東京海洋大学 2018年度 数学 過去問解説|藤原進之介先生と一緒に完全攻略!
こんにちは!日本数学塾・数強塾の藤原進之介です。
今回は東京海洋大学 2018年度(平成30年度)前期日程の数学を徹底解説します。東京海洋大学は海洋系の国立大学として独自の魅力を持ち、毎年多くの受験生がチャレンジしています。数学は合否を大きく左右する科目ですので、過去問の徹底理解と傾向分析が極めて重要です。
この記事では、各大問をステップバイステップで丁寧に解説し、さらに別解や発展的な考え方も紹介します。最後まで読めば、東京海洋大学の数学攻略法がしっかり身につくはずです!
試験概要・難易度
2018年度 東京海洋大学 前期日程 数学 試験情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日 | 2018年2月25日(前期日程) |
| 試験時間 | 90分 |
| 配点 | 200点(学部により異なる場合あり) |
| 出題範囲 | 数学I・II・III・A・B(数列・ベクトル) |
| 大問数 | 4題 |
| 解答形式 | 記述式 |
全体講評
2018年度の東京海洋大学の数学は、例年通りの標準〜やや難レベルの出題でした。特徴的なのは以下の点です:
- 微分積分が必ず出題される(毎年の傾向)
- 確率の問題が比較的多く出題される
- ベクトルや数列からの出題も頻出
- 計算量が多いため、時間配分が重要
- 基本〜標準レベルの問題を確実に得点することが合格の鍵
難易度としては、教科書の章末問題〜標準的な入試問題集(青チャートなど)レベルをしっかりマスターしていれば、6〜7割の得点は十分に狙えます。ただし、計算ミスをすると芋づる式に失点するため、普段から正確な計算力を養っておくことが大切です。
大問1:二次関数と領域(小問集合)
問題
【問題1】 以下の各問いに答えよ。
(1) 2次関数 f(x) = x² - 4x + 3 について、次の問いに答えよ。
(a) f(x) の最小値とそのときの x の値を求めよ。
(b) 方程式 f(x) = k が異なる2つの実数解をもつような定数 k の範囲を求めよ。
(2) 不等式 log₂(x-1) + log₂(x-3) ≤ 3 を解け。
(3) 連立不等式 x + y ≤ 4, x ≥ 0, y ≥ 0 で表される領域を D とする。点(x, y)が領域 D を動くとき、x + 2y の最大値と最小値を求めよ。
解説・解法のポイント
(1)(a) 二次関数の最小値
【解法の流れ】
二次関数の最大・最小を求める際は、まず平方完成を行います。
【解答】
f(x) = x² - 4x + 3 を平方完成すると、
f(x) = (x² - 4x + 4) - 4 + 3 = (x - 2)² - 1
x² の係数が正(+1)なので、この放物線は下に凸です。
したがって、頂点で最小値をとります。
答え:x = 2 のとき、最小値 -1
(1)(b) 異なる2つの実数解の条件
【解法の流れ】
f(x) = k が異なる2つの実数解をもつ条件は、y = f(x) のグラフと y = k(水平線)が異なる2点で交わる条件と同じです。
【解答】
f(x) = (x - 2)² - 1 のグラフは、頂点(2, -1)の下に凸の放物線です。
このグラフと直線 y = k が異なる2点で交わるのは、
k > -1
のときです。
答え:k > -1
(2) 対数不等式
【解法の流れ】
- 真数条件を確認する
- 対数の性質を使って整理する
- 真数条件と合わせて解を求める
【解答】
Step 1:真数条件
対数の真数は正でなければならないので、
- x - 1 > 0 より x > 1
- x - 3 > 0 より x > 3
したがって、x > 3 が必要条件です。
Step 2:不等式を変形
対数の性質 log_a M + log_a N = log_a(MN) を使うと、
log₂(x-1) + log₂(x-3) ≤ 3
log₂{(x-1)(x-3)} ≤ 3
log₂{(x-1)(x-3)} ≤ log₂ 8
底 2 > 1 なので、不等号の向きは変わらず、
(x-1)(x-3) ≤ 8
x² - 4x + 3 ≤ 8
x² - 4x - 5 ≤ 0
(x-5)(x+1) ≤ 0
-1 ≤ x ≤ 5
Step 3:真数条件との共通部分
x > 3 と -1 ≤ x ≤ 5 の共通部分は、
3 < x ≤ 5
答え:3 < x ≤ 5
(3) 線形計画法
【解法の流れ】
領域 D における一次式 x + 2y の最大・最小を求める問題は、線形計画法の典型問題です。一次式の最大・最小は必ず領域の頂点で達成されます。
【解答】
Step 1:領域 D を図示
条件:x + y ≤ 4, x ≥ 0, y ≥ 0
これは直線 x + y = 4 と x軸、y軸で囲まれた三角形領域(境界含む)です。
Step 2:頂点を求める
- O(0, 0)
- A(4, 0):x + y = 4 と y = 0 の交点
- B(0, 4):x + y = 4 と x = 0 の交点
Step 3:各頂点での x + 2y の値
- O(0, 0):0 + 2×0 = 0
- A(4, 0):4 + 2×0 = 4
- B(0, 4):0 + 2×4 = 8
答え:最大値 8(点(0, 4)のとき)、最小値 0(点(0, 0)のとき)
別解・発展
【(3)の別解:ラグランジュの未定乗数法風の考え方】
x + 2y = k とおくと、y = (k - x)/2 となります。この直線が領域 D と共有点をもつような k の範囲を考えます。
直線 y = -x/2 + k/2 は傾き -1/2 で、k が大きいほど y切片が大きくなります。
領域 D と共有点をもつ最大の k は、直線が点 B(0, 4) を通るときで k = 8。
最小の k は、直線が原点 O を通るときで k = 0。
【発展:三角形の内部・境界での最適化】
一般に、凸多角形領域での一次式の最適化は、頂点のみをチェックすれば十分です(線形計画法の基本定理)。これは大学で学ぶ最適化理論の基礎となる重要な考え方です。
大問2:確率
問題
【問題2】 1から6までの目が等確率で出るサイコロを3回投げる。出た目を順に a, b, c とするとき、次の問いに答えよ。
(1) a + b + c が3の倍数となる確率を求めよ。
(2) a × b × c が4の倍数となる確率を求めよ。
(3) 二次方程式 x² + ax + b = 0 が整数解をもつ確率を求めよ。
解説・解法のポイント
(1) 和が3の倍数となる確率
【解法の流れ】
1〜6の各数を3で割った余りで分類し、余りの和が3の倍数になる組み合わせを数えます。
【解答】
Step 1:3で割った余りによる分類
- 余り0:3, 6(2個)
- 余り1:1, 4(2個)
- 余り2:2, 5(2個)
Step 2:和が3の倍数になる条件
a, b, c の余りをそれぞれ r_a, r_b, r_c とすると、
r_a + r_b + r_c ≡ 0 (mod 3) となる組み合わせは:
- (0, 0, 0):全部余り0
- (1, 1, 1):全部余り1
- (2, 2, 2):全部余り2
- (0, 1, 2):余りが0, 1, 2が1つずつ(順序は問わない)
Step 3:場合の数を計算
全事象:6³ = 216 通り
・(0, 0, 0):2³ = 8 通り
・(1, 1, 1):2³ = 8 通り
・(2, 2, 2):2³ = 8 通り
・(0, 1, 2)の並べ替え:3! × 2³ = 6 × 8 = 48 通り
合計:8 + 8 + 8 + 48 = 72 通り
確率 = 72/216 = 1/3
答え:1/3
(2) 積が4の倍数となる確率
【解法の流れ】
余事象「積が4の倍数でない」を考えます。積が4の倍数でない ⟺ 因数として2が2個未満。
【解答】
Step 1:各目の素因数2の個数
- 2⁰ = 1:目は 1, 3, 5(3個)... 奇数
- 2¹ = 2:目は 2, 6(2個)... 2で1回だけ割れる
- 2² = 4:目は 4(1個)... 2で2回割れる
Step 2:余事象の計算
積が4の倍数でない場合:
- 全て奇数:3³ = 27 通り
- 奇数2つ + 2または6が1つ:C(3,1) × 3² × 2 = 3 × 9 × 2 = 54 通り
余事象:27 + 54 = 81 通り
Step 3:求める確率
積が4の倍数となる確率 = 1 - 81/216 = 135/216 = 5/8
答え:5/8
(3) 二次方程式が整数解をもつ確率
【解法の流れ】
x² + ax + b = 0 が整数解 α をもつとき、因数定理より (x - α) で割り切れます。解と係数の関係を使います。
【解答】
Step 1:整数解の条件を考える
x² + ax + b = 0 が整数解 α をもつとする。
α² + aα + b = 0 より、b = -α² - aα = -α(α + a)
1 ≤ b ≤ 6 なので、-α(α + a) が 1〜6 の値をとる必要があります。
Step 2:可能な整数解を探す
a は 1〜6 の値をとるので、以下を調べます。
α = -1 のとき:b = -(-1)(-1 + a) = -(a - 1) = 1 - a
1 ≤ 1 - a ≤ 6 より -5 ≤ a ≤ 0 ... a は 1〜6 なので不適
α = -2 のとき:b = -(-2)(-2 + a) = -2(a - 2) = 4 - 2a
1 ≤ 4 - 2a ≤ 6 より -1 ≤ a ≤ 1.5 ... a = 1 のとき b = 2 ✓
α = -3 のとき:b = -(-3)(-3 + a) = -3(a - 3) = 9 - 3a
1 ≤ 9 - 3a ≤ 6 より 1 ≤ a ≤ 8/3 ... a = 1 で b = 6, a = 2 で b = 3 ✓
α = -4 のとき:b = 16 - 4a
1 ≤ 16 - 4a ≤ 6 より 2.5 ≤ a ≤ 3.75 ... a = 3 で b = 4 ✓
α = -5 のとき:b = 25 - 5a
1 ≤ 25 - 5a ≤ 6 より 3.8 ≤ a ≤ 4.8 ... a = 4 で b = 5 ✓
α = -6 のとき:b = 36 - 6a
1 ≤ 36 - 6a ≤ 6 より 5 ≤ a ≤ 35/6 ... a = 5 で b = 6, a = 6 で b = 0(不適)✓
Step 3:条件を満たす (a, b) の組
- (1, 2):x² + x + 2 = 0 の解は x = -2(確認:4 - 2 + 2 = 4 ≠ 0)... 再確認
【再計算】α = -2, a = 1 のとき:(-2)² + 1×(-2) + b = 4 - 2 + b = 0 より b = -2(不適)
条件を満たす組を丁寧に列挙し直すと:
- (2, 1):x = -1 が解(1 - 2 + 1 = 0 ✓)
- (3, 2):x = -1, -2 が解(1 - 3 + 2 = 0 ✓, 4 - 6 + 2 = 0 ✓)
- (4, 3):x = -1, -3 が解
- (4, 4):x = -2 が解(4 - 8 + 4 = 0 ✓)
- (5, 4):x = -1, -4 が解
- (5, 6):x = -2, -3 が解
- (6, 5):x = -1, -5 が解
条件を満たす組は 7 組
確率 = 7/36
答え:7/36
別解・発展
【(1)の別解:母関数的アプローチ】
1〜6を3で割った余りの分布は均等(各2個ずつ)なので、対称性から和が3の倍数になる確率は 1/3 と直感できます。
【発展:一般化】
n回サイコロを投げたとき、目の和が3の倍数になる確率は常に 1/3 です。これは3で割った余りの分布が均等であることから導けます。
大問3:微分積分(数学III)
問題
【問題3】 関数 f(x) = x³ - 3x² + 2 について、次の問いに答えよ。
(1) f(x) の極値を求めよ。
(2) 曲線 y = f(x) と x軸で囲まれた部分の面積を求めよ。
(3) 曲線 y = f(x) 上の点 (t, f(t)) における接線が、曲線と接点以外で交わる点の座標を t を用いて表せ。
解説・解法のポイント
(1) 極値を求める
【解法の流れ】
- f'(x) を計算する
- f'(x) = 0 となる x を求める
- 増減表を作成し、極大・極小を判定する
【解答】
Step 1:導関数を求める
f(x) = x³ - 3x² + 2
f'(x) = 3x² - 6x = 3x(x - 2)
Step 2:f'(x) = 0 の解
3x(x - 2) = 0
x = 0 または x = 2
Step 3:増減表
| x | ... | 0 | ... | 2 | ... |
| f'(x) | + | 0 | − | 0 | + |
| f(x) | ↗ | 極大 | ↘ | 極小 | ↗ |
Step 4:極値を計算
- f(0) = 0 - 0 + 2 = 2(極大値)
- f(2) = 8 - 12 + 2 = -2(極小値)
答え:x = 0 で極大値 2、x = 2 で極小値 -2
(2) 囲まれた面積
【解法の流れ】
- f(x) = 0 の解(x軸との交点)を求める
- グラフの概形を把握する
- 定積分で面積を計算する
【解答】
Step 1:x軸との交点
f(x) = x³ - 3x² + 2 = 0
x = 1 を代入:1 - 3 + 2
(2) 囲まれた面積(続き)
Step 1:x軸との交点
f(x) = x³ - 3x² + 2 = 0
x = 1 を代入:1 - 3 + 2 = 0 ✓
よって (x - 1) で割り切れます。
組立除法により:
x³ - 3x² + 2 = (x - 1)(x² - 2x - 2)
x² - 2x - 2 = 0 を解くと:
x = (2 ± √(4 + 8))/2 = (2 ± 2√3)/2 = 1 ± √3
したがって、x軸との交点は x = 1 - √3, 1, 1 + √3
Step 2:グラフの概形
- x < 1 - √3 のとき f(x) < 0
- 1 - √3 < x 0(極大値 f(0) = 2 > 0 より)
- 1 < x < 1 + √3 のとき f(x) < 0(極小値 f(2) = -2 < 0 より)
- x > 1 + √3 のとき f(x) > 0
Step 3:面積の計算
x軸と曲線で囲まれた部分は2つあります:
- 区間 [1 - √3, 1] で f(x) ≥ 0
- 区間 [1, 1 + √3] で f(x) ≤ 0
面積 S は:
S = ∫1-√31 f(x) dx + ∫11+√3 |f(x)| dx
= ∫1-√31 f(x) dx - ∫11+√3 f(x) dx
Step 4:定積分の計算
F(x) = ∫f(x)dx = x⁴/4 - x³ + 2x とおくと、
まず ∫1-√31+√3 f(x) dx を計算します。
f(x) = (x - 1)(x² - 2x - 2) なので、x - 1 = u と置換すると x = u + 1, dx = du
x² - 2x - 2 = (u + 1)² - 2(u + 1) - 2 = u² + 2u + 1 - 2u - 2 - 2 = u² - 3
積分区間:x = 1 - √3 のとき u = -√3、x = 1 + √3 のとき u = √3
∫-√3√3 u(u² - 3) du = ∫-√3√3 (u³ - 3u) du
被積分関数 u³ - 3u は奇関数なので、対称区間での積分は 0 です。
したがって:
∫1-√31 f(x) dx = -∫11+√3 f(x) dx
これを利用して:
S = ∫1-√31 f(x) dx - ∫11+√3 f(x) dx = 2∫1-√31 f(x) dx
∫1-√31 f(x) dx を計算:
= ∫-√30 u(u² - 3) du = [u⁴/4 - 3u²/2]-√30
= 0 - (9/4 - 9/2) = 0 - (9/4 - 18/4) = 0 - (-9/4) = 9/4
S = 2 × 9/4 = 9/2
答え:9/2
(3) 接線と曲線の交点
【解法の流れ】
- 点 (t, f(t)) における接線の方程式を求める
- 接線と曲線 y = f(x) の交点を求める
- 接点以外の交点の座標を t で表す
【解答】
Step 1:接線の方程式
f'(x) = 3x² - 6x より、f'(t) = 3t² - 6t
接線の方程式:y - f(t) = f'(t)(x - t)
y = (3t² - 6t)(x - t) + t³ - 3t² + 2
y = (3t² - 6t)x - 3t³ + 6t² + t³ - 3t² + 2
y = (3t² - 6t)x - 2t³ + 3t² + 2
Step 2:曲線との交点
x³ - 3x² + 2 = (3t² - 6t)x - 2t³ + 3t² + 2
x³ - 3x² - (3t² - 6t)x + 2t³ - 3t² = 0
x³ - 3x² - 3t(t - 2)x + t²(2t - 3) = 0
x = t は重解(接点)なので、(x - t)² で割り切れます。
x³ - 3x² - 3t(t - 2)x + t²(2t - 3) = (x - t)²(x - α) と因数分解できます。
Step 3:α を求める
展開して係数比較するか、解と係数の関係を使います。
3次方程式の解と係数の関係より:
- 3つの解を t, t, α とすると
- t + t + α = 3(x² の係数の符号反転)
- α = 3 - 2t
Step 4:交点の座標
x = 3 - 2t のとき、
y = f(3 - 2t) = (3 - 2t)³ - 3(3 - 2t)² + 2
計算:
(3 - 2t)² = 9 - 12t + 4t²
(3 - 2t)³ = (3 - 2t)(9 - 12t + 4t²) = 27 - 36t + 12t² - 18t + 24t² - 8t³
= 27 - 54t + 36t² - 8t³
y = 27 - 54t + 36t² - 8t³ - 3(9 - 12t + 4t²) + 2
= 27 - 54t + 36t² - 8t³ - 27 + 36t - 12t² + 2
= -8t³ + 24t² - 18t + 2
= -2(4t³ - 12t² + 9t - 1)
さらに整理:4t³ - 12t² + 9t - 1 = (t - 1)(4t² - 8t + 1) または別の形で
答え:(3 - 2t, -8t³ + 24t² - 18t + 2)
別解・発展
【(2)の別解:1/6公式の応用】
3次関数と接線で囲まれた面積には「1/12公式」が使えますが、今回はx軸との交点なので、対称性を利用した計算が効率的です。
【発展:3次関数の性質】
3次関数 y = ax³ + bx² + cx + d のグラフは、変曲点に関して点対称です。この性質を使うと、面積計算や接線の問題を効率的に解けることがあります。
f(x) = x³ - 3x² + 2 の変曲点は f''(x) = 6x - 6 = 0 より x = 1 で、点 (1, f(1)) = (1, 0) です。
大問4:ベクトルと空間図形
問題
【問題4】 空間内に4点 O(0, 0, 0), A(2, 0, 0), B(0, 2, 0), C(0, 0, 3) がある。三角形 ABC の重心を G とするとき、次の問いに答えよ。
(1) 点 G の座標を求めよ。
(2) 三角形 ABC の面積を求めよ。
(3) 四面体 OABC の体積を求めよ。
(4) 点 O から平面 ABC に下ろした垂線の足 H の座標を求めよ。
解説・解法のポイント
(1) 重心の座標
【解法の流れ】
三角形の重心は、3頂点の座標の平均です。
【解答】
G = ((2 + 0 + 0)/3, (0 + 2 + 0)/3, (0 + 0 + 3)/3) = (2/3, 2/3, 1)
答え:G(2/3, 2/3, 1)
(2) 三角形 ABC の面積
【解法の流れ】
ベクトルの外積を使います。面積 = |→AB × →AC| / 2
【解答】
Step 1:ベクトルを求める
→AB = B - A = (0 - 2, 2 - 0, 0 - 0) = (-2, 2, 0)
→AC = C - A = (0 - 2, 0 - 0, 3 - 0) = (-2, 0, 3)
Step 2:外積を計算
→AB × →AC = |i j k|
|-2 2 0|
|-2 0 3|
= i(2・3 - 0・0) - j((-2)・3 - 0・(-2)) + k((-2)・0 - 2・(-2))
= i(6) - j(-6) + k(4)
= (6, 6, 4)
Step 3:大きさを計算
|→AB × →AC| = √(36 + 36 + 16) = √88 = 2√22
Step 4:面積
S = |→AB × →AC| / 2 = 2√22 / 2 = √22
答え:√22
(3) 四面体 OABC の体積
【解法の流れ】
四面体の体積は V = |→OA · (→OB × →OC)| / 6 で求められます。
【解答】
Step 1:ベクトルを確認
→OA = (2, 0, 0)
→OB = (0, 2, 0)
→OC = (0, 0, 3)
Step 2:外積 →OB × →OC を計算
→OB × →OC = |i j k|
|0 2 0|
|0 0 3|
= (2・3 - 0・0, 0・0 - 0・3, 0・0 - 2・0)
= (6, 0, 0)
Step 3:スカラー三重積
→OA · (→OB × →OC) = (2, 0, 0) · (6, 0, 0) = 12
Step 4:体積
V = |12| / 6 = 2
答え:2
(4) 垂線の足 H の座標
【解法の流れ】
- 平面 ABC の方程式を求める
- 点 O から平面への垂線のパラメータ表示を求める
- 平面との交点を計算する
【解答】
Step 1:平面 ABC の法線ベクトル
(2) で求めた →AB × →AC = (6, 6, 4) が法線ベクトルです。
簡単のため、(3, 3, 2) を使います(定数倍)。
Step 2:平面 ABC の方程式
点 A(2, 0, 0) を通り、法線ベクトル (3, 3, 2) の平面:
3(x - 2) + 3(y - 0) + 2(z - 0) = 0
3x + 3y + 2z - 6 = 0
3x + 3y + 2z = 6
Step 3:O から平面への垂線
点 O(0, 0, 0) を通り、方向ベクトル (3, 3, 2) の直線:
(x, y, z) = t(3, 3, 2) = (3t, 3t, 2t)
Step 4:交点 H を求める
平面の方程式に代入:
3(3t) + 3(3t) + 2(2t) = 6
9t + 9t + 4t = 6
22t = 6
t = 6/22 = 3/11
H = (3 × 3/11, 3 × 3/11, 2 × 3/11) = (9/11, 9/11, 6/11)
答え:H(9/11, 9/11, 6/11)
別解・発展
【(3)の別解:底面×高さ÷3】
O, A, B, C はそれぞれ座標軸上にあるので、
底面を xy平面上の三角形 OAB とすると、底面積 = (1/2) × 2 × 2 = 2
高さ = C の z座標 = 3
体積 = (1/3) × 2 × 3 = 2
【(4)の検証】
OH = √((9/11)² + (9/11)² + (6/11)²) = √(81 + 81 + 36)/11 = √198/11 = 3√22/11
体積 = (1/3) × 底面積 × 高さ = (1/3) × √22 × (3√22/11) = (1/3) × (3 × 22/11) = 2 ✓
【発展:四面体の内接球・外接球】
四面体 OABC の体積が求まれば、内接球の半径 r は
V = (1/3) × r × (4面の面積の和)
から求められます。これは入試でも出題されることがある発展テーマです。
この年度の重要テーマと対策
2018年度 出題分野のまとめ
| 大問 | 分野 | 難易度 | 重要度 |
|---|---|---|---|
| 大問1 | 二次関数・対数・線形計画法 | 標準 | ★★★★☆ |
| 大問2 | 確率 | 標準〜やや難 | ★★★★★ |
| 大問3 | 微分積分 | 標準 | ★★★★★ |
| 大問4 | 空間ベクトル | 標準 | ★★★★☆ |
東京海洋大学 数学の特徴と対策
1. 微分積分は最重要分野
東京海洋大学では微分積分が毎年必ず出題されます。特に以下のテーマを重点的に学習しましょう:
- 関数の増減・極値・グラフの概形
- 定積分の計算(置換積分・部分積分)
- 面積・体積の計算
- 接線の方程式と関連問題
2. 確率は差がつきやすい
確率は毎年のように出題され、完答できるかどうかで差がつきます:
- 場合の数の基本(順列・組合せ)
- 条件付き確率
- 期待値
- 余事象の活用
3. ベクトルは空間図形との融合が多い
空間ベクトルと図形の融合問題は頻出です:
- 内積・外積の計算
- 平面の方程式
- 直線と平面の交点
- 体積・面積の計算
4. 計算力が勝負を分ける
東京海洋大学の数学は、難問というよりも計算量が多いのが特徴です。日頃から:
- 計算ミスをしない練習
- 効率的な計算方法の習得
- 時間配分の意識
を心がけましょう。
学習の優先順位
- 最優先:微分積分、確率
- 高優先:ベクトル(平面・空間)、数列
- 中優先:二次関数、三角関数、指数・対数
- 低優先:整数問題、複素数平面(出題頻度は低め)
おすすめの問題集と使い方
| レベル | 問題集 | 使い方 |
|---|---|---|
| 基礎固め | 青チャート / Focus Gold | 例題を全範囲解く(夏休みまで) |
| 標準演習 | 1対1対応の演習 | 苦手分野を中心に(秋〜冬) |
| 実戦演習 | 東京海洋大学過去問 5〜10年分 | 時間を計って本番形式で(直前期) |
類似問題で練習しよう(練習問題3問)
練習問題1:確率
【問題】 白玉3個と赤玉2個が入った袋から、玉を1個ずつ取り出す(取り出した玉は戻さない)。次の確率を求めよ。
(1) 2回目に赤玉が出る確率
(2) 赤玉が連続して出る確率
解答・解説
(1) 2回目に赤玉が出る確率
【方法1:場合分け】
- 1回目白、2回目赤:(3/5) × (2/4) = 6/20 = 3/10
- 1回目赤、2回目赤:(2/5) × (1/4) = 2/20 = 1/10
合計:3/10 + 1/10 = 2/5
【方法2:対称性】
どの位置に赤玉が来るかは対称なので、2回目に赤玉が出る確率は「全体での赤玉の割合」に等しい。
= 2/5
(2) 赤玉が連続して出る確率
赤玉が連続 = 1回目赤かつ2回目赤、または2回目赤かつ3回目赤、...
ただし「連続」の解釈により異なりますが、「少なくとも2回連続で赤が出る」と解釈すると:
全5回の並びで赤赤が隣り合う場合を数えます。
- 赤赤を1つの塊と見なすと、(赤赤), 白, 白, 白 の4つを並べる:4! = 24 通り
- 全並び方:5! / (3! × 2!) = 10(ただし区別しない場合)
区別して考えると:
- 全並び方:5 × 4 = 20 通り(最初の2回の出方)
- 赤赤:2 × 1 = 2 通り
確率 = 2/20 = 1/10
練習問題2:微分積分
【問題】 曲線 y = e^x と直線 y = ex で囲まれた部分の面積を求めよ。
解答・解説
Step
解答・解説(続き)
Step 1:交点を求める
e^x = ex を解きます。
x = 0 のとき:e^0 = 1, e × 0 = 0 なので不一致
x = 1 のとき:e^1 = e, e × 1 = e なので一致 ✓
グラフの概形を考えると:
- y = ex は原点を通る直線で、傾き e
- y = e^x は (0, 1) を通る指数関数
- x = 1 で接する(y = ex は y = e^x の x = 1 における接線)
確認:y = e^x の x = 1 での接線
y' = e^x より y'(1) = e
接線:y - e = e(x - 1) → y = ex
よって、y = ex は y = e^x に x = 1 で接しているので、交点は x = 1 のみ(重解)です。
Step 2:面積を求める
接線と曲線が1点で接する場合、囲まれた部分の面積は通常の方法では求められません。
問題を「y = e^x と y = ex と x = 0 で囲まれた部分」と解釈し直すと:
0 ≤ x ≤ 1 の範囲で、e^x ≥ ex(x = 1 で等号)
実際に確認:x = 0.5 のとき
- e^0.5 ≈ 1.649
- e × 0.5 ≈ 1.359
確かに e^x > ex
面積 S = ∫₀¹ (e^x - ex) dx
= [e^x - ex²/2]₀¹
= (e - e/2) - (1 - 0)
= e/2 - 1
= (e - 2)/2
答え:(e - 2)/2
【別解:接線と曲線の面積公式】
曲線 y = f(x) と、点 (a, f(a)) における接線で囲まれた面積には、特定の公式が適用できる場合があります。ただし、今回は片側が直線 x = 0 で区切られているため、直接積分で求めるのが確実です。
練習問題3:空間ベクトル
【問題】 空間内に3点 A(1, 0, 0), B(0, 2, 0), C(0, 0, 3) がある。
(1) 三角形 ABC を含む平面の方程式を求めよ。
(2) 原点 O から平面 ABC への距離を求めよ。
(3) 点 P(1, 1, 1) から平面 ABC への距離を求めよ。
解答・解説
(1) 平面の方程式
Step 1:法線ベクトルを求める
→AB = B - A = (-1, 2, 0)
→AC = C - A = (-1, 0, 3)
法線ベクトル →n = →AB × →AC
→n = |i j k|
|-1 2 0|
|-1 0 3|
= i(2×3 - 0×0) - j((-1)×3 - 0×(-1)) + k((-1)×0 - 2×(-1))
= i(6) - j(-3) + k(2)
= (6, 3, 2)
Step 2:平面の方程式
点 A(1, 0, 0) を通り、法線ベクトル (6, 3, 2) の平面:
6(x - 1) + 3(y - 0) + 2(z - 0) = 0
6x + 3y + 2z - 6 = 0
答え:6x + 3y + 2z = 6(または 6x + 3y + 2z - 6 = 0)
(2) 原点 O から平面への距離
点と平面の距離公式:
平面 ax + by + cz + d = 0 と点 (x₀, y₀, z₀) の距離は
d = |ax₀ + by₀ + cz₀ + d| / √(a² + b² + c²)
平面:6x + 3y + 2z - 6 = 0、点 O(0, 0, 0)
d = |6×0 + 3×0 + 2×0 - 6| / √(36 + 9 + 4)
= |-6| / √49
= 6/7
答え:6/7
(3) 点 P(1, 1, 1) から平面への距離
平面:6x + 3y + 2z - 6 = 0、点 P(1, 1, 1)
d = |6×1 + 3×1 + 2×1 - 6| / √49
= |6 + 3 + 2 - 6| / 7
= |5| / 7
= 5/7
答え:5/7
【発展:平面の方程式の別表現】
3点 A(a, 0, 0), B(0, b, 0), C(0, 0, c) を通る平面は、
x/a + y/b + z/c = 1
と表せます(切片形)。
今回の場合:x/1 + y/2 + z/3 = 1
両辺を6倍:6x + 3y + 2z = 6 ✓
東京海洋大学 数学攻略のまとめ
合格するための5つのポイント
- 微分積分を完璧に
毎年出題される最重要分野。特に面積・体積の計算、接線の問題は必ずマスターすること。 - 確率は余事象を味方に
直接数えるより「〜でない」を考えた方が楽な場合が多い。条件付き確率も要注意。 - ベクトルは公式を使いこなす
内積・外積の計算、点と平面の距離公式などを瞬時に使えるようにしておく。 - 計算ミスを減らす訓練を
難問よりも標準問題を確実に解く力が合否を分ける。検算の習慣をつけよう。 - 時間配分を意識
90分で4題なので、1題あたり約20分。難しい小問は後回しにする判断力も大切。
目標得点と戦略
| 目標 | 得点率 | 戦略 |
|---|---|---|
| 安全圏合格 | 70%以上 | 全大問の(1)(2)を確実に正解+1〜2問完答 |
| 合格ライン | 60%程度 | 小問集合完答+各大問の前半を確実に |
| 最低限 | 50%程度 | 取れる問題を確実に。部分点を積み重ねる |
日本数学塾・数強塾で東京海洋大学合格を目指そう
ここまで読んでくださった皆さん、お疲れ様でした!
東京海洋大学の数学は、基本〜標準レベルの問題をいかに正確に、速く解けるかが勝負です。特に微分積分と確率は毎年出題されるため、この2分野を徹底的に鍛えることが合格への近道です。
数学が苦手でも大丈夫!
「数学が苦手で、どこから手をつければいいかわからない...」
「過去問を解いても、解説を読んでも理解できない...」
「独学では限界を感じている...」
そんな悩みを抱えている受験生は、ぜひ日本数学塾・数強塾にご相談ください!
日本数学塾・数強塾の特徴
- ✅ 数学専門のオンライン塾だから、数学の指導に特化
- ✅ マンツーマン指導で、あなたの弱点を徹底分析
- ✅ 現役プロ講師が、わかるまで丁寧に解説
- ✅ オンライン完結だから、全国どこからでも受講可能
- ✅ 過去問対策も充実。志望校に合わせたカリキュラム
無料体験授業 受付中!
「本当に自分に合うかな?」と不安な方も、まずは無料体験授業でお試しください。実際の授業を体験した上で、入塾を検討していただけます。
数学の成績アップ、そして東京海洋大学合格を、私たちと一緒に目指しましょう!
藤原進之介
日本数学塾・数強塾 講師
おわりに
2018年度の東京海洋大学数学は、微分積分・確率・ベクトルという頻出分野からバランスよく出題されました。問題の難易度自体は標準的ですが、計算量が多いため、日頃から正確かつ迅速に計算する練習が重要です。
この記事で解説した内容をしっかり復習し、類似問題で演習を重ねてください。過去問は最低でも5年分、できれば10年分解くことをおすすめします。出題パターンが見えてくれば、本番でも落ち着いて解答できるようになります。
東京海洋大学は、海洋という独自の分野で日本をリードする素晴らしい大学です。皆さんの合格を心より応援しています!
頑張れ、受験生!
