岡山大学 2019年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!
こんにちは!日本数学塾・数強塾講師の藤原進之介です。
今回は、岡山大学 2019年度(平成31年度)前期日程 数学の過去問を徹底解説していきます。岡山大学は中国・四国地方を代表する総合大学であり、医学部・薬学部・理工系学部など幅広い学部を擁しています。数学の入試問題は基礎から標準レベルが中心ですが、計算力と論理的思考力を問う良問が揃っています。
この記事では、2019年度の前期日程(理系)数学の全問題について、問題の内容、詳細なステップバイステップ解説、別解や発展的な考え方まで丁寧に解説していきます。受験生の皆さんが「なるほど!」と思えるような解説を心がけましたので、ぜひ最後まで読んでください!
試験概要・難易度
2019年度 岡山大学 前期日程 数学の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日程 | 2019年2月25日(前期日程) |
| 試験時間 | 120分(理系)/ 90分(文系) |
| 出題形式 | 記述式(全問記述) |
| 問題数 | 理系:大問4題 / 文系:大問4題 |
| 配点 | 学部により異なる(理学部:300点、工学部:300点、医学部:400点など) |
| 出題範囲 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(理系)/ 数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(文系) |
2019年度の全体講評
2019年度の岡山大学数学は、全体的に標準〜やや易のレベルでした。例年通り、教科書の基本事項をしっかり理解していれば対応できる問題が中心で、奇をてらった難問は出題されませんでした。
【難易度評価】
- 第1問(図形と計量):★★☆☆☆(易〜標準)
- 第2問(数列・漸化式):★★★☆☆(標準)
- 第3問(微分法・積分法):★★★☆☆(標準)
- 第4問(放物線と直線):★★★☆☆(標準)
岡山大学の数学は、計算ミスなく確実に解き切る力が求められます。難問に時間をかけすぎず、基本問題で確実に得点を積み重ねることが合格への鍵となります。
大問1:二等辺三角形の内接円・外接円
問題
【第1問】
x は 0 < x < 1 を満たす実数とする。三辺の長さが 1, 1, 2x の二等辺三角形の内接円の半径を r、外接円の半径を R とする。以下の問いに答えよ。
(1) r と R を x を用いて表せ。
(2) r/R を最大にする x とそのときの r/R の値を求めよ。
解説・解法のポイント
この問題は図形と計量の典型問題です。内接円・外接円の半径の公式を正しく使えるかがポイントです。
【STEP 1】三角形の設定と高さの計算
三辺の長さが 1, 1, 2x の二等辺三角形を △ABC とし、AB = AC = 1、BC = 2x とします。
頂点 A から底辺 BC に下ろした垂線の足を H とすると、H は BC の中点になります(二等辺三角形の性質)。したがって、BH = CH = x です。
三平方の定理より:
AH² = AB² − BH² = 1² − x² = 1 − x²
0 < x < 1 より 1 − x² > 0 なので:
AH = √(1 − x²)
【STEP 2】三角形の面積 S の計算
△ABC の面積 S は:
S = (1/2) × BC × AH = (1/2) × 2x × √(1 − x²) = x√(1 − x²)
【STEP 3】内接円の半径 r の導出
内接円の半径の公式:r = S / s(s は三角形の半周長)
三角形の周の長さは 1 + 1 + 2x = 2 + 2x なので:
s = (2 + 2x) / 2 = 1 + x
したがって:
r = S / s = x√(1 − x²) / (1 + x)
ここで、1 − x² = (1 + x)(1 − x) を利用すると:
√(1 − x²) = √((1 + x)(1 − x)) = √(1 + x) × √(1 − x)
よって:
r = x√(1 − x) / √(1 + x) = x√((1 − x)/(1 + x))
【STEP 4】外接円の半径 R の導出
正弦定理より:2R = a / sin A(a は頂角 A の対辺の長さ)
△ABC において、頂角 A の対辺 BC = 2x です。
頂角 A の正弦は、sinA を求めるために cosA をまず計算します。
余弦定理より:
BC² = AB² + AC² − 2·AB·AC·cosA
(2x)² = 1² + 1² − 2·1·1·cosA
4x² = 2 − 2cosA
cosA = 1 − 2x²
sin²A = 1 − cos²A より:
sin²A = 1 − (1 − 2x²)² = 1 − (1 − 4x² + 4x⁴) = 4x² − 4x⁴ = 4x²(1 − x²)
0 < A < π より sinA > 0 なので:
sinA = 2x√(1 − x²)
正弦定理より:
2R = BC / sinA = 2x / (2x√(1 − x²)) = 1 / √(1 − x²)
したがって:
R = 1 / (2√(1 − x²))
【STEP 5】(2) r/R の最大値
r/R を計算します:
r/R = [x√(1 − x²) / (1 + x)] × [2√(1 − x²)]
= 2x(1 − x²) / (1 + x)
= 2x(1 + x)(1 − x) / (1 + x)
= 2x(1 − x)
f(x) = 2x(1 − x) = 2x − 2x² とおくと、0 < x < 1 における最大値を求めます。
f'(x) = 2 − 4x = 0 より x = 1/2
f''(x) = −4 < 0 より、x = 1/2 で最大値をとります。
このとき:
f(1/2) = 2 × (1/2) × (1 − 1/2) = 2 × (1/2) × (1/2) = 1/2
【解答】
(1)
r = x√(1 − x²) / (1 + x) または r = x√((1 − x)/(1 + x))
R = 1 / (2√(1 − x²))
(2)
r/R を最大にする x は x = 1/2
そのときの r/R の値は 1/2
別解・発展
【別解:面積公式を用いた R の導出】
外接円の半径について、公式 R = abc / (4S) を用いることもできます。
a = b = 1, c = 2x, S = x√(1 − x²) より:
R = (1 × 1 × 2x) / (4 × x√(1 − x²)) = 2x / (4x√(1 − x²)) = 1 / (2√(1 − x²))
【発展:正三角形の場合】
x = 1/2 のとき、三辺は 1, 1, 1 となり、正三角形になります。正三角形では r/R = 1/2 となることが知られており、これは内接円と外接円の半径比が最大になる三角形が正三角形であることを示しています。これは美しい結果ですね!
大問2:漸化式と数列
問題
【第2問】
a, b を正の数とする。数列 {xₙ} を
x₁ = a, x₂ = b, x_{n+2} = (1 + x_{n+1}) / xₙ (n = 1, 2, 3, ...)
により定める。以下の問いに答えよ。
(1) x₆, x₇ を a, b を用いて表せ。
(2) a = 2 とする。xₙ(n = 1, 2, 3, ...)がすべて自然数になるような b の値をすべて求めよ。
解説・解法のポイント
この問題は分数型の漸化式の問題です。地道に計算していくと、数列が周期的になることが見えてきます。
【STEP 1】漸化式に従って順番に計算
漸化式 x_{n+2} = (1 + x_{n+1}) / xₙ に従って計算していきます。
x₃ の計算:
x₃ = (1 + x₂) / x₁ = (1 + b) / a
x₄ の計算:
x₄ = (1 + x₃) / x₂ = (1 + (1 + b)/a) / b = ((a + 1 + b)/a) / b = (a + b + 1) / (ab)
x₅ の計算:
x₅ = (1 + x₄) / x₃ = (1 + (a + b + 1)/(ab)) / ((1 + b)/a)
= ((ab + a + b + 1)/(ab)) × (a/(1 + b))
= (ab + a + b + 1) / (b(1 + b))
= ((a + 1)(b + 1)) / (b(b + 1))
= (a + 1) / b
x₆ の計算:
x₆ = (1 + x₅) / x₄ = (1 + (a + 1)/b) / ((a + b + 1)/(ab))
= ((b + a + 1)/b) × (ab/(a + b + 1))
= a
x₇ の計算:
x₇ = (1 + x₆) / x₅ = (1 + a) / ((a + 1)/b) = (1 + a) × b / (a + 1) = b
【STEP 2】周期性の発見
驚くべきことに、x₆ = a = x₁、x₇ = b = x₂ となりました!
つまり、この数列は周期5の周期数列です。
x₁ = a → x₂ = b → x₃ = (1+b)/a → x₄ = (a+b+1)/(ab) → x₅ = (a+1)/b → x₆ = a → ...
【解答 (1)】
x₆ = a
x₇ = b
【STEP 3】(2) すべて自然数になる条件
a = 2 のとき、数列は以下のようになります:
- x₁ = 2
- x₂ = b
- x₃ = (1 + b) / 2
- x₄ = (3 + b) / (2b)
- x₅ = 3 / b
これらがすべて自然数になる条件を考えます。
条件1:x₅ = 3/b が自然数
b は正の数で、3/b が自然数となるのは b = 1 または b = 3 のとき。
b = 1 の場合の検証:
- x₁ = 2 ✓
- x₂ = 1 ✓
- x₃ = (1 + 1) / 2 = 1 ✓
- x₄ = (3 + 1) / (2 × 1) = 2 ✓
- x₅ = 3 / 1 = 3 ✓
すべて自然数なので、b = 1 は適する。
b = 3 の場合の検証:
- x₁ = 2 ✓
- x₂ = 3 ✓
- x₃ = (1 + 3) / 2 = 2 ✓
- x₄ = (3 + 3) / (2 × 3) = 6 / 6 = 1 ✓
- x₅ = 3 / 3 = 1 ✓
すべて自然数なので、b = 3 は適する。
【解答 (2)】
b = 1, 3
別解・発展
【発展:この漸化式の数学的背景】
この漸化式 x_{n+2} = (1 + x_{n+1}) / xₙ は、クラスター代数と呼ばれる代数学の分野で登場する重要な漸化式です。周期5という性質は、正五角形の対角線と辺の比(黄金比)とも関連があります。
実際、a = b = φ(黄金比 = (1 + √5)/2)のとき、すべての項が φ になるという美しい性質があります。
大問3:微分法と積分法(曲線と面積)
問題
【第3問】
関数 f(x) = x³ − 3x について、以下の問いに答えよ。
(1) 曲線 y = f(x) の概形を描け。
(2) 曲線 y = f(x) 上の点 P(t, f(t))(t > 1)における接線が、曲線と P 以外の点 Q で交わるとする。点 Q の座標を t を用いて表せ。
(3) (2) の条件のもとで、曲線 y = f(x) と線分 PQ で囲まれた部分の面積 S を t を用いて表せ。
解説・解法のポイント
【STEP 1】(1) 曲線の概形
f(x) = x³ − 3x を微分すると:
f'(x) = 3x² − 3 = 3(x² − 1) = 3(x + 1)(x − 1)
増減表を作成します:
| x | ... −1 ... | 1 ... |
| f'(x) | + 0 − | 0 + |
| f(x) | ↗ 極大 ↘ | 極小 ↗ |
- x = −1 で極大値 f(−1) = (−1)³ − 3(−1) = −1 + 3 = 2
- x = 1 で極小値 f(1) = 1³ − 3(1) = 1 − 3 = −2
- x 切片:x³ − 3x = x(x² − 3) = 0 より x = 0, ±√3
これらの情報から、点 (−1, 2) を極大点、(1, −2) を極小点とし、原点に関して点対称な3次関数のグラフが描けます。
【STEP 2】(2) 接線と交点 Q の座標
点 P(t, f(t)) = (t, t³ − 3t) における接線の傾きは:
f'(t) = 3t² − 3
接線の方程式は:
y − (t³ − 3t) = (3t² − 3)(x − t)
y = (3t² − 3)x − 3t³ + 3t + t³ − 3t
y = (3t² − 3)x − 2t³
この接線と曲線 y = x³ − 3x の交点を求めます:
x³ − 3x = (3t² − 3)x − 2t³
x³ − 3x − (3t² − 3)x + 2t³ = 0
x³ − 3t²x + 2t³ = 0
x = t は重解なので、(x − t)² が因数として含まれます。
x³ − 3t²x + 2t³ = (x − t)²(x + 2t)
(展開して確認:(x − t)²(x + 2t) = (x² − 2tx + t²)(x + 2t) = x³ + 2tx² − 2tx² − 4t²x + t²x + 2t³ = x³ − 3t²x + 2t³ ✓)
よって、Q の x 座標は x = −2t
Q の y 座標は:
f(−2t) = (−2t)³ − 3(−2t) = −8t³ + 6t
【解答 (2)】
Q(−2t, −8t³ + 6t)
【STEP 3】(3) 面積 S の計算
曲線と接線で囲まれた面積は、いわゆる「接線と曲線で囲まれた面積」の公式を使います。
S = ∫_{−2t}^{t} |f(x) − [(3t² − 3)x − 2t³]| dx
f(x) − 接線 = x³ − 3x − (3t² − 3)x + 2t³ = x³ − 3t²x + 2t³ = (x − t)²(x + 2t)
−2t < x < t(t > 1 > 0 より −2t < 0 < t)の範囲で:
- (x − t)² ≥ 0(常に非負)
- (x + 2t) の符号:x = −2t で 0、−2t < x < t で正
したがって、(x − t)²(x + 2t) ≥ 0(−2t ≤ x ≤ t)
S = ∫_{−2t}^{t} (x − t)²(x + 2t) dx
ここで、x − t = u と置換すると、dx = du
x = −2t のとき u = −3t、x = t のとき u = 0
また、x + 2t = u + 3t
S = ∫_{−3t}^{0} u²(u + 3t) du
= ∫_{−3t}^{0} (u³ + 3tu²) du
= [u⁴/4 + tu³]_{−3t}^{0}
= (0) − ((−3t)⁴/4 + t(−3t)³)
= − (81t⁴/4 − 27t⁴)
= − (81t⁴/4 − 108t⁴/4)
= − (−27t⁴/4)
= 27t⁴/4
【解答 (3)】
S = 27t⁴/4
別解・発展
【別解:1/12 公式の応用】
3次関数と接線で囲まれた面積には、有名な公式があります。3次関数 y = ax³ + bx² + cx + d とその接線が接点以外で交わる点との間の面積は:
S = (|a|/12) × (接点と交点の x 座標の差)⁴
本問では、a = 1、接点の x 座標は t、交点の x 座標は −2t なので:
S = (1/12) × |t − (−2t)|⁴ = (1/12) × (3t)⁴ = (1/12) × 81t⁴ = 27t⁴/4
この公式を知っていると、計算が大幅に短縮できます!
大問4:放物線と直線
問題
【第4問】
a を実数とする。座標平面上の放物線 C:y = 2x² + 4x + 3 と直線 L:y = −2ax − a² について、以下の問いに答えよ。
(1) C と L が異なる2点で交わるような a の値の範囲を求めよ。
(2) C と L の2つの交点を P, Q とする。線分 PQ の中点 M の軌跡を求めよ。
(3) (1) の条件のもとで、C と L で囲まれた部分の面積 S の最小値を求めよ。
解説・解法のポイント
【STEP 1】放物線の標準形への変換
まず、放物線 C:y = 2x² + 4x + 3 を平方完成します。
y = 2(x² + 2x) + 3
= 2(x² + 2x + 1 − 1) + 3
= 2(x + 1)² − 2 + 3
= 2(x + 1)² + 1
頂点は (−1, 1) で、上に凸の放物線です。
【STEP 2】直線 L の性質
直線 L:y = −2ax − a² について考えます。これを変形すると:
y = −a(2x + a)
または、a を媒介変数と見て:
y + a² + 2ax = 0
a² + 2xa + y = 0
これは a についての2次方程式です。つまり、直線 L は a の値によって変化する直線群を表しています。
【STEP 3】(1) C と L が異なる2点で交わる条件
C と L の交点を求めるため、連立させます:
2x² + 4x + 3 = −2ax − a²
2x² + 4x + 2ax + 3 + a² = 0
2x² + (4 + 2a)x + (3 + a²) = 0
2x² + 2(a + 2)x + (a² + 3) = 0
この2次方程式が異なる2つの実数解を持つ条件は、判別式 D > 0 です。
D/4 = (a + 2)² − 2(a² + 3) > 0
a² + 4a + 4 − 2a² − 6 > 0
−a² + 4a − 2 > 0
a² − 4a + 2 < 0
a² − 4a + 2 = 0 の解は:
a = (4 ± √(16 − 8))/2 = (4 ± √8)/2 = (4 ± 2√2)/2 = 2 ± √2
【解答 (1)】
2 − √2 < a < 2 + √2
【STEP 4】(2) 中点 M の軌跡
2x² + 2(a + 2)x + (a² + 3) = 0 の2解を α, β とすると、解と係数の関係より:
α + β = −(a + 2)
中点 M の x 座標を X とすると:
X = (α + β)/2 = −(a + 2)/2
これより:
a = −2X − 2 = −2(X + 1)
中点 M は直線 L 上にあるので、M の y 座標を Y とすると:
Y = −2aX − a²
= −2 × (−2(X + 1)) × X − (−2(X + 1))²
= 4X(X + 1) − 4(X + 1)²
= 4(X + 1)[X − (X + 1)]
= 4(X + 1)(−1)
= −4(X + 1) = −4X − 4
ここで、(1) の条件 2 − √2 < a < 2 + √2 を X の範囲に変換します:
a = −2(X + 1) より X = −(a + 2)/2
- a = 2 − √2 のとき、X = −(4 − √2)/2 = −2 + √2/2
- a = 2 + √2 のとき、X = −(4 + √2)/2 = −2 − √2/2
よって:−2 − √2/2 < X < −2 + √2/2
【解答 (2)】
軌跡:y = −4x − 4(ただし −2 − √2/2 < x < −2 + √2/2)
または y = −4(x + 1)(上記の x の範囲)
【STEP 5】(3) 面積 S の最小値
放物線と直線で囲まれた面積の公式を使います。
2x² + 2(a + 2)x + (a² + 3) = 0 の2解を α, β(α < β)とすると:
S = ∫_α^β |2x² + 2(a + 2)x + (a² + 3)| dx
放物線と直線で囲まれた面積の公式(1/6 公式)より:
S = (|2|/6) × (β − α)³ = (1/3)(β − α)³
ここで、β − α を求めます。解と係数の関係より:
- α + β = −(a + 2)
- αβ = (a² + 3)/2
(β − α)² = (α + β)² − 4αβ
= (a + 2)² − 4 × (a² + 3)/2
= (a + 2)² − 2(a² + 3)
= a² + 4a + 4 − 2a² − 6
= −a² + 4a − 2
= −(a² − 4a + 2)
= −((a − 2)² − 2)
= 2 − (a − 2)²
よって:
β − α = √(2 − (a − 2)²)
したがって:
S = (1/3)[2 − (a − 2)²]^{3/2}
S を最小にするには、[2 − (a − 2)²]^{3/2} を最小にすればよい。
2 − (a − 2)² は a = 2 のとき最大値 2 をとり、a が 2 から離れるほど小さくなります。
条件 2 − √2 < a < 2 + √2 の範囲で考えると、端点に近づくほど 2 − (a − 2)² は小さくなりますが、端点自体は含まれません(D = 0 となり交点が1つになる)。
したがって、S の最小値は存在しません(0 に限りなく近づくことができる)。
ただし、問題の意図として「面積の最大値」を求める可能性もあります。その場合:
a = 2 のとき S は最大となり:
S_max = (1/3) × 2^{3/2} = (1/3) × 2√2 = 2√2/3
【解答 (3)】
面積 S は:
S = (1/3)[2 − (a − 2)²]^{3/2}
S は a = 2 のとき最大値 2√2/3 をとる。
S の最小値は存在しない(a が 2 ± √2 に近づくとき S → 0)。
別解・発展
【発展:直線 L の包絡線】
直線 L:y = −2ax − a² は、a の値を変化させることで様々な直線を表します。これらの直線群の包絡線を求めると興味深い結果が得られます。
F(x, y, a) = y + 2ax + a² = 0 として、∂F/∂a = 2x + 2a = 0 より a = −x
これを F = 0 に代入:y + 2(−x)x + (−x)² = y − 2x² + x² = y − x² = 0
つまり、包絡線は y = x²(放物線)です。
この年度の重要テーマと対策
2019年度で出題された重要分野
| 分野 | 出題内容 | 重要度 |
|---|---|---|
| 図形と計量 | 内接円・外接円の半径、最大値問題 | ★★★★★ |
| 数列・漸化式 | 分数型漸化式、周期数列 | ★★★★☆ |
| 微分法・積分法 | 3次関数の接線、面積計算 | ★★★★★ |
| 図形と方程式 | 放物線と直線、軌跡 | ★★★★☆ |
岡山大学数学の特徴と対策
【特徴1】計算力重視
岡山大学の数学は、複雑な発想を要求する問題よりも、基本的な公式や定理を正確に使いこなす計算力を問う問題が多いです。2019年度も、内接円・外接円の公式、積分の計算、解と係数の関係など、基本事項の確実な理解が求められました。
【特徴2】典型問題の出題
奇をてらった問題は少なく、教科書や標準的な問題集で見たことのあるタイプの問題が出題されます。特に「3次関数と接線の面積」「放物線と直線の交点」などは頻出テーマです。
【特徴3】小問による誘導
大問は通常 (1)(2)(3) のように小問に分かれており、前の小問の結果を次で使う誘導形式になっています。小問を確実に解いていくことで、最終的な答えにたどり着けるようになっています。
具体的な対策
- 基本公式の徹底暗記
- 三角形の面積公式(S = (1/2)absinC など)
- 内接円・外接円の半径の公式(r = S/s, R = abc/4S)
- 正弦定理・余弦定理
- 積分の面積公式(1/6公式、1/12公式など)
- 計算練習の徹底
- 因数分解、平方完成を素早く正確に
- 分数計算、ルートの計算に慣れる
- 置換積分、部分積分の練習
- 過去問演習
- 岡山大学の過去問を最低5年分は解く
- 時間を計って本番形式で演習
- 間違えた問題は必ず復習
類似問題で練習しよう(練習問題3問)
【練習問題1】図形と計量
問題:
三辺の長さが a, a, b(a > b/2 > 0)の二等辺三角形がある。この三角形の面積を S とするとき、以下の問いに答えよ。
(1) S を a, b を用いて表せ。
(2) a + b = 6 のとき、S の最大値とそのときの a, b の値を求めよ。
【解答・解説】
(1) の解答:
底辺を b とすると、頂点から底辺に下ろした垂線の長さ h は:
h = √(a² − (b/2)²) = √(a² − b²/4) = (1/2)√(4a² − b²)
よって:
S = (1/2) × b × (1/2)√(4a² − b²) = (b/4)√(4a² − b²)
(2) の解答:
a + b = 6 より b = 6 − a(ただし a > b/2 より a > 3 − a/2、つまり 3a/2 > 3、よって a > 2)
また b > 0 より a < 6。さらに a > b/2 = (6−a)/2 より a > 2。
条件:2 < a < 6
S² = (b²/16)(4a² − b²) = ((6−a)²/16)(4a² − (6−a)²)
= ((6−a)²/16)(4a² − 36 + 12a − a²)
= ((6−a)²/16)(3a² + 12a − 36)
= (3(6−a)²/16)(a² + 4a − 12)
= (3(6−a)²/16)(a + 6)(a − 2)
f(a) = (6−a)²(a+6)(a−2) とおくと、これを最大化する。
計算を進めると、a = 3 のとき最大となり、このとき b = 3。
a = 3, b = 3 のとき S は最大値 (9√3)/4 をとる
【練習問題2】数列・漸化式
問題:
数列 {aₙ} を a₁ = 1, aₙ₊₁ = 2aₙ + 3 により定める。
(1) bₙ = aₙ + 3 とおくとき、{bₙ} の一般項を求めよ。
(2) {aₙ} の一般項を求めよ。
(3) Σ(k=1 to n) aₖ を求めよ。
【解答・解説】
(1) の解答:
aₙ₊₁ = 2aₙ + 3 の両辺に 3 を加えると:
aₙ₊₁ + 3 = 2aₙ + 6 = 2(aₙ + 3)
よって bₙ₊₁ = 2bₙ
b₁ = a₁ + 3 = 1 + 3 = 4
bₙ = 4 × 2^(n−1) = 2^(n+1)
(2) の解答:
aₙ = bₙ − 3 = 2^(n+1) − 3
aₙ = 2^(n+1) − 3
(3) の解答:
Σaₖ = Σ(2^(k+1) − 3) = Σ2^(k+1) − 3n
= (2² + 2³ + ... + 2^(n+1)) − 3n
= 4(2ⁿ − 1)/(2 − 1) − 3n
= 4(2ⁿ − 1) − 3n
Σ(k=1 to n) aₖ = 2^(n+2) − 4 − 3n
【練習問題3】微分・積分
問題:
放物線 C:y = x² − 2x と直線 L:y = mx について、以下の問いに答えよ。
(1) C と L が異なる2点で交わるための m の条件を求めよ。
(2) (1) の条件のもとで、C と L で囲まれた部分の面積 S を m を用いて表せ。
(3) S = 9/2 となる m の値を求めよ。
【解答・解説】
(1) の解答:
x² − 2x = mx より x² − (m + 2)x = 0、x(x − (m + 2)) = 0
解は x = 0 と x = m + 2
異なる2点で交わる条件:m + 2 ≠ 0、つまり m ≠ −2
(2) の解答:
交点の x 座標は 0 と m + 2
m > −2 のとき(0 < m + 2):
S = ∫₀^(m+2) |mx − (x² − 2x)| dx = ∫₀^(m+2) |(m + 2)x − x²| dx
= ∫₀^(m+2) (−x² + (m+2)x) dx(0 ≤ x ≤ m+2 で被積分関数 ≥ 0)
= [−x³/3 + (m+2)x²/2]₀^(m+2)
= −(m+2)³/3 + (m+2)³/2
= (m+2)³(−1/3 + 1/2) = (m+2)³/6
m < −2 のときも同様に計算すると:
S = |m + 2|³/6
(3) の解答:
|m + 2|³/6 = 9/2
|m + 2|³ = 27
|m + 2| = 3
m + 2 = ±3
m = 1 または m = −5
日本数学塾・数強塾で岡山大学合格を目指そう
いかがでしたでしょうか?岡山大学の数学は、基礎をしっかり固めた上で、確実に計算をこなす力が求められます。今回解説した2019年度の問題も、特別な発想が必要というよりは、基本公式を正しく使いこなせるかが問われる問題ばかりでした。
岡山大学合格に向けた学習のポイント
✅ 教科書レベルの基本事項を完璧に
定理・公式は「なぜそうなるのか」まで理解することで、応用問題にも対応できるようになります。
✅ 計算ミスをなくす練習を
岡山大学の数学は時間内に全問解き切ることが十分可能です。計算ミスで点を落とすのは非常にもったいない!日頃から計算過程を丁寧に書く習慣をつけましょう。
✅ 過去問で出題傾向を把握
岡山大学は出題傾向が比較的安定しています。過去問を繰り返し解くことで、頻出分野や問題形式に慣れることができます。
✅ 時間配分の練習を
120分で4問という構成は、1問あたり30分が目安です。難しい問題に時間をかけすぎず、解ける問題から確実に得点していく戦略を身につけましょう。
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まとめ
今回は、岡山大学 2019年度 前期日程 数学の全問題を詳しく解説しました。
📝 2019年度の出題まとめ
| 大問 | テーマ | 難易度 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 第1問 | 二等辺三角形の内接円・外接円 | ★★☆☆☆ | 公式の正確な運用、最大値問題 |
| 第2問 | 分数型漸化式 | ★★★☆☆ | 地道な計算、周期性の発見 |
| 第3問 | 3次関数と接線・面積 | ★★★☆☆ | 接線の方程式、積分計算 |
| 第4問 | 放物線と直線 | ★★★☆☆ | 判別式、軌跡、面積公式 |
岡山大学の数学は、奇問・難問が少なく、基礎力と計算力がしっかりしていれば高得点が狙える試験です。逆に言えば、ライバルも得点してくる可能性が高いため、ケアレスミスは絶対に避けたいところです。
合格に向けてのアドバイス
- 基本に忠実に:教科書の例題・章末問題レベルを完璧にする
- 計算力を磨く:毎日少しずつでも計算練習を継続する
- 過去問演習:最低5年分、できれば10年分を解く
- 時間管理:本番形式の演習で時間配分を体得する
- 復習を徹底:間違えた問題は必ず解き直し、同じミスを繰り返さない
岡山大学は、中国・四国地方を代表する名門国立大学です。医学部・薬学部・理工系学部など、将来の選択肢を大きく広げてくれる素晴らしい大学です。皆さんの合格を心より応援しています!
日本数学塾・数強塾 講師
藤原進之介
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