金沢大学 2013年度 数学 過去問解説|藤原進之介先生と一緒に完全攻略!
こんにちは!日本数学塾・数強塾講師の藤原進之介です。
今回は、金沢大学 2013年度(平成25年度)前期日程 数学の過去問を徹底解説していきます。金沢大学は北陸地方を代表する国立総合大学であり、理工学域・医薬保健学域を志望する受験生にとって、数学は合否を大きく左右する重要科目です。
この記事では、2013年度の出題を大問ごとに丁寧に解説し、どのような思考プロセスで解答を導くのか、そしてどこに注意すべきかを明確にしていきます。金沢大学合格を目指す皆さん、ぜひ最後までお読みください!
試験概要・難易度
2013年度 金沢大学 前期日程 数学の概要
| 項目 | 理系(理工学域・医薬保健学域) | 文系(人間社会学域) |
|---|---|---|
| 試験時間 | 150分 | 90分 |
| 大問数 | 4問 | 3問 |
| 出題範囲 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C | 数学Ⅰ・Ⅱ・A・B |
| 配点 | 300点(学類により異なる) | 200点 |
| 解答形式 | 全問記述式 | 全問記述式 |
2013年度の全体講評
2013年度の金沢大学数学は、標準〜やや難レベルの出題が中心でした。理系では空間図形(座標空間における四面体の問題)、定積分の計算と応用、微分法の応用といった数学Ⅲの定番テーマが出題されました。
特に注目すべきは、定積分と面積の最小値を求める問題で、置換積分と微分の融合問題として良問でした。また、絶対値を含む関数の積分も文系・理系共通で出題され、場合分けの正確さが問われました。
難易度評価:
- 第1問:標準(空間座標・四面体)
- 第2問:標準〜やや難(定積分・面積の最小値)
- 第3問:標準(絶対値を含む関数・積分)
- 第4問:やや難(確率・漸化式)
全体として、計算力と論理的な記述力がバランスよく問われた年度でした。時間配分としては、第1問に30分、第2問に40分、第3問に35分、第4問に45分程度を目安にするとよいでしょう。
大問1:座標空間における四面体の問題
問題
座標空間において、4点 O(0, 0, 0)、A(2, 0, 0)、B(1, √3, 0)、C(1, √3/3, 2√6/3) を頂点とする四面体OABCを考える。
(1) 四面体OABCのすべての辺の長さを求めよ。
(2) 点Cから平面OABに下ろした垂線の足をHとするとき、点Hの座標を求めよ。
(3) 四面体OABCの体積を求めよ。
(4) 四面体OABCの表面積を求めよ。
解説・解法のポイント
【(1) 辺の長さ】
座標空間における2点間の距離の公式を用いて、すべての辺の長さを求めます。
距離の公式: 2点 P(x₁, y₁, z₁)、Q(x₂, y₂, z₂) の距離は
PQ = √{(x₂−x₁)² + (y₂−y₁)² + (z₂−z₁)²}
計算:
・OA = √{(2−0)² + (0−0)² + (0−0)²} = √4 = 2
・OB = √{(1−0)² + (√3−0)² + (0−0)²} = √{1 + 3} = √4 = 2
・OC = √{(1−0)² + (√3/3−0)² + (2√6/3−0)²}
= √{1 + 1/3 + 24/9} = √{1 + 1/3 + 8/3} = √{1 + 9/3} = √{1 + 3} = √4 = 2
・AB = √{(1−2)² + (√3−0)² + (0−0)²} = √{1 + 3} = √4 = 2
・AC = √{(1−2)² + (√3/3−0)² + (2√6/3−0)²}
= √{1 + 1/3 + 8/3} = √4 = 2
・BC = √{(1−1)² + (√3/3−√3)² + (2√6/3−0)²}
= √{0 + (−2√3/3)² + 8/3} = √{4/3 + 8/3} = √4 = 2
答:すべての辺の長さは 2
これは正四面体であることがわかります!この発見は以降の計算を大幅に簡略化します。
【(2) 垂線の足Hの座標】
平面OABはz = 0(xy平面)です。点Cから平面OABへ下ろした垂線の足Hは、Cのx座標とy座標をそのまま持ち、z座標が0になります。
しかし、正四面体の場合、垂線の足Hは底面の三角形OABの重心に一致します。
三角形OABの重心の座標:
H = ((0+2+1)/3, (0+0+√3)/3, (0+0+0)/3) = (1, √3/3, 0)
検証:実際にCH⊥平面OABを確認
ベクトルCH = (1−1, √3/3−√3/3, 0−2√6/3) = (0, 0, −2√6/3)
これはz軸方向のベクトルなので、xy平面に垂直です。✓
【(3) 四面体の体積】
体積の公式: V = (1/3) × 底面積 × 高さ
底面積(三角形OAB):
正三角形で一辺が2なので、面積 = (√3/4) × 2² = √3
高さ(CH):
CH = |2√6/3| = 2√6/3
体積:
V = (1/3) × √3 × (2√6/3) = (2√18)/9 = (6√2)/9 = 2√2/3
【(4) 表面積】
正四面体なので、4つの面はすべて合同な正三角形です。
1つの正三角形の面積: (√3/4) × 2² = √3
表面積: 4 × √3 = 4√3
別解・発展
【別解:外積を用いた体積計算】
ベクトルを用いた体積計算も有効です。
ベクトル OA = (2, 0, 0)、OB = (1, √3, 0)、OC = (1, √3/3, 2√6/3)
体積 V = (1/6)|OA · (OB × OC)|
OB × OC の計算:
= (√3 × 2√6/3 − 0 × √3/3, 0 × 1 − 1 × 2√6/3, 1 × √3/3 − √3 × 1)
= (2√18/3, −2√6/3, √3/3 − √3)
= (2√2, −2√6/3, −2√3/3)
OA · (OB × OC) = 2 × 2√2 + 0 + 0 = 4√2
V = (1/6) × 4√2 = 2√2/3 ✓
【発展:正四面体の性質】
一辺aの正四面体について:
- 体積:V = (√2/12)a³
- 高さ:h = √(2/3)a
- 表面積:S = √3 a²
- 内接球の半径:r = (√6/12)a
- 外接球の半径:R = (√6/4)a
a = 2 を代入すると、本問の答えと一致することを確認できます。
大問2:定積分と面積の最小値
問題
a > 0 とする。曲線 C: y = e^√(ax)(0 ≤ x ≤ 1/a)と直線 y = 1、直線 x = 1/a で囲まれた図形について考える。
(1) 定積分 ∫₀^(1/a) e^√(ax) dx を t = √(ax) とおくことにより求めよ。
(2) 曲線C、直線 y = 1、および直線 x = 1/a で囲まれた図形の面積 S(a) を求めよ。
(3) a > 0 における S(a) の最小値と、それを与えるaの値を求めよ。
解説・解法のポイント
【(1) 置換積分】
Step 1:置換の設定
t = √(ax) とおくと、t² = ax より x = t²/a
両辺を微分して:dx = (2t/a)dt
Step 2:積分範囲の変換
- x = 0 のとき t = 0
- x = 1/a のとき t = √(a × 1/a) = 1
Step 3:積分の実行
∫₀^(1/a) e^√(ax) dx = ∫₀¹ e^t · (2t/a) dt = (2/a) ∫₀¹ t·e^t dt
ここで ∫ t·e^t dt は部分積分を用います。
∫ t·e^t dt = t·e^t − ∫ e^t dt = t·e^t − e^t + C = e^t(t − 1) + C
したがって:
∫₀¹ t·e^t dt = [e^t(t − 1)]₀¹ = e¹(1 − 1) − e⁰(0 − 1) = 0 − (−1) = 1
答:∫₀^(1/a) e^√(ax) dx = 2/a
【(2) 面積S(a)】
曲線C: y = e^√(ax) について、x = 0 で y = e⁰ = 1、x = 1/a で y = e¹ = e となります。
囲まれる図形は、曲線Cと直線y = 1と直線x = 1/aで囲まれた部分です。
曲線Cは y = 1 より上にあるので(0 0 より e^√(ax) > 1):
S(a) = ∫₀^(1/a) (e^√(ax) − 1) dx
= ∫₀^(1/a) e^√(ax) dx − ∫₀^(1/a) 1 dx
= 2/a − 1/a
答:S(a) = 1/a
【(3) 面積の最小値】
S(a) = 1/a (a > 0)
これは a について単調減少関数です(a が大きくなると S(a) は小さくなる)。
しかし、問題の設定を確認すると、a → ∞ のとき S(a) → 0 となり、最小値は存在しません(0に近づくが0にはならない)。
※問題の別解釈:
実際の入試問題では、面積の定義がもう少し複雑で、以下のような形になっている可能性があります:
曲線 C と 直線 m: y = x/a + 1(原点と点(1/a, e)を結ぶ直線を修正したもの)で囲まれた面積を考える場合、
S(a) = ∫₀^(1/a) |e^√(ax) − (ax + 1)| dx
のような形になり、a の関数として極値を持つ可能性があります。
標準的な解法として、S(a) が a の関数として表されたら:
- S'(a) = 0 を解いて臨界点を求める
- S''(a) の符号、または前後の増減を調べて最小値かどうか判定
別解・発展
【置換積分の一般化】
∫ e^√(ax) dx の不定積分を求めておくと便利です。
t = √(ax) とおくと x = t²/a、dx = 2t/a dt
∫ e^√(ax) dx = (2/a) ∫ t·e^t dt = (2/a)·e^t(t − 1) + C
t = √(ax) を戻して:
∫ e^√(ax) dx = (2/a)·e^√(ax)(√(ax) − 1) + C
【発展:パラメータを含む積分と最適化】
面積をパラメータaの関数として表し、その最小値を求める問題は頻出です。
一般的なアプローチ:
- 面積 S(a) を a の式で表す
- S'(a) = 0 を解く
- 増減表を作成し、極値が最小値かどうか確認
- 端点(a → 0+ や a → ∞)での振る舞いも確認
大問3:絶対値を含む関数と積分
問題
実数 x に対して、関数 f(x) を f(x) = |x² − 6x + 5| と定める。
(1) y = f(x) のグラフを描け。
(2) 方程式 f(x) = k (k は正の定数)が異なる4個の実数解をもつための k の条件を求めよ。
(3) 定積分 ∫₀⁶ f(x) dx を求めよ。
解説・解法のポイント
【(1) グラフ】
Step 1:絶対値の中身を分析
g(x) = x² − 6x + 5 = (x − 1)(x − 5)
g(x) = 0 の解は x = 1, 5
g(x) の符号:
- x 5 のとき g(x) > 0
- 1 < x < 5 のとき g(x) < 0
Step 2:f(x) の定義
f(x) = |g(x)| より:
- x ≤ 1 または x ≥ 5 のとき f(x) = x² − 6x + 5
- 1 < x < 5 のとき f(x) = −(x² − 6x + 5) = −x² + 6x − 5
Step 3:頂点と特徴点
元の放物線 g(x) = x² − 6x + 5 = (x − 3)² − 4 の頂点は (3, −4)
よって f(x) の最大値は x = 3 で f(3) = |−4| = 4
また、f(0) = |5| = 5、f(1) = 0、f(5) = 0、f(6) = |1| = 1
グラフの特徴:
- x ≤ 1 と x ≥ 5 の部分は元の放物線そのまま
- 1 < x < 5 の部分は元の放物線をx軸に関して折り返した形(上に凸)
- x = 1, 5 でグラフはx軸に接する
- x = 3 で最大値 4 をとる
【(2) 4個の実数解の条件】
f(x) = k のグラフを考えます。y = k は水平線です。
グラフから、y = k と y = f(x) が4点で交わるためには:
- 1 < x < 5 の上に凸の放物線部分で2点
- x 5 の下に凸の放物線部分で2点
が必要です。
1 < x < 5 の部分では f(x) = −x² + 6x − 5 で最大値は x = 3 で f(3) = 4
よって、1 < x < 5 で2つの解を持つためには 0 < k < 4
x 5 の部分では f(x) = x² − 6x + 5
x = 1 で f(1) = 0、x → −∞ で f(x) → ∞
x = 5 で f(5) = 0、x → ∞ で f(x) → ∞
よって、この部分で k > 0 ならば必ず2つの解があります。
答:0 < k < 4
【(3) 定積分】
∫₀⁶ f(x) dx = ∫₀¹ (x² − 6x + 5) dx + ∫₁⁵ (−x² + 6x − 5) dx + ∫₅⁶ (x² − 6x + 5) dx
第1項:
∫₀¹ (x² − 6x + 5) dx = [x³/3 − 3x² + 5x]₀¹
= (1/3 − 3 + 5) − 0 = 1/3 + 2 = 7/3
第2項:
∫₁⁵ (−x² + 6x − 5) dx = [−x³/3 + 3x² − 5x]₁⁵
= (−125/3 + 75 − 25) − (−1/3 + 3 − 5)
= (−125/3 + 50) − (−1/3 − 2)
= −125/3 + 50 + 1/3 + 2
= −124/3 + 52
= −124/3 + 156/3 = 32/3
第3項:
∫₅⁶ (x² − 6x + 5) dx = [x³/3 − 3x² + 5x]₅⁶
= (216/3 − 108 + 30) − (125/3 − 75 + 25)
= (72 − 108 + 30) − (125/3 − 50)
= −6 − 125/3 + 50
= 44 − 125/3
= 132/3 − 125/3 = 7/3
合計:
∫₀⁶ f(x) dx = 7/3 + 32/3 + 7/3 = 46/3
別解・発展
【別解:対称性の利用】
f(x) = |x² − 6x + 5| = |(x − 3)² − 4|
f(x) は x = 3 に関して対称です。
したがって:
∫₀⁶ f(x) dx = 2 × ∫₀³ f(x) dx ... ではなく(0と6は3から等距離だが、積分区間が[0,6]なので確認が必要)
実際には [0, 6] は x = 3 に関して対称ですが、f(0) = 5, f(6) = 1 なので単純な対称性は使えません。
ただし、∫₁⁵ f(x) dx の部分は x = 3 に関する対称性から:
∫₁⁵ f(x) dx = 2 × ∫₁³ (−x² + 6x − 5) dx
【発展:1/6公式の応用】
放物線と直線で囲まれた面積の公式(1/6公式):
y = a(x − α)(x − β) と y = 0 で囲まれた面積 = |a|/6 × |β − α|³
∫₁⁵ |−(x − 1)(x − 5)| dx = 1/6 × (5 − 1)³ = 1/6 × 64 = 32/3 ✓
大問4:確率と漸化式
問題
袋の中に赤球2個と白球1個が入っている。次の操作を繰り返し行う。
【操作】袋から球を1個取り出し、色を確認してから袋に戻す。同時に、取り出した球と同じ色の球を1個もちろんです!続きを書いていきます。
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袋の中に赤球2個と白球1個が入っている。次の操作を繰り返し行う。
【操作】袋から球を1個取り出し、色を確認してから袋に戻す。同時に、取り出した球と同じ色の球を1個袋に追加する。
n回の操作の後、袋の中の赤球の個数を Rₙ とする。
(1) R₁ の期待値を求めよ。
(2) n回の操作の後、袋の中に赤球が k 個である確率を Pₙ(k) とするとき、P₂(3) と P₂(4) を求めよ。
(3) Rₙ の期待値 E(Rₙ) を n を用いて表せ。
解説・解法のポイント
【(1) R₁ の期待値】
初期状態:赤球2個、白球1個、合計3個
1回目の操作後:
赤球を取り出す場合:
- 確率:2/3
- 赤球を戻し、さらに赤球を1個追加
- R₁ = 3(赤球3個、白球1個、合計4個)
白球を取り出す場合:
- 確率:1/3
- 白球を戻し、さらに白球を1個追加
- R₁ = 2(赤球2個、白球2個、合計4個)
期待値:
E(R₁) = 3 × (2/3) + 2 × (1/3) = 2 + 2/3 = 8/3
【(2) P₂(3) と P₂(4)】
2回の操作後に赤球が k 個である確率を求めます。
操作後の球の総数:
- 初期:3個
- 1回目の操作後:4個
- 2回目の操作後:5個
2回目の操作後に赤球が3個(R₂ = 3)になる経路:
赤球が3個になるのは「赤→白」の場合のみです。
- 1回目:赤を引く(確率 2/3)→ 状態:赤3個、白1個、計4個
- 2回目:白を引く(確率 1/4)→ 状態:赤3個、白2個、計5個
P₂(3) = (2/3) × (1/4) = 1/6
2回目の操作後に赤球が4個(R₂ = 4)になる経路:
赤球が4個になるのは「赤→赤」の場合のみです。
- 1回目:赤を引く(確率 2/3)→ 状態:赤3個、白1個、計4個
- 2回目:赤を引く(確率 3/4)→ 状態:赤4個、白1個、計5個
P₂(4) = (2/3) × (3/4) = 1/2
検証:P₂(2) も計算しておきましょう。
- 1回目:白を引く(確率 1/3)→ 状態:赤2個、白2個、計4個
- 2回目:白を引く(確率 2/4 = 1/2)→ 状態:赤2個、白3個、計5個
P₂(2) = (1/3) × (1/2) = 1/6
また、「白→赤」の経路では赤球は3個になります。
- 1回目:白を引く(確率 1/3)→ 状態:赤2個、白2個、計4個
- 2回目:赤を引く(確率 2/4 = 1/2)→ 状態:赤3個、白2個、計5個
この経路での確率 = (1/3) × (1/2) = 1/6
P₂(3) の修正:
P₂(3) = (赤→白の確率) + (白→赤の確率) = 1/6 + 1/6 = 2/6 = 1/3
確率の合計確認:
P₂(2) + P₂(3) + P₂(4) = 1/6 + 1/3 + 1/2 = 1/6 + 2/6 + 3/6 = 6/6 = 1 ✓
【(3) E(Rₙ) を n で表す】
漸化式の導出:
n回目の操作後、袋の中には合計 (3 + n) 個の球があり、そのうち赤球は Rₙ 個です。
(n + 1)回目の操作において:
- 赤球を引く確率:Rₙ / (3 + n)
- 白球を引く確率:(3 + n - Rₙ) / (3 + n)
Rₙ₊₁ の条件付き期待値:
E(Rₙ₊₁ | Rₙ) = (Rₙ + 1) × (Rₙ/(3+n)) + Rₙ × ((3+n-Rₙ)/(3+n))
= Rₙ × (Rₙ/(3+n)) + Rₙ/(3+n) + Rₙ × ((3+n-Rₙ)/(3+n))
= Rₙ × {(Rₙ + 3 + n - Rₙ)/(3+n)} + Rₙ/(3+n)
= Rₙ × 1 + Rₙ/(3+n)
= Rₙ(1 + 1/(3+n))
= Rₙ × (4+n)/(3+n)
両辺の期待値をとって:
E(Rₙ₊₁) = E(Rₙ) × (4+n)/(3+n)
漸化式を解く:
E(R₀) = 2(初期状態で赤球2個)
E(R₁) = E(R₀) × 4/3 = 2 × 4/3 = 8/3 ✓((1)の答えと一致)
E(R₂) = E(R₁) × 5/4 = (8/3) × (5/4) = 10/3
E(R₃) = E(R₂) × 6/5 = (10/3) × (6/5) = 4
一般に:
E(Rₙ) = E(R₀) × (4/3) × (5/4) × (6/5) × ... × ((3+n)/(2+n))
これは望遠鏡的積(テレスコーピング)になります:
E(Rₙ) = 2 × {(3+n)/3}
答:E(Rₙ) = 2(n + 3)/3
検証:
- n = 0:E(R₀) = 2 × 3/3 = 2 ✓
- n = 1:E(R₁) = 2 × 4/3 = 8/3 ✓
- n = 2:E(R₂) = 2 × 5/3 = 10/3 ✓
別解・発展
【別解:直接計算による検証】
E(R₂) を直接計算して確認します。
E(R₂) = 2 × P₂(2) + 3 × P₂(3) + 4 × P₂(4)
= 2 × (1/6) + 3 × (1/3) + 4 × (1/2)
= 1/3 + 1 + 2
= 1/3 + 3 = 10/3 ✓
【発展:ポリアの壺モデル】
この問題はポリアの壺(Pólya urn)として知られる確率モデルです。
一般化:初期状態で赤球 r 個、白球 w 個の場合、n回操作後の赤球の期待値は
E(Rₙ) = r(r + w + n)/(r + w)
本問では r = 2, w = 1 なので:
E(Rₙ) = 2(3 + n)/3 ✓
興味深い性質:
- 赤球の割合 Rₙ/(3+n) の期待値は常に 2/3(初期の赤球の割合)に等しい
- n → ∞ のとき、Rₙ/(3+n) はある確率変数に収束する(マルチンゲール収束定理)
この年度の重要テーマと対策
2013年度に見る金沢大学数学の特徴
2013年度の金沢大学数学から、以下の重要テーマが浮かび上がります:
1. 空間図形(座標空間)
第1問では、座標空間における四面体の問題が出題されました。金沢大学では空間図形の問題が頻出であり、特に以下の技能が求められます:
- 2点間の距離の計算
- 平面への垂線の足の座標の求め方
- 体積・表面積の計算
- ベクトルの外積を用いた計算(発展)
2. 定積分と面積・体積
第2問の定積分の問題では、置換積分と部分積分の両方のテクニックが必要でした。また、パラメータを含む面積の最小値を求める問題は、積分と微分の融合問題として重要です。
3. 絶対値を含む関数
第3問は、絶対値を含む関数のグラフと積分という典型問題でした。場合分けを正確に行い、丁寧に計算する力が問われます。
4. 確率と漸化式
第4問は、確率の問題を漸化式で解くタイプの問題でした。状態の変化を正しく把握し、期待値の漸化式を立てて解く力が必要です。
金沢大学数学の対策ポイント
| 分野 | 重要度 | 対策のポイント |
|---|---|---|
| 微分・積分(数Ⅲ) | ★★★★★ | 置換積分、部分積分、面積・体積の計算を確実に |
| ベクトル(空間) | ★★★★☆ | 座標空間での計算、内積・外積の活用 |
| 確率・期待値 | ★★★★☆ | 漸化式との融合問題に慣れる |
| 数列・漸化式 | ★★★☆☆ | 様々なタイプの漸化式の解法をマスター |
| 図形と方程式 | ★★★☆☆ | 軌跡・領域、絶対値を含む関数のグラフ |
時間配分の目安
金沢大学理系数学(150分・4問)の時間配分:
- 第1問(標準問題):30〜35分
- 第2問(積分の応用):35〜40分
- 第3問(絶対値・積分):30〜35分
- 第4問(確率・漸化式):40〜45分
- 見直し:10〜15分
全問完答を目指すより、確実に解ける問題から手をつけ、部分点を積み重ねることが重要です。
類似問題で練習しよう(練習問題3問)
練習問題1:座標空間と四面体
問題:
座標空間において、4点 O(0, 0, 0)、A(3, 0, 0)、B(0, 3, 0)、C(0, 0, 3) を頂点とする四面体OABCについて、以下の問いに答えよ。
(1) 四面体OABCの体積を求めよ。
(2) 点Oから平面ABCに下ろした垂線の足Hの座標を求めよ。
(3) 四面体OABCの内接球の半径を求めよ。
解答・解説
(1) 体積
OA, OB, OC は互いに直交しているので、四面体OABCは直角四面体です。
V = (1/6)|OA · (OB × OC)|
OB × OC = (3, 0, 0) × (0, 0, 3) ... ではなく
より簡単に、直角四面体の体積公式を使います:
V = (1/6) × |OA| × |OB| × |OC| = (1/6) × 3 × 3 × 3 = 9/2
(2) 垂線の足H
平面ABCの方程式を求めます。
A(3, 0, 0)、B(0, 3, 0)、C(0, 0, 3) を通る平面は x/3 + y/3 + z/3 = 1、すなわち x + y + z = 3
点O(0, 0, 0)から平面 x + y + z = 3 への垂線の足は、法線ベクトル n = (1, 1, 1) の方向にあります。
Oからの垂線:(x, y, z) = t(1, 1, 1) = (t, t, t)
これが平面上にあるとき:t + t + t = 3、よって t = 1
H = (1, 1, 1)
(3) 内接球の半径
内接球の半径 r は、体積 V と表面積 S の関係から:V = (1/3)rS
表面積 S = △OAB + △OBC + △OCA + △ABC
- △OAB = (1/2) × 3 × 3 = 9/2
- △OBC = (1/2) × 3 × 3 = 9/2
- △OCA = (1/2) × 3 × 3 = 9/2
- △ABC:A(3,0,0), B(0,3,0), C(0,0,3) の面積
AB = √18 = 3√2、BC = √18 = 3√2、CA = √18 = 3√2(正三角形)
△ABC = (√3/4) × (3√2)² = (√3/4) × 18 = 9√3/2
S = 9/2 + 9/2 + 9/2 + 9√3/2 = (27 + 9√3)/2
V = (1/3)rS より r = 3V/S = 3 × (9/2) / ((27 + 9√3)/2) = 27/(27 + 9√3) = 3/(3 + √3)
有理化:r = 3(3 - √3)/((3 + √3)(3 - √3)) = 3(3 - √3)/(9 - 3) = 3(3 - √3)/6 = (3 - √3)/2
練習問題2:絶対値を含む関数の積分
問題:
f(x) = |x² - 4| とするとき、以下の問いに答えよ。
(1) y = f(x) のグラフを描け。
(2) 方程式 f(x) = k が異なる4個の実数解をもつような k の範囲を求めよ。
(3) 定積分 ∫₋₃³ f(x) dx を求めよ。
解答・解説
(1) グラフ
g(x) = x² - 4 = (x + 2)(x - 2)
g(x) ≥ 0 のとき(x ≤ -2 または x ≥ 2):f(x) = x² - 4
g(x) < 0 のとき(-2 < x < 2):f(x) = -(x² - 4) = -x² + 4
特徴点:f(-2) = 0、f(0) = 4、f(2) = 0、f(-3) = 5、f(3) = 5
(2) 4個の実数解の条件
-2 < x < 2 の部分で f(x) = -x² + 4 の最大値は x = 0 で f(0) = 4
y = k と y = f(x) が4点で交わるためには 0 < k < 4
(3) 定積分
∫₋₃³ f(x) dx = ∫₋₃⁻² (x² - 4) dx + ∫₋₂² (-x² + 4) dx + ∫₂³ (x² - 4) dx
対称性より:∫₋₃⁻² (x² - 4) dx = ∫₂³ (x² - 4) dx
∫₂³ (x² - 4) dx = [x³/3 - 4x]₂³ = (9 - 12) - (8/3 - 8) = -3 - 8/3 + 8 = 5 - 8/3 = 7/3
∫₋₂² (-x² + 4) dx = [-x³/3 + 4x]₋₂² = (-8/3 + 8) - (8/3 - 8) = -16/3 + 16 = 32/3
合計:(7/3) × 2 + 32/3 = 14/3 + 32/3 = 46/3
練習問題3:確率と漸化式
問題:
A, B の2人がじゃんけんを繰り返し行う。最初に A は3点、B は0点を持っている。1回のじゃんけんで勝った方が1点を得て、負けた方は1点を失う(あいこの場合は得点の変動なし)。n回のじゃんけんの後、A の得点を Xₙ とする。
(1) X₁ の期待値を求めよ。
(2) E(Xₙ) を n を用いて表せ。
(3) n回のじゃんけんの後、A の得点が3点である確率を Pₙ とするとき、Pₙ を求めよ。
解答・解説
(1) X₁ の期待値
じゃんけん1回の結果:
- Aが勝つ確率:1/3 → X₁ = 4
- あいこの確率:1/3 → X₁ = 3
- Aが負ける確率:1/3 → X₁ = 2
E(X₁) = 4 × (1/3) + 3 × (1/3) + 2 × (1/3) = 9/3 = 3
(2) E(Xₙ)
各じゃんけんで A の得点の期待値変化は:
E(変化) = 1 × (1/3) + 0 × (1/3) + (-1) × (1/3) = 0
したがって、E(Xₙ₊₁) = E(Xₙ) より
E(Xₙ) = 3(すべての n に対して)
(3) Pₙ の計算
これはランダムウォークの問題です。
各ステップで +1(確率1/3)、0(確率1/3)、-1(確率1/3)のいずれかに動きます。
n回後に元の位置(3点)にいる確率 Pₙ を求めます。
詳細な計算には母関数や漸化式が必要ですが、結果として:
Pₙ = Σ_{k=0}^{[n/2]} C(n, k) × C(n-k, k) × (1/3)^n
(n回中、勝ちk回、負けk回、あいこ(n-2k)回となるすべての組み合わせ)
n = 2 の場合:
P₂ = C(2,0)×C(2,0)×(1/9) + C(2,1)×C(1,1)×(1/9) = 1/9 + 2/9 = 1/3
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金沢大学合格者の声
Aさん(理工学域 機械工学類 合格)
「数強塾で学んでから、数学の考え方が根本から変わりました。特に空間ベクトルと積分の分野は苦手でしたが、藤原先生の『なぜそうなるのか』を重視した指導のおかげで、本番では自信を持って解答できました。数学で8割以上取れたことが合格の決め手でした!」
Bさん(医薬保健学域 医学類 合格)
「医学部受験は数学の完成度が重要だと聞いていました。日本数学塾では、単に解法を覚えるのではなく、問題の本質を見抜く力を養うことができました。確率と漸化式の融合問題は最初は手も足も出ませんでしたが、繰り返し練習するうちに得点源になりました。」
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「文系数学だからといって甘く見ていたら、模試で全然点が取れず焦りました。数強塾に入ってからは、基礎からしっかり固め直し、特に絶対値を含む関数や積分の計算が得意になりました。先生が『文系だからこそ数学で差をつけよう』と励ましてくれたのが心強かったです。」
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金沢大学対策 おすすめの学習プラン
| 時期 | 学習内容 | 目標 |
|---|---|---|
| 高2冬〜高3春 (1月〜3月) |
・数学Ⅲの基礎固め(微分・積分) ・数学A・Bの復習(確率・数列・ベクトル) |
教科書レベルの完全理解 |
| 高3春〜夏 (4月〜7月) |
・標準問題集での演習 ・苦手分野の克服 ・計算力の強化 |
模試で偏差値60以上 |
| 高3夏 (8月) |
・重要分野の集中特訓 ・過去問演習開始(10年分) ・記述答案の練習 |
金沢大レベルの問題に慣れる |
| 高3秋 (9月〜11月) |
・過去問演習(時間を計って) ・弱点の最終補強 ・類題での反復練習 |
過去問で7割以上の得点 |
| 高3冬 (12月〜1月) |
・共通テスト対策 ・直前期の総復習 ・頻出テーマの最終確認 |
共通テスト目標点の達成 |
| 直前期 (2月) |
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金沢大学数学 推奨参考書・問題集
【基礎固め】
- 『青チャート』(数研出版):基礎から標準まで網羅的に学習
- 『基礎問題精講』(旺文社):効率よく基礎を固めたい人向け
- 『合格る計算 数学Ⅲ』(文英堂):計算力強化に最適
【標準〜応用】
- 『標準問題精講』(旺文社):金沢大レベルの問題演習に最適
- 『1対1対応の演習』(東京出版):典型問題のマスターに
- 『プラチカ』(河合出版):実戦力を養う
【過去問・直前期】
- 『金沢大学 数学 過去問』:最低10年分は解きましょう
- 『電数図書館 金沢大・理系数学25か年』:徹底的な過去問演習に
まとめ
2013年度の金沢大学数学は、以下の4つの大問で構成されていました:
- 座標空間における四面体(空間図形、ベクトル)
- 定積分と面積の最小値(置換積分、部分積分、微分との融合)
- 絶対値を含む関数(グラフ、方程式の解の個数、積分)
- 確率と漸化式(期待値、ポリアの壺モデル)
全体として、標準〜やや難レベルの良問が揃った年度でした。金沢大学の数学で高得点を取るためには:
- 基本的な計算力を確実に身につける
- 典型問題の解法パターンを数多く習得する
- 記述答案の書き方を練習する
- 時間配分を意識した演習を繰り返す
ことが重要です。
金沢大学は、北陸地方の中核大学として、質の高い教育と研究環境を提供しています。数学を武器に、ぜひ合格を勝ち取ってください!
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日本数学塾・数強塾 講師
藤原 進之介
※ 本記事の内容は2013年度の入試問題に基づいています。最新の出題傾向については、各大学の公式情報をご確認ください。
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