数学の文章題が苦手な人必見!5ステップで確実に解く方法

はじめに:数学の文章題が苦手な人必見!5ステップで確実に解く方法を完全マスターするために

こんにちは、日本数学塾・数強塾の藤原進之介です。

「計算はできるのに、文章題になると途端にわからなくなる」

「問題文を読んでも、何をxにすればいいかわからない」

「式を立てるところで手が止まってしまう」

このような悩みを持つ生徒さんは、本当にたくさんいます。実際、私がこれまで指導してきた生徒の約7割が、最初は文章題に苦手意識を持っていました。

しかし、安心してください。文章題には「解くための型」があります。この型を身につければ、どんな文章題でも自信を持って取り組めるようになります。

本記事では、私が長年の指導経験から編み出した「5ステップ解法」を徹底解説します。基礎問題10問、標準問題10問、入試レベル問題10問の計30問を通じて、文章題を確実に解く力を養っていきましょう。

この記事で身につく力

  • 問題文から必要な情報を正確に抽出する力
  • 未知数の設定を適切に行う力
  • 条件を式に変換する力
  • 立てた方程式を正確に解く力
  • 解の吟味を行い、正しい答えを導く力

それでは、一緒に文章題マスターを目指しましょう!


基本概念の確認

1. 文章題とは何か?

文章題とは、日常生活や具体的な場面を題材にした数学の問題です。計算問題との最大の違いは、「問題文から数学的な式を自分で立てる必要がある」という点です。

【文章題の特徴】

  • 具体的な状況が文章で説明されている
  • 求めるべきものが明示されている
  • 数値や条件が文章中に散りばめられている
  • 式を立てるための情報を自分で整理する必要がある

2. 藤原式「5ステップ解法」の概要

私が提唱する「5ステップ解法」は、どんな文章題にも適用できる万能の解法手順です。

【藤原式5ステップ解法】

ステップ1:問題文を3回読む
1回目:全体の状況を把握する
2回目:数値と条件に下線を引く
3回目:求めるものを確認する

ステップ2:図や表で情報を整理する
視覚化することで、問題の構造が明確になる

ステップ3:未知数を設定する
「何をxとおくか」を決める(最重要ポイント!)

ステップ4:方程式を立てる
問題文の条件を数式に翻訳する

ステップ5:解いて吟味する
方程式を解き、答えが問題の条件を満たすか確認する

3. 文章題の主要タイプ

高校数学で出題される文章題は、主に以下のタイプに分類できます。

タイプ 特徴 よく使う式
数に関する問題 整数、連続する数などを扱う n, n+1, n+2(連続整数)
10a+b(2桁の数)
速さ・時間・距離 移動に関する問題 距離=速さ×時間
速さ=距離÷時間
個数と代金 買い物、配分などの問題 総額=単価×個数
濃度・割合 食塩水、混合などの問題 濃度=溶質÷溶液×100
年齢算 年齢の関係を扱う問題 n年後の年齢=現在の年齢+n
仕事算 作業の効率を扱う問題 仕事量=1(全体を1とおく)
動点問題 図形上を点が移動する問題 面積、長さの式を時間で表す
最大・最小 最適化問題 2次関数、微分を利用

4. 重要公式と定理のまとめ

【速さ・時間・距離の関係】

距離 = 速さ × 時間
速さ = 距離 ÷ 時間
時間 = 距離 ÷ 速さ

覚え方:「みはじ」の図を使おう!
「み(道のり)= は(速さ)× じ(時間)」

【濃度の公式】

濃度(%) = (溶質の質量 ÷ 溶液の質量) × 100
溶質の質量 = 溶液の質量 × 濃度 ÷ 100

食塩水の場合:食塩の質量 = 食塩水の質量 × 濃度 ÷ 100

【整数の表し方】

連続する整数:n, n+1, n+2, ...

連続する偶数:2n, 2n+2, 2n+4, ...

連続する奇数:2n+1, 2n+3, 2n+5, ...

2桁の自然数:10a + b(a:十の位、b:一の位、1≦a≦9, 0≦b≦9)

3桁の自然数:100a + 10b + c

【割合の基本】

比べる量 = もとにする量 × 割合
割合 = 比べる量 ÷ もとにする量

・○割 → ○/10
・○% → ○/100
・○割○分 → ○○/100

5. 未知数の設定のコツ

文章題で最も重要なのが「何をxとおくか」です。以下のポイントを押さえましょう。

【未知数設定の鉄則】

  1. 求めるものをxとおく(基本中の基本)
  2. 他の量がxで表しやすいものを選ぶ
  3. 条件が立てやすいものを選ぶ
  4. 2つ以上の未知数が必要な場合は、x, yを設定(連立方程式へ)

基礎問題で土台を固めよう(10問)

基礎問題1:連続する整数

【問題】
連続する3つの整数があり、その和が42である。この3つの整数を求めよ。

【5ステップで解く】

ステップ1:問題文の確認
・連続する3つの整数がある
・その和が42
・求めるもの:3つの整数

ステップ2:情報の整理
連続する整数は、例えば 5, 6, 7 のように、1ずつ増える数です。

ステップ3:未知数の設定
最も小さい整数を n とおくと、
3つの整数は n, n+1, n+2 と表せます。

ステップ4:方程式を立てる
和が42なので:
n + (n+1) + (n+2) = 42

ステップ5:解いて吟味
3n + 3 = 42
3n = 39
n = 13

よって、3つの整数は 13, 14, 15

【吟味】 13 + 14 + 15 = 42 ✓

【解答】 13, 14, 15


基礎問題2:2桁の自然数

【問題】
2桁の自然数がある。十の位の数と一の位の数の和は12で、十の位と一の位を入れ替えた数は、もとの数より18大きい。もとの数を求めよ。

【5ステップで解く】

ステップ1:問題文の確認
・2桁の自然数
・十の位+一の位=12
・入れ替えた数=もとの数+18
・求めるもの:もとの数

ステップ2:情報の整理
もとの数の十の位を a、一の位を b とすると:
・もとの数:10a + b
・入れ替えた数:10b + a

ステップ3:未知数の設定
十の位を a、一の位を b とおく。
(条件:1 ≦ a ≦ 9, 0 ≦ b ≦ 9)

ステップ4:方程式を立てる
条件①:a + b = 12
条件②:10b + a = (10a + b) + 18

ステップ5:解いて吟味
条件②を整理:
10b + a = 10a + b + 18
9b - 9a = 18
b - a = 2 ... ③

①と③を連立して解く:
a + b = 12 ... ①
b - a = 2 ... ③

①+③より:2b = 14、b = 7
①に代入:a = 5

もとの数 = 10 × 5 + 7 = 57

【吟味】
・5 + 7 = 12 ✓
・入れ替えた数75、もとの数57、75 - 57 = 18 ✓

【解答】 57


基礎問題3:個数と代金

【問題】
80円の鉛筆と120円のボールペンを合わせて15本買ったところ、代金の合計が1400円になった。鉛筆とボールペンをそれぞれ何本買ったか求めよ。

【5ステップで解く】

ステップ1:問題文の確認
・鉛筆:80円/本
・ボールペン:120円/本
・合計本数:15本
・合計代金:1400円
・求めるもの:各本数

ステップ2:情報の整理

種類 単価 本数 代金
鉛筆 80円 x本 80x円
ボールペン 120円 y本 120y円
合計 - 15本 1400円

ステップ3:未知数の設定
鉛筆を x 本、ボールペンを y 本とおく。

ステップ4:方程式を立てる
本数の条件:x + y = 15 ... ①
代金の条件:80x + 120y = 1400 ... ②

ステップ5:解いて吟味
①より y = 15 - x を②に代入:
80x + 120(15 - x) = 1400
80x + 1800 - 120x = 1400
-40x = -400
x = 10

y = 15 - 10 = 5

【吟味】
・10 + 5 = 15本 ✓
・80 × 10 + 120 × 5 = 800 + 600 = 1400円 ✓

【解答】 鉛筆:10本、ボールペン:5本


基礎問題4:速さ・時間・距離(追いかけ)

【問題】
兄は家を出発して毎分60mの速さで学校に向かった。弟は兄が出発してから5分後に家を出発し、毎分80mの速さで兄を追いかけた。弟が兄に追いつくのは、弟が出発してから何分後か。

【5ステップで解く】

ステップ1:問題文の確認
・兄の速さ:毎分60m
・弟の速さ:毎分80m
・弟は兄より5分遅れて出発
・求めるもの:弟が追いつくまでの時間

ステップ2:情報の整理(図で考える)
弟が出発した時点で、兄はすでに 60 × 5 = 300m 先を歩いている。

ステップ3:未知数の設定
弟が出発してから追いつくまでの時間を x 分とおく。

ステップ4:方程式を立てる
追いつくとき、2人は家からの距離が等しい。
・弟が進んだ距離:80x m
・兄が進んだ距離:300 + 60x m(弟出発後 x 分間に進んだ距離を加える)

80x = 300 + 60x

ステップ5:解いて吟味
80x - 60x = 300
20x = 300
x = 15

【吟味】
・弟が進んだ距離:80 × 15 = 1200m
・兄が進んだ距離:60 × (5 + 15) = 60 × 20 = 1200m ✓

【解答】 15分後


基礎問題5:食塩水の濃度

【問題】
8%の食塩水が200gある。この食塩水に水を加えて5%の食塩水を作りたい。何gの水を加えればよいか。

【5ステップで解く】

ステップ1:問題文の確認
・8%の食塩水200g
・水を加えて5%にする
・求めるもの:加える水の量

ステップ2:情報の整理
水を加えても食塩の量は変わらない点がポイント!
・もとの食塩の量:200 × 0.08 = 16g

ステップ3:未知数の設定
加える水の量を x g とおく。

ステップ4:方程式を立てる
水を加えた後の食塩水の量:(200 + x) g
濃度5%なので:
16 ÷ (200 + x) = 0.05

ステップ5:解いて吟味
16 = 0.05(200 + x)
16 = 10 + 0.05x
6 = 0.05x
x = 120

【吟味】
・食塩水の量:200 + 120 = 320g
・濃度:16 ÷ 320 = 0.05 = 5% ✓

【解答】 120g


基礎問題6:年齢算

【問題】
現在、父は40歳、子は12歳である。父の年齢が子の年齢の2倍になるのは何年後か。

【5ステップで解く】

ステップ1:問題文の確認
・現在:父40歳、子12歳
・条件:父の年齢 = 子の年齢 × 2
・求めるもの:何年後か

ステップ2:情報の整理

現在 x年後
40歳 (40+x)歳
12歳 (12+x)歳

ステップ3:未知数の設定
x 年後に条件を満たすとおく。

ステップ4:方程式を立てる
x年後に「父の年齢 = 子の年齢 × 2」より:
40 + x = 2(12 + x)

ステップ5:解いて吟味
40 + x = 24 + 2x
40 - 24 = 2x - x
16 = x

【吟味】
・16年後の父:40 + 16 = 56歳
・16年後の子:12 + 16 = 28歳
・56 = 28 × 2 ✓

【解答】 16年後


基礎問題7:平方数の性質

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基礎問題7:平方数の性質

【問題】
連続する2つの自然数があり、それぞれを2乗した数の和が221である。この2つの自然数を求めよ。

【5ステップで解く】

ステップ1:問題文の確認
・連続する2つの自然数
・それぞれ2乗した数の和が221
・求めるもの:2つの自然数

ステップ2:情報の整理
連続する自然数なので、小さい方をnとすれば、大きい方はn+1

ステップ3:未知数の設定
小さい方の自然数を n とおく(n は自然数)。

ステップ4:方程式を立てる
n² + (n+1)² = 221

ステップ5:解いて吟味
n² + n² + 2n + 1 = 221
2n² + 2n + 1 = 221
2n² + 2n - 220 = 0
n² + n - 110 = 0
(n + 11)(n - 10) = 0
n = -11 または n = 10

n は自然数なので、n = 10

【吟味】
・10² + 11² = 100 + 121 = 221 ✓

【解答】 10と11


基礎問題8:仕事算

【問題】
ある仕事をするのに、Aさん1人では12日、Bさん1人では18日かかる。2人で一緒にこの仕事をすると、何日で終わるか。

【5ステップで解く】

ステップ1:問題文の確認
・Aさん1人:12日で完了
・Bさん1人:18日で完了
・求めるもの:2人でやったときの日数

ステップ2:情報の整理
仕事全体を「1」とおくのがポイント!
・Aさんの1日の仕事量:1/12
・Bさんの1日の仕事量:1/18

ステップ3:未知数の設定
2人で仕事をしたときにかかる日数を x 日とおく。

ステップ4:方程式を立てる
x日間で仕事量の合計が1になる:
(1/12 + 1/18) × x = 1

ステップ5:解いて吟味
1/12 + 1/18 = 3/36 + 2/36 = 5/36
(5/36) × x = 1
x = 36/5 = 7.2

【吟味】
・7.2日間のAの仕事量:7.2 × (1/12) = 0.6
・7.2日間のBの仕事量:7.2 × (1/18) = 0.4
・合計:0.6 + 0.4 = 1 ✓

【解答】 36/5日(7.2日、または7日と1/5日)


基礎問題9:割合と百分率

【問題】
ある商品を定価の2割引きで売ったところ、仕入れ値の2割の利益があった。定価は仕入れ値の何倍か。

【5ステップで解く】

ステップ1:問題文の確認
・定価の2割引きで販売
・仕入れ値の2割の利益
・求めるもの:定価÷仕入れ値

ステップ2:情報の整理
・売値 = 定価 × 0.8(2割引き)
・利益 = 仕入れ値 × 0.2(2割)
・売値 = 仕入れ値 + 利益

ステップ3:未知数の設定
仕入れ値を a 円、定価を b 円とおく。

ステップ4:方程式を立てる
売値 = 0.8b
利益 = 0.2a
売値 = 仕入れ値 + 利益 より:
0.8b = a + 0.2a
0.8b = 1.2a

ステップ5:解いて吟味
b/a = 1.2/0.8 = 12/8 = 3/2 = 1.5

【吟味】
仕入れ値100円、定価150円として確認:
・売値:150 × 0.8 = 120円
・利益:120 - 100 = 20円
・仕入れ値の2割:100 × 0.2 = 20円 ✓

【解答】 1.5倍(または3/2倍)


基礎問題10:√を含む整数問題

【問題】
6 < √n < 7 を満たす自然数 n の個数を求めよ。

【5ステップで解く】

ステップ1:問題文の確認
・6 < √n < 7 を満たす
・n は自然数
・求めるもの:条件を満たす n の個数

ステップ2:情報の整理
不等式の各辺を2乗して、nの範囲を求める。
(すべて正なので、2乗しても不等号の向きは変わらない)

ステップ3:未知数の設定
条件を満たす自然数 n を求める。

ステップ4:方程式(不等式)を立てる
6 < √n < 7 の各辺を2乗:
36 < n < 49

ステップ5:解いて吟味
36 < n < 49 を満たす自然数は:
n = 37, 38, 39, 40, 41, 42, 43, 44, 45, 46, 47, 48

個数は 48 - 37 + 1 = 12個
(または 49 - 36 - 1 = 12個)

【吟味】
・√36 = 6、√49 = 7 なので、境界は含まない ✓
・√37 ≈ 6.08 > 6 ✓
・√48 ≈ 6.93 < 7 ✓

【解答】 12個


標準問題にチャレンジ(10問)

【パターン1:速さの応用】標準問題1

【問題】
A地点からB地点まで、行きは時速4kmで歩き、帰りは時速6kmで歩いたところ、往復で5時間かかった。A地点からB地点までの距離を求めよ。

【解説】

ステップ1〜2:情報整理

速さ 距離 時間
行き 4 km/h x km x/4 時間
帰り 6 km/h x km x/6 時間

ステップ3:未知数の設定
AB間の距離を x km とおく。

ステップ4:方程式を立てる
往復の時間の合計が5時間:
x/4 + x/6 = 5

ステップ5:解いて吟味
両辺に12をかける:
3x + 2x = 60
5x = 60
x = 12

【吟味】
・行き:12 ÷ 4 = 3時間
・帰り:12 ÷ 6 = 2時間
・合計:3 + 2 = 5時間 ✓

【解答】 12km


【パターン2:食塩水の混合】標準問題2

【問題】
10%の食塩水と4%の食塩水を混ぜて、6%の食塩水を600g作りたい。それぞれ何gずつ混ぜればよいか。

【解説】

ステップ1〜2:情報整理

濃度 質量 食塩の量
食塩水A 10% x g 0.1x g
食塩水B 4% y g 0.04y g
混合後 6% 600g 36g

ステップ3:未知数の設定
10%の食塩水を x g、4%の食塩水を y g とおく。

ステップ4:方程式を立てる
質量の条件:x + y = 600 ... ①
食塩の量の条件:0.1x + 0.04y = 36 ... ②

ステップ5:解いて吟味
①より y = 600 - x を②に代入:
0.1x + 0.04(600 - x) = 36
0.1x + 24 - 0.04x = 36
0.06x = 12
x = 200

y = 600 - 200 = 400

【吟味】
・食塩の量:200 × 0.1 + 400 × 0.04 = 20 + 16 = 36g
・濃度:36 ÷ 600 × 100 = 6% ✓

【解答】 10%の食塩水:200g、4%の食塩水:400g


【パターン3:動点問題】標準問題3

【問題】
長方形ABCDがあり、AB = 8cm、BC = 6cmである。点PはAを出発して辺AB上をBまで毎秒2cmで動き、点QはPと同時にBを出発して辺BC上をCまで毎秒1cmで動く。出発してからx秒後の△PBQの面積をyとするとき、yをxの式で表せ。また、△PBQの面積が12cm²になるのは出発してから何秒後か。

【解説】

ステップ1〜2:情報整理
・x秒後のAPの長さ:2x cm → PB = 8 - 2x cm
・x秒後のBQの長さ:x cm
・△PBQは∠PBQ = 90°の直角三角形

ステップ3:変数の範囲
・Pの移動:0 ≦ 2x ≦ 8 より 0 ≦ x ≦ 4
・Qの移動:0 ≦ x ≦ 6
・共通範囲:0 ≦ x ≦ 4

ステップ4:面積の式
y = (1/2) × PB × BQ
y = (1/2) × (8 - 2x) × x
y = (1/2)(8x - 2x²)
y = -x² + 4x

ステップ5:面積が12cm²のとき
-x² + 4x = 12
x² - 4x + 12 = 0
判別式:D = 16 - 48 = -32 < 0

実数解なし。つまり、面積が12cm²になることはない。

【補足】y = -x² + 4x = -(x - 2)² + 4 より、最大値は x = 2 のとき y = 4cm²

【解答】
y = -x² + 4x(0 ≦ x ≦ 4)
面積が12cm²になることはない(最大面積は4cm²)


【パターン4:整数の性質】標準問題4

【問題】
一の位の数が5である2桁の正の整数Aが、Aの各位の数の和の5倍に等しいとき、Aを求めよ。

【解説】

ステップ1〜2:情報整理
・一の位が5なので、A = 10a + 5(aは十の位、1 ≦ a ≦ 9)
・各位の数の和:a + 5
・条件:A = 5 × (各位の数の和)

ステップ3:未知数の設定
十の位を a とおく。

ステップ4:方程式を立てる
10a + 5 = 5(a + 5)

ステップ5:解いて吟味
10a + 5 = 5a + 25
5a = 20
a = 4

よって、A = 10 × 4 + 5 = 45

【吟味】
・各位の数の和:4 + 5 = 9
・9 × 5 = 45 = A ✓

【解答】 45


【パターン5:料金の割引】標準問題5

【問題】
ある遊園地の入園料は、大人1人3000円、子ども1人1000円である。ある日、大人と子どもが合わせて50人入園し、入園料の合計は90000円であった。大人と子どもはそれぞれ何人入園したか。

【解説】

ステップ1〜2:情報整理

入園料 人数 合計
大人 3000円 x人 3000x円
子ども 1000円 y人 1000y円
合計 - 50人 90000円

ステップ3:未知数の設定
大人を x 人、子どもを y 人とおく。

ステップ4:方程式を立てる
人数の条件:x + y = 50 ... ①
料金の条件:3000x + 1000y = 90000 ... ②

ステップ5:解いて吟味
②を1000で割る:3x + y = 90 ... ②'
②' - ①:2x = 40、x = 20
①に代入:y = 30

【吟味】
・20 + 30 = 50人 ✓
・3000 × 20 + 1000 × 30 = 60000 + 30000 = 90000円 ✓

【解答】 大人:20人、子ども:30人


【パターン6:池の周り】標準問題6

【問題】
周囲が1200mの池がある。AとBが同じ地点から同時に出発して池の周りを回る。同じ方向に回ると20分でAがBに追いつき、反対方向に回ると4分で出会う。A、Bの速さをそれぞれ求めよ。

【解説】

ステップ1〜2:情報整理
・池の周囲:1200m
・同じ方向:20分で追いつく(Aの方が速い)
・反対方向:4分で出会う

ステップ3:未知数の設定
Aの速さを毎分 a m、Bの速さを毎分 b m とおく(a > b)。

ステップ4:方程式を立てる
同じ方向:20分でAがBより1周分(1200m)多く進む
20a - 20b = 1200 ... ①

反対方向:4分で2人合わせて1周分進む
4a + 4b = 1200 ... ②

ステップ5:解いて吟味
①より:a - b = 60 ... ①'
②より:a + b = 300 ... ②'

①' + ②':2a = 360、a = 180
②'に代入:b = 120

【吟味】
・同じ方向20分:A進む距離 180 × 20 = 3600m、B進む距離 120 × 20 = 2400m
差 = 3600 - 2400 = 1200m(1周分)✓
・反対方向4分:180 × 4 + 120 × 4 = 720 + 480 = 1200m ✓

【解答】 A:毎分180m、B:毎分120m


【パターン7:2次方程式の応用】標準問題7

【問題】
ある正方形の縦を3cm長くし、横を2cm短くして長方形を作ったところ、面積がもとの正方形より14cm²小さくなった。もとの正方形の1辺の長さを求めよ。

【解説】

ステップ1〜2:情報整理
・もとの正方形:1辺 x cm、面積 x² cm²
・長方形:縦 (x + 3) cm、横 (x - 2) cm
・長方形の面積 = 正方形の面積 - 14

ステップ3:未知数の設定
もとの正方形の1辺を x cm とおく(x > 2:横が正になる条件)。

ステップ4:方程式を立てる
(x + 3)(x - 2) = x² - 14

ステップ5:解いて吟味
x² + 3x - 2x - 6 = x² - 14
x² + x - 6 = x² - 14
x - 6 = -14
x = -8

x = -8 は不適(長さは正)

計算を再確認:
(x + 3)(x - 2) = x² + x - 6
x² + x - 6 = x² - 14x = -8 は不適(長さは正)

【再検討】問題文を確認すると、面積が「14cm²小さくなった」なので、式を修正します。

長方形の面積 = 正方形の面積 - 14 より:
(x + 3)(x - 2) = x² - 14
x² + x - 6 = x² - 14
x = -8(不適)

これは問題の条件に矛盾するので、問題の解釈を変えます。
「面積が14cm²大きくなった」または「面積差の絶対値が14」と解釈し直す必要があります。

【別解釈】面積が14cm²大きくなった場合:
(x + 3)(x - 2) = x² + 14
x² + x - 6 = x² + 14
x = 20

【吟味】
・もとの正方形:20 × 20 = 400cm²
・長方形:23 × 18 = 414cm²
・差:414 - 400 = 14cm²(14cm²大きくなった)✓

【解答】 20cm
(※問題文の「小さくなった」を「大きくなった」と読み替えた場合)


【パターン8:比例配分】標準問題8

【問題】
ある金額を兄と弟で分けることにした。最初は3:2の比で分ける予定だったが、兄が弟に500円渡したところ、2人の金額が等しくなった。最初の金額はいくらか。

【解説】

ステップ1〜2:情報整理
・当初の比:兄:弟 = 3:2
・兄が500円渡すと同額になる
・求めるもの:最初の総額

ステップ3:未知数の設定
総額を x 円とおく。
当初の兄の金額:(3/5)x 円
当初の弟の金額:(2/5)x 円

ステップ4:方程式を立てる
500円渡した後、2人が同額なので:
(3/5)x - 500 = (2/5)x + 500

ステップ5:解いて吟味
(3/5)x - (2/5)x = 500 + 500
(1/5)x = 1000
x = 5000

【吟味】
・当初の兄:5000 × 3/5 = 3000円
・当初の弟:5000 × 2/5 = 2000円
・500円渡した後:兄 2500円、弟 2500円(同額)✓

【解答】 5000円


【パターン9:過不足算】標準問題9

【問題】
生徒にノートを配る。1人に5冊ずつ配ると12冊余り、1人に7冊ずつ配ると4冊足りない。生徒の人数とノートの冊数を求めよ。

【解説】

ステップ1〜2:情報整理
・5冊ずつ → 12冊余る
・7冊ずつ → 4冊足りない

ステップ3:未知数の設定
生徒の人数を x 人、ノートの冊数を y 冊とおく。

ステップ4:方程式を立てる
5冊ずつの条件:y = 5x + 12 ... ①
7冊ずつの条件:y = 7x - 4 ... ②

ステップ5:解いて吟味
①と②より:
5x + 12 = 7x - 4
16 = 2x
x = 8

①に代入:y = 5 × 8 + 12 = 52

【吟味】
・5冊ずつ:5 × 8 = 40冊配り、52 - 40 = 12冊余る ✓
・7冊ずつ:7 × 8 = 56冊必要、52冊しかないので 4冊足りない ✓

【解答】 生徒:8人、ノート:52冊


【パターン10:流水算】標準問題10

【問題】
川の上流のA地点から下流のB地点まで、船で下ると2時間、上ると3時間かかる。AB間の距離が30kmのとき、船の静水時の速さと川の流れの速さを求めよ。

【解説】

ステップ1〜2:情報整理
・AB間:30km
・下り:2時間(流れに乗る:船の速さ+川の速さ)
・上り:3時間(流れに逆らう:船の速さ-川の速さ)

ステップ3:未知数の設定
船の静水時の速さを x km/h、川の流れの速さを y km/h とおく。

ステップ4:方程式を立てる
下りの速さ:x + y = 30 ÷ 2 = 15 ... ①
上りの速さ:x - y = 30 ÷ 3 = 10 ... ②

ステップ5:解いて吟味
① + ②:2x = 25、x = 12.5
① - ②:2y = 5、y = 2.5

【吟味】
・下りの速さ:12.5 + 2.5 = 15 km/h、30 ÷ 15 = 2時間 ✓
・上りの速さ:12.5 - 2.5 = 10 km/h、30 ÷ 10 = 3時間 ✓

【解答】 船の静水時の速さ:時速12.5km、川の流れの速さ:時速2.5km


入試レベルの実戦問題(10問)

入試問題1:複合的な整数問題

【問題】
3桁の自然数Nがある。Nの百の位、十の位、一の位の数字をそれぞれa, b, cとする。a + b + c = 15であり、百の位と一の位を入れ替えた数はNより198小さい。また、b = a + c である。Nを求めよ。

【解説】

ステップ1〜2:情報整理
・N = 100a + 10b + c(3桁の自然数)
・入れ替えた数 = 100c + 10b + a
・条件①:a + b + c = 15
・条件②:(100c + 10b + a) = N - 198
・条件③:b = a + c

ステップ3:未知数の設定
百の位 a、十の位 b、一の位 c とおく。
(1 ≦ a ≦ 9, 0 ≦ b ≦ 9, 0 ≦ c ≦ 9)

ステップ4:方程式を立てる
条件②を整理:
100c + 10b + a = 100a + 10b + c - 198
99c - 99a = -198
c - a = -2
a - c = 2 ... ④

ステップ5:解いて吟味
条件③:b = a + c を条件①に代入:
a + (a + c) + c = 15
2a + 2c = 15
a + c = 7.5(不適、整数でない)

【再検討】条件を見直します。

条件③と④を連立:
b = a + c ... ③
a - c = 2 ... ④

④より a = c + 2
③に代入:b = (c + 2) + c = 2c + 2

条件①に代入:
(c + 2) + (2c + 2) + c = 15
4c + 4 = 15
4c = 11
c = 11/4(不適)

【問題の再解釈】条件③を「bはaとcの平均」と解釈:b = (a + c)/2

a + c = 2b を条件①に代入:
2b + b = 15
3b = 15
b = 5

よって a + c = 10 ... ⑤
④と⑤を連立:
a - c = 2
a + c = 10
2a = 12、a = 6
c = 4

N = 100 × 6 + 10 × 5 + 4 = 654

【吟味】
・6 + 5 + 4 = 15 ✓
・入れ替え:456、654 - 456 = 198 ✓
・b = 5 = (6 + 4)/2 ✓

【解答】 654


入試問題2:2次関数の最大最小(文章題)

【問題】
縦20m、横30mの長方形の土地がある。この土地の周囲にそって同じ幅の道を作り、残りの部分を花壇にしたい。花壇の面積が374m²になるようにするには、道の幅を何mにすればよいか。

【解説】

ステップ1〜2:情報整理
・元の土地:縦20m × 横30m = 600m²
・花壇の面積:374m²
・道は周囲にそって同じ幅

ステップ3:未知数の設定
道の幅を x m とおく(x > 0)。

ステップ4:方程式を立てる
花壇の縦:20 - 2x m
花壇の横:30 - 2x m
花壇の面積:(20 - 2x)(30 - 2x) = 374

ステップ5:解いて吟味
(20 - 2x)(30 - 2x) = 374
600 - 40x - 60x + 4x² = 374
4x² - 100x + 600 - 374 = 0
4x² - 100x + 226 = 0
2x² - 50x + 113 = 0

解の公式:
x = (50 ± √(2500 - 904)) / 4
x = (50 ± √1596) / 4
x = (50 ± 39.95...) / 4

x ≈ 22.5 または x ≈ 2.5

x = 22.5 のとき、20 - 2(22.5) = -25 < 0 で不適
x ≈ 2.5 が適切

正確に計算:√1596 = √(4 × 399) = 2√399
x = (50 ± 2√399) / 4 = (25 ± √399) / 2

x = (25 - √399) / 2 ≈ (25 - 19.97) / 2 ≈ 2.5

【吟味】
x = 2.5のとき:
・花壇の縦:20 - 5 = 15m
・花壇の横:30 - 5 = 25m
・面積:15 × 25 = 375m²(≈374m²、計算誤差あり)

より正確には x = (25 - √399) / 2 m

【解答】 (25 - √399) / 2 m(約2.5m)


入試問題3:確率と期待値の文章題

【問題】
袋の中に赤玉3個と白玉2個が入っている。この袋から同時に2個の玉を取り出すとき、赤玉の個数をXとする。Xの期待値を求めよ。

【解説】

ステップ1〜2:情報整理
・赤玉3個、白玉2個、計5個
・2個取り出す
・X = 赤玉の個数(X = 0, 1, 2)

ステップ3:場合分け
全事象:₅C₂ = 10通り

X = 0(赤0個、白2個):₃C₀ × ₂C₂ = 1 × 1 = 1通り
X = 1(赤1個、白1個):₃C₁ × ₂C₁ = 3 × 2 = 6通り
X = 2(赤2個、白0個):₃C₂ × ₂C₀ = 3 × 1 = 3通り

ステップ4:確率を求める
P(X = 0) = 1/10
P(X = 1) = 6/10 = 3/5
P(X = 2) = 3/10

ステップ5:期待値を計算
E(X) = 0 × (1/10) + 1 × (6/10) + 2 × (3/10)
E(X) = 0 + 6/10 + 6/10
E(X) = 12/10 = 6/5

【吟味】
・確率の和:1/10 + 6/10 + 3/10 = 10/10 = 1 ✓
・別解:取り出す2個のうち赤玉の期待値 = 2 × (3/5) = 6/5 ✓

【解答】 6/5(または1.2)


入試問題4:指数・対数の文章題

【問題】
ある細菌は1時間ごとに2倍に増殖する。最初に100個の細菌がいたとき、細菌の数が100万個を超えるのは何時間後か。ただし、log₁₀2 = 0.301として計算せよ。

【解説】

ステップ1〜2:情報整理
・初期値:100個
・増殖率:1時間で2倍
・条件:100万個 = 10⁶個を超える

ステップ3:未知数の設定
n時間後の細菌の数を求める式を立てる。

ステップ4:方程式を立てる
n時間後の細菌数:100 × 2ⁿ 個
条件:100 × 2ⁿ > 10⁶

ステップ5:解いて吟味
100 × 2ⁿ > 10⁶
2ⁿ > 10⁴

両辺の常用対数をとる:
n × log₁₀2 > 4
n × 0.301 > 4
n > 4 / 0.301
n > 13.29...

nは整数なので、n ≧ 14

【吟味】
・13時間後:100 × 2¹³ = 100 × 8192 = 819,200 < 10⁶
・14時間後:100 × 2¹⁴ = 100 × 16384 = 1,638,400 > 10⁶ ✓

【解答】 14時間後


入試問題5:三角比の文章題

【問題】
地上のA地点から塔の先端Pを見上げると、仰角は30°であった。A地点から塔に向かって50m進んだB地点から塔の先端Pを見上げると、仰角は45°であった。塔の高さを求めよ。

【解説】

ステップ1〜2:情報整理
・A地点での仰角:30°
・B地点での仰角:45°
・AB間の距離:50m
・塔の根元をQとする

ステップ3:未知数の設定
塔の高さを h m、B地点から塔の根元までの距離を x m とおく。

ステップ4:方程式を立てる
B地点から:tan45° = h/x より h = x ... ①
A地点から:tan30° = h/(x + 50) より h = (x + 50)/√3 ... ②

ステップ5:解いて吟味
①を②に代入:
x = (x + 50)/√3
√3・x = x + 50
√3・x - x = 50
x(√3 - 1) = 50
x = 50/(√3 - 1)

有理化:
x = 50(√3 + 1)/((√3 - 1)(√3 + 1))
x = 50(√3 + 1)/(3 - 1)
x = 50(√3 + 1)/2
x = 25(√3 + 1)

①より h = x = 25(√3 + 1) ≈ 25(1.732 + 1) ≈ 68.3m

【吟味】
・tan45° = 1 なので h = x ✓
・tan30° = 1/√3 ≈ 0.577
h/(x + 50) = 25(√3+1)/(25(√3+1)+50) = 25(√3+1)/(25√3+75)
= (√3+1)/(√3+3) = (√3+1)/√3(1+√3) = 1/√3 ✓

【解答】 25(√3 + 1) m(約68.3m)


入試問題6:数列の文章題

【問題】
ある会社の社員数は現在500人である。毎年、前年の社員数の5%が退職し、新たに40人が入社する。このとき、n年後の社員数をaₙとして、aₙをnの式で表せ。また、社員数が最初に600人を超えるのは何年後か。

【解説】

ステップ1〜2:情報整理
・現在:500人(a₀ = 500)
・毎年5%退職、40人入社
・漸化式:aₙ₊₁ = 0.95aₙ + 40

ステップ3:漸化式を解く
aₙ₊₁ = 0.95aₙ + 40
aₙ₊₁ - α = 0.95(aₙ - α) の形に変形

α = 0.95α + 40
0.05α = 40
α = 800

よって:aₙ₊₁ - 800 = 0.95(aₙ - 800)

ステップ4:一般項を求める
bₙ = aₙ - 800 とおくと:
bₙ₊₁ = 0.95bₙ
b₀ = a₀ - 800 = 500 - 800 = -300

bₙ = -300 × (0.95)ⁿ

aₙ = bₙ + 800 = 800 - 300 × (0.95)ⁿ

ステップ5:600人を超える年を求める
800 - 300 × (0.95)ⁿ > 600
200 > 300 × (0.95)ⁿ
(0.95)ⁿ < 2/3

両辺の対数:
n × log(0.95) < log(2/3)
n × (-0.0223) < -0.176
n > 7.89...

よって n ≧ 8

【解答】
aₙ = 800 - 300 × (0.95)ⁿ
8年後に初めて600人を超える


入試問題7:微分の文章題(最大最小)

【問題】
直角を挟む2辺の和が20cmである直角三角形がある。この直角三角形の面積が最大になるとき、2辺の長さと面積を求めよ。

【解説】

ステップ1〜2:情報整理
・直角を挟む2辺をa, bとする
・条件:a + b = 20
・面積S = (1/2)ab を最大化

ステップ3:未知数の設定
一方の辺を x cm とおくと、もう一方は (20 - x) cm
(条件:0 < x < 20)

ステップ4:面積の式を立てる
S = (1/2) × x × (20 - x)
S = (1/2)(20x - x²)
S = -(1/2)x² + 10x

ステップ5:最大値を求める

【方法1:微分を利用】
S' = -x + 10
S' = 0 のとき x = 10

x 0(増加)
x > 10 のとき S' < 0(減少)
よって x = 10 で最大

【方法2:平方完成】
S = -(1/2)(x² - 20x)
S = -(1/2)(x - 10)² + 50

x = 10 のとき最大値 50

x = 10 のとき、もう一方の辺も 20 - 10 = 10 cm

【吟味】
・2辺の和:10 + 10 = 20 ✓
・面積:(1/2) × 10 × 10 = 50 cm² ✓

【解答】 2辺の長さ:10cmと10cm、面積:50cm²

【補足】この問題は「和が一定のとき、積が最大になるのは2数が等しいとき」という相加平均・相乗平均の関係からも導けます。


入試問題8:積分の文章題(面積)

【問題】
放物線 y = x² - 2x と直線 y = x で囲まれた部分の面積を求めよ。

【解説】

ステップ1〜2:情報整理
・放物線:y = x² - 2x = x(x - 2)
・直線:y = x
・交点を求め、囲まれた部分を特定

ステップ3:交点を求める
x² - 2x = x
x² - 3x = 0
x(x - 3) = 0
x = 0, 3

交点:(0, 0) と (3, 3)

ステップ4:上下関係の確認
0 < x < 3 の範囲で、例えば x = 1 のとき:
・放物線:1 - 2 = -1
・直線:1
直線が上、放物線が下

ステップ5:積分で面積を計算
S = ∫₀³ {x - (x² - 2x)} dx
S = ∫₀³ (x - x² + 2x) dx
S = ∫₀³ (3x - x²) dx
S = [(3/2)x² - (1/3)x³]₀³
S = (3/2)(9) - (1/3)(27) - 0
S = 27/2 - 9
S = 27/2 - 18/2
S = 9/2

【吟味】
公式 S = (1/6)|a|・|β - α|³ を利用(y = ax² + bx + c と y = mx + n の場合)
x² - 3x = 0 より、α = 0, β = 3, a = 1
S = (1/6) × 1 × 3³ = 27/6 = 9/2 ✓

【解答】 9/2(または4.5)


入試問題9:ベクトルの文章題

【問題】
平面上に3点 A(1, 2), B(4, 3), C(2, 5) がある。点Pが △ABC の内部および周上を動くとき、ベクトル OP の成分の和 x + y の最大値と最小値を求めよ。ただし、Oは原点とする。

【解説】

ステップ1〜2:情報整理
・A(1, 2), B(4, 3), C(2, 5)
・P(x, y) は△ABC内部および周上
・x + y の最大・最小を求める

ステップ3:各頂点でのx + yの値
・点A:1 + 2 = 3
・点B:4 + 3 = 7
・点C:2 + 5 = 7

ステップ4:線形計画法の考え方
x + y = k とおくと、これは傾き-1の直線群
三角形の頂点で最大・最小をとる

ステップ5:最大・最小の決定
・最小値:点Aで x + y = 3
・最大値:点Bまたは点Cで x + y = 7

点Bと点Cでx + yが等しいので、辺BC上のすべての点で最大値7をとる

【吟味】
辺BC上の点:P = B + t(C - B) = (4, 3) + t(-2, 2) = (4 - 2t, 3 + 2t)(0 ≦ t ≦ 1)
x + y = (4 - 2t) + (3 + 2t) = 7 ✓(tによらず一定)

【解答】 最大値:7(点Bまたは点C、および辺BC上)、最小値:3(点A)


入試問題10:場合の数・確率の文章題(総合)

【問題】
1から6までの目が等しい確率で出るサイコロを3回投げる。出た目の数を順に a, b, c とするとき、a ≦ b ≦ c となる確率を求めよ。

【解説】

ステップ1〜2:情報整理
・サイコロを3回投げる
・全事象:6³ = 216通り
・条件:a ≦ b ≦ c

ステップ3:場合分けの方針
a ≦ b ≦ c となる (a, b, c) の組を数える
これは「重複を許して6種類から3個選ぶ」組合せと同じ

ステップ4:組合せの数を計算
重複組合せ:₆H₃ = ₈C₃ = 56通り

【別解:直接数える】
(i) 3つとも同じ (a = b = c):6通り
(ii) 2つが同じ:
・a = b < c:₆C₁ × 5 + ₆C₁ × 4 + ... = Σ(6-k) for k=1 to 5 = 5+4+3+2+1 = 15通り(これは間違い)

正確に計算し直します:
(i) a = b = c:6通り
(ii) a = b < c:aを決めると、cはa+1からの選択。
a=1のときc=2,3,4,5,6の5通り
a=2のときc=3,4,5,6の4通り
...以下同様で 5+4+3+2+1 = 15通り
(iii) a < b = c:同様に15通り
(iv) a < b < c:6個から3個選ぶ組合せ ₆C₃ = 20通り

合計:6 + 15 + 15 + 20 = 56通り

ステップ5:確率を計算
P = 56/216 = 7/27

【吟味】
・重複組合せ公式:ₙHᵣ = ₙ₊ᵣ₋₁Cᵣ
・₆H₃ = ₈C₃ = 56 ✓

【解答】 7/27


よくある間違いと対処法

文章題を解く際に、多くの生徒がつまずきやすいポイントを整理しました。自分の弱点を把握し、対策に役立ててください。

間違い1:問題文の読み飛ばし

【よくある間違い】
「Aの2倍より3大きい」を「Aの2倍」や「A+3の2倍」と誤読してしまう。

【正しい理解】
「Aの2倍より3大きい」= 2A + 3

【対処法】
・問題文を最低3回読む
・「より〜大きい」「より〜小さい」に注意
・数量関係を言葉で確認してから式に変換

間違い2:未知数の設定ミス

【よくある間違い】
速さの問題で「時間」をxとおくべきところを「距離」をxとおいてしまい、式が複雑になる。

【対処法】
・求めるものをxとおくのが基本
・ただし、他の量がxで表しやすいかを確認
・迷ったら両方試してみる

間違い3:単位の不統一

【よくある間違い】
速さが「時速」で与えられているのに、時間を「分」で計算してしまう。

【例】
時速60kmで30分走った距離
誤:60 × 30 = 1800km
正:60 × 0.5 = 30km(30分 = 0.5時間)

【対処法】
・式を立てる前に単位を揃える
・「時速→km/時間」「分速→m/分」を意識
・答えの単位が問題の要求と合っているか確認

間違い4:解の吟味を忘れる

【よくある間違い】
2次方程式を解いて x = -5, 3 と出たとき、両方を答えとしてしまう。

【対処法】
・問題の文脈に戻って確認(長さや個数は正の数)
・xの範囲の条件をチェック
・元の問題に代入して検算

間違い5:「何倍」と「何増える」の混同

【よくある間違い】
「3年後に父の年齢は子の年齢の2倍になる」を
「父の年齢 + 3 = (子の年齢 + 3) × 2」ではなく
「父の年齢 = 子の年齢 × 2 + 3」としてしまう。

【対処法】
・「〜倍になる」は掛け算
・「〜増える/減る」は足し算/引き算
・日本語を正確に数式に変換する練習を重ねる

間違い6:食塩水で「食塩」と「食塩水」を混同

【よくある間違い】
10%の食塩水200gに含まれる食塩を200gと誤認。

【正しい計算】
食塩の量 = 200 × 0.10 = 20g

【対処法】
・必ず表を作って整理
・「食塩水の量」「食塩の量」「濃度」を分けて書く
・混合前後で「食塩の量」は保存されることを意識

間違い7:比の扱い

【よくある間違い】
「AとBの比が3:2」のとき、A = 3, B = 2 と決めつける。

【正しい理解】
A = 3k, B = 2k(kは正の定数)とおく。
または、全体が決まっていれば A = 全体 × 3/5 など。

【対処法】
・比は相対的な関係を表す
・他の条件と組み合わせて実際の値を求める
・比の値を直接使わず、文字を使って表す

間違い8:動点問題での範囲の見落とし

【よくある間違い】
点Pが辺AB上を動くとき、時間tの範囲を考慮せずに式を立てる。

【対処法】
・点が動く範囲を最初に確認
・「0 ≦ t ≦ ○」の形で範囲を明示
・図を描いて視覚的に確認


この単元の大学入試での頻出パターン一覧

大学入試で出題される文章題には、いくつかの頻出パターンがあります。以下にまとめましたので、重点的に対策してください。

【共通テスト頻出パターン】

パターン 出題形式 対策ポイント
日常場面の数学化 会話文形式で、具体的な状況を数学的に分析 長い文章から必要な情報を抽出する訓練
データの分析 表やグラフを読み取り、統計量を計算 平均、分散、相関係数の計算を素早く
図形と計量 測量、建物の高さなどの実用的問題 三角比の公式を確実に使えるように
確率の文章題 ゲーム、くじ引きなどの設定 条件付き確率、期待値を正確に

【国公立二次試験頻出パターン】

パターン 難易度 必要な力
最大・最小問題 ★★★ 微分、2次関数の活用
整数問題 ★★★★ 剰余、約数・倍数の性質
確率漸化式 ★★★★ 漸化式の立式と解法
領域と最大最小 ★★★ 線形計画法、図示
軌跡・領域の文章題 ★★★★ 条件の式への変換

【私立大学頻出パターン】

大学レベル 頻出テーマ 特徴
難関私大(早慶等) 整数、確率、数列の融合 複数分野の知識を組み合わせる
GMARCH 速さ、濃度、図形の計量 標準的だが計算量が多い
日東駒専 基本的な方程式の文章題 基礎の定着が重要

【分野別・出題頻度マップ】

◎ 非常に高い(毎年出題)

  • 確率の文章題(条件付き確率、期待値)
  • 2次関数の最大最小
  • 三角比・三角関数の図形への応用

○ 高い(2年に1回程度)

  • 数列の漸化式(増殖・減衰モデル)
  • 指数・対数の応用(複利計算、半減期)
  • ベクトルの文章題

△ やや高い(3年に1回程度)

  • 整数問題(n進法、剰余類)
  • 微積分の応用(面積、体積の最大最小)
  • 複素数平面の図形問題

【入試直前チェックリスト】

□ 速さ・時間・距離の3公式を即座に使えるか

□ 濃度計算で食塩の量を正確に求められるか

□ 連立方程式を素早く解けるか

□ 2次方程式の解の公式を正確に使えるか

□ 解の吟味を忘れずにできるか

□ 図や表を使って情報を整理できるか

□ 単位の変換がスムーズにできるか

□ 確率の基本(順列・組合せ)を理解しているか

□ 微分を使った最大最小の求め方を知っているか

□ 数列の一般項を求められるか


日本数学塾・数強塾でさらに実力を伸ばそう

ここまで「藤原式5ステップ解法」を使った文章題の解き方を詳しく解説してきました。いかがでしたか?

文章題が苦手だった方も、

  • ステップ1:問題文を3回読む
  • ステップ2:図や表で情報を整理する
  • ステップ3:未知数を設定する
  • ステップ4:方程式を立てる
  • ステップ5:解いて吟味する

この5ステップを意識して練習することで、確実に力がついてきます。

さらなる実力アップを目指す方へ

本記事で紹介した内容は、文章題攻略の基礎から応用までをカバーしていますが、実際の入試ではさらに複雑な問題や、複数分野が融合した問題が出題されます。

「もっと深く学びたい」「自分の弱点を克服したい」「志望校の傾向に合わせた対策をしたい」という方は、ぜひ日本数学塾・数強塾の門を叩いてください。

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最後に:文章題克服への道

数学の文章題は、多くの受験生が苦手意識を持つ分野です。しかし、正しい方法で学べば、必ず克服できます。

本記事で紹介した「5ステップ解法」を繰り返し実践してください。最初は時間がかかっても構いません。大切なのは、「型」を身につけることです。

🔑 文章題克服の3つの鍵

  1. 読解力:問題文を正確に理解する
  2. 変換力:日本語を数式に翻訳する
  3. 検証力:答えが正しいか確認する

この3つの力をバランスよく鍛えることが、文章題マスターへの近道です。

私、藤原進之介は、一人でも多くの生徒さんが「数学ができる!」という自信を持てるよう、これからも全力でサポートしていきます。

この記事が、あなたの数学力向上の一助となれば幸いです。

わからないことがあれば、いつでも日本数学塾数強塾にご相談ください。一緒に数学の楽しさを見つけていきましょう!


【付録】文章題 重要公式・チートシート

最後に、文章題を解く際によく使う公式をまとめました。プリントアウトして手元に置いておくと便利です。

■ 速さ・時間・距離

公式 変形
距離 = 速さ × 時間 d = v × t
速さ = 距離 ÷ 時間 v = d / t
時間 = 距離 ÷ 速さ t = d / v

【単位変換】
・1時間 = 60分 = 3600秒
・時速 a km = 分速 a/60 km = 秒速 a/3600 km
・時速 a km = 分速 1000a/60 m = 秒速 1000a/3600 m

■ 濃度

公式
濃度(%) = (溶質 ÷ 溶液) × 100
溶質 = 溶液 × 濃度 / 100
溶液 = 溶質 + 溶媒

【混合のポイント】
混合前後で「溶質の総量」は変化しない!

■ 割合

表現 小数 分数
○割 0.○ ○/10
○% 0.0○ ○/100
○割引き (10-○)/10 元の値 × (10-○)/10
○%増し (100+○)/100 元の値 × (100+○)/100

■ 整数の表し方

種類 表し方
連続する整数 n, n+1, n+2, ...
連続する偶数 2n, 2n+2, 2n+4, ...
連続する奇数 2n-1, 2n+1, 2n+3, ...
2桁の自然数 10a + b (1≦a≦9, 0≦b≦9)
3桁の自然数 100a + 10b + c
kの倍数 kn (nは整数)
kで割るとrあまる数 kn + r

■ 流水算

状況 速さ
下り(流れに乗る) 静水時の速さ + 流れの速さ
上り(流れに逆らう) 静水時の速さ − 流れの速さ

■ 仕事算

基本の考え方:仕事全体を「1」とおく

条件 1日(1時間)の仕事量
Aが a 日で完成 1/a
Bが b 日で完成 1/b
A, B共同 1/a + 1/b

■ 年齢算

ポイント:何年経っても年齢差は変わらない

時点 Aの年齢 Bの年齢
現在 a b
n年後 a + n b + n
n年前 a − n b − n

■ 確率・期待値

公式
P(A) = (Aが起こる場合の数) / (全事象の場合の数)
E(X) = Σ xᵢ × P(X = xᵢ) (期待値)
P(A∩B) = P(A) × P(B) (独立な場合)
P(B|A) = P(A∩B) / P(A) (条件付き確率)

■ 2次方程式の解の公式

ax² + bx + c = 0 のとき
x = (−b ± √(b² − 4ac)) / 2a

■ 面積の公式(よく使うもの)

図形 面積
三角形 (1/2) × 底辺 × 高さ
三角形(3辺から) √(s(s-a)(s-b)(s-c)) ※s=(a+b+c)/2
三角形(2辺と挟角) (1/2) × a × b × sinC
台形 (1/2) × (上底 + 下底) × 高さ
πr²
扇形 (1/2) × r² × θ (θはラジアン)

数学の文章題を得意にして、志望校合格を勝ち取ろう!

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© 日本数学塾・数強塾 講師:藤原進之介