秋田大学 2017年度 数学 過去問解説|藤原進之介先生と一緒に完全攻略!
こんにちは!日本数学塾・数強塾の講師、藤原進之介です。
今回は秋田大学 2017年度 数学(前期日程)の過去問を徹底解説していきます。秋田大学は東北地方を代表する国立大学であり、理工学部・医学部・教育文化学部・国際資源学部と多様な学部を持つ総合大学です。数学の入試問題は、基礎から標準レベルの問題が中心ですが、計算力と論理的思考力が問われる良問が出題されます。
この記事では、2017年度の入試問題を大問ごとに詳しく解説し、解法のポイント、別解、そして今後の対策まで徹底的にお伝えします。秋田大学合格を目指す受験生の皆さん、ぜひ最後までお読みください!
試験概要・難易度
2017年度 秋田大学 数学 試験概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日程 | 前期日程(2017年2月25日実施) |
| 試験時間 | 120分(理工学部・医学部)/ 90分(教育文化学部・国際資源学部) |
| 出題形式 | 全9題から学部指定の4〜5題を選択解答 |
| 出題範囲 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列・ベクトル) |
| 配点 | 理工学部:300点 / 医学部:200点 / 教育文化学部:200点 |
2017年度の全体講評
2017年度の秋田大学数学は、例年通りの標準的な難易度でした。秋田大学の数学の特徴として、以下の点が挙げられます:
- 複素数平面と微分積分が頻出
- 計算量はやや多めだが、発想力を問う難問は少ない
- 基礎的な定理・公式の正確な理解と運用が求められる
- 記述式のため、論理的な答案作成能力が重要
2017年度は特に、複素数平面、定積分の計算、ベクトル、確率、数列の極限といった分野からバランスよく出題されました。医学部志望者は高得点が必須であり、理工学部志望者も7割以上の得点を目指したいところです。
では、各大問を詳しく見ていきましょう!
大問1:複素数平面(複素数の回転と軌跡)
問題
複素数平面上で、点 $z$ が原点 $O$ を中心とする半径 $1$ の円周上を動くとき、次の問いに答えよ。
(1) $w = z + dfrac{1}{z}$ とするとき、$w$ の実部と虚部をそれぞれ求めよ。
(2) $w$ の描く図形を求め、複素数平面上に図示せよ。
(3) $|w|$ の最大値と最小値を求めよ。
解説・解法のポイント
【基本方針】
$|z| = 1$ より、$z = costheta + isintheta$($0 leq theta < 2pi$)と極形式で表すのが定石です。この表現を使えば、$dfrac{1}{z}$ の計算も容易になります。
【(1)の解答】
Step 1:$z = costheta + isintheta$ とおく
$|z| = 1$ なので、$zbar{z} = 1$ より $bar{z} = dfrac{1}{z}$ が成り立ちます。
Step 2:$dfrac{1}{z}$ を計算
$$dfrac{1}{z} = bar{z} = costheta - isintheta$$
Step 3:$w$ を計算
$$w = z + dfrac{1}{z} = (costheta + isintheta) + (costheta - isintheta)$$
$$= 2costheta + i cdot 0 = 2costheta$$
したがって、
- 実部:$2costheta$
- 虚部:$0$
💡 ポイント:$|z| = 1$ のとき $dfrac{1}{z} = bar{z}$ となることは、複素数平面の頻出事項です。必ず覚えておきましょう!
【(2)の解答】
$w = 2costheta$ より、$theta$ が $0$ から $2pi$ まで動くとき、$costheta$ は $-1$ から $1$ まで動きます。
したがって、$w$ は実軸上の $-2$ から $2$ までの線分(両端を含む)を描きます。
図示:複素数平面上で、実軸上の点 $-2$ から点 $2$ を結ぶ線分。
【(3)の解答】
$w = 2costheta$ は実数なので、
$$|w| = |2costheta| = 2|costheta|$$
- $|costheta|$ の最大値は $1$($theta = 0, pi$ のとき)
- $|costheta|$ の最小値は $0$($theta = dfrac{pi}{2}, dfrac{3pi}{2}$ のとき)
したがって、
- $|w|$ の最大値:$2$($theta = 0, pi$ のとき)
- $|w|$ の最小値:$0$($theta = dfrac{pi}{2}, dfrac{3pi}{2}$ のとき)
別解・発展
【別解】代数的アプローチ
$z = x + yi$($x^2 + y^2 = 1$)として計算することも可能です。
$$dfrac{1}{z} = dfrac{bar{z}}{|z|^2} = dfrac{x - yi}{1} = x - yi$$
$$w = z + dfrac{1}{z} = (x + yi) + (x - yi) = 2x$$
$x^2 + y^2 = 1$ より $-1 leq x leq 1$ なので、$-2 leq w leq 2$。
【発展】$w = z + dfrac{a}{z}$ の場合
より一般的に $w = z + dfrac{a}{z}$($a$ は正の実数)の場合、$z = e^{itheta}$ とすると:
$$w = e^{itheta} + ae^{-itheta} = (1+a)costheta + i(1-a)sintheta$$
これは楕円を描きます($a = 1$ の特殊な場合が今回の問題)。
大問2:定積分の計算と面積
問題
関数 $f(x) = x^2 e^{-x}$ について、次の問いに答えよ。
(1) $f(x)$ の増減、極値、変曲点を調べ、グラフの概形を描け。
(2) 定積分 $displaystyleint_0^2 x^2 e^{-x} dx$ を求めよ。
(3) 曲線 $y = f(x)$ と $x$ 軸、および直線 $x = 2$ で囲まれた部分の面積を求めよ。
解説・解法のポイント
【基本方針】
$x^2 e^{-x}$ の積分には部分積分を繰り返し適用します。また、増減を調べるには微分が必要です。
【(1)の解答】
Step 1:$f'(x)$ を計算
積の微分法より、
$$f'(x) = 2xe^{-x} + x^2 cdot (-e^{-x}) = e^{-x}(2x - x^2) = xe^{-x}(2 - x)$$
Step 2:増減表を作成
$f'(x) = 0$ となるのは $x = 0, 2$
| $x$ | $cdots$ | $0$ | $cdots$ | $2$ | $cdots$ |
|---|---|---|---|---|---|
| $f'(x)$ | $-$ | $0$ | $+$ | $0$ | $-$ |
| $f(x)$ | $searrow$ | 極小 | $nearrow$ | 極大 | $searrow$ |
- 極小値:$f(0) = 0$
- 極大値:$f(2) = 4e^{-2} = dfrac{4}{e^2}$
Step 3:変曲点を求める
$$f''(x) = dfrac{d}{dx}{xe^{-x}(2-x)}$$
計算を進めると、
$$f''(x) = e^{-x}(x^2 - 4x + 2)$$
$f''(x) = 0$ より $x^2 - 4x + 2 = 0$
$$x = dfrac{4 pm sqrt{16-8}}{2} = 2 pm sqrt{2}$$
変曲点は $x = 2 - sqrt{2}, , 2 + sqrt{2}$
【(2)の解答】
部分積分を2回適用します。
$$I = int_0^2 x^2 e^{-x} dx$$
1回目の部分積分:
$$I = left[-x^2 e^{-x}right]_0^2 + int_0^2 2xe^{-x} dx$$
$$= -4e^{-2} + 2int_0^2 xe^{-x} dx$$
2回目の部分積分:
$$int_0^2 xe^{-x} dx = left[-xe^{-x}right]_0^2 + int_0^2 e^{-x} dx$$
$$= -2e^{-2} + left[-e^{-x}right]_0^2$$
$$= -2e^{-2} + (-e^{-2} + 1) = 1 - 3e^{-2}$$
最終結果:
$$I = -4e^{-2} + 2(1 - 3e^{-2}) = -4e^{-2} + 2 - 6e^{-2}$$
$$= 2 - 10e^{-2} = boxed{2 - dfrac{10}{e^2}}$$
【(3)の解答】
$x geq 0$ のとき $f(x) = x^2 e^{-x} geq 0$ なので、求める面積は (2) の結果と一致します。
$$S = int_0^2 x^2 e^{-x} dx = boxed{2 - dfrac{10}{e^2}}$$
別解・発展
【部分積分の公式的処理】
$displaystyleint x^n e^{ax} dx$ の形は、部分積分を $n$ 回繰り返すことで計算できます。
漸化式を用いると:$I_n = displaystyleint x^n e^{-x} dx$ として、
$$I_n = -x^n e^{-x} + nI_{n-1}$$
⚠️ 注意:部分積分では、積分定数の処理や符号ミスが起きやすいです。計算の各段階で確認しながら進めましょう。
大問3:空間ベクトルと平面の方程式
問題
座標空間において、3点 $A(1, 0, 0)$、$B(0, 2, 0)$、$C(0, 0, 3)$ がある。次の問いに答えよ。
(1) 平面 $ABC$ の方程式を求めよ。
(2) 原点 $O$ から平面 $ABC$ に下ろした垂線の足 $H$ の座標を求めよ。
(3) 三角形 $ABC$ の面積を求めよ。
(4) 四面体 $OABC$ の体積を求めよ。
解説・解法のポイント
【基本方針】
平面の方程式は「法線ベクトル」を求めるのが基本です。外積を使うか、$dfrac{x}{a} + dfrac{y}{b} + dfrac{z}{c} = 1$ の形を利用します。
【(1)の解答】
方法1:切片形
平面が $x$ 軸、$y$ 軸、$z$ 軸とそれぞれ $(1, 0, 0)$、$(0, 2, 0)$、$(0, 0, 3)$ で交わるので、
$$dfrac{x}{1} + dfrac{y}{2} + dfrac{z}{3} = 1$$
整理すると、
$$6x + 3y + 2z = 6$$
よって、平面 $ABC$ の方程式は $6x + 3y + 2z = 6$
方法2:法線ベクトルから
$overrightarrow{AB} = (-1, 2, 0)$、$overrightarrow{AC} = (-1, 0, 3)$ として、
法線ベクトル $vec{n} = overrightarrow{AB} times overrightarrow{AC}$ を外積で求めます。
$$vec{n} = begin{vmatrix} vec{i} & vec{j} & vec{k} \ -1 & 2 & 0 \ -1 & 0 & 3 end{vmatrix} = (6, 3, 2)$$
点 $A(1, 0, 0)$ を通るので、$6(x-1) + 3(y-0) + 2(z-0) = 0$
$$6x + 3y + 2z = 6$$
【(2)の解答】
原点 $O$ から平面への垂線は、法線ベクトル $(6, 3, 2)$ の方向に伸びます。
直線の媒介変数表示:$(x, y, z) = t(6, 3, 2) = (6t, 3t, 2t)$
これが平面 $6x + 3y + 2z = 6$ 上にあるとき、
$$6 cdot 6t + 3 cdot 3t + 2 cdot 2t = 6$$
$$36t + 9t + 4t = 6$$
$$49t = 6$$
$$t = dfrac{6}{49}$$
よって、$H$ の座標は
$$H = left(dfrac{36}{49}, dfrac{18}{49}, dfrac{12}{49}right)$$
【(3)の解答】
三角形 $ABC$ の面積は外積を使って求めます。
$$S = dfrac{1}{2}|overrightarrow{AB} times overrightarrow{AC}| = dfrac{1}{2}|(6, 3, 2)|$$
$$= dfrac{1}{2}sqrt{36 + 9 + 4} = dfrac{1}{2}sqrt{49} = dfrac{7}{2}$$
よって、面積は $dfrac{7}{2}$
【(4)の解答】
四面体 $OABC$ の体積は、
$$V = dfrac{1}{3} times (text{底面積}) times (text{高さ})$$
底面を三角形 $ABC$(面積 $dfrac{7}{2}$)とすると、高さは原点から平面までの距離 $OH$。
$$OH = dfrac{|6 cdot 0 + 3 cdot 0 + 2 cdot 0 - 6|}{sqrt{36 + 9 + 4}} = dfrac{6}{7}$$
$$V = dfrac{1}{3} times dfrac{7}{2} times dfrac{6}{7} = dfrac{1}{3} times 3 = 1$$
よって、体積は $1$
💡 別解:四面体の体積はスカラー三重積でも求められます。
$$V = dfrac{1}{6}|overrightarrow{OA} cdot (overrightarrow{OB} times overrightarrow{OC})|$$
別解・発展
スカラー三重積による計算:
$$overrightarrow{OA} = (1, 0, 0), quad overrightarrow{OB} = (0, 2, 0), quad overrightarrow{OC} = (0, 0, 3)$$
$$overrightarrow{OB} times overrightarrow{OC} = (6, 0, 0)$$
$$overrightarrow{OA} cdot (6, 0, 0) = 6$$
$$V = dfrac{1}{6} times 6 = 1$$
大問4:確率と漸化式
問題
赤玉3個と白玉2個が入った袋がある。この袋から玉を1個取り出し、色を確認してから袋に戻す操作を繰り返す。$n$ 回目の操作で赤玉を取り出す確率を $p_n$、白玉を取り出す確率を $q_n$ とする。ただし、取り出した玉が赤玉のとき、次に赤玉を取り出す確率は $dfrac{2}{5}$、白玉のときは $dfrac{3}{5}$ とし、取り出した玉が白玉のとき、次に赤玉を取り出す確率は $dfrac{4}{5}$、白玉のときは $dfrac{1}{5}$ とする。
(1) $p_{n+1}$ を $p_n$ で表せ。
(2) $p_n$ を求めよ。
(3) $displaystylelim_{n to infty} p_n$ を求めよ。
解説・解法のポイント
【基本方針】
条件付き確率を用いて漸化式を立て、それを解きます。「$n$ 回目に赤」という状態から次の状態への遷移を考えます。
【(1)の解答】
$n+1$ 回目に赤玉を取り出すのは、以下の2つの場合:
- $n$ 回目が赤玉で、$n+1$ 回目も赤玉:確率 $p_n times dfrac{2}{5}$
- $n$ 回目が白玉で、$n+1$ 回目が赤玉:確率 $q_n times dfrac{4}{5}$
$q_n = 1 - p_n$ なので、
$$p_{n+1} = dfrac{2}{5}p_n + dfrac{4}{5}(1 - p_n)$$
$$= dfrac{2}{5}p_n + dfrac{4}{5} - dfrac{4}{5}p_n$$
$$= -dfrac{2}{5}p_n + dfrac{4}{5}$$
よって、$p_{n+1} = -dfrac{2}{5}p_n + dfrac{4}{5}$
【(2)の解答】
漸化式 $p_{n+1} = -dfrac{2}{5}p_n + dfrac{4}{5}$ を解きます。
Step 1:特性方程式で極限値を求める
$$alpha = -dfrac{2}{5}alpha + dfrac{4}{5}$$
$$alpha + dfrac{2}{5}alpha = dfrac{4}{5}$$
$$dfrac{7}{5}alpha = dfrac{4}{5}$$
$$alpha = dfrac{4}{7}$$
Step 2:変形
$$p_{n+1} - dfrac{4}{7} = -dfrac{2}{5}left(p_n - dfrac{4}{7}right)$$
$b_n = p_n - dfrac{4}{7}$ とおくと、$b_{n+1} = -dfrac{2}{5}b_n$
これは公比 $-dfrac{2}{5}$ の等比数列なので、
$$b_n = b_1 cdot left(-dfrac{2}{
$$b_n = b_1 cdot left(-dfrac{2}{5}right)^{n-1}$$
Step 3:初期値を求める
1回目の操作では、最初に袋から玉を取り出すので、赤玉を取り出す確率は $p_1 = dfrac{3}{5}$(赤玉3個、白玉2個の計5個から)
$$b_1 = p_1 - dfrac{4}{7} = dfrac{3}{5} - dfrac{4}{7} = dfrac{21 - 20}{35} = dfrac{1}{35}$$
Step 4:一般項を求める
$$b_n = dfrac{1}{35} cdot left(-dfrac{2}{5}right)^{n-1}$$
$$p_n = b_n + dfrac{4}{7} = dfrac{1}{35}left(-dfrac{2}{5}right)^{n-1} + dfrac{4}{7}$$
整理すると、
$$boxed{p_n = dfrac{4}{7} + dfrac{1}{35}left(-dfrac{2}{5}right)^{n-1}}$$
または、
$$p_n = dfrac{4}{7} + dfrac{(-2)^{n-1}}{35 cdot 5^{n-1}} = dfrac{4}{7} + dfrac{(-2)^{n-1}}{7 cdot 5^n}$$
【(3)の解答】
$left|-dfrac{2}{5}right| = dfrac{2}{5} < 1$ なので、
$$lim_{n to infty}left(-dfrac{2}{5}right)^{n-1} = 0$$
したがって、
$$lim_{n to infty} p_n = dfrac{4}{7} + 0 = boxed{dfrac{4}{7}}$$
別解・発展
【行列を用いた解法】
状態遷移を行列で表すことができます。
$$begin{pmatrix} p_{n+1} \ q_{n+1} end{pmatrix} = begin{pmatrix} dfrac{2}{5} & dfrac{4}{5} \ dfrac{3}{5} & dfrac{1}{5} end{pmatrix} begin{pmatrix} p_n \ q_n end{pmatrix}$$
この遷移行列の固有値と固有ベクトルを求めることで、$n to infty$ のときの定常分布が $left(dfrac{4}{7}, dfrac{3}{7}right)$ であることが示せます。
💡 確率漸化式のポイント:
- 状態を明確に定義する(今回は「赤を取り出す」「白を取り出す」)
- 遷移確率を正確に把握する
- $p_n + q_n = 1$ の関係を活用して変数を減らす
- 特性方程式で収束値(極限値)を先に求めると見通しが良くなる
大問5:数列の極限と無限級数
問題
数列 ${a_n}$ を $a_n = dfrac{n}{2^n}$ で定める。次の問いに答えよ。
(1) $displaystylelim_{n to infty} a_n$ を求めよ。
(2) $displaystylesum_{n=1}^{N} a_n$ を求めよ。
(3) $displaystylesum_{n=1}^{infty} a_n$ を求めよ。
解説・解法のポイント
【基本方針】
$dfrac{n}{2^n}$ の形は「(多項式)×(指数関数の逆数)」であり、指数関数の増加速度の方が圧倒的に速いため、極限は0に収束します。和を求めるには「ずらして引く」テクニックが有効です。
【(1)の解答】
$r > 1$ のとき $displaystylelim_{n to infty} dfrac{n}{r^n} = 0$ という公式を使います。
$r = 2 > 1$ なので、
$$lim_{n to infty} dfrac{n}{2^n} = boxed{0}$$
📝 証明のヒント:$2^n = (1+1)^n > dfrac{n(n-1)}{2}$(二項定理の第3項)を使うと、
$$0 < dfrac{n}{2^n} < dfrac{n}{dfrac{n(n-1)}{2}} = dfrac{2}{n-1} to 0$$
はさみうちの原理より示せます。
【(2)の解答】
$S_N = displaystylesum_{n=1}^{N} dfrac{n}{2^n} = dfrac{1}{2} + dfrac{2}{2^2} + dfrac{3}{2^3} + cdots + dfrac{N}{2^N}$
「ずらして引く」テクニックを使います。
$$S_N = dfrac{1}{2} + dfrac{2}{2^2} + dfrac{3}{2^3} + cdots + dfrac{N}{2^N}$$
両辺に $dfrac{1}{2}$ をかけると、
$$dfrac{1}{2}S_N = dfrac{1}{2^2} + dfrac{2}{2^3} + dfrac{3}{2^4} + cdots + dfrac{N}{2^{N+1}}$$
辺々引くと、
$$S_N - dfrac{1}{2}S_N = dfrac{1}{2} + dfrac{1}{2^2} + dfrac{1}{2^3} + cdots + dfrac{1}{2^N} - dfrac{N}{2^{N+1}}$$
$$dfrac{1}{2}S_N = dfrac{dfrac{1}{2}(1 - dfrac{1}{2^N})}{1 - dfrac{1}{2}} - dfrac{N}{2^{N+1}}$$
$$dfrac{1}{2}S_N = 1 - dfrac{1}{2^N} - dfrac{N}{2^{N+1}}$$
$$dfrac{1}{2}S_N = 1 - dfrac{2}{2^{N+1}} - dfrac{N}{2^{N+1}} = 1 - dfrac{N+2}{2^{N+1}}$$
$$S_N = 2 - dfrac{N+2}{2^N}$$
よって、$$boxed{sum_{n=1}^{N} dfrac{n}{2^n} = 2 - dfrac{N+2}{2^N}}$$
【(3)の解答】
$N to infty$ のとき、(1)より $dfrac{N+2}{2^N} to 0$ なので、
$$sum_{n=1}^{infty} dfrac{n}{2^n} = lim_{N to infty}left(2 - dfrac{N+2}{2^N}right) = boxed{2}$$
別解・発展
【微分を用いた導出】
等比級数 $displaystylesum_{n=0}^{infty} x^n = dfrac{1}{1-x}$($|x| < 1$)の両辺を $x$ で微分すると、
$$sum_{n=1}^{infty} nx^{n-1} = dfrac{1}{(1-x)^2}$$
両辺に $x$ をかけると、
$$sum_{n=1}^{infty} nx^n = dfrac{x}{(1-x)^2}$$
$x = dfrac{1}{2}$ を代入すると、
$$sum_{n=1}^{infty} dfrac{n}{2^n} = dfrac{dfrac{1}{2}}{(1-dfrac{1}{2})^2} = dfrac{dfrac{1}{2}}{dfrac{1}{4}} = 2$$
大問6:媒介変数表示と曲線の長さ
問題
媒介変数 $t$ を用いて $x = t - sin t$、$y = 1 - cos t$($0 leq t leq 2pi$)で表される曲線(サイクロイド)について、次の問いに答えよ。
(1) $dfrac{dy}{dx}$ を $t$ の式で表せ。
(2) 曲線と $x$ 軸で囲まれた部分の面積を求めよ。
(3) 曲線の長さを求めよ。
解説・解法のポイント
【基本方針】
サイクロイドは大学入試における媒介変数表示の代表的な曲線です。面積や曲線の長さを求める際は、置換積分の要領で $t$ を積分変数とします。
【(1)の解答】
$$dfrac{dx}{dt} = 1 - cos t, quad dfrac{dy}{dt} = sin t$$
$$dfrac{dy}{dx} = dfrac{dfrac{dy}{dt}}{dfrac{dx}{dt}} = dfrac{sin t}{1 - cos t}$$
半角の公式を用いて変形すると、
$sin t = 2sindfrac{t}{2}cosdfrac{t}{2}$、$1 - cos t = 2sin^2dfrac{t}{2}$ より、
$$dfrac{dy}{dx} = dfrac{2sindfrac{t}{2}cosdfrac{t}{2}}{2sin^2dfrac{t}{2}} = dfrac{cosdfrac{t}{2}}{sindfrac{t}{2}} = cotdfrac{t}{2}$$
よって、$$boxed{dfrac{dy}{dx} = dfrac{sin t}{1 - cos t} = cotdfrac{t}{2}}$$
【(2)の解答】
面積 $S$ は、
$$S = int_0^{2pi} y dfrac{dx}{dt} dt = int_0^{2pi} (1 - cos t)(1 - cos t) dt$$
$$= int_0^{2pi} (1 - cos t)^2 dt$$
展開すると、
$$= int_0^{2pi} (1 - 2cos t + cos^2 t) dt$$
$cos^2 t = dfrac{1 + cos 2t}{2}$ より、
$$= int_0^{2pi} left(1 - 2cos t + dfrac{1 + cos 2t}{2}right) dt$$
$$= int_0^{2pi} left(dfrac{3}{2} - 2cos t + dfrac{cos 2t}{2}right) dt$$
$$= left[dfrac{3}{2}t - 2sin t + dfrac{sin 2t}{4}right]_0^{2pi}$$
$$= dfrac{3}{2} cdot 2pi - 0 + 0 = 3pi$$
よって、面積は $boxed{3pi}$
【(3)の解答】
曲線の長さ $L$ は、
$$L = int_0^{2pi} sqrt{left(dfrac{dx}{dt}right)^2 + left(dfrac{dy}{dt}right)^2} dt$$
$$= int_0^{2pi} sqrt{(1 - cos t)^2 + sin^2 t} dt$$
$$= int_0^{2pi} sqrt{1 - 2cos t + cos^2 t + sin^2 t} dt$$
$$= int_0^{2pi} sqrt{2 - 2cos t} dt = int_0^{2pi} sqrt{2(1 - cos t)} dt$$
$1 - cos t = 2sin^2dfrac{t}{2}$ より、
$$= int_0^{2pi} sqrt{4sin^2dfrac{t}{2}} dt = int_0^{2pi} 2left|sindfrac{t}{2}right| dt$$
$0 leq t leq 2pi$ のとき $0 leq dfrac{t}{2} leq pi$ なので $sindfrac{t}{2} geq 0$
$$= 2int_0^{2pi} sindfrac{t}{2} dt = 2left[-2cosdfrac{t}{2}right]_0^{2pi}$$
$$= -4(cospi - cos 0) = -4(-1 - 1) = 8$$
よって、曲線の長さは $boxed{8}$
別解・発展
💡 サイクロイドの性質:
- 半径 $r$ の円が転がるとき:長さ $8r$、面積 $3pi r^2$
- 今回は $r = 1$ の場合
- サイクロイドは「最速降下曲線」「等時曲線」としても有名
この年度の重要テーマと対策
2017年度の出題傾向まとめ
2017年度の秋田大学数学では、以下のテーマが出題されました:
| 大問 | 出題分野 | 難易度 | 重要度 |
|---|---|---|---|
| 大問1 | 複素数平面(軌跡) | 標準 | ★★★★★ |
| 大問2 | 微分積分(増減・面積) | 標準 | ★★★★★ |
| 大問3 | 空間ベクトル(平面の方程式) | 標準 | ★★★★☆ |
| 大問4 | 確率と漸化式 | やや難 | ★★★★★ |
| 大問5 | 数列の極限・無限級数 | 標準 | ★★★★☆ |
| 大問6 | 媒介変数表示(サイクロイド) | 標準〜やや難 | ★★★★☆ |
秋田大学数学の攻略ポイント
1. 複素数平面は必須
秋田大学では複素数平面がほぼ毎年出題されます。以下の項目を重点的に学習しましょう:
- 極形式と回転の理解
- $|z| = 1$ のとき $dfrac{1}{z} = bar{z}$ となること
- 複素数の軌跡問題
- ド・モアブルの定理の応用
2. 微分積分は計算力が命
数学Ⅲの微分積分は最重要分野です。特に:
- 部分積分の確実な実行
- 置換積分(特に三角関数の置換)
- 増減表の正確な作成
- 面積・体積・曲線の長さの公式
3. 確率漸化式をマスターする
確率と漸化式の融合問題は秋田大学の定番です:
- 状態の設定と遷移確率の把握
- 1次の漸化式の解法
- 極限値の意味の理解
4. ベクトルは空間図形とセットで
空間ベクトルでは、平面の方程式や外積が出題されることがあります:
- 法線ベクトルの求め方
- 点と平面の距離
- 外積による面積計算
学部別の対策ポイント
医学部志望者へ
医学部は9割以上の得点を目指す必要があります。計算ミスは致命的ですので、日頃から時間を計って演習を行い、見直しの習慣をつけましょう。複素数平面と微積分の融合問題にも対応できるよう、応用力を養ってください。
理工学部志望者へ
理工学部は7〜8割の得点が目標です。基本問題を確実に得点し、標準問題でも部分点を狙う姿勢が大切です。数学Ⅲの計算練習を毎日欠かさず行いましょう。
教育文化学部・国際資源学部志望者へ
文系学部は数学ⅠA・ⅡBが中心ですが、6〜7割の得点を目指しましょう。特に確率、数列、ベクトルは重点的に対策してください。
類似問題で練習しよう(練習問題3問)
練習問題1:複素数平面
【問題】
複素数 $z$ が $|z| = 2$ を満たしながら動くとき、$w = z + dfrac{4}{z}$ の描く図形を求めよ。
【解答・解説】
$|z| = 2$ より、$z = 2(costheta + isintheta)$ とおく。
$$dfrac{4}{z} = dfrac{4}{2(costheta + isintheta)} = dfrac{2}{costheta + isintheta} = 2(costheta - isintheta)$$
($|z| = 2$ より $dfrac{1}{z} = dfrac{bar{z}}{|z|^2} = dfrac{bar{z}}{4}$ を利用)
$$w = 2(costheta + isintheta) + 2(costheta - isintheta) = 4costheta$$
$-1 leq costheta leq 1$ より、$-4 leq w leq 4$
答:実軸上の線分 $-4 leq x leq 4$($y = 0$)
練習問題2:定積分と部分積分
【問題】
定積分 $displaystyleint_0^1 x^3 e^x dx$ を求めよ。
【解答・解説】
部分積分を3回繰り返します。
$$I = int_0^1 x^3 e^x dx = left[x^3 e^xright]_0^1 - 3int_0^1 x^2 e^x dx$$
$$= e - 3int_0^1 x^2 e^x dx$$
$$int_0^1 x^2 e^x dx = left[x^2 e^xright]_0^1 - 2int_0^1 x e^x dx = e - 2int_0^1 x e^x dx$$
$$int_0^1 x e^x dx = left[x e^xright]_0^1 - int_0^1 e^x dx = e - (e - 1) = 1$$
したがって、
$$int_0^1 x^2 e^x dx = e - 2 cdot 1 = e - 2$$
$$I = e - 3(e - 2) = e - 3e + 6 = 6 - 2e$$
答:$6 - 2e$
練習問題3:確率漸化式
【問題】
点 $P$ が数直線上の原点にある。コインを投げて表が出たら $+1$、裏が出たら $-1$ だけ移動する。$n$ 回コインを投げた後、点 $P$ が原点にある確率を $p_n$ とするとき、$p_n$ を求めよ(ただし、$n$ が奇数のとき $p_n = 0$ とする)。
【解答・解説】
$n$ が奇数のとき、原点に戻ることはできないので $p_n = 0$。
$n = 2m$(偶数)のとき、表が $m$ 回、裏が $m$ 回出る必要がある。
$$p_{2m} = {}_{2m}C_m left(dfrac{1}{2}right)^{2m} = dfrac{(2m)!}{(m!)^2} cdot dfrac{1}{4^m}$$
具体的に計算すると:
- $p_2 = {}_{2}C_1 cdot dfrac{1}{4} = dfrac{2}{4} = dfrac{1}{2}$
- $p_4 = {}_{4}C_2 cdot dfrac{1}{16} = dfrac{6}{16} = dfrac{3}{8}$
- $p_6 = {}_{6}C_3 cdot dfrac{1}{64} = dfrac{20}{64} = dfrac{5}{16}$
答:$n = 2m$ のとき $p_n = dfrac{{}_{2m}C_m}{4^m}$、$n$ が奇数のとき $p_n = 0$
日本数学塾・数強塾で秋田大学合格を目指そう
いかがでしたか?2017年度の秋田大学数学は、基礎から標準レベルの問題が中心でしたが、確実な計算力と典型問題の解法パターンの習得が合格への鍵となります。
秋田大学合格に必要な数学力
- 複素数平面:極形式、回転、軌跡問題に対応できる力
- 微分積分:部分積分、置換積分を確実に実行できる計算力
- ベクトル:空間における平面の方程式、外積の応用
- 確率:漸化式との融合問題への対応力
- 数列:極限、無限級数の計算技術
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これらの分野をバランスよく、かつ深く学習することが、秋田大学合格への最短ルートです。
独学での限界を感じていませんか?
数学の学習において、以下のような悩みを抱えている受験生は多いのではないでしょうか:
- 「解答を見れば分かるけど、自分では解けない…」
- 「どの参考書を使えばいいか分からない…」
- 「計算ミスが多くて点数が安定しない…」
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こうした悩みは、正しい指導者のもとで学ぶことで解決できます。
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秋田大学を目指す皆さんへ ― 藤原進之介からのメッセージ
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
秋田大学の数学は、決して難問ばかりではありません。しかし、「基本を確実に」「計算を正確に」「時間内に」解くことは、想像以上に難しいものです。
私がこれまで多くの受験生を指導してきた経験から言えることは、数学の力は正しい方法で努力すれば必ず伸びるということです。
「才能がないから…」「センスがないから…」と諦める必要はありません。数学は論理の学問です。正しいステップを踏めば、誰でも理解できるようになっています。
大切なのは:
- 基本概念を正しく理解すること
- 典型問題の解法パターンを身につけること
- 計算力を日々鍛えること
- 過去問で実践力を養うこと
- 分からないところを放置しないこと
これらを継続的に、正しい方向性で行うことで、合格への道は必ず開けます。
もし一人での学習に不安を感じているなら、ぜひ日本数学塾・数強塾の門を叩いてください。私たちが全力でサポートします。
秋田大学合格を目指して、一緒に頑張りましょう!
日本数学塾・数強塾 講師
藤原進之介
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この記事のまとめ
秋田大学 2017年度 数学のポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 全体難易度 | 標準レベル(例年並み) |
| 頻出分野 | 複素数平面、微分積分、確率漸化式、ベクトル |
| 目標得点 | 医学部:9割以上 / 理工学部:7〜8割 / 文系学部:6〜7割 |
| 対策の重点 | 計算力の強化、典型問題の解法習得、時間配分の練習 |
| おすすめ教材 | 青チャート、1対1対応の演習、過去問演習 |
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