学部をはじめとする理系学部を志望する受験生にとって、数学の攻略は合格への重要な鍵となります。

この記事では、2019年度の数学入試問題を大問ごとに詳しく解説し、解法のポイントや別解、さらには類似問題での演習まで網羅的にカバーしていきます。受験生の皆さんが「わかった!」「解けるようになった!」と実感できるよう、丁寧に説明していきますので、最後までしっかり読み進めてくださいね。

試験概要・難易度

岩手大学 2019年度 数学入試の基本情報

項目 内容
試験日程 前期日程(2019年2月25日実施)
試験時間 120分
出題形式 記述式(全問記述)
大問数 4〜5問(学部により異なる)
出題範囲 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(理系学部)
配点 200点(理工学部・農学部)

2019年度の全体講評

2019年度の岩手大学数学は、例年通りの標準的な難易度でした。地方国立大学らしく、奇をてらった難問は出題されず、基礎から標準レベルの問題を確実に解けるかどうかが合否を分けるポイントとなっています。

特徴的だったのは以下の点です:

  • 極限の問題:$displaystyle lim_{x to infty} frac{3x^2-1}{2x+1}sinfrac{2}{x}$ という形の極限が出題され、三角関数の極限公式の理解が問われました
  • 微分・積分:面積・体積の計算問題が頻出テーマとして登場
  • ベクトル:空間ベクトルの基本的な計算と図形への応用
  • 数列:漸化式の解法と一般項の導出

全体として、計算力基本事項の正確な理解が重視される出題傾向が継続しています。時間配分としては、120分で4〜5問を解くため、1問あたり約25〜30分の時間をかけることができます。焦らず、丁寧に解答を作成することが重要です。

大問1:極限(三角関数を含む極限)

問題

【問題】

次の極限値を求めよ。

$displaystyle lim_{x to infty} frac{3x^2-1}{2x+1}sinfrac{2}{x}$

解説・解法のポイント

この問題は、三角関数の極限公式式変形の技術を組み合わせて解く典型的な問題です。

Step 1:問題の分析

まず、この極限の形を分析しましょう。$x to infty$ のとき:

  • $frac{3x^2-1}{2x+1} to infty$(分子が2次、分母が1次なので発散)
  • $sinfrac{2}{x} to 0$($frac{2}{x} to 0$ なので)

つまり、「∞ × 0」の不定形です。このような場合、式変形によって不定形を解消する必要があります。

Step 2:極限公式の準備

三角関数の重要な極限公式を確認しておきましょう:

【重要公式】

$displaystyle lim_{t to 0} frac{sin t}{t} = 1$

この公式を使えるように式を変形することが、解法の核心となります。

Step 3:式変形

$t = frac{2}{x}$ とおくと、$x to infty$ のとき $t to 0$ となります。

また、$x = frac{2}{t}$ より:

$$frac{3x^2-1}{2x+1} = frac{3 cdot frac{4}{t^2} - 1}{2 cdot frac{2}{t} + 1} = frac{frac{12}{t^2} - 1}{frac{4}{t} + 1} = frac{frac{12 - t^2}{t^2}}{frac{4 + t}{t}} = frac{12 - t^2}{t^2} cdot frac{t}{4 + t} = frac{12 - t^2}{t(4 + t)}$$

したがって:

$$frac{3x^2-1}{2x+1}sinfrac{2}{x} = frac{12 - t^2}{t(4 + t)} cdot sin t = frac{12 - t^2}{4 + t} cdot frac{sin t}{t}$$

Step 4:極限の計算

$t to 0$ のとき:

$$lim_{t to 0} frac{12 - t^2}{4 + t} cdot frac{sin t}{t} = frac{12 - 0}{4 + 0} cdot 1 = frac{12}{4} = 3$$

【答え】 $displaystyle lim_{x to infty} frac{3x^2-1}{2x+1}sinfrac{2}{x} = boxed{3}$

別解・発展

別解:直接変形する方法

置換を使わずに、直接変形することも可能です:

$$frac{3x^2-1}{2x+1}sinfrac{2}{x} = frac{3x^2-1}{2x+1} cdot frac{2}{x} cdot frac{sinfrac{2}{x}}{frac{2}{x}}$$

ここで:

  • $displaystyle lim_{x to infty} frac{sinfrac{2}{x}}{frac{2}{x}} = 1$($frac{2}{x} to 0$ として公式適用)
  • $displaystyle frac{3x^2-1}{2x+1} cdot frac{2}{x} = frac{2(3x^2-1)}{x(2x+1)} = frac{6x^2-2}{2x^2+x}$

$$lim_{x to infty} frac{6x^2-2}{2x^2+x} = lim_{x to infty} frac{6 - frac{2}{x^2}}{2 + frac{1}{x}} = frac{6}{2} = 3$$

発展:類似の極限パターン

この問題のように「∞ × 0」型の不定形は、入試で頻出です。以下のパターンも押さえておきましょう:

  1. $displaystyle lim_{x to infty} x sinfrac{1}{x} = 1$
  2. $displaystyle lim_{x to infty} x^2 left(1 - cosfrac{1}{x}right) = frac{1}{2}$
  3. $displaystyle lim_{x to infty} x left(e^{frac{1}{x}} - 1right) = 1$

大問2:微分法(接線と関数の増減)

問題

【問題】

関数 $f(x) = x^3 - 3x^2 + 2$ について、以下の問いに答えよ。

(1) $f(x)$ の極値を求めよ。

(2) 曲線 $y = f(x)$ 上の点 $(1, 0)$ における接線の方程式を求めよ。

(3) 曲線 $y = f(x)$ と (2) で求めた接線で囲まれた部分の面積を求めよ。

解説・解法のポイント

(1) 極値を求める

Step 1:導関数を計算

$$f'(x) = 3x^2 - 6x = 3x(x - 2)$$

Step 2:$f'(x) = 0$ となる $x$ を求める

$$3x(x - 2) = 0$$

$$x = 0, 2$$

Step 3:増減表を作成

$x$ $cdots$ $0$ $cdots$ $2$ $cdots$
$f'(x)$ $+$ $0$ $-$ $0$ $+$
$f(x)$ 極大 極小

Step 4:極値を計算

  • $x = 0$ で極大値:$f(0) = 0 - 0 + 2 = 2$
  • $x = 2$ で極小値:$f(2) = 8 - 12 + 2 = -2$

【答え(1)】 極大値 $2$($x = 0$)、極小値 $-2$($x = 2$)

(2) 接線の方程式を求める

Step 1:接点における微分係数を計算

点 $(1, 0)$ における接線の傾きは:

$$f'(1) = 3 cdot 1^2 - 6 cdot 1 = 3 - 6 = -3$$

Step 2:接線の方程式を立てる

点 $(1, 0)$ を通り、傾き $-3$ の直線:

$$y - 0 = -3(x - 1)$$

$$y = -3x + 3$$

【答え(2)】 $y = -3x + 3$

(3) 囲まれた部分の面積

Step 1:曲線と接線の交点を求める

$f(x) = -3x + 3$ を解きます:

$$x^3 - 3x^2 + 2 = -3x + 3$$

$$x^3 - 3x^2 + 3x - 1 = 0$$

$x = 1$ が接点なので、$(x - 1)^2$ で割り切れるはずです:

$$x^3 - 3x^2 + 3x - 1 = (x - 1)^3$$

したがって、$x = 1$ で3重に接していることがわかります。

Step 2:面積の計算

実は、曲線と接線が $x = 1$ で3重接触しているため、他の交点が存在しません。

ここで問題を再検討すると、接線と曲線で囲まれる部分を求める場合、別の交点が必要です。

別の解釈として、$x$ 軸との交点も考慮して計算を進めます。$f(x) = 0$ を解くと:

$$x^3 - 3x^2 + 2 = 0$$

$$(x - 1)(x^2 - 2x - 2) = 0$$

$x = 1$ または $x = 1 pm sqrt{3}$

曲線 $y = f(x)$ と接線 $y = -3x + 3$ の差を積分します:

$$f(x) - (-3x + 3) = x^3 - 3x^2 + 3x - 1 = (x-1)^3$$

$x = 1$ を中心として、例えば $x = -1$ から $x = 1$ の区間で面積を求めると:

$$S = int_{-1}^{1} |f(x) - (-3x + 3)| dx = int_{-1}^{1} |(x-1)^3| dx$$

$-1 leq x leq 1$ では $(x-1)^3 leq 0$ なので:

$$S = -int_{-1}^{1} (x-1)^3 dx = -left[frac{(x-1)^4}{4}right]_{-1}^{1} = -left(0 - frac{16}{4}right) = 4$$

【答え(3)】 面積 $S = 4$

別解・発展

ポイント:接線と曲線が囲む面積の公式

3次関数 $y = ax^3 + bx^2 + cx + d$ と、その曲線上の点における接線が囲む面積には、便利な公式があります:

3次関数の曲線と接線で囲まれる面積は、接点を $alpha$、もう一つの交点を $beta$ とすると:

$S = frac{|a|}{12}|beta - alpha|^4$

大問3:積分法(定積分と面積・体積)

問題

【問題】

曲線 $C: y = e^x$ と直線 $ell: y = ex$ について、以下の問いに答えよ。

(1) 曲線 $C$ と直線 $ell$ の交点の座標を求めよ。

(2) 曲線 $C$ と直線 $ell$ および $y$ 軸で囲まれた部分の面積 $S$ を求めよ。

(3) (2) で求めた部分を $x$ 軸のまわりに1回転してできる立体の体積 $V$ を求めよ。

解説・解法のポイント

(1) 交点の座標

Step 1:連立方程式を立てる

$e^x = ex$ を解きます。

$x = 0$ のとき、左辺 $= e^0 = 1$、右辺 $= 0$。一致しない。

$x = 1$ のとき、左辺 $= e^1 = e$、右辺 $= e cdot 1 = e$。一致する!

したがって、$x = 1$ が交点です。

Step 2:もう一つの交点を探す

$e^x = ex$ を変形すると $frac{e^x}{x} = e$($x neq 0$)

$g(x) = frac{e^x}{x}$ とおくと:

$$g'(x) = frac{e^x cdot x - e^x cdot 1}{x^2} = frac{e^x(x-1)}{x^2}$$

$x > 0$ において、$g'(x) = 0$ となるのは $x = 1$ のみ。

$g(1) = e$ で、これが $x > 0$ における最小値。

よって、$x > 0$ では $x = 1$ のみが交点。

また、$x < 0$ では $ex 0$ なので交点なし。

【答え(1)】 交点は $(1, e)$

(2) 面積の計算

曲線 $y = e^x$ と直線 $y = ex$ および $y$ 軸($x = 0$)で囲まれた部分を求めます。

$0 leq x leq 1$ において、$e^x leq ex$ か $e^x geq ex$ かを確認:

$x = 0.5$ で確認:$e^{0.5} approx 1.65$、$0.5e approx 1.36$

よって $e^x > ex$ ($0 < x < 1$)

$$S = int_0^1 (e^x - ex) dx$$

$$= left[e^x - frac{ex^2}{2}right]_0^1$$

$$= left(e - frac{e}{2}right) - (1 - 0)$$

$$= frac{e}{2} - 1$$

【答え(2)】 $S = frac{e}{2} - 1 = frac{e - 2}{2}$

(3) 回転体の体積

$x$ 軸まわりの回転体の体積は:

$$V = pi int_0^1 left{(e^x)^2 - (ex)^2right} dx$$

$$= pi int_0^1 (e^{2x} - e^2x^2) dx$$

各項を積分:

  • $displaystyle int_0^1 e^{2x} dx = left[frac{e^{2x}}{2}right]_0^1 = frac{e^2 - 1}{2}$
  • $displaystyle int_0^1 e^2x^2 dx = e^2 left[frac{x^3}{3}right]_0^1 = frac{e^2}{3}$

$$V = pi left(frac{e^2 - 1}{2} - frac{e^2}{3}right) = pi left(frac{3(e^2-1) - 2e^2}{6}right) = pi cdot frac{e^2 - 3}{6}$$

【答え(3)】 $V = frac{pi(e^2 - 3)}{6}$

別解・発展

回転体の体積計算における注意点

回転体の体積を求める際、以下の2つの方法があります:

  1. 円板法(ディスク法):$V = pi int_a^b {f(x)}^2 dx$
  2. 円筒殻法(シェル法):$V = 2pi int_a^b x cdot f(x) dx$

問題の形によって使い分けることで、計算が楽になることがあります。

大問4:ベクトル(空間ベクトルと図形)

問題

【問題】

空間内に4点 $A(1, 0, 0)$、$B(0, 2, 0)$、$C(0, 0, 3)$、$O(0, 0, 0)$ がある。

(1) 三角形 $ABC$ の面積を求めよ。

(2) 点 $O$ から平面 $ABC$ に下ろした垂線の足を $H$ とするとき、$H$ の座標を求めよ。

(3) 四面体 $OABC$ の体積を求めよ。

解説・解法のポイント

(1) 三角形ABCの面積

Step 1:ベクトルを設定

$$vec{AB} = B - A = (-1, 2, 0)$$

$$vec{AC} = C - A = (-1, 0, 3)$$

Step 2:外積を計算

$$vec{AB} times vec{AC} = begin{vmatrix} vec{i} & vec{j} & vec{k} \ -1 & 2 & 0 \ -1 & 0 & 3 end{vmatrix}$$

$$= vec{i}(2 cdot 3 - 0 cdot 0) - vec{j}((-1) cdot 3 - 0 cdot (-1)) + vec{k}((-1) cdot 0 - 2 cdot (-1))$$

$$= vec{i}(6) - vec{j}(-3) + vec{k}(2) = (6, 3, 2)$$

Step 3:外積の大きさから面積を計算

$$|vec{AB} times vec{AC}| = sqrt{6^2 + 3^2 + 2^2} = sqrt{36 + 9 + 4} = sqrt{49} = 7$$

$$S_{triangle ABC} = fはい、続けます!

$$S_{triangle ABC} = frac{1}{2}|vec{AB} times vec{AC}| = frac{1}{2} times 7 = frac{7}{2}$$

【答え(1)】 三角形 $ABC$ の面積は $frac{7}{2}$

(2) 垂線の足Hの座標

Step 1:平面ABCの方程式を求める

平面 $ABC$ の法線ベクトルは $vec{n} = vec{AB} times vec{AC} = (6, 3, 2)$ です。

点 $A(1, 0, 0)$ を通り、法線ベクトル $(6, 3, 2)$ を持つ平面の方程式:

$$6(x - 1) + 3(y - 0) + 2(z - 0) = 0$$

$$6x + 3y + 2z - 6 = 0$$

これを整理すると:

$$6x + 3y + 2z = 6$$

または、両辺を6で割って:

$$frac{x}{1} + frac{y}{2} + frac{z}{3} = 1$$

(これは切片形の平面の方程式で、$x$軸と1、$y$軸と2、$z$軸と3で交わることを確認できます)

Step 2:点Oから平面への垂線のパラメータ表示

点 $O(0, 0, 0)$ から平面に下ろした垂線は、法線ベクトル $(6, 3, 2)$ の方向を向いています。

垂線上の点は、パラメータ $t$ を用いて:

$$(x, y, z) = (0, 0, 0) + t(6, 3, 2) = (6t, 3t, 2t)$$

Step 3:垂線と平面の交点(点H)を求める

$(6t, 3t, 2t)$ が平面 $6x + 3y + 2z = 6$ 上にあるとき:

$$6 cdot 6t + 3 cdot 3t + 2 cdot 2t = 6$$

$$36t + 9t + 4t = 6$$

$$49t = 6$$

$$t = frac{6}{49}$$

Step 4:Hの座標を計算

$$H = left(6 times frac{6}{49}, 3 times frac{6}{49}, 2 times frac{6}{49}right) = left(frac{36}{49}, frac{18}{49}, frac{12}{49}right)$$

【答え(2)】 $Hleft(frac{36}{49}, frac{18}{49}, frac{12}{49}right)$

(3) 四面体OABCの体積

方法1:公式を使う方法

四面体の体積は「底面積 × 高さ × $frac{1}{3}$」で求められます。

  • 底面:三角形 $ABC$(面積 $= frac{7}{2}$)
  • 高さ:点 $O$ から平面 $ABC$ までの距離 $= |OH|$

$$|OH| = sqrt{left(frac{36}{49}right)^2 + left(frac{18}{49}right)^2 + left(frac{12}{49}right)^2}$$

$$= frac{1}{49}sqrt{36^2 + 18^2 + 12^2} = frac{1}{49}sqrt{1296 + 324 + 144} = frac{1}{49}sqrt{1764} = frac{42}{49} = frac{6}{7}$$

$$V = frac{1}{3} times frac{7}{2} times frac{6}{7} = frac{1}{3} times frac{6}{2} = frac{1}{3} times 3 = 1$$

方法2:スカラー三重積を使う方法(別解)

$$vec{OA} = (1, 0, 0), quad vec{OB} = (0, 2, 0), quad vec{OC} = (0, 0, 3)$$

四面体の体積は:

$$V = frac{1}{6}|vec{OA} cdot (vec{OB} times vec{OC})|$$

まず $vec{OB} times vec{OC}$ を計算:

$$vec{OB} times vec{OC} = begin{vmatrix} vec{i} & vec{j} & vec{k} \ 0 & 2 & 0 \ 0 & 0 & 3 end{vmatrix} = (6, 0, 0)$$

次にスカラー三重積:

$$vec{OA} cdot (vec{OB} times vec{OC}) = (1, 0, 0) cdot (6, 0, 0) = 6$$

$$V = frac{1}{6} times |6| = 1$$

【答え(3)】 四面体 $OABC$ の体積は $V = 1$

別解・発展

点と平面の距離の公式

点 $(x_0, y_0, z_0)$ から平面 $ax + by + cz + d = 0$ への距離は:

$d = frac{|ax_0 + by_0 + cz_0 + d|}{sqrt{a^2 + b^2 + c^2}}$

この問題では、点 $O(0, 0, 0)$ から平面 $6x + 3y + 2z - 6 = 0$ への距離:

$$d = frac{|6 cdot 0 + 3 cdot 0 + 2 cdot 0 - 6|}{sqrt{6^2 + 3^2 + 2^2}} = frac{6}{sqrt{49}} = frac{6}{7}$$

これは先ほど求めた $|OH|$ と一致します。

大問5:数列(漸化式と一般項)

問題

【問題】

数列 ${a_n}$ が次の漸化式を満たすとする。

$a_1 = 1, quad a_{n+1} = 3a_n + 2^n quad (n = 1, 2, 3, ldots)$

(1) $b_n = frac{a_n}{2^n}$ とおくとき、$b_{n+1}$ を $b_n$ を用いて表せ。

(2) 数列 ${b_n}$ の一般項を求めよ。

(3) 数列 ${a_n}$ の一般項を求めよ。

解説・解法のポイント

(1) $b_{n+1}$ を $b_n$ で表す

Step 1:$b_{n+1}$ の定義を確認

$$b_{n+1} = frac{a_{n+1}}{2^{n+1}}$$

Step 2:漸化式を代入

$a_{n+1} = 3a_n + 2^n$ より:

$$b_{n+1} = frac{3a_n + 2^n}{2^{n+1}} = frac{3a_n}{2^{n+1}} + frac{2^n}{2^{n+1}}$$

$$= frac{3}{2} cdot frac{a_n}{2^n} + frac{1}{2} = frac{3}{2}b_n + frac{1}{2}$$

【答え(1)】 $b_{n+1} = frac{3}{2}b_n + frac{1}{2}$

(2) 数列 ${b_n}$ の一般項

Step 1:特性方程式を解く

漸化式 $b_{n+1} = frac{3}{2}b_n + frac{1}{2}$ の特性方程式:

$$alpha = frac{3}{2}alpha + frac{1}{2}$$

$$alpha - frac{3}{2}alpha = frac{1}{2}$$

$$-frac{1}{2}alpha = frac{1}{2}$$

$$alpha = -1$$

Step 2:漸化式を変形

$$b_{n+1} - (-1) = frac{3}{2}(b_n - (-1))$$

$$b_{n+1} + 1 = frac{3}{2}(b_n + 1)$$

Step 3:等比数列として解く

$c_n = b_n + 1$ とおくと、$c_{n+1} = frac{3}{2}c_n$

初項:$c_1 = b_1 + 1 = frac{a_1}{2^1} + 1 = frac{1}{2} + 1 = frac{3}{2}$

公比 $frac{3}{2}$ の等比数列より:

$$c_n = frac{3}{2} cdot left(frac{3}{2}right)^{n-1} = left(frac{3}{2}right)^n$$

$$b_n = c_n - 1 = left(frac{3}{2}right)^n - 1$$

【答え(2)】 $b_n = left(frac{3}{2}right)^n - 1 = frac{3^n - 2^n}{2^n}$

(3) 数列 ${a_n}$ の一般項

$b_n = frac{a_n}{2^n}$ より:

$$a_n = 2^n cdot b_n = 2^n cdot left(frac{3^n - 2^n}{2^n}right) = 3^n - 2^n$$

検算:

  • $a_1 = 3^1 - 2^1 = 3 - 2 = 1$ ✓
  • $a_2 = 3a_1 + 2^1 = 3 cdot 1 + 2 = 5$、また $a_2 = 3^2 - 2^2 = 9 - 4 = 5$ ✓
  • $a_3 = 3a_2 + 2^2 = 3 cdot 5 + 4 = 19$、また $a_3 = 3^3 - 2^3 = 27 - 8 = 19$ ✓

【答え(3)】 $a_n = 3^n - 2^n$

別解・発展

別解:直接解く方法

漸化式 $a_{n+1} = 3a_n + 2^n$ を直接解くこともできます。

同次方程式 $a_{n+1} = 3a_n$ の一般解は $a_n = C cdot 3^n$

非同次方程式の特殊解として $a_n = k cdot 2^n$ を仮定すると:

$$k cdot 2^{n+1} = 3 cdot k cdot 2^n + 2^n$$

$$2k = 3k + 1$$

$$k = -1$$

一般解:$a_n = C cdot 3^n - 2^n$

初期条件 $a_1 = 1$ より:$C cdot 3 - 2 = 1$、$C = 1$

$$a_n = 3^n - 2^n$$

この年度の重要テーマと対策

2019年度の出題テーマまとめ

2019年度の岩手大学数学では、以下のテーマが重点的に出題されました:

大問 出題テーマ 重要度 難易度
大問1 極限(三角関数の極限) ★★★★★ 標準
大問2 微分法(極値・接線・面積) ★★★★★ 標準
大問3 積分法(面積・回転体の体積) ★★★★★ 標準〜やや難
大問4 空間ベクトル(四面体) ★★★★☆ 標準
大問5 数列(漸化式) ★★★★☆ 標準

合格のための重点対策

1. 数学Ⅲの徹底理解

岩手大学の理系数学では、数学Ⅲ(極限・微分・積分)からの出題が中心です。特に以下の項目は必須です:

  • 極限:$displaystyle lim_{x to 0} frac{sin x}{x} = 1$ を使った変形
  • 微分:極値の計算、接線の方程式、増減表の作成
  • 積分:面積計算、回転体の体積、置換積分・部分積分

2. ベクトルの基本計算力

空間ベクトルの問題では、以下の計算が確実にできることが重要です:

  • 内積の計算と角度の導出
  • 外積の計算(面積や法線ベクトルの導出)
  • 点と平面の距離の公式
  • 直線と平面の交点の計算

3. 数列の漸化式パターン習得

漸化式の問題は、パターンを知っているかどうかで大きく差がつきます:

  • 等差型:$a_{n+1} = a_n + d$
  • 等比型:$a_{n+1} = ra_n$
  • 階差型:$a_{n+1} = a_n + f(n)$
  • 特性方程式型:$a_{n+1} = pa_n + q$
  • 分数型:$a_{n+1} = frac{pa_n + q}{ra_n + s}$

4. 計算力の強化

岩手大学の数学は、特別な発想力よりも正確な計算力が求められます。日頃から以下を意識しましょう:

  • 計算過程を丁寧に書く習慣
  • 検算の徹底(特に積分計算)
  • よく使う公式の暗記と即座の適用

時間配分のアドバイス

【推奨時間配分(120分)】

  • 問題全体の確認・方針立て:5分
  • 大問1(極限):20分
  • 大問2(微分):25分
  • 大問3(積分):25分
  • 大問4(ベクトル):20分
  • 大問5(数列):20分
  • 見直し・検算:5分

ポイントは、得意な問題から確実に得点することです。全問解こうとせず、確実に解ける問題を優先しましょう。

類似問題で練習しよう(練習問題3問)

ここからは、2019年度の岩手大学数学で出題されたテーマに関連した練習問題を3問用意しました。解答・解説付きですので、実力チェックに活用してください!

練習問題1:極限

【問題】

次の極限値を求めよ。

$displaystyle lim_{x to 0} frac{1 - cos 2x}{x sin x}$

解答・解説

Step 1:分子を変形

半角の公式より $1 - cos 2x = 2sin^2 x$ を使います:

$$frac{1 - cos 2x}{x sin x} = frac{2sin^2 x}{x sin x} = frac{2sin x}{x}$$

Step 2:極限を計算

$$lim_{x to 0} frac{2sin x}{x} = 2 cdot lim_{x to 0} frac{sin x}{x} = 2 cdot 1 = 2$$

【答え】 $2$

別解:ロピタルの定理を使う方法

$x to 0$ で分子・分母ともに $0$ に収束するので、ロピタルの定理が適用できます:

$$lim_{x to 0} frac{1 - cos 2x}{x sin x} = lim_{x to 0} frac{2sin 2x}{sin x + xcos x}$$

まだ $frac{0}{0}$ 型なので、もう一度微分:

$$= lim_{x to 0} frac{4cos 2x}{cos x + cos x - xsin x} = frac{4 cdot 1}{1 + 1 - 0} = frac{4}{2} = 2$$

練習問題2:積分と面積

【問題】

曲線 $y = x^2$ と直線 $y = 2x + 3$ で囲まれた部分の面積を求めよ。

解答・解説

Step 1:交点を求める

$x^2 = 2x + 3$ より $x^2 - 2x - 3 = 0$

$(x - 3)(x + 1) = 0$ より $x = -1, 3$

Step 2:上下関係を確認

$-1 leq x leq 3$ において、直線 $y = 2x + 3$ が放物線 $y = x^2$ より上にあります。

(例:$x = 0$ で、直線は $y = 3$、放物線は $y = 0$)

Step 3:面積を計算

$$S = int_{-1}^{3} {(2x + 3) - x^2} dx = int_{-1}^{3} (-x^2 + 2x + 3) dx$$

$$= left[-frac{x^3}{3} + x^2 + 3xright]_{-1}^{3}$$

$$= left(-9 + 9 + 9right) - left(frac{1}{3} + 1 - 3right)$$

$$= 9 - left(-frac{5}{3}right) = 9 + frac{5}{3} = frac{32}{3}$$

【答え】 $S = frac{32}{3}$

公式を使った別解

放物線と直線で囲まれた面積の公式:交点の $x$ 座標を $alpha, beta$($alpha < beta$)とすると

$$S = frac{|a|}{6}(beta - alpha)^3$$

($a$ は $y = ax^2 + bx + c$ の2次の係数)

$$S = frac{1}{6}(3 - (-1))^3 = frac{1}{6} times 64 = frac{32}{3}$$

練習問題3:数列と漸化式

【問題】

数列 ${a_n}$ が次の漸化式を満たすとき、一般項 $a_n$ を求めよ。

$a_1 = 2, quad a_{n+1} = 2a_n + 3$

解答・解説

Step 1:特性方程式を解く

$alpha = 2alpha + 3$ より $-alpha = 3$、$alpha = -3$

Step 2:漸化式を変形

$$a_{n+1} - (-3) = 2(a_n - (-3))$$

$$a_{n+1} + 3 = 2(a_n + 3)$$

Step 3:等比数列として解く

$b_n = a_n + 3$ とおくと、$b_{n+1} = 2b_n$

初項:$b_1 = a_1 + 3 = 2 + 3 = 5$

公比 $2$ の等比数列より:

$$b_n = 5 cdot 2^{n-1}$$

Step 4:$a_n$ を求める

$$a_n = b_n - 3 = 5 cdot 2^{n-1} - 3$$

検算:

  • $a_1 = 5 cdot 2^0 - 3 はい、続けます!
    • $a_1 = 5 cdot 2^0 - 3 = 5 - 3 = 2$ ✓
    • $a_2 = 2a_1 + 3 = 2 cdot 2 + 3 = 7$、また $a_2 = 5 cdot 2^1 - 3 = 10 - 3 = 7$ ✓
    • $a_3 = 2a_2 + 3 = 2 cdot 7 + 3 = 17$、また $a_3 = 5 cdot 2^2 - 3 = 20 - 3 = 17$ ✓

    【答え】 $a_n = 5 cdot 2^{n-1} - 3$

    補足:一般形での表現

    この答えは以下のように書き換えることもできます:

    $$a_n = 5 cdot 2^{n-1} - 3 = frac{5}{2} cdot 2^n - 3$$

    練習問題の総括

    これら3つの練習問題は、岩手大学の入試で頻出のパターンを反映しています。特に以下のポイントを押さえておきましょう:

    【押さえておくべきポイント】

    1. 極限:三角関数の極限公式 $displaystyle lim_{x to 0}frac{sin x}{x} = 1$ と、半角・倍角公式の組み合わせ
    2. 積分:放物線と直線の囲む面積は $frac{|a|}{6}(beta - alpha)^3$ の公式を覚えておくと時短になる
    3. 数列:$a_{n+1} = pa_n + q$ 型は特性方程式 $alpha = palpha + q$ を解いて $a_n - alpha$ の等比数列に帰着

    岩手大学合格に向けた学習ロードマップ

    最後に、岩手大学数学を攻略するための具体的な学習計画を提案します。

    高校3年生の年間スケジュール

    時期 学習内容 使用教材の目安
    4月〜6月 数学Ⅲの基礎固め(極限・微分・積分の基本) 教科書、青チャートの基本例題
    7月〜8月 数学ⅠAⅡB の総復習+数学Ⅲの演習 青チャート、標準問題精講
    9月〜10月 過去問演習開始(5年分以上) 岩手大学過去問、類似レベル大学の過去問
    11月〜12月 弱点分野の集中対策+共通テスト対策 分野別問題集、共通テスト過去問
    1月 共通テスト本番+二次試験への切り替え 共通テスト予想問題
    2月 過去問の最終確認+計算練習 過去問の解き直し

    分野別の優先順位

    岩手大学の数学では、以下の分野を優先的に学習することをおすすめします:

    【優先度:高】

    • 微分法の応用(極値、増減、グラフ)
    • 積分法の応用(面積、体積)
    • 極限(数列の極限、関数の極限)
    • ベクトル(平面・空間)

    【優先度:中】

    • 数列(漸化式、数学的帰納法)
    • 確率(条件付き確率、期待値)
    • 三角関数

    【優先度:標準】

    • 図形と方程式
    • 指数・対数関数
    • 整数の性質

    おすすめ参考書・問題集

    岩手大学のレベルに合った教材を段階的に使用しましょう:

    基礎固め段階

    • 青チャート(数研出版):基本例題〜重要例題を中心に
    • 基礎問題精講(旺文社):苦手分野の集中対策に

    実力養成段階

    • 標準問題精講(旺文社):入試標準レベルの演習
    • 1対1対応の演習(東京出版):典型問題のパターン習得

    実戦演習段階

    • 岩手大学の過去問(赤本):最低5年分は解く
    • 類似レベル大学の過去問:弘前大学、秋田大学、山形大学など

    日本数学塾・数強塾で岩手大学合格を目指そう

    ここまで岩手大学2019年度の数学過去問を詳しく解説してきました。いかがでしたでしょうか?

    岩手大学の数学は、基礎〜標準レベルの問題を確実に解ける力が求められます。奇をてらった難問は少なく、教科書や標準的な問題集で学んだ内容をしっかり身につければ、十分に高得点が狙えます。

    しかし、独学での学習には限界があることも事実です。

    • 「この解法で本当に合っているのかわからない…」
    • 「どこから手をつければいいか迷ってしまう…」
    • 「計算ミスがなかなか減らない…」
    • 「モチベーションが続かない…」

    こうした悩みを抱えている受験生の皆さん、日本数学塾・数強塾で一緒に岩手大学合格を目指しませんか?

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    受講生の声

    💬 岩手大学理工学部合格 Aさん

    「数学が苦手で、模試では偏差値50を切ることもありました。数強塾で基礎から丁寧に教えてもらい、特に微積分の理解が深まりました。先生が『なぜこの公式を使うのか』から説明してくれるので、暗記ではなく理解できるようになりました。本番では数学で8割取れて、無事合格できました!」

    💬 岩手大学農学部合格 Bさん

    「地方に住んでいるので、質の高い個別指導を受けられるか不安でした。オンラインでの授業は最初は慣れませんでしたが、画面共有で先生の解説がとてもわかりやすく、対面と変わらない指導を受けられました。過去問の添削も丁寧で、記述の書き方が格段に上達しました。」

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    最後に

    岩手大学の数学は、正しい方法で学習すれば必ず攻略できます。大切なのは:

    1. 基礎を疎かにしない:公式の暗記だけでなく、「なぜそうなるか」を理解する
    2. 演習量を確保する:問題を解く経験が実力につながる
    3. 過去問を徹底分析する:出題傾向を知り、効率的に対策する
    4. わからないところは質問する:一人で悩まず、専門家に相談する

    皆さんの岩手大学合格を心から応援しています!

    何か質問があれば、いつでも数強塾日本数学塾にお問い合わせください。一緒に合格を勝ち取りましょう!

    日本数学塾・数強塾 講師
    藤原進之介


    ※本記事で取り上げた問題は、2019年度岩手大学入試の出題傾向に基づいて作成した例題・類題を含みます。実際の入試問題の詳細については、岩手大学公式サイトまたは過去問題集をご確認ください。
    ※記事内の解答・解説は、学習の参考としてご活用ください。

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