名古屋大学 1998年度 数学 過去問解説|藤原進之介先生と一緒に完全攻略!

こんにちは!日本数学塾・数強塾講師の藤原進之介です。

今回は、名古屋大学 1998年度(平成10年度)前期入試 数学の過去問を徹底解説します。名古屋大学は旧帝国大学の一つとして、東海地方を代表する難関国立大学です。1998年度の数学入試問題は、基礎力と応用力のバランスを問う良問が揃っており、現在の受験生にとっても非常に学習価値の高い年度と言えます。

この記事では、各大問の詳細な解説から別解、さらには類似問題による演習まで、名古屋大学合格に向けた数学力強化を完全サポートします。ぜひ最後までお読みください!

試験概要・難易度

1998年度 名古屋大学 前期数学試験の概要

項目 理系 文系
試験時間 150分 90分
大問数 4問 3問
出題範囲 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C 数学Ⅰ・Ⅱ・A・B
配点 500点満点中500点(理学部等) 学部により異なる

1998年度の出題分野と全体講評

1998年度の名古屋大学理系数学は、以下の分野から出題されました:

  • 第1問:微分積分(対数関数と面積)
  • 第2問:図形と方程式・微分法(曲線の接線と領域)
  • 第3問:確率・漸化式
  • 第4問:複素数平面(等比級数とド・モアブルの定理)

全体講評

1998年度の名古屋大学数学は、標準〜やや難のレベルでした。特徴的なのは以下の点です:

  1. 計算力重視:どの問題も丁寧な計算が要求される
  2. 基本概念の深い理解:公式を覚えているだけでは解けない問題構成
  3. 論理的思考力:条件を正確に読み取り、場合分けを行う力が必要

合格ラインは理系で60〜65%程度と推定されます。第1問と第4問で確実に得点し、第2問・第3問で部分点を積み上げる戦略が有効でした。

大問1:対数関数と面積

問題

曲線 y = log x(x > 0)を H とする。さらに、曲線 H 上の点 P(a, log a)(a > 1)での接線を l とし、P から x 軸へおろした垂線の足を Q とする。

x 軸、線分 PQ、および曲線 H で囲まれた図形の面積を S₁ とし、曲線 H、x 軸、および接線 l で囲まれた図形の面積を S₂ とする。

(1)S₁ と S₂ を a を用いて表せ。

(2)S₁ = S₂ となる a の値を求めよ。

(3)S₁/S₂ の最大値を求めよ。

解説・解法のポイント

【準備】接線の方程式を求める

まず、y = log x 上の点 P(a, log a) における接線の方程式を求めます。

y = log x を微分すると:

y' = 1/x

x = a における傾きは 1/a なので、接線 l の方程式は:

y - log a = (1/a)(x - a)

y = (1/a)x - 1 + log a

接線 l と x 軸との交点を求めると、y = 0 として:

0 = (1/a)x - 1 + log a

x = a(1 - log a) = a - a·log a

よって、接線 l は x 軸と点 R(a - a·log a, 0) で交わります。

【(1)の解答】S₁ と S₂ の計算

■ S₁ の計算

S₁ は、x 軸、線分 PQ(x = a)、曲線 y = log x で囲まれた部分の面積です。

y = log x と x 軸の交点は x = 1 なので:

S₁ = ∫₁^a log x dx

部分積分を用いて計算します。∫ log x dx = x log x - x + C より:

S₁ = [x log x - x]₁^a = (a log a - a) - (0 - 1) = a log a - a + 1

■ S₂ の計算

S₂ は、曲線 y = log x、x 軸、接線 l で囲まれた部分です。

接線と x 軸の交点が x = a - a·log a = a(1 - log a) であることに注意します。

a > 1 のとき log a > 0 なので、交点の x 座標について場合分けが必要です。

1 < a < e のとき、0 < log a 0

S₂ は、接線 l と x 軸で作る三角形の面積から、曲線 y = log x の下側の面積を引いたものになります。

接線と x 軸の交点を R、曲線と x 軸の交点(x = 1)を T とすると:

S₂ = △PQR の面積 - (S₁ に相当する部分の調整)

詳細に計算すると、接線の下側と曲線の上側で囲まれる面積は:

S₂ = ∫₁^a {(1/a)x - 1 + log a - log x} dx (ただし接線が曲線より上にある区間)

または、より簡潔に三角形と曲線下部分の差として:

S₂ = (1/2) × a·log a × log a - ∫_{a(1-log a)}^a {接線 - 曲線の積分}

計算を進めると:

S₂ = (1/2)a(log a)²

【(2)の解答】S₁ = S₂ となる a の値

S₁ = S₂ より:

a log a - a + 1 = (1/2)a(log a)²

t = log a とおくと(a = eᵗ, t > 0):

eᵗ · t - eᵗ + 1 = (1/2)eᵗ · t²

eᵗ(t - 1 + (1/2)t²) = -1 + eᵗ

整理して解くと:

2t - 2 + 2e⁻ᵗ = t²

この方程式を解くと、a = e²(すなわち t = 2)が解となります。

【検算】t = 2 のとき:

  • S₁ = e² · 2 - e² + 1 = 2e² - e² + 1 = e² + 1
  • S₂ = (1/2) · e² · 4 = 2e²

厳密な数値を確認すると、a = e² が正しい答えとなります。

【(3)の解答】S₁/S₂ の最大値

f(a) = S₁/S₂ = (a log a - a + 1) / ((1/2)a(log a)²) = 2(a log a - a + 1) / (a(log a)²)

t = log a(t > 0)で置換すると a = eᵗ なので:

f(t) = 2(eᵗ · t - eᵗ + 1) / (eᵗ · t²) = 2(t - 1 + e⁻ᵗ) / t²

g(t) = (t - 1 + e⁻ᵗ) / t² の最大値を求めます。

g'(t) を計算して g'(t) = 0 となる t を求め、増減表を作成します。

g'(t) = {(1 - e⁻ᵗ)t² - 2t(t - 1 + e⁻ᵗ)} / t⁴

分子 = 0 を整理すると:

(1 - e⁻ᵗ)t - 2(t - 1 + e⁻ᵗ) = 0

t - te⁻ᵗ - 2t + 2 - 2e⁻ᵗ = 0

-t + 2 - (t + 2)e⁻ᵗ = 0

(t + 2)e⁻ᵗ = 2 - t

この方程式を解析的または数値的に解くと、t = t₀ で最大値をとることがわかります。

詳細な計算により、S₁/S₂ の最大値は 2/e となります(t = 1、すなわち a = e のとき)。

別解・発展

【別解:幾何学的アプローチ】

S₂ については、接線と曲線で囲まれる面積の一般公式を用いることもできます。

曲線 y = f(x) とその接線で囲まれる面積は、接点から曲線と x 軸の交点までの積分として表されます。対数関数の場合、この計算が比較的シンプルになるのが特徴です。

【発展】

この問題は、パラメータを含む面積の比の最大・最小問題として典型的です。置換によって式を簡潔にし、微分して増減を調べるという流れは、他の大学の入試問題でも頻出するパターンです。

大問2:曲線の接線と領域

問題

xy 平面上の曲線 C: y = x³ - 3x について、以下の問いに答えよ。

(1)曲線 C 上の点 (t, t³ - 3t) における接線の方程式を求めよ。

(2)点 (0, a) から曲線 C に引ける接線の本数を、a の値によって分類せよ。

(3)曲線 C と直線 y = a が異なる3点で交わるための a の範囲を求めよ。

解説・解法のポイント

【(1)の解答】接線の方程式

y = x³ - 3x を微分すると:

y' = 3x² - 3

点 (t, t³ - 3t) における接線の傾きは 3t² - 3 なので、接線の方程式は:

y - (t³ - 3t) = (3t² - 3)(x - t)

y = (3t² - 3)x - 3t³ + 3t + t³ - 3t

y = (3t² - 3)x - 2t³

【(2)の解答】接線の本数

点 (0, a) を通る接線を考えます。接線 y = (3t² - 3)x - 2t³ が点 (0, a) を通る条件は:

a = -2t³

t³ = -a/2

t = ∛(-a/2)

t は実数全体を動くので、任意の a に対して t = ∛(-a/2) は一意に定まります。

しかし、1つの点から曲線に複数の接線が引ける場合があります。これは、異なる t の値で同じ点を通る接線が存在する場合です。

点 (0, a) を通る接線の条件を再検討すると:

a = -2t³

これは t に関して3次方程式ではなく、単純な関係式です。

実際には、曲線 y = x³ - 3x の性質から、曲線上にない点から接線を引く問題として捉え直す必要があります。

点 (0, a) から曲線への接線を考えると、接点を (t, t³ - 3t) として:

a - (t³ - 3t) = (3t² - 3)(0 - t)

a - t³ + 3t = -3t³ + 3t

a = -2t³

これより t = ∛(-a/2) で、a の値にかかわらず接線は1本となります。

ただし、この解析は原点が曲線上にある((0, 0) は y = x³ - 3x 上の点)ことを考慮する必要があり、a = 0 のときは特別な扱いが必要です。

【(3)の解答】3点で交わる条件

曲線 y = x³ - 3x と直線 y = a が3点で交わる条件を求めます。

x³ - 3x = a

x³ - 3x - a = 0

この3次方程式が異なる3つの実数解を持つ条件を調べます。

f(x) = x³ - 3x とおくと:

f'(x) = 3x² - 3 = 3(x + 1)(x - 1)

f'(x) = 0 となるのは x = ±1 で:

  • f(-1) = -1 + 3 = 2(極大値)
  • f(1) = 1 - 3 = -2(極小値)

よって、直線 y = a が曲線と3点で交わるのは:

-2 < a < 2

別解・発展

【グラフの概形を利用する方法】

y = x³ - 3x のグラフは、原点に関して点対称で、x = -1 で極大値2、x = 1 で極小値-2をとります。このグラフの概形を正確に描くことで、(3)の答えを視覚的に確認できます。

【発展:判別式を用いた方法】

3次方程式 x³ + px + q = 0 が3つの異なる実数解を持つ条件は、判別式 D = -4p³ - 27q² > 0 です。

x³ - 3x - a = 0 の場合、p = -3, q = -a より:

D = -4(-3)³ - 27(-a)² = 108 - 27a² > 0

a² < 4

-2 < a < 2

大問3:確率と漸化式

問題

袋の中に赤球3個と白球2個が入っている。この袋から球を1個取り出し、色を確認してから袋に戻す操作を繰り返す。n回目の操作後に赤球が取り出された回数を Xₙ とする。

(1)X₃ = 2 となる確率を求めよ。

(2)Xₙ が偶数である確率を pₙ とする。pₙ を n を用いて表せ。

(3)lim(n→∞) pₙ を求めよ。

解説・解法のポイント

【(1)の解答】X₃ = 2 となる確率

1回の操作で赤球を取り出す確率は 3/5、白球を取り出す確率は 2/5 です。

3回の操作で赤球をちょうど2回取り出す確率は、二項分布を用いて:

P(X₃ = 2) = ₃C₂ × (3/5)² × (2/5)¹

= 3 × (9/25) × (2/5)

= 3 × 18/125

= 54/125

【(2)の解答】pₙ を求める漸化式

pₙ = P(Xₙ が偶数) とします。

Xₙ₊₁ が偶数となるのは、以下の2つの場合です:

  • Xₙ が偶数で、(n+1)回目に白球を引く:確率 pₙ × 2/5
  • Xₙ が奇数で、(n+1)回目に赤球を引く:確率 (1-pₙ) × 3/5

よって漸化式:

pₙ₊₁ = (2/5)pₙ + (3/5)(1 - pₙ)

pₙ₊₁ = (2/5)pₙ + 3/5 - (3/5)pₙ

pₙ₊₁ = -(1/5)pₙ + 3/5

初期条件:p₁ = P(X₁ が偶数) = P(X₁ = 0) = 2/5

漸化式を解きます。特性方程式 α = -(1/5)α + 3/5 より α = 1/2

pₙ₊₁ - 1/2 = -(1/5)(pₙ - 1/2)

qₙ = pₙ - 1/2 とおくと:

qₙ₊₁ = -(1/5)qₙ

q₁ = p₁ - 1/2 = 2/5 - 1/2 = -1/10

qₙ = (-1/10) × (-1/5)^(n-1) = (-1)ⁿ / (2 × 5^(n-1))

したがって:

pₙ = 1/2 + (-1)ⁿ / (2 × 5^(n-1)) = 1/2 + (-1)ⁿ × 5 / (2 × 5ⁿ) = (5ⁿ + 5(-1)ⁿ) / (2 × 5ⁿ)

または簡潔に:

pₙ = (1/2){1 + (-1/5)^(n-1) × (-1)}

【(3)の解答】極限値

n → ∞ のとき、(-1/5)^(n-1) → 0 なので:

lim(n→∞) pₙ = 1/2

これは直感的にも理解できます。十分に多くの試行を行うと、赤球を引いた回数が偶数か奇数かは、ほぼ半々になります。

別解・発展

【行列を用いた解法】

状態を「偶数回」と「奇数回」の2状態で表し、推移確率行列を用いて解くこともできます。

推移行列 A = [[2/5, 3/5], [3/5, 2/5]] として、初期状態ベクトル v₀ = [1, 0]ᵀ に対して:

vₙ = Aⁿv₀

行列 A を対角化することで pₙ を求めることができます。

【発展:マルコフ連鎖の定常分布】

この問題はマルコフ連鎖の典型例です。定常分布 π は πA = π を満たし、π = [1/2, 1/2] となります。これが極限値に対応します。

大問4:複素数と等比級数

問題

複素数 z に対して、

S₁ = 1 + z + z² + z³ + ⋯ + zⁿ

S₂ = 1 + cos θ + cos 2θ + cos 3θ + ⋯ + cos nθ

とする。ただし、0 < θ < 2π とする。

(1)z ≠ 1 のとき、S₁ を z と n を用いて表せ。

(2)z = cos θ + i sin θ続きを作成します。

---

(2)z = cos θ + i sin θ のとき、S₂ を θ と n を用いて表せ。

(3)S₂ の値が最大となる θ の値を求めよ(n は固定された正の整数とする)。

解説・解法のポイント

【(1)の解答】等比級数の和

S₁ は初項1、公比 z の等比級数です。z ≠ 1 のとき、等比級数の和の公式より:

S₁ = (1 - z^(n+1)) / (1 - z)

【注意】項数は n+1 個(z⁰ から zⁿ まで)であることに注意してください。

【(2)の解答】ド・モアブルの定理を用いた計算

z = cos θ + i sin θ とおくと、ド・モアブルの定理より:

zᵏ = cos kθ + i sin kθ

したがって:

S₁ = Σ(k=0 to n) zᵏ = Σ(k=0 to n) (cos kθ + i sin kθ)

= Σ(k=0 to n) cos kθ + i Σ(k=0 to n) sin kθ

= S₂ + i × (sin θ の和)

よって、S₂ は S₁ の実部です。

S₁ = (1 - z^(n+1)) / (1 - z) の実部を計算します。

z = cos θ + i sin θ = e^(iθ) なので:

z^(n+1) = e^(i(n+1)θ) = cos(n+1)θ + i sin(n+1)θ

分子:1 - z^(n+1) = 1 - cos(n+1)θ - i sin(n+1)θ

分母:1 - z = 1 - cos θ - i sin θ

実部を求めるため、分母の共役を掛けます:

S₁ = {(1 - cos(n+1)θ - i sin(n+1)θ)(1 - cos θ + i sin θ)} / {|1 - z|²}

|1 - z|² = (1 - cos θ)² + sin²θ = 1 - 2cos θ + cos²θ + sin²θ = 2(1 - cos θ) = 4sin²(θ/2)

分子の実部を計算すると:

(1 - cos(n+1)θ)(1 - cos θ) + sin(n+1)θ · sin θ

= 1 - cos θ - cos(n+1)θ + cos(n+1)θ cos θ + sin(n+1)θ sin θ

= 1 - cos θ - cos(n+1)θ + cos(nθ) (加法定理より)

= 1 - cos θ - cos(n+1)θ + cos nθ

半角公式と和積公式を駆使して整理すると:

S₂ = {sin((n + 1/2)θ)} / {2 sin(θ/2)} + 1/2

または同値な表現として:

S₂ = (1/2) + {sin((2n+1)θ/2)} / {2 sin(θ/2)}

【(3)の解答】S₂ の最大値

S₂ = 1/2 + sin((2n+1)θ/2) / (2 sin(θ/2))

この式で、0 < θ < 2π の範囲で最大値を考えます。

θ → 0⁺ のとき、ロピタルの定理を用いると:

lim(θ→0) S₂ = lim(θ→0) {sin((2n+1)θ/2)} / {2 sin(θ/2)} + 1/2

= lim(θ→0) {(2n+1)/2 · cos((2n+1)θ/2)} / {cos(θ/2)} + 1/2

= (2n+1)/2 + 1/2 = n + 1

これは S₂ = 1 + cos 0 + cos 0 + ⋯ + cos 0 = n + 1 と一致します。

S₂ を θ で微分して極値を調べることで、最大値を与える θ を特定できます。

計算の結果、S₂ は θ = 0(の極限)で最大値 n + 1 をとります。

ただし、0 < θ < 2π という制約があるため、厳密には最大値は達成されず、θ → 0⁺ で上限 n + 1 に近づきます。

別解・発展

【オイラーの公式を用いた別解】

z = e^(iθ) として:

S₁ = (1 - e^(i(n+1)θ)) / (1 - e^(iθ))

= e^(i(n+1)θ/2) × (e^(-i(n+1)θ/2) - e^(i(n+1)θ/2)) / (e^(iθ/2) × (e^(-iθ/2) - e^(iθ/2)))

= e^(inθ/2) × sin((n+1)θ/2) / sin(θ/2)

この実部をとることで S₂ が求まります。

【発展:ディリクレ核との関係】

S₂ の形はフーリエ解析におけるディリクレ核と深く関連しています:

Dₙ(θ) = Σ(k=-n to n) e^(ikθ) = sin((n + 1/2)θ) / sin(θ/2)

ディリクレ核はフーリエ級数の部分和を表す際に現れ、信号処理や調和解析で重要な役割を果たします。

この年度の重要テーマと対策

1. 微分積分の計算力

第1問の対数関数と面積の問題は、名古屋大学の定番テーマです。以下の点を押さえましょう:

  • 部分積分:∫ log x dx = x log x - x + C は必須公式
  • 置換による簡略化:パラメータを含む式は適切な置換で見通しが良くなる
  • 図形的イメージ:面積を求める領域を正確に把握する

2. 3次関数の性質

第2問のような3次関数に関する問題では:

  • 極値の計算:f'(x) = 0 の解と、そこでの関数値
  • グラフの概形:点対称性、変曲点の位置
  • 接線の本数:外部の点から曲線に引ける接線の問題は頻出

3. 確率と漸化式

第3問のタイプは多くの大学で出題されます。対策のポイント:

  • 状態の設定:問題に応じて適切な状態を定義する
  • 漸化式の立式:場合分けを漏れなく行う
  • 漸化式の解法:特性方程式、等比型への変形
  • 極限の計算:収束条件の確認

4. 複素数平面

第4問は複素数の計算力を問う良問です:

  • ド・モアブルの定理:(cos θ + i sin θ)ⁿ = cos nθ + i sin nθ
  • オイラーの公式:e^(iθ) = cos θ + i sin θ
  • 実部・虚部の分離:複素数の計算結果から必要な部分を取り出す

名古屋大学数学の出題傾向

1998年度を含む1990年代後半の名古屋大学数学には以下の傾向がありました:

分野 出題頻度 特徴
微分積分 ★★★★★ 面積・体積の計算、最大最小問題
複素数平面 ★★★★☆ 等比級数、図形的解釈
確率 ★★★★☆ 漸化式との融合問題
ベクトル・行列 ★★★☆☆ 空間図形、一次変換
整数問題 ★★★☆☆ 合同式、数学的帰納法

類似問題で練習しよう(練習問題3問)

練習問題1:対数関数と面積(第1問類題)

問題

曲線 y = log x 上の点 P(e, 1) における接線を l とする。曲線 y = log x、接線 l、および直線 x = e² で囲まれた図形の面積を求めよ。

解答・解説

Step 1:接線の方程式を求める

y = log x より y' = 1/x

x = e における傾きは 1/e

接線 l:y - 1 = (1/e)(x - e)

y = (1/e)x

Step 2:面積を計算する

区間 [e, e²] で、接線 y = x/e と曲線 y = log x の上下関係を確認します。

x = e² のとき:

  • 接線:y = e²/e = e
  • 曲線:y = log e² = 2

曲線が接線より上にあるので:

S = ∫_e^(e²) {log x - x/e} dx

= [x log x - x - x²/(2e)]_e^(e²)

= (e² · 2 - e² - e⁴/(2e)) - (e · 1 - e - e²/(2e))

= (2e² - e² - e³/2) - (e - e - e/2)

= e² - e³/2 + e/2

= (e/2)(2e - e² + 1) = (e/2)(1 + 2e - e²)

練習問題2:3次方程式の解の個数(第2問類題)

問題

方程式 x³ - 6x² + 9x = k が異なる3つの正の実数解を持つような定数 k の範囲を求めよ。

解答・解説

Step 1:関数の増減を調べる

f(x) = x³ - 6x² + 9x = x(x² - 6x + 9) = x(x - 3)²

f'(x) = 3x² - 12x + 9 = 3(x² - 4x + 3) = 3(x - 1)(x - 3)

f'(x) = 0 となるのは x = 1, 3

Step 2:極値を計算する

  • f(1) = 1 - 6 + 9 = 4(極大値)
  • f(3) = 27 - 54 + 27 = 0(極小値)
  • f(0) = 0

Step 3:グラフの概形と解の条件

y = f(x) のグラフは:

  • x = 0 で y = 0 を通る
  • x = 1 で極大値 4
  • x = 3 で極小値 0(x 軸に接する)

異なる3つの正の実数解を持つ条件は、直線 y = k が x > 0 の範囲で曲線と3点で交わることです。

グラフより:

0 < k < 4

練習問題3:確率漸化式(第3問類題)

問題

正三角形 ABC の頂点上を動く点 P がある。最初 P は頂点 A にいる。1回の操作で、P は現在いる頂点から他の2頂点のいずれかに等確率 1/2 で移動する。n 回の操作後に P が頂点 A にいる確率を aₙ とする。

(1)aₙ₊₁ を aₙ を用いて表せ。

(2)aₙ を n を用いて表せ。

(3)lim(n→∞) aₙ を求めよ。

解答・解説

(1) 漸化式の導出

n+1 回後に A にいるのは、n 回後に B または C にいて、そこから A に移動する場合です。

n 回後に A にいない確率は 1 - aₙ

B または C から A に移動する確率は 1/2

aₙ₊₁ = (1 - aₙ) × (1/2) = (1 - aₙ)/2

(2) 漸化式を解く

aₙ₊₁ = -aₙ/2 + 1/2

特性方程式:α = -α/2 + 1/2 より α = 1/3

aₙ₊₁ - 1/3 = -(1/2)(aₙ - 1/3)

初期条件:a₀ = 1(最初は A にいる)より a₁ = 0

bₙ = aₙ - 1/3 とおくと:

b₁ = a₁ - 1/3 = -1/3

bₙ = (-1/3) × (-1/2)^(n-1)

aₙ = 1/3 + (-1)^(n-1) / (3 × 2^(n-1)) = 1/3 × {1 + (-1/2)^(n-1) × (-1)}

簡潔に書くと:

aₙ = (1/3){1 + (-1)ⁿ × 2 / 2ⁿ} = (2ⁿ + 2(-1)ⁿ) / (3 × 2ⁿ)

(3) 極限

n → ∞ のとき (-1/2)^n → 0 より:

lim(n→∞) aₙ = 1/3

これは直感的にも正しい結果です。十分に長い時間が経つと、点 P は3つの頂点に等確率 1/3 で存在することになります。

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まとめ

1998年度の名古屋大学数学は、微分積分、3次関数、確率漸化式、複素数平面という、入試数学の王道とも言える分野から出題されました。これらの分野は現在でも頻出であり、過去問演習として非常に価値があります。

合格への道は、基礎の徹底典型問題の習得過去問演習弱点補強のサイクルを繰り返すことです。

私、藤原進之介と一緒に、名古屋大学合格を目指しましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。質問や相談があれば、お気軽に日本数学塾または数強塾までお問い合わせください。

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