佐賀大学 2016年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!

こんにちは!数強塾日本数学塾講師の藤原進之介です。

今回は佐賀大学 2016年度(平成28年度)前期日程の数学を徹底解説していきます!佐賀大学を志望する受験生の皆さん、一緒にこの年度の問題を攻略していきましょう!

佐賀大学の数学は、基本から標準レベルの問題が中心ですが、しっかりとした計算力と論理的思考力が求められます。この年度も例年通り、数列・確率・微積分・ベクトルなど幅広い分野から出題されました。それでは、各大問を詳しく見ていきましょう!

試験概要・難易度

2016年度 佐賀大学 前期日程 数学 試験概要

項目 内容
試験時間 120分(理工学部・医学部)/ 90分(農学部・文化教育学部など)
問題数 大問4題(理工学部・医学部)/ 大問4題(農学部等は一部共通問題)
出題形式 記述式
出題範囲 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(理工学部・医学部)
配点 理工学部:200点 / 医学部:200点

全体講評

2016年度の佐賀大学数学は、全体的に標準レベルの出題でした。特に以下の点が特徴的です:

  • 第1問(数列・漸化式):階差数列と漸化式の典型問題。基本をしっかり押さえていれば完答できる問題。
  • 第2問(ベクトル):平面ベクトルの内積や面積に関する問題。計算量はやや多めだが、標準的な難易度。
  • 第3問(場合の数・確率):カードを並べる問題で、条件付き確率も含む。丁寧な場合分けが必要。
  • 第4問(微分積分):関数の最大最小や面積計算。計算力が問われる問題。

難易度評価:★★★☆☆(標準)

基礎を固めた受験生にとっては、高得点を狙える年度だったと言えます。ただし、計算ミスをしやすい問題も含まれているため、検算の習慣が合否を分けるポイントになったでしょう。

大問1:数列と漸化式

問題

【第1問】

$a_1 = 1$ および

$a_{n+1} = 2a_n + 3^n$ ($n = 1, 2, 3, cdots$)

で定められる数列 ${a_n}$ に対して,次の問に答えよ。

(1) $b_n = a_{n+1} - a_n$ とおくとき,数列 ${b_n}$ の一般項を求めよ。

(2) 数列 ${a_n}$ の一般項を求めよ。

解説・解法のポイント

この問題は階差数列特性方程式を使った漸化式の解法の両方を理解しているかを問う問題です。段階的に解いていきましょう。

【(1) の解説】$b_n = a_{n+1} - a_n$ の一般項を求める

Step 1:漸化式から $b_n$ の漸化式を導出する

与えられた漸化式 $a_{n+1} = 2a_n + 3^n$ において、$n$ を $n+1$ に置き換えると:

$a_{n+2} = 2a_{n+1} + 3^{n+1}$

ここで、$b_n = a_{n+1} - a_n$ より:

$b_{n+1} = a_{n+2} - a_{n+1}$

これを計算すると:

$b_{n+1} = (2a_{n+1} + 3^{n+1}) - a_{n+1} = a_{n+1} + 3^{n+1}$

一方、元の漸化式より $a_{n+1} = 2a_n + 3^n$ なので:

$b_{n+1} = 2a_n + 3^n + 3^{n+1} = 2a_n + 3^n + 3 cdot 3^n = 2a_n + 4 cdot 3^n$

また、$b_n = a_{n+1} - a_n = 2a_n + 3^n - a_n = a_n + 3^n$ より:

$b_n = a_n + 3^n$

したがって:

$b_{n+1} = 2(b_n - 3^n) + 4 cdot 3^n = 2b_n - 2 cdot 3^n + 4 cdot 3^n = 2b_n + 2 cdot 3^n$

Step 2:別のアプローチで直接求める

$b_n = a_{n+1} - a_n = (2a_n + 3^n) - a_n = a_n + 3^n$ より、

$b_1 = a_2 - a_1 = (2 cdot 1 + 3^1) - 1 = 5 - 1 = 4$

また、$b_{n+1} = a_{n+1} + 3^{n+1}$ と $b_n = a_n + 3^n$ から:

$b_{n+1} - 2b_n = (a_{n+1} + 3^{n+1}) - 2(a_n + 3^n)$

$= a_{n+1} - 2a_n + 3^{n+1} - 2 cdot 3^n$

$= 3^n + 3 cdot 3^n - 2 cdot 3^n = 2 cdot 3^n$

つまり $b_{n+1} = 2b_n + 2 cdot 3^n$ となります。

両辺を $3^{n+1}$ で割ると:

$frac{b_{n+1}}{3^{n+1}} = frac{2}{3} cdot frac{b_n}{3^n} + frac{2}{3}$

$c_n = frac{b_n}{3^n}$ とおくと:

$c_{n+1} = frac{2}{3}c_n + frac{2}{3}$

$c_{n+1} - 2 = frac{2}{3}(c_n - 2)$

$c_1 = frac{b_1}{3} = frac{4}{3}$ より $c_1 - 2 = -frac{2}{3}$

よって $c_n - 2 = -frac{2}{3} cdot left(frac{2}{3}right)^{n-1} = -frac{2}{3} cdot frac{2^{n-1}}{3^{n-1}} = -frac{2^n}{3^n}$

したがって $c_n = 2 - frac{2^n}{3^n}$

$b_n = 3^n cdot c_n = 3^n cdot left(2 - frac{2^n}{3^n}right) = 2 cdot 3^n - 2^n$

答:$b_n = 2 cdot 3^n - 2^n$

【(2) の解説】数列 ${a_n}$ の一般項を求める

Step 1:階差数列の公式を利用する

$b_n = a_{n+1} - a_n$ は数列 ${a_n}$ の階差数列です。

$n geq 2$ のとき:

$a_n = a_1 + sum_{k=1}^{n-1} b_k = 1 + sum_{k=1}^{n-1} (2 cdot 3^k - 2^k)$

Step 2:和を計算する

$sum_{k=1}^{n-1} 2 cdot 3^k = 2 cdot frac{3(3^{n-1} - 1)}{3 - 1} = 2 cdot frac{3^n - 3}{2} = 3^n - 3$

$sum_{k=1}^{n-1} 2^k = frac{2(2^{n-1} - 1)}{2 - 1} = 2^n - 2$

よって:

$a_n = 1 + (3^n - 3) - (2^n - 2) = 1 + 3^n - 3 - 2^n + 2 = 3^n - 2^n$

Step 3:$n = 1$ のとき確認

$a_1 = 3^1 - 2^1 = 3 - 2 = 1$ ✓(初期条件と一致)

答:$a_n = 3^n - 2^n$

別解・発展

【別解】特性方程式を用いた直接解法

漸化式 $a_{n+1} = 2a_n + 3^n$ を直接解く方法もあります。

両辺を $3^{n+1}$ で割ると:

$frac{a_{n+1}}{3^{n+1}} = frac{2}{3} cdot frac{a_n}{3^n} + frac{1}{3}$

$c_n = frac{a_n}{3^n}$ とおくと:

$c_{n+1} = frac{2}{3}c_n + frac{1}{3}$

特性方程式 $alpha = frac{2}{3}alpha + frac{1}{3}$ より $alpha = 1$

$c_{n+1} - 1 = frac{2}{3}(c_n - 1)$ より

$c_n - 1 = left(frac{2}{3}right)^{n-1}(c_1 - 1)$

$c_1 = frac{a_1}{3} = frac{1}{3}$ より $c_1 - 1 = -frac{2}{3}$

$c_n = 1 - frac{2}{3} cdot left(frac{2}{3}right)^{n-1} = 1 - frac{2^n}{3^n}$

$a_n = 3^n cdot c_n = 3^n - 2^n$

【発展】この漸化式の構造について

漸化式 $a_{n+1} = pa_n + q cdot r^n$ の形は、「1次式+指数関数」型と呼ばれます。解法のポイントは:

  1. 両辺を $r^{n+1}$ で割って、等比数列に帰着させる
  2. または $a_n = alpha cdot p^n + beta cdot r^n$ の形を仮定して係数を決定する

この型の問題は九州地方の国公立大学で頻出なので、しっかりマスターしておきましょう!

大問2:平面ベクトル

問題

【第2問】

三角形ABCにおいて、$AB = 3$、$AC = 4$、$cos angle BAC = frac{1}{4}$ とする。辺BC上に点Pをとり、$overrightarrow{AP} = soverrightarrow{AB} + toverrightarrow{AC}$($s, t geq 0$、$s + t = 1$)とおく。次の問に答えよ。

(1) 内積 $overrightarrow{AB} cdot overrightarrow{AC}$ を求めよ。

(2) $|overrightarrow{AP}|^2$ を $s$ を用いて表せ。

(3) $|overrightarrow{AP}|$ が最小となるときの $s$ の値と、そのときの $|overrightarrow{AP}|$ の値を求めよ。

解説・解法のポイント

【(1) の解説】内積 $overrightarrow{AB} cdot overrightarrow{AC}$ を求める

内積の定義より:

$overrightarrow{AB} cdot overrightarrow{AC} = |overrightarrow{AB}| cdot |overrightarrow{AC}| cdot cos angle BAC$

$= 3 times 4 times frac{1}{4} = 3$

答:$overrightarrow{AB} cdot overrightarrow{AC} = 3$

【(2) の解説】$|overrightarrow{AP}|^2$ を $s$ で表す

Step 1:$t = 1 - s$ を代入する

$overrightarrow{AP} = soverrightarrow{AB} + toverrightarrow{AC} = soverrightarrow{AB} + (1-s)overrightarrow{AC}$

Step 2:$|overrightarrow{AP}|^2$ を計算する

$|overrightarrow{AP}|^2 = overrightarrow{AP} cdot overrightarrow{AP}$

$= {soverrightarrow{AB} + (1-s)overrightarrow{AC}} cdot {soverrightarrow{AB} + (1-s)overrightarrow{AC}}$

$= s^2|overrightarrow{AB}|^2 + 2s(1-s)overrightarrow{AB} cdot overrightarrow{AC} + (1-s)^2|overrightarrow{AC}|^2$

Step 3:各成分を代入する

$|overrightarrow{AB}|^2 = 9$、$|overrightarrow{AC}|^2 = 16$、$overrightarrow{AB} cdot overrightarrow{AC} = 3$ より:

$|overrightarrow{AP}|^2 = 9s^2 + 6s(1-s) + 16(1-s)^2$

$= 9s^2 + 6s - 6s^2 + 16(1 - 2s + s^2)$

$= 9s^2 + 6s - 6s^2 + 16 - 32s + 16s^2$

$= 19s^2 - 26s + 16$

答:$|overrightarrow{AP}|^2 = 19s^2 - 26s + 16$

【(3) の解説】$|overrightarrow{AP}|$ が最小となる $s$ と最小値

Step 1:2次関数の最小値問題として考える

$f(s) = 19s^2 - 26s + 16$ とおくと、$|overrightarrow{AP}|^2 = f(s)$ です。

$|overrightarrow{AP}| geq 0$ なので、$f(s)$ が最小のとき $|overrightarrow{AP}|$ も最小になります。

Step 2:平方完成する

$f(s) = 19left(s^2 - frac{26}{19}sright) + 16$

$= 19left(s - frac{13}{19}right)^2 - 19 times frac{169}{361} + 16$

$= 19left(s - frac{13}{19}right)^2 - frac{169}{19} + 16$

$= 19left(s - frac{13}{19}right)^2 + frac{-169 + 304}{19}$

$= 19left(s - frac{13}{19}right)^2 + frac{135}{19}$

Step 3:最小値を求める

頂点の $s$ 座標は $s = frac{13}{19}$ です。

$0 leq s leq 1$ の範囲で、$frac{13}{19} approx 0.684$ はこの範囲内にあるので、

$s = frac{13}{19}$ のとき最小値 $f(s) = frac{135}{19}$ をとります。

$|overrightarrow{AP}| = sqrt{frac{135}{19}} = sqrt{frac{135}{19}} = frac{sqrt{135 times 19}}{19} = frac{sqrt{2565}}{19} = frac{3sqrt{285}}{19}$

または、$sqrt{frac{135}{19}} = sqrt{frac{135}{19}} = frac{sqrt{2565}}{19}$ と表せます。

$135 = 27 times 5 = 9 times 15$ より $sqrt{135} = 3sqrt{15}$ なので:

$|overrightarrow{AP}| = sqrt{frac{135}{19}} = frac{3sqrt{15}}{sqrt{19}} = frac{3sqrt{285}}{19}$

答:$s = frac{13}{19}$、$|overrightarrow{AP}| = frac{3sqrt{285}}{19}$

別解・発展

【別解】微分を用いた最小値の求め方

$f(s) = 19s^2 - 26s + 16$ を微分すると:

$f'(s) = 38s - 26$

$f'(s) = 0$ のとき $s = frac{26}{38} = frac{13}{19}$

$f''(s) = 38 > 0$ より、この点で極小かつ最小。

【発展】垂線の足との関係

$|overrightarrow{AP}|$ が最小となる点Pは、実は点Aから直線BCに下ろした垂線の足です。これは「点と直線の距離」の概念と関連しています。

大問3:場合の数と確率

問題

【第3問】

1から5の数字が書かれたカードが1枚ずつある。これらから4枚を選び、横1列に並べる。並べられたカードに書かれた数字を左から順に $a$、$b$、$c$、$d$ とおく。このとき、次の問に答えよ。

(1) カードの並べ方の総数を求めよ。

(2) $a < b$ かつ $c < d$ となる並べ方の数を求めよ。

(3) $a < b < c < d$ となる並べ方の数を求めよ。

(4) $a < b$ かつ $c < d$ であるとき、$b < c$ となる確率を求めよ。

解説・解法のポイント

【(1) の解説】カードの並べ方の総数

5枚のカードから4枚を選んで1列に並べる場合の数は:

$_5P_4 = 5 times 4 times 3 times 2 = 120$ 通り

答:120通り

【(2) の解説】$a < b$ かつ $c < d$ となる並べ方

Step 1:考え方を整理する

まず、5枚から4枚を選ぶ方法は $_5C_4 = 5$ 通りです。

選んだ4枚のカードを $(a, b)$ と $(c, d)$ の2組に分ける方法を考えます。

Step 2:4枚を2組に分ける

4枚のカードから2枚を選んで $(a, b)$ とし、残り2枚を $(c, d)$ とします。

2枚の選び方は $_4C_2 = 6$ 通りです。

Step 3:各組内での大小関係

$(a, b)$ の2枚について、$a < b$ となる並べ方は1通り(大小が決まれば自動的に配置が決まる)。

同様に $(c, d)$ についても $c < d$ となる並べ方は1通り。

Step 4:計算

$5 times 6 times 1 times 1

$5 times 6 times 1 times 1 = 30$ 通り

答:30通り

【(3) の解説】$a < b < c < d$ となる並べ方

Step 1:条件を整理する

$a < b < c < d$ ということは、4つの数字が全て昇順に並んでいるということです。

Step 2:5枚から4枚を選ぶ

5枚から4枚を選ぶと、その4枚を昇順に並べる方法は1通りしかありません

したがって、並べ方の数は選び方の数と等しく:

$_5C_4 = 5$ 通り

具体的には:

  • (1, 2, 3, 4):5を除いた場合
  • (1, 2, 3, 5):4を除いた場合
  • (1, 2, 4, 5):3を除いた場合
  • (1, 3, 4, 5):2を除いた場合
  • (2, 3, 4, 5):1を除いた場合

答:5通り

【(4) の解説】条件付き確率を求める

Step 1:条件付き確率の定義を確認

「$a < b$ かつ $c < d$」という条件のもとで「$b < c$」となる確率を求めます。

$P(b < c mid a < b text{ かつ } c < d) = frac{text{($a < b$ かつ $b < c$ かつ $c < d$ の場合の数)}}{text{($a < b$ かつ $c < d$ の場合の数)}}$

Step 2:分母を確認

(2)より、$a < b$ かつ $c < d$ となる場合の数は30通りです。

Step 3:分子を計算する

$a < b$ かつ $b < c$ かつ $c < d$ は、つまり $a < b < c < d$ です。

(3)より、これは5通りです。

Step 4:確率を計算

$P = frac{5}{30} = frac{1}{6}$

答:$frac{1}{6}$

別解・発展

【別解】(2)の別の考え方

全ての並べ方120通りのうち、$(a, b)$ の大小関係は「$a b$」の2通りで、各々同様に確からしいので、$a < b$ となる確率は $frac{1}{2}$ です。

同様に、$c < d$ となる確率も $frac{1}{2}$ です。

$(a, b)$ と $(c, d)$ の大小関係は独立なので:

$P(a < b text{ かつ } c < d) = frac{1}{2} times frac{1}{2} = frac{1}{4}$

よって、場合の数は $120 times frac{1}{4} = 30$ 通り。

【発展】一般化

$n$ 枚のカードから $2k$ 枚を選んで並べ、$k$ 組の隣接ペアを作り、各ペアが昇順になる確率は $left(frac{1}{2}right)^k$ となります。このような対称性を利用した考え方は、様々な確率問題で有効です。

大問4:微分積分(関数の最大最小と面積)

問題

【第4問】

関数 $f(x) = x^3 - 3x^2 + 4$ について、次の問に答えよ。

(1) $f(x)$ の極値を求めよ。

(2) 曲線 $y = f(x)$ と $x$ 軸との共有点の座標を求めよ。

(3) 曲線 $y = f(x)$ と $x$ 軸で囲まれた部分の面積を求めよ。

解説・解法のポイント

【(1) の解説】$f(x)$ の極値を求める

Step 1:$f(x)$ を微分する

$f'(x) = 3x^2 - 6x = 3x(x - 2)$

Step 2:$f'(x) = 0$ となる $x$ を求める

$3x(x - 2) = 0$ より、$x = 0$ または $x = 2$

Step 3:増減表を作成する

$x$ $cdots$ 0 $cdots$ 2 $cdots$
$f'(x)$ $+$ 0 $-$ 0 $+$
$f(x)$ 極大 極小

Step 4:極値を計算する

極大値:$f(0) = 0^3 - 3 times 0^2 + 4 = 4$

極小値:$f(2) = 2^3 - 3 times 2^2 + 4 = 8 - 12 + 4 = 0$

答:$x = 0$ で極大値 $4$、$x = 2$ で極小値 $0$

【(2) の解説】曲線と $x$ 軸との共有点

Step 1:$f(x) = 0$ を解く

$x^3 - 3x^2 + 4 = 0$

(1)より、$f(2) = 0$ なので、$x = 2$ は解の1つです。

Step 2:因数分解する

$f(x)$ を $(x - 2)$ で割ります:

$x^3 - 3x^2 + 4 = (x - 2)(x^2 - x - 2) = (x - 2)(x - 2)(x + 1) = (x - 2)^2(x + 1)$

【確認】$(x - 2)(x^2 - x - 2)$ の展開:

$x^2 - x - 2 = (x - 2)(x + 1)$ より

$f(x) = (x - 2)^2(x + 1)$

Step 3:解を求める

$(x - 2)^2(x + 1) = 0$ より、$x = 2$(重解)または $x = -1$

答:$(-1, 0)$、$(2, 0)$

【(3) の解説】曲線と $x$ 軸で囲まれた面積

Step 1:グラフの概形を把握する

$f(x) = (x - 2)^2(x + 1)$ より:

  • $x < -1$ のとき:$f(x) < 0$
  • $-1 < x 0$
  • $x > 2$ のとき:$f(x) > 0$

したがって、曲線は $x = -1$ で $x$ 軸と交わり、$x = 2$ で $x$ 軸に接します。

囲まれた部分は $-1 leq x leq 2$ の範囲で、曲線が $x$ 軸より上にある部分です。

Step 2:面積を計算する

$S = int_{-1}^{2} f(x) , dx = int_{-1}^{2} (x^3 - 3x^2 + 4) , dx$

$= left[frac{x^4}{4} - x^3 + 4xright]_{-1}^{2}$

Step 3:定積分を計算する

$x = 2$ のとき:

$frac{2^4}{4} - 2^3 + 4 times 2 = frac{16}{4} - 8 + 8 = 4$

$x = -1$ のとき:

$frac{(-1)^4}{4} - (-1)^3 + 4 times (-1) = frac{1}{4} + 1 - 4 = frac{1}{4} - 3 = -frac{11}{4}$

$S = 4 - left(-frac{11}{4}right) = 4 + frac{11}{4} = frac{16 + 11}{4} = frac{27}{4}$

答:$S = frac{27}{4}$

別解・発展

【別解】$frac{1}{12}$ 公式を用いた面積計算

曲線 $y = (x - alpha)^2(x - beta)$($alpha > beta$)と $x$ 軸で囲まれた面積は:

$S = frac{1}{12}(alpha - beta)^4$

本問では $f(x) = (x - 2)^2(x + 1)$ で、$alpha = 2$、$beta = -1$ なので:

$S = frac{1}{12}(2 - (-1))^4 = frac{1}{12} times 3^4 = frac{81}{12} = frac{27}{4}$

この公式は時間短縮に有効ですが、導出過程を理解していることが前提です。

【発展】$frac{1}{12}$ 公式の導出

$y = (x - alpha)^2(x - beta)$ と $x$ 軸で囲まれた面積を計算すると:

$S = left|int_{beta}^{alpha} (x - alpha)^2(x - beta) , dxright|$

$t = x - alpha$ と置換すると $x - beta = t + (alpha - beta)$、$dx = dt$ より:

$S = left|int_{-(α-β)}^{0} t^2(t + (alpha - beta)) , dtright|$

計算を進めると $frac{1}{12}(alpha - beta)^4$ が得られます。

この年度の重要テーマと対策

2016年度の出題傾向まとめ

2016年度の佐賀大学数学を振り返ると、以下のような特徴が見られました:

大問 分野 キーワード 難易度
第1問 数列 漸化式、階差数列、等比数列への変換 ★★☆☆☆
第2問 ベクトル 内積、ベクトルの大きさ、2次関数の最小値 ★★★☆☆
第3問 場合の数・確率 順列、条件付き確率、対称性 ★★★☆☆
第4問 微分積分 極値、因数分解、定積分、面積 ★★☆☆☆

佐賀大学合格のための重要ポイント

1. 漸化式の解法をマスターしよう

佐賀大学では数列が頻出です。特に以下の漸化式のパターンは必ず解けるようにしておきましょう:

  • 等差型:$a_{n+1} = a_n + d$
  • 等比型:$a_{n+1} = ra_n$
  • 特性方程式型:$a_{n+1} = pa_n + q$
  • 指数型:$a_{n+1} = pa_n + q cdot r^n$(今回出題)
  • 階差数列型:$b_n = a_{n+1} - a_n$ を利用

2. ベクトルの計算力を鍛えよう

ベクトルの問題では、内積の計算大きさの2乗を正確に求められることが重要です。

  • 内積の定義:$vec{a} cdot vec{b} = |vec{a}||vec{b}|costheta$
  • 大きさの2乗:$|vec{a}|^2 = vec{a} cdot vec{a}$
  • 分配法則:$(vec{a} + vec{b}) cdot vec{c} = vec{a} cdot vec{c} + vec{b} cdot vec{c}$

3. 場合の数と確率は丁寧に数えよう

確率の問題では、条件を正確に把握し、ダブりなく漏れなく数えることが大切です。

  • 全体の場合の数を最初に確認する
  • 「同様に確からしい」かどうかを確認する
  • 条件付き確率の問題では、分母と分子を明確にする

4. 微積分は基本公式を徹底しよう

微分積分は計算量が多いため、計算ミスをしないことが重要です。

  • 導関数の計算を素早く正確に
  • 増減表は丁寧に作成する
  • 因数分解で解を見つける技術
  • 定積分の計算は置換や公式を適切に使う

時間配分の目安

120分で4題を解く場合の目安:

  • 第1問(数列):20〜25分
  • 第2問(ベクトル):25〜30分
  • 第3問(確率):25〜30分
  • 第4問(微積分):25〜30分
  • 見直し:10〜15分

ポイント:難しいと感じた問題で時間を使いすぎないこと。確実に解ける問題から解いていき、残った時間で難問に挑戦しましょう。

類似問題で練習しよう(練習問題3問)

ここからは、2016年度の出題傾向に合わせた練習問題を3問出題します。実際に解いて、力をつけていきましょう!

【練習問題1】数列と漸化式

問題

$a_1 = 2$ および $a_{n+1} = 3a_n + 2^{n+1}$($n = 1, 2, 3, cdots$)で定められる数列 ${a_n}$ の一般項を求めよ。

【解答・解説】

Step 1:両辺を $3^{n+1}$ で割る

$frac{a_{n+1}}{3^{n+1}} = frac{a_n}{3^n} + frac{2^{n+1}}{3^{n+1}}$

$b_n = frac{a_n}{3^n}$ とおくと:

$b_{n+1} = b_n + frac{2}{3} cdot left(frac{2}{3}right)^n$

Step 2:階差数列として和を求める

$b_1 = frac{a_1}{3} = frac{2}{3}$

$n geq 2$ のとき:

$b_n = b_1 + sum_{k=1}^{n-1} frac{2}{3} cdot left(frac{2}{3}right)^k = frac{2}{3} + frac{2}{3} cdot frac{frac{2}{3}(1 - (frac{2}{3})^{n-1})}{1 - frac{2}{3}}$

$= frac{2}{3} + frac{2}{3} cdot frac{frac{2}{3} - frac{2^n}{3^n}}{frac{1}{3}} = frac{2}{3} + 2left(frac{2}{3} - frac{2^n}{3^n}right)$

$= frac{2}{3} + frac{4}{3} - frac{2^{n+1}}{3^n} = 2 - frac{2^{n+1}}{3^n}$

Step 3:$a_n$ を求める

$a_n = 3^n cdot b_n = 3^n cdot left(2 - frac{2^{n+1}}{3^n}right) = 2 cdot 3^n - 2^{n+1}$

$n = 1$ のとき:$a_1 = 2 cdot 3 - 2^2 = 6 - 4 = 2$ ✓

答:$a_n = 2 cdot 3^n - 2^{n+1}$

【練習問題2】平面ベクトルと面積

問題

三角形OABにおいて、$overrightarrow{OA} = vec{a}$、$overrightarrow{OB} = vec{b}$ とし、$|vec{a}| = 2$、$|vec{b}| = 3$、$vec{a} cdot vec{b} = 2$ とする。

(1) $cos angle AOB$ を求めよ。

(2) 三角形OABの面積を求めよ。

(3) 辺AB上に点Pをとり、$overrightarrow{OP} = (1-t)vec{a} + tvec{b}$($0 leq t leq 1$)とするとき、$|overrightarrow{OP}|$ の最小値を求めよ。

【解答・解説】

(1) $cos angle AOB$ を求める

$cos angle AOB = frac{vec{a} cdot vec{b}}{|vec{a}||vec{b}|} = frac{2}{2 times 3} = frac{1}{3}$

答:$cos angle AOB = frac{1}{3}$

(2) 三角形OABの面積

$sin angle AOB = sqrt{1 - cos^2 angle AOB} = sqrt{1 - frac{1}{9}} = sqrt{frac{8}{9}} = frac{2sqrt{2}}{3}$

$S = frac{1}{2}|vec{a}||vec{b}|sin angle AOB = frac{1}{2} times 2 times 3 times frac{2sqrt{2}}{3} = 2sqrt{2}$

答:$S = 2sqrt{2}$

(3) $|overrightarrow{OP}|$ の最小値

$|overrightarrow{OP}|^2 = |(1-t)vec{a} + tvec{b}|^2$

$= (1-t)^2|vec{a}|^2 + 2t(1-t)vec{a} cdot vec{b} + t^2|vec{b}|^2$

$= 4(1-t)^2 + 4t(1-t) + 9t^2$

$= 4 - 8t + 4t^2 + 4t - 4t^2 + 9t^2$

$= 9t^2 - 4t + 4$

$f(t) = 9t^2 - 4t + 4$ を平方完成:

$f(t) = 9left(t - frac{2}{9}right)^2 + 4 - frac{4}{9} = 9left(t - frac{2}{9}right)^

$f(t) = 9left(t - frac{2}{9}right)^2 + 4 - frac{4}{9} = 9left(t - frac{2}{9}right)^2 + frac{32}{9}$

$t = frac{2}{9}$ は $0 leq t leq 1$ の範囲内なので、最小値は $frac{32}{9}$

$|overrightarrow{OP}|_{min} = sqrt{frac{32}{9}} = frac{4sqrt{2}}{3}$

答:$|overrightarrow{OP}|$ の最小値は $frac{4sqrt{2}}{3}$

【練習問題3】微分積分と面積

問題

関数 $f(x) = x^3 - 6x^2 + 9x$ について、次の問に答えよ。

(1) $f(x)$ の極値を求めよ。

(2) 曲線 $y = f(x)$ と直線 $y = x$ の共有点の座標を全て求めよ。

(3) 曲線 $y = f(x)$ と直線 $y = x$ で囲まれた部分の面積を求めよ。

【解答・解説】

(1) $f(x)$ の極値を求める

$f'(x) = 3x^2 - 12x + 9 = 3(x^2 - 4x + 3) = 3(x-1)(x-3)$

$f'(x) = 0$ より、$x = 1$ または $x = 3$

増減表:

$x$ $cdots$ 1 $cdots$ 3 $cdots$
$f'(x)$ $+$ 0 $-$ 0 $+$
$f(x)$ 極大 極小

$f(1) = 1 - 6 + 9 = 4$(極大値)

$f(3) = 27 - 54 + 27 = 0$(極小値)

答:$x = 1$ で極大値 $4$、$x = 3$ で極小値 $0$

(2) 曲線 $y = f(x)$ と直線 $y = x$ の共有点

$f(x) = x$ を解く:

$x^3 - 6x^2 + 9x = x$

$x^3 - 6x^2 + 8x = 0$

$x(x^2 - 6x + 8) = 0$

$x(x - 2)(x - 4) = 0$

$x = 0, 2, 4$

共有点の座標:$(0, 0)$、$(2, 2)$、$(4, 4)$

答:$(0, 0)$、$(2, 2)$、$(4, 4)$

(3) 囲まれた部分の面積

$g(x) = f(x) - x = x^3 - 6x^2 + 8x = x(x-2)(x-4)$ とおく。

$0 < x 0$(曲線が直線より上)

$2 < x < 4$ のとき $g(x) < 0$(曲線が直線より下)

$S = int_0^2 g(x) , dx + left|int_2^4 g(x) , dxright|$

$g(x) = x(x-2)(x-4)$ は3次関数で、対称性を利用できます。

$int_0^2 x(x-2)(x-4) , dx$ を計算:

$int_0^2 (x^3 - 6x^2 + 8x) , dx = left[frac{x^4}{4} - 2x^3 + 4x^2right]_0^2$

$= frac{16}{4} - 16 + 16 = 4$

$int_2^4 (x^3 - 6x^2 + 8x) , dx$ を計算:

$left[frac{x^4}{4} - 2x^3 + 4x^2right]_2^4$

$= left(frac{256}{4} - 128 + 64right) - left(frac{16}{4} - 16 + 16right)$

$= (64 - 128 + 64) - 4 = 0 - 4 = -4$

$S = 4 + |-4| = 4 + 4 = 8$

答:$S = 8$

【別解】$frac{1}{12}$ 公式の応用

3次関数 $y = a(x - alpha)(x - beta)(x - gamma)$($alpha < beta < gamma$)と直線で囲まれた2つの部分の面積の和は:

$S = frac{|a|}{12}{(beta - alpha)^4 + (gamma - beta)^4}$

本問では $g(x) = x(x-2)(x-4)$ で $a = 1$、$alpha = 0$、$beta = 2$、$gamma = 4$ なので:

$S = frac{1}{12}{(2-0)^4 + (4-2)^4} = frac{1}{12}(16 + 16) = frac{32}{12} = frac{8}{3}$

あれ?答えが異なりますね。これは公式の適用条件を間違えています。

正しくは、各区間ごとに $frac{1}{12}$ 公式を適用する必要があります。ここでは、$y = x(x-2)(x-4)$ と $y = 0$ で囲まれた面積を求めることになります。

$[0, 2]$ の区間では $y = x(x-2)(x-4) = (x-0)(x-2) cdot (x-4)$ と考えますが、これは単純な $frac{1}{12}$ 公式の形ではありません。

したがって、この問題では素直に定積分で計算するのが確実です。

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執筆者:藤原進之介
数強塾日本数学塾 講師
大学入試数学の解説・指導を専門とし、多くの受験生を志望校合格に導いてきました。「数学は正しく学べば誰でもできるようになる」をモットーに、わかりやすい授業を心がけています。

※本記事の問題は、公開されている過去問情報および入試傾向をもとに作成・再構成したものです。実際の入試問題と異なる場合があります。最新の情報は佐賀大学の公式サイトでご確認ください。

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