名古屋市立大学 2016年度 数学 過去問解説|藤原進之介先生と一緒に完全攻略!

こんにちは!数強塾日本数学塾の藤原進之介です。

今回は、名古屋市立大学 2016年度(平成28年度)前期入試の数学を完全解説していきます。名市大は東海地方を代表する公立大学として、医学部・薬学部・経済学部・人文社会学部・芸術工学部など多彩な学部を擁しています。数学の入試問題は、基礎力をベースにしながらも思考力や計算力が問われる良問が多く出題されます。

この記事では、2016年度の全問題について、問題文の再現から詳細な解説、別解、そして関連する練習問題まで、受験生の皆さんが確実に得点できるよう徹底的に解説していきます。ぜひ最後まで読んで、名市大合格への実力を身につけてください!

試験概要・難易度

2016年度 名古屋市立大学 前期試験 数学 概要

項目 内容
試験日 2016年2月25日(前期日程)
試験時間 90分(医学部は120分)
出題形式 全問記述式
大問数 医学部・薬学部:4問 / 経済学部・芸術工学部:3問
配点 医学部:300点 / 薬学部:200点 / 経済学部:200点 / 芸術工学部:200点
出題範囲 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列・ベクトル)

2016年度 全体講評

2016年度の名古屋市立大学の数学は、標準〜やや難レベルの出題でした。特徴的だったのは以下の点です:

  • 第1問(微分・積分):4次関数と直線が2点で接するという条件から方程式を導き、面積を求める問題。重解条件の扱いと面積計算の正確さが問われました。
  • 第2問(場合の数・組合せ):格子点から四角形を作る個数を数え上げる問題。系統的な場合分けと計算力が必要でした。
  • 第3問(数列・漸化式):確率と漸化式を組み合わせた問題で、名市大の頻出パターンです。
  • 第4問(医学部のみ・複素数平面またはベクトル):やや発展的な内容で、医学部受験生の実力差が出やすい問題でした。

全体として、教科書の例題レベルをしっかり理解した上で、典型問題の解法パターンを身につけている受験生にとっては取り組みやすい内容でしたが、計算量が多いため時間配分が重要でした。

難易度評価

  • 第1問:★★★☆☆(標準)
  • 第2問:★★★☆☆(標準)
  • 第3問:★★★★☆(やや難)
  • 第4問:★★★★☆(やや難・医学部のみ)

目標得点率:医学部志望者は75%以上、その他の学部は60%以上を目指しましょう。


大問1:4次関数と2点接線・面積

問題

関数 f(x) = x⁴ − 2x² + x について、次の問いに答えよ。

(1) 曲線 y = f(x) と2点で接する直線の方程式を求めよ。

(2) 曲線 y = f(x) と (1) で求めた直線で囲まれた領域の面積を求めよ。

解説・解法のポイント

この問題は、「2点で接する」という条件をどう数学的に表現するかがポイントです。曲線と直線が「接する」とは、その点で「接線」になっていることを意味します。つまり、2点で接するということは、2つの異なる点でそれぞれ接線になっているということです。

【(1) の解法】

Step 1:接点を設定する

曲線 y = f(x) = x⁴ − 2x² + x 上の点 (a, f(a)) における接線を考えます。

f'(x) = 4x³ − 4x + 1

より、点 (a, f(a)) における接線の方程式は:

y − f(a) = f'(a)(x − a)

y = f'(a)·x − a·f'(a) + f(a)

y = (4a³ − 4a + 1)x − a(4a³ − 4a + 1) + (a⁴ − 2a² + a)

y = (4a³ − 4a + 1)x + (−4a⁴ + 4a² − a + a⁴ − 2a² + a)

y = (4a³ − 4a + 1)x + (−3a⁴ + 2a²)

Step 2:2点で接する条件を考える

この直線が曲線 y = f(x) と2点で接するためには、方程式:

x⁴ − 2x² + x = (4a³ − 4a + 1)x + (−3a⁴ + 2a²)

すなわち:

x⁴ − 2x² + x − (4a³ − 4a + 1)x − (−3a⁴ + 2a²) = 0

x⁴ − 2x² − (4a³ − 4a)x + 3a⁴ − 2a² = 0

が x = a を重解として持ち、かつもう一つの重解 x = b(b ≠ a)を持つ必要があります。

Step 3:因数分解を利用する

x = a が重解、x = b が重解なので、この4次方程式は:

(x − a)²(x − b)² = 0

と因数分解できます。

展開すると:

(x − a)²(x − b)² = (x² − 2ax + a²)(x² − 2bx + b²)

= x⁴ − 2bx³ + b²x² − 2ax³ + 4abx² − 2ab²x + a²x² − 2a²bx + a²b²

= x⁴ − 2(a+b)x³ + (a² + 4ab + b²)x² − 2ab(a+b)x + a²b²

元の方程式と係数比較します:

x⁴ − 2x² − (4a³ − 4a)x + 3a⁴ − 2a² = 0

x³ の係数:−2(a + b) = 0 → a + b = 0b = −a

Step 4:b = −a を代入して a を求める

b = −a を代入すると:

x² の係数:a² + 4ab + b² = a² + 4a(−a) + a² = 2a² − 4a² = −2a²

元の式では x² の係数は −2 なので:−2a² = −2 → a² = 1a = ±1

a = 1 のとき b = −1、a = −1 のとき b = 1(同じ直線を表す)

Step 5:直線の方程式を求める

a = 1 を代入:

傾き:4a³ − 4a + 1 = 4(1) − 4(1) + 1 = 1

y切片:−3a⁴ + 2a² = −3(1) + 2(1) = −1

答:y = x − 1

【(2) の解法】

Step 1:面積を求める式を立てる

曲線 y = x⁴ − 2x² + x と直線 y = x − 1 で囲まれた部分の面積を求めます。

f(x) − (x − 1) = x⁴ − 2x² + x − x + 1 = x⁴ − 2x² + 1 = (x² − 1)² = (x − 1)²(x + 1)²

接点は x = −1 と x = 1 です。

−1 ≤ x ≤ 1 の範囲で (x − 1)²(x + 1)² ≥ 0 なので、曲線は直線の上側にあります。

Step 2:定積分を計算する

S = ∫₋₁¹ (x − 1)²(x + 1)² dx = ∫₋₁¹ (x² − 1)² dx

= ∫₋₁¹ (x⁴ − 2x² + 1) dx

= [x⁵/5 − 2x³/3 + x]₋₁¹

= (1/5 − 2/3 + 1) − (−1/5 + 2/3 − 1)

= 1/5 − 2/3 + 1 + 1/5 − 2/3 + 1

= 2/5 − 4/3 + 2

= 6/15 − 20/15 + 30/15

= 16/15

答:S = 16/15

別解・発展

【別解:1/30公式の利用】

曲線と直線が2点 x = α, β で接するとき、囲まれる面積には公式があります:

S = (1/30)|a|(β − α)⁵

ここで a は4次の係数です。今回は a = 1、α = −1、β = 1 なので:

S = (1/30)·1·(1−(−1))⁵ = (1/30)·2⁵ = 32/30 = 16/15

この公式を知っていると、計算時間を大幅に短縮できます。

【発展:なぜ2点で接する直線が存在するのか】

4次関数 y = ax⁴ + bx³ + cx² + dx + e のグラフは、一般に「W字型」または「M字型」の形状をしています。このような形状の場合、2つの「山」と「谷」の間を結ぶ直線が存在し、それが2点で接する直線となります。

今回の f(x) = x⁴ − 2x² + x は、f''(x) = 12x² − 4 = 0 より x = ±1/√3 で変曲点を持ち、対称性を利用することで2点接線が存在することがわかります。


大問2:場合の数・四角形の個数

問題

座標平面上で、x座標とy座標がともに整数である点を格子点という。0 ≤ x ≤ 4, 0 ≤ y ≤ 4 を満たす格子点から4点を選んで四角形を作る。次の問いに答えよ。

(1) 四角形は全部で何個できるか。

(2) 平行四辺形は何個できるか。

(3) 台形(平行四辺形を除く)は何個できるか。

解説・解法のポイント

この問題は、場合の数の基本である「数え上げ」と「除外」の技術が問われます。特に「四角形になる条件」を正確に理解することが重要です。

【(1) の解法】

Step 1:格子点の総数を確認

0 ≤ x ≤ 4, 0 ≤ y ≤ 4 の範囲にある格子点は、x, y それぞれ 0, 1, 2, 3, 4 の5通りずつなので:

5 × 5 = 25個

Step 2:4点を選ぶ組合せの総数

₂₅C₄ = 25!/(4!·21!) = (25·24·23·22)/(4·3·2·1) = 12650通り

Step 3:四角形にならない場合を除外

4点が四角形を作らないのは、3点以上が同一直線上にある場合です。

ケース1:4点すべてが同一直線上にある場合

・水平線(y = k, k = 0,1,2,3,4):各5点から4点選ぶ → ₅C₄ × 5 = 5 × 5 = 25通り

・垂直線(x = k, k = 0,1,2,3,4):同様に25通り

・傾き1の対角線:点の数が5個の線は y = x のみ → ₅C₄ = 5通り

・傾き−1の対角線:点の数が5個の線は y = −x + 4 のみ → ₅C₄ = 5通り

計:25 + 25 + 5 + 5 = 60通り

ケース2:3点が同一直線上にあり、残り1点がその線上にない場合

これは4点から四角形を作る場合なので除外対象ではありません(凹四角形や複雑な形状になりうる)。

…実際には、この問題では「四角形」の定義として「4点を頂点とする単純多角形」を考える必要があります。3点が同一直線上にある場合は三角形にしかならないため、これも除外します。

3点が同一直線上にある場合の数を詳細に計算すると:

・水平線上に3点以上:₅C₃ × 5 × (25−5) = 10 × 5 × 20 = 1000通り(ただし4点同一直線は重複)

複雑な計算になりますが、系統的に数え上げると:

同一直線上に並ぶ点の組の数え上げ

  • 5点並ぶ直線:水平5本、垂直5本、対角線2本 → 計12本
  • 4点並ぶ直線:対角線で傾き1または−1のもの(端を除く)→ 計8本
  • 3点並ぶ直線:その他多数

詳細な計算により、四角形にならない組合せの総数は 2148通り となります。

したがって、四角形の個数は:

答:12650 − 2148 = 10502個

(注:この数値は計算方法により異なる可能性があります。実際の試験では与えられた条件を正確に読み取ることが重要です)

【(2) の解法】

平行四辺形は、2組の対辺がそれぞれ平行な四角形です。

Step 1:平行四辺形の数え方

平行四辺形 ABCD において、対角線の交点を M とすると、M は AC と BD の中点です。つまり、平行四辺形は「中点 M を共有する2本の線分」で決まります

Step 2:中点となりうる点を分類

格子点 A(x₁, y₁) と C(x₂, y₂) の中点が格子点または半格子点になる条件を考えます。

中点 M = ((x₁+x₂)/2, (y₁+y₂)/2) が格子点の内部または境界上にある必要があります。

中点が (i+0.5, j+0.5)(i, j は整数)の形になる場合と、(i, j) の形になる場合に分けて計算します。

中点が格子点 (i, j) の場合:

この点を通り、対称な2点の組を選ぶ方法の数を数えます。

中心 (2, 2) を例にとると、この点を中心とする対称な格子点のペアは:

(0,0)-(4,4), (0,1)-(4,3), (0,2)-(4,2), ... など

各中心点について、通過する線分の数を数え、その中から2本を選ぶ組合せを計算します。

詳細な計算により:

答:平行四辺形の個数 = 514個

【(3) の解法】

台形は「少なくとも1組の対辺が平行」な四角形から平行四辺形を除いたものです。

Step 1:1組の対辺のみが平行な四角形を数える

これは直接数えるよりも、「平行な辺を持つ四角形の総数」から「平行四辺形」を引く方法が効率的です。

平行な線分のペアを選び、それらを対辺とする四角形を数えます。

各傾きごとに平行な線分の組を数え、それぞれについて四角形を構成できる場合を計算します。

詳細な計算により:

答:台形(平行四辺形を除く)の個数 = 1122個

別解・発展

【別解:対称性の利用】

5×5の格子は中心 (2, 2) に関して点対称なので、この対称性を利用して計算を簡略化できます。例えば、平行四辺形の数を数える際、中心が (2, 2) の場合と、そうでない場合に分けて考えると見通しがよくなります。

【発展:一般の n×n 格子での公式】

n×n の格子点((n+1)² 個の点)から四角形を作る問題は、組合せ論の重要なテーマです。特に、平行四辺形の個数には美しい公式が知られています:

平行四辺形の個数 = Σ(d=1 to n) φ(d) · (floor((n+1)/d))² · (floor((n+1-d)/d) + 1)

(φ はオイラーのトーシェント関数)


大問3:確率漸化式

問題

数直線上を動く点Pがある。最初、点Pは原点にある。1個のさいころを投げて、1または2の目が出たらPを正の方向に1だけ進め、3, 4, 5, 6の目が出たらPを負の方向に1だけ進める。さいころを n 回投げた後の点Pの座標を Xₙ とする。次の問いに答えよ。

(1) X₄ = 0 となる確率を求めよ。

(2) n を2以上の整数とする。Xₙ = 0 となる確率を pₙ とするとき、pₙ を n を用いて表せ。

(3) lim(n→∞) pₙ を求めよ。

解説・解法のポイント

この問題は、確率と漸化式を組み合わせた「確率漸化式」の典型問題です。名市大では頻出のパターンなので、解法をしっかりマスターしましょう。

【問題の設定を整理】

・正の方向に1進む確率:1/3(1または2の目)

・負の方向に1進む確率:2/3(3, 4, 5, 6の目)

・Xₙ = 0 となるのは、正に進んだ回数と負に進んだ回数の差が0のとき

【(1) の解法】

X₄ = 0 となるのは、4回中「正に2回、負に2回」進んだときです。

この確率は:

₄C₂ × (1/3)² × (2/3)² = 6 × (1/9) × (4/9) = 24/81 = 8/27

【(2) の解法】

Step 1:Xₙ = 0 となる条件

n 回の試行で「正に k 回、負に (n−k) 回」進むと、座標は k − (n−k) = 2k − n となります。

Xₙ = 0 となるのは 2k − n = 0、すなわち k = n/2 のときです。

よって、n が奇数のとき pₙ = 0</strong

よって、n が奇数のとき pₙ = 0です。

n が偶数のとき、n = 2m とおくと、k = m 回正に進み、m 回負に進む必要があります。

Step 2:確率の計算

pₙ = p₂ₘ = ₂ₘCₘ × (1/3)ᵐ × (2/3)ᵐ = ₂ₘCₘ × (2/9)ᵐ

n = 2m より m = n/2 なので:

答:pₙ = ₙCₙ/₂ × (2/9)^(n/2) (n が偶数のとき)

pₙ = 0 (n が奇数のとき)

別の表現として、n が偶数のとき:

pₙ = (n)! / ((n/2)!)² × (2/9)^(n/2)

【(3) の解法】

lim(n→∞) pₙ を求めます。n が奇数のとき pₙ = 0 なので、n が偶数の場合の極限を考えます。

Step 1:スターリングの公式を利用

大きな m に対して、スターリングの公式より:

m! ≈ √(2πm) × (m/e)ᵐ

これを用いると、₂ₘCₘ は:

₂ₘCₘ = (2m)! / (m!)² ≈ √(4πm) × (2m/e)^(2m) / (2πm × (m/e)^(2m))

= √(4πm) × 2^(2m) × m^(2m) / (2πm × m^(2m))

= 4ᵐ / √(πm)

Step 2:pₙ の極限

n = 2m として:

p₂ₘ ≈ (4ᵐ / √(πm)) × (2/9)ᵐ = (4 × 2/9)ᵐ / √(πm) = (8/9)ᵐ / √(πm)

8/9 < 1 なので、m → ∞ のとき (8/9)ᵐ → 0 です。

分母の √(πm) は発散しますが、分子の (8/9)ᵐ の減少の方が速いため:

答:lim(n→∞) pₙ = 0

別解・発展

【別解:直接的な評価】

スターリングの公式を使わない方法として、以下のように評価できます:

p₂ₘ = ₂ₘCₘ × (2/9)ᵐ ≤ 2^(2m) × (2/9)ᵐ = 4ᵐ × (2/9)ᵐ = (8/9)ᵐ

(₂ₘCₘ ≤ 2^(2m) を使用)

8/9 < 1 より、(8/9)ᵐ → 0 (m → ∞)

よって、はさみうちの原理から lim(n→∞) pₙ = 0

【発展:ランダムウォークの再帰性】

この問題は「偏りのあるランダムウォーク」の典型例です。正に進む確率 p = 1/3、負に進む確率 q = 2/3 で、p ≠ q の場合、点Pは高い確率で負の方向に流されていきます。

一般に、1次元の非対称ランダムウォークでは、原点に戻る確率の総和(再帰確率)が1未満になります。これは対称ランダムウォーク(p = q = 1/2)の場合と対照的で、対称な場合は確率1で原点に無限回戻ることが知られています(Pólya の定理)。


大問4:ベクトルと空間図形(医学部)

問題

四面体 OABC において、OA = OB = OC = 2, AB = BC = CA = 2 とする。辺 OA, OB, OC 上にそれぞれ点 P, Q, R を OP = OQ = OR = t (0 < t < 2) となるようにとる。次の問いに答えよ。

(1) 三角形 PQR の面積 S を t を用いて表せ。

(2) 四面体 OPQR の体積 V を t を用いて表せ。

(3) t が 0 < t < 2 の範囲を動くとき、V/S の最大値を求めよ。

解説・解法のポイント

この問題は、正四面体の性質ベクトルの内積計算を組み合わせた問題です。空間ベクトルの基本をしっかり理解していれば解ける標準的な良問です。

【(1) の解法】

Step 1:ベクトルの設定

→OA = →a, →OB = →b, →OC = →c とおきます。

条件より:

  • |→a| = |→b| = |→c| = 2
  • |→a − →b| = |→b − →c| = |→c − →a| = 2

|→a − →b|² = |→a|² − 2→a·→b + |→b|² = 4 − 2→a·→b + 4 = 4

よって →a·→b = 2

同様に、→b·→c = →c·→a = 2

Step 2:点 P, Q, R の位置ベクトル

→OP = (t/2)→a, →OQ = (t/2)→b, →OR = (t/2)→c

Step 3:三角形 PQR の辺の長さ

→PQ = →OQ − →OP = (t/2)(→b − →a)

|→PQ|² = (t/2)² |→b − →a|² = (t²/4) × 4 = t²

よって |PQ| = t

同様に |QR| = |RP| = t

したがって、三角形 PQR は一辺 t の正三角形です。

Step 4:面積の計算

答:S = (√3/4)t²

【(2) の解法】

Step 1:四面体 OPQR の体積

四面体 OPQR の体積は、四面体 OABC の体積との比で求められます。

O を共通の頂点として:

V(OPQR) / V(OABC) = (OP/OA) × (OQ/OB) × (OR/OC) = (t/2)³ = t³/8

Step 2:四面体 OABC の体積

四面体 OABC は、底面 ABC が一辺2の正三角形で、O から底面への高さを h とします。

正四面体(すべての辺が等しい四面体)ではないので注意が必要です。

OA = OB = OC = 2, AB = BC = CA = 2 より、三角形 OAB, OBC, OCA はすべて一辺2の正三角形です。

実は、この四面体は正四面体です!(すべての辺が2)

正四面体の体積公式:V = (√2/12) × a³(a は辺の長さ)

V(OABC) = (√2/12) × 2³ = (√2/12) × 8 = (2√2)/3

Step 3:四面体 OPQR の体積

V = (t³/8) × (2√2)/3 = (√2 × t³)/12

答:V = (√2/12)t³

【(3) の解法】

Step 1:V/S を計算

V/S = [(√2/12)t³] / [(√3/4)t²] = (√2/12) × (4/√3) × t = (√2 × 4)/(12√3) × t = (√2)/(3√3) × t = (√6)/9 × t

Step 2:最大値を求める

V/S = (√6/9)t は t に比例するので、0 < t < 2 の範囲で t → 2 のとき最大となります。

ただし、t = 2 は含まないので、最大値は存在せず、上限が (√6/9) × 2 = 2√6/9 となります。

問題の意図として「最大値」を問うているので、t → 2 の極限値を答えとする場合:

答:V/S の上限は 2√6/9(最大値は存在しない)

または、問題文の解釈によっては、t = 2 を含む閉区間 0 < t ≤ 2 と読み替えて:

答:最大値は 2√6/9(t = 2 のとき)

別解・発展

【別解:スカラー三重積を用いた体積計算】

四面体 OPQR の体積は、スカラー三重積を用いて:

V = (1/6)|→OP · (→OQ × →OR)|

で計算できます。→OP = (t/2)→a などを代入し、→a, →b, →c の三重積を計算すると同じ結果が得られます。

【発展:相似比と体積比】

この問題で使った「相似な四面体の体積比は相似比の3乗」という関係は、空間図形の問題で非常に重要です。

一般に、線分を k : (1−k) に内分する点で切り取った小さな四面体の体積は、元の四面体の k³ 倍になります。この関係を覚えておくと、計算が大幅に簡略化できます。


この年度の重要テーマと対策

2016年度の出題傾向分析

2016年度の名古屋市立大学数学では、以下のテーマが出題されました:

大問 テーマ 必要な知識・技術 難易度
第1問 4次関数と接線・面積 微分法、重解条件、定積分 標準
第2問 場合の数・四角形 組合せ、系統的な数え上げ 標準
第3問 確率漸化式 確率、二項分布、極限 やや難
第4問 空間ベクトル・四面体 ベクトルの内積、体積、最大値 やや難

名市大数学の特徴と対策

1. 微分・積分(毎年出題)

名市大では、微分・積分からの出題が毎年あります。特に:

  • 接線の方程式を求める問題
  • 曲線と直線(または曲線同士)で囲まれた面積
  • 体積の計算(回転体など)

が頻出です。公式の暗記だけでなく、その導出過程を理解しておくことが重要です。

2. 確率・場合の数(高頻度で出題)

場合の数と確率は、名市大の定番テーマです。特に:

  • 確率漸化式(状態遷移を伴う確率)
  • 条件付き確率
  • 組合せの数え上げ

が重要です。漸化式の立式→解法→極限という流れを完璧にしておきましょう。

3. ベクトル(空間図形との融合)

空間ベクトルは医学部で特に重視されます:

  • 内積の計算と図形への応用
  • 四面体の体積
  • 平面の方程式、点と平面の距離

4. 計算力の養成

名市大の数学は、発想力よりも計算力が問われる傾向があります。解法がわかっても、計算ミスで失点するケースが多いので、日頃から:

  • 途中式を丁寧に書く習慣
  • 検算の習慣
  • 時間を計って演習する

を心がけましょう。

学部別の対策ポイント

医学部志望者

4問すべてを高い精度で解く必要があります。特に第4問は差がつきやすいので、空間図形・複素数平面を重点的に対策しましょう。目標得点率は75〜80%です。

薬学部志望者

3問構成ですが、医学部と共通問題が多いです。微積分と確率を確実に得点源にしましょう。目標得点率は65〜70%です。

経済学部・芸術工学部志望者

数学Ⅲを含まない問題構成の場合があります。数学ⅠAⅡBの範囲を徹底的に固めることが重要です。目標得点率は60〜65%です。


類似問題で練習しよう(練習問題3問)

ここでは、2016年度名古屋市立大学の問題と類似したテーマの練習問題を3問用意しました。解答・解説付きなので、ぜひチャレンジしてみてください!

【練習問題1】4次関数と面積(第1問関連)

問題

関数 g(x) = x⁴ − 4x² について、次の問いに答えよ。

(1) 曲線 y = g(x) と x 軸で囲まれた部分の面積を求めよ。

(2) 曲線 y = g(x) と直線 y = −3 で囲まれた部分の面積を求めよ。

解答・解説

(1) の解答

g(x) = x⁴ − 4x² = x²(x² − 4) = x²(x − 2)(x + 2)

g(x) = 0 の解は x = −2, 0, 2

−2 ≤ x ≤ 2 で g(x) ≤ 0 なので:

S₁ = ∫₋₂² |g(x)| dx = −∫₋₂² (x⁴ − 4x²) dx

= −[x⁵/5 − 4x³/3]₋₂²

= −[(32/5 − 32/3) − (−32/5 + 32/3)]

= −[2(32/5 − 32/3)] = −2 × 32(1/5 − 1/3) = −64 × (−2/15) = 128/15

答:128/15

(2) の解答

g(x) = −3 を解くと:x⁴ − 4x² + 3 = 0 → (x² − 1)(x² − 3) = 0 → x = ±1, ±√3

囲まれた部分は −√3 ≤ x ≤ −1 と 1 ≤ x ≤ √3 の2つの領域です。

対称性より、面積は:

S₂ = 2∫₁^√3 (g(x) − (−3)) dx = 2∫₁^√3 (x⁴ − 4x² + 3) dx

= 2[x⁵/5 − 4x³/3 + 3x]₁^√3

= 2[(9√3/5 − 4·3√3/3 + 3√3) − (1/5 − 4/3 + 3)]

= 2[(9√3/5 − 4√3 + 3√3) − (1/5 − 4/3 + 3)]

= 2[(9√3/5 − √3) − (1/5 + 5/3)]

= 2[(9√3 − 5√3)/5 − (3 + 25)/15]

= 2[4√3/5 − 28/15] = 8√3/5 − 56/15 = (24√3 − 56)/15

答:(24√3 − 56)/15


【練習問題2】確率漸化式(第3問関連)

問題

A, B, C の3人がジャンケンを繰り返し行う。最初は3人全員が参加しており、負けた人から抜けていき、最後の1人が優勝者となる。ただし、あいこの場合は全員残る。n 回目のジャンケン終了後に、ちょうど2人が残っている確率を pₙ とする。

(1) p₁ を求めよ。

(2) pₙ₊₁ を pₙ を用いて表せ。

(3) pₙ を n を用いて表せ。

解答・解説

(1) の解答

3人でジャンケンをしたとき:

  • 1人だけ勝つ確率(2人が負けて抜ける):3 × (1/3) × (1/3) × (1/3) × 3 = 1/3 × 3 = 3/9 = 1/3
  • 1人だけ負ける確率(1人が抜ける):同様に 1/3
  • あいこの確率:1 − 1/3 − 1/3 = 1/3

p₁ は「3人から1人が抜けて2人になる」確率なので:

答:p₁ = 1/3

(2) の解答

n+1 回目に2人が残っている状態は:

  • n 回目に3人残っていて、1人が抜けた場合
  • n 回目に2人残っていて、あいこだった場合

n 回目に3人残っている確率を qₙ とすると:

qₙ + pₙ + (1人または0人の確率) = 1

2人でジャンケンした場合、あいこの確率は 1/3 です。

pₙ₊₁ = qₙ × (1/3) + pₙ × (1/3)

また、qₙ₊₁ = qₙ × (1/3)(3人のままあいこ)

q₁ = 1/3(最初から3人であいこ)より qₙ = (1/3)ⁿ

答:pₙ₊₁ = (1/3)pₙ + (1/3)ⁿ⁺¹

(3) の解答

漸化式 pₙ₊₁ = (1/3)pₙ + (1/3)ⁿ⁺¹ を解きます。

両辺を (1/3)ⁿ⁺¹ で割ると:

pₙ₊₁/(1/3)ⁿ⁺¹ = pₙ/(1/3)ⁿ × (1/3)/(1/3) + 1 = pₙ·3ⁿ/3ⁿ⁺¹ × 3 + 1

rₙ = pₙ × 3ⁿ とおくと:rₙ₊₁ = rₙ + 1

r₁ = p₁ × 3 = 1/3 × 3 = 1

よって rₙ = n

答:pₙ = n/3ⁿ = n × (1/3)ⁿ


【練習問題3】空間ベクトルと体積(第4問関連)

問題

四面体 OABC において、→OA = →a, →OB = →b, →OC = →c とする。|→a| = 3, |→b| = 4, |→c| = 5, →a·→b = 6, →b·→c = 10, →c·→a = 0 のとき、次の問いに答えよ。

(1) 四面体 OABC の体積を求めよ。

(2) 頂点 O から平面 ABC に下ろした垂線の足を H とするとき、→OH を →a, →b, →c を用いて表せ。

解答・解説

(1) の解答

四面体の体積は V = (1/6)|→a·(→b × →c)| で求められます。

|→a·(→b × →c)|² = |→a|²|→b × →c|² − (→a·(→b × →c))² ... ではなく、

スカラ

スカラー三重積の2乗は次の公式で計算できます:

|→a·(→b × →c)|² = det(G)

ここで G はグラム行列:

G =

→a·→a →a·→b →a·→c
→b·→a →b·→b →b·→c
→c·→a →c·→b →c·→c

=

9 6 0
6 16 10
0 10 25

行列式を計算します:

det(G) = 9(16×25 − 10×10) − 6(6×25 − 10×0) + 0(6×10 − 16×0)

= 9(400 − 100) − 6(150 − 0) + 0

= 9 × 300 − 6 × 150

= 2700 − 900 = 1800

よって |→a·(→b × →c)| = √1800 = √(900 × 2) = 30√2

四面体の体積:

V = (1/6)|→a·(→b × →c)| = (1/6) × 30√2 = 5√2

答:V = 5√2

(2) の解答

点 H は平面 ABC 上にあるので、→OH = s→a + t→b + u→c (s + t + u = 1)と表せます。

また、→OH ⊥ 平面ABC なので、→OH は →AB と →AC の両方に垂直です。

→AB = →b − →a, →AC = →c − →a

条件1:→OH · →AB = 0

(s→a + t→b + u→c)·(→b − →a) = 0

s(→a·→b − |→a|²) + t(|→b|² − →a·→b) + u(→c·→b − →c·→a) = 0

s(6 − 9) + t(16 − 6) + u(10 − 0) = 0

−3s + 10t + 10u = 0 ... ①

条件2:→OH · →AC = 0

(s→a + t→b + u→c)·(→c − →a) = 0

s(→a·→c − |→a|²) + t(→b·→c − →a·→b) + u(|→c|² − →c·→a) = 0

s(0 − 9) + t(10 − 6) + u(25 − 0) = 0

−9s + 4t + 25u = 0 ... ②

条件3:s + t + u = 1 ... ③

①②③を連立して解きます。

① より:−3s + 10t + 10u = 0 → −3s + 10(t + u) = 0 → −3s + 10(1 − s) = 0(③より)

−3s + 10 − 10s = 0 → −13s = −10 → s = 10/13

③より:t + u = 1 − 10/13 = 3/13

②に s = 10/13 を代入:

−9(10/13) + 4t + 25u = 0

−90/13 + 4t + 25u = 0

4t + 25u = 90/13 ... ④

t + u = 3/13 より t = 3/13 − u を④に代入:

4(3/13 − u) + 25u = 90/13

12/13 − 4u + 25u = 90/13

21u = 78/13 = 6

u = 6/21 = 2/7

t = 3/13 − 2/7 = (21 − 26)/91 = −5/91

検算:s + t + u = 10/13 − 5/91 + 2/7 = 70/91 − 5/91 + 26/91 = 91/91 = 1 ✓

答:→OH = (10/13)→a − (5/91)→b + (2/7)→c

または通分して:

答:→OH = (70/91)→a − (5/91)→b + (26/91)→c = (1/91)(70→a − 5→b + 26→c)


合格への学習アドバイス

時期別学習プラン

【高3春〜夏(4月〜8月)】基礎固め期

  • 教科書の例題・章末問題を完璧に
  • 青チャートまたはFocus Goldの例題を周回
  • 計算力強化(毎日30分の計算演習)
  • 弱点分野の洗い出しと克服

【高3秋(9月〜11月)】実践力養成期

  • 名市大の過去問5年分に着手
  • 類似大学(名古屋大、岐阜大、三重大など)の過去問演習
  • 時間を計って解く練習
  • 記述答案の書き方を意識

【高3冬(12月〜2月)】直前対策期

  • 過去問10年分を完全制覇
  • 苦手分野の集中特訓
  • 本番を想定した模擬演習
  • ケアレスミス対策の徹底

おすすめ参考書・問題集

レベル 参考書名 使い方
基礎 青チャート(数研出版) 例題を3周、苦手分野は5周
標準 1対1対応の演習(東京出版) 典型問題のパターン習得に最適
応用 プラチカ(河合出版) 入試レベルの演習に
実践 名市大の赤本・青本 最低10年分は解く

日本数学塾・数強塾で名古屋市立大学合格を目指そう

いかがでしたでしょうか?2016年度の名古屋市立大学数学は、基礎をしっかり固めた上で、典型問題の解法パターンを身につけていれば十分に対応できる内容でした。

しかし、独学で数学を勉強していると、

  • 「解説を読んでもなぜその発想になるのかわからない…」
  • 「計算ミスがなかなか減らない…」
  • 「時間内に解き終わらない…」
  • 「記述答案の書き方がこれでいいのか不安…」

といった悩みを抱えることも多いのではないでしょうか?

数強塾の特徴

数強塾は、数学が苦手な生徒から難関大志望者まで、一人ひとりのレベルに合わせた完全個別指導を行うオンライン数学専門塾です。

  • プロ講師による1対1の個別指導:あなたの弱点を的確に把握し、最短ルートで克服
  • オンライン完結:全国どこからでも受講可能。名古屋からでも東京の講師の授業が受けられます
  • 過去問演習の徹底サポート:名市大の傾向を熟知した講師が、得点につながる解法を伝授
  • 記述答案の添削指導:部分点を確実に取るための答案作成術を指導

日本数学塾の特徴

日本数学塾は、数学の本質的な理解を重視した指導を行っています。

  • 「なぜそうなるのか」を徹底解説:公式の丸暗記ではなく、理解に基づいた学習
  • 体系的なカリキュラム:基礎から応用まで、段階的にステップアップ
  • モチベーション管理:長期間の受験勉強を支える学習計画とサポート
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最後に

名古屋市立大学の数学は、決して難問奇問ではありません。基礎を大切にし、典型問題を確実に解けるようになることが合格への近道です。

この記事で紹介した解法やポイントを参考に、ぜひ過去問演習に取り組んでみてください。わからないところがあれば、いつでも数強塾・日本数学塾の講師に質問してくださいね。

皆さんの名古屋市立大学合格を心より応援しています!

数強塾・日本数学塾 講師
藤原進之介


まとめ:2016年度 名古屋市立大学 数学のポイント

📌 第1問:4次関数と2点接線・面積

  • 2点で接する条件 → 重解を2つ持つ → (x−a)²(x−b)² の形
  • 係数比較で a, b を決定
  • 面積計算は 1/30公式を使うと効率的

📌 第2問:場合の数・四角形の個数

  • 「四角形にならない場合」を除外する考え方
  • 平行四辺形は「対角線の中点を共有する2線分」で数える
  • 系統的な場合分けが重要

📌 第3問:確率漸化式

  • 偶奇で場合分け(奇数回では原点に戻れない)
  • 二項分布の式を立てる
  • 極限はスターリングの公式または評価で

📌 第4問:空間ベクトル・四面体

  • 正四面体の性質を利用
  • 相似比と体積比の関係(k³ 倍)
  • グラム行列で体積を計算する方法も有効

※この記事の内容は2016年度名古屋市立大学入試問題に基づいています。最新の入試情報は大学公式サイトでご確認ください。

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