名古屋大学 2015年度 数学 過去問解説|藤原先生と一緒に攻略しよう!
今回は名古屋大学 2015年度(平成27年度)前期日程の数学を徹底解説していきます!名古屋大学(名大)は旧帝大の一つとして、毎年質の高い良問が出題されることで知られています。2015年度も例外ではなく、複数分野の知識を問う融合問題や、計算力・論証力を試す問題がバランスよく出題されました。
受験生の皆さんが「どこで差がつくのか」「どんな力を身につければよいのか」を明確にしながら、一問一問丁寧に解説していきます。ぜひ最後までお付き合いください!
試験概要・難易度
試験形式と配点
| 項目 | 理系 | 文系 |
|---|---|---|
| 試験時間 | 150分 | 90分 |
| 大問数 | 4題 | 3題 |
| 配点(工学部の場合) | 500点 | — |
| 出題範囲 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B | 数学Ⅰ・Ⅱ・A・B |
2015年度の全体講評
2015年度の名古屋大学理系数学は、標準〜やや難の難易度でした。例年通り、単なる計算問題ではなく、複数の分野にまたがる融合問題や、論証を求める問題が出題されています。
出題分野一覧:
- 第1問:図形と方程式(円と接線、軌跡)
- 第2問:確率と漸化式(数直線上のランダムウォーク)【文理共通】
- 第3問:微分積分(指数関数の接線と面積)
- 第4問:指数関数と整数(方程式 2x = x2 の解)
KATSUYAさんの分析によると、標準解答時間は約145分で、時間的にはやや厳しめのセットでした。特に第4問は有名な題材ですが、論証に差がついた問題とされています。また、第2問の確率漸化式は文理共通問題で、確率分野の基礎力が問われました。
難易度ランキング(藤原の見解)
- 第1問:★★★☆☆(標準)— 接線の処理と座標計算
- 第2問:★★★☆☆(標準)— 確率漸化式の典型問題
- 第3問:★★★★☆(やや難)— 計算量が多く労力がかかる
- 第4問:★★★★☆(やや難)— 有名題材だが論証力が必要
それでは、各大問を詳しく見ていきましょう!
大問1:円と接線の交点(図形と方程式)
問題
座標平面上の円 C:x2 + (y − 1)2 = 1 と、x軸上の2点 P(−a, 0)、Q(b, 0) を考える。ただし、a > 0、b > 0、ab ≠ 1 とする。
点P、Qのそれぞれから円Cにx軸とは異なる接線を引き、その2つの接線の交点をRとする。このとき、次の問に答えよ。
(1) 点Rの座標を a, b を用いて表せ。
(2) a + b = 4 のとき、点Rの軌跡を求めよ。
(3) 点Rが直線 y = 2 上にあるとき、点Rの軌跡を求めよ。
解説・解法のポイント
【ポイント1】円の接線の方程式を立てる
まず、円 C:x2 + (y − 1)2 = 1 は、中心が (0, 1)、半径が 1 の円です。
点P(−a, 0) から円Cへの接線を考えます。接線の方程式を y = m(x + a) とおくと、この直線と円の中心 (0, 1) との距離が半径 1 に等しいという条件から:
|ma − 1| / √(m2 + 1) = 1
これを解くと:
(ma − 1)2 = m2 + 1
m2a2 − 2ma + 1 = m2 + 1
m2(a2 − 1) = 2ma
m(a2 − 1) = 2a (m ≠ 0 より)
m = 2a / (a2 − 1)
したがって、点Pからの接線は:
y = (2a / (a2 − 1))(x + a)
同様に、点Q(b, 0) からの接線は:
y = (2b / (b2 − 1))(x − b)
【ポイント2】交点Rの座標を求める
2つの接線の交点Rの座標を求めるため、連立方程式を解きます。
計算を進めると、点Rの座標は:
R = ((a − b) / (ab − 1), 2ab / (ab − 1))
ただし、ab ≠ 1 という条件があるので、分母が0になることはありません。
【ポイント3】(2) a + b = 4 のときの軌跡
Rのx座標を X、y座標を Y とおくと:
X = (a − b) / (ab − 1)、Y = 2ab / (ab − 1)
ここで、a + b = 4 を利用します。ab = t とおくと、a, b は x2 − 4x + t = 0 の解です。
a > 0, b > 0 より、t > 0 かつ t ≠ 1 です。また、判別式 D = 16 − 4t > 0 より t < 4。
a − b = ±√(16 − 4t) = ±2√(4 − t) より:
X = ±2√(4 − t) / (t − 1)、Y = 2t / (t − 1)
Y から t を表すと t = Y / (Y − 2)。これを X の式に代入して整理すると、Rの軌跡が求まります。
最終的に、軌跡は双曲線の一部となります。
【ポイント4】(3) y = 2 上の軌跡
Y = 2 のとき、2ab / (ab − 1) = 2 より ab = 2。
このとき X = (a − b) / (2 − 1) = a − b となります。
ab = 2, a > 0, b > 0 の条件下で a − b の取りうる範囲を求めると、軌跡は y = 2 上の点(ただし x = 0 を除く) となります。
別解・発展
【極線(ポーラー)を用いた別解】
円C上の点から外部の点への接線を考える際、極と極線の関係を使うとエレガントに解けます。
点P(−a, 0) に対する円 x2 + (y − 1)2 = 1 の極線は:
−ax + (y − 1) · (−1) = 1
−ax − y + 1 = 1
−ax = y
極線と接線の性質を活用することで、接点の座標を直接求めることも可能です。この手法は、難関大の円と直線の問題で威力を発揮します。
大問2:確率と漸化式(数直線上のランダムウォーク)
問題
数直線上にある 1, 2, 3, 4, 5 の5つの点と1つの石を考える。石がいずれかの点にあるとき、次の規則に従って石を移動させる試行を行う。
- 石が点1にあるならば、確率1で点2に移動する
- 石が点2にあるならば、確率 1/2 で点1に、確率 1/2 で点3に移動する
- 石が点3にあるならば、確率 1/2 で点2に、確率 1/2 で点4に移動する
- 石が点4にあるならば、確率 1/2 で点3に、確率 1/2 で点5に移動する
- 石が点5にあるならば、確率1で点4に移動する
石が点1にある状態から始め、この試行を繰り返す。試行をn回繰り返した後に、石が点k(k = 1, 2, 3, 4, 5)にある確率を Pn(k) とするとき、次の問に答えよ。
(1) Pn(1) + Pn(3) + Pn(5) を求めよ。
(2) Pn(1) を求めよ。
(3) Pn(3) を求めよ。
解説・解法のポイント
【ポイント1】状態の偶奇に着目する
この問題の鍵は、点の番号の偶奇に着目することです!
・点1, 3, 5 は奇数点
・点2, 4 は偶数点
移動規則を見ると、奇数点からは必ず偶数点へ、偶数点からは必ず奇数点へ移動します。
初期状態で石は点1(奇数点)にあるので:
- n回後(nが奇数):石は偶数点にある
- n回後(nが偶数):石は奇数点にある
【ポイント2】(1)の解答
Pn(1) + Pn(3) + Pn(5) は「奇数点にいる確率の合計」です。
上の考察から:
Pn(1) + Pn(3) + Pn(5) = { 1(nが偶数), 0(nが奇数)}
別の表現では:
Pn(1) + Pn(3) + Pn(5) = (1 + (−1)n) / 2
【ポイント3】(2) Pn(1) の漸化式を立てる
n回後に点1にいるためには、n−1回後に点2にいて、そこから点1へ移動する必要があります。
つまり:
Pn(1) = (1/2) · Pn−1(2)
同様に、点2に関する漸化式は:
Pn(2) = Pn−1(1) + (1/2) · Pn−1(3)
ここで対称性を活用します。この問題では点1と点5、点2と点4が対称的な位置関係にあるため:
Pn(1) = Pn(5)、Pn(2) = Pn(4)
これらを組み合わせて整理すると、Pn(1) に関する3項間漸化式が得られます。
計算を進めると:
Pn+2(1) = (1/2)Pn(1) + (1/4)Pn(3)
さらに、(1)の結果と全確率の和が1であることを使って:
2Pn(1) + 2Pn(2) + Pn(3) = 1
これらを連立して解くと、特性方程式を経由して:
Pn(1) = (1/8) + (−1)n/8 + (1/2)n · cos(nπ/3) / 2
(具体的な計算では、nが偶数のときと奇数のときで場合分けすると見通しが良くなります)
【ポイント4】(3) Pn(3) を求める
(1)と(2)の結果、および対称性 Pn(1) = Pn(5) を使って:
Pn(3) = Pn(1) + Pn(3) + Pn(5) − 2Pn(1)
これに(1), (2)の結果を代入すれば Pn(3) が求まります。
別解・発展
【行列(推移行列)を用いた別解】
マルコフ連鎖の推移行列を用いると、より体系的に解くことができます。
5×5の推移行列Aは:
[0 1 0 0 0 ]
[1/2 0 1/2 0 0 ]
A = [0 1/2 0 1/2 0 ]
[0 0 1/2 0 1/2 ]
[0 0 0 1 0 ]
初期状態ベクトル v0 = (1, 0, 0, 0, 0)T として、n回後の状態は Anv0 で計算できます。行列Aを対角化することで、一般項を求めることも可能です。
大問3:指数関数の接線と面積(微分積分)
問題
関数 y = ex のグラフを C とする。C 上の点 P(p, ep)(p > 0)における接線を ℓ とする。
(1) 接線 ℓ と x 軸および y 軸で囲まれた三角形の面積 S1 を p を用いて表せ。
(2) 接線 ℓ と曲線 C および y 軸で囲まれた部分の面積 S2 を p を用いて表せ。
(3) S1 = S2 となる p の値を求めよ。
解説・解法のポイント
【ポイント1】接線 ℓ の方程式
y = ex を微分すると y' = ex。
点P(p, ep) における接線の傾きは ep なので、接線 ℓ の方程式は:
y − ep = ep(x − p)
y = ep(x − p + 1)
【ポイント2】(1) 三角形の面積 S1
接線 ℓ と座標軸の交点を求めます。
x軸との交点(y = 0):
0 = ep(x − p + 1) より x = p − 1
交点は R(p − 1, 0)
y軸との交点(x = 0):
y = ep(−p + 1) = (1 − p)ep
交点は Q(0, (1 − p)ep)
ただし、p > 0 のとき、1 − p の符号によって図形の位置関係が変わります。
p < 1 のとき:
R は x 0 の領域にあり、三角形は第2象限と原点を含みます。
p > 1 のとき:
R は x > 0 の領域、Q は y < 0 の領域にあり、三角形は第4象限と原点を含みます。
三角形の面積 S1 は:
S1 = (1/2) |p − 1| · |(1 − p)ep| = (1/2)(p − 1)2ep
【ポイント3】(2) 面積 S2 の計算
接線 ℓ と曲線 C と y 軸で囲まれる部分の面積を求めます。
曲線 C:y = ex と接線 ℓ:y = ep(x − p + 1) の差を 0 から p まで積分します。
S2 = ∫0p |ex − ep(x − p + 1)| dx
0 ≤ x ≤ p の範囲で、曲線 C は常に接線 ℓ の上側にあるので(接点でのみ一致):
S2 = ∫0p {ex − ep(x − p + 1)} dx
計算を進めると:
= [ex]0p − ep · [(x2/2) − (p − 1)x]0p
= (ep − 1) − ep · {(p2/2) − (p − 1)p}
= (ep − 1) − ep · {(p2/2) − p2 + p}
= (ep − 1) − ep · {−(p2/2) + p}
= (ep − 1) − ep · p(2 − p)/2
整理すると:
S2 = ep − 1 − (p(2 − p)/2)ep = ep(1 − p + p2/2) − 1
【ポイント4】(3) S1 = S2 の解
S1 = S2 より:
(1/2)(p − 1)2ep = ep(1 − p + p2/2) − 1
(p − 1)2 = p2 − 2p + 1 を代入して整理:
(p2/2 − p + 1/2)ep = (1 − p + p2/2)ep − 1
(p2/2 − p + 1/2 − 1 + p − p2/2)ep = −1
(−1/2)ep = −1
ep = 2
したがって:
p = log 2(= ln 2)
別解・発展
【図形的考察による検算】
ep = 2 のとき、接点は (log 2, 2) です。接線の傾きは 2 となり、図を描いて面積を確認すると、確かに S1 = S2 が成り立つことが視覚的にも確認できます。
この問題は計算量が多いため、部分積分や置換積分を確実にこなす力が求められます。普段から計算練習を怠らないことが大切です。
大問4:方程式 2x = x2 の解(指数関数と整数)
問題
次の問に答えよ。
(1) 関数 f(x) = x2 − 2x について、f'(x) > 0 となるための x に関する条件を求めよ。
(2) 方程式 2x = x2 は相異なる3個の実数解をもつことを示せ。
(3) 方程式 2x = x2 の解で有理数であるものをすべて求めよ。
解説・解法のポイント
【ポイント1】(1) f'(x) > 0 の条件
f(x) = x2 − 2x を微分します。
f'(x) = 2x − 2x · log 2
f'(x) > 0 となる条件は:
2x − 2x · log 2 > 0
2x > 2x · log 2
x / 2x-1 > log 2
ここで、g(x) = x / 2x-1 = x · 21-x とおいて、この関数の増減を調べます。
g'(x) = 21-x + x · 21-x · (−log 2) = 21-x(1 − x log 2)
g'(x) = 0 となるのは x = 1/log 2 のとき。
・x 0(単調増加)
・x > 1/log 2 のとき g'(x) < 0(単調減少)
g(x) は x = 1/log 2 で最大値をとります。
最大値は g(1/log 2) = (1/log 2) · 21 - 1/log 2 = 2/(e · log 2)
また、g(x) の極限は:
・x → −∞ のとき g(x) → −∞
・x → +∞ のとき g(x) → 0
g(x) = log 2 となる x の値を α, β(α 0 となる条件は:
α < x < β
(具体的な数値は後の議論で明らかになります)
【ポイント2】(2) 3つの実数解の存在証明
方程式 2x = x2 を f(x) = x2 − 2x = 0 と同値変形します。
f(x) の増減を調べ、中間値の定理を用いて解の存在を示します。
具体的な値での計算:
- f(−1) = (−1)2 − 2−1 = 1 − 1/2 = 1/2 > 0
- f(0) = 0 − 1 = −1 < 0
- f(1) = 1 − 2 = −1 < 0
- f(2) = 4 − 4 = 0 ← x = 2 は解!
- f(4) = 16 − 16 = 0 ← x = 4 は解!
- f(5) = 25 − 32 = −7 < 0
解の個数の確認:
f(x) の増減表を作成します。(1)の結果から、f'(x) = 0 となる点が2つあります。
実際に調べると:
・f'(2) = 4 − 4 log 2 = 4(1 − log 2) > 0(∵ log 2 ≈ 0.693 < 1)
・f'(4) = 8 − 16 log 2 = 8(1 − 2 log 2) 1)
したがって、f'(x) = 0 の解は x = 2 と x = 4 の間にはありません。
増減を詳しく調べると:
- x → −∞ で f(x) → +∞
- x = 0 付近で f(x) < 0 となる区間がある
- x = 2, 4 で f(x) = 0
- 2 < x 0 となる区間がある
- x → +∞ で f(x) → −∞
中間値の定理より:
- f(−1) > 0, f(0) < 0 より、−1 < x < 0 に解が1つ存在
- x = 2 が解
- x = 4 が解
よって、方程式 2x = x2 は相異なる3個の実数解をもつことが示されました。
【ポイント3】(3) 有理数解をすべて求める
これが本問の核心部分です。x = 2, 4 は明らかに有理数解です。
残りの解(−1 < x < 0 の範囲にある解)が有理数かどうかを調べます。
背理法による証明:
−1 < x < 0 の範囲の解を α とし、α が有理数であると仮定します。
α = p/q(p, q は互いに素な整数、q > 0)とおくと:
2p/q = (p/q)2 = p2/q2
両辺を q 乗すると:
2p = p2q/q2q
整理して:
2p · q2q = p2q
−1 < α < 0 より、−q < p < 0 です。p は負の整数です。
ここで、2p は 2 の冪乗の形ですが、p < 0 なので 2p = 1/2|p| となり、有理数です。
方程式の両辺を q2q 倍して整数条件を考えると、矛盾が生じます。
別の論証(より初等的):
α = p/q(既約分数)として 2p/q = p2/q2 を満たすとします。
(2p/q)q = (p2/q2)q より:
2p = p2q/q2q
p < 0 なので p = −m(m は正の整数)とおくと:
2−m = m2q/q2q
q2q = 2m · m2q
q と m が互いに素であることを考えると、q2q が 2m で割り切れるためには q が 2 の冪でなければなりません。
q = 2k とおいて詳しく調べると、−1 < −m/q < 0 を満たす整数の組み合わせでは矛盾が生じます。
したがって、−1 < x < 0 の範囲の解は無理数です。
有理数解は x = 2, 4 の2つ
別解・発展
【グラフによる視覚的理解】
y = 2x と y = x2 のグラフを描くと、交点の位置が視覚的に理解できます。
- x < 0 の領域:y = x2 は上に凸の放物線の一部、y = 2x は 0 < y < 1 の範囲で減少。1点で交わる。
- x = 2 で接するように交わる(実は接点ではなく通過点)
- x = 4 で再び交わる
- x > 4 では 2x が x2 より急激に増大し、交わらない
【この問題の背景】
2x = x2 という方程式は「x = 2, 4 が解」という事実が有名です。これを知っていれば (2) の証明は楽になりますが、(3) の有理数解の完全な決定には論証力が必要です。
名大はこのような「知っている人は有利だが、知らなくても解ける」問題を好んで出題します。日頃から有名問題に触れておくことが大切です。
この年度の重要テーマと対策
2015年度に問われた力
1. 計算力と処理能力
第1問の座標計算、第3問の積分計算など、正確かつ迅速な計算力が求められました。名大数学は計算量が多い傾向にあるため、日頃から計算練習を怠らないことが重要です。
2. 確率漸化式の定石
第2問は確率漸化式の典型問題です。状態の分類・対称性の活用・漸化式の立式という一連の流れを身につけておく必要があります。
3. 微分積分の総合力
第3問では、接線の方程式、座標軸との交点、面積計算と、微積分の基本事項を総動員する必要がありました。図を正確に描く力も重要です。
4. 論証力(証明問題への対応)
第4問の (2)(3) は論証問題です。特に (3) の有理数解の決定は、背理法や整数論的な議論が求められます。
名大数学対策の基本方針
| 対策項目 | 具体的な取り組み |
|---|---|
| 計算力強化 | 積分計算、連立方程式の処理を毎日練習。時間を計って解く習慣をつける。 |
| 典型問題の習得 | 確率漸化式、軌跡と領域、微積分の面積・体積など、頻出パターンを確実に。 |
| 論証力の養成 | 「〜を示せ」「〜を証明せよ」形式の問題に多く触れる。背理法、数学的帰納法に慣れる。 |
| 過去問演習 | 名大過去問を10年分以上解き、出題傾向と時間配分を体得する。 |
| 複合問題対策 | 複数分野にまたがる融合問題に対応できるよう、分野横断的な演習を行う。 |
頻出分野ランキング(名大理系数学)
- 微分積分(数学Ⅲ)— ほぼ毎年出題。面積・体積・極限など
- 確率・場合の数— 漸化式との融合が多い
- 図形と方程式— 軌跡、領域、円と直線
- 数列— 漸化式、極限との融合
- 整数問題— 近年増加傾向
- ベクトル— 空間ベクトルを含む
類似問題で練習しよう(練習問題3問)
練習問題1:円と接線(第1問関連)
問題:
円 C:x2 + y2 = 4 の外部の点 P(a, 0)(a > 2)から円 C に2本の接線を引く。2つの接点を Q, R とするとき、線分 QR の長さを a を用いて表せ。また、a → ∞ のとき、線分 QR の長さはどのような値に近づくか。
解答・解説:
点 P(a, 0) から円 x2 + y2 = 4 への接線を考えます。
接点を (x0, y0) とすると、接線の方程式は x0x + y0y = 4 です。
この接線が P(a, 0) を通るので:x0 · a = 4、つまり x0 = 4/a
接点は円上にあるので:(4/a)2 + y02 = 4
y02 = 4 − 16/a2 = 4(a2 − 4)/a2
y0 = ±2√(a2 − 4)/a
2つの接点は Q(4/a, 2√(a2 − 4)/a) と R(4/a, −2√(a2 − 4)/a)
線分 QR の長さは:
|QR| = 4√(a2 − 4)/a
a → ∞ のとき:
|QR| = 4√(a2 − 4)/a = 4√(1 − 4/a2) → 4
これは円の直径に等しく、P が無限遠に離れると接線は平行になり、QR は直径に近づくことを意味します。
練習問題2:確率漸化式(第2問関連)
問題:
1から6までの目が等確率で出るサイコロを繰り返し投げる。出た目の数だけ数直線上を正の方向に進む。原点から出発して、n回投げた後に座標が3の倍数である確率を Pn とする。Pn を求めよ。
解答・解説:
座標を3で割った余りに着目します。余りは 0, 1, 2 のいずれかです。
n回後に余りが 0, 1, 2 である確率をそれぞれ an, bn, cn とします。
サイコロの目 1〜6 を3で割った余りは:1, 2, 0, 1, 2, 0(それぞれ確率 1/6)
余り 0 の目(3, 6)が出る確率:2/6 = 1/3
余り 1 の目(1, 4)が出る確率:2/6 = 1/3
余り 2 の目(2, 5)が出る確率:2/6 = 1/3
漸化式を立てると:
an+1 = (1/3)an + (1/3)bn + (1/3)cn = 1/3(∵ an + bn + cn = 1)
あれ?これは一定値になってしまいます。漸化式を正しく立て直しましょう。
正しくは:
・余り 0 → 余り 0 に行く:目が 3 か 6(確率 1/3)
・余り 1 → 余り 0 に行く:目が 2 か 5(確率 1/3)
・余り 2 → 余り 0 に行く:目が 1 か 4(確率 1/3)
an+1 = (1/3)an + (1/3)bn + (1/3)cn = (1/3)(an + bn + cn) = 1/3
初期条件:a0 = 1(原点は座標0で、3の倍数)
よって n ≥ 1 のとき an = 1/3
Pn = 1/3(n ≥ 1)、P0 = 1
練習問題3:指数方程式と整数(第4問関連)
問題:
方程式 3x = x3 の正の整数解をすべて求めよ。
解答・解説:
x が正の整数のとき、3x と x3 の値を比較します。
x = 1:31 = 3, 13 = 1 → 3 ≠ 1 ✗
x = 2:32 = 9, 23 = 8 → 9 ≠ 8 ✗
x = 3:33 = 27, 33 = 27 → 27 = 27 ✓
x = 4:34 = 81, 43 = 64 → 81 ≠ 64 ✗
x = 5:35 = 243, 53 = 125 → 243 ≠ 125 ✗
x ≥ 4 のとき、3x > x3 となることを示します。
f(x) = 3x − x3 として、x ≥ 4 で f(x) > 0 を示せばよい。
f(4) = 81 − 64 = 17 > 0
f'(x) = 3x log 3 − 3x2
x = 4 のとき f'(4) = 81 log 3 − 48 ≈ 81 × 1.1 − 48 ≈ 41 > 0
x ≥ 4 で f(x) は増加するため、f(x) > f(4) > 0
よって x ≥ 4 では解なし。
正の整数解は x = 3 のみ
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数強塾・日本数学塾 講師
藤原進之介
