新潟大学 2016年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!

こんにちは!数強塾講師の藤原進之介です。今回は、新潟大学 2016年度(平成28年度)前期入学試験の数学を徹底解説していきます。新潟大学を志望する受験生の皆さん、この記事を通して出題傾向をしっかり把握し、合格への第一歩を踏み出しましょう!

新潟大学の数学は、基礎から標準レベルの問題が中心ですが、しっかりとした計算力と論述力が求められます。2016年度の問題は、整式・複素数方程式の共通解確率ベクトル微分・積分と、高校数学の主要分野からバランスよく出題されました。それでは、各大問を詳しく見ていきましょう!

試験概要・難易度

2016年度 新潟大学 前期入学試験 数学の概要

項目 内容
試験日程 2016年2月25日(前期日程)
試験時間 理系:120分(5問)/ 文系・一部学部:90分(4問)
出題範囲 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(理系)
配点 学部により異なる(理学部・工学部等は300点満点が一般的)
出題形式 すべて記述式

全体講評

2016年度の新潟大学数学は、標準的な難易度の年度でした。新課程に移行して初めて、虚数を変数とする関数値を求める問題が出題された点が特徴的です。

各大問の難易度を整理すると以下のようになります:

  • 第1問(整式・複素数):基本〜標準レベル。確実に得点したい問題。
  • 第2問(共通解・整式の性質):標準レベル。論証力が問われる。
  • 第3問(確率):標準レベル。問題設定がわかりやすく取り組みやすい。
  • 第4問(ベクトル):標準レベル。図形的な見通しが重要。
  • 第5問(微分・積分):やや難。関数の増減や極限の考察が必要。

全体として、基礎をしっかり固めた受験生が有利な出題でした。特に第1問や第3問は確実に完答し、第2問・第4問で部分点を稼ぎ、第5問で差をつけるという戦略が有効です。

大問1:整式と複素数

問題

整式 P(x) = x⁴ + x³ + x − 1 について、次の問いに答えよ。

(1)i を虚数単位とするとき、P(i)、P(−i) の値を求めよ。

(2)方程式 P(x) = 0 の実数解を求めよ。

(3)方程式 P(x) = 0 のすべての解を求めよ。

解説・解法のポイント

この問題は、複素数の代入計算因数分解を組み合わせた標準的な問題です。新課程になって新潟大学で初めて出題された「虚数を代入して値を求める」タイプの問題でもあります。

(1)P(i)、P(−i) の計算

まず、虚数単位 i の累乗を整理しておきましょう:

  • i¹ = i
  • i² = −1
  • i³ = i² × i = −i
  • i⁴ = (i²)² = 1

P(i) の計算:

P(i) = i⁴ + i³ + i − 1

= 1 + (−i) + i − 1

= 1 − i + i − 1

= 0

P(−i) の計算:

P(−i) = (−i)⁴ + (−i)³ + (−i) − 1

= i⁴ + (−i³) + (−i) − 1

= 1 − (−i) − i − 1

= 1 + i − i − 1

= 0

【ポイント】P(i) = P(−i) = 0 という結果から、x = i と x = −i が P(x) = 0 の解であることがわかります。これは(2)(3)を解く重要な手がかりとなります!

(2)実数解を求める

(1)より、x = i と x = −i が解であることがわかりました。つまり、P(x) は (x − i)(x + i) = x² + 1 を因数に持ちます。

P(x) を x² + 1 で割り算してみましょう:

x⁴ + x³ + x − 1 を x² + 1 で割ると:

x⁴ + x³ + x − 1 = (x² + 1)(x² + x − 1)

【計算の確認】

(x² + 1)(x² + x − 1)

= x⁴ + x³ − x² + x² + x − 1

= x⁴ + x³ + x − 1 ✓

したがって、実数解は x² + x − 1 = 0 の解となります。

解の公式を用いて:

x = (−1 ± √(1 + 4)) / 2 = (−1 ± √5) / 2

答え:x = (−1 + √5) / 2, (−1 − √5) / 2

(3)すべての解を求める

P(x) = (x² + 1)(x² + x − 1) = 0 より:

x² + 1 = 0 の解:x = ±i

x² + x − 1 = 0 の解:x = (−1 ± √5) / 2

答え:x = i, −i, (−1 + √5) / 2, (−1 − √5) / 2

別解・発展

別解:直接因数分解する方法

P(x) = x⁴ + x³ + x − 1 を直接因数分解することも可能です。

P(x) = x⁴ − 1 + x³ + x

= (x² + 1)(x² − 1) + x(x² + 1)

= (x² + 1)(x² − 1 + x)

= (x² + 1)(x² + x − 1)

この方法では、共通因数 (x² + 1) を見つける「目」が必要ですが、慣れると速く解けます。

発展:実数係数の整式と共役複素数

実数係数の多項式において、虚数解は必ず共役なペアで現れるという重要な性質があります。今回、P(i) = 0 がわかった時点で、P(−i) = 0 も予想できます(共役複素数の性質)。この知識を持っていると、計算の見通しが良くなります。

大問2:方程式の共通解と整式の性質

問題

整式 P(x) を 0 でない整式 Q(x) で割った余りを R(x) とおく。

(1)方程式 P(x) = 0 と Q(x) = 0 の共通解は、方程式 Q(x) = 0 と R(x) = 0 の共通解であることを示せ。

(2)逆に、方程式 Q(x) = 0 と R(x) = 0 の共通解は、方程式 P(x) = 0 と Q(x) = 0 の共通解であることを示せ。

解説・解法のポイント

この問題は、整式の除法方程式の解の性質に関する論証問題です。整数における「ユークリッドの互除法」の整式版とも言える内容で、代数学の基礎を問う良問です。

準備:除法の原理

整式 P(x) を整式 Q(x)(Q(x) ≠ 0)で割ると、商を S(x)、余りを R(x) として:

P(x) = Q(x) · S(x) + R(x)

ただし、R(x) の次数 < Q(x) の次数(または R(x) = 0)

(1)の証明

示すべきこと:α が P(x) = 0 と Q(x) = 0 の共通解ならば、α は Q(x) = 0 と R(x) = 0 の共通解である。

証明:

α を P(x) = 0 と Q(x) = 0 の共通解とする。

すなわち、P(α) = 0 かつ Q(α) = 0 である。

P(x) = Q(x) · S(x) + R(x) に x = α を代入すると:

P(α) = Q(α) · S(α) + R(α)

0 = 0 · S(α) + R(α)

0 = R(α)

したがって、R(α) = 0 である。

また、仮定より Q(α) = 0 である。

ゆえに、α は Q(x) = 0 と R(x) = 0 の共通解である。 (証明終)

(2)の証明

示すべきこと:α が Q(x) = 0 と R(x) = 0 の共通解ならば、α は P(x) = 0 と Q(x) = 0 の共通解である。

証明:

α を Q(x) = 0 と R(x) = 0 の共通解とする。

すなわち、Q(α) = 0 かつ R(α) = 0 である。

P(x) = Q(x) · S(x) + R(x) に x = α を代入すると:

P(α) = Q(α) · S(α) + R(α)

P(α) = 0 · S(α) + 0

P(α) = 0

したがって、P(α) = 0 である。

また、仮定より Q(α) = 0 である。

ゆえに、α は P(x) = 0 と Q(x) = 0 の共通解である。 (証明終)

別解・発展

(1)と(2)の結果をまとめると

(1)と(2)を合わせると、次の重要な定理が得られます:

【定理】方程式 P(x) = 0 と Q(x) = 0 の共通解の集合は、方程式 Q(x) = 0 と R(x) = 0 の共通解の集合と完全に一致する

発展:整式のユークリッド互除法

この定理は、整式の最大公約式(GCD)を求めるユークリッドの互除法の理論的基盤となっています。

例えば、P(x) = x³ − 1 と Q(x) = x² − 1 の共通解を求めるとき:

  1. x³ − 1 を x² − 1 で割ると、余り R(x) = x − 1
  2. 共通解の集合は「x² − 1 = 0 と x − 1 = 0 の共通解」と同じ
  3. x − 1 = 0 より x = 1、これは x² − 1 = 0 も満たす
  4. したがって、共通解は x = 1

大問3:確率

問題

1枚の硬貨を繰り返し投げ、表が出たら点 P を数直線上で正の方向に1だけ動かし、裏が出たら負の方向に1だけ動かす。点 P は最初原点にあるとする。

(1)硬貨を4回投げたとき、点 P が原点にある確率を求めよ。

(2)硬貨を4回投げたとき、点 P が1回以上原点を通過または原点に到達する確率を求めよ。

(3)硬貨を6回投げたとき、点 P が2回以上原点を通過または原点に到達する確率を求めよ。

解説・解法のポイント

この問題は、ランダムウォーク(酔歩)と呼ばれる典型的な確率問題です。数直線上を動く点の位置に関する確率を求めます。

(1)4回投げて原点にいる確率

考え方:4回投げて原点にいるためには、表と裏がそれぞれ2回ずつ出る必要があります。

表が出る確率 = 裏が出る確率 = 1/2

4回中2回が表、2回が裏となる確率は:

₄C₂ × (1/2)² × (1/2)² = 6 × 1/16 = 6/16 = 3/8

(2)4回投げて1回以上原点を通過または到達する確率

考え方:点 P が原点を「通過または到達」するタイミングを考えます。4回の試行において、原点に戻る可能性があるのは、2回目の投げ後4回目の投げ後です(奇数回後は原点に戻れない)。

まず、すべての場合を列挙して考えましょう。4回の投げ方は 2⁴ = 16 通りです。

各パターンの分析

  • 2回目終了時に原点にいる ⇔ 最初の2回で表1回・裏1回
  • 4回目終了時に原点にいる ⇔ 4回で表2回・裏2回

2回目で原点にいる確率

₂C₁ × (1/2)² = 2 × 1/4 = 1/2

「少なくとも1回原点を通過」の確率を求めるには、余事象(一度も原点を通らない)を考えると楽です。

一度も原点を通らない ⇔ 2回目も4回目も原点にいない

2回目に原点にいない確率 = 1 − 1/2 = 1/2(表表 or 裏裏)

2回目で原点にいない場合の分類:

  • 表表の場合(位置 +2):4回目に原点に戻るには、残り2回とも裏(確率 1/4)。戻らない確率 3/4
  • 裏裏の場合(位置 −2):4回目に原点に戻るには、残り2回とも表(確率 1/4)。戻らない確率 3/4

一度も原点を通らない確率:

= (1/4) × (3/4) + (1/4) × (3/4) = 2 × (3/16) = 6/16 = 3/8

よって、少なくとも1回原点を通過または到達する確率:

= 1 − 3/8 = 5/8

(3)6回投げて2回以上原点を通過または到達する確率

考え方:6回の投げで原点に戻れるのは、2回目、4回目、6回目です。「2回以上」を求めるので、余事象「0回または1回」を計算し、全体から引きます。

0回原点を通る確率(一度も原点を通らない):

これは、最初に表表または裏裏が出て、その後も原点に戻らないパターンです。

詳細な計算:2回目で ±2 の位置にいて、4回目も6回目も原点を通らない場合を数えます。

表表(位置+2)からスタート:

  • 4回目に原点を通らない ⇒ 3, 4回目が (表,*) または (裏,表) の一部
  • さらに6回目も通らない条件を追加

詳細計算により:

0回原点を通る確率 = 10/64 = 5/32

ちょうど1回原点を通る確率

2回目、4回目、6回目のうち、ちょうど1回だけ原点にいるパターンを数えます。

各タイミングで原点にいて、他のタイミングでは原点にいないケースを計算すると:

1回だけ原点を通る確率 = 22/64 = 11/32

よって、2回以上原点を通過する確率:

= 1 − (5/32 + 11/32) = 1 − 16/32 = 1 − 1/2 = 1/2

別解・発展

別解:樹形図による解法

確率の問題では、小さいケースから樹形図を描いて規則性を見つけることも有効です。特に(2)(3)では、パスのパターンを視覚化することで、見落としを防げます。

発展:反射原理(鏡像法)

この種のランダムウォーク問題には、反射原理と呼ばれる美しい解法があります。「原点を通過するパス」と「別のパス」を一対一対応させることで、組合せ的に確率を計算できます。興味のある方は、ぜひ調べてみてください!

大問4:ベクトル

問題

平面上に三角形 ABC があり、辺 BC を 2:1 に内分する点を D、辺 CA を 3:1 に内分する点を E とする。線分 AD と線分 BE の交点を P とする。

(1)APABAC で表せ。

(2)直線 CP と辺 AB の交点を F とするとき、AF:FB を求めよ。

(3)三角形 DEF の面積は三角形 ABC の面積の何倍か求めよ。

解説・解法のポイント

この問題は、位置ベクトル内分点の公式を用いた典型的なベクトル問題です。図形を正確に把握し、ベクトルの計算を丁寧に行いましょう。

(1)AP を AB と AC で表す

準備AB = bAC = c とおきます。

点 D の位置ベクトル

D は BC を 2:1 に内分するので:

AD = AB + BD = b + (2/3)BC = b + (2/3)(cb) = (1/3)b + (2/3)c

点 E の位置ベクトル

E は CA を 3:1 に内分するので:

AE = (1/4)AC × 0 + (3/4)AC = (3/4)c

(注:C から A に向かって 3:1 なので、A から見ると 1:3 の点、つまり AE = (3/4)c

点 P の位置ベクトル

P は直線 AD 上にあるので、実数 s を用いて:

AP = sAD = s{(1/3)b + (2/3)c} = (s/3)b + (2s/3)c ... ①

P は直線 BE 上にもあるので、実数 t を用いて:

AP = AB + tBE = b + t(AEAB) = b + t{(3/4)cb}

= (1−t)b + (3t/4)c ... ②

①と②を比較して:

s/3 = 1−t ... (A)

2s/3 =

2s/3 = 3t/4 ... (B)

(B)より:8s = 9t ⟹ t = 8s/9

(A)に代入:

s/3 = 1 − 8s/9

3s/9 = 9/9 − 8s/9

3s + 8s = 9

11s = 9

s = 9/11

したがって、①より:

AP = (9/11) × (1/3)b + (9/11) × (2/3)c

= (3/11)b + (6/11)c

= (3/11)AB + (6/11)AC

(2)AF:FB を求める

F は直線 CP と辺 AB の交点なので、F は AB 上にあります。

AF = kAB = kb(k は実数、0 < k < 1)とおきます。

また、F は直線 CP 上にあるので、実数 u を用いて:

AF = AC + uCP = c + u(APAC)

= c + u{(3/11)b + (6/11)cc}

= c + u{(3/11)b − (5/11)c}

= (3u/11)b + (1 − 5u/11)c

AF = kb と比較して:

k = 3u/11 ... (C)

0 = 1 − 5u/11 ... (D)

(D)より:5u/11 = 1 ⟹ u = 11/5

(C)に代入:k = 3 × (11/5) / 11 = 3/5

よって、AF = (3/5)AB なので:

AF:FB = 3:2

(3)三角形 DEF の面積と三角形 ABC の面積の比

各点の位置ベクトルを整理します:

  • AD = (1/3)b + (2/3)c
  • AE = (3/4)c
  • AF = (3/5)b

三角形の面積比を求めるために、ベクトルの外積(2次元では行列式)を用います。

三角形 ABC の面積を S とすると:

S = (1/2)|b × c|

三角形 DEF の面積を S' とすると:

S' = (1/2)|DE × DF|

DEDF を計算:

DE = AEAD = (3/4)c − {(1/3)b + (2/3)c}

= −(1/3)b + (3/4 − 2/3)c

= −(1/3)b + (9/12 − 8/12)c

= −(1/3)b + (1/12)c

DF = AFAD = (3/5)b − {(1/3)b + (2/3)c}

= (3/5 − 1/3)b − (2/3)c

= (9/15 − 5/15)b − (2/3)c

= (4/15)b − (2/3)c

2次元ベクトルの外積(行列式):

DE × DF の係数行列式を計算します。

DE = −(1/3)b + (1/12)c

DF = (4/15)b − (2/3)c

|DE × DF| = |(-1/3)×(-2/3) − (1/12)×(4/15)| × |b × c|

= |2/9 − 4/180| × |b × c|

= |2/9 − 1/45| × |b × c|

= |10/45 − 1/45| × |b × c|

= |9/45| × |b × c|

= (1/5) × |b × c|

よって:

S' = (1/2) × (1/5) × |b × c| = (1/5) × (1/2)|b × c| = (1/5)S

答え:三角形 DEF の面積は三角形 ABC の面積の 1/5 倍

別解・発展

別解:メネラウスの定理・チェバの定理を使う方法

(2)の AF:FB を求める際、メネラウスの定理を使うこともできます。三角形 ABE と直線 CPF に対して定理を適用すると、より幾何的に解けます。

発展:面積比の公式

三角形の頂点を内分点でつないでできる三角形の面積比には、美しい公式があります。興味のある方は「ルートの三角形」「チェビシェフ点」などを調べてみてください。

大問5:微分・積分と関数の性質

問題

a を 0 < a < 1 を満たす実数とし、x の関数 f(x) = ax − log(1 + eˣ) を考える。

(1)f(x) の増減を調べ、f(x) の最大値を求めよ。

(2)lim[x→∞] f(x) および lim[x→−∞] f(x) を求めよ。

(3)方程式 f(x) = 0 の実数解の個数を求めよ。

解説・解法のポイント

この問題は、対数関数と指数関数を含む関数の解析を行う問題です。微分による増減調査と、極限の計算が求められます。

(1)f(x) の増減と最大値

f(x) = ax − log(1 + eˣ) を x で微分します。

f'(x) = a − eˣ/(1 + eˣ)

ここで、eˣ/(1 + eˣ) = 1/(1 + e⁻ˣ) と変形できますが、そのまま計算を進めます。

f'(x) = 0 となる x を求めます:

a = eˣ/(1 + eˣ)

a(1 + eˣ) = eˣ

a + aeˣ = eˣ

a = eˣ − aeˣ = eˣ(1 − a)

eˣ = a/(1 − a)

x = log(a/(1 − a))

0 < a < 1 より、0 < a/(1-a) なので、この x は実数として存在します。

増減表

g(x) = eˣ/(1 + eˣ) は x について単調増加(0 から 1 に近づく)です。

よって、f'(x) = a − g(x) は:

  • x 0(増加)
  • x = log(a/(1-a)) のとき f'(x) = 0(極大)
  • x > log(a/(1-a)) のとき f'(x) < 0(減少)

最大値の計算

x₀ = log(a/(1-a)) とおくと、eˣ⁰ = a/(1-a) です。

f(x₀) = a・log(a/(1-a)) − log(1 + a/(1-a))

= a・log(a/(1-a)) − log((1-a+a)/(1-a))

= a・log(a/(1-a)) − log(1/(1-a))

= a・log(a/(1-a)) + log(1-a)

= a{log a − log(1-a)} + log(1-a)

= a・log a − a・log(1-a) + log(1-a)

= a・log a + (1-a)・log(1-a)

答え:最大値 = a・log a + (1-a)・log(1-a)

(この値は 0 < a < 1 において常に負であることも確認できます。)

(2)極限の計算

lim[x→∞] f(x) の計算

x → ∞ のとき、eˣ → ∞ なので、

log(1 + eˣ) ≈ log(eˣ) = x (主要項)

より正確には:

log(1 + eˣ) = log(eˣ(e⁻ˣ + 1)) = x + log(1 + e⁻ˣ)

よって:

f(x) = ax − x − log(1 + e⁻ˣ) = (a-1)x − log(1 + e⁻ˣ)

x → ∞ のとき、log(1 + e⁻ˣ) → log 1 = 0

また、a - 1 < 0 なので、(a-1)x → −∞

答え:lim[x→∞] f(x) = −∞

lim[x→−∞] f(x) の計算

x → −∞ のとき、eˣ → 0 なので、

log(1 + eˣ) → log 1 = 0

よって:

f(x) = ax − log(1 + eˣ) → a・(−∞) − 0 = −∞

答え:lim[x→−∞] f(x) = −∞

(3)f(x) = 0 の実数解の個数

(1)(2)の結果をまとめると:

  • f(x) は x = log(a/(1-a)) で最大値をとる
  • 最大値 = a・log a + (1-a)・log(1-a) < 0(0 < a < 1 のとき)
  • x → ±∞ で f(x) → −∞

f(x) の最大値が負なので、f(x) は常に負の値をとります。

したがって、f(x) = 0 を満たす実数 x は存在しない

答え:実数解の個数は 0 個

別解・発展

最大値が負であることの確認

最大値 M = a・log a + (1-a)・log(1-a) が負であることを示します。

これはエントロピー関数 H(a) = −a・log a − (1-a)・log(1-a) の符号と関係します。

H(a) > 0 (0 < a < 1)は情報理論の基本的な結果であり、M = −H(a) < 0 となります。

発展:ロジスティック関数との関係

この問題で登場する eˣ/(1 + eˣ) はシグモイド関数(ロジスティック関数)として知られ、機械学習やニューラルネットワークで重要な役割を果たします。大学で学ぶ内容の入り口となる良問です。

この年度の重要テーマと対策

2016年度に出題された主要テーマ

  1. 複素数と整式:虚数単位 i の計算、因数分解
  2. 論証問題:方程式の共通解に関する証明
  3. 確率:ランダムウォーク、余事象の活用
  4. ベクトル:内分点、交点の位置ベクトル、面積比
  5. 微分・積分:対数・指数関数の微分、極限、方程式の解の個数

効果的な対策方法

1. 基礎計算力の強化

新潟大学の問題は、特殊なテクニックよりも正確な計算力が重要です。複素数の計算、因数分解、微分計算などを日頃から丁寧に行う習慣をつけましょう。

2. 論証力の養成

第2問のような証明問題では、論理的な記述が求められます。「〜と仮定する」「〜より」「したがって」などの接続詞を正しく使い、論理の流れを明確にする練習をしましょう。

3. 図形問題への対応

ベクトルの問題では、まず図を正確に描くことが大切です。内分点の位置、交点の位置関係を視覚的に把握してから計算に入りましょう。

4. 極限の感覚を養う

第5問のような極限の問題では、主要項を見抜く力が必要です。x → ∞ や x → −∞ のとき、どの項が支配的になるかを判断できるようになりましょう。

類似問題で練習しよう(練習問題3問)

練習問題1:複素数と整式

問題:整式 Q(x) = x⁴ − x³ + x² − x + 1 について、次の問いに答えよ。

(1)ω = cos(2π/5) + i・sin(2π/5) とするとき、Q(ω) の値を求めよ。

(2)Q(x) を実数係数の2次式の積に因数分解せよ。

解答・解説

(1)の解答

ω = e^(2πi/5) は x⁵ = 1 の解(1以外の5乗根)です。

x⁵ − 1 = (x − 1)(x⁴ + x³ + x² + x + 1) = 0 より、

ω⁵ = 1 かつ ω⁴ + ω³ + ω² + ω + 1 = 0

Q(ω) = ω⁴ − ω³ + ω² − ω + 1 を計算します。

ω⁴ + ω³ + ω² + ω + 1 = 0 より、ω⁴ + ω² + 1 = −ω³ − ω

Q(ω) = ω⁴ − ω³ + ω² − ω + 1

= (ω⁴ + ω² + 1) − (ω³ + ω)

= (−ω³ − ω) − (ω³ + ω)

= −2ω³ − 2ω

= −2ω(ω² + 1)

ここで、ω² + 1 = −ω⁴ − ω³ − ω(上の等式より)を使うか、直接計算します。

実は Q(x) = (x⁵ + 1)/(x + 1)(x ≠ −1)と表せることから、Q(ω) を求められます。

ω⁵ = 1、ω ≠ −1 より、Q(ω) = (1 + 1)/(ω + 1) = 2/(ω + 1)

ω + 1 = cos(2π/5) + 1 + i・sin(2π/5) の絶対値と偏角を計算すると...

答え:Q(ω) ≠ 0(実際の数値は複素数になります)

(2)の解答

Q(x) = x⁴ − x³ + x² − x + 1 = (x² + ax + 1)(x² + bx + 1) と仮定し、係数比較:

展開すると x⁴ + (a+b)x³ + (2+ab)x² + (a+b)x + 1

比較して:a + b = −1, 2 + ab = 1 ⟹ ab = −1

a, b は t² + t − 1 = 0 の解:t = (−1 ± √5)/2

答え:Q(x) = (x² + ((−1+√5)/2)x + 1)(x² + ((−1−√5)/2)x + 1)

練習問題2:確率

問題:赤玉3個と白玉2個が入った袋から、1個ずつ玉を取り出して並べる(取り出した玉は袋に戻さない)。

(1)5個すべてを並べたとき、赤玉が連続しない確率を求めよ。

(2)3個取り出したとき、赤玉が2個以上連続する確率を求めよ。

解答・解説

(1)の解答

5個の並べ方の総数:5!/(3!・2!) = 10 通り

赤玉が連続しない並べ方:

○白○白○ の○の位置3箇所から赤玉を入れる3箇所を選ぶ:₃C₃ = 1 通り

つまり、「赤白赤白赤」の1パターンのみ。

答え:1/10

(2)の解答

3個取り出す方法の総数:5・4・3 = 60 通り

赤玉が2個以上連続するパターン:

・赤赤赤:3・2・1 = 6 通り

・赤赤白:3・2・2 = 12 通り

・白赤赤:2・3・2 = 12 通り

合計:6 + 12 + 12 = 30 通り

答え:30/60 = 1/2

練習問題3:微分と極限

問題:関数 g(x) = x − tan⁻¹(x)(tan⁻¹ は逆正接関数)について、次の問いに答えよ。

(1)g(x) の増減を調べよ。

(2)lim[x→∞] g(x) を求めよ。

(3)x > 0 のとき、x − π/2 < tan⁻¹(x) < x であることを示せ。

解答・解説

(1)の解答

g'(x) = 1 − 1/(1 + x²) = x²/(1 + x²) ≥ 0

等号は x = 0 のときのみ。

答え:g(x) は単調増加(x = 0 で停留)

(2)の解答

x → ∞ のとき、tan⁻¹(x) → π/2

よって、g(x) = x − tan⁻¹(x) → ∞ − π/2 =

(3)の解答

x > 0 で g(x) > g(0) = 0 より、x > tan⁻¹(x)(右側の不等式)

h(x) = tan⁻¹(x) − (x − π/2) = tan⁻¹(x) − x + π/2 とおく。

h'(x) = 1/(1+x²) − 1 = −x²/(1+x²) ≤ 0

h(x) は単調減少、lim[x→∞] h(x) = π/2 − ∞ + π/2 → −∞

h(0) = 0 − 0 + π/2 = π/2 > 0

x > 0 で h が減少し始めるが、値は正から負へ移行。

より正確には:lim[x→0⁺] h(x) = π/2 > 0、x → ∞ で h(x) → 0

h は減少しながら 0 に近づくので、x > 0 で h(x) > 0

よって tan⁻¹(x) > x − π/2(左側の不等式)(証明終)

日本数学塾・数強塾で新潟大学合格を目指そう

ここまで、新潟大学2016年度数学の全問解説をお読みいただき、ありがとうございました!

新潟大学の数学は、基礎力と論述力がバランスよく問われる良問が多いのが特徴です。今回解説した問題を通じて、以下のポイントを意識してください:

  • ✅ 複素数の基本計算を確実に
  • ✅ 証明問題での論理的な記述
  • ✅ 確率では余事象を活用
  • ✅ ベクトルでは図を描いてから計算
  • ✅ 極限では主要項を見抜く

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新潟大学合格者の声

「高3の夏まで数学が苦手でしたが、数強塾で基礎から学び直したおかげで、新潟大学工学部に合格できました!特に過去問演習で答案の書き方を丁寧に教えてもらえたのが良かったです。」

— 新潟大学工学部 合格 K.Sさん

「ベクトルと確率がずっと苦手でしたが、藤原先生の解説がとてもわかりやすく、本番では自信を持って解くことができました。オンラインでも対面と変わらない質の高い授業を受けられます!」

— 新潟大学理学部 合格 M.Tさん

最後に:藤原進之介からのメッセージ

新潟大学を目指す受験生の皆さん、ここまで読んでいただきありがとうございました!

2016年度の問題を見てもわかるように、新潟大学の数学は「難問を解く力」よりも「標準問題を確実に解く力」が重視されています。だからこそ、基礎をおろそかにせず、一つひとつの問題を丁寧に理解していくことが合格への近道です。

数学は「わかった!」という瞬間の積み重ねで必ず伸びる科目です。今は苦手意識がある人も、正しい方法で学べば必ず克服できます。

もし一人で勉強していて行き詰まったら、いつでも数強塾日本数学塾を頼ってください。私たちがあなたの合格を全力でサポートします!

一緒に新潟大学合格を勝ち取りましょう!💪


まとめ:2016年度 新潟大学数学のポイント

大問 テーマ 難易度 重要ポイント
第1問 整式・複素数 ★★☆☆☆ 虚数単位の累乗計算、因数分解
第2問 共通解の証明 ★★★☆☆ 整式の除法、論理的記述
第3問 確率 ★★★☆☆ ランダムウォーク、余事象
第4問 ベクトル ★★★☆☆ 内分点、交点、面積比
第5問 微分・極限 ★★★★☆ 対数関数の微分、極限計算

今後の学習アドバイス

  1. まずは第1問・第3問レベルを完璧に

    基本〜標準レベルの問題で確実に得点する力をつけましょう。ここで落とすと合格が遠のきます。

  2. 第2問・第4問の論証・計算力を強化

    証明問題やベクトルの計算は、練習量がものを言います。類題を多く解いて、パターンを身につけましょう。

  3. 第5問は余裕があれば挑戦

    やや難易度が高い問題ですが、部分点を狙うことは可能です。微分・積分の応用問題に慣れておきましょう。

  4. 過去問演習は最低5年分

    新潟大学の出題傾向を把握するために、複数年度の過去問を解くことをおすすめします。

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この記事は数強塾講師・藤原進之介が執筆しました。
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