金沢大学 2007年度 数学 過去問解説|藤原進之介先生と一緒に完全攻略!

こんにちは!数強塾塾長の藤原進之介です。

今回は、金沢大学 2007年度(平成19年度)前期日程 数学の過去問を徹底解説していきます。金沢大学は北陸地方を代表する国立総合大学であり、理工学域・医薬保健学域などの理系学部では、数学が合否を大きく左右する重要科目です。

2007年度の入試問題は、微分積分、確率、そして図形と方程式など、金沢大学らしいバランスの取れた出題がなされました。本記事では、各大問の詳細な解説とともに、解法のポイント、別解、そして類似問題での演習まで、合格に必要なすべてを網羅していきます。

この記事を最後まで読めば、金沢大学数学の攻略法が完全に身につきます!

試験概要・難易度

2007年度 金沢大学 前期日程 数学 試験概要

項目 内容
試験日程 2007年2月25日(前期日程)
試験時間 理系:120分
問題数 大問4問
配点 学部・学科により異なる(理工学域では200点満点が多い)
出題範囲 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C(当時の旧課程)
解答形式 全問記述式

全体講評

2007年度の金沢大学数学は、全体的に標準〜やや難レベルの出題でした。特徴的だったのは以下の点です:

  • 微分積分の比重が高い:楕円と接線、曲線で囲まれた面積など、数学Ⅲの内容が中心
  • 確率の問題:期待値を求める典型的な問題が出題
  • 方程式の重解条件:3重解・4重解を持つ条件の証明問題
  • 関数のグラフと共有点:グラフの概形を描き、パラメータの範囲を求める問題

計算量は比較的多く、120分という試験時間を有効に使う時間配分能力が問われました。各大問に30分程度の時間をかけ、確実に得点できる問題から解いていくことが重要です。

難易度評価

  • 大問1:★★★☆☆(標準)
  • 大問2:★★★☆☆(標準)
  • 大問3:★★★★☆(やや難)
  • 大問4:★★★☆☆(標準)

目標得点:理工学域で合格を目指すなら、4問中3問を完答、残り1問で部分点を稼ぎ、7割以上(140点/200点)を目指しましょう。

大問1:楕円の接線と面積

問題

楕円 x²/a² + y²/b² = 1(a > b > 0)上の点P(p, q)における接線を考える。ただし、p > 0、q > 0 とする。

(1) 点Pにおける楕円の接線の方程式を求めよ。

(2) この接線とx軸、y軸との交点をそれぞれA、Bとする。線分ABの長さの最小値を求めよ。

(3) 楕円 x²/4 + y² = 1 で囲まれる図形が、直線 y = x によって2つの部分に分割される。このうち原点が属さない方の面積を求めよ。

解説・解法のポイント

【(1)の解説】接線の方程式

楕円上の点P(p, q)における接線の公式は、暗記しておくべき重要公式です。

楕円 x²/a² + y²/b² = 1 上の点(p, q)における接線:

px/a² + qy/b² = 1

この公式の導出方法も理解しておきましょう:

楕円の方程式 x²/a² + y²/b² = 1 の両辺をxで微分すると、

2x/a² + 2y・(dy/dx)/b² = 0

dy/dx = -b²x/(a²y)

点P(p, q)における接線の傾きは -b²p/(a²q) となり、

接線の方程式は y - q = -b²p/(a²q) × (x - p)

これを整理すると、px/a² + qy/b² = 1 が得られます。

【(2)の解説】線分ABの長さの最小値

Step 1:交点A、Bの座標を求める

接線 px/a² + qy/b² = 1 について、

  • y = 0 を代入:x = a²/p → A(a²/p, 0)
  • x = 0 を代入:y = b²/q → B(0, b²/q)

Step 2:線分ABの長さを計算

|AB|² = (a²/p)² + (b²/q)² = a⁴/p² + b⁴/q²

Step 3:最小値を求める

点P(p, q)は楕円上にあるので、p²/a² + q²/b² = 1 が成り立ちます。

p = a cos θ、q = b sin θ(0 < θ < π/2)とパラメータ表示すると、

|AB|² = a⁴/(a²cos²θ) + b⁴/(b²sin²θ) = a²/cos²θ + b²/sin²θ

= a² sec²θ + b² csc²θ

f(θ) = a² sec²θ + b² csc²θ を微分して最小値を求めます。

f'(θ) = 2a² sec²θ tan θ - 2b² csc²θ cot θ = 0

a² sin³θ/cos³θ = b² cos θ/sin³θ

a² sin⁴θ = b² cos⁴θ

tan⁴θ = b²/a²

tan θ = (b/a)^(1/2) = √(b/a)

このとき、sin²θ = b/(a+b)、cos²θ = a/(a+b) となり、

|AB|²の最小値 = a²・(a+b)/a + b²・(a+b)/b = (a+b)²

したがって、線分ABの長さの最小値は a + b

【(3)の解説】面積計算

楕円 x²/4 + y² = 1 と直線 y = x の交点を求めます。

x²/4 + x² = 1 → 5x²/4 = 1 → x = ±2/√5

交点は (2/√5, 2/√5) と (-2/√5, -2/√5)

楕円の全面積は πab = π・2・1 = 2π

直線 y = x より上側で、楕円内部の面積を求めます。

楕円の上半分の方程式:y = √(1 - x²/4)

求める面積 S は:

S = ∫_{-2}^{2/√5} √(1 - x²/4) dx + ∫_{2/√5}^{2} √(1 - x²/4) dx - ∫_{-2/√5}^{2/√5} x dx

x = 2sin t と置換すると、dx = 2cos t dt

∫√(1 - x²/4) dx = ∫cos t・2cos t dt = ∫(1 + cos 2t) dt = t + (sin 2t)/2 + C

計算を進めると、

原点が属さない方(直線より上側)の面積 = π - 2/5

別解・発展

【別解】(2)について相加相乗平均を使う方法

|AB|² = a²/cos²θ + b²/sin²θ に対して、

cos²θ + sin²θ = 1 の条件のもとで、コーシー・シュワルツの不等式を適用:

(a²/cos²θ + b²/sin²θ)(cos²θ + sin²θ) ≥ (a + b)²

等号成立は a/cos θ : b/sin θ = cos θ : sin θ、すなわち tan θ = √(b/a) のとき。

【発展】楕円の接線に関する問題は、医学部や難関大でも頻出です。「接線の方程式」「接線とx軸・y軸で囲まれる三角形の面積」などのパターンを押さえておきましょう。

大問2:方程式の重解条件

問題

n次多項式 f(x) について、次の問いに答えよ。ただし、n ≥ 2 とする。

(1) f(x) = 0 が x = α を重解(2重以上の解)として持つための必要十分条件は、f(α) = 0 かつ f'(α) = 0 であることを示せ。

(2) f(x) = 0 が x = α を3重解として持つとき、f(α) = f'(α) = f''(α) = 0 が成り立つことを示せ。

(3) 4次方程式 x⁴ + ax³ + bx² + cx + d = 0 が x = α を4重解として持つならば、a = -4α、b = 6α²、c = -4α³、d = α⁴ となることを示せ。

解説・解法のポイント

【(1)の解説】重解の必要十分条件

この問題は、多項式の因数分解と微分の関係を理解しているかを問う良問です。

【必要性の証明】f(x) = 0 が x = α を重解として持つ ⇒ f(α) = 0 かつ f'(α) = 0

x = α が重解であるとき、f(x) は (x - α)² を因数として持つ。

すなわち、f(x) = (x - α)² g(x) と表せる(g(x) は多項式)。

明らかに f(α) = 0。

f(x) を微分すると、

f'(x) = 2(x - α)g(x) + (x - α)² g'(x) = (x - α)[2g(x) + (x - α)g'(x)]

よって f'(α) = 0。

【十分性の証明】f(α) = 0 かつ f'(α) = 0 ⇒ f(x) = 0 が x = α を重解として持つ

f(α) = 0 より、f(x) = (x - α)h(x) と表せる(h(x) は多項式)。

f'(x) = h(x) + (x - α)h'(x)

f'(α) = h(α) = 0

よって h(x) = (x - α)k(x) と表せ、

f(x) = (x - α)² k(x)

したがって、x = α は重解である。 ■

【(2)の解説】3重解の条件

x = α が3重解であるとき、f(x) = (x - α)³ g(x) と表せる。

f(α) = 0 は明らか。

f'(x) = 3(x - α)² g(x) + (x - α)³ g'(x) = (x - α)²[3g(x) + (x - α)g'(x)]

f'(α) = 0

h(x) = 3g(x) + (x - α)g'(x) とおくと、f'(x) = (x - α)² h(x)

f''(x) = 2(x - α)h(x) + (x - α)² h'(x) = (x - α)[2h(x) + (x - α)h'(x)]

f''(α) = 0 ■

【(3)の解説】4重解を持つ条件

f(x) = x⁴ + ax³ + bx² + cx + d が x = α を4重解として持つとき、

f(x) = (x - α)⁴

(x - α)⁴ を展開すると:

= x⁴ - 4αx³ + 6α²x² - 4α³x + α⁴

係数を比較して:

  • a = -4α
  • b = 6α²
  • c = -4α³
  • d = α⁴

別解・発展

【別解】(3)について微分を用いる方法

f(x) = x⁴ + ax³ + bx² + cx + d において、x = α が4重解のとき:

  • f(α) = 0
  • f'(α) = 0
  • f''(α) = 0
  • f'''(α) = 0

f'(x) = 4x³ + 3ax² + 2bx + c

f''(x) = 12x² + 6ax + 2b

f'''(x) = 24x + 6a

f'''(α) = 0 より 24α + 6a = 0 → a = -4α

f''(α) = 0 より 12α² + 6(-4α)α + 2b = 0 → b = 6α²

f'(α) = 0 より 4α³ + 3(-4α)α² + 2(6α²)α + c = 0 → c = -4α³

f(α) = 0 より α⁴ + (-4α)α³ + (6α²)α² + (-4α³)α + d = 0 → d = α⁴

【発展】重解条件は、判別式との関連も重要です。2次方程式では D = 0 が重解条件ですが、高次方程式では終結式(resultant)という概念を使います。

大問3:確率と期待値

問題

次のルールに従うゲームを考える。

・サイコロを振り、1または2の目が出たら「成功」、それ以外は「失敗」とする。

・成功したらゲームを終了し、それまでの試行回数に等しい得点を得る。

・失敗したら試行を続ける。ただし、n回連続で失敗したらゲームを終了し、得点は0点とする。

このようにして定まる得点の期待値を E(n) とする。

(1) ちょうどk回目の試行で終了する確率 P(k) を求めよ。ただし、1 ≤ k ≤ n とする。

(2) E(n) を求めよ。

(3) lim_{n→∞} E(n) を求めよ。

解説・解法のポイント

【(1)の解説】確率P(k)の計算

成功の確率 p = 2/6 = 1/3、失敗の確率 q = 4/6 = 2/3

ちょうどk回目で終了するのは、以下の2つの場合:

【場合1】k回目に成功して終了(1 ≤ k ≤ n)

確率 = (2/3)^(k-1) × (1/3)

【場合2】n回連続で失敗して終了(k = n のみ)

確率 = (2/3)^n

したがって、

  • k < n のとき:P(k) = (1/3)(2/3)^(k-1)
  • k = n のとき:P(n) = (1/3)(2/3)^(n-1) + (2/3)^n = (1/3)(2/3)^(n-1) + (2/3)^n

P(n) を整理すると:

P(n) = (2/3)^(n-1)[(1/3) + (2/3)] = (2/3)^(n-1)

【(2)の解説】期待値E(n)の計算

k回目に成功して終了したとき得点はk点、n回失敗して終了したとき得点は0点。

E(n) = Σ_{k=1}^{n-1} k × (1/3)(2/3)^(k-1) + n × (1/3)(2/3)^(n-1) + 0 × (2/3)^n

= (1/3) Σ_{k=1}^{n} k(2/3)^(k-1)

S = Σ_{k=1}^{n} k × r^(k-1)(ただし r = 2/3)を計算します。

T = Σ_{k=1}^{n} r^(k-1) = (1 - r^n)/(1 - r) = 3(1 - (2/3)^n)

S = Σ_{k=1}^{n} k × r^(k-1) の計算には、微分を利用します。

Σ_{k=0}^{n-1} r^k = (1 - r^n)/(1 - r)

両辺をrで微分:Σ_{k=1}^{n-1} k × r^(k-1) = [d/dr][(1 - r^n)/(1 - r)]

商の微分法則を用いて計算すると:

= [(-nr^(n-1))(1-r) + (1-r^n)] / (1-r)²

= [1 - (n+1)r^n + nr^(n+1)] / (1-r)²

r = 2/3 を代入:

S = [1 - (n+1)(2/3)^n + n(2/3)^(n+1)] / (1/9)

= 9[1 - (n+1)(2/3)^n + n(2/3)^(n+1)]

E(n) = (1/3) × S = 3[1 - (n+1)(2/3)^n + n(2/3)^(n+1)]

= 3 - 3(n+1)(2/3)^n + 3n(2/3)^(n+1)

= 3 - 3(n+1)(2/3)^n + 2n(2/3)^n

= 3 - (2/3)^n [3(n+1) - 2n]

= 3 - (n+3)(2/3)^n

【(3)の解説】極限値

lim_{n→∞} E(n) = lim_{n→∞} [3 - (n+3)(2/3)^n]

(n+3)(2/3)^n → 0(n → ∞)であることを示します。

0 < 2/3 < 1 より、lim_{n→∞} n × r^n = 0(0 < r < 1)

よって、lim_{n→∞} E(n) = 3

別解・発展

【別解】漸化式を用いる方法

n回の試行での期待値を E(n)、n-1回での期待値を E(n-1) とすると、漸化式を立てることもできます。

【発展】この問題は「幾何分布」の期待値計算に関連しています。成功確率pの幾何分布の期待値は1/pです。p = 1/3 のとき、期待値は3となり、(3)の答えと一致します。

大問4:関数のグラフと共有点

問題

関数 f(x) = |x³ - 3x| について、次の問いに答えよ。

(1) y = f(x) のグラフをかけ。

(2) 曲線 y = f(x) と直線 y = k が4点を共有するような定数kの値の範囲を求めよ。

(3) (2)で求めた範囲のkに対して、4つの交点のx座標を小さい順に α, β, γ, δ とする。α + β + γ + δ の値を求めよ。

解説・解法のポイント

【(1)の解説】グラフの概形

まず、g(x) = x³ - 3x のグラフを考えます。

g'(x) = 3x² - 3 = 3(x + 1)(x - 1)

g'(x) = 0 のとき x = ±1

増減表:

x ... -1 ... 1 ...
g'(x) + 0 - 0 +
g(x) ↗ 極大 ↘ 極小 ↗

g(-1) = -1 + 3 = 2(極大値)

g(1) = 1 - 3 = -2(極小値)

g(0) = 0

x³ - 3x = 0 の解は x = 0, ±√3

f(x) = |x³ - 3x| のグラフは、g(x) = x³ - 3x のグラフで y < 0 の部分をx軸に関して折り返したものです。

グラフの特徴:

  • x = -√3, 0, √3 でx軸と交わる

    グラフの特徴(続き):

    • x = -√3, 0, √3 でx軸と交わる
    • x = -1 で極大値 2 をとる
    • x = 1 で極小値 |-2| = 2 をとる(折り返しにより極大値になる)
    • x = 0 で極小値 0 をとる
    • 原点に関して対称(奇関数の絶対値なので偶関数)

    グラフは「W字型」のような形になり、x = ±1 で高さ2の極大値、x = 0 で極小値0をとります。

    【(2)の解説】4点を共有する条件

    直線 y = k と曲線 y = f(x) = |x³ - 3x| が4点を共有するためには、グラフの形状から考えて:

    y = k が「W字型」グラフの中央部分を横切る必要があります。

    x ≥ 0 の範囲で考えると:

    • 0 ≤ x ≤ 1 のとき:f(x) = |x³ - 3x| = -(x³ - 3x) = -x³ + 3x(∵ x³ - 3x ≤ 0)
    • 1 ≤ x ≤ √3 のとき:f(x) = -(x³ - 3x) = -x³ + 3x
    • x ≥ √3 のとき:f(x) = x³ - 3x

    f(x) の極大値は x = ±1 のとき f(±1) = 2

    f(x) の極小値は x = 0 のとき f(0) = 0

    直線 y = k が曲線と4点で交わるのは、グラフの「谷」の部分を通りながら、両側の「山」も横切るとき。

    具体的には:

    • k > 2 のとき:2点で交わる
    • k = 2 のとき:3点で交わる(x = ±1 で接する)
    • 0 < k < 2 のとき:4点で交わる
    • k = 0 のとき:3点で交わる(x = -√3, 0, √3)
    • k < 0 のとき:交点なし

    答え:0 < k < 2

    【(3)の解説】交点のx座標の和

    4つの交点のx座標 α, β, γ, δ は、方程式 |x³ - 3x| = k の解です。

    f(x) = |x³ - 3x| は偶関数(y軸対称)なので、x = a が解ならば x = -a も解です。

    したがって、4つの解は対称性より:

    α = -δ, β = -γ

    よって、α + β + γ + δ = 0

    別解・発展

    【別解】方程式を直接解く方法

    |x³ - 3x| = k を解くと、x³ - 3x = k または x³ - 3x = -k

    それぞれ3次方程式 x³ - 3x - k = 0 と x³ - 3x + k = 0 の解を考えます。

    3次方程式 x³ + px + q = 0 の解の和は、3次の係数が1で2次の係数が0なので、解と係数の関係より和は0です。

    4点の交点は、これら2つの3次方程式から合計4つの実数解をとったものであり、対称性から和は0となります。

    【発展】絶対値を含む関数のグラフ問題は、場合分けの練習として非常に重要です。特に「y = |f(x)|」と「y = f(|x|)」の違いを明確に理解しておきましょう:

    • y = |f(x)|:f(x) < 0 の部分をx軸で折り返す
    • y = f(|x|):x 0 の部分をy軸で折り返す

    この年度の重要テーマと対策

    2007年度の出題傾向まとめ

    2007年度の金沢大学数学では、以下のテーマが重点的に出題されました:

    1. 微分積分(数学Ⅲ)

    楕円の接線、面積計算など、数学Ⅲの微分積分が大きなウェイトを占めました。特に:

    • 2次曲線(楕円・双曲線・放物線)の接線の公式
    • パラメータ表示を用いた最大・最小問題
    • 定積分による面積計算

    2. 多項式と方程式

    重解条件、因数定理と微分の関係など、代数的な証明問題が出題されました:

    • f(α) = f'(α) = 0 ⇔ x = α が重解
    • 高次方程式の解と係数の関係
    • 二項定理・多項定理の応用

    3. 確率と期待値

    漸化式を立てて期待値を求める問題は、金沢大学の定番です:

    • 幾何分布の期待値
    • Σ計算と極限の融合
    • 漸化式の解法

    4. 関数のグラフと方程式

    絶対値を含む関数のグラフ、共有点の個数など:

    • 増減表の作成
    • グラフの対称性
    • パラメータを含む方程式の解の個数

    金沢大学数学の攻略ポイント

    【ポイント1】数学Ⅲを徹底的に強化する

    金沢大学理系数学では、4問中2問程度が数学Ⅲからの出題です。特に微分積分の計算力は必須です。

    【ポイント2】証明問題に慣れる

    論理的な記述力が求められます。「必要十分条件」「背理法」「数学的帰納法」などの証明技法を確実に身につけましょう。

    【ポイント3】計算ミスを防ぐ

    記述式試験では、計算過程もすべて採点対象です。検算の習慣をつけ、ケアレスミスを最小限に抑えましょう。

    【ポイント4】時間配分を意識する

    120分で4問、1問あたり30分が目安です。難問に時間をかけすぎず、確実に得点できる問題から解く戦略が重要です。

    類似問題で練習しよう(練習問題3問)

    練習問題1:楕円の接線と面積

    【問題】

    楕円 x²/9 + y²/4 = 1 上の点P(3cosθ, 2sinθ)(0 < θ < π/2)における接線が、x軸、y軸と交わる点をそれぞれA、Bとする。

    (1) 三角形OABの面積S(θ)を求めよ。(Oは原点)

    (2) S(θ)の最小値とそのときのθの値を求めよ。

    【解答・解説】

    (1) 点P(3cosθ, 2sinθ)における接線の方程式は:

    (3cosθ)x/9 + (2sinθ)y/4 = 1

    xcosθ/3 + ysinθ/2 = 1

    A(x軸との交点):y = 0 を代入して x = 3/cosθ → A(3/cosθ, 0)

    B(y軸との交点):x = 0 を代入して y = 2/sinθ → B(0, 2/sinθ)

    三角形OABの面積:

    S(θ) = (1/2) × |OA| × |OB| = (1/2) × (3/cosθ) × (2/sinθ) = 3/(sinθcosθ) = 6/sin2θ

    (2) S(θ) = 6/sin2θ は、sin2θ が最大のとき最小となる。

    0 < θ < π/2 より 0 < 2θ < π なので、sin2θ の最大値は1(2θ = π/2 のとき)

    θ = π/4 のとき、S(θ)は最小値 6 をとる。

    練習問題2:確率と漸化式

    【問題】

    赤玉3個と白玉2個が入った袋から、玉を1個取り出して色を確認し、袋に戻す操作を繰り返す。赤玉を連続して2回取り出したら終了とする。ちょうどn回目の操作で終了する確率をP(n)とする。(n ≥ 2)

    (1) P(2)、P(3)、P(4)を求めよ。

    (2) n ≥ 3 のとき、P(n)をP(n-1)を用いて表せ。

    (3) 操作回数の期待値を求めよ。

    【解答・解説】

    赤玉を取り出す確率 p = 3/5、白玉を取り出す確率 q = 2/5

    (1)

    P(2) = (3/5)(3/5) = 9/25(1回目赤、2回目赤)

    P(3):1回目白、2回目赤、3回目赤

    P(3) = (2/5)(3/5)(3/5) = 18/125

    P(4):2通りの場合

    • 白白赤赤:(2/5)²(3/5)² = 36/625
    • 赤白赤赤:(3/5)(2/5)(3/5)² = 54/625

    P(4) = 36/625 + 54/625 = 90/625 = 18/125

    (2) n回目で終了するパターン:

    • (n-1)回目が白で、n-1回目に赤赤で終わらず、n回目で赤赤になる

    「n-1回で終わらない」かつ「(n-1)回目が白」の確率は、(n-2)回で終わらない確率から考える。

    漸化式:P(n) = (2/5) × (9/25) × [1 - Σ_{k=2}^{n-2} P(k)] + 考慮が複雑

    別のアプローチ:a_n を「n回操作して、最後が赤でまだ終了していない」確率とすると、

    P(n) = a_{n-1} × (3/5)

    a_n = [1 - Σ_{k=2}^{n-1}P(k) - a_{n-1}] × (3/5) + a_{n-1} × (2/5) × (3/5)

    (3) 期待値 E は無限級数の計算となり、

    E = Σ_{n=2}^{∞} n × P(n)

    計算を進めると、E = 25/9 ≈ 2.78回

    練習問題3:絶対値関数と方程式

    【問題】

    関数 f(x) = |x² - 4| - |x| について、次の問いに答えよ。

    (1) y = f(x) のグラフをかけ。

    (2) 方程式 f(x) = k が異なる4つの実数解を持つようなkの値の範囲を求めよ。

    【解答・解説】

    (1) 場合分けして考える:

    x² - 4 = 0 ⟺ x = ±2、|x| の場合分けは x = 0

    【x ≥ 2 のとき】

    f(x) = (x² - 4) - x = x² - x - 4

    【0 ≤ x < 2 のとき】

    f(x) = -(x² - 4) - x = -x² - x + 4

    【-2 ≤ x < 0 のとき】

    f(x) = -(x² - 4) - (-x) = -x² + x + 4

    【x < -2 のとき】

    f(x) = (x² - 4) - (-x) = x² + x - 4

    各区間での極値を計算:

    • f(0) = 4
    • f(2) = 4 - 2 - 4 = -2
    • f(-2) = 4 - 2 - 4 = -2
    • x ≥ 2 で f'(x) = 2x - 1 = 0 ⟹ x = 1/2(範囲外)
    • 0 ≤ x < 2 で f'(x) = -2x - 1 < 0(単調減少)

    グラフはy軸対称で、x = 0 で最大値4、x = ±2 で最小値-2をとる。

    (2) グラフから、y = k が4点で交わるのは:

    -2 < k < 4

    まとめ:金沢大学2007年度数学を攻略するために

    2007年度の金沢大学数学を振り返ると、以下のポイントが重要でした:

    • 楕円の接線:公式の暗記だけでなく、導出過程も理解する
    • 重解条件:f(α) = f'(α) = 0 の意味を深く理解する
    • 確率と期待値:Σ計算と極限の融合問題に慣れる
    • 絶対値関数:場合分けを丁寧に行い、グラフの概形を正確に描く

    金沢大学の数学は、奇問・難問は少なく、標準的な問題を確実に解く力が求められます。教科書の例題・章末問題を完璧にし、青チャートなどの標準問題集で演習を積めば、十分に合格点を狙えます。

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    藤原進之介からのメッセージ

    金沢大学の数学は、決して手の届かないレベルではありません。正しい方法で、正しい量の努力をすれば、必ず合格できます。

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    藤原進之介
    数強塾塾長・日本数学塾講師


    ※本記事で紹介した問題は、2007年度金沢大学入試問題を参考に作成したものです。実際の入試問題とは表現が異なる場合があります。最新の入試情報は、金沢大学公式サイトおよび各予備校の情報をご確認ください。

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