愛知教育大学 2018年度 数学 過去問解説|藤原進之介先生と一緒に完全攻略!
こんにちは!日本数学塾・数強塾の藤原進之介です。
今回は、愛知教育大学 2018年度(平成30年度)前期日程の数学を徹底解説します!愛知教育大学は、教員養成を主目的とした国立大学として、東海地方で非常に人気の高い大学です。数学の入試問題は、基礎力を重視しながらも、思考力・論理的記述力を試す良問が多く出題されます。
この記事では、2018年度の数学全問題について、問題文の再現から詳細な解説、別解、そして今後の対策まで徹底的に解説していきます。受験生の皆さんが本番で自信を持って解答できるよう、一緒に学んでいきましょう!
試験概要・難易度
2018年度 愛知教育大学 前期日程 数学試験の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日 | 2018年2月25日(前期日程) |
| 試験時間 | 120分(理系型)/ 90分(文系型) |
| 配点 | 400点(学科・専攻により異なる) |
| 出題範囲 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(理系) 数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(文系) |
| 大問数 | 4問(理系型) |
| 解答形式 | 全問記述式 |
2018年度の全体講評
2018年度の愛知教育大学数学は、標準〜やや難レベルの出題でした。特に以下の特徴がありました:
- 第1問:2次不等式と場合分け(標準)- 定数の条件による場合分けが必要な問題
- 第2問:確率(ゲーム・硬貨)(標準〜やや難)- 状態遷移を考える確率問題
- 第3問:微分と面積(標準)- 曲線と接線で囲まれた図形の面積
- 第4問:積分(やや難)- 絶対値を含む定積分の計算
全体として、計算力と場合分けの正確さが問われる出題でした。特に第1問と第4問では、場合分けを丁寧に行う必要があり、ミスをしやすいポイントが多く含まれていました。時間配分としては、各大問30分程度を目安に解き進めることが重要です。
合格に必要な得点目安
愛知教育大学の数学では、6〜7割(240〜280点程度)を目標にしたいところです。特に教員養成課程の数学専攻を志望する場合は、7割以上を確実に取れる実力をつけておくことが望ましいでしょう。
大問1:2次不等式と場合分け
問題
【第1問】
定数 $a$ を $a neq 0, 1$ なる実数とするとき、$x$ についての2次不等式
$$a(a-1)x^2 + (2-3a)x + 2 < 0$$
を解け。
解説・解法のポイント
この問題は、2次不等式の解法と定数による場合分けを組み合わせた問題です。愛知教育大学では、このような場合分けを要する問題が頻出です。しっかりとマスターしておきましょう。
【STEP 1】左辺を因数分解する
まず、左辺の2次式を因数分解します。
$$a(a-1)x^2 + (2-3a)x + 2$$
この式を因数分解するために、$x$ の係数に注目します。$a(a-1) = a^2 - a$ であり、定数項は $2$ です。
因数分解を試みると:
$$a(a-1)x^2 + (2-3a)x + 2 = (ax + 1){(a-1)x + 2}$$
【検算】
$$(ax + 1){(a-1)x + 2} = a(a-1)x^2 + 2ax + (a-1)x + 2$$
$$= a(a-1)x^2 + (2a + a - 1)x + 2 = a(a-1)x^2 + (3a-1)x + 2$$
あれ、係数が合いませんね。もう一度確認しましょう。
正しい因数分解は:
$$a(a-1)x^2 + (2-3a)x + 2 = (ax - 2){(a-1)x - 1}$$
【検算】
$$(ax - 2){(a-1)x - 1} = a(a-1)x^2 - ax - 2(a-1)x + 2$$
$$= a(a-1)x^2 + (-a - 2a + 2)x + 2 = a(a-1)x^2 + (2-3a)x + 2$$ ✓
よって、不等式は:
$$(ax - 2){(a-1)x - 1} < 0$$
【STEP 2】解の境界を求める
$(ax - 2) = 0$ より $x = dfrac{2}{a}$
${(a-1)x - 1} = 0$ より $x = dfrac{1}{a-1}$
【STEP 3】$x^2$ の係数による場合分け
2次不等式 $(ax - 2){(a-1)x - 1} < 0$ を解くには、$x^2$ の係数 $a(a-1)$ の符号と、2つの解 $dfrac{2}{a}$ と $dfrac{1}{a-1}$ の大小関係を調べる必要があります。
◆ $a(a-1) > 0$ となる場合:$a 1$
このとき、放物線は下に凸なので、不等式の解は2つの解の間になります。
◆ $a(a-1) < 0$ となる場合:$0 < a < 1$
このとき、放物線は上に凸なので、不等式の解は2つの解の外側になります。
【STEP 4】解の大小関係を調べる
$dfrac{2}{a}$ と $dfrac{1}{a-1}$ の大小を比較します。
$$dfrac{2}{a} - dfrac{1}{a-1} = dfrac{2(a-1) - a}{a(a-1)} = dfrac{2a - 2 - a}{a(a-1)} = dfrac{a-2}{a(a-1)}$$
【STEP 5】各場合の解を求める
【場合1】$a < 0$ のとき
$a(a-1) > 0$(下に凸)、$a - 2 0$ より $dfrac{a-2}{a(a-1)} < 0$
したがって $dfrac{2}{a} < dfrac{1}{a-1}$
解:$dfrac{2}{a} < x < dfrac{1}{a-1}$
【場合2】$0 < a < 1$ のとき
$a(a-1) < 0$(上に凸)、$a - 2 < 0$、$a(a-1) 0$
したがって $dfrac{2}{a} > dfrac{1}{a-1}$
解:$x dfrac{2}{a}$
【場合3】$1 < a < 2$ のとき
$a(a-1) > 0$(下に凸)、$a - 2 0$ より $dfrac{a-2}{a(a-1)} < 0$
したがって $dfrac{2}{a} < dfrac{1}{a-1}$
解:$dfrac{2}{a} < x < dfrac{1}{a-1}$
【場合4】$a = 2$ のとき
$dfrac{2}{a} = 1 = dfrac{1}{a-1}$(重解)
$a(a-1) cdot (x-1)^2 0$ より解なし
【場合5】$a > 2$ のとき
$a(a-1) > 0$(下に凸)、$a - 2 > 0$、$a(a-1) > 0$ より $dfrac{a-2}{a(a-1)} > 0$
したがって $dfrac{2}{a} > dfrac{1}{a-1}$
解:$dfrac{1}{a-1} < x < dfrac{2}{a}$
【解答まとめ】
【解答】
- $a < 0$ のとき:$dfrac{2}{a} < x < dfrac{1}{a-1}$
- $0 < a < 1$ のとき:$x dfrac{2}{a}$
- $1 < a < 2$ のとき:$dfrac{2}{a} < x < dfrac{1}{a-1}$
- $a = 2$ のとき:解なし
- $a > 2$ のとき:$dfrac{1}{a-1} < x < dfrac{2}{a}$
別解・発展
【別解:グラフを用いた解法】
$y = a(a-1)x^2 + (2-3a)x + 2$ のグラフと $x$ 軸の位置関係を考えることで、視覚的に解を理解することもできます。放物線の開く向き($a(a-1)$ の符号)と、$x$ 軸との交点の位置関係を図示することで、場合分けの見落としを防ぐことができます。
【発展:数直線を用いた符号の調査】
$(ax - 2){(a-1)x - 1} < 0$ の形に因数分解できたら、数直線上に $x = dfrac{2}{a}$ と $x = dfrac{1}{a-1}$ をプロットし、各区間での符号を調べる方法も有効です。この方法は、より複雑な不等式にも応用できます。
大問2:確率(コマを使ったゲーム)
問題
【第2問】
A と B が次のようなゲームを行う。
数直線上に A のコマと B のコマが置いてある。初め A のコマは原点に、B のコマは $1$ の位置にある。A と B はそれぞれ1枚の硬貨を持っており、硬貨を投げて表が出たら自分のコマを正の方向に $1$ 動かし、裏が出たら自分のコマは動かさない。A、B の順に交互に硬貨を投げることを繰り返し、どちらかのコマがもう一方のコマに追いついた時点でゲームを終了する。追いついた方を勝ちとする。
このとき以下の問いに答えよ。
問1 A、B がともに1回硬貨を投げたときの A、B のコマの位置とそれが起こる確率をすべて求めよ。ただし A のコマの位置が $a$ で B のコマの位置が $b$ のとき、A、B のコマの位置を $(a, b)$ と書くこと。
問2 B の勝つ確率を求めよ。
解説・解法のポイント
この問題は、状態遷移と確率の漸化式を用いて解く典型的な問題です。「追いつく」という条件をどのように数学的に表現するかがポイントです。
【問1の解答】
初期状態は $(A, B) = (0, 1)$ です。
A が硬貨を投げた後の状態:
- 表が出る(確率 $dfrac{1}{2}$):A のコマは $1$ に移動 → $(1, 1)$ となり、A の勝ち(ゲーム終了)
- 裏が出る(確率 $dfrac{1}{2}$):A のコマは $0$ のまま → $(0, 1)$
A が裏を出した場合のみ、B が硬貨を投げます。
B が硬貨を投げた後の状態:
- 表が出る(確率 $dfrac{1}{2}$):B のコマは $2$ に移動 → $(0, 2)$
- 裏が出る(確率 $dfrac{1}{2}$):B のコマは $1$ のまま → $(0, 1)$
【問1の解答】
- $(1, 1)$:確率 $dfrac{1}{2}$(A の勝ち)
- $(0, 2)$:確率 $dfrac{1}{2} times dfrac{1}{2} = dfrac{1}{4}$
- $(0, 1)$:確率 $dfrac{1}{2} times dfrac{1}{2} = dfrac{1}{4}$
【問2の解答】
B が勝つということは、B のコマが A のコマに追いつく、つまり B のコマの位置 ≤ A のコマの位置 となることです。
しかし、B は A より後ろからスタートしているため、B が A に追いつくことはありません(B のコマは常に A のコマより先にいます)。したがって、B が勝つためには、A が B に追いつく前に、ゲームが永遠に続くことはありえず、いつかは必ず A が B に追いつくか、差が広がっていくことになります。
ここで、状態を「A と B のコマの差」$d = b - a$ で考えましょう。
初期状態:$d = 1$
各ターン(A、B がそれぞれ1回ずつ投げた後)の差 $d$ の変化を考えます:
- A が表、B が表:$d$ の変化なし(ただし A が先に投げるので、A が表なら追いつく)
- A が表、B が裏:$d$ は $1$ 減少
- A が裏、B が表:$d$ は $1$ 増加
- A が裏、B が裏:$d$ の変化なし
ただし、A が先に投げることに注意が必要です。A が表を出した瞬間に $d = 0$ になれば、A の勝ちでゲーム終了です。
$p_n$ を「差が $n$ のときに B が勝つ確率」とします。
B が勝つとは、A のコマが B のコマを追い越す、つまり $a > b$ となることです。しかしルール上、「追いつく」ことが勝利条件なので、$a = b$ で A の勝ち、$b < a$ にはならないと考えるのが自然です。
実は、このゲームでは B が勝つことは不可能 です。
理由:B のコマは常に A のコマより先(大きい位置)にあるか、同じ位置にあります。「追いつく」とは後ろから前に追いつくことなので、先にいる B が後ろの A に追いつくことは起こりえません。
より正確に言えば、A が B に追いつく(A の勝ち)か、永遠にゲームが続く(確率 0)かのどちらかです。
B が勝つ確率を $q$ とおき、漸化式を立てて解きます。
差が $1$ の状態から始めて:
- A が表を出す(確率 $dfrac{1}{2}$):A の勝ち
- A が裏を出す(確率 $dfrac{1}{2}$):
- B が表を出す(確率 $dfrac{1}{2}$):差が $2$ になる
- B が裏を出す(確率 $dfrac{1}{2}$):差が $1$ のまま
$p_n$ を差が $n$ のときに A が勝つ確率とすると:
$$p_1 = dfrac{1}{2} cdot 1 + dfrac{1}{2} cdot dfrac{1}{2} cdot p_2 + dfrac{1}{2} cdot dfrac{1}{2} cdot p_1$$
$$p_1 = dfrac{1}{2} + dfrac{1}{4}p_2 + dfrac{1}{4}p_1$$
同様に、差が $n$($n geq 2$)のとき:
$$p_n = dfrac{1}{2} cdot p_{n-1} + dfrac{1}{2} cdot dfrac{1}{2} cdot p_{n+1} + dfrac{1}{2} cdot dfrac{1}{2} cdot p_n$$
ここで、$n to infty$ のとき $p_n to 0$ と考えられます(差が無限に広がると A が追いつく確率は 0 に近づく)。
漸化式を解くと、最終的に A が勝つ確率は 1、つまり B が勝つ確率は 0 となります。
【問2の解答】
B の勝つ確率は $boxed{0}$
別解・発展
【別の視点からの解釈】
この問題は、ランダムウォークの「初到達問題」として解釈することもできます。差 $d = b - a$ は、各ターンで確率的に増減しますが、A が先に投げるというルールにより、$d = 0$ への到達(A の勝ち)と $d$ の増加が非対称に起こります。
結果として、有限時間で必ずゲームが終了し、その場合は必ず A の勝ちとなります。
大問3:微分と面積(曲線と接線)
問題
【第3問】
曲線 $y = x^2(x-1)$ と、その曲線上の点 $(a, a^2(a-1))$ における接線で囲まれた図形の面積が $dfrac{1}{12}$ になるとき、$a$ の値を求めよ。
解説・解法のポイント
この問題は、3次関数と接線で囲まれた面積を求める典型問題です。公式を活用して効率よく解きましょう。
【STEP 1】接線の方程式を求める
$y = x^2(x-1) = x^3 - x^2$
$dfrac{dy}{dx} = 3x^2 - 2x$
点 $(a, a^3 - a^2)$ における接線の傾きは:
$$m = 3a^2 - 2a$$
接線の方程式は:
$$y - (a^3 - a^2) = (3a^2 - 2a)(x - a)$$
$$y = (3a^2 - 2a)x - 3a^3 + 2a^2 + a^3 - a^2$$
$$y = (3a^2 - 2a)x - 2a^3 + a^2$$
【STEP 2】曲線と接線の交点を求める
$x^3 - x^2 = (3a^2 - 2a)x - 2a^3 + a^2$
$x^3 - x^2 - (3a^2 - 2a)x + 2a^3 - a^2 = 0$
この方程式は $x = a$ を重解として持つので:
$$(x - a)^2(x - b) = 0$$
の形に因数分解できます。展開して係数を比較すると:
$$(x - a)^2(x - b) = x^3 - (2a + b)x^2 + (a^2 + 2ab)x - a^2 b$$
係数比較:
- $x^2$ の係数:$-1 = -(2a + b)$ より $b = 1 - 2a$
- $x$ の係数:$-(3a^2 - 2a) = a^2 + 2ab$ ... 検算用
- 定数項:$2a^3 - a^2 = -a^2 b = -a^2(1-2a) = -a^2 + 2a^3$ ✓
よって、もう一つの交点は $x = 1 - 2a$ です。
【STEP 3】面積を計算する
3次関数と接線で囲まれた面積には、次の公式が使えます。
【3次関数と接線の面積公式】
3次関数 $y = f(x)$ と、その曲線上の点における接線で囲まれた面積は:
$$S = dfrac{1}{12}|f'''(x)||x_1 - x_2|^4$$
ただし、$f'''(x)$ は3次の係数の6倍(今回は $6 times 1 = 6$)、$x_1, x_2$ は交点の $x$ 座標です。
より実用的な公式として:
$$S = dfrac{|a_3|}{12}|α - β|^4$$
ここで $a_3$ は $x^3$ の係数、$α, β$ は曲線と接線の交点の $x$ 座標(重解を含む)です。
今回の場合:
- $x^3$ の係数:$a_3 = 1$
- 交点:$x = a$(重解)と $x = 1 - 2a$
面積は:
$$S = dfrac{1}{12}|a - (1-2a)|^4 = dfrac{1}{12}|3a - 1|^4$$
【STEP 4】面積の条件から $a$ を求める
$$dfrac{1}{12}|3a - 1|^4 = dfrac{1}{12}$$
$$|3a - 1|^4 = 1$$
$$|3a - 1| = 1$$
$$3a - 1 = 1 quad text{または} quad 3a - 1 = -1$$
$$a = dfrac{2}{3} quad text{または} quad a = 0$$
ただし、$a = 0$ のとき、接点は原点 $(0, 0)$ であり、もう一つの交点は $x = 1 - 2 times 0 = 1$ となります。このとき確かに面積が存在するので、$a = 0$ も解です。
【解答】
$$a = 0, quad dfrac{2}{3}$$
別解・発展
【別解:定積分による直接計算】
公式を使わずに、定積分で直接計算することもできます。
$a < 1 - 2a$、つまり $a < dfrac{1}{3}$ のとき:
$$S = int_a^{1-2a} {(x^3 - x^2) - ((3a^2-2a)x - 2a^3 + a^2)} dx$$
被積分関数を整理すると:
$$x^3 - x^2 - (3a^2-2a)x + 2a^3 - a^2 = (x-a)^2(x-(1-2a))$$
$t = x - a$ と置換すると、計算が簡略化されます。
【発展:なぜ公式が成り立つか】
3次関数 $y = x^3$ と点 $(a, a^3)$ における接線 $y = 3a^2 x - 2a^3$ の場合、交点は $x = a$(重解)と $x = -2a$ です。
面積は:
$$S = int_{-2a}^{a} (x^3 - (3a^2 x - 2a^3)) dx = int_{-2a}^{a} (x-a)^2(x+2a) dx$$
この積分を計算すると $dfrac{27a^4}{12}$ となり、$|a - (-2a)|^4 = |3a|^4 = 81a^4$ を用いて公式が確認できます。
大問4:絶対値を含む定積分
問題
【第4問】
$0 leq x leq 1$ に対して
$$f(x) = int_0^1 log(|t - x| + 1) , dt$$
を求めよ。
解説・解法のポイント
この問題は、絶対値を含む定積分の処理が必要な問題です。積分変数 $t$ と定数 $x$ の大小関係で場合分けを行い、絶対値を外してから積分します。
【STEP 1】絶対値の場合分け
$|t - x|$ は:
- $t geq x$ のとき:$|t - x| = t - x$
- $t < x$ のとき:$|t - x| = x - t$
したがって、積分区間 $[0, 1]$ を $[0, x]$ と $[x, 1]$ に分けます。
$$f(x) = int_0^x log(x - t + 1) , dt + int_x^1 log(t - x + 1) , dt$$
【STEP 2】各積分を計算する
第1項:$I_1 = int_0^x log(x - t + 1) , dt$
$u = x - t + 1$ と置換すると、$du = -dt$
- $t = 0$ のとき $u = x + 1$
- $t = x$ のとき $u = 1$
$$I_1 = int_{x+1}^{1} log u cdot (-du) = int_1^{x+1} log u , du$$
$int log u , du = u log u - u + C$ を用いて:
$$I_1 = [u log u - u]_1^{x+1}$$
$$= (x+1)log(x+1) - (x+1) - (1 cdot log 1 - 1)$$
$$= (x+1)log(x+1) - (x+1) - 0 + 1$$
$$= (x+1)log(x+1) - x$$
第2項:$I_2 = int_x^1 log(t - x + 1) , dt$
$v = t - x + 1$ と置換すると、$dv = dt$
- $t = x$ のとき $v = 1$
- $t = 1$ のとき $v = 2 - x$
$$I_2 = int_1^{2-x} log v , dv$$
$$I_2 = [v log v - v]_1^{2-x}$$
$$= (2-x)log(2-x) - (2-x) - (1 cdot log 1 - 1)$$
$$= (2-x)log(2-x) - (2-x) + 1$$
$$= (2-x)log(2-x) - 1 + x$$
【STEP 3】答えを整理する
$$f(x) = I_1 + I_2$$
$$= {(x+1)log(x+1) - x} + {(2-x)log(2-x) - 1 + x}$$
$$= (x+1)log(x+1) + (2-x)log(2-x) - 1$$
【解答】
$$f(x) = (x+1)log(x+1) + (2-x)log(2-x) - 1$$
($0 leq x leq 1$)
別解・発展
【検算:特殊な値での確認】
$x = 0$ のとき:
$$f(0) = 1 cdot log 1 + 2 cdot log 2 - 1 = 0 + 2log 2 - 1 = 2log 2 - 1$$
直接計算で確認:
$$f(0) = int_0^1 log(t + 1) , dt = [(t+1)log(t+1) - (t+1)]_0^1$$
$$= (2log 2 - 2) - (1 cdot 0 - 1) = 2log 2 - 2 + 1 = 2log 2 - 1$$ ✓
$x = 1$ のとき:
$$f(1) = 2 cdot log 2 + 1 cdot log 1 - 1 = 2log 2 - 1$$
対称性から $f(0) = f(1)$ となることが確認できます。これは関数の対称性を反映しています。
【発展:$f(x)$ の最小値】
$$f'(x) = log(x+1) + 1 - log(2-x) - 1 = logdfrac{x+1}{2-x}$$
$f'(x) = 0$ となるのは $dfrac{x+1}{2-x} = 1$、つまり $x = dfrac{1}{2}$ のときです。
$fleft(dfrac{1}{2}right) = dfrac{3}{2}logdfrac{3}{2} + dfrac{3}{2}logdfrac{3}{2} - 1 = 3logdfrac{3}{2} - 1$
この年度の重要テーマと対策
2018年度の出題傾向分析
2018年度の愛知教育大学数学では、以下のテーマが重点的に出題されました:
1. 場合分けを伴う問題
第1問の2次不等式、第4問の絶対値を含む積分など、場合分けの正確さが問われる問題が多く出題されました。場合分けでは:
- 分ける基準を明確にする
- 各場合を漏れなく列挙する
- 境界値の処理を正確に行う
ことが重要です。
2. 微分・積分の計算力
第3問、第4問では、標準的な微分・積分の計算が必要でした。特に:
- $int log x , dx = xlog x - x + C$ の公式
- 3次関数と接線で囲まれた面積の公式
- 置換積分の技法
は確実にマスターしておきましょう。
3. 確率の漸化式
第2問のような、状態遷移を考える確率問題は、愛知教育大学に限らず多くの大学で出題されます。
- 状態を適切に定義する
- 漸化式を正しく立てる
- 極限を考慮して解く
という流れを身につけましょう。
今後の対策ポイント
| 分野 | 重要度 | 対策のポイント |
|---|---|---|
| 2次関数・2次不等式 | ★★★★★ | 場合分けを含む問題を数多く解く |
| 微分法 | ★★★★★ | 接線、極値、グラフの問題を中心に |
| 積分法 | ★★★★★ | 面積、置換積分、部分積分をマスター |
| 確率 | ★★★★☆ | 漸化式を用いる問題に慣れる |
| ベクトル | ★★★★☆ | 空間ベクトル、内積の応用 |
| 数列 | ★★★☆☆ | 漸化式の解法パターンを整理 |
類似問題で練習しよう(練習問題3問)
2018年度の出題傾向を踏まえて、類似の練習問題を3問用意しました。ぜひチャレンジしてみてください!
練習問題1:2次不等式と場合分け
【問題】
定数 $a$ を $a neq 0, -1$ なる実数とするとき、$x$ についての2次不等式
$$a(a+1)x^2 - (3a+1)x + 2 > 0$$
を解け。
【解答・解説】
STEP 1:因数分解
$$a(a+1)x^2 - (3a+1)x + 2 = (ax - 1){(a+1)x - 2}$$
【検算】$(ax-1){(a+1)x-2} = a(a+1)x^2 - 2ax - (a+1)x + 2 = a(a+1)x^2 - (3a+1)x + 2$ ✓
STEP 2:解の境界
$x = dfrac{1}{a}$ と $x = dfrac{2}{a+1}$
STEP 3:大小比較
$$dfrac{1}{a} - dfrac{2}{a+1} = dfrac{a+1-2a}{a(a+1)} = dfrac{1-a}{a(a+1)}$$
STEP 4:場合分けして解く
【解答】
- $a < -1$ のとき:$dfrac{2}{a+1} < x < dfrac{1}{a}$
- $-1 < a < 0$ のとき:$x dfrac{2}{a+1}$
- $0 < a < 1$ のとき:$x dfrac{1}{a}$
- $a = 1$ のとき:$x neq 1$(すべての実数、ただし $x = 1$ を除く)
- $a > 1$ のとき:$dfrac{1}{a} < x < dfrac{2}{a+1}$
練習問題2:曲線と接線で囲まれた面積
【問題】
曲線 $y = x^3 - 3x$ と、点 $(2, 2)$ における接線で囲まれた図形の面積を求めよ。
【解答・解説】
STEP 1:接線の方程式
$y' = 3x^2 - 3$
$x = 2$ での傾き:$3 cdot 4 - 3 = 9$
接線:$y - 2 = 9(x - 2)$、つまり $y = 9x - 16$
STEP 2:交点を求める
$x^3 - 3x = 9x - 16$
$x^3 - 12x + 16 = 0$
$(x-2)^2(x+4) = 0$
$x = 2$(重解), $x = -4$
STEP 3:面積を計算
公式を用いて:
$$S = dfrac{1}{12} cdot 1 cdot |2-(-4)|^4 = dfrac{1}{12} cdot 6^4 = dfrac{1296}{12} = 108$$
【解答】
面積は $boxed{108}$
練習問題3:絶対値を含む定積分
【問題】
$0 leq x leq 2$ に対して、次の関数を求めよ。
$$g(x) = int_0^2 |t - x| , dt$$
【解答・解説】
STEP 1:絶対値の場合分け
$$g(x) = int_0^x (x - t) , dt + int_x^2 (t - x) , dt$$
STEP 2:各積分を計算
$$int_0^x (x-t) , dt = left[xt - dfrac{t^2}{2}right]_0^x = x^2 - dfrac{x^2}{2} = dfrac{x^2}{2}$$
$$int_x^2 (t-x) , dt = left[dfrac{t^2}{2} - xtright]_x^2 = left(2 - 2xright) - left(dfrac{x^2}{2} - x^2right)$$
$$= 2 - 2x + dfrac{x^2}{2} = dfrac{x^2}{2} - 2x + 2$$
STEP 3:答えを整理
$$g(x) = dfrac{x^2}{2} + dfrac{x^2}{2} - 2x + 2 = x^2 - 2x + 2$$
【解答】
$$g(x) = x^2 - 2x + 2 = (x-1)^2 + 1$$
($0 leq x leq 2$)
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藤原進之介
