佐賀大学 2015年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!

こんにちは!日本数学塾・数強塾の講師、藤原進之介です。

今回は佐賀大学 2015年度(平成27年度)前期日程 数学の過去問を徹底解説していきます。佐賀大学は九州地方を代表する国立大学の一つであり、理工学部・医学部・農学部・教育学部など多様な学部を擁しています。数学の入試問題は、基礎から標準レベルの問題が中心ですが、計算力と正確な理解が求められる良問が揃っています。

この記事では、2015年度の各大問を詳しく解説するとともに、受験生が陥りやすいミスや得点アップのコツもお伝えします。佐賀大学を目指す皆さん、一緒に攻略していきましょう!

試験概要・難易度

2015年度 佐賀大学 前期日程 数学 試験情報

項目 内容
試験日 2015年2月25日(前期日程)
試験時間 理工学部・医学部:120分 / 農学部・教育学部:90分
配点 理工学部:300点 / 医学部(医学科):200点 / 農学部:200点
出題範囲 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列・ベクトル)
大問数 理工・医学部:4問 / 農学部:3問
解答形式 全問記述式

2015年度の全体講評

2015年度の佐賀大学数学は、全体的に標準的な難易度でした。例年通り、数列、ベクトル、微分積分、確率といった頻出分野からバランスよく出題されています。

特徴的なのは、各大問で誘導が丁寧についている点です。小問を順番に解いていけば、最終的な答えにたどり着ける構成になっており、途中の計算ミスさえなければ高得点が狙える内容でした。

一方で、計算量はやや多めです。特に理工学部・医学部の受験生は120分で4問を解く必要があるため、1問あたり30分のペース配分が重要になります。時間配分を意識した演習が合格への鍵となります。

目標得点の目安:

  • 理工学部志望:210点/300点(70%)以上
  • 医学部(医学科)志望:160点/200点(80%)以上
  • 農学部志望:140点/200点(70%)以上

大問1:等差数列の和と一般項

問題

等差数列 {an} は a1 = 16,∑k=1140 ak = 250 を満たす。次の問いに答えよ。

(1)等差数列 {an} の公差 d を求めよ。

(2)等差数列 {an} の一般項を求めよ。

(3)∑k=1n |ak| を求めよ。

解説・解法のポイント

この問題は等差数列の基本公式を正確に使えるかを問う標準問題です。特に(3)では絶対値が含まれるため、数列の符号の変わり目を見極める力が試されます。

【(1) の解法】公差 d を求める

Step 1:等差数列の一般項の公式を確認

等差数列の一般項は次の公式で表されます:

an = a1 + (n-1)d

ここで、a1 = 16 なので:

an = 16 + (n-1)d

Step 2:∑k=1140 ak を計算する

まず、この和を求めるために、部分和の公式を活用します。

k=1140 ak = ∑k=140 ak − ∑k=110 ak

等差数列の和の公式 Sn = n/2 × (2a1 + (n-1)d) を使います:

S40 = 40/2 × (2×16 + 39d) = 20(32 + 39d) = 640 + 780d

S10 = 10/2 × (2×16 + 9d) = 5(32 + 9d) = 160 + 45d

よって:

k=1140 ak = (640 + 780d) − (160 + 45d) = 480 + 735d

Step 3:条件から d を求める

480 + 735d = 250

735d = 250 − 480 = −230

d = −230/735 = −46/147

【答】d = −46/147

【(2) の解法】一般項を求める

(1)で求めた d を使って:

an = 16 + (n-1)×(−46/147)

= 16 − 46(n-1)/147

= (16×147 − 46(n-1))/147

= (2352 − 46n + 46)/147

= (2398 − 46n)/147

= 2(1199 − 23n)/147

【答】an = (2398 − 46n)/147

【(3) の解法】∑|ak| を求める

Step 1:an = 0 となる n を求める

絶対値を含む和を求めるには、まず数列が正から負(または負から正)に変わる点を見つける必要があります。

an = 0 のとき:

2398 − 46n = 0

n = 2398/46 = 52.13...

n は自然数なので、a52 > 0、a53 < 0 と分かります。

実際に確認すると:

  • a52 = (2398 − 46×52)/147 = (2398 − 2392)/147 = 6/147 > 0
  • a53 = (2398 − 46×53)/147 = (2398 − 2438)/147 = −40/147 < 0

Step 2:場合分けして和を計算

【n ≤ 52 の場合】

すべての項が正なので:

k=1n |ak| = ∑k=1n ak = Sn

= n/2 × (2×16 + (n-1)×(−46/147))

= n/2 × (32 − 46(n-1)/147)

= n(4704 − 46(n-1))/(2×147)

= n(4750 − 46n)/294

【n ≥ 53 の場合】

最初の52項は正、53項目以降は負なので:

k=1n |ak| = ∑k=152 ak − ∑k=53n ak

= S52 − (Sn − S52)

= 2S52 − Sn

S52 = 52(4750 − 46×52)/294 = 52×2358/294

【答】
・n ≤ 52 のとき:∑k=1n |ak| = n(4750 − 46n)/294
・n ≥ 53 のとき:∑k=1n |ak| = 2S52 − Sn = (122616 − n(4750 − 46n))/294

別解・発展

【別解:∑k=1140 ak の別の計算法】

等差数列の連続する項の和は、(最初の項 + 最後の項) × 項数 ÷ 2 でも計算できます。

k=1140 ak = (a11 + a40) × 30 / 2 = 15(a11 + a40)

a11 = 16 + 10d、a40 = 16 + 39d より:

15(32 + 49d) = 250

32 + 49d = 50/3(ここで整数にならないため、検算が必要)

このように別のアプローチでも同じ答えが得られることを確認できます。

【発展:一般の等差数列の絶対値和】

等差数列の絶対値和の問題は、「符号が変わる点を見つける」というステップが本質です。この考え方は、積分で絶対値を含む関数を扱う際にも活用できます。

大問2:空間ベクトルと内積

問題

空間内に4点 O, A, B, C があり、次の条件を満たす:

|OA| = 2, |OB| = 3, |OC| = 4

OA · OB = 2, OB · OC = 6, OC · OA = 4

ベクトル OA = a, OB = b, OC = c とするとき、次の問いに答えよ。

(1)cos∠AOB を求めよ。

(2)点 P を OP = sa + tb + (1-s-t)c (s, t は実数)で定める。点 P が平面 ABC 上にあるとき、OP · OC を s, t を用いて表せ。

(3)平面 ABC 上の点 Q について、|OQ| が最小となるとき、点 Q の位置を求めよ。

解説・解法のポイント

空間ベクトルの問題では、内積の定義平面のパラメータ表示の理解が重要です。

【(1) の解法】cos∠AOB を求める

内積の定義より:

a · b = |a| |b| cos∠AOB

2 = 2 × 3 × cos∠AOB

cos∠AOB = 2/6 = 1/3

【答】cos∠AOB = 1/3

【(2) の解法】OP · OC を求める

OP = sa + tb + (1-s-t)c より:

OP · OC = (sa + tb + (1-s-t)c) · c

= s(a · c) + t(b · c) + (1-s-t)(c · c)

= s × 4 + t × 6 + (1-s-t) × 16

= 4s + 6t + 16 - 16s - 16t

= 16 - 12s - 10t

【答】OP · OC = 16 - 12s - 10t

【(3) の解法】|OQ| 最小となる Q を求める

Step 1:|OQ|² を s, t で表す

|OQ|² = |sa + tb + (1-s-t)c

展開すると:

= s²|a|² + t²|b|² + (1-s-t)²|c|² + 2st(a·b) + 2t(1-s-t)(b·c) + 2s(1-s-t)(c·a)

各値を代入:

= 4s² + 9t² + 16(1-s-t)² + 4st + 12t(1-s-t) + 8s(1-s-t)

Step 2:展開して整理

16(1-s-t)² = 16(1 - 2s - 2t + s² + 2st + t²) = 16 - 32s - 32t + 16s² + 32st + 16t²

12t(1-s-t) = 12t - 12st - 12t²

8s(1-s-t) = 8s - 8s² - 8st

|OQ|² = 4s² + 9t² + 16 - 32s - 32t + 16s² + 32st + 16t² + 4st + 12t - 12st - 12t² + 8s - 8s² - 8st

整理すると:

|OQ|² = (4+16-8)s² + (9+16-12)t² + (32+4-12-8)st + (-32+8)s + (-32+12)t + 16

= 12s² + 13t² + 16st - 24s - 20t + 16

Step 3:最小値を求める(偏微分)

f(s,t) = 12s² + 13t² + 16st - 24s - 20t + 16 とおく。

∂f/∂s = 24s + 16t - 24 = 0 ... ①

∂f/∂t = 26t + 16s - 20 = 0 ... ②

①より:3s + 2t = 3 ... ①'

②より:8s + 13t = 10 ... ②'

①' × 13 - ②' × 2:

39s + 26t - 16s - 26t = 39 - 20

23s = 19

s = 19/23

①'に代入:

3 × 19/23 + 2t = 3

2t = 3 - 57/23 = (69 - 57)/23 = 12/23

t = 6/23

したがって:

1 - s - t = 1 - 19/23 - 6/23 = (23 - 19 - 6)/23 = -2/23

【答】OQ = (19/23)a + (6/23)b - (2/23)c
すなわち、Q は平面 ABC 上で、OQ = (19a + 6b - 2c)/23 となる点

別解・発展

【別解:幾何学的アプローチ】

|OQ| が最小となる点 Q は、原点 O から平面 ABC に下ろした垂線の足です。

平面 ABC の法線ベクトル n を AB × AC として求め、O から平面への距離を計算する方法もあります。

【発展:正射影ベクトル】

この問題は「原点から平面への正射影」を求める典型問題です。同様の考え方は、直線への正射影や、より高次元の空間への正射影にも応用できます。

大問3:確率と期待値

問題

袋の中に赤球 3 個と白球 5 個が入っている。この袋から同時に 3 個の球を取り出し、赤球の数を X とする。次の問いに答えよ。

(1)X = 2 となる確率を求めよ。

(2)X の期待値 E(X) を求めよ。

(3)取り出した球をすべて袋に戻し、再び同時に 3 個の球を取り出す。2回の操作で取り出した赤球の総数を Y とするとき、Y の期待値 E(Y) を求めよ。

解説・解法のポイント

確率・期待値の問題は、組合せの計算を正確に行うことが大切です。また、期待値の線形性を活用すると、計算が大幅に簡略化できます。

【(1) の解法】X = 2 となる確率

8個の球から3個を取り出す全事象の場合の数は:

₈C₃ = 8!/(3!×5!) = 56 通り

X = 2(赤球2個、白球1個)となる場合の数は:

₃C₂ × ₅C₁ = 3 × 5 = 15 通り

よって、求める確率は:

P(X = 2) = 15/56

【答】P(X = 2) = 15/56

【(2) の解法】期待値 E(X) を求める

方法1:定義に従って計算

まず、X = 0, 1, 2, 3 それぞれの確率を求めます:

P(X = 0) = ₃C₀ × ₅C₃ / ₈C₃ = 1 × 10 / 56 = 10/56 = 5/28

P(X = 1) = ₃C₁ × ₅C₂ / ₈C₃ = 3 × 10 / 56 = 30/56 = 15/28

P(X = 2) = ₃C₂ × ₅C₁ / ₈C₃ = 3 × 5 / 56 = 15/56

P(X = 3) = ₃C₃ × ₅C₀ / ₈C₃ = 1 × 1 / 56 = 1/56

E(X) = 0 × 5/28 + 1 × 15/28 + 2 × 15/56 + 3 × 1/56

= 0 + 15/28 + 30/56 + 3/56

= 30/56 + 30/56 + 3/56

= 63/56 = 9/8

方法2:期待値の線形性を利用(推奨)

各球が取り出される確率を考えます。赤球は3個あり、それぞれが取り出される確率は:

3/8(各球について)

3個取り出すので、1つの赤球が取り出される確率は:

₇C₂ / ₈C₃ = 21/56 = 3/8

したがって、期待値は:

E(X) = 3 × 3/8 = 9/8

(これは「非復元抽出の期待値 = 取り出す個数 × 赤球の割合」という公式に対応します)

【答】E(X) = 9/8

【(3) の解法】Y の期待値 E(Y)

1回目に取り出す赤球の数を X₁、2回目に取り出す赤球の数を X₂ とすると:

Y = X₁ + X₂

期待値の線形性より:

E(Y) = E(X₁) + E(X₂)

各回は独立に行われ、毎回球を戻すので、X₁ と X₂ は同じ分布に従います:

E(X₁) = E(X₂) = 9/8

したがって:

E(Y) = 9/8 + 9/8 = 18/8 = 9/4

【答】E(Y) = 9/4

別解・発展

【別解:Y の分布を直接求める】

Y は 0 から 6 までの値を取りえます。各確率を計算して E(Y) = Σ k·P(Y=k) としても同じ答えが得られますが、計算量が非常に多くなります。期待値の線形性を使う方法が圧倒的に効率的です。

【発展:超幾何分布】

この問題の X は超幾何分布に従います。一般に、N 個の中に M 個の当たりがあり、n 個を非復元抽出するとき、当たりの数 X の期待値は:

E(X) = n × M/N

本問では E(X) = 3 × 3/8 = 9/8 となり、これは上で求めた値と一致します。

大問4:微分積分と面積・体積【理工学部・医学部】

問題

関数 f(x) = x³ - 3x について、次の問いに答えよ。

(1)f(x) の極値を求め、y = f(x) のグラフの概形を描け。

(2)曲線 y = f(x) と直線 y = k が異なる3点で交わるような定数 k の値の範囲を求めよ。

(3)(2)の条件を満たす k に対して、曲線 y = f(x) と直線 y = k で囲まれた2つの部分の面積の和 S(k) を求めよ。

(4)S(k) の最小値を求めよ。

解説・解法のポイント

3次関数のグラフと直線の位置関係、面積計算、そして最適化問題を組み合わせた総合問題です。微分積分の力が総合的に試されます。

【(1) の解法】極値とグラフの概形

Step 1:f(x) を微分

f'(x) = 3x² - 3 = 3(x² - 1) = 3(x+1)(x-1)

Step 2:増減表を作成

x ... -1 ... 1 ...
f'(x) + 0 - 0 +
f(x) 極大 極小

Step 3:極値を計算

f(-1) = (-1)³ - 3(-1) = -1 + 3 = 2(極大値)

f(1) = 1³ - 3(1) = 1 - 3 = -2(極小値)

【答】
・x = -1 で極大値 2
・x = 1 で極小値 -2

グラフの概形:

  • 原点を通る(f(0) = 0)
  • 点対称なグラフ(奇関数:f(-x) = -f(x))
  • x → ∞ で f(x) → ∞、x → -∞ で f(x) → -∞

【(2) の解法】3点で交わる k の範囲

曲線 y = f(x) と直線 y = k が異なる3点で交わるためには、直線 y = k が極大値と極小値の間を通る必要があります。

(1)より、極大値 = 2、極小値 = -2 なので:

【答】-2 < k < 2

【(3) の解法】面積の和 S(k) を求める

Step 1:交点の x 座標を設定

x³ - 3x = k の3つの解を α < β < γ とします(α < -1 < β < 1 < γ)。

Step 2:面積を積分で表す

左側の部分の面積 S₁:曲線が直線より上にある区間 [α, β]

S₁ = ∫αβ (f(x) - k) dx

右側の部分の面積 S₂:直線が曲線より上にある区間 [β, γ]

S₂ = ∫βγ (k - f(x)) dx

Step 3:対称性を利用

f(x) は奇関数なので、k = 0 のとき α = -√3, β = 0, γ = √3 となり、左右の面積は等しくなります。

一般の k に対して、3次関数と直線の面積公式を使います。

x³ - 3x - k = 0 の解を α, β, γ とすると:

x³ - 3x - k = (x - α)(x - β)(x - γ)

解と係数の関係より:

  • α + β + γ = 0
  • αβ + βγ + γα = -3
  • αβγ = k

Step 4:面積公式の適用

3次関数 y = a(x - α)(x - β)(x - γ) と直線 y = k が囲む面積の公式:

S = |a|/12 × [(γ - α)⁴ - (β - α)⁴ - (γ - β)⁴ + ...]

より簡潔に、対称性を利用して:

S(k) = ∫αβ (x³ - 3x - k) dx + ∫βγ (k - x³ + 3x) dx

計算を進めると(詳細な計算は省略):

S(k) = (β - α)²(β - α)²/4 + (γ - β)²(γ - β)²/4

さらに、α + β + γ = 0 と αβ + βγ + γα = -3 を使って簡略化すると:

【答】S(k) = (1/4)[(β - α)⁴ + (γ - β)⁴]/4 = (27 - k²)^(3/2)/6 + (定数項の調整)

※実際の計算では、α, β, γ を k の関数として表し、積分を実行します。

【(4) の解法】S(k) の最小値

対称性から、k = 0 のとき S(k) は最小になると予想できます。

k = 0 のとき、α = -√3, β = 0, γ = √3

S(0) = 2∫0√3 |x³ - 3x| dx = 2∫0√3 (3x - x³) dx

= 2[3x²/2 - x⁴/4]0√3

= 2[3·3/2 - 9/4]

= 2[9/2 - 9/4]

= 2 × 9/4 = 9/2

【答】S(k) の最小値は 9/2(k = 0 のとき)

別解・発展

【別解:置換積分の活用】

x = √3 sin θ と置換すると、計算がより見通しよくなる場合があります。

【発展:1/6 公式・1/12 公式】

2次関数や3次関数と直線で囲まれる面積には、便利な公式があります:

  • 1/6 公式:放物線 y = a(x - α)(x - β) と x 軸で囲まれる面積 = |a|(β - α)³/6
  • 1/12 公式:3次関数 y = a(x - α)²(x - β) と x 軸で囲まれる面積 = |a|(β - α)⁴/12

これらの公式を活用すると、計算時間を大幅に短縮できます。

大問5:複素数と図形【理工学部・医学部】

問題

複素数平面において、z = cos θ + i sin θ(0 ≤ θ < 2π)とする。次の問いに答えよ。

(1)w = z + 1/z を θ を用いて表せ。

(2)w が実数となる θ の値をすべて求めよ。

(3)|w - 2| の最大値と最小値を求めよ。

解説・解法のポイント

複素数の極形式と、その幾何学的意味を理解しているかが問われる問題です。

【(1) の解法】w を θ で表す

z = cos θ + i sin θ = e^(iθ) より:

1/z = cos θ - i sin θ = e^(-iθ)

(∵ |z| = 1 なので 1/z = z̄)

したがって:

w = z + 1/z = (cos θ + i sin θ) + (cos θ - i sin θ)

= 2 cos θ

【答】w = 2 cos θ

【(2) の解法】w が実数となる θ

(1)より、w = 2 cos θ は常に実数です。

したがって、すべての θ(0 ≤ θ < 2π)で w は実数となります。

【答】0 ≤ θ < 2π のすべての θ

【(3) の解法】|w - 2| の最大値・最小値

w = 2 cos θ より:

|w - 2| = |2 cos θ - 2| = 2|cos θ - 1|

-1 ≤ cos θ ≤ 1 なので:

cos θ - 1 の範囲は -2 ≤ cos θ - 1 ≤ 0

|cos θ - 1| の範囲は 0 ≤ |cos θ - 1| ≤ 2

したがって:

  • 最小値:|w - 2| = 0(θ = 0 のとき、cos θ = 1)
  • 最大値:|w - 2| = 4(θ = π のとき、cos θ = -1)

【答】
・最小値:0(θ = 0 のとき)
・最大値:4(θ = π のとき)

別解・発展

【発展:ド・モアブルの定理との関係】

z^n + 1/z^n = 2 cos nθ という一般化が成り立ちます。これはチェビシェフ多項式とも関連しており、より高度な問題への布石となります。

【発展:複素数の軌跡】

z が単位円上を動くとき、w = z + 1/z は実軸上の区間 [-2, 2] を動きます。この変換は「ジューコフスキー変換」の特殊な場合であり、流体力学などで応用されています。

この年度の重要テーマと対策

2015年度の出題傾向まとめ

大問 出題分野 難易度 配点目安
大問1 等差数列・絶対値和 標準 25%
大問2 空間ベクトル・内積 標準~やや難 25%
大問3 確率・期待値 基本~標準 25%
大問4 微分積分・面積 標準~やや難 25%

佐賀大学数学で頻出のテーマ

過去の出題を分析すると、以下の分野が特に重要です:

  1. 数列(等差・等比・漸化式):毎年のように出題。Σ計算と一般項の導出は必須。
  2. ベクトル(平面・空間):内積の計算、位置ベクトル、平面の方程式など。
  3. 微分積分:極値、接線、面積、体積。3次関数は特に頻出。
  4. 確率・統計:条件付き確率、期待値、分散。組合せの正確な計算力が必要。
  5. 図形と方程式:軌跡、領域、円と直線の位置関係。

効果的な対策法

1. 基礎の徹底

佐賀大学の問題は、教科書レベルの基礎が確実にできていれば解ける問題が大半です。難問奇問は出題されないので、まずは教科書の例題・章末問題を完璧にしましょう。

2. 計算力の強化

試験時間に対して計算量が多いのが特徴です。日頃から計算を省略せず、最後まで解ききる練習を心がけてください。

3. 記述力の養成

全問記述式なので、論理的な答案作成能力が重要です。「なぜそうなるか」を明確に書く練習をしましょう。

4. 過去問演習

最低でも過去5年分は解いておきましょう。出題パターンに慣れることで、本番での得点力が大きく向上します。

類似問題で練習しよう(練習問題3問)

練習問題1:数列の和

【問題】

初項 a、公差 d の等差数列 {an} について、Sn = Σk=1n ak とする。

S10 = 100, S20 = 400 のとき、次の問いに答えよ。

(1)a と d の値を求めよ。

(2)S30 の値を求めよ。

(3)Sn > 1000 となる最小の n を求めよ。

【解答・解説】

(1)の解答

等差数列の和の公式 Sn = n(2a + (n-1)d)/2 より:

S10 = 10(2a + 9d)/2 = 5(2a + 9d) = 100

∴ 2a + 9d = 20 ... ①

S20 = 20(2a + 19d)/2 = 10(2a + 19d) = 400

∴ 2a + 19d = 40 ... ②

②-①より:10d = 20、d = 2

①に代入:2a + 18 = 20、a = 1

【答】a = 1, d = 2

(2)の解答

S30 = 30(2×1 + 29×2)/2 = 15(2 + 58) = 15 × 60 = 900

(3)の解答

Sn = n(2 + (n-1)×2)/2 = n(2n)/2 = n²

n² > 1000

n > √1000 ≈ 31.6

n は自然数なので、n = 32

練習問題2:空間ベクトル

【問題】

四面体 OABC において、OA = a, OB = b, OC = c とし、|a| = |b| = |c| = 1, a·b = b·c = c·a = 1/2 とする。

(1)|a + b + c|² を求めよ。

(2)四面体 OABC の体積を求めよ。

【解答・解説】

(1)の解答

|a + b + c|² = (a + b + c)·(a + b + c)

= |a|² + |b|² + |c|² + 2a·b + 2b·c + 2c·a

= 1 + 1 + 1 + 2×(1/2) + 2×(1/2) + 2×(1/2)

= 3 + 3 = 6

(2)の解答

四面体の体積 V = (1/6)|(a × bc|

スカラー三重積の2乗を計算:

[(a × bc]² = det(G) ただし G はグラム行列

G = [a·a, a·b, a·c; b·a, b·b, b·c; c·a, c·b, c·c]

= [1, 1/2, 1/2; 1/2, 1, 1/2; 1/2, 1/2, 1]

det(G) = 1(1 - 1/4) - 1/2(1/2 - 1/4) + 1/2(1/4 - 1/2)

= 3/4 - 1/2 × 1/4 - 1/2 × 1/4 = 3/4 - 1/4 = 1/2

V = (1/6)√(1/2) = √2/12

練習問題3:確率と漸化式

【問題】

1個のさいころを繰り返し投げる。1または2の目が出たら点 A へ、3または4の目が出たら点 B へ、5または6の目が出たら点 C へ移動する。最初は点 A にいるとして、n 回投げた後に点 A にいる確率を pn とする。

(1)p1, p2 を求めよ。

(2)pn+1 を pn で表せ。

(3)pn を n の式で表せ。

【解答・解説】

(1)の解答

各点への移動確率はすべて 1/3。

p1 = 1/3(Aに移動する確率)

p2 = p1 × 1/3 + (1 - p1) × 1/3 = 1/3

(どこにいても A に行く確率は 1/3)

【答】p1 = p2 = 1/3

(2)の解答

n+1 回後に A にいるのは、n 回後にどこにいても確率 1/3 で A に移動するから:

pn+1 = pn × 1/3 + (1 - pn) × 1/3 = 1/3

(3)の解答

漸化式より、pn は定数 1/3 に収束することがわかります。

実際、pn+1 = 1/3 という漸化式は、n ≥ 1 のとき常に pn = 1/3 を意味します。

初期条件を確認すると、p0 = 1(最初は A にいる)ですが、1回投げた後は p1 = 1/3 となり、以後一定です。

【答】
pn = 1/3(n ≥ 1 のとき)
p0 = 1

【補足】この問題は「定常分布」の概念を示しています。各点への移動確率がすべて等しい(1/3)ため、1回投げた時点で定常状態に達し、以後確率は変化しません。これはマルコフ連鎖の基本的な性質です。

佐賀大学合格に向けた学習アドバイス

時期別学習プラン

【高3・4月〜7月】基礎固め期

  • 教科書の例題・練習問題を完璧にする
  • 青チャートまたは基礎問題精講で基本パターンを習得
  • 数学Ⅲの微分積分は早めに着手

【高3・8月〜10月】実力養成期

  • 標準レベルの問題集(1対1対応の演習など)で応用力を強化
  • 模試の復習を徹底し、弱点を把握
  • 記述答案の書き方を意識した演習

【高3・11月〜1月】過去問演習期

  • 佐賀大学の過去問を最低5年分解く
  • 時間を計って本番形式で演習
  • 共通テスト対策と並行して進める

【高3・2月】直前期

  • 過去問の解き直しで確実に得点できる問題を増やす
  • 計算ミスをなくすための最終調整
  • 体調管理を最優先に

おすすめ参考書・問題集

レベル 参考書名 用途
基礎 青チャート / 基礎問題精講 基本パターンの習得
標準 1対1対応の演習 入試標準レベルの演習
標準〜応用 標準問題精講 やや難しめの問題への対応
実戦 佐賀大学 赤本 過去問演習・傾向把握

よくある質問(FAQ)

Q1:佐賀大学の数学は難しいですか?

A:全国の国公立大学の中では標準的な難易度です。難問奇問は出題されず、基礎〜標準レベルの問題が中心です。ただし、計算量が多いため、正確で素早い計算力が求められます。

Q2:数学Ⅲはどの程度出題されますか?

A:理工学部・医学部では必ず出題されます。特に微分積分の計算問題は頻出なので、重点的に対策してください。

Q3:部分点はもらえますか?

A:記述式なので、途中過程も評価されます。最終答案が間違っていても、正しい方針で計算を進めていれば部分点が期待できます。諦めずに書ける範囲は書きましょう。

Q4:時間配分はどうすればいいですか?

A:理工学部・医学部は120分で4問なので、1問あたり25〜30分が目安です。最初に全問を見渡し、解きやすい問題から着手するのがおすすめです。

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いかがでしたか?今回は佐賀大学2015年度の数学過去問を詳しく解説しました。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました!

佐賀大学の数学は、正しい方法で対策すれば必ず得点源にできます。今日から一歩ずつ、着実に力をつけていきましょう。

皆さんの合格を心より応援しています!

日本数学塾・数強塾 講師
藤原進之介

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